例えば、大澤真幸氏は、ナショナリズムの「起源への関心」について次のように述べている(『ナショナリズムの由来』377ページ)。 ナショナリストは、ネーションの起源を、ネーションの領域からいくぶんかずれた外側に―いわば隣接的な外部に―見出す傾向がある。ナショナリズムは「起源」についての強い関心を伴う、ということについては既に述べておいた。その「起源」は、しばしば、ネーションの領土の外側に、つまり外国に位置づけられるのである。「日本人」の起源が「南島」にあるとか、ユーラシア大陸の「北方騎馬民族」にある、といったような理説が、その例である。こうした傾向は、時に、国境紛争を誘発する原因となる。起源となる聖地が外国に奪われているかのような感覚を生むからである。 現在チベットが中国(人)のナショナリズムをかきたてているかのように思えるのは、大澤の言うように「隣接的な外部」であり、それゆえに歴史的に諸外国
*方針:周辺の議論から入るけれども、できれば本筋の話もしたいな。 http://www.hirokiazuma.com/archives/000394.html http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080421/1208736765 http://www.hirokiazuma.com/archives/000395.html http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080421/1208747769 http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080421/1208763412 アウシュビッツがナショナリズムと関係あるかどうかは、単純に歴史的事実だけ追っていくと直接の関係は無いように見える。ただし、勿論ナチスがユダヤ人虐殺に至った思想的背景においては、ナショナリズムが関係無いわけがないのであって、というご

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