要旨 理化学研究所(理研)計算科学研究機構粒子系生物物理研究チームの杉田有治チームリーダー、ジェウン・ジョン研究員、杉田理論分子科学研究室の森貴治研究員らの共同研究チーム※は、生体分子の運動を1分子レベルから細胞レベルまでの幅広い空間スケールで解析可能なシミュレーションソフトウェア「GENESIS」を開発し、5月8日からオープンソースソフトウェアとして無償で公開します。 近年、計算機によるシミュレーションは、実験、理論に次ぐ第3の解析手法として、さまざまな分野で活用されています。生命科学では分子動力学法[1]と呼ばれるシミュレーション技法が、タンパク質の立体構造予測や、酵素反応のメカニズムの解明、薬の理論設計などに広く応用されています。分子動力学法は粒子間相互作用[2]をクーロンの法則などの物理法則に基づいて計算し、ニュートンの運動方程式F = maを解くことで分子の動きをコンピュータ内で
さきほど2013年ノーベル化学賞が発表され、 Martin Karplus, Michael Levitt, Arieh Warshel の3人が「for the development of multiscale models for complex chemical systems (複雑な化学系のマルチスケールモデルの開発に対して)」の仕事で受賞しました。 受賞した3人とも分子動力学シミュレーションで世界的に使われているプログラムパッケージ「CHARMM」の開発に携わっています。(私はCHARMMは使ったことが無く、あまり詳しくはないのですが) ちなみにCHARMMと双璧をなすもう一つの有名なプログラムパッケージ「AMBER」の開発者である Peter Kollman は既に亡くなられており、もしご存命でしたら今回受賞されていたかもしれません。 マルチスケール(多階層)モデルのシミュ

日経サイエンス 記事ダウンロード 編集部のお薦め Information 話題ごとに「それが知りたいならば,ぜひこれを」と編集部がお薦めする記事をピックアップしました。 2013年のノーベル化学賞は,タンパク質のような巨大な分子の化学反応を,コンピュータを使って効率よく計算する手法を開発した米ハーバード大学のカープラス(Martin Karplus)博士,スタンフォード大学のレビット(Michael Levitt)博士,南カリフォルニア大学のウォーシェル(Arieh Warshel)博士の3氏に贈られることになりました。 タンパク質のように巨大な分子がどのようにほかの物質と反応していくかを計算で予測するのは,生命現象を理解したり,薬などを開発する上で強力な武器になります。そうした反応を担うのは個々の原子や電子で,その振る舞いを記述するのは量子力学です。 しかしタンパク質を構成する原子は数千
東京大学は1月23日、光が当たると陽イオンを細胞内に取り込む緑藻由来の膜タンパク質「チャネルロドプシン」の詳細な立体構造を解明。同構造と電気生理学的な解析を行った結果、チャネルロドプシンの初期反応を明らかにし、長らく論争になってきたチャネルロドプシンのイオン輸送経路を解明することに成功したと発表した。東京大学大学院理学系研究科の濡木理教授らの研究グループによるもので、成果は英科学誌「Nature」電子版に日本時間1月23日に掲載された。 ヒトから微生物までほとんどの生物は光情報を受容して、光情報をもとに行動を取ることが知られているが、多くの場合この光情報の受容は、発色団として「レチナール」と呼ばれる低分子を結合した「ロドプシンファミリータンパク質」によって担われている(画像1)。 レチナールはビタミンAの一種で、光を受けると異性化することでシグナルを伝える仕組みを持ち、ヒトが物を見るのに使

OpenMM has moved to https://openmm.org. This site is no longer used. OpenMM is a toolkit for molecularsimulation.It can be used either as a stand-alone application for runningsimulations, or as a library you call from your own code.It provides a combination of extreme flexibility (through custom forces and integrators), openness, and high performance (especially on recentGPUs) that makeit tr


分子動力学法(Molecular Dynamics method)の調査 中尾 昌広,廣安 知之,三木 光範 ISDLReport No. 20070610011 2008年 3月 17日 Abstract本レポートでは,分子動力学法(MD:Molecular Dynamics method)の概要を述べ,TINKERを用いてタンパク質の立体構造に対するMDシミュレーションを行った.その結果,MDシミュレーションのパラメータの1つである温度が低いほど良好な結果が得られたが,温度が低いほどタンパク質の立体構造は初期状態からほとんど変化しなかった.温度のパラメータに関して,さらに考察が必要である. 1 はじめに タンパク質は生命活動において,非常に重要な役割を担っている.タンパク質の機能は,その立体構造により決定できるため,計算機シミュレーションを用いてタンパク質の立体構造を予
材料設計の研究開発に威力を発揮する分子動力学法ソフトウェア ナノテク分野など材料設計における国内外のニーズを結集。原子・分子の集合状態を取り扱えるソフトウェアです。 計算化学の入門者からエキスパートまで、利用目的や利用者のレベルに応じて幅広く活用できます。
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