普段、線をぐりぐりと引きながら本を読む。あとで引用しようと思うぐっときた部分に、結論部分に、問題提起の部分に。概ねあとから読み返した時に、そこを起点として他の細部をずるずると思い出せるように引いている。というわけで、本書もいつもと同じように愛用のボールペンを片手に読み始めた。冒頭の畳み掛けるような問いかけから思っても見なかった都市観を提示され線を引き始めてみれば、これがいつまでたっても線が引き終わらない。 中心の束縛、アイデンティティの拘束から解放された、今のニーズを追求し古いものを捨て去る現代的な都市を「ジェネリック・シティ」と名づけた章から本書ははじまる。時に冗長で混沌としながらも力強くリズミカルな文体は、まるで頭の中の都市概念を一旦解体し、言葉によって再構築してみせるかのようだ。1ページ線を引き続けて、2ページ目も引き続けて、4ページになっても引き続けて「このままじゃあ、本が真っ黒に

先日行われたOECD(経済協力開発機構)・富山市が主催の都市の国際ラウンドテーブル(https://suumo.jp/journal/2014/11/28/74023/)の後、ユニークなコンパクトシティ政策で知られる富山市の現地視察も行われた。日本初のライトレール(LRT)を敷いて、郊外と中心市街地をつなげる街はどのように変わったのか。 高齢者がまちなかに出たくなる仕掛け、「おでかけ定期券」と「孫とおでかけ」支援事業 人口減少や急増する高齢者に対応できるレジリエントな社会をめざし、富山市はユニークな施策を打ち出している。それが、「おでかけ定期券」に始まる公共交通機関の利用促進策だ。 そもそも富山市は、2005年に周辺7市町村による合併を契機として、コンパクトなまちづくりを基本にさまざまな計画を策定し、2007年には「中心市街地活性化基本計画」を作成、青森市と並んで内閣総理大臣の認定第1号と

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