小中学生の15人に1人の割合でいると言われる「発達障害」。2017年5月21日(日)に放送された生放送番組「NHKスペシャル発達障害 解明される未知の世界」では、まだ社会の理解が十分でない発達障害を深く掘り下げ、「全然知らないことばかり」「すごく共感できた」と反響が続出した。発達障害は、これまで社会性やコミュニケーションに問題がある障害として知られてきた。しかし最新の脳科学研究や当事者への聞き取りから、生まれつき独特の“世界の見え方・聞こえ方”をしている場合が多いことが判明。例えば多くの人にとってはなんでもない日常の空間が、耐えられないほど眩しく見えたり、小さな物音が大音量に聞こえたりといったことが挙げられる。その独特の感覚や認知が、実は社会不適応につながる原因の1つになっているという。 番組では、発達障害の3つのグループについて説明。まず1つは“コミュニケーションが苦手”、“こだわり

今夜21日放送のNHKスペシャルは、「発達障害~解明される未知の世界~」(NHK総合)をテーマに、視聴者の声を番組に反映させるため生放送で送られる。自身が発達障害であることを公表したモデルの栗原類さんも出演する。目に見えにくく、「空気が読めない、つきあいづらい人」などといった誤った認識をされるケースが多いとされているが、今や小中学生の15人に1人と言われる「発達障害」。NHKは、発達障害の実相を伝えるためのキャンペーンを開始し、今夜の「NHKスペシャル」を皮切りに9つの番組で最新の脳科学の研究や当事者の証言から「発達障害」を解き明かす。 これまでにダ・ヴィンチニュースは、数々の「発達障害」関連書籍を紹介してきた。栗原類さんの自著『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』(KADOKAWA)も多くの反響をよんでいる。 8歳の時、当時在住していたNYで「発達障害」と認定された栗原さん。小学

沖縄、と聞いてまず思い浮かぶのはなんだろう。青い海にのんびりとした人たちのいる癒やしの島、といったところだろうか。一方で沖縄は、相対的貧困率・子どもの貧困率ともに全国1位と、多くの社会的問題をはらんだ地域でもある。『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』(上間陽子/太田出版)には、一般的な沖縄のイメージとは異なる一面が描かれている。 著者の上間陽子氏は沖縄生まれで、今は県内の大学で教鞭をとっている。非行少年少女の問題を研究している上間氏は、2012年から16年にかけて沖縄の女性に聞き取り調査をし、時には支援や介入を行ってきた。この本はこれまで上間氏が出会ってきた少女たちの記録である。彼女たちを取り巻く現状について上間氏からコメントをもらった。 まず上間氏が指摘するのは、沖縄の非行少年少女のコミュニティの多くが、「貧困の影響を強く受けていて、育ちのなかで暴力を受けて育たなかった子どもはひとり

『子どもと貧困』(朝日新聞取材班/朝日新聞出版) 日本人が「貧困」という言葉を聞くと、発展途上国でその日の食事にも困っている人々を想像しがちではないだろうか。しかし、貧困とはもっと身近に差し迫った問題としてこの国に存在している。2015年の調査によると、日本の子どもの貧困率は16.3パーセントで過去最悪。ひとり親など大人が一人の家庭に限定すると54.6パーセントになり、先進国でも最悪の部類に入る。紛れもない事実として、日本では子どもの6人に1人が貧困家庭で暮らしているのだ。 『子どもと貧困』(朝日新聞取材班/朝日新聞出版)は朝日新聞で2015年10月から掲載され続けている記事に加筆、修正を施し書籍化した一冊である。ここには貧困に苦しむ子どもたちと、親や学校教師などの子どもたちを取り巻く大人たちの姿が記録されている。そこにはあまりにも原因が根深い問題の数々があった。 第一部では、「子どもたち

『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差(光文社新書)』(鳫 咲子/光文社) 一時期、給食費未納の問題が世間を賑わせた。しかし、この問題は解決したわけではない。学校の苦労を思うと、頭が下がる。 給食費未納の問題を考えるとき、「払わないのか」「払えないのか」によって性質が違うことをまず理解しておく必要がある。つまり、「保護者のモラルの問題」なのか、「保護者の経済的な問題」なのか、ということだ。 『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差(光文社新書)』(鳫 咲子/光文社)によると、文部科学省が2005年度に全数調査で行った給食費未納調査では、未納者数は小中学生全体の1.0パーセントに当たる全国約99,000人であり、未納総額は年間で約22億円(未納額割合は約0.5パーセント)。そして、学校の認識として「経済的な問題」が原因と見る事例は全体の約33パーセントに過ぎなかった。「保護者のモラル(責任感や

栗原 自分では自覚はないですね。ただ仲のいい友だちに会いたい一心で、本当にイヤイヤながら学校に行っていただけなので。友だちといるとき以外は本当に我慢の連続で、毎日すごく辛いしつまらないし最低の日々でした。 ――日本の学校は先生もスクールカウンセラーもまったく頼りにならないというのが、悲しい現実ですね。 栗原 高橋先生も、「スクールカウンセラーは学校がそこまですすめてくれるなら行くだけ行ってみて」と言ってましたからね。「それでピンときたら相談すればいいし、ダメだったらもう行かなくていいよ」と。 ――でもそのあと先生がフォローしてくれるわけではなかった? 栗原 そうなんです。そういう学校の対応やカウンセラーの頼りなさに不満はありましたけど、日本の小学校に入ったときからそれは変わらないので、慣れていたところもあります。そのぶん母親や高橋先生が話を聞いてくれたので、なんとかバランスを保つことができ

『発達障害の僕が輝ける場所を みつけられた理由』(KADOKAWA) 昨年、ADD(注意欠陥障害)であることをカミングアウトし反響を呼んだ栗原類さんが、自伝『発達障害の僕が輝ける場所を みつけられた理由』(KADOKAWA)を発売した。日本の保育園では問題児扱いされ、母とニューヨークに移住した8歳のときにADDと診断。小5で帰国後してからの学校生活は地獄で、中学ではいじめや不登校を経験、高校受験の失敗など紆余曲折を経て、芸能界で輝ける場所を見つけられたのはなぜなのか? 本人に話を伺った。 ――ADDの特性で、栗原さんの場合はこだわりの強さ、感覚過敏、注意力散漫、記憶力の弱さ、コミュニケーション問題などが幼少期から顕著だったということですが、そのことで困ったり苦しんだりしたことは覚えていますか? 栗原類さん(以下、栗原) そういったことは今もありますけど、困ったり苦しんだりというよりはイヤな

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