このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 米オハイオ州立大学などに所属する研究者らが発表した論文「A sensor-actuator?coupled gustatory interface chemically connecting virtual and real environments for remote tasting」は、物理的に離れた場所にいる人と味を共有するシステムを提案した研究報告だ。一方が食べている味を別の場所にいる一方に無線伝送し、同じ味を再現するアプローチだ。 システムは「e-Taste」と呼ばれ、味を感知する「電子舌センサー」と、その情報に基づいて味を再現する「アクチ
NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワーク 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ河出書房新社Amazonこの『NEXUS』は、ホモ・サピエンスが世界を支配しているのは、特別に賢いからではなく「虚構」を操作し大勢で柔軟に協力できる唯一の種であると示した人類史本『サピエンス全史』で一躍有名になったユヴァル・ノア・ハラリの六年ぶりの大作ノンフィクションだ。今回のテーマは、副題にも入っているように「情報」になる(メインのNEXUSはつながりとか絆を意味する単語だが、その意味はのちにわかる)。 われわれはDNAからブラックホールまで、あらゆるものについて膨大な情報を獲得し、積み上げてきたにもかかわらずどうして世はこんなにもままならないのか? いまだに戦争も貧困も根絶することはできない。長期的にみたら世界は平和になっていることも示されているが、少なくとも短期的には著しい落ち込みを示すこともある。 私たち
テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。(集英社シリーズ・コモン) (集英社学芸単行本) 作者:ヤニス・バルファキス,斎藤幸平集英社Amazonこの『テクノ封建制』は、『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』で知られる、経済学者ヤニス・バルファキスによる新刊で、テーマは「ポスト資本主義に移行している、現代の経済をめぐる状態について」になる。 バルファキスの著作には他にも、物語仕立てで「資本主義後以外の制度」を考察していく実質的なSF作品『クソッたれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』もあるが、本作もそうした、現代における資本主義の意味とそれ以外の未来を問い直していく流れの中にある一冊だ。本作でも前著で語られた「資本主義以降の制度の模索」はわかりやすく繰り返されているので、本作から読んでも特に問題
コンクリート自信なくしたニキです。ご指摘を色々いただいたので再度追記します。 特に、https://anond.hatelabo.jp/20250215185611は諸々直接的かつ詳細に指摘いただいたので、当方分かる範囲で諸々調べなおしました(勉強し直しのいい機会となりました。) 当方の記載も誤りや厳密でない記載多数含む思いますので、必要な指摘はぜひしていただくべきかと思います。 とはいえ、全体的にそこまで間違ってなくね!?とも思っているので、必要な追記をすることにしたいと思います。英語圏での"concrete"という語について当方の下記記載についてご指摘いただいたものと理解しています。 日本だと(英語でも)コンクリートというと普通はセメントコンクリートを指します。 こちらですが、ご指摘いただいた通り、英語の"concrete"は形容詞として「具体的な」を含む意味を持っています。また、語
生成AIの登場で卒論クオリティは様々な面で変化した 高偏差値大学ではあるので,卒論そのものが生成AIによって書かれている,なんてことはさすがにあり得ない 大体,教員が与えたテーマは答えがまだないことが多いので,自動生成は難しいのだ では,どこに出てくるかというと,卒論生が書くコードと計算結果だ 「こういうモデル作って,こういう計算してみたら,こういう結果になると思うから,計算してみて」と指示すると 1週間も経たずに計算結果を出してくる.すごい!今年の卒論生は優秀だ!と思い,計算結果をよくよく眺めると,何かおかしい. 「こういう傾向になるのは理屈上おかしい気がするなぁ.ほんとにこの結果だと大発見だけど,僕の勘では計算コードにバグがあると思う.確認してくれる?」 と尋ねると,全く進捗報告をしてくれなくなる. 「こないだの計算のバグかもって話どうなった?」って聞くと, 「ChatGPTが書いたコ
関西空港の駐機場に面した、整備士のオフィスを訪ねた。 「これです」 驚いた。 身長175センチの私が手を思い切り伸ばしても、届かないところにコンセントがある。 しかも、以前はもっと低いところにあったが、年が経つにつれ、どんどん上がっているという。 オフィスを見回してみると、おかしな光景は、そこかしこにあった。 窓の位置も妙に高い。 「もとは、大人の目線くらいの高さにあったそうですが、これもどんどん上がってしまって…」 いまは「神棚」として活用しているという。 いったいどういうことなのか。 その整備士は「私から理由を説明する訳にはいかないので、空港会社に聞いてみてください」とつれない返事。 私は、関空を運営する関西エアポートの本社に向かった。
トランプ米政権で暗号資産と人工知能(AI)の責任者に起用されたデービッド・サックス氏は28日、中国のスタートアップ(新興企業)DeepSeek(ディープシーク)が米オープンAIのモデルのアウトプットを参考に技術を開発した「相当な証拠」があると述べた。 サックス氏はFOXニュースのインタビューで、ディープシークの取り組みについて「オープンAIのモデルから知識を蒸留(別のモデルのアウトプットを訓練目的で利用し同等の能力を開発する技術)したという相当な証拠がある。オープンAIはこれについてあまり満足していないと思う」と語った。 サックス氏は「相当な証拠」の詳細については説明しなかった。オープンAIは、コメントの要請にすぐには応じなかった。 ディープシークは先週、新たなオープンソースのAIモデル「R1」をリリースした。同社は「R1」の性能について、業界のさまざまな比較基準で米国の主要開発者に肩を並
1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter @semakixxx News&Analysis 刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。 バックナンバー一覧 ICカード乗車券「Suica」のサービス開始から約25年。この間、抜本的なモデルチェンジを行わなかったSuicaだが、いよいよ「次世代」の姿が見えてきた。12月10日にJR東日本が発表した「Suica R
ソニーのトリニトロン「KX-45ED1」は1988年に発売された43インチのブラウン管テレビで、「直視型として世界最大、クリアビジョン対応の高画質」というコピーとともに販売されました。そんなKX-45ED1の実動品が取り壊し寸前の大阪の飲食店で発見され、アメリカ在住のレトロゲームファンでエンジニアのShank Mods氏がサルベージしたと報告しています。 The Journey to Save the Last Known 43-Inch Sony CRT https://obsoletesony.substack.com/p/the-journey-to-save-the-last-known Console modder hunts down world's largest CRT TV — savesit from noodle restaurant demolition deat
TOPフォーカスCOBOL技術者の減少と、技術の「時限爆弾」に我々はどう向き合うべきか ~「昭和100年」を前に~【フォーカス】 立命館大学情報理工学部教授 上原 哲太郎 情報セキュリティ学者。デジタル・フォレンジック研究会会長や情報セキュリティ研究所理事を務め、官公庁のセキュリティ対策支援や、警察組織のサイバー犯罪アドバイザーなどを行う。「PHS反対運動の父」を掲げる。研究室には大量の菓子類を常備している。学生にはスナック系やブラックサンダーが好評。 公式サイト 立命館大学 研究者学術情報データベース X 「昭和100年問題」と呼ばれる年問題があります。西暦ではなく、元号である「昭和」を用いて、年の値を数字2桁固定で処理しているシステムが、COBOLなどで記述された企業や自治体の一部ソフトウェアに存在することに起因します。 当時の仕様のまま今も昭和換算で運用を続け、無理やり「2024年=
疾走するディストピア。ボール型警備ロボは未来の警察官?2024.12.20 07:0051,735 岡本玄介SF映画で見たような? ロボット開発が盛んなこの時代、メカの形状や機能も多種多様です。人型や鳥型などいろいろですが、中国杭州の「Rotunbot」はまん丸の球体型。 水陸両用で探索も、防犯用のパトロールや犯人追跡もできる多目的ロボなんです。 球体は意外と万能ボールのようでも重心があるので転がるのはタイヤ部分だけ。ノイズは低めで地面とは点で接地しているので、移動時の騒音も静かです。 どんな地形でも遠隔操作/自動運転で、時速30kmに達するまでたったの2.5秒と爆速。長距離移動も問題ありません。 The Chinese company #LogonTechnology has recently presented the RT-G spherical police robot, de
これはpyspa アドベントカレンダー 2024の12日目の記事です。11日目は@aodagの走るということについてでした。 はじめに この15年くらいは、おおむね平均すると毎年2,3人程度の技術者をOn the Job Training(OJT)で教育する機会に恵まれており、その中で蓄積した知見や私の考えを散発的に説明していきます。 私自身は受託開発を主たるビジネスとするシステムインテグレータ(SIer)と呼ばれる企業で働いており、足掛け25年程度のキャリアがありますがソフトウェアについて専門的な教育を受けたことはありません。また、教育についても同様です。 このエントリに記載された内容について何らかのエネルギーを注いでくれる方がいるなら、XあたりのSNSでURL付きで指摘して頂ければ非常にありがたいです。教育によって形成される技術者像 まずは、どのような技術者なら育てられるのでしょ
DMMグループでAI関連サービスを開発するAlgomatic(東京都中央区)は11月20日、提供を一時停止していたAI音声生成サービス「DMMボイス」を、「にじボイス」に名称変更して再開した。提供の一時停止に至った背景については「予想外に反響が大きかった」と説明した。 Algomatic GlobalでCEOを務める原田祐二さんは「まずは自分の周りの人に少し触ってもらおうという意図で(β版を)リリースした」と自身のnoteで明かした。こうした背景から、「決済機能はおろかログイン機能もない、もはやドメインも用意していないような超簡易なクローズドβ版」だったと説明。「コストも度外視で作ってしまっていた」として、予想外の反響とトラフィックの多さから、提供を一時停止したという。 名前を変更する理由に関しては、「正式なサービス名として運用していくことを想定していなかった」と説明した。DMMという名前
私は積読の山々を眺めると、買ったのに読まず積み上がってる現状にイラつくし、最近ではSNSや書店で面白そうな本を目撃してもどうせ積読になるからと買い控えするようになってきている。 これは私の望むところではないと一念発起し、ふとYoutubeやPodcastのような受動的なコンテンツは1日に何時間でも視聴してると気付き、読書も受動的な形にできれば、、、読み上げか!と。 書籍を読み上げることで積読の消化が捗ってきたので、とりあえず現状をまとめてみた。 ウェブページ のっけから書籍ではないけど、ウェブページも「後で読む」が無限に積み上がる。Pocket で消化する。 任意のウェブページAndroid 版Pocket の「聴く」で読み上げる。「聴く」の設定で「記事を自動再生」「聴いた後に自動アーカイブ」することで、どんどん消化していける。Pocket が読み上げできないウェブページは、記事を
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