読売新聞で連載されていた辻村深月さんの『青空と逃げる』が、このほど中央公論新社より単行本化。先日、東京・神楽坂で開催された第3回本のフェスで、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹さんと「“母になる”ってどういうこと?」と題した出版記念の子育て対談が行われた。6歳と2歳の子を持つお母さんである辻村さんだけに、「尾木さんに聞きたいことがたくさんある!」と対談はヒートアップ。後半は親子の「対話」の重要性に迫ります。 ■子供の声を心で受け止めて、「心」を聴く大切さ 辻村深月氏(以下、辻村):私、自分が妊娠・出産する時に「出家する」みたいな気持ちだったんです。メディアがおどすんですよ、眠れないとか、ワンオペ育児になるとか。出産したら自分の楽しみもすべて子供に捧げなきゃいけないし、そうすることを世の中に求められるんだろうと思ってたんです。で、出産してはじめて思ったのは、「え? かわいいんだけど」だった

読売新聞で連載されていた辻村深月さんの『青空と逃げる』が、このほど中央公論新社より単行本化。先日、東京・神楽坂で開催された第3回本のフェスにて、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹さんと「“母になる”ってどういうこと?」と題した出版記念の子育て対談が行われた。6歳と2歳の子を持つお母さんである辻村さんだけに、「尾木さんに聞きたいことがたくさんある!」と対談はヒートアップ。大事なヒントがたくさん飛び出したこの対談、冒頭から「いじめ問題」に真正面から向き合った。 ■こんなに「いじめ、いじめられ」が蔓延した国はない! 尾木直樹氏(以下、尾木ママ):辻村さんがすごいと思うのは、中学生の感性をすごく的確にとらえられていることですね。「いじめ問題」はよくドキュメンタリーになっていますが、辻村さんの作品のほうがよっぽどリアリティがある。自然な形でいじめの辛さや非人間性が見えてきます。学校で国語の先生をや

『かがみの孤城』(辻村深月/ポプラ社) 作家・辻村深月の到達点にして最高傑作と呼び声高い『かがみの孤城』(ポプラ社)。学校に行けなくなった7人の中学生が、狼面をつけた少女にいざなわれ、鏡の向こうにある孤城に集うファンタジック・ミステリー。恩田陸氏「この作品は、進化し続ける辻村深月の新たなステージでのデビュー作だ」、羽海野チカ氏「――そうして私たちは手を伸ばす 戦いの暗い泡の中で動けずにいる かつての同胞へ向けて、何度でも」と称賛コメントを寄せる本作は、刊行から3カ月足らずで10万部に達する勢いで波及している。 そんな『かがみの孤城』に関連したイベントがいま、SNSを賑わせている。その名も『辻村深月さんと「かがみの孤城」でお茶会を。』。文字どおり、辻村深月さんと、大きな鏡のある素敵なお部屋でお茶会するという権利を得られるキャンペーンだ。 応募方法はカンタン。twitterまたはfaceboo

辻村深月(以下、辻村) 『スロウハイツの神様』の脚本も、成井さんからは事前に「環と公輝の物語に絞っていいですか」と聞かれていたのですが、第一稿を読んで、「えっ、全員がちゃんと生きてますけど!?」って思いました(笑)。 成井豊(以下、成井) 僕は、通行人とか、時代劇の斬られ役とか、記号にしかならない役をつくらないようにしているんですが、それはただ、役者に申し訳ないからなんですよ。ほら、映像と違って舞台は、どんなに小さな役でも、稽古と本番あわせて最低でも二か月近く拘束するでしょう。それなのに無名の役だったり、一瞬で出番が終わったりするのは、拷問だと思うので。どの役も、役者が心をこめて演じられるものにしたいんですよね。 辻村 その気遣いをもっていらっしゃるのが、素晴らしいです。 成井 気が小さいだけだと思うんだけど(笑)。でも、だから辻村さんの作品を読むと嬉しくなる。登場人物全員が、ちゃんと魅力

演劇集団「キャラメルボックス」と、作家・辻村深月のコラボレーションがこの夏、実現する。小説『スロウハイツの神様』が、脚本・演出家の成井豊の手により舞台化され7月5日から16日まで公演が開催される。辻村作品はほとんどすべて読んでいるという成井豊。高校時代に初めてキャラメルボックスを観て以来、魅せられ続けているという辻村深月。共鳴しあうふたりの作家の対談がここに実現。辻村深月の最新刊『かがみの孤城』(ポプラ社)の感想を皮切りに、それぞれ作品に対する想いなどを存分に語り合った。 ■読者の先読みをことごとく裏切り、感情のリアリティに圧倒させられる『かがみの孤城』 成井 ファンタジーの王道である「行きて帰りし物語」。もうだいぶやり尽くされてしまった感があったところに、この手があったか! と驚かされた。こちらの先読みをことごとく覆して展開するので、翻弄されまくりでしたよ。たとえば、主人公のこころが、せ

デビュー以来、少年少女が抱く痛切な叫びや、自意識の檻に閉じ込められたもがきを描き続けてきた辻村深月。最新刊『かがみの孤城』(ポプラ社)は、彼女の原点ともいえる10代密室群像劇。「辻村さんの到達点にして最高傑作」「みんなの夢中になったあの世界が、さらに果てしない包容力を持ち帰ってきた」と先読み書店員も絶賛した本作について、『ダ・ヴィンチ』本誌で語った辻村さんの、さらにこぼれ話をくわえてここではご紹介しよう。 言葉が伝わるかどうかということに、大人も子供も関係ない 『かがみの孤城』(ポプラ社)「もし過去の自分に一冊だけ本を贈れるとしたらこれがいいなって、書き終えてみて思いました。読者だった頃の自分に「大人のくせにやるじゃん」って思ってもらえたら嬉しい。」 と、辻村深月さんが満を持してお届けするのが『かがみの孤城』。主人公の安西こころは中学1年生。入学早々、あることが原因で学校へ行けなくなってし

『かがみの孤城』(ポプラ社) 辻村深月が帰ってきた――。新作『かがみの孤城』(ポプラ社)を読んだファンは、みなそう感じることだろう。鏡の向こうにある孤城に集められた、“普通”から外れた少年少女。どんな願いも叶う部屋の鍵探し。案内人の少女“オオカミさま”の謎。迫りくるタイムリミットの不穏な気配。辻村深月のすべてが詰まっているのに、そのすべてが新しく感じられる本作は、辻村作品になじみのない読者にも最初の一冊としておすすめしたい、文字どおり集大成の物語だ。 孤城に集められたのは、主人公・こころをはじめ、学校に行けなくなった7人の中学生。鍵を見つけて願いを叶えられるのはたった一人。7人は鍵探しのライバルだが、同時に、事情は違えど似た傷を抱えた仲間だった。彼らが心を通わせていく過程や、救いを打ち砕いてしまうほど理不尽で残酷な現実。それをも超えて“たった一人”を救おうと勇気を振り絞る彼らの姿は、永遠に

あまたある新刊の中から、ダ・ヴィンチ編集部が厳選に厳選を重ねた一冊をご紹介! 誰が読んでも心にひびくであろう、高クオリティ作を見つけていくこのコーナー。 さあ、ONLY ONEの“輝き”を放つ、今月のプラチナ本は? ●あらすじ● 学校で居場所を失ってしまった、中学1年生の安西こころ。学校に行くことができなくなり、自宅にこもる日々が続いたある日、部屋の鏡が突然まばゆく光り始める。輝く鏡に吸い込まれたこころは、気づくと城に横たわっていた。城にいたのは、狼のお面をつけた不思議な少女“オオカミさま”と、こころと似た境遇の7人の子どもたち。オオカミさまは子どもたちにこう告げる「お前たちには今日から三月まで、この城の中で“願いの部屋”に入る鍵探しをしてもらう。見つけたヤツ一人だけが、扉を開けて願いを叶える権利がある」。城には鏡で出入り自由、でもいられるのは9時から17時まで。それぞれ胸に秘めた願いを叶

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