パキスタン各地で激しい洪水が発生している。洪水が山腹を削り、建物を根こそぎ押し流し、田園地帯で猛威を振るった結果、地区全体が内陸の海と化した。これまでに1100人以上が死亡し、100万棟以上の家屋が損壊・倒壊した。 3カ月以上雨が降り続いたため、パキスタンの農地の大部分が水没し、食料不足のおそれが出てきている。パキスタンにとって近年で最大の被害をもたらすモンスーン期となる可能性が高い。 最悪と言われた2010年の洪水よりもひどい 大きな被害を受けた山間部カイバル・パクトゥンクワ州のファイサル・アミン・カーン公使は、「ボートやラクダなど使える手段は何でも使って、最大の被害を受けた地域に救援物資を届けている」と述べた。「最善を尽くしているが、この州の被害は2010年の洪水の時よりひどい」。 その年の洪水では1700人以上が死亡し、数百万人が家を失った。国連の潘基文事務総長(当時)は、それまで見

(CNN) 気候変動の影響で、記録的な熱波がインド北西部やパキスタンを襲う頻度は100倍に増えている――。英気象庁が18日、そんな予測を発表した。両国は異常な猛暑に見舞われて日常生活に支障が出ている。 英気象庁によると、2010年の平均気温を上回る熱波は、自然の状態では312年に1度しか発生しない計算になる。しかし気候変動の影響を考慮すると、熱波の頻度は3.1年に1度にまで増すと予想した。 10年4月と5月が比較の対象とされたのは、この両月の平均気温が1900年以来、最高を記録したことによる。 パキスタンとインドではここ数週間、猛暑のために学校の閉鎖、作物の被害、エネルギー供給の逼迫(ひっぱく)、住民の外出自粛などの影響が広がっている。

パキスタン出身の人権活動家でノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ氏(2018年7月9日撮影)。(c)Miguel SCHINCARIOL / AFP 【10月19日 AFP】パキスタン出身の人権活動家でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)氏(24)が17日、アフガニスタンの実権を掌握したイスラム主義組織「タリバン(Taliban)」に対し、女子教育の再開を訴えた。ユスフザイ氏は2012年、下校途中にイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に銃撃された。 タリバンは中等教育について、男子生徒の登校再開を命じたが、女子生徒が登校できない状況が1か月にわたり続いている。 タリバンは安全が確保され、シャリア(イスラム法)の独自の解釈に基づく厳格な男女隔離が実現すれば、女子生徒の登校も認められると主張して

レイプの原因は女性の「露出の多い服装」にあるという趣旨の発言をしたパキスタンのイムラン・カーン首相に謝罪を求めるデモ。首都イスラマバードにて(2021年6月23日撮影)。(c)Aamir QURESHI / AFP 【6月25日 AFP】元クリケット選手でプレーボーイとして名をはせたパキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相が、レイプの原因は女性の「露出の多い服装」にあるという趣旨の発言をしたことで、人権団体などが批判を強めている。 カーン氏はテレビ番組「アクシオス(Axios)」に出演。国内でのレイプなどの性暴力のまん延について問われると、「女性が露出の多い服装をしていれば、ロボットでもない限り、男性は影響を受ける。常識だ」と英語で答えた。 しかし、大多数の女性が控えめな民族衣装を着ているパキスタンで、「露出の多い服装」がどのような服装を指すのかは詳しく説明しなかった。 こ

パキスタン・ラホールの病院で、新型コロナウイルスワクチン接種の受け付けをする人々(2021年6月3日撮影、資料写真)。(c)Arif ALI / AFP 【6月8日 AFP】パキスタンの元病院警備員が医師に成りすまして手術を行い、患者の女性が2週間後に死亡した。現地警察が7日、発表した。 東部ラホール(Lahore)にある公立病院、メイヨー病院(Mayo Hospital Lahore)で、背中の傷を治療中だったシャミマ・ベーガム(Shameema Begum)さん(80)は、医師を装った元警備員ムハンマド・ワヒード・バット(Muhammad Waheed Butt)容疑者の手術を受け、2週間後の6日に死亡した。 匿名で取材に応じたメイヨー病院の職員の一人は、「大病院なので、医師と職員全員の行動を常に把握することはできない」と語った。手術室看護師らもいる手術室で、バット容疑者がどのような手

イタリアの警察官(2020年10月3日撮影、資料写真)。(c)Alberto PIZZOLI / AFP 【5月30日 AFP】イタリアで、イスラム文化圏で行われる見合い結婚を拒否したパキスタン人の女性が家族に殺害された疑いが浮上し、警察が女性の遺体を捜索している。 この女性はサマン・アッバス(Saman Abbas)さん(18)。警察は29日、アッバスさんの両親とおじ、そしていとこ2人の計5人を殺人容疑で捜査していると発表した。 イタリア北部ノベッラーラ(Novellara)に住んでいたアッバスさんは昨年、家族が計画していた母国のいとことの見合い結婚に反発した。 未成年だったアッバスさんは社会福祉機関に頼り、昨年11月に保護施設に入った。アッバスさんは両親について警察に通報したが、今年4月11日に家に戻った。 今月5日に警察がアッバスさんの家を訪れたところ無人となっていたため捜査が始まっ

パキスタンのカラチで行われた国際女性デーのデモの参加者ら(2021年3月8日撮影)。(c)Asif HASSAN / AFP 【3月14日 AFP】非常に保守的なパキスタンで先週、ラホール大学(University of Lahore)のキャンパスで結婚の約束をして抱き合った学生2人が退学処分を受けた。その様子を撮影した動画がソーシャルメディア上で拡散していた。 動画には、女性の学生が地面に片膝をついて交際相手の男性に結婚を申し込み、花束を手にして抱き合う様子が、歓声を上げたり動画を撮影したりする見物人と共に映っている。 ラホール大学は12日、2人は「大学の規則に違反」し、懲戒委員会にも出席せず、「行動規範に対する深刻な違反」で退学処分を受けたと発表した。 謝罪することを拒んだ2人は、愛情を示したことに対してインターネットで脅迫を受けたと述べた。 パキスタンでは、夫婦であるか否かにかかわら

パキスタン・ラヒームヤルカーン近郊で、炎上した旅客列車の周りに集まる住民たち。パンジャブ州緊急当局提供(2019年10月31日撮影)。(c)AFP PHOTO / PAKISTAN'SPUNJABEMERGENCY SERVICE RESCUE 1122 【10月31日 AFP】(更新、写真追加)パキスタン中部で31日、走行中の旅客列車が火災に見舞われ、少なくとも74人が死亡、数十人が負傷した。乗客が朝食を調理していたところ、ガスボンベが爆発したという。当局が明らかにした。テレビの映像では、パンジャブ(Punjab)州ラヒームヤルカーン(Rahim Yar Khan)で車両が炎に包まれている様子が確認できる。人々が泣き叫ぶ声も捉えられている。 AFPの取材に応じたパキスタン国鉄(Pakistan Railways)の幹部によると、東部ラホール(Lahore)で開かれる宗教行事に参加予定

パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州チトラルのブーニ村で、生理用ナプキンを縫うハジラ・ビビさん(2019年5月18日撮影)。(c)AAMIR QURESHI / AFP 【10月20日 AFP】パキスタン北西部山岳地帯の村ブーニ(Booni)に住むハジラ・ビビ(Hajra Bibi)さん(35)は、村の女性たちのために、手回しミシンで生理用ナプキンを縫っている。 極めて保守的なパキスタンの地方の多くでは、生理はいまだタブー視されている。パキスタンの慈善団体の推定では、生理用ナプキンを使っている女性は全体の5分の1にも満たない。女性たちは伝統的に、経血の処理に古い布切れを使っている。 アフガニスタンとの国境に近い村でビビさんは「危機に対応している」と語った。「ブーニの女性たちは、これまで生理用ナプキンというものを知らなかった」 パキスタンでは月経に対して負のイメージが強く、妊娠や出産に関す

インド政府は5日、「歴史的大失態」の是正だとして、70年間にわたって認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権の剥奪を決定した。デリーで取材するBBCのギータ・パンディ記者が、自治権剥奪の理由や、その重要性について解説する。

同州には、カシミールとインドの複雑な関係性の基本原則「35A」を含む、憲法370条に基づいた、独自の立法・行政・司法制度が存在し、法案作成を自由に行なうことができた。

パキスタンのラホールでの抗議デモで、インド国旗とインドのナレンドラ・モディ首相の写真に火を付けるイスラム主義政党「イスラム協会」(JI)に関連するグループの学生ら(2019年8月7日撮影)。(c)ARIF ALI / AFP 【8月8日 AFP】パキスタンは7日、同じ核保有国で敵対するインドとの外交関係を格下げした。インドが印パ両国の係争地であるカシミール(Kashmir)地方の支配を強化する動きを受けた措置で、インドの駐パキスタン大使を追放し二国間貿易を停止する方針も明らかにした。カシミール問題をめぐり、双方の対立が深まっている。 インドは5日、過去70年にわたってカシミール地方の印支配地域に付与されていた特別自治権を大統領令によって剥奪。この数時間前には同地域に対し、厳格な外出制限令を出したばかりだった。 パキスタンはイスラム教徒が多数を占めるカシミール地方の領有権を主張しており、専門

パキスタン首都のイスラマバードで、ネコ耳とひげがついたまま配信された政治家の会見映像を見る子どもたち(2019年6月15日撮影)。(c) AFP / FAROOQ NAEEM 【6月17日 AFP】パキスタン北西部で、州の閣僚による記者会見がフェイスブック(Facebook)上でライブ配信された際、閣僚らの顔にネコ耳やひげが表示される「ネコフィルター」が誤ってかかってしまう出来事があった。 インターネット上で14日に話題になったのは、カイバル・パクトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州政府閣僚のショーカット・ユスフザイ(Shaukat Yousafzai)氏の記者会見。同氏のソーシャルメディア担当班の一人が、誤ってネコフィルターをオンにしてしまったという。 ユスフザイ氏に加え、同席した関係者ら2人にピンクのネコ耳とひげがついているのに気がついたフェイスブックのユーザーらからは

強い日の光にさらされて、汗が流れる間もなく蒸発していくようだった。5月下旬、パキスタン東部オカラの気温は50度近くまで上がっていた。7月末の下院総選挙に立候補した人権活動家のナヤブ・アリさん(25)は、地区の有権者を一軒一軒回り、こう力を込めた。「苦しむ隣人の声を聞いてください。あなたの助けが必要です」 アリさんは心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」だ。体は男性として生まれたが、物心ついたころから、ドレスや化粧品に憧れた。隠れて化粧したことが見つかると、物置に閉じ込められた。父親にはたびたび殴られ、13歳で勘当された。 つらい記憶を背負ったアリさんが、故郷に戻って立候補したのは、選挙直前の5月にトランスジェンダー保護法ができたからだった。それまで選挙に出るには、立候補届け出の書類などで男女どちらかの性を選ばなければならなかったが、保護法では男女とは別の性として立候補できると明記され

アイテム 1 の 8 9月1日、中国が掲げる「現代版シルクロード」構想の中央に位置するパキスタンでは、植民地時代に造られた鉄道路線の改修プロジェクトが、長期に及ぶ遅延を強いられており、同国政府もその膨大なコストと融資条件に尻ごみしつつある。カラチで9月撮影(2018年 ロイター/Akhtar Soomro) [1/8] 9月1日、中国が掲げる「現代版シルクロード」構想の中央に位置するパキスタンでは、植民地時代に造られた鉄道路線の改修プロジェクトが、長期に及ぶ遅延を強いられており、同国政府もその膨大なコストと融資条件に尻ごみしつつある。カラチで9月撮影(2018年 ロイター/Akhtar Soomro) [イスラマバード/ラホール 1日 ロイター] -中国が掲げる「現代版シルクロード」構想の中央に位置するパキスタンでは、植民地時代に造られた鉄道路線の改修プロジェクトが、長期に及ぶ遅延を強
パキスタンのモーリプール村で、女性たちに選挙に行くように話すソーシャルワーカーで地方議会の議員でもあるビスミラ・ヌール氏(左、2018年7月7日撮影)。(c)AFP PHOTO / AAMIR QURESHI 【7月22日 AFP】パキスタン・パンジャブ(Punjab)州にあるモーリプール(Mohri Pur)村の男性たちは1947年頃、女性たちが選挙に行くことを禁止した。それ以来、女性たちはその規則に従ってきた――今年までは。パキスタンの選挙法が改定され、女性たちの選挙に対する姿勢も大きく変わるかもしれない。 少なくとも、パキスタン中部の都市ムルタン(Multan)から60キロほど離れた村で、強い日差しを逃れムラサキフトモモの木の下に集まっている大勢の女性にとって、これは希望だ。だが、女性たちがAFPの取材を受けているのを腹立たし気に見ている男性たちが、7月25日に行われる選挙に女性たち

【7月19日 AFP】パキスタン北部スワト(Swat)渓谷の崖に7世紀に彫られ、2007年にイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」によって破壊された摩崖仏(まがいぶつ)が修復された。仏像は、タリバンによる支配で心に傷を負った人々の寛容のシンボルとなっている。 蓮華座に座る仏像は、スワト渓谷の花こう岩の崖に彫られている。2001年にアフガニスタンにあるバーミヤン(Bamiyan)の巨大な仏像を破壊した、旧支配勢力タリバン(Taliban)を模倣したパキスタンのタリバン運動により破壊され、深刻な被害を受けた。 摩崖仏の破壊は、タリバンによる暴力的支配がスワト渓谷で始まったことを象徴する出来事となった。タリバン支配の間、何千人もの人が殺され、150万人以上が避難を余儀なくされた。(c)AFP/ Amélie HERENSTEIN

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