各技術系メディアでは既に報じられていますが、今年のAAAI*1で会長名によってリリースされた"AAAI 2025 Presidential Panel on The Future ofAI Research"の内容が非常に示唆に富んでいたので、改めてやや仔細に読み解いてみようかと思います。 なお、元のレポートは結構なボリュームがありいきなり精読しようとするとしんどいので、NotebookLMにまとめさせたサマリーと論点に対応した原文の箇所を適宜読み返して自分で補いながら*2、つらつらと論じていくこととします。ということで、hallucinationsなどあればご遠慮なくご指摘くだされば幸いです。 レポートの全体構成について(特にAI研究者へのアンケート) 個人的に注目した論点 現在のAIの延長上にAGIは実現しない(76%) LLMの事実性・信頼性の問題はすぐには解決できない(60%)


[D] I don't really trust papers out of "Top Labs" anymore :MachineLearning あのさ。書いてある数字は事実だろうし実際書いてある研究はやったんだと思うよ。そこんとこは認めてやるよ。でもそれだけだ。例えば最近の"An Evolutionary Approach to Dynamic Introduction of Tasks in Large-scale Multitask Learning Systems"(巨大マルチタスク学習システムに対するタスクの動的追加における進化的アプローチ、著者Andrea Gesmundo, Jeff Dean、GoogleのAI部署所属)って論文だがな。この18ページの論文は超複雑で進化的なマルチタスク学習アルゴリズムについて書いてあって興味深いし、実際問題を解決してるさ。でも二点ツッ
リアルお茶の水博士としてテレビ出演されるなど、幅広く活躍する平木敬先生に、今までに手掛けられた計算機のこと、アーキテクチャ研究からインターネットの研究を始められた経緯や、現在、AIの分野で注目を浴びるプリファードネットワークスでのことなどお聞きしました。 限界を知って妥協をして、必要があれば後退することが大事 ―先生のバックグラウンドを教えてください。 生まれは東京の三鷹です。父が技術者だったこともあり、自宅には電子部品がたくさんあって、幼稚園の頃から電子部品をおもちゃに遊んでいた記憶があります。物を作るのが子供の頃から好きで、色々なものを作りました。 最初に鉱石ラジオを作ったのが小学校3年生の頃。といっても、最初はキットを買ってきて作っただけです。その後、ゲルマニウムラジオ、トランジスタラジオ、小学校6年生の時には、実用的な真空管のラジオを作って、それを7,8年自宅で使っていましたよ。

光をあててがん細胞を壊す「光免疫療法」について、実用化を目指す米国の「楽天メディカル」は1日、都内で事業説明会を開き、新たな臨床試験(治験)の結果を公表した。手術や抗がん剤などの治療で効果がなかった米国の30人の頭頸部(けいぶ)がんの患者を対象にした第2a相の治験の結果、4人はがんが消え、9人は縮小していた。この治療法と関連があるとみられる重篤な有害事象は3人にあったという。 この治療法は、米国立保健研究所(NIH)の研究員が開発した。近赤外光をあてると反応する化学物質と、特定のがん細胞に結びつく性質があるたんぱく質(抗体)を結合させた薬を注射。抗体はがん細胞とくっつく。それに近赤外光をあてると、がんに集まった薬と光が反応し、がん細胞を壊し、これをきっかけに免疫細胞は活性化する。 NIHと契約を結んだベンチャー企業(その後、楽天メディカルに社名変更)が、2015年から治験をしてきた。同社は

外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで

物事の本質に迫るため、正しい研究を行い、正しい報告を行うことは研究者の使命である。しかしながら、経営学を含め、多くの学問で、そのような適切な研究のあり方が危機に陥っている。学術界の社会制度自体が、研究者による不適切な研究を助長しているともいえる。このようなことを指摘しているのが、Mayer, van Witteloostuijn & Beugelsdijk (2017)である。具体的に言えば、現状の学術界では、本当は真実ではないことを、真実だと誤って報告した論文が多くジャーナルに掲載される危険性(False positive, 第一種の誤り)を高めているというのである。これらを生み出す研究行為のうち、典型的なものが、HARKing, p-hacking, asterisk-seekingである。 HARKingとは、Hypothesizing After the Results are K
Rigorous, Trustworthy & Transparent Publishing Gates Open Research provides all Gates-funded researchers with a version of record venue to publish any results they think are worth sharing. Before publication on Gates Open Research, all articles have been published as a preprint on our associated preprint server, VeriXiv. All articles benefited from rapid publication, transparent peer review and ed
阿部修士 こころの未来研究センター特定准教授、Joshua D.Greene 米国ハーバード大学教授、Kent A. Kiehl 米国ニューメキシコ大学教授らの研究グループは、反社会性パーソナリティ障害である「サイコパス」が、ためらうことなく、半ば自動的に嘘をついてしまう傾向があり、その背景に前部帯状回の活動低下があることを世界で初めて実証しました。本研究成果は、2018年7月3日に英国の国際学術誌「Social Cognitive and Affective Neuroscience」のオンライン版に掲載されました。本研究では収監中の囚人の方にご協力をいただいて、サイコパスについての研究をする貴重な機会を得ることができました。平然と嘘をつくとされるサイコパスを、心理学および神経科学の観点から理解するための、重要なステップとなる成果と考えています。 現状、日本国内だけでは、こうした研
ペパボ研究所は、SSL証明書の動的読み込みに関する論文を、国際会議「IEEE COMPSAC 2018」のワークショップで発表することを明らかにした。 今回発表する論文「高集積マルチテナントウェブサーバーの大規模証明書管理」は、複数ホストを収容するマルチテナント方式のサーバで、動的にSSL証明書を読み込むことにより、消費リソースを抑える技術について研究成果をまとめたもの。7月23日から27日に開催される国際会議「IEEE COMPSAC 2018」のワークショップ「ADMNET 2018」に採択された。 レンタルサーバやホームページ作成サービスなど、マルチテナント方式のサーバを起動する際、すべてのSSL証明書を読み込む従来の方法では、メモリ使用量が増大。リソース効率が悪くなり、収容数が低下するとして対応技術を開発した。 具体的には、SSL/TLSハンドシェイク時、ホスト名をもとに対象ホスト
by Franck V. Nature(ネイチャー)などの学術誌では毎年さまざまな学術論文が掲載されていますが、AI関連の研究分野として注目を集める機械学習に関する研究論文は、無料で誰でも使えるオープンアクセスジャーナルなどで公開されるケースが多いものです。なぜ有料で購読する必要のある学術誌などではなく、無料で誰でも読めるオープンなプラットフォーム上で公開されるケースが多いのかについて、シェフィールド大学で機械学習の教授を務めるニール・ローレンス氏が説明しています。 Why thousands ofAI researchers are boycotting the new Nature journal | Science | The Guardian https://www.theguardian.com/science/blog/2018/may/29/why-thousands-of


統計数理研究所は大学共同利用機関として統計やデータ科学の人材を養成し、研究基盤を支えてきた。近年のビッグデータ(大量データ)と人工知能(AI)ブームで日本の人材不足が鮮明になっている。樋口知之所長に打開策を聞いた。 -AIブームをどう見ますか。 「AI技術が日々進化する状況だ。年や月ではなく、日単位でアイデアが共有され、技術が更新されている。従来の研究や学術界を揺るがしかねない流れだが止まらないだろう。この背景には三つの要因がある。まずディープラーニング(深層学習)が圧倒的なパフォーマンスを実現したことだ。深層学習の中身はブラックボックスになるが、それを上回る利点があった。画像やテキスト、音声データの学習はめどが立ち、動画への対応が進む。人間がコミュニケーションする情報のほとんどを機械で扱えるようになった。情報系研究者は誰でも使えるほど使い勝手が良い」 「次に計算プラットフォームが広く提供

概要:- 自己紹介:@ryosuzk - いつ行ったか:2015年の夏(5-8月頃) - どこに行ったか:スタンフォード大学 Human-Computer Interactionグループ - 何をやったか:Human-Computer-Interactionに関する研究(CHI’16) - どうやって行ったか:カンファレンスで突撃(コネ無し) 今回は海外留学アドベントカレンダーということで、PhD留学が始まる直前の2015年の夏にスタンフォード大の某研究室でインターンをしたことについて書こうかな、と思いました。 といっても、インターンの経緯的なことは他の方が書いてくれると思いますし、僕のようなペーペーからアドバイスできるようなことはなにもないので、純粋にその時のインターンシップでどういうことを学んだか、どういう知見が得られたか、というのを伝えられたらと思って書きました。海外のインターンに行

私が2012年にニューラルネットの逆襲(当時のコメント)というのをブログに書いてからちょうど5年が経ちました。当時はまだDeep Learningという言葉が広まっておらず、AIという言葉を使うのが憚られるような時代でした。私達が、PreferredNetworks(PFN)を立ち上げIoT、AIにフォーカスするのはそれから1年半後のことです。 この5年を振り返る良いタイミングだと思うので考えてみたいと思います。 1. Deep Learning Tsunami 多くの分野がこの5年間でDeep Learningの大きな影響を受け、分野特化の手法がDeep Learningベースの手法に置き換わることになりました。NLP(自然言語処理)の重鎮であるChris Manning教授もNLPで起きた現象を「Deep Learning Tsunami」[link] とよびその衝撃の大きさを表して

4月から美大の学生になった。 美大といっても、大学生と一緒に通う形のもんじゃなくって、ムサビが社会人向けにやっている各種学校のほう。 普通に19歳と一緒に美大に入るには、私にはほかの生活がありすぎるので、1年分のカリキュラムを、私は週2日づつ2年かけてやってる。 これは人生のリベンジなんである。 とにかく、どうやったって絶対絵を描きたくて、学びたいのは美術で、ほんでもって高校の美術の先生も「君は絶対美術系に進みなさい」って言ってくれてたにもかかわらず、親に強固な権力行使をされて普通大学にしか学費を払ってもらえなかった。ってか、それ以外は選択の余地なしで、父親のDVも恐ろしかったので、そうするしかなかった。 今の時代、得意なものを探せ、やりたいことをみつけろ、進路を早めに定めろってさんざん言われてるのに、当時、それをちゃんと高校一年生から定めていた私は、ちっともやりたいことなんて選ばせてもら

(図書館学系の話題でもあるからちょっと悩んだけれど、文献読解全般に関する内容だからこちらへ) 既に日々論文をバリバリ読んでいるひとには今更な記事だろうけれど、分野ごとの違いもあって興味深かったのでざっくり記録する。 論文を大量に読む際に、頭から几帳面に読んでいると時間がどれほどあっても足りないし、後から「こんなことが書いてあった論文なんだったっけ?」という問題も発生してしまう。 研究者の皆様はMendeley などの文献管理ツールをを用いていることが多いかとは思うが、それでも論文の読み方そのものに工夫をすればインプット/アウトプットの効率が圧倒的によくなるので、やってみるにこしたことはない。 その工夫とは何かというと、論文を読むときに「特定の問いに集中して読む」というものだ。学術論文は分野ごとの違いはあれ、必ず特定の流れに従って構成されている。そこで要点のみに注目して読み、他の事項を捨てる

2016.12.20 他の大学図書館に海外の文献の複写を依頼する場合ですが、電子ジャーナルの購読料を可能な限り下げるために、現在、日本の国公私立図書館でコンソーシアムを組んで、海外の大手出版社と団体交渉をしています。図書館同士の文献の複写送付に関して、郵送とFAXのみ認めている出版社と郵送、FAXに加えセキュリティの保たれる電子的な転送も認める出版社と両方ありますが、これは図書館同士の話で、利用者に電子ファイルでの提供は認められていません。 少なくとも、エルゼビア、ワイリー、スプリンガーネイチャーの最大手3社は、利用者への電子ファイルでの提供を認めていません。 これを認めるような契約に変更すると、購読料が高くなることが大いに想定されますのでも、その予定は当面ありません。 ご了解ください。 「科研費」で購入した図書や備品を、研究者が異動するときに持っていけないケースがあるという話をいただい

CMUに留学している時にFaloutsos教授に教わった論文の書き方をまとめる。この書き方に従うことで論文の採択率がかなり上がった。今となっては自分的に当たり前のことだし、できる研究者の皆様は自然と守っていることも多いと思うけど良い論文を書きたいと思っている学生とかに参考にしてもらえたらと思う。ただし、Faloutsos教授に教えてもらったことを一旦自分で噛み砕いてからまとめたものなので自分の主観とかが混じってしまっているかもしれない。 主語が大きくならないように予め断っておくけど、この書き方はもちろんすべての論文に対して当てはまるわけじゃなくて以下の前提条件がある。 国際会議論文である データマイニング関連分野の論文である 論文誌とか卒論とかもっと長めの論文を書くときは当てはまらない項目もあるし、データマイニング関連分野以外の論文を書いたことが無いのでそれ以外の分野の論文に当てはまるかも
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