ネタを忠実になぞりながら、それでいてイラストだからこそより伝わる部分もある。2人の小気味のいい掛け合いで笑っていた「まつり」の部分は、こんなに大きなコマで大真面目にやるのだから、余計に笑ってしまう。言葉の面白さに加えて、絵のインパクトはすごいのだと再認識する。 まさかこの場面が見開きで大々的に描かれると、誰が思っただろう。祭りのくだりが同じ大きさのコマでテンポよく続く中、突然見開きで「南米風の祭り」が現れる。読みながらつい吹き出してしまった。私はこんな畳み掛けるように笑わせる絵本を他に知らない。 サンドウィッチマンのネタは子供に伝わるのか? と思っていたが、意外と絵にすると「うんち」や「まつり」、「ババー」など、子供っぽいボケも多かったんだなと気づく。 実はこの、笑いのプロを絵本の作者にする企画は、本書で3作目だ。「お笑いえほん」シリーズとして、過去には『ガムのようせい』(笑い飯:作、川崎

『ファミコンに育てられた男』(フジタ/双葉社) 2018年のFIFAワールドカップロシア大会で日本代表は決勝トーナメントに進出したが、ベスト16で敗退したのは非常に残念だった。連日テレビなどで情報が放送され、目に付いたのはこの機とばかりに出演してくる「サッカー芸人」たちである。サッカー芸人とは簡単にいえば、「サッカーに詳しいお笑い芸人」ということ。もちろんこのような芸人は、サッカーに限らず「野球」「相撲」といったスポーツから「ガンダム」のようなジャンルにまで存在する。『ファミコンに育てられた男』(フジタ/双葉社)の著者・フジタ氏も、そのひとり。そう、彼は「ファミコン芸人」なのである。 ファミコンとは、任天堂のゲーム機「ファミリーコンピュータ」の略。「ファミコン芸人」と聞けば、単に「ファミコンのゲームに詳しい芸人」だと思ってしまうが、フジタ氏の場合はそうではない。タイトル通り、まさに「ファミ

『世にも奇妙なニッポンのお笑い(NHK出版新書539)』(NHK出版) 実力派お笑いコンビ「チャド・マレーン」のチャド・マレーン氏による『世にも奇妙なニッポンのお笑い(NHK出版新書539)』(NHK出版)が発売された。 著者であるオーストラリア人のチャド・マレーン氏は、1998年に吉本興業の芸人養成所NSCへ初の外国人として入学を許される。翌年の1999年には、先輩芸人の加藤貴博氏と「ジパング上陸作戦」を結成し、同年に今宮こどもえびすマンザイ新人コンクールこども大賞を受賞。栄誉ある「M-1グランプリ」にも8年連続準決勝進出という快挙を成し遂げ、脚光を浴びた。本作では全9話にわたり、大阪の芸人として奮闘してきた著者がニッポンのお笑いについて感じた奇妙な習慣やエピソードなどがユニークに綴られている。 お笑いを求め、故郷のオーストラリアからはるばるニッポンにやってきたが、彼を待ち受けていたの

お笑い芸人トレンディエンジェル・斎藤司の初の著書『ハゲましの言葉 そんなにダメならあきらめちゃえば』が、2017年5月31日(水)に発売された。 「M-1グランプリ2015」で優勝して以来、テレビや舞台で活躍。しかしそんな斎藤にはネガティブな要素があり、多くの悩みを抱えていたという。苦しみながらも体得した前向きに生きる術、「励ましの言葉」が同書には凝縮されている。友達ゼロ、誰とも話さなかった暗黒の高校時代。その高校時代に訪れた早すぎる母の死、就職失敗、後退する頭髪…。さらに、「生きる活力の源は女の子」と公言する斎藤の、5歳でのファースト(ディープ)キス、最初で最後の純愛、何度も初体験を失敗したワケなどを掲載している。 また、トレンディエンジェル躍進のきっかけになった「M-1グランプリ2015」で、敗者復活枠から逆転優勝を果たした舞台裏、駆け引きなどの生々しい描写や、お笑い養成所NSCの授

何を幸福と思うかも時代の周期があって、僕の「成功や勝利や大合格をめざせ!」という考え方は、ある一定の時代感覚だと思っています。僕は結構、パワーマインドなんですよ。その対極にいるのが「にんげんだもの」の相田みつをさんです。人間だからできなくていいじゃんっていうのではなく、自分を完璧な人間だと思うことでより高みを目指そうというのが僕の思考法なんです。 『大合格 参考書じゃなくオレに聞け!』(中田敦彦/KADOKAWA) 今の時代は、バブル世代がダサいと思っている若い人も多いですよね。なにあの札束で戦うような拝金主義のイケイケな人たちは?って。もっとスローライフでミニマルに生きようよっていうノリが今はかっこいい。でも一方で、『大合格』のような本も売れているわけです。 そういう風に考えると、僕と相方の(藤森)慎吾は、二人ともパワーマインドなんだと思います。相方はチャラ男で、いつも「いいねぇ、イェー

ピン芸人の佐久間一行、またの名を“ほんわか王子”。その誰も傷つけない優しさと、癖になる独特の世界観で多くのファンを魅了し、R-1ぐらんぷり2011の優勝者となった彼が、Twitter上で「ふでばこ君」という作品を連載していたことをご存じだろうか。 簡単にあらすじの紹介をする。主人公のふでばこ君は、突然空から降ってくる三角定規やペンのせいで形が変形してしまう。泣きそうになっているふでばこ君を“はさみ鳥”が助けに飛んできて、その後ほかのふでばこ仲間と合流。そんな三人が目の当たりにしたのは、雲の上から文房具軍が文房具を次々と投げ捨てる姿であった。 なぜそんな酷いことをするの? ふでばこ君たちは正義の心で文房具軍に立ち向かい、その謎に迫っていく。 うーん、さっくん(佐久間一行の愛称)らしい、ほんわかメルヘンストーリー! 可愛らしい絵柄のふでばこ君がTwitterでアップされるたび喜んでいたファンの

『芸人式新聞の読み方』(プチ鹿島/幻冬舎) 「難しそう…」と敬遠していたが、就職活動が始まるからと、新聞を慌てて読み始めた私。「文字ばっかりでイヤ」「小難しい言葉だらけ」「取っつきにくい」というイメージを持っているのは学生時代の私だけではないはず。そんな新聞がもし“面白く”読めたなら、毎日がほんのちょっとだけ楽しくなるかもしれない。 そんな新聞の面白い読み方を伝授してくれるのが、『芸人式新聞の読み方』(プチ鹿島/幻冬舎)だ。著者のプチ鹿島氏は一般紙・スポーツ紙・タブロイド紙などを幅広く読んでいる、芸人随一の新聞エキスパート。芸人ならではの解説と新聞各紙へのイジりに思わずクスリとなる一冊となっている。 ■新聞各紙の「キャラ」 「新聞なんてどれも同じじゃないの?」と思っているあなた。それは大きな間違い! 例えば、お笑い芸人を見れば「リズムネタ芸人」「裸芸人」「モノマネ芸人」など様々だろう。つま

『iPhoneの初心者 今日から役立つ100のネタ』(かじがや卓哉/秀和システム) 今や持っていない方が少数派になってしまったスマートフォン。その便利さゆえ、手放してしまうと生活できない人もいるはず。ところがスマホはどんどん進化し、若者でさえ「あれ…? これどうやるんだっけ?」「こんな機能を搭載していたの?」など、使いこなせていない人も多いだろう。「使いやすくシンプルでかっこいい」という理由で爆発的に流行したiPhoneもどんどん機能が複雑化 し、基本的な機能さえ分からない人もいるはず。 そこで私は『iPhoneの初心者 今日から役立つ100のネタ』(かじがや卓哉/秀和システム)という書籍を入手した。本書を使い、私の周りにいるiPhoneユーザーのお悩みを解決する企画を立てたのだ。本書の著者であるかじがや卓哉氏は、よしもとクリエイティブエージェンシー所属のお笑い芸人。「たまたまiPhon

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