人間の細胞よりも小さく、それでいて太陽よりも高温になるエンジンを想像してみてほしい。 キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)の研究チームとその共同研究者たちは、まさにそんな装置を実際に作り出した。真空中に浮かぶ、たった1つの微粒子で動く「世界最小のエンジン」である。この極小エンジンは、なんと摂氏1000万度(華氏約1800万度)まで加熱され、太陽の表面より数百万度も高温で、コロナの3倍にも達したという(ZME Scienceより)。 ただし、注目すべきはその極端な温度だけではない。この実験の本当の面白さは、「物理法則の限界」そのものを揺さぶる点にある。 通常、エンジンはエネルギーを運動に変える仕組みである。古典物理学では、それは熱力学の法則に基づく単純なプロセスとして説明される。しかし、装置のスケールを原子や粒子レベルにまで小さくすると、ルールは途端に通用しなくなっていくのである。 この微

車のニュース 更新日:2025.12.12 / 掲載日:2025.12.12 3台のスーパースポーツに見るトヨタの総合力【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】 文●池田直渡 写真●トヨタトヨタは、長らくその存在を小出しにしてきた3台のスーパースポーツを一気に発表した。GR GTコンセプト、GR GT3コンセプト、レクサス LFA コンセプト。それぞれにフラッグシップスーパースポーツ、市販レーシングカー、EVスーパースポーツであり、まだ詳細は発表されていないものの、超本気なのは明らかで、どれも傑出した速さを持つことは間違いない。 2025年12月5日にワールドプレミアされたレクサス LFAコンセプト、GR GT、GR GT3 ハードウエアの構成や発表されたスペックや性能の話はすでに多くの記事が出ているので、それらに譲り、トヨタにとってどういうビジネスなのかという点に絞って話をしよう。 冷静に

来年に少量出荷開始 東レは8日、使用済みのリチウムイオン電池(LiB)からリチウムを回収するナノ濾過(NF)膜の量産技術を確立したと発表した。水処理用途向けエレメントと同じ実用サイズにスケールアップしたことで膜面積が拡大し、リチウム回収量が従来比60倍に向上した。2026年に少量出荷開始を予定する。 東レはリチウム回収用のNF膜で安定成膜技術を確立し、従来は幅30センチメートルだった膜を1メートルに広幅化した。量産は韓国子会社のトーレ・アドバンスト・マテリアルズ・コリア(TAK)の既存のNF膜設備で対応する。顧客へのサンプル提供や実用サイズでのリサイクルプロセスへの適用を進める。 開発したNF膜は、耐酸性と孔サイズを精密に制御する独自設計により、廃電池から抽出した強酸性浸出液から水やリチウムの一価イオンのみを透過させ、コバルトやニッケルなどの多価イオンと分離する。従来品と比べて耐酸性は約5

NTTは8日、同社グループが東京・日比谷で進める再開発計画で今月着工した複合高層ビル「NTT日比谷タワー」の完成予定が2031年10月末だと発表した。完成後には本社の移転を計画する。同ビルには次世代通信技術「IOWN(アイオン)」を実装し、データセンターと接続し人工知能(AI)を利用できるなど最先端技術を最大限活用するには不可欠な通信環境を整備する。 再開発計画が進むのは、明治時代に外国との社交場だった洋風建築「鹿鳴館」があり、昭和期にはNTTの前身である日本電信電話公社が入居するNTT日比谷ビルが建てられたエリア。三井不動産や帝国ホテルなどとともに計画に参画するNTTグループが、3つの地区に分けたうち中地区の再開発で中心的な役割を果たす。複合高層ビルは高さ約230メートル、地上48階、地下6階。延べ床面積約36万1000平方メートルは国内最大級の規模だという。 低層階には飲食、物販店が並

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トヨタ自動車が「ウーブン・シティ」で世界初公開した新型スーパーカー「GR GT」=5日午前、静岡県裾野市トヨタ自動車は5日、新型スーパーカー「GR GT」を、静岡県裾野市の次世代技術の実証都市「ウーブン・シティ」で世界初公開した。2027年ごろの発売を目指す。展開するスポーツカーで最高峰に位置付けるスーパーカーは、10年に発売した高級ブランド「レクサス」の「LFA」以来。価格は明らかにしていない。 新型車はスポーツカーブランド「GR」で展開する。一定期間ごとにスーパーカーを開発し、製造技術や知見の継承を図る。豊田章男会長は、発表会で技術や知見を調味料になぞらえて「秘伝のタレを未来へ残していきたい。仲間たちに車造りを託していきたい」と語った。トヨタ自動車が世界初公開した新型スーパーカー「GR GT」(中央)と新型レーシングカー「GR GT3」(右)、「レクサス LFA コンセプト」=5日

栗林商船は12月2日、日鮮海運、第一中央汽船、かもめプロペラを共同出資者とした4社で、新型舵「ゲートラダー」の基本設計業務をサポートする合弁会社を2025年4月に設立し、このほど国内大手造船会社との間で設計基本契約を締結したと発表した。 <新型舵「ゲートラダー」> ゲートラダーは、栗林商船前会長の故・栗林定友氏が、ストラスクライド大学・佐々木紀幸 名誉教授とともに発明し、栗林商船グループやかもめプロペラ等が特許を共同で保有している省エネ技術。 舵をプロペラの両側に装備することで抵抗を削減し、また非対称翼断面形状の舵板が生み出す推力によって燃費・推進性能を高めることができるのが特徴だ。 GHG(温室効果ガス)削減による環境改善への寄与が期待できることから、これまでコンテナ船やタンカー、貨物船、ばら積み船、自動車船、冷凍運搬船、セメント運搬船、練習船、漁船などの幅広い船種で国内外累計20隻以上

工場や自動車などから発生する大量の廃熱を電気に変える熱電変換技術。その性能向上のカギとされる電子散乱(電子の散らばり方)の影響を、豊田工業大学の松波雅治准教授らの研究グループが初めて可視化した。電子散乱に注目した材料開発を進めることで、熱電材料の飛躍的な高性能化への期待が高まる。既存の熱電材料のさらなる高性能化にとどまらず、新たな材料開発の探索も加速しそうだ。(名古屋・鈴木俊彦) 熱電材料の産業利用を広げるには、材料のさらなる高性能化が課題となっている。従来、単位エネルギー当たりの電子状態の数を示す状態密度のエネルギー依存性に基づいて特性が理解されてきたが、松波准教授は「高性能な材料が増えるにつれて、それだけでは説明が難しくなっている」と指摘する。 近年になり、電子散乱の重要性が指摘されていたものの、実際に観測された例はないという。実験的な観測が難しく、あくまで理論上の予測にとどまっており

量子コンピューターは、創薬や金融、素材開発を一変させる「次の計算基盤」として注目を集めている。米国では、まだ実験段階にある量子スタートアップにまで巨額の資金が流れ込むようになった。かつてメインフレームで世界最大級のIT企業だったIBMは、2000年前後から量子技術への投資を続け、現在も同社工場で実機の量子コンピューターを組み立て、米バイオ医薬品企業モデルナや資産運用大手バンガードなどが試験運用に参加している。 派手な資金調達で脚光を浴びる新興勢と、着実にハードウェア製造と運用の蓄積を重ねる老舗。本稿では、IBMの量子コンピューター開発を統括する物理学者ジェイ・ガンベッタ(46)とハードウェアエンジニアが、超伝導方式で量子コンピューター競争を制そうとする最前線を追う。 かつてメインフレームで世界を制した老舗が、量子技術で製造拠点の黄金期を狙う約50年前、ニューヨーク州ポキプシーのIBMの工場

安藤ハザマは、八潮の道路陥没事故を受け、下水道インフラの専門チームを設置した。自己治癒や防菌の機能を持つコンクリートや腐食を防止するスラスラ工法などを下水道管理者に提案するとともに、新技術の開発にも取り組む。 安藤ハザマは、下水道インフラの調査、診断、修繕、改築に至る一連の技術を速やかに展開するべく、2025年10月から専門チームを設置したと2025年11月6日に公表した。 防菌や自己治癒コンクリ、スラスラ工法を下水道管理者に提案 2025年1月に埼玉県八潮市で発生した幹線下水道管路損傷に起因する大規模陥没事故では、硫化水素で腐食した下水道管が原因との見方が示された。設置から長期間経過した下水道インフラの老朽化は全国規模の課題で、その対策が急務となっている。 国土交通省の下水道管路を対象とした全国特別重点調査では、調査が完了した785キロの中で最も危険度の高い「緊急度I」と判定された要対策

JEFエンジニアリングがアンモニアと重油との大型中速混焼エンジンの開発に成功。混焼比率50%で、ディーゼル専焼時と同等の熱効率を得ることに成功したという。 JFEエンジニアリングは2025年11月25日、アンモニアと重油との大型中速混焼エンジンの開発に成功し、販売を開始したと発表した。同エンジンの開発は、国内初の成果としている。 同社は船舶用機器や発電設備を手掛けるEverllence France社の4ストロークPCシリーズの最新機種である「S.E.M.T PielstickPC2.6B CRディーゼルエンジン」をベースに、アンモニア混焼技術の開発を進めてきた3気筒試験機による重油とのアンモニア混焼実証試験を経て、このほど社会実装において現実的なアンモニア50%混焼率(熱量比)を可能とした7MW超の大型中速混焼エンジンを商品化した。 アンモニア燃料は、直接燃焼によりCO2削減が可能とな

人工知能(AI)革命、生成AIの最大のボトルネックは、半導体ではなく「電力」にある。データセンターが消費する膨大なエネルギーを賄うには、天候に左右される風力や太陽光だけでは不安定すぎるからだ。この物理的な制約に対し、米国では「原子力回帰」が現実解として急浮上している。 エネルギー安全保障とAI覇権、脱炭素。そしてトランプ政権による強力な優遇策、シリコンバレーの豊富な資金力がこの流れを決定づけた。すべてのピースが噛み合った今、野心的な起業家が、工場で量産可能な「小型原子炉」の開発に数十億ドル(数千億円)を投じている。かつて敬遠された原子力技術は、AI時代を支える無限の可能性を秘めた投資対象へと変貌を遂げた。AI電力需要の急増と小型原子炉、Aaloを筆頭に新興企業が動き出す米テキサス州オースティン南部にある約3700平方メートルのAalo Atomics(アーロ・アトミックス)の組み立て工場

ソフトバンクは積水化学工業と、電源不要で透明な「メタサーフェス反射フィルム」を用いて第5世代通信(5G)用の高周波数帯「ミリ波」の通信エリアを拡大する実証をソフトバンク本社(東京都港区)で行った。検証の結果、オフィス内の圏外・弱電エリアで電波環境の改善を確認。エリア拡大と景観への配慮を両立できる新たな電波制御技術としての有効性を確認した。 同フィルムを駅構内や工場、イベント会場などで活用し、快適な通信品質と景観への配慮を両立する通信網の実現を目指す。 積水化学製のメタサーフェス反射フィルムは、電源を必要としないパッシブ構造。微細なパターン設計により電波を任意の方向に曲げることができ、電波の死角となるエリアにも効率的に電波を届けられる。透明で軽量・薄型かつ折り曲げることができる構造のため、壁面やガラス、柱などにも容易に設置できる。 ミリ波は携帯通信を高速・大容量化できる一方で遮蔽(しゃへい)

熊谷組は2025年11月19日、建設機械の燃料に超高密度ナノバブルを混入し、燃料消費量の低減を図る実証実験を行ったと発表した。安斉管鉄、東京システムズ、丸紅エネルギーの協力のもと、熊本県発注の大切畑ダム堤体復旧工事で実施。燃焼効率向上の成果を挙げた。 ナノバブルを用いて燃料の燃焼効率の改善や燃料消費量を低減する取り組みが一部分野で進められているが、装置の複雑さやコストが普及の障壁になっていた。熊谷組は、安価で簡素な超高密度ナノバブル発生装置に着目し、建設機械での燃料消費量の低減効果を検証する実証を行った。 一般的な水中の泡は直径100マイクロメートル程度だが、ナノバブルは特殊な装置で生成された直径50マイクロメートル以下の微細な泡が自己収縮し、50~300ナノメートルサイズになったもの。今回熊谷組が使用した技術は、このナノバブルの密度に特長がある。

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