『1122(いいふうふ)』(渡辺ペコ/講談社) 「いい夫婦」ってなんだろう? お互いを愛していれば「いい夫婦」だと言えるだろう。けれど、この「愛」の意味が複雑だから、「いい夫婦」の定義は難しくなる。 『1122(いいふうふ)』(渡辺ペコ/講談社)は、「本当にいい夫婦の関係」を見つめなおすチャンスをくれるようなマンガだ。 著者は『にこたま』でおなじみの渡辺ペコ先生。男女の機微や情けない部分、汚いことなどの「暗部」も見事に活写できる、今一番「ドラマ化したらうけるんじゃないか?」と思っている作者である(個人的に)。本作は結婚7年目の30代夫婦、一子(いちこ)と二也(おとや)の物語。子どものいない二人は、お互い経済的に自立しており、仲が良く、信頼し合っている最高のパートナー。けれど、夫の二也には「妻の一子公認の不倫相手」がいた。 二也は、既婚者の女性で子持ちの美月(みつき)が好きで、それを一子も

夫婦喧嘩やセックスレスなど、夫婦の問題を乗り越える作法を紹介した『<喧嘩とセックス>夫婦のお作法』が、2017年4月9日(日)に発売された。 夫婦の付き合いが長くなると「どうしてあの人は、思い通りに動いてくれないのか?」といった不満を感じるもの。どちらが悪いというわけでもなく、ボタンのかけ違いは常に起こり得るし、その原因は、ときに男女の意識の違いが大きくあらわれる場面もある。しかし、男女はまったく分かり合えないわけではない。じつは、男女は結婚しただけでは、夫婦としてまだ「仮免許」状態といえるのだ。 そう提唱するのは、育児・教育ジャーナリスト&心理カウンセラーのおおたとしまさ。主に男性の育児、子育て夫婦のパートナーシップ、学校・塾の役割などについて、取材・執筆・講演活動を行っている。 例えば、セックスレス、産後クライシス、家事ハラ、夫婦喧嘩などの夫婦間の問題は、夫婦がどのみち「成長痛」として

相手より少しでも優位に立とうとして、笑顔で会話しながら殴り合う“マウンティング女子”なんてまだかわいいほう……。そう思えるほどゾッとするような女性たちの嫉妬深さ、虚栄心、生きづらさを、誘因となっている社会問題、性差別、女女格差を背景に描いた宮西真冬さんのデビュー作『誰かが見ている』(講談社)が4月13日に発売された。 第52回メフィスト賞を受賞した作品とあって、リビングに死んだように寝転がっている主婦・榎本千夏子が登場する冒頭のシーンから不穏な空気が漂い始める。 主人公は、4人の女性だ。仕事を辞めて不妊治療に専念し、4回目の体外受精が成功した千夏子は、「自分の人生に必要な全てのものを手に入れたと確信」する。しかし出産してはじめて自分の子どもに対面したときの大きな違和感から、千夏子のなかの何かが狂い始める。パートでスーパーのレジ打ちをするかたわら、子どもを愛せない実生活とはかけ離れた「幸せ

『スキンシップゼロ夫婦』(まゆ/ワニブックス) 1000万PVの話題のブログを書籍化した、『スキンシップゼロ夫婦』(まゆ/ワニブックス)。私も「こ、これは……」と興味を持ち、実際に読んでみた。 簡単なあらすじを説明すると、夫がシャイ過ぎて、セックスはおろか、キスもハグも手をつなぐことすらさせてくれないまま、夫婦生活を送っている妻まゆさんの日常。 シャイって……シャイが過ぎやしないだろうか……。 まゆさんの苦悩は、察するに余りある。 義母からは不妊症疑惑を持たれ、「子どもを作ってこそ人間として一人前よ!」的なパート先のおばちゃんの子なしハラスメント。性欲をただ我慢する日々。世の既婚女性に対して、「旦那さんと当然のようにスキンシップあるんでしょ……」という嫉妬心。おいそれと他人には相談できないことだし、「一緒に寝てもいい?」と誘った時に断られるみじめさ、哀しさ……。新婚旅行でさえ、部屋は別々だ

1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く