診療保険点数の改定は2年に1度行われます。来る4月に行われる点数改定の詳細が、2月12日に厚生労働省より発表されました。 今回の改定の目玉の1つが、主治医機能を評価した「地域包括診療料」です。 これは、月1万5000円(1割負担で1500円、3割負担で4500円)の費用で、すべての薬や病状の管理および血液検査などの代金を含めて24時間365日対応する「主治医機能」を提供するという制度です。 日本では主治医(かかりつけ医)の必要性が長らく指摘されているものの、制度として進んでいません。 その背景には、まず金額の問題があります。同時に、日本の医療は「フリーアクセス」(好きな医療機関を自由に受診できる制度)を維持しているために、主治医機能が実質骨抜きになっていることも問題なのではないかと私は思うのです。 絶滅の危機に瀕する「主治医」制度 主治医機能を評価する制度は以前もありました。 1996(平

消費税率を引き上げると、医療機関の経営が打撃を受けるというパラドックスが生じる。それは、現行の消費税制において、医療機関に仕入税額控除が認められていないためだ。これを防ぐには医療サービスを課税取引とし、医療機関に仕入税額控除を認めることである。 消費税率引き上げのパラドックス 前回まで年金、医療の順に社会保障制度を扱ってきた。今回から社会保障制度との関連を意識しつつ税制に視点を移そう。 まず消費税である。野田政権が推し進める社会保障・税一体改革は、社会保障制度を維持・充実するための消費税率引き上げを標榜しているが、実は、消費税率を引き上げると、医療機関経営が深刻な打撃を受けるというパラドックスが生じる。これは、極めて重要な問題でありながら、今回の社会保障・税一体改革では、ほとんど議論もされないまま、先送りとなっている。 仕入税額控除の理解が鍵 このパラドックスを理解する鍵は、消費税制とりわ

MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 今年7月17日、相馬光陽サッカー場(福島県相馬市)で「取り戻せ!元気な相馬サッカー大会」が開催された(主催:相馬市・NPO法人ドリームサッカー相馬)。 目玉は清水商業高校(静岡県)と地元相馬高校のサッカー交流試合、および名波浩さんをはじめとする清水商業OBのサッカー指導だ。10人以上のJリーガーが駆けつけた。その中には多数の日本代表が含まれる。市民は大歓迎で、総勢3000人程度が参加したという。 三島の鍼灸師・藤田義行氏が実現させた交流試合 この企画を実現させたのは、静岡県三島市在住の鍼灸師・藤田義行氏だ。藤田氏と私は、医療改革を語り合う仲間である。 震災後、私に「被災地を訪問してみたい」と連絡があり、ゴールデンウイークに相馬市にやって来た。そこで彼は「被災地の子どもたちにスポーツを提供しなければ」と感じたらしい。 藤田氏の鍼灸の腕は高く、スポーツ

激しい頭痛などを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)について、07年度発足の厚生労働省研究班(代表、嘉山孝正・国立がん研究センター理事長)が、「髄液漏れの患者の存在が確認できた」とする中間報告書をまとめた。発症は極めてまれとされていたが、報告書は「頻度は低くない」と指摘した。MRI(磁気共鳴画像化装置)などの画像の判定基準や診断の進め方についても案をまとめており、今後関係学会の了承を得たいという。治療法の基準作りや保険適用に向けて大きく前進するとみられる。 報告書によると、研究班は「頭を高くしていると頭痛が始まったり、ひどくなる」患者100人を分析し、放射線科専門医がMRIなどの画像を判定。班会議を重ね、うち16人は「確実」に髄液が漏れており、17人は「疑いがある」とした。 脳脊髄液減少症は、脳と脊髄の周囲を巡る脳脊髄液が漏れ、頭痛を招く。国内では00年以降、「交通事故被害者ら
二木 立(にき・りゅう) 1972年、東京医科歯科大学医学部卒。代々木病院リハビリテーション科医長・病 棟医療部長を経て、1985年に日本福祉大学教授として赴任。2009 年に同大学副学長に就任。近著に『民主党政権の医療政策』(勁草書房)がある。 1980年代前半の中曽根(康弘)内閣の頃から、医学の論理ではなく、財政危機を理由に、医療・社会保障費と医師数の抑制政策が強行されるようになりました。それに対して説得力のある政策提言をするためには、医師出身者が医療の実態や特殊性をふまえた上で、医療経済を分析する必要があると考えたからです。そこで最初は診療をしながら研究を始め、1985年から日本福祉大学に移り、今に至っています。 ――30年近く医療経済・政策学を研究してきたその目から見て、この1年半の民主党政権の医療政策をどのように評価していますか。 60年もの間、ひとつの政権が続いたことは異常なこ

鈴木 亘 (すずき・わたる) 1970年生まれ。上智大学経済学部卒業後、日本銀行入行。98年に退職後、大阪大学大学院博士課程前期課程修了、後期課程単位取得退学(2001年に経済学博士号取得)。現在は学習院大学経済学部経済学科教授。専門は社会保障論、医療経済学、福祉経済学。主な著書に『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社、2009年、第9回日経BP、BizTech図書賞)共著に『生活保護の経済分析』(東京大学出版会、第51回日経・経済図書文化賞)などがある。(写真:大槻 純一 以下同) 鈴木 出発点にあるのは「強い財政」なんです。簡単にいうと、消費税引き上げでまず財源を確保し、社会保障分野に投じよう、ということです。そうするとGDPが拡大して税収も上がる、そうなると社会保障にいく分もさらに増える、となって好循環が生まれる。これが「強い社会保障」という考え方です。 なぜ社会

気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 「ハローワークで言われたことと話が違った。現場ではまるで、看護師のようだ」 神保由香さん(仮名、30代)は、医療秘書になって約10年。今も戸惑いを隠せない。 由香さんは一般事務職から転職する際に、「安定した職種でキャリアアップできる仕事を」と、ハローワークを通じて求職活動。医療事務を目指していた。すると、有名民間大病院(約700床)の「医療秘書」の募集があり、採用試験を受けることになった。 はっきりしない担当領域仕事の内容についてハローワークの職員に尋ねると「診察の補助みたいだけと、簡単だから大丈夫」と言われた。求人票には「カルテの処理、診察介助。資格や経験がなくても可能」と明記されていた。有名な大病院のため、就職先としての安心感があったが

政府は8日、医療費の窓口負担が一定額を超えた場合に払い戻す高額療養費制度について、70歳未満の年間所得約300万円以下世帯(住民税非課税世帯は除く)の負担上限額を現行の月額約8万円から月額約4万円に引き下げる方向で検討に入った。 年内に厚生労働相の諮問機関「社会保障審議会」で具体案をとりまとめ、2011年度にも実施したい考えだ。 新制度の適用を受ける対象者は、3000万人程度と想定している。 現行制度では、70歳未満の高額療養費の自己負担の月額上限額は、所得に応じて、「住民税非課税世帯」は3万5400円、「一般所得世帯」(年間所得600万円未満)は約8万円、「高額所得世帯」(年間所得600万円以上)は約15万円となっている。 高額療養費の対象となるのは、がんや神経性難病などの患者が多く、過去12か月以内で3回以上、高額療養費の支給を受けた場合は4回目から半額程度に軽減する特例が設けられてい
世界一の長寿命国といわれる日本。だがひょっとすると近い将来、その地位から転落するかもしれない。経済格差が拡大するにつれ、“健康格差”の影が広がりつつあるからだ。 「医療費が支払えず相談に来られる方で、重度の糖尿病を患っているケースがけっこう多いんですよ」 と打ち明けるのは、石川県にある総合病院のソーシャルワーカー、Aさん。糖尿病といえば、“金持ち病”というイメージがあるが、Aさんは「むしろ、貧困を抱える人に多いのでは」と言う。 「独り暮らしのワーキングプアはお金がないと、安いジャンクフードでおなかをふくらませるしかない。そんな生活をずっと続け、体重が増えてしまった人は結構見受けられますよ。その結果、糖尿病や心臓疾患を患う方が少なくないですね」 米国や英国ですでに健康格差が存在するのは周知の通り。低所得者層は食生活や健康管理に気を配る経済的ゆとりはなく、肥満になりやすいという。同じようなこと

医療機関で2回目以降の外来受診の際にかかる「再診料」が、4月から690円に統一される。病院は90円上がり、診療所は20円下がる。病院の勤務医の待遇改善が狙いで、診療所の開業医は危機感を募らせる。休日や夜間に患者からの相談を受ける診療所に特別な加算を付けるなど、外来医療の報酬配分も10日の中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)で決まった。 「診療所の危機的な経営状況が加速してしまう」。診療所の再診料引き下げについて、東海地方で整形外科を開業する医師は頭を抱えた。1日に100人を超す患者が訪れ、2009年6月の診療報酬900万円のうち、再診料は18%を占めた。20円下がると収入は年間約50万円減る。 大幅引き下げなら、リハビリや事務の職員削減も考えないといけないと覚悟していた。そうなると患者の待ち時間が延びてしまう。今回はそうした事態を避けられそうだが、楽になるわけではない
出産育児一時金が医療機関に直接支払われる制度が昨年10月から始まったが、医療機関が健康保険組合(健保)などに申請してから実際に費用を受け取るのに1〜2カ月かかるため、金融機関からの借入金などの負担が増して、お産を扱う病院や診療所の7割が出産費用を値上げしたり、値上げを予定していたりすることがわかった。開業の産婦人科医らでつくる日本産婦人科医会が10日、公表した。 出産育児一時金(42万円)は従来、妊婦らが出産後に健保などに申請し支払いを受けていた。支払われるまで、妊婦らは40万円以上かかることもある出産費用を立て替える必要があった。そこで、「直接支払制度」を設けて、出産育児一時金を医療機関に直接振り込むようにした。昨年10月から任意で医療機関が導入を始めたが、医療機関の反発も強く今年度末まで全面的な導入は延期されている。 特に産科が主体の診療所にとって出産費用は収入の大半を占める。資金
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 「毎日が精一杯で、看護のやりがいなんて忘れてしまった」 看護師の松田裕美さん(仮名、35歳)は、しばらく沈黙したままだった。2人目の子供を出産後、育児休業を取って2年が経つが、仕事と育児に追われ、記憶がなくなるくらい忙しいのだ。 裕美さんは東北地方で生まれ育ち、地元の市立病院に併設された看護学校を卒業後、そのまま市立病院に就職した。新人の頃は救命救急センターに配属された。結婚し、2003年に子供を授かったが、救命救急センターは昼も夜もなく激務が続いた。 動けない患者の体位を変えたり支えたりすることで、妊娠中の体に負荷がかかり、お腹が強く張っていた。張り止めの薬を飲みながら勤務したが、そのうち出血が始まった。 3人に1人が「切迫流産」 産婦人科

あまりにみみっちい話しなので。書くのも情けない話なのですが。ちょっと愚痴を聞いてください。 乳腺炎を起こしてくる人がいます。授乳中、乳管が詰まって、しこりができて、赤くなって、高熱を出す人もいます。本人は、とてもつらいのです。 そのような時、患者さんにはベッドに横になって頂いて、オッパイのマッサージをします。詰まっているところが通るように。しこりが解消されるように。出てくる母乳をガーゼに吸わせながら、とても時間がかかります。大体、30分近く。力もいるので、終わると手ががたがた震えるほどです。 つい先日、その乳房マッサージが保険点数、35点。350円だと知りました。わあ、これだけ苦労して、350円なのか、と、ちょっとがっかりしました。もちろん患者さんは、その3割負担の105円、規則で切り上げの110円の支払いです。えらく安いんだあと。 実は、私はレセプトの点検をするときにも、点数は、全く気に

なぜ葉酸サプリメントは必要か 葉酸は妊活・妊娠中に必要なものです。妊娠初期の活発な細胞分裂時には、葉酸がDNAなどの合成に重要な働きをします。妊娠初期の数週間、胎児の神経管は形成され、神経管は胎児の脳と脊髄、中枢神経系にとても重要な器官ですが、この神経管の形成には母体が摂取する葉酸の量が重要となってます。妊娠初期の赤ちゃんには、脳や脊髄の基になる神経管という環状構造物が形成されます。この時にたくさんの葉酸が必要となり、葉酸が不足すると先天異常の可能性が高くなるといわれています。妊娠初期は、脳・神経管・心臓など、人にとって非常に重要な部分が形成される時期。この時期、お母さんは栄養摂取面に特に気を付けたいのです。食事を摂っていれば葉酸が不足する事はないといわれていますが、妊婦は違います。特に妊娠初期の赤ちゃんにはたくさんの葉酸が必要な事ら、妊娠中の葉酸は不足しがちになります。 医者様よ
なぜ葉酸サプリメントは必要か 葉酸は妊活・妊娠中に必要なものです。妊娠初期の活発な細胞分裂時には、葉酸がDNAなどの合成に重要な働きをします。妊娠初期の数週間、胎児の神経管は形成され、神経管は胎児の脳と脊髄、中枢神経系にとても重要な器官ですが、この神経管の形成には母体が摂取する葉酸の量が重要となってます。妊娠初期の赤ちゃんには、脳や脊髄の基になる神経管という環状構造物が形成されます。この時にたくさんの葉酸が必要となり、葉酸が不足すると先天異常の可能性が高くなるといわれています。妊娠初期は、脳・神経管・心臓など、人にとって非常に重要な部分が形成される時期。この時期、お母さんは栄養摂取面に特に気を付けたいのです。食事を摂っていれば葉酸が不足する事はないといわれていますが、妊婦は違います。特に妊娠初期の赤ちゃんにはたくさんの葉酸が必要な事ら、妊娠中の葉酸は不足しがちになります。 医者様よ
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