
はてなキーワード:STUDIO4℃とは
日本のアニメが世界で受け入れられた理由は「世界に合わせたから」ではない。
実際には、日本のアニメが日本のまま、つまり変でローカルで偏っていて、空気を読まなかったからこそ、結果的に海外に刺さった、というだけの話だ。
この手の勘違いを象徴する事例として、東京ムービー創業者・藤岡豊と『NEMO/ニモ』の話を思い出す。
藤岡は『ジャングル黒べえ』や『ルパン三世』を海外で試写した際に「黒人差別だ」「泥棒が主人公なのは問題だ」と散々な評価を受けたらしい。そこから「世界に通じるアニメ映画を作ろう」「日本アニメをアメリカ市場に進出させよう」と考えたわけだが、この時点ですでに話をだいぶ履き違えている。
結果として、55億円という当時としてもアホみたいに異常な予算を投じて作られた『NEMO/ニモ』は、会社ごと見事にコケた。
この顛末は、ほとんど寓話の域に達していると思う。ローカルで尖っていたものが拒絶されたからといって、そこから「世界標準」に寄せたところで、誰にも必要とされない中途半端な凡作が出来あがるだけだった。
一方で、日本アニメが海外で実際に評価されていった経緯も、かなりオソマツなものだった。日本側の制作会社も、海外の配給会社も、おおよそ何もしなかった。その空白を埋めたのは、ネット以前から活動していた海外のアニメオタクたちである。彼らは著作権を無視し、ファンサブ(ファンが勝手につける字幕)を付け、ファンダムのネットワークを通じてコピーを広く流通させた。場当たり的で、異常に熱量の高い活動こそが、日本アニメのユニークさを可視化したに過ぎなかった。
日本アニメの成功は「グローバル戦略」の成果などではない。むしろ、戦略不在とローカル性の産物だった。
だから、変に「海外を意識する」こと自体が、そもそもズレている。本当に通用する表現というのは、外に合わせようとした瞬間に陳腐化する。そのことが、藤岡には最後まで理解できなかったのだろう。
「STUDIO4℃」お前のことだよ。
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