「国際文芸フェスティバルTOKYO」11月22日から主催イベントスタート。先行サテライトイベントたちばな書店presents『舟を編む』読後会が大盛況! 11月22日(木)〜25日(日)をコア期間として「国際文芸フェスティバルTOKYO」が開催される。「海外・国内の文芸作品(およびそこから派生する多様なコンテンツ)の魅力を、さまざまな切り口で紹介し、文芸を盛り上げていくフェスティバルイベント」であり、国内外の作家・識者の講演や、バスツアーなど読者参加型のイベントも多数行われる。 そのサテライトイベントのひとつとして、11月12日に行われたのが、たちばな書店presents「三浦しをん(著)『舟を編む』」読後会だ。「たちばな書店」とはEXILEのパフォーマーであり、読書家としても知られる橘ケンチさんが主宰する、「本を通してたくさんの方々と価値観を交換して、共有する “広場”」であるモバイルサ

『愛なき世界』(三浦しをん/中央公論新社) 三浦しをんさんの新作『愛なき世界』(中央公論新社)、タイトルが意味するのは植物のことだ。脳や神経のない植物には、思考や感情がない。つまり人間が言うところの“愛”という概念がない。 「それでも旺盛に繁殖し、多様な形態を持ち、環境に適応して、地球のあちこちで生きている。不思議だと思いませんか?」と主人公である料理人の藤丸くんが恋したT大院生の本村さんは言う。「だから私は、植物を選びました。愛のない世界を生きる植物の研究に、すべてを捧げると決めています。だれともつきあうことはできないし、しないのです」。と、物語の早々でフラれてしまう藤丸くん。 けれど、働いている洋食屋の出前を研究室にたびたび届けることで、本村さんとの交流は続く。植物のことはわからないけれど、確固たる信念で研究に情熱をそそぐ彼女の姿に藤丸くんはますます惹かれ、興味深く話を聞いてくれる彼の

編集Y・S 日本全土の三浦しをんさんファンの方々、お待たせしました。 5年ぶりにしてダ・ヴィンチ渾身の、大ボリューム特集をお届けします。 ページ数は、まあいつもの特集くらいなのですが、密度が、熱量が、そして語られていることの厚みがすごい! 皆さまご存知のとおり、三浦さんってトークもむちゃくちゃ面白いんです。 インタビューも対談も、盛り込みたいことが多すぎて削れませんでした。文字多すぎじゃない?とも言われましたが、多すぎない。読んどくれ‼︎ 今回の特集では、今年刊行された新作『ののはな通信』と、9月10日刊行の『愛なき世界』の2作品に軸足を置きつつ、文庫版が発売され大人気の『あの家に暮らす四人の女』をはじめ、いまこそ読んでほしい三浦しをん作品をありとあらゆる角度から掘り下げています。 目玉はですね、対談が3つもあるんですよ。 日テレの人気アナ・桝太一さん、WEB連載も話題の雁須磨子さん、『大

『あの家に暮らす四人の女』(三浦しをん/中公文庫) 「○歳になってもお互い独り身だったら結婚しようぜ」なんて若者の軽口にくらべ、一定の年齢を超えた女同士でかわされる「○歳になって一人暮らしだったら同じマンションに住もう」は、そこそこみんな本気だと思う。ひとりの生活は気ままで楽しい。だけど、ふと誰かのぬくもりが生活にほしくなるときがある。かといって結婚がしたいわけではなく、適度な距離感のある女友達と、生存確認しあいながら暮らしていけたら最高だと思う。そんな最高の生活を手に入れた(ように見える)女たちを描いたのが、「織田作之助賞」を受賞した三浦しをんさんの小説『あの家に暮らす四人の女』(中公文庫)である。 谷崎潤一郎の『細雪』を下敷きに描かれた本作。本家が血のつながった四人姉妹なのに対し、こちらは母娘+他人2人だ。古びた洋館を管理する元祖箱入り娘の母・牧田鶴代(60代後半)と、その娘で刺繍教室

少女たちの他愛ない手紙のやりとりから始まり、読者を思ってもみない場所へと誘い、強い衝撃と深い感動を与える、三浦しをんさんの最新作『ののはな通信』。「書簡形式」「明暗の共存」など、三浦さんにとって初となる試みも多い本作は、連載開始時から6年の歳月を経て、ついに刊行された。この物語が生まれた背景とそこに込めた思いをじっくりと訊いた。 三浦しをん みうら・しをん●1976年東京都生まれ。2000年『格闘する者に○』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞を受賞。他の著書に『風が強く吹いている』『神去なあなあ日常』など。近著に『ぐるぐる♡博物館』。 危機的な状況の中にある希望とは何か、を書きたかった 『ののはな通信』は、三浦しをんさん3年ぶりの小説の新刊。コンスタントに作品を発表し続けてきた三浦さんとしては「久々の新刊」といえる。読者の期待のハードルも高くな

『ののはな通信』(三浦しをん/KADOKAWA) 女同士の友情は、恋に似ている。彼女の“いちばん”が自分であってほしいと願い、ほかの誰かと親しくしているのを見るだけで嫉妬する。いずれ恋人ができても、物理的に距離が離れたとしても、お互いにとって最大の理解者であるというふしぎな信頼感と絆がある。そんな濃密な友情を育んだことのある女性はあんがい、少なくないんじゃないだろうか。出会いが思春期であるなら、なおさら。その結びつきは恋を超えた絆となりうる。三浦しをんさんの新作『ののはな通信』(KADOKAWA)は、ミッション系の女子校で出会ったふたりの少女が、情熱的な恋から不変の愛へと関係を深めていく大河ロマンである。 物語は、のの(野々原茜)とはな(牧田はな)の往復書簡で展開する。舞台は昭和59年。授業中にまわす手紙や、ときどき投函される手紙やはがきだ。お嬢様だらけの学校で庶民家庭の育ちにコンプレック

『舟を編む』(漫画:雲田はるこ、原作:三浦しをん/講談社) ああ、あのとき誰かが言っていた言葉はこんな想いで発せられたものだったのか。好きって、愛してるって、こんなに重たい言葉だったのか――そんなふうに、衝撃を受けた経験はないだろうか。誰でも知っている些細な言葉の、本当のきらめきを教えてくれる三浦しをんの小説『舟を編む』のコミカライズ、上巻がこのたび発売された。手がけたのはアニメキャラクター原案をつとめた『昭和元禄落語心中』の著者・雲田はるこである。 もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。小さな光を集めながら、ひとが言葉の海を渡るにふさわしい舟を編む――辞書編纂に人生をかけた男たちを描いた同作。作中にはこんなセリフがある。 「(三角関係という)言葉は知っていても実際に三角関係に陥らなければその苦しみも悩みも十全に自分のものとはなりません」 「自分のものになっていない

『政と源』(三浦しをん/集英社) 6月22日、三浦しをんの小説『政と源』(集英社)が文庫化される。『まほろ駅前多田便利軒』『舟を編む』『神去なあなあ日常』などのヒット作で知られる著者がこの作品で扱っているのは、家族でも恋人でもない“幼なじみ”という特別な間柄だ。 主人公は有田国政と堀源二郎という2人の老人。生まれてから73歳になる今日まで始終顔を突き合わせてきた、紛うことなき幼なじみの間柄である。 生まじめな元銀行員の国政と型破りな職人の源二郎は、性格も生き方もまるで正反対。なのになぜかウマが合い、長年行動をともにしてきた。ついでに言うと2人は見た目までが対照的で、国政がふさふさした白髪頭なのに対し、源二郎はわずかに残った髪の毛をカラフルな色に染めている。 物語の舞台は東京東部にある墨田区Y町。隅田川と荒川にはさまれた水路の町で、2人は成長し、就職して、家庭をもった。妻子のために堅実に生き

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