死にゆくひとが手のひらにのせてくれたパン切れは、ひからび、かびていた。 マグダ・オランデール=ラフォンさんは、ハンガリーに生まれた。十六歳のとき、アウシュビッツ=ビルケナウに強制収容され、家族のなかでただひとり、生還した。収容されたひとびとは、毎日二列にわけられる。ガス室か、労働か。母と妹は、到着した日に殺された。 どうしてこんなことになってしまったのか。 ユダヤ人というだけで、大量虐殺を犯した母国。ささいなけんかをした家族に、あやまれなかった。そして、ひとり生き残った。 ベルギーをへてフランスに渡った彼女は、母語を失うほど、記憶を封じた。生きのびるために生きつづけ、夫と子どもを得ることで、愛とほほえみをとりもどす。そして、三十年の沈黙ののち、はじめての光を放つ。 あらわれた言葉は、静かでまぶしい。経験したおぞましい闇をはねとばし、歴史をおそれるひとびとを、自己内省の入口へと導く。 声もか
ナチス・ドイツの元高官の男(97)がハンガリーの首都ブダペストで暮らしていることが分かり、ハンガリーの捜査当局は18日、男の身柄を拘束した。約1万5700人のユダヤ人をアウシュビッツ強制収容所に送ったことに関与した疑いが持たれ、生存中のナチス戦犯の中で「最後の大物の一人」とされる。ハンガリー通信などが伝えた。
EU ハンガリーに初の制裁へ 1月12日 4時47分 EU=ヨーロッパ連合は11日、財政状況が悪化しているハンガリーが財政赤字の削減などEUが定めた財政規律を守るための対策をとっていないとして、制裁措置を初めて適用する方針を明らかにしました。 EUでは、加盟国の財政状況の悪化が信用不安を招いたことの反省から財政規律に違反した国に対して、ほぼ自動的に制裁を発動できる制度が先月、発効したのを受けて、加盟国の財政状況の分析を進めてきました。この結果、ヨーロッパ委員会で経済・通貨政策を担当するレーン委員は11日、記者会見し、ハンガリーは財政赤字をGDP=国内総生産の3%未満に抑えるという財政規律を守るために必要な対策をとっていないと判断したことを明らかにしました。ヨーロッパ委員会によりますと、ハンガリーでは、現在は一時的な歳入により財政赤字が低い水準に抑えられているものの、来年には3%を超える見込
【ウィーン樋口直樹】欧州連合(EU、27カ国)加盟国のハンガリーで、宗教法人法の改正によって認証団体が激減したことが、「信教の自由」を巡る議論に発展している。宗教法人の認証が政府与党の判断で左右されかねない仕組みになったためで、政府に批判的な学識者らはEUの行政府・欧州委員会に基本的人権の保護を求めるなど、抗議している。 ハンガリー国会は7月、最大与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」などの賛成多数で通称「新・教会法」を可決した。これにより宗教法人として認められてきた358団体のうち、14団体しか資格が認められないことになった。資格を失った団体は来年以降、補助金や税制面での優遇措置などを失うことになる。 これに対し、元ブダペスト市長ら学識者15人は、欧州委員会や人権機関の欧州会議(47カ国)へ「介入」を求める公開書簡を提出。とりまとめ役の元国会議員、ラズロ・ライク氏は毎日新聞の取材に「ホーム
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