今年の流行語にも選ばれた「炎上」。毎日どこかのブログが炎上したという話を聞かない日はない。インターネットを使わない人も「ネット社会」に生きていくほかないのかもしれない我々の社会。今年10月にちくま新書から発行され、絶賛された『ウェブ炎上』(ちくま新書)の著者であり、今最も注目される新進気鋭の論客荻上チキさんに「炎上もある社会」を生きる知恵と「教養」についてうかがった。 企業、政治家、芸能人、有名ブロガー……毎日どこかのブログやサイトが「炎上」したというニュースは後を絶たない。我々の生きるこの社会で、今日も誰かが標的になっているかもしれない。メディア論、流言飛語研究、テクスト論に取り組んでいる荻上チキさんに、あらためて「炎上もある社会」で生きることについておたずねした。 ――荻上さんは、もともと「成城トランスカレッジ!」という人文系では有数のニュースサイトを運営されていたわけですが、本書を書

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書) 作者: 荻上チキ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/10/01メディア: 新書購入: 18人 クリック: 298回この商品を含むブログ (169件) を見る チキさん(id:seijotcp)の単著。献本して頂いたので少し念入りに紹介してみる。 どんな本か この本は一言で言うとウェブの「力学」を学ぶためのガイドブックだ。「炎上」という言葉に象徴されるような、ウェブコミュニケーションで見られる一見奇妙な盛り上がり(サイバーカスケード)がどういう仕組みで起こるのか、そしてそれは何を生み出すのか、ということを日本のネットユーザにはお馴染みの様々な事例を通じて描き出す。 「力学」の部分は社会心理学や社会学の比較的枯れた理論を参照しており、著者自身の独自の主張は抑えられている。強めの主張の後では読者が極論に流されないように引き戻すよう
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