
はてなキーワード:隼人とは
『推されていた数年間』
名前を呼ばれるのが、怖かった。
画面越しで何千回も呼ばれたその名は、もう本名より重く、苦しかった。
「しほたん」「しほぴ」「女神しほ」──
それは私の別人格。
きっかけはそれだけだった。
はじめは罪悪感があった。
──気づいたら、夜の8時から深夜3時までが“出勤”になっていた。
ありがたくて、嬉しくて、泣きながらお礼を言った。
「田坂さん、いつも来てくれてありがとう」
「本当に助かってます」
「しほぴは田坂さんの味方だよ」
1万円、3万円、5万円。
私が泣くと、金額は増えた。
「生きててくれてありがとう」
そう言われた時、私はもう戻れなかった。
“推される”というのは、祭壇に乗ることだ。
最初は暖かかった。
でもそのうち、皮膚がただれても気づかないようになった。
昼は眠り、夜は配信。
肌は荒れ、声は掠れ、視力は落ちた。
でも、金が入った。
月収は100万を超えた。
──そう信じていた。
でも、あの夏。
配信に現れなくなった。
DMの返事も来ない。
その夜、私は初めて吐いた。
自分が何者だったのか、思い出せなかった。
あれから7年が経った。
私は今、介護施設で働いている。
月給14万円。朝6時に起きて、腰を痛めて、排泄ケアと風呂の介助。
でも、不思議と不満はない。
誰も、私のことを“神”とは呼ばないからだ。
“しほたん”は死んだ。
その墓には、誰も花を供えない。
──田坂隼人。
見た目は変わっていた。痩せ、白髪で、目に深い傷跡があった。
でも、目が合った瞬間、わかった。
彼は、私を“見て”いなかった。
ただ、そこにかつての“偶像”がいるというだけで、心を溶かしたような顔をしていた。
「しほ……ですか?」
「はい、志帆です。介護スタッフですから、なんでも言ってくださいね」
私は笑った。
生きていれば、終わりはくる。
でも、ただ一つだけ信じている。
──これは愛じゃない。
でも、呪いでもない。
これは、“推された代償”の、静かな後始末。
そして私は、それを生きることにした。
〜恐怖は、隣で笑っていた〜
その明るさに、私は最初、救われたような気がしていた。
田坂さんの介助をする日々の中で、
──でも、気づいてしまった。
「今日も○○たんが来てる〜!ありがとねー!」
5000円、10000円、20000円。
彼女は笑っていた。まるで昔の私の声で。
そして言った。
「“推しに投げる瞬間”って、自分が神になれる感じしません?」
その言葉で、血の気が引いた。
あの子は、もう“あっち側”にいる。
何かが過剰で、何かが壊れている。
私はその時、
田坂さんと目を合わせるのが怖くなった。
私のスマホも、彼女のスマホも、画面越しに人間を崇拝する装置。
人の人生を狂わせる、神のふりをした呪物。
その怒りはどこへ向かうのだろう?
推しの彼か、
それとも、
今となっては“すべてが分かってしまっている私”に?
──私はもう、推されることも、推すことも、できない。
だからせめて、働く。
その恐怖から逃げずに、
この場所に、しがみついている。
新宿のタワーマンションで女優が刺されたのは、もう五年前のことだった。
犯人は“思い詰めていた”と語り、二十数回の刺傷を与えながらも、事件後は「記憶が曖昧で…」と供述した。放心状態だったという。
だが、それが事件の**“原型”**だった。
シンガーソングライターの女が、何の前触れもなく背後から刺された。
「金を返せと言っているわけではない。ただ、彼女が幸せそうだったのが腹立たしかった」と。
推しに費やした十年間が、生活保護と病院通いだけが残った自分の人生の唯一の“意味”だったという。
そして、今。
年金額は月5万。
毎月、腰にヒアルロン酸注射を打ち、心臓の薬をもらいに病院に通っていた。
彼にはかつて「推し」がいた。
推し活全盛期には、田坂は彼女の配信に月20万円を投げていた。
当時の記憶は断片的だ。
とにかく彼女の声が、自分を「選んでくれている」と思っていた。
──「ありがとう、田坂さん、いつも一番で嬉しい!」
それだけで、生きる意味があった。
彼にとっては、「捨てられた」としか思えなかった。
田坂は怒りに駆られなかった。ただ、耐え続けていた。
それでも、自分を押さえていた。
しかし、ある日。
志帆がテレビの再現ドラマで“おばあちゃん役”として出演しているのを見た。
だが、その笑顔に、田坂の心は焼かれた。
──「なんで、そんなに幸せそうに笑っていられるんだ?」
スイッチが入った。
そんな原始的な怒り方は、もう古い。
田坂は、志帆の勤務先を調べた。
記録係。月収14万円。実家暮らし。推しの残骸として、静かに暮らしていた。
彼は彼女の後をつけた。
「殺す気はない」
そう自分に言い聞かせた。
ただ、「知らせたい」。
田坂はある日、深夜のコンビニで志帆の背後に立った。
手にしたのは、カッター。
それを握りしめ、彼女の片目を切りつけた。
悲鳴、血、倒れ込む志帆。
逃げる田坂。
数日後、自首。
裁判で田坂は言った。
「俺は初代の連中みたいに、殺して逃げる気はなかった。
生きさせて、苦しませる。
それが一番の“恩返し”なんだよ」
「5年後、俺は72。まだ生きてる。彼女も、生きてるだろう」
その言葉が、次の“後輩たち”の心に火をつけるとは、
まだ誰も知らなかった。
国を追われた神武天皇は、モーゼやダビデ王みたいに旅をした末に原住民を打ち破り王国を作ったのだよ!
な、なんだってー
先日は、アメリカ発の暴落で日本株も暴落して持ち株を見るのも辛いので、古代のロマンについて考えてみた。
古代のロマン、つまりアンシャントロマン。サナトリの村のBGMで聞きながら、俺の考えた妄想話に付き合ってくれ。
古事記の謎として、淡路島優遇、なぜか舞台が高千穂に飛ぶというものがある。
その結果、古代九州三国志説と、出高千穂記説にたどり着きました。
説明していきましょう。
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鹿児島の隼人(弓の名手で、かなり最後まで大和朝廷の支配に抵抗した勢力)
もちろん、勢力同士が戦っていたという考古学的な証拠はまだない。(だからといってなかったとは証明できないけどね)
さて、ここから高千穂勢力が大和にたどり着くには、陸路で北上説か瀬戸内海移動説のどちらかで移動したことになる。
ただ、北九州には別の勢力(邪馬台国?)があった可能性があるので、そこを超えないといけない。
これは結構大変そうです。
また日本書紀では、"瀬戸内海を経由し、大和(奈良県)を目指す"とあるので、海路を使ったと考えるのが妥当でしょう。
もし、陸路で行ったとしたら、今の山口県や広島県あたりでの戦いの様子がないといけないがそういうのがないためです。
よって、陸路で陸路で北上ではなく瀬戸内海移動説を考えたいと思います。
瀬戸内海移動説は、古代の交易網だったと思われる瀬戸内海を通って移動した説です。
ただし、海を越えての侵略は難しいので、なぜこのようなリスクの高いことをしたのかは議論が必要です。
出高千穂記説
そこで考えたのが、聖書の出エジプト記ならぬ、出高千穂記(出高千穂記説)です。
高千穂の勢力が何かの理由で不利になって、友好的な淡路島勢力を頼って移動していったとする説です。
そして、出エジプト記のダビデ王みたいに異民族と戦い、土地を奪い、そこに自分の勢力基盤を作ったです。
大和で勢力を作った後に、高千穂の話が出てこない理由もこれで説明できます。
だから、高千穂の話はこれ以降出てこないと考えれば結構説得力がある気がします。
片道切符だったからこそ、兵士たちも勇敢に戦い、一度は敗北したけど、最終的に勝利を手にできたのかもしれません。
命の恩人だったからです。
淡路島の人たちがどうして高千穂勢力に友好的だったのかは、いろいろ考えられます。
おそらく主要な交易先だったのか、それとも有力者の婚姻などで強い結びつきをもっていたのかもしれません。
ほかの可能性はないのか?
もちろん、逆の場合も考えられる。
淡路島の勢力が、大和の長髄彦に押されて、交易のあった高千穂勢力に救援を求めるなどがあるでしょう。
ただ、そうなると高千穂勢力は外征ができるほどの余力がないといけないし、九州で争っているなら、その余力があるとは思えません。
また、大和に勢力基盤を気づいた後に、高千穂勢力の話が出てこないのも気になります。
もし大和征服が外征だったとしたら、高千穂の基盤の方も発展してもいいはずです。
ただ、その話がないことから、逃亡などの片道切符での外征だとしたら、その後に高千穂の話がでてこなかったのも説得力があるように思います。
負けた勢力が別のところで王朝を作るというのも世界史で見ればあり得る話ですし、
もしかしたら、古代の日本でもそんな出来事があったのかもしれないと思うと楽しいですね。
まとめ
古代九州三国志説と出高千穂説で、古事記の謎や、日本史の記録がない部分が説明できるかもしれない。と思うと面白くないですか。
まあ、この時代は記録が残っていないので、多少滅茶苦茶な説を唱えた所で明確な反論ができないので、なんでもいったもの勝ちになってしまいますけどね。
休日昼間に公園に行ってみなよ。乳幼児連れのブス同士夫婦はいくらでもいる。赤子連れってことは出会ってそう時が経っていないはずで、かつてイケメンだったわけでもない人がブスのまま普通に結婚したんだよ。現実には美女と野獣カップルよりブス同士カップルの方が多いのに、全く彼女ができないとすれば身の丈に合わない高望みをしてるだけだ。
子供の都合上、一定の年齢までは女性の方が結婚意欲が高くて、すなわち妥協してでも結婚しようとしてる。今の女性は対等なパートナー志向が強いから、家事能力、生活力、育児へコミット意欲という男性が自分でどうにかできる部分の比重が高まってる。
まぁ若いうちはどうしてもルックス大事だけど、どうせインセルこじらすのはミドサー以降だろ。かつての天然イケメンも崩れてきて、これからは手入れの勝負なんだから、努力で見た目も挽回できるんだよ。
――どうしてこんなにも、あの人のことばかり考えてしまうんだろう。
兄である隼人が家の中を歩き回っている姿を見るだけで胸が苦しくなるし、学校の帰り道にちょうど自転車ですれ違えば、それだけでその日一日が特別なものに感じられる。気づかないうちに視線を追いかけてしまっている自分が怖い。でも、それ以上に、そんなふうに兄のことを想ってしまう自分を止められない。
私はここでは名前を明かすことはしない。ただ、自分が高校二年生の女子で、隼人とは三つ離れた妹だということだけ伝えておきたい。昔から仲は良かったと思う。家族は四人で、両親と私、そして隼人。私が小さかった頃、隼人は私の手を引いて近所の公園に連れていってくれた。かくれんぼが大好きな私を喜ばせるために、砂場の囲いをぐるぐる回りながら「もういいかい?」って聞いてくれた顔は今でも覚えている。
いつも優しくて、少し面倒くさがりだけど根は真面目で、おまけにスポーツも得意。小学生の頃は野球チームのエースで、中学生になるとバスケ部に入ってレギュラーをとっていた。成績だって中の上くらいをキープする程度には要領がよくて、なんでも器用にこなせる。私にとっては、そんな兄が小さい頃からの「憧れ」であり、「理想像」でもあった。
でも、いつの間にか「大好きなお兄ちゃん」では収まらない感情を抱くようになった。きっかけは自分でもはっきりとは言えない。中学生になってからかもしれないし、もう少し前からかもしれない。ただ、一緒に暮らしている間に、気づけばその気持ちはどんどん大きくなっていった。人を好きになるという気持ちは、きっと初恋と呼べるものなのだろう。でも相手は血の繋がった兄。しかも、普通に恋愛を楽しんでいる友達を見ると、自分だけがおかしな道に迷い込んでしまっているようで怖くなる。
けれど、やっぱり怖さよりも「好き」という感情のほうが大きい。最近では、学校で友達と他愛のない話をしていても「今頃お兄ちゃんは何をしてるんだろう」なんて考えてしまうし、帰宅するときには少しでも早く顔を見たくて自転車を全速力でこぐ。家に着いてもすぐに部屋に戻るのではなく、リビングやキッチンに隼人の姿がないか探してしまう。ときどき目が合うと嬉しくなって、顔に出ていないかとハラハラする。
そんな私の気持ちには当然ながら家族は気づいていない…と思っていたけれど、最近少しだけ不安になっている。というのも、母が「あなた、隼人が出かけるとソワソワしてるわよね」と冗談めかして笑うことが増えてきたからだ。「兄妹なんだから、そりゃあ多少は気にするよ」と苦笑いを返してはいるものの、内心はドキッとしてしまう。ほんのり頬が熱くなる感覚に気づかれていないかと、こっそり自分の頬を触りながら必死に平静を装う。
隼人自身は、私の気持ちをまるで察していないと思う。いや、察しているのかもしれないけど、まったく気づかないフリをしているだけかもしれない。兄は優しいから、たとえ妹が少しばかり不自然な愛情表現をしても、見て見ぬ振りをしてくれるんだろう。たとえば、帰宅してすぐの隼人に「おかえり!」と元気よく言いながら駆け寄ったり、お風呂上がりにリビングでのんびりしているところを見つけて、隣に座りたがったり。普通の妹だってやるかもしれない行動を、私はちょっと度を越えてやりすぎている気がする。でも隼人は「お前はいつでも元気だな」と笑うだけで、嫌な顔ひとつしない。たぶん、ここまで兄妹仲がいいのは当たり前のことじゃない。分かっているのに、どうしようもなく惹かれてしまう。
そうやって日々を過ごしていたある日、私は衝撃的な光景を目にした。隼人が駅前のカフェで女の人と二人で向かい合っていたのだ。夕方の薄暗くなりかけた時間に、店のガラス越しに見えた二人は楽しそうに話していた。私の視界に入った瞬間、胸がドクンと大きく鳴り、呼吸が一瞬止まった。どうしよう、これを見て見ぬ振りなんてできない――そう思った矢先、ふと兄がその女性に向かって笑顔になった。その顔は、私のことをかわいがってくれるときの表情にどこか似ていた。でも、そのときの兄の目には明らかに“私には向けない感情”の輝きがあった。
その日は家に帰ってからもぼんやりしてしまって、夕食の支度を手伝う母の声がまるで耳に入らなかった。「どうしたの?」という母の問いにも適当に「なんでもない」と答えたまま、失礼だと分かっていつつも上の空で食事を済ませた。部屋に戻ってからはベッドの上で寝転がり、あの瞬間を何度も思い返す。胸の奥がギュッと締め付けられて、泣きそうになる。でも、私にはそんな資格はない。それなのに、悔しくて、そして苦しくて、どうしようもなかった。
少なくとも「ただの友達」や「バイト先の先輩・後輩」というふうには見えなかった。兄があんなにも嬉しそうに、そしてどこか恥ずかしそうに笑うなんて滅多にない。じゃあ、彼女に違いない…? 頭の中をそんな不安がめぐる。
翌日、私が部屋で宿題をしていると、兄がノックをして入ってきた。「ちょっといいか?」なんて言いながら。隼人が私の部屋を訪れること自体は珍しくはない。いつも私が兄の部屋に入り浸っているから、たまには逆パターンだってある。けれど、なんだかぎこちない。椅子に座ったままの私を見下ろすように立って、首をかしげながら言いにくそうに言葉を継いだ。
心臓が嫌な予感を察知したように跳ね上がる。隼人は私と視線を合わせない。もしかしてそれは男友達じゃなくて、昨日見かけたあの女性の家? 一瞬にしてそんな想像が膨らみ、思わず指先が震えそうになる。
なんとか平然を装うように答えると、兄は続ける。
「いや、一応親にも言ってるんだけど…たぶん気にするだろうから。お前も変に心配しないでくれよ」
何を心配するというのか。兄妹の仲がいいとはいえ、私が兄の外泊をどうこう言う立場にはない。でも、兄は心配性だから、家のことをフォローしてほしいのかもしれない。私は「分かったよ」とだけ返した。言葉少なにドアを閉めて出て行く兄の姿を見送ったあと、机に突っ伏して「もうやだ…」と小さくつぶやいた。
次の日、兄は本当に泊まりに行ってしまった。リビングで朝食を食べているときに「じゃ、夜は帰らないから」と軽く言い残すのを聞くと、私は内心どうにも落ち着かなかった。でも、両親も特に咎める様子はない。大学生の兄なら、友達の家に泊まるくらいよくあることだろう。母は「あまり夜更かししないように」と声をかけながらも、どこか余裕のある笑みを浮かべていた。もしかしたら母のほうが私の挙動を気にしているのかもしれない。だけど、そんな母と目が合いそうになるたびに、私は慌ててスプーンを持つ手元に視線を落とし、朝食をかき込んだ。
兄がいない夜は驚くほど静かだった。いつもなら兄が廊下を行き来する音や、リビングでテレビを見て笑っている声がかすかに響いているのに、それがない。こんなにも家が静寂に包まれるなんて、と改めて驚く。勉強をしようにも集中できず、気づけばスマホの画面を何度も見つめてしまう。LINEを開いても、兄とのトーク画面には特に更新はない。おやすみLINEくらい欲しいというのは、妹としての甘えなんだろうか。いや、ただの妹ならそこまで望まないものなのかもしれない。
そうしてもやもやしながら夜を過ごし、いつの間にか寝落ちしてしまった。朝になって目覚めたときにはすでに両親は出勤していて、リビングにはメモと朝食が置かれていた。昨日はろくに晩ご飯も食べていないからお腹が空いていたけれど、あまり食欲が湧かない。パンをかじりながら、ふと玄関のほうに耳を澄ます。兄はもう帰ってきているのか、それともまだなのか……。
結局、兄が戻ってきたのは昼近くだった。私はリビングでぼんやりテレビを眺めていたが、玄関ドアの開く音を聞いた瞬間、反射的に立ち上がってしまった。心のなかで「落ち着け、ただいまの一言を返すだけだから」と自分を戒める。すると玄関のほうから兄の声がした。
「ただいまー…って、お前いたのか。学校は?」
そんな気の抜けたやり取りをしながら、私は兄の様子をこっそり観察する。目の下に少しクマができているように見えるのは、夜更かしした証拠だろうか。髪の毛は昨日の朝と変わらない感じなのに、服は昨夜見たのと同じものを着ている。あの女性の部屋に泊まった可能性は十分ある……。そう思っただけで胸がチクリと痛む。
「夜更かししたっぽい顔してるよ。何してたの?」
我ながら、尋ね方が妹っぽくない。少し詰問じみた言い方になってしまい、自分でも焦った。隼人は「まぁ、ちょっとな」と曖昧に笑うだけで、具体的に何をしていたのかは語らない。その態度が逆に私の不安を煽る。
――本当は、昨日見た女性のことを聞きたい。あれは彼女なのか、どういう関係なのか、私が思い違いをしているだけなのか。けれど、聞けば聞くほど自分の“妹らしからぬ感情”が露呈してしまう気がする。私は何も言えず、ぎこちなく視線を逸らした。
兄はそのままシャワーを浴びると言って風呂場へ向かった。わずかに開いたドアの向こうからシャワーの音が聞こえてくると、どこか落ち着かない気分になる。しばらくして洗面所のドアが開き、「あー、さっぱりした」と兄の声が聞こえる。その後ろ姿はいつもと変わらないのに、昨夜は私の知らない場所で過ごしてきたんだという現実が頭をよぎって苦しくなる。
その日は土曜日で、家族みんなが出かける予定は特になかった。私は家にいても落ち着かないし、どうにも兄の様子を伺ってしまう自分が嫌で、思い切って友達を誘ってショッピングモールへ出かけることにした。友達には「ちょっとストレス発散に買い物したいんだよね」と言っておけば、深くは聞かれない。
だけど、いざ待ち合わせて話をすると、友達は自分のバイト先の先輩に片想いしているらしく、その相談に花が咲いた。普通の恋バナだ。先輩が優しくて、ちょっと大人っぽくて、けれど同じ学校じゃないからなかなか会えなくて…という話を楽しそうに、でも時々せつなげに話してくる。それを聞きながら、私は胸が苦しくなった。
――私だって、好きな人がいる。けど、その相手が兄だなんて言えるわけがない。もし打ち明けたら、相手をドン引きさせるか、あるいは冗談だと思われるか。どちらにしても受け入れてはもらえないだろう。だから黙っているしかなくて。
それでも、友達が「そろそろ告白しちゃおうかな」と言ったとき、私は全力で応援するモードに切り替えた。人を好きになる気持ちは止められないし、応援されると素直に嬉しいはずだ――そう思うからこそ、友達の背中を押したい。だけど自分はどうなのだろう。いつも隼人の優しさに甘えて、妹という立場に安住しているだけじゃ何も変わらない。でも、変えたくても変えられない部分がある。そのギリギリのラインが「兄妹」という関係のもどかしさだ。
買い物を終えた帰り道、夕日が街をオレンジ色に染めていた。友達と別れて一人になると、どうしようもなくあのカフェで見た光景を思い出してしまう。兄はあの女性とどんな会話をしたんだろう。その後、どんなふうに夜を過ごしたんだろう。妄想は際限なく膨らみ、しまいには自分の中の醜い嫉妬や独占欲が顔を出す。血の繋がった兄に独占欲を燃やすなんて、普通に考えたらおかしい。だけど、その“おかしい”感情を否定することができなくて、自分に嫌悪感を抱く。
家に帰ると、兄はリビングのソファでゴロゴロしていた。テレビを見ているのかと思いきや、どうやらスマホの画面に集中しているらしい。私は心臓を落ち着かせながら「ただいま」とだけ声をかけた。すると兄は「ああ、おかえり」といつも通りに返してくれる。そんな小さなやり取りにさえ、嬉しさと苦しさが混じる。
兄はスマホをいじりながら、「今日どこ行ってたんだ?」と一応興味を示してくる。私は友達と買い物していたことを伝えた。友達の恋バナに盛り上がった話も少しだけする。すると兄は「へぇ、それでどうなったんだ?」なんて興味ありげに聞いてくる。いつもは私の話を「ふーん」で流すことが多いのに、やけに突っ込んだことを言うから少し意外だった。
――どうしてこんなふうに聞いてくるんだろう。まさか私が兄を好きだなんて勘づいて、探りを入れているのか? そんなわけはない、と思いながらも、妙に心がざわつく。
私は友達が先輩に片想い中で、告白する勇気が持てないという話をそのまま伝えた。兄は少し考え込むような間を置いてから、「まぁ、言わないと伝わらないもんな」とつぶやいた。まるで自分自身に言い聞かせているような口調に聞こえて、私はなんとも言えない気持ちになる。もしかして隼人は、昨日会っていた女性に告白したのだろうか、あるいはされたのだろうか……。すぐに頭の中でいろいろな可能性が浮かんでしまう。
それから数日が過ぎても、兄の様子はいつも通りだった。大学の授業やバイトに出かけたり、家ではゲームをしたり、そして私と軽く言葉を交わしたり。何も変わらないからこそ、私の中で渦巻く疑問は膨らむばかりだった。時折、母が私を見てクスッと笑うのが気になるけれど、絶対に知られたくない。ましてや兄がどう思っているかなんて、想像しただけで顔から火が出そうになる。
ある夜、私は勇気を出して兄の部屋のドアをノックしてみた。部屋からはかすかに音楽が聞こえていたが、「入るよ」と言うとすぐに「おう」と返事があった。机には参考書が広げられていて、どうやらレポートか何かの課題に取り組んでいたようだ。
私が言いよどむと、兄は椅子をくるりと回転させてこちらを向いた。どんな顔をしているのか、チラッとしか見られない。いつもと変わらない柔らかい表情なのが、逆に私を緊張させる。
「その…この前、駅前のカフェで誰かと会ってたでしょ? あれって、彼女…なの?」
最後のほうは声がかすれてしまった。何を聞いているのか自分でも分からない。兄が「お前には関係ないだろ」と一蹴したらどうしよう、そんな不安が頭をよぎる。だけど、何も聞かずにモヤモヤし続けるのはもう嫌だった。
兄は一瞬、驚いたように目を見開いたあと、少し苦笑いした。
「ああ、あれ見られてたのか。別に隠してたわけじゃないんだけどな」
「そ、そうなんだ…。で、彼女なの?」
呼吸が苦しくなる。心臓が痛いくらいに鼓動を主張している。兄の返答次第では、私の中の何かが壊れてしまいそうな気がした。
「彼女じゃないよ。昔のクラスメイトってだけ。ちょっと相談があるって言うから話を聞いただけなんだ。泊まったのも、そいつの話に付き合ってたら終電逃して…結局、男友達ん家に泊まったんだ。まぎらわしいことして悪かったな」
そう言いながら頭をかく兄の顔は、少しだけ照れくさそうに見えた。私の心からは一気に重たい霧が晴れていくようだった。それでも、「そっか…」とだけ言って、ドキドキを悟られないようにうつむく。安心したのと同時に、どうしようもなく涙が出そうになった。なんでこんなに泣きそうなんだろう。
兄が小声でそう言うのを聞き、私は思わず体を強張らせた。つい顔を上げると、兄が少しだけ意地悪そうに笑っているのが見えた。心臓がバクバクしてどうにかなりそうになる。
「べ、別に…!」
誤魔化そうとするけれど、どう見ても挙動不審だ。結局、兄は笑いながら「なんだよそれ」と言って、私の頭をポンポンと軽く叩いてくる。昔からそうやって優しくなだめるように触れる手に、どうしようもなく甘えたくなってしまう。だけど、私がこの気持ちを言葉に出すことは決してできない。
それからしばらく私たちは黙ったまま、相手の顔もあまり見ないでいた。時間にしてみればほんの数秒かもしれないけれど、私にはとても長く感じられた。部屋には音楽も流れていて、そのメロディだけが穏やかに空気を満たしている。
「…そろそろ寝るわ」
限界を感じて、私はそう告げて兄の部屋を出た。ドアを閉める前、兄は「おやすみ」とだけ言った。私も同じように「おやすみ」と返したけど、その声は震えていたと思う。自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込むと、涙がこぼれた。何も変わっていないのに、胸がいっぱいだった。
私はきっとこれからも、隼人のことを好きなままでいる。兄妹であることを理由に、その気持ちを外に向かって叫べるわけでもないし、正当化できるわけでもない。だけど、今日みたいに「兄には私の知らない女性がいて、見たことのない笑顔を向けるかもしれない」と考えるたびに、あの苦しさが胸を焼く。だからと言って、勝手に嫉妬や独占欲を抱くのは間違いだと分かっている。分かっているのに、止められない。これがブラコンを拗らせた私の現実だ。
明日もきっと、兄はいつも通りの態度で接してくれるだろう。私も「妹として」振る舞い続けるはずだ。その穏やかな日常に救われると同時に、どうしようもない葛藤が継続していく。それでも、今はまだ、兄がそばにいてくれることだけで十分なんだと思う。たとえ叶わない恋でも、隼人が生きて笑っていてくれるだけで、私は幸せだ。
――ただ、いつか誰かと本当に付き合ったり、結婚したりする日が来たら、私の心はどう壊れてしまうんだろう。そんな未来は想像すらしたくないけれど、避けては通れない。いつかその時が来るまで、私はきっとこの気持ちを抱えたまま、妹として側にいる。それが私にとっての最善で、唯一の選択肢なんだと思う。
今日も、隣の部屋から聞こえてくる音楽と兄の足音に耳を澄ませる。彼がそこで生きていること、それだけを感じられるだけで少しだけ安心する。ブラコンを拗らせているのは重々承知。でも、やめたくてもやめられない。これが私の現実で、私の想いだ。もしかしたら、ずっと苦しみ続ける道かもしれない。けれど、一度芽生えてしまった感情は消せない。私はこれからも、この胸の痛みと温かさを抱えて生きていくのだろう。
そしてもし、いつか奇跡のような日が来て「本当の気持ち」を打ち明けるときが訪れたら。そのとき隼人は一体どんな顔をするのだろう。拒絶されるだろうし、気持ち悪がられるかもしれない。でも、それでもいい。今は――ただ、隼人の妹として、彼の笑顔を見守りながら、この拗らせたブラコンを密かに育て続けるしかない。妹という“特等席”をもらえているのだから、それだけで十分だと言い聞かせながら。
夜はふけていく。明日もまた、何も変わらない朝がやってくるだろう。だけど、この胸の奥で熱を帯びる感情は、決して冷めることはない。私はそう確信して、いつか来るかもしれない苦しい未来さえも受け止める覚悟をした。兄への想いを胸に秘めたまま、静かに目を閉じる。
――たぶんこれからも、ずっと私はブラコンを拗らせたままで生きていくんだろう。だけど、兄の笑顔を間近で見ることができるなら、それでも私は幸せなのだと思う。
ドラゴンボールは漫画ではなくてアニメから入ったので漫画の印象が薄い
友人の家にあった本を借りて途中まで読み、その後はサンデーで読み漁った
ちなみに「うしおととら」も置いてあったが絵がキモくて読まなかった
少年のスポーツといえば野球かサッカーかという時代に一大旋風を巻き起こしたバスケ漫画
陵南戦のメガネ君は忘れられないし
山王戦が始まる前の緊張感が半端なくて読んでて喉がカラカラになった
ブラックジャックとかアドルフに告ぐも面白かったけれど、やっぱり火の鳥こそが手塚治虫ライフワークの集大成
小学生・中学生・高校生・大学生・社会人のそれぞれのときに読み直して新しい発見がある希有な作品
源義経を悪人に描いていることに衝撃を受けたし、大人になってから読むと彼が可哀想にも見えてくる不思議
平均的に毎回面白いだけではなくてクリティカルヒットを何回も飛び出す、ギャグ漫画として異常な作品
作画はスタッフを増やせばどうにかなるかもしれないがギャグで毎週笑わせるのは本当に大変だったと思う
「チョ☆チョニッシーナマッソコぶれッシュ☆エスボ☆グリバンバーベーコンさん」はいつでも突っ込めるように覚えている
どこまで忠実なのか知らないけれど江戸時代がエグすぎて軽くトラウマ
小六のあのシーンとかが好きなんだけど分かる人が周りに全然いない
小学生の時にはキモくて読まなかった「うしおととら」だったけれど中高生ぐらいで読み始めてどっぷり漬かる
その流れでからくりサーカスを読み始めたが、10選の中でもトップ3には入る素晴らしさ
例の「べろべろばぁ」のシーンとか、「笑うべきだと分かったときは、泣くべきじゃ無いぜ」とか、非常に素晴らしいですね
福本作品はカイジとかアカギが人気だけれどどう考えても天が至高
停電からの九連宝燈はさておき、東西戦が最高に面白いし、その後の話も非常に良かった
「凡人が長生きしても暇なだけ」っていう台詞がめちゃくちゃ心に残ってるけど、あれって「銀と金」だっけ・・・?
浦沢直樹作品はHAPPYもYAWARAもMONSTERも読んだけど20世紀少年が最高に好き
こう言うと多くの人が「なぜ?」って言うけど、普通に全編通じて面白いよね
特に浦沢直樹っていろんなところの解像度が高いのが良くて、YAWARAだと富士子さんの赤ちゃんの顔とかがまさにそれ
20世紀少年は「普通の人が大人になったときの小学生時代の記憶」に対する解像度が凄く高い
それを踏まえてのあのオチなのでめちゃくちゃ良かった
怒ってる人を理解できない
これも「なぜ?」って言う人が多いけれど、三部のインフレからの四部での能力バトルっていうのが斬新すぎて満足度が高い
ラスボスがド変態なのに好感度高いってのも凄いし、ラスボスを追い込むのが川尻隼人っていうのが最高
まぁ一番ラストを持って行ったのが承太郞なのはちょっとアレだけど、まぁいいんじゃないすかね
チェンソーマンとどっちにしようか迷ったけれどやっぱりファイアパンチ
ところが改めて読み直すと序盤から映画っぽさがかなり強いことに気付く
特にドマの村のあそことか、凄いですわ
銀河英雄伝説(道原かつみ)はかなり影響を受けたけれど、途中で終わってしまったのが残念
まぁ選外は上げ出すとキリが無いけれど、パッと見たところマガジン作品が入ってないね
GTOとか今日俺とか一歩とか大好きでずっと読んでたしMMRとか話題になる前から見てた(そして信じてた)
ただ人生の10選に入れるか、って言われるとちょっと違うかなぁ
最近はてブでも九州叩きが盛り上がっているようだが、九州人は、この際開き直って男尊女卑文化を全国に宣伝してはどうかな?!!!?
中傷に対する逆転の発想で、東京から押し付けられる、ジェンダー規範やSDGsなどのルールをガン無視する地域があってもいいじゃんと思ってきた。
九州中国四国関西、西国の人間は昔から、中央の方針に刃向かって生きてきた人たちだ。
薩長土肥による明治維新自体がそうだろうし、長州征伐、西南の役、萩の乱、佐賀の乱、神風連の乱、などもそう。
さらに古くまで遡れば、豊臣秀吉の九州征伐や隼人の乱、磐井の乱だってそう。
弘安の役の際には元軍に勝利し、肥前国鷹島にて元軍十万余を殲滅した武功もある。
そういう人たちの子孫があなたたちで、出自や文化をもっと誇りに思ってもいいと思う。
九州出身の男からは走って逃げろ(6万いいね)みたいなど直球の差別に屈するんじゃない!
昨今の中傷に耐えかねた人たちはみなスマホをもち、指の体操をしてから、Xを開いて、中央の思想侵略に立ち向かうべきだっ!!!!
なんだか嫌だなと思った人
・「女性はディズニー好きでしょ?」「女性はこういうのが好きでしょ?」「女性なのにアクセサリーつけないんだね!」など性別を軸に判断している人
・話していると口の端に唾が溜まる人
・プロフィールを読んでないことが明らかな人
・以前話して盛り上がった話題をそもそも話したこと自体忘れている人
・1ヶ月後には新幹線で3時間の距離の地域に引っ越すと言ってきた人
・初対面で勤務先や住んでいる地域を聞いてきた人
・初対面で甘えたいと言ってくる人
・専業主婦の母親にお世話になってきたのに母親と専業主婦を馬鹿にする人
・会話の意図が読み取れない・こちらの意図に沿った受け答えではない人
婚活って難しい
身近にいる人と付き合うには,集団の中で大勢の中からそこそこいいなと思った人に狙いを定めて距離を縮めていくからこそ,
デートにきてくれる≒そこそこ可能性があるになるし,お互いおおよその相手の人となりはわかった状態で関係が進められる。
付き合えなかったとしても,そこそこ楽しいことがわかっているからデートに行くわけでデート自体が無ってことはない。
けれど婚活はプロフィール以外ほぼ何も知らない人とデートするから気持ちがなくてもデートに行くし,
デートが無になることもある。
お互いに共通する世界もないからこそ最初から全てを解放して話した方がいいんだろうけど,防犯面や職業の性質面から初対面では本名や職業の詳細・住んでいる場所なんかを開示したくない人も多い。
なんだかいいなと思った人
・いない
2〜3回目会うまでいいなと思っていた人は数人いた。でもそれは表面に対して好感を抱いていたか,他の点が「うん?」と思っても見過ごすようにしていただけ
いいなと思った点としては
・慣れないことを頑張ってくれている感があった
プロフィール時点のマッチングよりも会ってから会話のテンポや雰囲気が合うかの方が難しい
さらに,相手を深掘りしていくと世間的に好条件なんだろうけど自分と暮らすのは難しいなと思う人も多い
男性が期待する共働きは女性が仕事のキャリアを頑張るということではないことが難しい
男女逆ならそんなに珍しい話ではないのにね・・・
邦キチで取り上げられてまた話題になってたシン仮面ライダーの評価の話を書き残しておきたい。ネタバレなし。
棒読み台詞で共感のできない登場人物…つながりの変なカット割り…チープなCG…アニメみたいな謎演出もツライ。
正直言ってつまらない。
でも「一体なんだったんだろう」と思って映画館で見た人からパンフレットを借りて読んでみたり、NHKのドキュメンタリーを見たりしたらだんだん印象が変わった。
ドキュメンタリーは話題になってたころ俳優が愚痴る場面とか一部の切り取りで大げさに騒いでるんだろうなと思ってた。
実際はもっとやばかった。
なかなか決まらないアクションシーンの方向性、スケジュールの問題。
アクション担当が撮影してきた殺陣を全否定したり、現場でもどかしさから声を荒げる庵野監督。
みんな悩んで迷って苦悩して模索し続けて紆余曲折を経てあの映画はできていた
(もちろん番組としてストーリーや対立構図が仕立てられている面はあるんだけど)。
パンフの方はそういう生々しさはないけど、ドキュメンタリーを見てから読み直すと俳優やスタッフインタビューの端々にその苦労が読み取れて味わい深い。
システマチックな映画作りとはまるでちがう、学生が自問自答して自分や環境の限界と戦いもがきながら卒業制作をするような作品だったのだ。
そういう背景や演出の意図、やろうとしていたこと・出来なかったことを踏まえて本編を見返したら今度はおもしろい。
興味深い、に近いのかもしれないけれど。
せっかく制作の終盤で進むべき道筋が定まったんだから続編が見てみたいなあと思うようになっていた。
やっぱり作品単体で見たらつまらないんだからダメじゃないかと思う人もいるかもしれない。
ピカソの絵だってそれだけを見せられても美術のプロはともかくほとんどの人の目には留まりすらしないだろう。
それを「あのピカソの絵」だと知って初めて注意深く見てみようという気になる。
シン仮面ライダーが無名の監督作だったら駄作と切り捨てて終わっていたかもしれない。
でもこれは庵野作品で、庵野監督はそれだけの実績を積み上げてきた。
まあ読み解きが必要というのはマニアックというかアートの領域に近い映画なのかもしれない。
続編、ほんと見たいなあ。
(追記)
ちょっと今更かなと思って投稿したけど反応が多くてびっくりしてる。
目が離せない作品というのはすごい。
ちなみに私はシンゴジラは映画館で見たけどシンウルトラマンは(まだ)見てない、昔のエヴァは見てるけど最近のエヴァは見てない(興味はある)、という一般人です。
Permalink |記事への反応(15) | 18:02
今古賀翔というジム経営者、パワーリフター、ボディメイカーがボディメイクの世界では170cm以上は基本、人権がないという話をネタで上げたら思った以上に炎上した。
でも、現実問題としてボディメイクの世界で170cmよりデカい奴はほとんど人権がない。
3位の木澤大祐が170cm
横川尚隆→170cm
田代誠→164cm
鈴木雅→167cm
合戸孝二→164cm
加藤直之→161cm
坂本陽斗→169cm
筋トレでつく筋肉量は身長、フレームの大きさにほとんど比例しない。
つまり50kgの筋肉を身に着ける努力は身長が160cmのホビットでも
その上で、
身長が高くなる=胴体四肢が長くなる=同じ筋量でも分布が広くなる=一か所につく筋肉が薄くなる
よって身長がデカくなればなるほど同じ筋量を搭載していても筋肉が小さく見える。
ちなみにオリンピアの選手はバンバン薬打ちまくって鬼のように筋量を搭載しているので
逆に身長が小さすぎると筋肉がいびつに見えるのである程度の高身長の人が多い。
ロニー・コールマンは180cmあるし、シュワちゃんも全盛期は183cmくらいあった。
自分も昨日見に行ったけど、カット割りと設定とデザインと、最初のクライマックス感と締め方以外はレベルが低い庵野作品だったな。
20代の監督が作ったなら「将来が期待できるな」だけど、あれがシンゴジラ作った監督だと言われると気付かないレベル。
シン・ユニバースを広げるために作られた作品感が凄かった。大学時代の庵野がやりたかったこと感。
シンエヴァを完成させて、シンゴジラで成功した結果、庵野の作品の良さであった
「勝手にデカすぎる責任を負わされるプレッシャー」とか「欝状態から見た屈折した世界観」「セカイに対する憎しみ、破壊願望」「10代の少年のような病み」
が抜かれて、「社会的に成功して好きな作品を作れるようになったウキウキのおじさん」の作品にしか感じられない。
素晴らしい作品を作る上で、庵野のことをボコボコに叩いて苦しませて鬱状態にすることは必要な過程だったのだと感じたし、どこか庵野も好き勝手やって叩いてくれる人を欲してるような感じがあるけど
ビート武とか、ダウンタウンみたいに誰も叩かなくなってイエスマンになって価値観が受け入れられた結果、作品が持っていた「反骨精神」が失われたのに似ている。
不満と創造、想像力って紙一重だから、今この世界に不満ないんだろうなってものしか感じない。
平成に生まれた人間としてこの作品を見たけれど、何か日曜の朝にやってる仮面ライダーみたいにリアリティの無いCG、リアリティの無い動き、リアリティの無い演技のオンパレードなんだよな。
そしてそれは、確実にわざとやっている。昭和の戦隊モノや現代の戦隊モノを踏襲して、ある意味擬古趣味な映画を作っている。日本では戦えるかもしんないけど、世界と若い世代には売れないでしょ。
アニメでやれよって感じ。
役者も一流なのに、リアリティのある演技をしていた一文字隼人が徐々に昭和の特撮みたいな感情表現になってんの、明らかに途中で演技指導入っているし。
CG技術も2000年代レベルだし。グラボやエンジンの性能が良くても、作ってる人間の目が節穴だとああいう風になるんだなって。