中国人の「別荘」と化した兵庫の寺 「3年ほど前に中国人がこの寺を買ってからは、様子ががらりと変わってしまった」 兵庫県・中西部の山間部に位置する、人口3万人ほどの宍粟しそう市。記者が同市内のとある寺を訪れると、近くに住む70代のある男性はこう言って嘆いた。男性は以前、寺の熱心な門徒であった。 だが2017年、住職が亡くなると、状況が一変した。中国人が寺を買い、「1年に1~2回、ワゴン車で遊びに来ては境内でバーベキューをし、まるで別荘のように使ってしまっている」と言い、男性は深いため息をつく。 男性は、記者の取材意図をすぐに汲み取ると、自らスクラップしてきたという資料を示しながら、寺の歴史から丁寧に説明してくれた。 名前は伏せるが、この寺は、室町時代の1536年に設立された道場が前身。本尊を安置し、地域の信者たちが念仏を唱える場として、長年親しまれてきたという。敷地や本尊、仏具などは信者たち

7月3日、日本銀行が発行する紙幣が切り替わる。新紙幣に描かれる肖像は1000円札が北里柴三郎、5000円札が津田梅子、1万円札が「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一だ。ジャーナリストの田中幾太郎さんは「慶應OBOGの中には『1万円札を替えるな』『1万円札は永遠に福澤先生で』と真剣に訴える層が少なくない」という――。 「1万円札を替えるな」の大合唱 「今年の夏は厳しいかも」と浮かない表情なのは慶應義塾大学の文系教授。昨年「夏の甲子園」で107年ぶりの優勝を果たした慶應義塾高校(通称「塾高」)だが、4月28日、春季神奈川県大会の準々決勝で横浜高校に4対9で敗れ、夏の県大会の第1シードを逃してしまった。 「昨年はスケジュールがとれず、テレビ観戦。わが母校の塾高が県大会を突破できれば、今年こそは甲子園に行くつもりですが、勢いはそれほど感じられない。県大会の第2シードの権利は得ているので、まだ希望

なぜ現存する天守は12しかないのか。歴史評論家の香原斗志さんは「大きな要因は明治政府が出した廃城令にある。彼らに文化や歴史的景観を守るという発想はまったくなかった」という――。 なぜ日本の城は無配慮に破壊されたのか仕事柄、ヨーロッパに行くことが多いが、帰国後に日本の城を訪れると、いつも残念な気持ちになる。ヨーロッパの旧市街や城は保存状態がいい場合が多いのにくらべ、日本の城がいかに破壊されてしまっているか、あらためて気づかされるからである。 たとえば、世界遺産の姫路城(兵庫県姫路市)にしても、内郭を取り巻いていた中堀は南側が埋め立てられ、外堀も南部は埋められたうえ、一部残る場所も土塁は崩されている。建造物は、内郭を除けばまったく残っておらず、内郭にしても、たとえば広大な三の丸に建ち並んでいた御殿群は、明治初期にすべて取り壊されている。 姫路城でこうなのだから、残りは酷いものである。天守が現

関連記事 オオサンショウウオやジンベエザメ 水族館が「ぬいぐるみ」制作にこだわるワケ 最大9連休となる2023年のゴールデンウイーク、水族館に足を運ぶ人も多いのではないか。水族館といえば海の生き物の展示はもちろん、見逃せないのが、ぬいぐるみなどのグッズだ。単にかわいさをアピールするだけでなく、飼育員が監修し細かな部分までリアルに再現するなど、各館ごとに手の込んだこだわりが光る。水族館がぬいぐるみの制作にこれほど注力するのはなぜなのか。 「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」家具大手ぬいぐるみ なぜ人気? 「イケアのサメ」に「ニトリのネコ」――。大手家具メーカーの”看板商品”とも言えるぬいぐるみの人気のわけを探る。 「シンプルイズベスト」だからいい コメダ珈琲店のモーニングが愛される納得の理由 名古屋発祥のコーヒーチェーン「コメダ珈琲店」といえば、どんな特徴を思い浮かべるだろうか。メニュー写真よ

イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位してきたエリザベス女王が8日、96歳で亡くなりました。 女王の死去を受けて即位したチャールズ国王は、ロンドンのバッキンガム宮殿に戻り、多くの人が出迎えました。 国際社会からは女王の功績をたたえ、追悼する声が相次いでいます。 国内外の反応や動きを詳しくお伝えします。 エリザベス女王死去後初の週末 宮殿前で大勢の市民が追悼 イギリスのエリザベス女王の死去から初めての週末を迎え、ロンドンのバッキンガム宮殿の前には、家族連れなど大勢の市民が集まり、追悼する姿が見られました。 9月8日にエリザベス女王が亡くなってから、初めての週末となる10日、ロンドン中心部のバッキンガム宮殿の前には、朝から花束を手にした大勢の市民が集まっていました。 そして宮殿の門の前や宮殿の近くの街路樹のもとに、花束を手向けたり、「私たちの女王、愛しています」など書かれたメッ

「そう考えていた際に、乗り鉄であり、撮り鉄でもあったJ・ウォーリー・ヒギンズ氏が、カラーフィルムで収めていた日本の風景写真をまとめた『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(光文社新書)のような新書がつくれないかと思ったんです。 その折に、本書の著者である渡邉英徳先生と庭田杏珠さんによる「記憶の解凍」というカラー化の活動を知り、これだ!と直感しました。 戦前・戦後の生活風景、戦地のリアルな光景をカラーの写真でまとめられれば、『写真に写っている人は実際にこんな土地でこんな風に暮らしていたんだ』というところから、戦争の諸問題について考えてもらえるのではないか、という発想でしたね」(同前) 日系人強制収容所で体操をする少女 Ansel Adams撮影AIだけでなく人力の採色も行ったワケ 企画時の想定通り、発売後は「カラー写真になったことで“現在”と地続きに“当時”を感じられる」と話題を呼

(CNN) 街角に設置された自動販売機の国民1人当たりの台数が、世界のどこよりも多い国、日本。神奈川県相模原市には、昭和の自販機を70台も集めた新名所がある。 同市の小田急相模大野駅からバスで30分。斉藤辰洋さん(50)が経営する中古タイヤ店の裏が、その名所だ。 ほこりっぽい駐車場の隣に屋根付きの歩道が2本設けられ、1970~80年代の自販機がずらりと並んでいる。当時の菓子が出てくるタイプなどが人気だが、ほかにもレトロなおもちゃやカメラ用フィルム、ゲーム機などが郷愁を誘う。 特に毎週末、多くの人が集まるのは、ホットスナックの自販機だ。できたてのハンバーガーは280円、やけどしそうなほど熱いチャーシューめんも25秒で出来上がり、たったの400円。日本人好みのカレーライスや「アメリカンポップコーン」、ガラスボトルのコカ・コーラも出てくる。 売られている食べ物や飲み物だけでなく、自販機自体の仕組

かつて国宝に指定され、戦後GHQによる接収で所在不明となっていた鹿児島県の神宮の刀と特徴が一致する刀が、オーストラリアで見つかり、所有者はNHKの取材に対し、将来は返還する意向を示しました。文化庁は「おそらく本物だと考えていて、非常に喜ばしい」とコメントしています。 鹿児島県霧島市の鹿児島神宮に奉納され、戦前は国宝に指定されていた「刀 無銘則重」は、戦後、GHQに接収され、その後所在不明となっていました。 オーストラリアの愛刀家、イアン・ブルックスさんは、この刀と4年前にインターネットのオークションで購入した刀の特徴が一致していることに気付き、調査を始めました。 その結果、刃の長さや、鐔(つば)に彫られた銘が一致したほか、さやに巻きつけられていたとみられるラベルに、判読不明な2文字に続いて「・・島神宮」という文字があることがわかりました。 さらに、鹿児島神宮と連絡をとったところ、このラベル

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