はてなキーワード:花粉症とは
正直言うと、東京での生活を思い出すだけでゾワゾワする。知らない人が2m以内にいるだけで不安になる私が、なぜか4年も東京暮らしを続けていた。今思うと頭おかしい。
特に満員電車。あれ普通に考えて異常じゃない?他人の体が密着する感覚、汗の匂い、体温…吐き気してくる。東京で電車通勤してる人ってあれを何年も何十年も毎日で耐えてるの?すごいね、マジで。
せっかく青学受かったし、このまま都心で頑張ろうと思ったけど、就活しなきゃって時に「もう限界」って悟った。即地元にUターン就職。正解だった。
今は車通勤。最高かよ。自分だけの空間で移動できて、誰にも触れられなくていい。パーソナルスペースが守られる幸福感よ。雨の日も傘さして歩かなくていいし、花粉症持ちの私にとっては外歩くよりだいぶマシ。
車自体には全然愛着ないんだよね。単なる移動手段。地元戻った時に買ったコンパクトカーまだ乗ってるけどもはや洗車すらしない。(旦那には「洗車くらいしなよ」って言われるけど、そのうちねーって言ってるうちにやってくれちゃう。ありがとう)。
旦那は小中の同級生。高校入ってからは疎遠だったけど、地元戻ったらなんだかんだで結婚した。今は子ども二人。旦那の収入は地方でも中の下くらい。まー二人合わせれば中の上くらいにはなるかな。上昇志向みたいなのはぜんっぜんないから私はいいけど、そうじゃない人には耐えられない暮らしなのかもね。
東京人からしたら田舎モンが田舎に帰っただけの話って思うだろうけど、他人と密着しながら通勤するストレスより、精神的に健全だと思うんだよね。
そう思うと東京って、パーソナルスペース侵害にストレスを感じないか、許容範囲内における人間じゃないと暮らせない街なのかね。
それかめちゃめちゃ稼いで常にハイヤーかタクシー移動とか。結局あのギチギチ道路じゃまともに進まなくてそれはそれで別のストレス溜まりそうだけど…
ウチの農地を買ってほしい
農地要らなさすぎ
ひどい花粉症だし生き物嫌いだし体力ないしIT職だし、農業を継ぐ理由が無さすぎる
でも親が高齢になってきて、なんか家にいるなら農業やれって言ってくる
だって農業やってる時間普通に働いた方が稼げるのになんで大嫌いな屋外作業しないといかんの?
ありえん
でも、いまは親父の作ったコメ食ってんだよな
なんか、これどうするのが正解なんだろな?
うちの農地も狭くはないけど、もっと大規模でやらないと商売になんかならんのは考えるまでもなくわかる
少なくともコメなら村の農地全部を社員20人くらいの会社でやってなんとか成立するレベルだと思う
これは、いつ、誰が、最適化してくれるんだろ?
こんな非効率で合理的でない農業してるから、いつまでたってもコストが改善されないんだよな
でも、これどうしたら改善するんだろ?
国は今の非効率な農業を税金ジャブジャブ投入して支えることしか頭にない
国が買い取って再編する事業をはじめてくれたら喜んで売る
国じゃなくて企業でもいい
おれが耕作するのは本当に無駄だしありえん
いや、正確には変わってはいない。けど、あのとき何かが確かに動いた。少なくとも空気は。鼻が通ったから。
唐突に。何の説明もなく、成田じゃなくて羽田から、しかもジャンボジェットじゃなくてなぜかドローンで。背中にアメリカ国旗のマントをつけて。
その光景がテレビに映ったとき、俺はちょうどトイレで鼻をかんでた。花粉症歴15年。自称ベテラン。
なのに、あの瞬間だけは鼻が通った気がした。
「日本の花粉症?終わらせる。1ヶ月で。Believe me」
と、トランプは言った。
全国のスギ林に“非戦闘的爆撃”を仕掛け、花粉症ワクチンをアプリで即日配布し、マスク税なる謎の制度を始めた。
「裸の鼻こそが自由の証」って演説して、マスクをしてる人は駅の改札で止められるようになった。
俺は初めて、人前で堂々とくしゃみをしなかった。
それがうれしくて泣いた。でも、その涙もアレルギーじゃなかった。たぶん。
その次は満員電車だった。
「通勤地獄?10年あれば余裕だ」と言って、東京を分解し始めた。
霞が関を青森に、渋谷のIT企業を沖縄に、銀座の百貨店を佐賀に移した。
なんで佐賀?って思ったけど、彼に理由を求めるのは無意味だと気づいたのはそのあとだった。
気づいたら電車は空いてて、座れるどころか横になれるレベルだった。
「もう電車に詰め込まれる必要はない」とか言って、空を飛ぶ通勤用ドローンまで配ってた。
事故も多かったけど、それ以上に「ギュウギュウ詰めよりマシ」という声が勝って、黙殺された。
俺も一度だけ乗った。空から見た東京は、いつもよりちょっとだけ遠く感じた。
次は農業だった。
「農業従事者が少ない?じゃあ全員農民にすればいい」と言って、週1で水やりすれば農家扱いになる制度を作った。
俺はベランダでミニトマトを育てて、スマホで写真を送ったら農業補助金が届いた。1,000円。
その金でコンビニのチューハイを買ったとき、妙に達成感があった。
「おれ、今月は農業したな」って思えた。
極めつけは、少子高齢化だった。
「子どもを産んだら金をやる」「結婚したら大学免除」「70歳以上はハワイで年金2倍」とか、あらゆる制度を同時にぶち込んできた。
AIが年齢を“見た目”で補正する仕組みまで作って、「日本人の平均年齢は実質28歳」とか言い出して、
世界から非難されたけど、本人は「みんな若く見えるのは事実だろ」とか言ってた。
その通りではあるけど、そうじゃない気もした。
あらゆる政策は雑だったし、思いつきだったし、副作用もあった。
でも、実際に社会は変わった。
鼻水は止まったし、電車は空いたし、ベランダの草にも価値が生まれたし、テレビでは「出生率2.5人」とかいう見たことない数字が出てた。
誰かが「民主主義の敗北だ」と言ってたけど、俺は別に勝ちたかったわけじゃない。
ただ、息がしやすくて、座れる通勤電車に乗って、トマトを育てながら、静かに生きていたかっただけだ。
そしてトランプは、ある朝、突然いなくなった。
誰も理由を知らない。
ただ、渋谷のスクランブル交差点に残された銅像の台座に、こう書かれていた。
「私は約束を守った。あとは君たちの番だ」
俺はそれをスマホで撮って、帰りにスーパーでトマトを買って、ベランダのプランターに植えた。
ちょっと大きめの実がついた。
それを見て、なぜかまた泣いた。
でも、たぶんそれも花粉じゃない。
きっと、そうだと思う。