香山リカの根本敬論精神科医の香山リカが2019年に『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』という本を出版しています(版元は『Quick Japan』や村崎百郎と根本敬の共著『電波系』を出した太田出版です)。副題にあるように、これは根本敬の世界をトータルに論じた現時点で唯一の書物です。追って述べるように、かなり込み入った内容の本なのですが、この本は「根本敬論」であるだけでなく、「ヘイト」を生み出し「悪趣味」が流行し「サブカルチャー」が変質し(て「サブカル」になっ)ていった時代を、根本の作品を通して(自己)反省的に問い直すものでもあります。 香山リカは、1980年代前半、まだ医大生だった時に、当時「自販機本」と呼ばれていた街中の自動販売機で売られていた成人向け雑雑「HEAVEN」の編集/執筆者として登場しました(リカちゃん人形と同じ「香山リカ」は、もちろんペンネームです)。「HEAVEN」