Published2023/11/04 21:39 (JST) Updated2023/11/04 22:27 (JST) 【カブール共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権による女性抑圧政策が原因で、不安を募らせるなどして精神状態が悪化した女性18人が自殺していたことが4日、支援団体や遺族への取材で分かった。うち12人の遺族に治安当局が口止めしていたことも判明。女性抑圧に対する批判は国内外で強く、実態を隠そうとしたとみられる。 暫定政権は女性の教育や就労を制限し、国際社会は「人権侵害」と非難、タリバン暫定政権を承認していない。自殺はイスラム教が禁じているため隠す遺族も多く、支援団体は18人は「氷山の一角」と分析している。 非政府組織(NGO)「アフガン女性・子ども福祉強化団体」によると、タリバンが復権した2021年8月以降、女性17人が教育や就労機会の制限、タリバン構成

アフガニスタン・カブールにある民放トロテレビのスタジオで、黒いマスクを着用して報道専門チャンネル「トロニュース」の生放送に臨む総合司会者のニサール・ナビル氏(2022年5月25日撮影)。(c)Wakil KOHSAR / AFP 【5月26日 AFP】アフガニスタンの報道専門チャンネル「トロニュース(TOLOnews)」の総合司会者、ニサール・ナビル(Nisar Nabil)氏は、放送が始まる直前に黒いマスクを着用する。イスラム主義組織タリバン(Taliban)の暫定政権が、女性キャスターにテレビ出演の際は顔を覆うよう命じたことへの抗議だ。 「私たちは女性の同僚を支持している。生放送のニュースや政治番組では、抗議としてマスクをしている」とナビル氏は、首都カブールにあるスタジオでAFPに語った。 タリバンは昨年8月の実権掌握以来、さまざまな女性の権利を制限してきた。最高指導者ハイバトゥラ・ア

(CNN) 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は11月30日、アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンが8月中旬の実権掌握後、投降した治安要員数十人を処刑したとする報告書を発表した。 HRWの報告書では、アフガン治安部隊(ANSF)の元要員47人の「即決処刑または強制失踪」について詳述している。47人には軍要員や警官、情報機関員、民兵が含まれ、いずれも8月15日から10月31日にかけて投降するか、タリバンによって逮捕されたという。 報告書は計67回の聞き取り調査を基にしたもので、このうち40回では目撃証人や親族、友人を対象に対面で聞き取りを行った。一部の人は匿名で報告書に記載されている。 タリバンは以前、国際社会に対し、前回政権を担った20年前よりも包括的な政権を率いると主張。タリバンの指導者はアフガン駐留米軍に協力した人物について、刑の執行を猶予すると約束していた。 CN

【11月19日 AFP】アフガニスタン国立音楽院(Afghanistan National Institute ofMusic)の楽団が17日、カタールの首都ドーハでコンサートを開いた。音楽院の生徒や教師らは、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の支配から逃れるため、先月から順にアフガニスタンのカブールを脱出。最後の楽団員が12日、ドーハに到着し、その際に楽器を持ち出すことにも成功した。音楽院で指揮者を務めるムハンマド・カンバール(Mohammed Qambar)氏は、「とにかく全員がそろって本当に本当にうれしい」と喜びを口にした。さらに、「これまでなかった楽器がようやく手元に来て感謝しています。12日に到着した楽団員がカブールを脱出する際に、隠して持ってきたのです。幸運なことに、アフガニスタンの楽器やインドの楽器、コンサートに必要なものすべてがそろいました」と話した。(c)AF

アフガニスタン・カブールで、道路に立つタリバン戦闘員(2021年9月30日撮影、資料写真)。(c)BULENT KILIC / AFP 【11月2日 AFP】イスラム主義組織タリバン(Taliban)が実権を握るアフガニスタンの国際社会への受け入れに動く各国当局や支援団体が、タリバン側との協議に男性だけを派遣し、女性を排除していることに批判が出ている。 タリバンは8月の実権掌握以降、暫定政権から女性を排除、女性の労働や教育を制限しており、国際社会から批判されている。 各国政府や支援団体の代表団は、国際社会からの承認を希望するタリバン側と首都カブールで協議しているが、その席に女性の姿はほとんど見られない。 ■「ソーセージパーティー」 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)のヘザー・バー(Heather Barr)氏は、ハッシュタグ「sausagepa

アフガニスタンの首都カブールに張られた電線(2012年9月27日撮影、資料写真)。(c)ROBERTO SCHMIDT / AFP 【10月22日 AFP】アフガニスタンで21日、首都カブールに電気を供給する送電網が爆発により破壊され、同市で停電が起きた。電力会社が発表した。2か月前の政権掌握以来、国内情勢の安定化に努めてきたイスラム主義組織タリバン(Taliban)にとって新たな打撃となる。 爆発の原因は不明だが、攻撃と確認された場合、強硬派武装勢力が権力掌握前のタリバンと同じ戦略を用いていることを改めて示す事件となる。タリバンは、米国が支援する前政権に対する20年に及ぶ武装闘争で、電力設備に対する攻撃を繰り返していた。 450万人以上が暮らすカブールでの停電は、午後6時(日本時間同10時30分)ごろ発生。照明が点滅した後に消え、事業所や富裕層の住宅では自家発電装置が稼働した。 北部に国

パキスタン出身の人権活動家でノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ氏(2018年7月9日撮影)。(c)Miguel SCHINCARIOL / AFP 【10月19日 AFP】パキスタン出身の人権活動家でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)氏(24)が17日、アフガニスタンの実権を掌握したイスラム主義組織「タリバン(Taliban)」に対し、女子教育の再開を訴えた。ユスフザイ氏は2012年、下校途中にイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」に銃撃された。 タリバンは中等教育について、男子生徒の登校再開を命じたが、女子生徒が登校できない状況が1か月にわたり続いている。 タリバンは安全が確保され、シャリア(イスラム法)の独自の解釈に基づく厳格な男女隔離が実現すれば、女子生徒の登校も認められると主張して

米メリーランド州グレンウッドの自宅で、AFPのインタビューに応じるアフガニスタン系米国人の歴史学者バハル・ジャラリ氏(2021年9月24日撮影)。(c)SAUL LOEB / AFP 【9月26日 AFP】アフガニスタン系米国人の歴史学者が、色鮮やかなアフガン女性の伝統衣装を伝える活動をソーシャルメディアで展開している。黒一色の衣服に身を包み、顔も黒いベールで覆ったアフガン女性たちが今月、首都カブールの大学でイスラム主義組織タリバン(Taliban)を支持する集会に出席する写真を見たことがきっかけだ。 「あれがアフガンの伝統的な服装だと世界で認識されてしまうのではないかと、とても心配になった」と、米ロヨラ大学メリーランド校(Loyola University Maryland)で中東の歴史を教えるバハル・ジャラリ(BaharJalali)客員准教授(56)は語る。「私たちの伝統と文化が誤

米軍のアフガニスタン撤退後、首都カブール北郊デーサブズ地区にある元米CIA基地に残された車の残骸(2021年9月6日撮影)。(c)Aamir QURESHI / AFP 【9月20日 AFP】完全に崩れ落ちた建物、破壊された車両、弾薬の山。米国史上最長の戦争を終えてアフガニスタンから撤収した米中央情報局(CIA)最後の基地の姿だ。 「穏やかに退去させたのに。見てみろ、このありさまを」。アフガニスタンを制圧したイスラム主義組織タリバン(Taliban)の指揮官ハスナイン(Hasnain)師(35)は、首都カブールの外れで焼けただれた広大な廃虚を検分していた。 濃いあごひげをたくわえ、アフガンの伝統服をまとった指揮官は「バドリ313(Badri 313)」と呼ばれる精鋭部隊を率いている。 「彼らは退去する前に何もかも破壊していった」。CIA基地の跡に招いた記者団に同師は語った。周りを警護するタ

ハイジャックされた旅客機が激突した米ニューヨークの世界貿易センタービル(2001年9月11日撮影)。(c)AFP PHOTO SETH MCALLISTER 【9月9日 AFP】米同時多発攻撃が起きた2001年、当時のジョージ・W・ブッシュ(George W Bush)米大統領は「テロとの戦い」を宣言した。それから20年たった今、ジハード(聖戦)主義組織はその数を増やし、世界各地に拡散。戦いが失敗したことは、否定し得ない事実だ。 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者は、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン(Taliban)政権にかくまわれながら、米同時多発攻撃を企図した。 ニューヨークと首都ワシントンが攻撃されたことを受け、ブッシュ大統領は対テロ戦争を開始。米主導のアフガニスタン侵攻によってタリバン政権は倒れ、ア

「ニカブ」を身に着けた女性たち。アフガニスタン首都カブールで(2021年8月2日撮影)。(c)SAJJAD HUSSAIN / AFP 【9月6日 AFP】アフガニスタンで権力を掌握したイスラム主義組織タリバン(Taliban)は4日、私立大学に通う女子学生に対し、「アバヤ」と呼ばれる長衣と、顔のほとんどを覆う「ニカブ」の着用を命じた。教室も男女別とし、少なくともカーテンで仕切ることが義務付けられた。 タリバンの教育担当部門が発表した長文の文書は、女性教員だけが女子学生に指導できると明記。それが難しい場合には人格の優れた「高齢男性」が代行することは可能としている。 アフガンでは旧タリバン政権が終わった2001年以降、私立の高等教育機関の新設が相次いだが、今回の命令はそうした教育機関が対象となる。 旧タリバン政権下では、男女共学や、男性親族を伴わない女性の外出が禁じられていたため、女性には教

スプレーで黒塗りされた女性のポスター。アフガニスタンの首都カブールで(2021年8月18日撮影)。(c)Wakil KOHSAR / AFP 【8月19日 AFP】アフガニスタンの首都カブールで、顔を黒塗りにされた女性向けの広告。繁華街にある美容サロンの正面にあったもので、付近ではイスラム主義組織タリバン(Taliban)の戦闘員が歩く姿も見られた。 2001年の米主導のアフガニスタン侵攻後の20年で、カブール界隈では、かつて禁じられていた美容サロンが急増した。(c)AFP

アフガニスタン首都カブールで、旧支配勢力タリバンと治安部隊の戦闘のため北部から避難し、モスクの中庭に張られたテントのそばで過ごす人々(2021年8月13日撮影)。(c)WAKIL KOHSAR / AFP 【8月14日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は13日、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が、支配地域で女性の権利を著しく制限していると明らかにした。 タリバンは支配地域を拡大しながら首都カブールに迫っており、2001年に米主導の連合軍の攻撃で崩壊したタリバン政権復活への懸念が高まっている。 グテレス氏は記者団に対し、「タリバンが支配地域で、特に女性と記者に対して人権を厳しく制限している初期の兆候が見られることに深く心を痛めている」と述べた。「特にアフガンの少女や成人女性が苦労して獲得した権利が奪われているという報告

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