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2025-10-25

マネタリーベースの量と実現インフレ率と予想インフレ率

https://jp.reuters.com/article/world/japan/2154000-idUSTYE92305O/

2013年3月4日

東京 4日 ロイター] 次期日銀総裁候補岩田規久男学習院教授は4日、都内で講演し、金融緩和金融機関の手元資金を示す当座預金を増やせば、期待物価上昇率が上昇、円安や株高につながるとの見解を強調した。

具体的には、当座預金残高が10%増えると予想物価上昇率が0.44ポイント上昇し、期待物価上昇率が2%ポイント上がれば為替は15円の円安日経平均株価は4000円上昇するとの見方を示した。

https://www.boj.or.jp/about/press/kaiken_2015/kk1502a.pdf

(問) 副総裁就任前の 2013 年 3 月 4 日の講演で、「日銀当座預金10%増えると予想インフレ率が 0.44%上昇する」ということをおっしゃったという報道があります(略)

実際に日銀当座預金残高の推移をみますと、講演をされた 2 年前の水準が44 兆円で、足許の水準が 185 兆円、これは10%どころか 4 倍以上に達しています。それにもかかわらず、予想インフレ率を表す一つの指標であるBEIは足許で1%を切っている水準です。これは、もともとのご発言自体が誤っていたのかどうか、それとも今でも同じようにお考えなのでしょうか。

(略)

就任半年くらい経った 2013 年10 月 18 日に中央大学で講演されたとき、「2 年くらいでなかなか達成できないなら、どこに問題があるかを見直す」と「量的・質的金融緩和」についておっしゃっています。2 年が経とうとしているなかで、まだまだ程遠い水準にあるとなれば、「量的・質的金融緩和」のメカニズムを含めて見直さなければならない時期に来ているのではないかと思います。この点についてどのようにお考えでしょうか。

(答)(略)日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIで測った予想インフレ率とはある程度強い相関関係があります。私が研究していた際には、過去データで、日本銀行最初量的緩和時代と、その後のリーマンショック以降の期間におけるBEIとベースマネー当座預金関係を前提にお話したこと事実です。

ただしその場合でも、最初量的緩和時代リーマンショック以降では、日銀当座預金あるいはマネタリーベースと、BEIの関係は少し異なっています経済環境によって、日銀当座預金あるいはマネタリーベースとBEIの関係は変わるもので、当時はそれを前提として、これぐらいの変化があれば、これぐらいになるだろうという発言をしたと思います

Permalink |記事への反応(0) | 21:54

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2025-09-18

FRBの最大の目標を知らずにFRBのことを語るなよな


おい、FRB連邦準備制度理事会)ってワード経済ニュースに出てくるとき、まるで「世界金融が動いた!」みたいな顔で語ってるやつがいるけど、まずその前に、FRBの最大の目標マジでわかってんのか?と問い詰めたくなる。

FRBの究極ミッションは、「雇用の最大化」と「物価の安定」――この2本柱以外にない。米国民がちゃん仕事につける状態を守り抜く、失業者限界まで減らす。その一方で、物価バカみたいに上がりすぎない、安くなりすぎて経済が死なない。その“絶妙バランス”を保つために、FRB金利を動かして、量的緩和や量的引き締めという必殺技何度でも撃つ。

雇用の最大化」と「物価の安定」。このFRB目標を知らずにFRBの話するのは、野球ルール知らずに大谷活躍語るレベルからな。覚えて帰れよ。

Permalink |記事への反応(0) | 14:03

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2025-07-31

円高デフレ増税歳出削減日本経済を救う

日本経済の長期的な構造的停滞を打破するためには、「積極財政」「金融緩和」といった超短期志向政策から脱却し、通貨価値防衛財政健全化を主軸とする緊縮的なマクロ経済運営が不可欠である

本稿では、この主張を経済理論と歴史的実証に基づき論理的に補強し、緊縮政策正当性再確認する。

I.円高デフレ貨幣の信認を取り戻す処方箋

日本経済の深層的問題は、需要不足でも労働生産性でもなく、通貨財政に対する信認の喪失である

とりわけ長年にわたり維持された低金利量的緩和によって、投資家消費者の期待形成は歪められ、「無限国債を発行しても破綻しない」という誤解が広がった。

この状況下で求められるのは、円の価値日本国債信頼性回復することである

1.円高政策の意義

円高輸出産業にとって短期的には逆風となるものの、長期的には以下の効果をもたらす。

2.デフレ容認経済合理性

デフレ一般経済活動を抑制する悪とされがちだが、それは需給ギャップ放置されたままの状態に限られる。制御されたデフレは、以下のような貨幣質的向上をもたらす。

結局のところ、通貨に対する信認こそが経済の「共通言語」であり、持続的成長の基盤である。その信認を裏打ちするのが、円高デフレ容認という冷静なマクロ政策なのだ

II.消費税20%・歳出削減30兆:財政規律再建の基盤

国家財政は単なる収支管理ではなく、通貨に対する信用と、国民の将来への信頼を裏付け制度的基盤である

財政再建を先送りすることは、通貨制度のもの毀損する行為に等しい。

1.消費税率の引き上げ(20%)
2.歳出削減(30兆円)

このような政策の目指すところは単なる「支出の削減」ではなく、国民貨幣に対する信頼を維持・向上させる制度改革にほかならない。

III.リフレMMT減税派危険性:ハイパーインフレの罠

近年再燃するリフレ派・MMT派・減税派議論は、いずれも貨幣本質を誤解している。

すなわち、「通貨とは政府負債である以上、信用によってのみ成立する」という事実過小評価しているのである

これら政策が同時に採用された場合、以下のような悪性スパイラル懸念される。

財政赤字拡大 →国債市場の不安定化 →長期金利の急騰 →中央銀行による国債買い入れ強化 →通貨の信認喪失インフレ加速 →資産価格実質賃金の歪み →社会秩序の動揺(グレートリセット

IV国内通貨建て債務本質:返済可能性よりも貨幣価値問題

よく言われる「日本債務自国通貨建てだから問題ない」という主張は、貨幣制度における信用という中核的要素を見落としている。

たとえ形式的デフォルトしなくとも、国債価値が維持される保証はない。

中央銀行国債を引き受け続ける場合、いずれは市中に流通する通貨の総量が実体経済を上回り、貨幣の過剰供給によるインフレリスクが顕在化する。

その結果、家計企業資産は目減りし、社会全体の信用・制度への信頼が損なわれる。

総括:信用・通貨価値財政健全化が再建の鍵

結局、国家経済基盤とは、「借金が返せるかどうか」ではなく、「通貨がどれだけ信頼されているかである

緊縮政策短期的には痛みを伴うが、それは制度の信認、貨幣の質、そして未来世代選択肢を守るための構造投資なのである

積極財政による一時の景気刺激ではなく、信認回復による持続的成長をこそ目指すべきである

Permalink |記事への反応(0) | 21:22

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2025-07-23

馬鹿地獄を見るまで間違いを認識できない

リフレ派の末路と貨幣の死

リフレ派は、デフレからの脱却を至上命題とし、量的緩和財政出動を併用してインフレ期待を高め、景気を刺激しようとしてきた。

しかし、結果的経済悪化している。一つづつ見ていこう。

財政出動通貨膨張インフレ常態化

コロナ禍では、財政支出が急拡大した。

問題はこの緊急対応のあと、支出が慢性化したこと

通貨供給量は増え続け、貨幣価値が下落。

これにより、

という現象が止まらない。需要を超えて貨幣が溢れれば、インフレ当然の帰結

円安スパイラル貨幣価値の低下→円売り→輸入物価の上昇

日銀金融緩和は円を相対的価値の低い通貨にし、国際市場では売られる通貨として定着。

という、国民生活を直撃する物価高を引き起こす。

賃上げ悪循環を呼ぶ

労組によるベースアップ要求高まると、企業側はそれを価格転嫁で応じざるを得ない。

賃上げ価格引き上げ →さらなる賃上げ要求

この賃金物価悪循環リフレ派はこれを「健全な成長(好循環)」と誤認しているが、実質賃金が下がる限り、国民生活水準は下がり続けるだけ。

実質賃金貯金価値は目減りし続ける

名目賃金が上がっても、物価がそれ以上に上昇すれば実質的生活水準は低下。

また、貯蓄の価値も減り続ける。

金利上昇がもたらす財政崩壊

リフレ派は低金利前提で政策を組み立ててきた。しかし、

こうした構造は、財政破綻を内包している。

グレートリセット、つまり大規模な債務再編・通貨改革現実味を帯びてくる。

ハイパーインフレリスク

リフレ派が政権中枢に居座り続ければ、以下のような展開も否定できない。

最悪の場合通貨の信認崩壊預金封鎖物々交換経済への逆戻りも、歴史的に例がある(例:ジンバブエ戦後日本)。

リフレ政策は「一時の幻覚」、代償は未来地獄

リフレ派の政策は、短期の景気刺激を得る代わりに、中長期的な経済の基盤を破壊している。

まさに「馬鹿地獄を見るまで間違いを認識できない」の体現

Permalink |記事への反応(2) | 22:39

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anond:20250723002313

マクロ経済政策一種フィードバック制御システムとして捉えることができます

ここで問題になるのが、遅延系の制御ありがちな過剰補正オーバーシュート)やハンチング現象です。

まり、「デフレときに緊縮 →インフレとき拡張財政」これは逆方向に制御してるという、ある種の逆制御ですね。

まさにフィードバックが間違っていると言えます

 

なぜこうなってしまうのでしょうか?

1.政治的都合:選挙があるたびに短期的ウケを狙っている

2.経済音痴のメディア有権者制御理論マクロモデルも知らず「減税!給付金!」などのスローガンに流されやす

3.タイムラグ無視政策効果が出るまでにズレがある

 

まとめると、

デフレ時に緊縮するのは制御理論的に逆効果

インフレ時に積極財政するのも逆効果

経済制御は、PI制御や最適制御理論のような時間軸・予測を踏まえた慎重な調整が必要

経済政策ロボコンモータ制御レベルでもう少し真面目にやってくれ、と言いたくなる気持ち、非常によくわかります

Permalink |記事への反応(1) | 00:35

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2025-07-22

私の政治的な考え

給付金と減税に賛成

生活が苦しいからという単純な話ではないので、少し聞いてほしい。

今、日本所得の45%が税金社会保険料で取られてる。

老人と子供社会保険料を払ってないし、税金消費税くらいしか納めていないので、現役世代に限って言えば、所得の60%くらい取られてる。

世界的に見ればまだマシだ。

これが、フランスだと7割が取られる。

そりゃ暴動も起きるわというレベル

ただし、このまま人口減少が進むと、フランスと同じくらい取られる未来が待ってる。

維新の音喜多俊がいうように、社会保障費をどうするか、これは重大な問題である

しかし、社会保険料が高いのは、社会保障費が高いのは、少子高齢化の結果だ。

社会保障費を下げることそのもの目的にしても、穴があいバケツに水を補充しているようなものだ。

維新はそれを言わないのがズルい。

とはいえ、今この瞬間に出生率が2を超えたところで、納税者社会保険加入者が増えるのは20年後だ。

なので、それまでは人手不足は続くし、物価水準も税収もこのままだとしたら、あと20年間は増税増税保険料アップ保険料アップが続くということになる。

なお、こういう話になると、山本太郎共産党は、高所得者大企業から取ればいいという話をするが、それに騙される情弱はどれほどいるのだろうか。

そもそも、同じ財布のなかから従業員の取り分(給料)と国の取り分(法人税)と株主の取り分(利益剰余金)を分け合ってるので、法人税を増やしたら、その分を従業員の取り分を減らして調整するだけだ。

高所得者から取ればいいという話も同じだ。

そもそも6割の世帯所得税非課税で、所得税率10%の世帯も含めると8割になる。

公共事業を減らして、福祉に回せばいいという話もよく聞く。

今はインフレからそれもありかもしれないけれども、恒久的には無理だろう。

それに、それが出来たって全額は無理だ。

そこにきて、アメリカ防衛費を今より上げろと言ってきている。

最低でもGDP比で3%、できれば4%と言っている。

私は軍事なんかよりも経済優先なのだけれども、軍事費と経済を切り離して考えるわけにはいかない状況にある。

しろ貿易軍事費は切り離して話をしたいというアメリカ側と、軍事費を上げるから関税をどうにかしてくれという交渉の真っ最中である

実際、GDP比で4%にしようとすると、現役世帯あたり今よりさらに40万円くらい増税しないといけない。

日米交渉の落としどころはまだわからないが、他から予算福祉に引っ張ってくればなんとかなるという単純な解決はないということだけは強く言いたい。

社会保障費に関して、唯一の解決策というのが、インフレだ。

お金価値が半分になり、手取りも税収も倍にして、しかし、年金給付額を倍には増やさない。

ということをやり続ければ、年金制度はいくらでも延命できる。

しか100年安心という謳い文句だったはずだ。

ちょうど、氷河期世代年金受給するころのはずさ。その時になって初めてキレるだろうけども、それはそれ。

医療費だって、点数そのまま、1点10円もそのまま維持し続ければ、医療従事者の収益悪化して、制度は生き残る。

保険診療をやめて自由診療が増えるのだろうけれど、それはそれ。

そう考えると、インフレを加速させること、もっと物価を上げることだけが日本を救う鍵になる。

それには、給付金、減税、利下げ、量的緩和再開の4点セットが一番だ。

移民政策

なお、私は移民政策に賛成である

繰り返しになるが、今この瞬間に出生率が反転しても、20年かかるのだ。

それまでどうするのだ?

AI技術人口減少を乗り切るとか、そんな現実性がない話に付き合っている暇はない。

デザインとか企画とかキラキラ職場で働く連中をAIに置き換えて、あぶれたそいつらを介護にぶち込めば解決すると思ってるのか?

自動運転ドライバーは寝ないで座ってるだけでいいということになっても、ドライバー必要な時点で全然だめだ。

バン荷物詰め込んでラストワンマイルをヒトが走るのが最適解で、それをロボットがやってくれるというのか?

安全保障

アジアNATOとか妄言をまき散らしたくせに、なかったことにする石破茂はズルいと思う。

実際、アジアNATOなんかありえないとは思う。

負担額が対等だとすると、日本メリットがない。

考えるまでもなく、有事が起きる可能性は、台湾以外にありえない。

けがなりたたないくらいにあそこしかない。

攻められる可能性がある国は負担額が多く、攻められる可能性が低い国は負担額が少なく、ということでないと巻き込まれ損だ。

台湾が取られたら次は日本という話はごもっともだが、台湾中国が構えたら、日本が攻められたのと同じとみなして全面戦争というのか。

韓国フィリピン賛同してくれて、台湾中国武力で衝突したら、一丸になって中国戦争をしてくれるというのか。

仮に、そんな軍事同盟が実現可能性を帯びたとして、発効するまえに潰しにくるのが必定、むしろ台湾有事を早めるはずだ。

そういうわけで、アジア連帯でという話は無理で、日米同盟でやっていくしかないと思っている。

Permalink |記事への反応(2) | 12:53

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2025-07-03

anond:20250703140759

だれが言ってるか知らんけど、「増税しないと支出出来ない」って言ってる人もインフレ為替の制約って現実を前提にしてんじゃない

日本20年以上デフレ不況続けてたこともう忘れたのか?円高デフレ化で半端な金融緩和財政渋って日本を長期にわたり凋落させ続けてたの覚えてないのか?原理理解してたらなんであんな長期不況続けてたんだよ。というか増税唱えてる奴が財源理由以外のインフレ率や為替言及してるの見たことないんだが。

あとちょっと考えればわかると思うが、為替インフレ率は変動しやすいのに対して税っていうのは法改正しない限り永続的なものなんだからインフレから永続的な増税必要とか言い出すの理屈としておかしいからな。利上げなり政府支出減らすなり変動的なインフレ対処手段がある中で硬直的な税という手段を取る理由は一切ない。

為替通貨安も通貨高もそれぞれメリットデメリットがあって、超円高も超円安デメリットが上回るね

バランス問題があることくらい当然理解してるが。常識レベルのこといちいち書いてくるのやめてくれない?

バブル期の例は飽くまで参考にしかならんのは当然承知してる。

から為替しろインフレしろケースバイケースでその時々の対応するしかないと言っている。

それにしたって10%は極端すぎるだろ

他より数値高いからというだけで出てきた特に根拠ないただの感想じゃないのか?

量的緩和の元々の目的は貸出を増やして需要喚起することだが、今利上げしたら景気悪化するだけだからやめろ、という話に元の目的の話を出す必要一切なく、出しても冗長になるだけだと思うんだが。

製造業国内回帰一般的に言われる通貨安のメリットの1つでしかなく、国内回帰してなくとも基本的通貨安の方がメリットは大きいという立場

Permalink |記事への反応(0) | 14:31

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2025-07-01

anond:20250701165345

結局C(為替インフレ)があるのでそれ言って何か意味あるの?ってこと

増税しないと支出出来なーい、って言ってる奴がいる限り意味がある。

純粋な財源の有無で支出出来ない、という話とどこまでインフレ等を許容して支出すべきか、というのは全く違う話だからな。

まさか同じレイヤーの話と思ってるの?

から「買い取らせること」はできないでしょ

その表現否定そんな拘る意味ある?どうでもいいだろ。

強制ではなくても民間金融機関資産買取量的緩和を滞り無く実行できてるんだから逆も買い取る方が得なように調整したらいいだけでしょ。

最近みたいな長期国債の値崩れが起これば、民間銀行が逃げ出してたちどころに金利が上昇していくのは現実で立証されたでしょ

金利上昇してるのは日銀が買い入れを減らしたからやぞ。なんか自然発生で値崩れしたみたいに書いてるが。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2025/k250617b.pdf

公募入札が基本だよね

直接引き受け=財政ファイナンスしてないよね

99年以前は日銀が引き受けてたし、現在でも公募を挟むが制度的に可能だが。日銀が出してるデータ見ても実際に時折引受しているが。

公募入札挟むから何?

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/tmei/release/2024/index.htm

政府短期証券の発行に関しては、1998年度までは、日本銀行がその殆どを引き受ける扱いとなっていたが、1999年度以降、原則として市場における公募入札により発行する方式に改められた4。

公募入札方式への移行後は、日本銀行政府短期証券引受けを行う場合は、政府から要請に応じて例外的に行う臨時引受けと、日本銀行業務運営必要がある場合に自らが行う引受けに限られることとなった。

このうち、政府から要請に応じて実施する臨時引受けは、(1)市場における公募入札において募集残額等が生じた場合、(2)為替介入の実施国庫資金繰りの予想と実績との乖離の発生などにより、予期せざる資金需要が発生した場合限定されている。また、臨時引受けを行った政府短期証券については、可及的速やかに償還を受ける扱いとなっている5。このように、臨時引受けについては、中央銀行による政府向け信用のあり方の観点も踏まえ、一時的流動性供給となるような明確な「歯止め」が設けられている。

Permalink |記事への反応(0) | 17:33

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2025-05-10

ニッポン経済奇跡から墓場まで

戦後焼け野原から奇跡復興を遂げ、世界第二の経済大国上り詰めたというのが日本人の自慢話だが、その「経済発展」とやらは果たして本当に中身のあるものだったのか。冷静になって考えてみればわかるだろう、日本の成長は自前というより他力本願実体より見せかけに支えられきただけだ。

  

日本人日本戦後復興と高度成長を語るとき、「自助努力」だけを強調するが、実際にはアメリカという強力な後見人存在があったからにすぎない。敗戦直後、占領下の日本にはGHQによる多額の資金援助が注がれ、固定為替相場制(1ドル=360円)の下で輸出振興の下地が整えられ、1950年に勃発した朝鮮戦争では「特需」と呼ばれる大量の米軍発注日本経済を潤し、これが完全復興への端緒となったのだ。要するに、日本は「発展した」というより「発展させてもらった」面が大きいのだ。ネトウヨはよく「朝鮮半島を発展させてやったんだ」というが、日本も「欧米に発展させてもらった」のだ。1960年代日本の高度成長は、日米同盟なしには起こり得なかっただろう。米国安全保障の傘の下、思う存分経済成長に邁進できたという構図であり、裏を返せば日本「奇跡」米国戦略的寛容に支えられた他力本願産物だったのだ。

もちろん、日本人自身努力や数の多さやかつてはあった勤勉さも少しはあるが、少なくとも「俺たちの実力で世界を驚かせた」という自画自賛は恥ずかしいのでやめるべきだ。高度成長を陰で支えたのは、米国市場という巨大な需要先と資金技術支援、そして安価労働力国内の高貯蓄率(今の中国と似た構造中国日本反面教師にする必要がある)。日本は自ら飛んだというより強力な追い風に乗って舞い上がった風船なのだ

  

今は怠け者で知られる日本人はかつては勤勉で生真面目、サービス残業もいとわず働く世界でも評判の勤労民族だったが、その労働生産性実態はといえば残念ながら芳しくなく、統計をひもとくと、1970年代以降の日本時間あたり労働生産性先進国の中で常に最下位という不名誉な記録を更新し続けている。2020年時点でも日本時間あたり労働生産性は49.5ドルOECD加盟国全体でも圧倒的最下位。つまり日本経済戦後一貫して「効率の悪さ」で世界トップクラスだったわけだ。高度成長期追い風といえる要素に満ち溢れていたため、その弱点も見えにくくなっていたものの、90年代以降はIT化の遅れなども相まって諸外国との差が拡大し放題となっている。

  

時間働いても生み出す付加価値が低いのでは、経済が豊かになるはずがない。日本人人口増が確実視された時点においても一貫して生産性という肝心の成果をおろそかにしてきた。おかげで「働きバチ」のを自称し、平成時代までは実際そうでありつつも、実はハチミツ生産量は先進国でビリなのだ他国効率化とイノベーションで着実に成果を上げる横で、日本けが生産性停滞の沼にハマり続けている。それなのに日本人はうぬぼれているのだ。

日本昭和ピーク、それ以降はゴミ

日本経済実態をもう少し長いスパンで眺めていくと、主要な実体経済指標1970年代ピークにその後低下の一途をたどっている。あの見せかけの繁栄におぼれた1980年代後半、日本世界で「ジャパン・アズ・ナンバーワン(笑)ともてはやされた時期でさえ、実は経済成長率やインフレ率といったリアル指標高度成長期70年代より低水準だったのだ。急激な円高後のカネ余りで株価地価が暴騰し、日本があたか世界一裕福に見えたのは錯覚に過ぎなかったのだ。つまり、見かけの資産価格は派手に跳ね上がっても、日本経済エンジンのものは既に昭和時代に回転数の限界を迎えていたわけだ。高度経済成長ピークが70年代だったとすれば、その後の平成・令和期の停滞ぶりにも合点がいきます事実1989年末に日経平均株価が史上最高値更新して日本経済が「歴史的ピーク」に達した後は、泡がしぼむように停滞が続いている。

  

結局、日本経済実質的な力は1970年代に頂点を迎え、その後は長い停滞期に入ったと見るのが妥当だろう。高度成長を成し遂げた昭和は遠く、平成以降は晴れ間の少ない停滞の時代1980年代バブル期世界リッチに見えたのも、実体経済が伴わない見せかけの繁栄。そのツケは日本人平成以降に味わった停滞という形で帰ってきている。

バブルは幻の繁栄

1980年代後半のバブル景気は、日本経済史上もっとも華やかで浮かれた時代だった。地上げ財テクに浮かれ、土地株式価格天井知らずの上昇を続ていたのだ。その狂乱ぶりはテレビでも見てわかる通りだ。例えば1985年から1990年にかけて地価は約400%も上昇し、日経平均株価PERは80倍から直前には100~200倍という異常な水準に達していた。何が言いたいかというと、実体経済裏付けなどまるでない「バブル」という名の幻影だったのだ。 当然、このバブル1990年代初頭に見事に弾け飛んだ。当たり前だ。「平成景気」という名の打ち上げ花火が消えた後に残ったのは巨額の不良債権と、下降線をたどる経済成長率だ。1989年末の株価高値を境に、日本経済は長期停滞のトンネル突入することになったのはもはや語るまでもないだろう。

  

バブル期にはまるで自分たち世界を席巻する経済超大国になったような気分に浸っていたものの、それは砂上の楼閣に登った気分だったのだろう。後に残った実体経済疲弊を見るにつけ、あの繁栄いかに中身の乏しい見せかけであったかを痛感させられる。バブル絶頂期、日本企業は世界中の不動産美術品を買い漁り、「ジャパンマネー」がもてはやさされたという。しかし、それで得た栄光は永続的なものではなく、気がつけば日本経済は地に足がつかないまま宙ぶらりんの状態だったのだ。資産価格の幻影に酔いしれたツケとして、その後の「失われた数十年」を甘受するハメになったのは当然の帰結だ。

反省しない政治家日本人

バブル崩壊後、日本政策当局は景気テコ入れに躍起となったが、その数々の処方箋結果的に何一つ功をなすことはなかった。1990年代には今の減税・バラマキポピュリスト達が喜びそうな大型の財政出動や減税が何度も繰り返されたものの、景気は一向に本格回復せず、未来へのツケである政府債務けが膨れ上がった。結局、バブルで抱え込んだ民間企業の過剰債務政府が肩代わりしただけで終わり、景気浮揚には無力だったのだ。

  

今の減税ポピュリスト給付金ポピュリストが教訓とすべきことでもある。「借金借金を救う」ような政策では、問題の先送り以上の成果望めなかったのだ。ゼロ金利政策量的緩和といった金融緩和策も導入されたものの、デフレ2000年代まで深く根付いた。そして現在に至るまで日本経済は低成長から脱却できていない。気付けば、経済政策は場当たり的な景気刺激策の継ぎ接ぎだらけで、一貫した成長戦略構造改革国民が反発することもあり、実行されなかったのだ。

  

その間にも少子高齢化は進行し、生産年齢人口は減少、国内市場は縮小と、構造的な課題が山積している。海外から日本政策対応は手厳しく嘲笑されてもいたことはご存じだろうか。世界90年代以降の日本を語る際に「日本化(Japanification)」という言葉が生まれたほどだ(参考→https://en.wikipedia.org/wiki/Japanification)。それは「不況下で有効改革をせず、無駄公共事業延命を図る現象」を指すもので、改革よりも道路箱物を作り続ける日本政治家を「無為政治家」として揶揄するものだ。

  

まり言いたくないが、日本経済の停滞を語るとき、忘れてならないのは日本社会国民メンタリティだろう。政治家政策ミス批判するのは容易なのだが、民主主義国家において政治家国民の鏡だ。政治家国民を望む政治をやる。嫌がる政治はやらない。政治家が一番嫌うのは「落選」だからだ。ゆえに、ほぼ日本人が自らの手で衰退させたともいえる。もちろん、日本人気質のものにも問題ある。「変化を嫌う」風土物事を深く考えず前例通りに済ませようとする思考停止状態、失敗を恐れる風土迷惑不寛容風土、出る杭を打つ文化、人の足を引っ張る文化高度経済成長期の成功体験固執する傲慢さが、日本の停滞を長引かせた要因だろう。 実際、多くの日本企業や組織では予定調和前例踏襲が幅を利かせ、新しい発想や議論を避け、排除する。その結果、変革が避けられない状況でも無自覚に「今まで通り」のやり方に固執し、いたるところで思考停止に陥っているのだ。しかも厄介なことに、そうした楽で無自覚現状維持志向こそが日本経済低迷の発生源なのである

  

国民一人ひとりを見ても、急激な変化の痛みを恐れて結局は現状にしがみつく。または「義務を果たさないくせに権利ばかり主張する」 、「生産性が低いのにもかかわらず働かない」というそんなゆでガエル的な集団心理が、日本の停滞を固定化しているのだ。変化や痛みを避け続けた結果、気づけば茹で上がっていたカエルよろしく、取り返しがつかないほど実体経済が冷え切ってしまったのだ。

「一応先進国ブランドすら危うい(実態はもう後進国だよっと)

かつては世界第二位GDPを誇り、現在も4位を維持している状態を見て「経済大国日本」と胸を張っているネトウヨがあまりにも多いが、ふたを開ければその先進国ブランドも風前の灯火だ。例えば一人あたりGDPで見ると、近年の日本OECD加盟国中22位まで順位を落とし、韓国にも台湾にも追い抜かれた。1980年以降で最も低い順位で、もはや経済指標上は「一応先進国」と呼ぶのもはばかられる。

かつて恐れられた日本経済が国際舞台スポットライトから消え、「存在感の薄い国」に成り果てつつあるのが現実だ。日本世界に誇っていたはずのものが、気が付けばことごとく色あせている。かつて最先端だった技術産業存在感を失い、盛り返す気配すらなく、平均所得は停滞し、気力も勢いも感じられない。これでは「かろうじて先進国」と揶揄されても仕方がないでしょう。国際機関統計を眺めれば、日本より豊かな国・地域に住む人々はもはや十億人規模にも上る(日本同様に数の暴力で豊かに見えてる中国は違うからね)。もはや日本特別裕福な国ではなく、世界の中ではアルゼンチン二世的な立ち位置に落ち着きつつあるのだ。 <h3>o- *</h3>

結局のところ、最も根源的な「劣悪材料」とは、失敗から学ぶ能力の欠如である。「失われた30年」 は、経済課題に対する30年間のほとんど失敗した、あるいは不十分な対応歴史である。今の日本人はその過ちをさらに取り返しのつかなくなるような形で繰り返そうとしている。社会の変化への抵抗構造改革社会保障改革労働市場規制緩和など)への抵抗は、その必要性が明白であるにもかかわらず、根強く残っている。国家国民が自らの失敗を批判的に評価し、そこから学び、意味のある変化を実行できないのであれば、その最も基本的な「材料」、つまりは、自己修正進歩のための能力は、まさに「劣悪」であると言わざるを得ない。日本は今後立ち直ることはないだろう。

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2025-05-02

橋本 vsAI

橋本氏の主張は、おおむね以下の構成です:

1.日銀券が負債計上されているのは金本位制の名残であり、実際には借金ではない。

2.金利が上がっても日銀券に利払いは生じないので、日銀バランスシート問題と結びつけるのは誤り。

3.当座預金金利をつけているのは金融機関への補助金のようなもので、なくせばいい。

4.通貨発行益(seigniorage)をもって銀行券発行を正当化すべきで、借金ではない。

それでは、経済学的に完全論破していきましょう。

【1】「日銀券は負債じゃない」論への反論

事実日銀券(中央銀行紙幣)は法的にも会計的にも「負債」として扱われる。

【2】「金利が上がっても紙幣に利払いは発生しない」論への反論

これはミスリーディング

【3】「当座預金の付利は補助金。なくせばいい」論への反論

経済学的にこれは極めて短絡的。

【4】「通貨発行益で日銀財政大丈夫」論への反論

結論経済学的な再整理

主張評価経済学反論
日銀券は負債じゃない会計上・信用供与上「負債」で正しい
金利上昇で紙幣に利払いはない ⭕/❌ それは正しいが、日銀コスト当座預金への利払いで発生する
当座預金の付利は補助金不要金融政策の実行に不可欠。市場金利誘導が困難に
通貨発行益で全部まかなえる一時的には可能だが、金利上昇時には赤字構造になる

要するに、「紙幣に利息がつかないか負債ではない」というのは概念的にも制度的にも誤解。金利上昇により日銀赤字化するリスク会計構造問題であり、単に付利を「なくせばいい」話ではないのです。

anond:20250502042937

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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 量的緩和解除後の日本経済III2006-03-29 |Weblog

 一年近く続いた「ノーガード経済論戦」も今回が最終回です。このブログの続きというわけではないですが、以前から継続している個人ブログEconomicsLoversLive太田出版エコノミストミシュラン経済論評を続けるつもりですのでご関心があれば参照ください。

 

 さて量的緩和解除を行った日銀ですが、今回の政策決定については主にふたつの問題点を指摘することができると思いますひとつは、本当にデフレ脱却を確実にした段階で政策転換を行ったのか、という点です。0.1%から解除時の0.5%までの数ヶ月の推移をもって安定的デフレ脱出したという日銀説明ですが、本ブログでも指摘しましたように、上方バイアス存在があり、それは日銀エコノミストの推計でも0.3%その前後の糊代があるなかでは、せいぜいせいぜいゼロインフレもしくは石油価格の上昇貢献分を考慮するとマイナスであった可能性がありますさらデフレに陥った時点から名目価値毀損回復するリフレーション過程日銀がまったく配慮していないことは確実なようです。

 

 第二に、今後の物価水準ないしインフレ率に対する日銀の見通しが不鮮明なことです。一部の識者や政府側にはこの日銀物価の「理解」を単なる政策委員の個々の見通しを集計したものではなく、「インフレターゲットもどき」に昇華させようとする動きがありますが、日銀自身はこの動きに否定的なように思えます量的緩和解除は、よくいわれていますようにゼロ金利市場が予想するよりも継続するといった「時間効果」が剥落化していく過程ですが、そのような市場物価水準やインフレ率の予想に作用する政策日銀が今後明示的にはコミットする枠組みが存在しない、あるいはそれに近いものがあっても予想形成効果をわざわざ削いでいるようにさえ思えます。これも過去日銀歴史をみてみると速水前総裁時に量的緩和採用していても自らその予想形成効果懐疑的である旨を公言することで効果を減少させてしまった負の歴史を想起させます

 

 ただ今後、さまざまな政治的圧力市場リスクの高まりを背景に、このような日銀の「裁量政策」が次第にインフレターゲットに転換していくという楽観的予想や、これもまた裁量ゆえですがゼロ金利を維持し続けるような(その場合はなんで量的緩和解除をしたのかわからなくなりますが)可能性も否定できません。両方の場合日本経済にとって景気浮揚効果をもたらすことはいえると思います

 

 日銀自身過去経済政策の失敗は存在せず、そして今後のリスクにも十分対処しているという姿勢を崩していませんし、最近ではその弁護の姿勢をより強固なものにしています日銀とそのシンパエコノミスト(これは民間金融資産運用などのコンサルタントをしている多くのエコノミストを含みますさらにはメディアは、日銀及びそのシンパ集団相互との長期的な信頼関係を維持するために、真実を述べるよりも日銀への配慮からそのあからさまな批判をさけているようにも思えます

 

 ただこのような人間的な関係が裏にあるにしてもそれをもってだけで彼らとその組織批判するのではあまり有意義ものではありません。やはりどんな組織的なレントが存在しそれによって人々が真実を歪曲していたとしても、それ以上に重要なのは誤まった経済思想蔓延だと思います。もちろん完全で誤まりなきエコノミストはいません。ほぼすべてのエコノミストは私ももちろん含めて事実認識経済学的知識を誤解している可能性があるでしょう。問題は古くからいわれている通り、その過ちの可能性に意識的になることなのでしょう。これは自戒を込めていえば困難な道であると思いますが、他方で最も魅力ある途でもあるように思えるのです。

 

 経済学や経済認識は今後もゆっくり改善していくと私は楽観視しています。そして日銀政策確信犯的に誤まった経済情報を流し続けるもうひとつ負の遺産財務省政策も今後ともに批判的に検討していくと思いますが、私は日本経済社会の今後の発展に実は懐疑的である以上に楽観もしているのです。

  

 今後は冒頭であげたブログ経済論戦を継続して検証する予定ですのでどうかよろしくお願いいたします。

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 野口旭『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』東洋経済新報社2006-03-09 |Weblog

 いままで曖昧陰湿批判が横行していたムラ社会であった日本経済論壇の中で、革命的ともいえる実名批判箇所を明示しての率直な議論姿勢を示した『経済学を知らないエコノミストたち』(日本評論社)や『経済論戦』(日本評論社)に続く、野口氏の00年代経済論戦の記録を生々しくとどめた最新論説集である題名の「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」というのは聞きなれない言葉である。本書によれば、「経済学は役に立たない」という世間一般の抜きがたい批判に答えることを目的にしているという。著者は、経済学は予測科学として十分に役立つが、世間で役立たないと思われているのは「歪んだ水晶玉」=間違った経済理論で預言を行う「エコノミスト」たちの活躍に原因のひとつがあるという。実際に野口氏が90年代後半から現在まで経済論壇で行ってきたことは、この「歪んだ水晶玉」で預言するエコノミスト評論家そしてメディアなどへの容赦ない批判だったといえる。

 

 本書の後半は、当「ノーガード経済論戦」を読まれている読者にはなじみ深いHotwired掲載された「野口旭 ケイザイを斬る!」をベースにした02年から04年までの当時の経済論戦の見取り図とその批判的な検証になっている。特に経済の動きは複雑でありマクロ経済学のような単純な論理では十分にとらえることができないと主張する論者の多くが、実は単純な自らの意見カムフラージュするために複雑系な話を利用していることが指摘されていることころなど改めて参考になる。

 

 前半は最近経済政策論争をベースにした最新版野口氏の経済見通しと政策への批判検証が収録されている。その要点は、1)小泉政権構造改革路線検証、2)03年から04年にかけて明瞭になった景気回復の原因、3)今日量的緩和解除論議をめぐる見通し のおおよそ3点に分けることができよう。

 

 1)の点であるが、これについては小泉政権構造改革路線が、日本経済の停滞が非効率部門存在という構造的な問題にあり、これを淘汰することで高い成長率を目指すという「清算主義」であったこと、そして構造的な要因が日本経済の停滞の原因ではなく循環的な要因である需要の不足にこそ真因を求めるべきことが明記されている。

 

 個人的な回想で申し訳ないが、小泉政権清算主義的な色彩の強かった01年当時の政策批判を行った野口氏と私の共著『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)は、私の事実上処女作の一つであり、そのときから野口氏は経済論戦を分析する上での私の教師でもあり抜きがたい目標でもあった。当時は「構造改革自体の満足のいく経済学的な定義さえも不分明であり、それを野口氏は同書でクリア説明し、もって構造改革マクロ経済政策は異なる政策目的に割り振られる政策であり、両者を適切な目的構造改革ならば構造問題マクロ経済政策景気循環問題)に割り当てるならば矛盾もしなければ競合もしないこと、さら適用する目的小泉政権のように誤まるとそれは経済社会の低迷をより深刻なものにすることを説いた。

 

 ところで本書によると小泉政権の当初の清算主義的な性格は、「国債発行枠30兆円以下」を公約にした財政再建路線に明白だったが、不況の深刻化からこの清算主義的な路線は早々に放棄されることになった。そして実態的には「循環的財政赤字」の発生を放置することで事実上受動的にではあれ)景気の落ち込みの下支えに貢献したことを指摘している。この点については、私も当ブログ裏声で語れ! 小泉構造改革」で説明したことがあるので参照されたい。

 

 また竹中平蔵経済財政担当相(当時)の金融就任とそれに伴って発足した「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」とそれが打ち出したいわゆる「竹中プラン」(金融再生プログラム)の評価は興味深い。当初、このチームにごりごりの清算主義者として名高い木村剛氏が加わったこともあって、いわゆる竹中木村ショックで日本株価は急降下した。政府不良債権の抜本的な対策銀行企業の統廃合に積極的にのりだすという懸念マーケット国民の間に広がった。しかし実際には清算主義路線放棄しつつあった小泉政権にあっては、その後のりそな銀行への公的な救済に端的に表されたように銀行を潰すようなハードランディング路線放棄された。竹中プランは骨抜きになったかみえた。しかし、本書ではマクロ経済的な清算主義放棄したものの、この竹中プラン金融庁が大手銀行を中心とした不良債権処理に不必要なほど過度の介入を行うことにお墨付きを与えてしまい、規制ハード化が資源誤配分を招来してしまたことを指摘している。この竹中プランへの評価妥当だろう。

 

 2)の点については、今日景気回復主動因についての分析である。それは簡単にいうと財務省円安介入と、それと連動した日銀当座預金残高の引き上げという量的緩和政策が重なったことが契機となっている。この事態を本書では「なし崩しのレジーム転換」という表現を使っている。これは私流に表現すれば、あくま財務省主導のデフレ対策としての円安介入であり、それを福井総裁意図せざる形でサポートした量的緩和政策のあり方を表現しているのだろう(本書では触れられていないが福井総裁は明確に財務省円安介入をサポートしたこと否定している)。野口はいわゆる中国特需表現されたり、アメリカから日本株式市場への投資が盛んになったことなど、外的要因が堅調であれば政策対応受動的でもかまわない、というスタンスである

 

 「以上から日本経済の二〇〇二~〇三年以降の契機回復様相については、ほぼ次のように整理することができる。まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内マクロ経済政策リフレ的な方向へなし崩し的に転換されていたということも、同様に重要意味を持った。それは具体的には、二〇〇三年秋から〇四年初頭まで行われた、財務省の巨額為替介入日銀金融緩和の同時遂行という形でのマクロ政策協調である。つまり、今回の日本景気回復国内マクロ経済政策の両方に支えられて、かろうじて定着したのである」(本書20頁)。

 

 すなわち浩瀚喧伝されているような、「構造改革景気回復寄与した」のではなく、先の説明どおりに循環的要因=総需要不足の改善外需好転政策対応によってもたらされたというわけである

 

 3)については、現状の景気回復不安定であり、より一層のリフレ政策重要性が強調されている。そのため06年末頃まではデフレ脱却をめざすリフレ過程(少なくとも現状の財政金融政策スタンスの維持)であるさらに第二段階は金融政策正常化のための段階であり、量的緩和の解除、インフレ目標の導入、プラス政策金利への復帰などが目指される。これはほぼ2007年半ば頃であり、財政再建はその後の第三段階となる。野口氏は現時点での量的緩和解除はリスクありすぎて日銀採用しないだろうとみている。だが、この野口氏の楽観的な見通しだけが本書を通じて外れてしまいそうである。もちろんそれは野口氏の誤りではなく、通常では考えられないほどのリスクをあえて選択した日本銀行の誤りなのである

 

 本書は他にも、リフレ派の正しい定義、「声の出るゴキブリ」とリフレ派を批判した山崎元氏のその後、木村剛日本振興銀行の「実験」へのエール(?)など微苦笑を禁じえない記述も多く、あっという間に通読できてしまう。学ぶべきことが多い本書は野口氏の論戦の記録だけでなく、迷走する日本経済論壇の記録としても重要である

 

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」  量的緩和解除以後の日本経済 II2006-03-08 |Weblog

 前回に去年の夏に事実上の"親日銀派"のエコノミストたちが今年春の量的緩和解除やデフレ脱却政策オプションとしてのインフレ参照値の導入を語っていたと述べた。そのような発言を聞く一方で、小泉政権サイドに近いところから夏の終り日銀政府との名目経済成長率論争が起きるだろうという観測を聞いた。もっとも去年の夏は郵政民営化を焦点とした政治の季節に吹き飛ばされて、この「論争」が正体を現したのは年末になってからであった。具体的には昨年12月経済財政諮問会議において与謝野馨経済財政金融担当相と竹中平蔵総務相との間で交わされた財政再建をめぐる論争である。これは財政再建をめぐっての金融政策位置づけをどうとらえるのか、という論争であったともいいかえることができる。長期国債の利回りである長期利子率と名目成長率の大小関係がどのように金融政策と関連しているのか、という点で与謝野大臣竹中大臣との間で意見が交換された。では、なぜ長期利子率と名目成長率の大小が財政再建や金融政策のあり方に関係するのだろうか(以下は拙著経済論戦の読み方』(講談社現代新書)による)。

 

 国債新規発行額が次式で表わされるとしよう。

国債新規発行=政府支出-税収+名目金利×国債残高   

 ところで国債残高が財政健全性で問題になるのは絶対的な大きさではなく、ネットでみた名目国民所得との比率である。上式を用いて簡単に導出されたのが次の関係である

 

国債新規発行分/名目GDP)の一年間の変化分

  =〔(政府支出-税収)/名目GDP〕-(名目GDPの成長率-利子率)×(国債新規発行/名目GDP

 

 政府支出-税収がプライマリーバランスとよばれるものだが、この式の右辺第2項をみるように名目GDPの成長率が利子率を上まわれば、プライマリーバランスにかかわらず国債新規発行分・名目GDP比率はある一定の値に収束する。逆に名目GDPの成長率が利子率を下回ると発散する。すなわちしばしば財政再建論議話題になるプライマリーバランス改善よりも財政危機回避する際にきわめて重要なのは名目利子率と名目GDP成長率の大小関係ということになる。この関係を「ドーマー命題」と呼んでいる。

 

 そしてどのような国債残高の初期水準からはじめても、利子率が成長率よりも大きいとき財政破綻に直面し、利子率が成長率よりも低ければ財政破綻の危機は訪れない。もちろん現在日本ゼロ金利であり、長期国債の利回りも歴史まれにみる低水準である(1~2%)。しかし他方で名目成長率はマイナスで推移している。つまり名目成長率よりも金利のほうが大きい事態が長期的に継続しているのが日本現在の状況である日本名目公債残高/名目GDP比が90年代から今日まで増加トレンドを変更しないのは主にこの事情による。成長率の低下をもたらしているデフレ継続すれば、ドーマーの命題でいうところの財政破綻の危険性が高まっていくわけである

 

 さて与謝野大臣は近年では長期金利名目成長率を下回ることはない、という認識であり、対して竹中大臣金融政策などの政策対応がきちんとしていれば名目金利名目成長率を長期にわたって上回ることはない、という立場にたっている。このことは言い換えると、与謝野大臣側は金融政策による名目経済成長率の引き上げは難しく、せいぜい3%程度だという認識のようだ。竹中大臣側は金融政策によって名目成長率は4%程度が達成できると主張しており、実は与謝野竹中両者ともに実質成長率は2%の認識があるため、問題インフレ率をどう判断するかによっている。与謝野大臣側はゼロインフレからせいぜい1%以下にインフレ率を抑えことが望ましいという判断であろう。これは今日日銀政策整合である竹中大臣はいわゆる「リフレ」的観点立脚して発言していると思われ、中長期的に2%程度の低インフレを目指して、税収を改善しもって財政再建に資するという考えかたであるわたしOECD諸国の多くが名目成長率≧長期金利 を実現しているために、日本においても達成可能であると思っている。

 

 ここで今回の量的緩和解除をめぐる騒動でもこの種の日銀的なゼロインフレ志向世界的にはデフレ基調の水準を最適インフレ率とみなしているようである)と竹中大臣代表される政府内の「リフレ」的見解対立が底流のひとつとしてあるということである

 

 昨年の郵政民営化以後、小泉政権目的喪失現象を起こしているのではないだろうか。首相は積年の懸案を達成して、残る政策課題として小泉流の誰から政策障害犯人が明瞭となる課題を探して、政権の緊張感の維持、そして後継選出の影響力を保とうとしたのかもしれない。その意味で、この名目成長率論争を通じて、金融政策のあり方がクローズアップされたのは自然な成り行きだったのかもしれない。なぜならデフレ対策だけはいっこうに改善兆しみえないものだったかであるしか政府挑発ともいえた日銀パッシングはどうも政府自身の思惑や日銀自体計算4月以降の解除)を上回る形で、早期の量的緩和解除にむけて日銀自体を走らせてしまったのかもしれない。

(続く)

 

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 出口政策が熱い?!(その2) 2005-11-29 |Weblog

 

お待たせしました。続きです。(その1はこちら)

 

●出口政策理論的基礎―ニューケインジアンモデル

 

 出口政策理解するためにはやはりそれなりの理論的なフレームで考えなくてはいけないだろう。例えばバーナンキ次期FRB議長日本デフレ脱出に、エガートソンとウッドフォード経済学モデルを援用して、インフレ目標政策物価水準目標の合わせ技を提案した(ベン・バーナンキリフレと金政策日本経済新聞社)。以下ではこのエガートソンとウッドフォードモデルの枠組みをきわめて単純化して「出口政策」の理論的基礎とさら現在しばしば話題になる日銀預金残高の超過準備問題という技術的な側面についてコメントしてみたい。

 

 いわゆる「ルーカス批判」以降、政策による期待の変化という問題に耐えられる理論構造もつことがマクロ経済学に求められきた。そのひとつの解が、いわゆる「マクロ経済学ミクロ的基礎」である。「ルーカス批判」以後、マクロ経済学プログラムはこの「ミクロ的基礎付け」をRBC(実物景気循環論)モデルとニューケインジアンモデルの大まかふたつの方向で深化してきた。両者はいまでは見分けがつかないほど交じり合ってしまった。例えばバーナンキらの理論では長期においては市場自律的調整機能を信頼しているため、長期的スタンスをとれば例えば失業が深刻であっても市場の調整能力にまかせる、という選択最初から排除するものではない。しかしもちろんこのような態度は、バーナンキらの積極的に認めるところではなく、実際問題として不況が深刻であったり、極めて高いインフレが起きているとき政策介入を強くすすめることで社会的コストを避けるというのが、いわゆるニューケインジアン立場であろう。

 

消費者の行動(NewIS曲線

 

 バーナンキらはまずマクロ経済を考える上で、家計消費者)の行動、企業の行動、そして金融政策担当する中央銀行の行動を主要なプレイヤーとして考える。それぞれのミクロ的な行動が経済マクロ的動向に影響を与えていくと考えるわけである

 

 まず消費者自分効用(満足)を最大化するために行動する。その際に予算の制約をうけるわけであるが、その制約の変化に対してなるべく消費を平準化スムージング)して行うことが最適な対応である、とこの消費者は考えているとしよう。消費の平準化というのは、今期(現在)と来期(将来)の消費量をあまり変化させずに似たような量だけ消費し続けることを意味している。例えば今期、クリスマス家族恋人プレゼントをするために消費を増やせば、それに対応して将来の消費を減少させることで、期間を通じてみれば消費は一定水準にあるというわけである。例えば経済全体の景気がよく将来的に家計所得が通常の場合よりも増加すると期待されたとしよう。このような状況を期待産出量ギャップが拡大したと表現する(あるいは期待拡張ギャップ存在とも表現可能)。将来の所得が増えると期待されるので、この家計はそれを見込んで現在の消費を増やすことで平準化を行おうとするだろう(そうしないと予想通りに将来の所得が増えた場合、将来の消費の方が今期にくらべて過大になってしまうので)。

 

 この状況は先の例でいえば、会社の成績が良好で、ボーナスの増額が望めるために、クリスマスプレゼントはその将来のボーナスで返済することを見込んで、ローンまでして高めのプレゼントを購入することに似ている。すなわち将来の期待産出ギャップ(期待される将来のボーナスの増加)が現在の産出ギャップ(ローンをすることでの現在所得の増加)に反映されることになる。このように家計の消費行動は「来期の産出量ギャップの予想」に依存している。

 

 さら家計は今期の消費と来期の消費をバランスするために現在の実質利子率を参考にするだろう。現在の消費を我慢して貯蓄するには、その貯蓄が経済的に見合うものでなくてはいけない。その報酬として実質利子率が付されるとも考えられる。そしてこの実質利子率が増加すればそれだけ消費者現在の消費よりも貯蓄を選ぶだろうし、また反対に実質利子率が低下すれば将来の消費よりも現在の消費を選ぶであろう。また家計のローンの負担も実質利子率が低下することで軽減され、そのことがローン契約耐久消費財の購入を促すことが知られている。すなわち消費者の行動は「今期の実質短期利子率」に依存している。

 

 ニューケインジアン経済モデルではこのような消費者の行動をIS曲線(NewIS曲線)と表現して現在所得のあり方(産出高ギャップ)に、今期の実質短期利子率と将来の産出量ギャップが影響を与えると考えるわけである。ちなみに伝統的なIS曲線と同じように、今期の実質短期利子率と今期の産出量ギャップとの関係は右下がりの曲線に描くことができる。

 

企業の行動(ニューフィリップス曲線

 

 次に企業の行動をみてみよう。ニューケインズ経済学では企業価格設定行動も経済環境の変化に対して緩慢にしか変化することはせず、そのため価格粘着性という現象一般的であると主張している。この価格粘着性を説明するためにケインズ経済学企業代表的イメージとして「独占的競争モデル」を採用する場合が多い。経済学の想定する市場典型的な姿は、完全競争と独占である。完全競争市場では、多数の売り手と多数の買い手が、お互いに市場価格シグナルとして販売・購入活動を行っている。価格資源配分有効に行うと想定しているので、この完全競争市場では売り手と買い手はプライステイカーとして行動する。他方の独占市場では、売り手もしくは買い手ないし双方が市場価格コントロールする力を保有しており、独占市場では完全競争市場にくらべて、価格はより高く、取引される財・サービスの量は少ない。独占市場は完全競争市場に比べると資源の非効率的な配分が行われている。

 

 しかしこのような両極端な市場の姿よりも、次のような市場のあり方の方が一般的ではないだろうか。例えば近所の本屋にいけば、さまざまなビジネス雑誌販売されている。そしてそれぞれのビジネス雑誌は、特集する記事が異なったり、価格も各出版社独自色を打ち出してライバル雑誌に負けないとしているように思える。またどの出版社でも自由ビジネス雑誌を発刊することができ、自由にそれを辞めることができる点でも、完全競争市場の特徴を持っている。

 

 このようなケースは、なにもビジネス雑誌だけではないだろう。私たちは、完全競争と独占の両方の特徴を持った様々な財・サービス―例えば、書籍映画パソコンソフトレストランコンビニケーキ車など―を日常的に目にしている。経済学では、このような財・サービス市場を「独占的競争市場」と名づけている。独占的競争とは、同質ではないが類似した財・サービスを売る多くの企業存在する市場だということができるだろう。独占的競争市場では、たくさんの企業が同じ顧客相手競争を繰り広げている。その一方で、個々の企業が、他の企業と異なる製品供給している。これを製品差別化という。また同時に参入・退出が自由である

 

 完全競争市場では市場で決まった価格販売すればすべての財は売りつくされる。他方で独占的競争市場では、企業は「右下がりの需要曲線」に直面している。これは企業価格コントロールできるが、もし価格を上げれば需要は減り、下げれば需要が増加するという市場環境に直面していることを意味している。この結果、この独占的競争企業は若干の独占力を有しているために、限界費用を超える価格を自ら設定することができる。この限界費用というのは、財やサービスを追加的に一単位製造するときに要する費用のことである経済学ではこの「限界」的な単位消費者企業選択判断する。例えば、企業は売り上げ全体の動向と価格をみて供給を決定するのではなく、新たに一単位生産するときコストとその販売価格の大小関係で意思決定を行う。

 

 例えば『冬ソナ』のDVDを一冊追加的に生産するコスト(=限界費用)が1000円だとすると、この独占的競争企業は5000円で市場での販売可能になるということである限界費用価格との差額は、この企業にとっての「マークアップ」(超過利潤とイメージしてもいい)を得ることが可能であることを意味している。この超過利潤の獲得を目的にして、多くの企業がこの市場に参入する。もちろん独占的競争企業製品差別化によってこの熾烈な競争に打ち勝とうとするだろう。独占的競争市場では、このような熾烈な競争の結果、長期的には利潤がゼロになることがしられている。そしてこのような熾烈な競争に生き抜くために、企業製品差別化をはかり消費者需要喚起し、その有効手段とし広告ブランド戦略などを展開しているのである

 

 ところで独占的競争企業価格設定を自ら行うことができるが、市場の動向に合わせて絶えず価格を変更しているわけではない。価格の変更に伴うコストメニューコスト)が発生するために頻繁に需要の変化に応じて価格修正することはしない。そのためメニューコストを原因とする価格粘着性が広く観察される。また価格改訂する企業が増加するにしたがって、この価格粘着性は緩んでいくと考えられている。この価格の変更に企業は今期の産出高ギャップをまず参考にする。これはいままでの議論では需要供給よりも多いと考えられるならば企業価格を上昇させるように改訂するだろう。また他方で将来のインフレ率の予想も重要である。なぜなら上記マークアップ名目額よりも各企業はその実質値に注目すするからである。将来獲得したいと期する利益に将来のインフレ率の動向が大きくかかわるわけである。まとめると企業価格改定行動は、今期の産出高ギャップと、来期の期待インフレ率依存している。経済全体でみれば現在インフレ率は期待インフレ率と産出高ギャップに影響される。この関係表現したのがニューフイリップス曲線という。

 

中央銀行の行動(テイラールール

 

 さら中央銀行金融政策ルールテイラールールの形で導入するのが一般的であるジョン・テイラーグリーンスパン率いるFRB金融政策の行動を「テイラールール」という形で表現することに成功した。テイラーによるとFRBは産出量ギャップ(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)とインフレ率に反応して利子率を設定しているというものであるテイラールールもっと古典的形式は産出量ギャップインフレ率を均等に重きを置いて考慮する政策スタンスを採り入れたものとなっている。

 

名目利子率=0.01-0.5(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)+0.5×目標インフレ

 

である。このテイラールールを用いると、産出量ギャップが0.01、目標インフレ率を0.02だとするとFRBは0.5%利子率を引き下げて、景気の後退を防ぐことがわかるだろう。このテイラールールグリーンスパン率いるFRBの動きをかなりうまく説明することができるといわれている。

 

 ところで中央銀行経済にふりかかるさまざまなショックから国民経済厚生を守るために行動するとみなされている。いま国民経済厚生を最大化するような中央銀行を考えて、この中央銀行が考えている経済厚生の損失の最小化が、そのまま国民経済厚生の損失の最小化になると考えるとしよう。中央銀行国民経済厚生の最大化(あるいは損失の最小化)をきちんとフォローできると考えるわけである

 

 このとき中央銀行経済厚生を最小化するための目的関数を「損失関数」といい、これは簡単にいうと今期のインフレ率と今期の産出高ギャップを足したものである。この「損失」を下の(a)(b)(c)のもとで最小化するのが、この経済にとってもっとも望まれる=最適と考える。

 

(a)NewIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存する 

(b) ニューフィリップス曲線では、今期のインフレ率が(1)今期の産出量ギャップと(2)来期の期待インフレ率依存する

(c)中央銀行目標名目短期利子率を決めるにあたって(1)今期の産出量ギャップ(2)目標インフレ率を参照する。

 

 ところで上の意味での最適な中央銀行金融政策を考える上で重要ものが「コミットメントである。これは中央銀行金融政策目標達成への力強い政策的態度をしめす言葉といえる。具体的な目標について責任を持って期間内に達成することを約束することであ。例えば未達成の場合には具体的な形で責任をとる(ペナルティをとる)と考えて同じで効果を発揮する。このコミットメントを行うことが経済活動するさまざまな主体家計企業市場関係者)の予想に影響を与える。

 

 例えば、先の(a)のIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存していて、さらに来期の産出量ギャップは(1)'来期の実質短期金利と(2)'来来期の産出量ギャップの予想に依存していて以下同様に…となると、結局、今期の産出量ギャップは将来の実質短期金利依存することになる。ニューケインジアンは産出量ギャップの変動を経済変動で重視しているので、これは将来の金融政策のあり方(=将来の実質短期金利をどうするか)への予想が決定的に重要になるということになる。

 

 「産出量ギャップ」という表現が苦手な読者は、消費者でいえば(借り入れのケースを含む)所得企業でいえばマークアップと考えてみればいいだろう。いまのサラリーの額や企業利益中央銀行現在から将来に向けての政策態度に影響されるというのがニューケインジアンモデルもわかりやすい含意だ。

 

 このような将来が現在規定するという考え方をフォワード・ルッキングという。このようなフォワード・ルッキング経済構造では、経済主体の予想に影響を及ぼすコミットメントいか重要になるかが分かるであろう。

 

●出口条件を考える

 

 さて出口政策の条件を考えるには上の(a)(b)(c)のもとで損失関数が最小化するように計算をしなくてはいけない。しかしここでは直観的な説明を行う。渡辺努岩村充氏の『新しい物価理論』(岩波書店)で用いられた仮設例を利用したい。この仮設例の面白いところは上記までは顔を出していない長期利子率の動きをフォローすることができることである現在の出口政策にかかわる議論が長期利子率のオーバーシュート財政危機の拡大?)への懸念にあることを思えばその重要性がわかるであろう。ちなみに以下では金利の期間構造モデル採用して、長期利子率は将来の短期利子率の予想値に依存していると考える。すなわち単純化して足元の長期利子率は、足元の短期利子率と次の期の短期利子率の単純平均とする。また産出高ギャップは長期利子率に反応すると考える。あとでわかることだが、長期利子率は短期利子率の予想へのコミットメント誘導されて決定されるのでいままでの議論と同じである

 

 いま三期間(0,1,2期)を生きる経済を考えよう。第0期はデフレ流動性の罠に陥ってるとする。現代版の流動性の罠バーナンキらは名目短期利子率がゼロ(=利子率の非負制約)であると考えている。そして第1期と第2期では経済回復しているとする。このとき渡辺岩村の仮設

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 出口政策が熱い?!(その1)2005-11-16 |Weblog

 福井総裁量的緩和解除は来年春、と匂わせた発言に反応するかのように、政府与党から日銀の早期量的緩和解除をけん制する発言が相次いででてきた。中川政調会長日銀法の改正政策カードでちらつかせて、日銀デフレ対策が不十分であることを批判している。また安部官房長官もそれに呼応するように、日銀政府協調して財政再建のためにもデフレ脱却して、自然増収での財政基盤の健全化への寄与が実現されるべきだとこれもまた日銀牽制した。この種の発言はいずれもなにか具体的な政策に直結しているわけではないので、それ自体どうこうというわけではない。しか日銀の出口政策量的緩和解除をめぐる議論は今後も政治的話題として沸騰していく可能性があるのかもしれない。

 

 そもそも出口政策をめぐっては、1)前提条件であるデフレ脱却をし、0%以上の安定的インフレ率を維持できるのか? 2)出口政策技術的な難しさ の二点から問題が提起されている。最初の点については、『日経公社債情報10月24日号で匿名記事末吉名義の記事)「日銀ウォッチ デフレ脱却論議の謎」において、きわめて説得的な議論が行われている。日銀インフレ率の目安として採用している日本式アインフレ(生鮮食品を除く消費者物価指数)の前年比上昇率はゼロ近傍であり、このためデフレ脱却は難しく、デフレ脱却のためにはインフレ目標政策が一段と必要である、という趣旨の論説である

 

 この主張の背景には、伝統的なCPI上方バイアス存在(すなわち1%程度物価インフレにふれて計測されてしまう)と、さらにコアインフレ率をおしあげているのは石油関連商品であり、この上昇はピークアウトをむかえる可能性が大きく、そのインフレ率に与える押し上げ効果は0.4%程度にとどまると予測されること。そしてこの石油関連商品の影響を除外すると、インフレ率はマイナス0.5%程度であり、さら上方バイアス考慮にいれるとマイナス1~1.5%程度となる、と末吉論説は指摘している。これは非常に周到な分析であり、今日日本経済が決してデフレ脱却を確実にしているわけではなく、むしろ不確実なものであることを示している。

 

 さら安達誠司氏の『デフレはなぜ終るのか』(東洋経済新報社)では、1930年代アメリカデフレ脱却時の出口政策からの教訓をもって、今日の出口政策論議警鐘を鳴らしている。安達氏によれば、当時のアメリカ財務省主導によるドルの減価政策により「レジーム転換なきリフレ」を実現した。このレジーム転換とは、中央銀行であるFRBデフレ脱却のために従来の金融政策スタンスを転換して、超金融緩和政策コミットするというゲームルールの変更として理解される。しかしこのようなレジーム転換がない、すなわち従来の事実上デフレ継続的金融政策スタンスのままに、この「レジーム転換なきリフレ」に直面したため、FRB政策当事者には早急な出口政策模索(当時の異例な低金利政策放棄超過準備リスクマネーとして高インフレに転じる要因になることへの懸念さら株価の急騰をバブルとする警戒感が存在していたことの半面といえる)があった。そしてインフレ率はプラス推移であったにもかかわらず、FRBの早急な出口政策採用によりふたたびデフレに戻ってしまったと指摘している。

 

 安達氏によればこのようなデフレに舞い戻る経済脆弱性を克服するのには、中央銀行デフレ脱却にむけたレジーム転換へのコミット必要さらに実現されたインフレ率という「変化率」への注目だけではなく、それ以上に「水準」が重要であるとしている。本ブログでの「バーナンキFRB議長就任日本リフレ」(10月28日)で紹介した物価水準ターゲット重要である。すなわちデフレに陥る前のインフレ率(たとえば1%や2%)が現在継続していたらどうなるのか、という物価水準経路を考えて、その経路と現実物価水準の経路のギャップを解消していくという考え方である

 

 日本現在景気回復デフレスパイラル的状況からのとりあえずの脱出は、2003年から2004年初頭にかけての財務省の空前の為替介入と(予期せざる?)日銀マネタリーベースの増加がタイミング的に数度重なるという「非不胎化介入」の結果である(詳細は田中秀臣経済論戦の読み方』(講談社現代新書)参照)。すなわち日銀としては明確なレジーム転換が不在であり、あくまでも財務省主導という点で、戦前アメリカのケースに近似していると、前掲の安達氏は指摘している。これは有益歴史からの教訓である

 

 そのため今日日銀はまさに戦前FRBと同じように、出口政策に関わる発言において、「インフレ心理」への懸念を示したり(まだデフレなのに!)、インフレ「率」にのみこだわり、前記したようなリフレ過程には関心を示すことはまったくない。また日銀政策理解を示す衆議院議員佐藤ゆかり氏のように「中小企業家計部門オーバーリスクテイクの状況から守ることが大事で、量的緩和政策は速やかに解除すべき」「日経公社債情報」(10月31日)とコメントしているのも、戦前と同様に超過準備が高インフレ資産価格の急騰(バブル?)をもたらすことへの「懸念」と基本的には同じものであろう。

 

 本格的なリフレ政策採用と連結しないかぎり、デフレ脱却の道のりはかなり不安定ものであることは否めないのではないか。そして出口政策採用への日銀の現状の早すぎるコミットへの懸念は募るばかりである。(その2)では、仮にデフレを脱却(不安定であってさえも)した場合採用されると考えられるいくつかの出口政策について考えてみたい。

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 量的緩和解除以後の日本経済2006-03-07 |Weblog

 80年代後半のバブル形成、そして90年代バブル崩壊から失われた10年」といわれる時期を経過して世紀をまたいだ日本経済の大停滞は今日明らかに転換点を迎えている。

 

 日本経済的な停滞の主要因が日本銀行金融政策の失敗にあり、事実上株価地価、そして為替レートの動向を重視する資産価格ターゲット採用していることがその「失敗」の内実である。そして財政再建路線を重視する財務省(旧大蔵省)の財政緊縮不良債権問題を伴う金融システム不安定化は、この日本銀行政策失敗に付随する二次的な経済悪化の要因であった。そしてこのような日本銀行政策の失敗は多くの論者の指摘することになり、いまでは一定程度の理解を獲得することになっている。

 

 他方で、日本経済は一時期のどん底から回復し、長い景気回復局面にある。失業率も一時期の5%台真ん中から4%台まで減少し、銀行不良債権問題事実上消え去り、消費や設備投資なども堅調に推移している。これらは日本経済の停滞を象徴している大規模なGDPギャップが明らかに縮小に向かっているシグナルともいえる。一部のマスコミエコノミストたちはこの景気回復を「神武景気」以来などと表現しているが、最悪期で150兆円に達したGDPギャップがようやく縮小に向かった“だけ”であり、これらのエコノミストたちの景気への認識は徒な誤解(景気の過熱?)をもたらすだけに安易ものであるしかしいずれにせよ日本経済は現状では最悪期を超えているのは事実である

 

 そして日本銀行を中心とする「政策の季節」を私たちは迎えている。8,9日にある日本銀行政策決定会合において、5年ぶりに日本銀行のいわゆる量的緩和政策日銀当座預金残高をターゲットにした金融緩和政策)を解除するという観測が強く、市場マスコミを含めてほぼ確定事項となってしまっている。日本銀行量的緩和政策の早期解除を本年の4月に行い、その際に批判が強ければなんらかの量的な指標インフレ参照値と呼ばれるもの)を導入して行うことは、一部の“親日銀派”のエコノミストたちが昨年の夏ごろから口にしていたこである

 

 ところで先に簡単に述べたいが、いわゆる「インフレ参照値」とはなんなのだろうか? 私はこの「インフレ参照値」の導入をすすめるエコノミストは“偽り”であることを自ら公言し、日銀がこれを述べることは随意裁量政策無責任主義の反映を自ら表明しているとしか思えない。なぜなら言葉通りならば、金融政策インフレ率を「参照」するという凡庸中央銀行に求められるごく当たり前のことをいっているだけなのか? もしそうならば確かに日銀にとっては画期的ことなのかもしれない。なぜなら先に述べたようにわが非凡なる日本銀行はこの10数年もの間、どうも資産価格ターゲットにした政策運営してきたように思えるからだ。とはいえ、当たり前のことを当たり前ならざる組織に実行させるにはやはり強制もしくはなんらかのインセンティブデザイン必要であろう。しかし「インフレ参照値」には実際にはそのような工夫はない。参照するかしないか強制インセンティブデザインもなければそのような参照は本当には行わない(いままでも行ってきたとはいいがたいためそのような行動を採用するインセンティブは不在)というのが経済学の常識であるし、また世間常識でもあろう。

 

 今回の量的緩和解除にはこの「インフレ参照値」に類した試みが喧伝されるに違いないが、いずれにせよ現行の日銀法にはインフレ率を重視する、すなわち現在であればデフレ問題視するインセンティブ構造が決定的に不在である。そのようなインセンティブなき「インフレ参照値」を声高に主張するものは、日本銀行に捉われた亡者であるか、少なくとも経済学の理解には遠い。(続く)

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2025-04-15

anond:20250415211138

今は金利正常化日銀国債保有率が減少してる状況下で政府部門黒字化してるから

量的緩和黒字化してるわけではない(そもそも量的緩和してた時でも政府部門赤字続きだった)

Permalink |記事への反応(0) | 21:21

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2025-04-09

anond:20250409193837

マネーサプライが増えると物価が上がる:貨幣数量説(QuantityTheory of Money)

基本方程式は次の通り:

MV = PY

仮定

② 減税 →国債発行増 →マネーサプライ増加

これは「財政政策貨幣供給に与える効果」です。

1. 減税により政府の歳入が減少。

2.財政赤字を補うために国債発行。

3.中央銀行国債を購入する場合

4.民間国債を購入する場合

給付金も歳出増加要因 →マネーサプライ増加

給付金(例:コロナ禍の現金給付)は「政府支出(G)」の増加です。

1. 国が国債を発行して資金調達

2.家計企業に直接現金給付

3.家計の消費支出が増える。

4.経済全体で貨幣流通速度(V)も改善

5. 結果として総需要AD)が増加 →物価上昇圧力

統合的なまとめ

この三者は「貨幣数量説」「財政政策理論」「中央銀行オペレーションマネタリズム)」が交差する領域です。

特に現代では中央銀行国債購入を積極的に行う量的緩和QE)によって、財政政策と金政策境界曖昧になっている点がポイントです。

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2025-03-18

関税政府効率化省(DOGE)に関する分析

以下のシナリオは、「米国が高関税を導入し、大規模な政府支出削減・効率化を短期間で断行し、4年後の飛躍を目指す」という仮説ストーリーを描いたものです。実際には政治外交社会の制約などで実行が極めて難しい部分が多々ありますが、ここではあくまで「もし遂行されたら」という観点で、米国経済世界経済米国株・日本株ドル円がどのように推移するかを想定してみます

全体の前提

1.大統領ドナルド・トランプ氏(強硬保護主義・大胆な決断が特徴)

就任早々、輸入品に高関税(25~200%)を広範囲適用

• 「アメリカ第一」をさらに先鋭化させ、貿易相手国に強硬交渉を迫る。

ツイッター演説を通じて相手国に対する威圧的挑発的な言動が増え、国際関係不安定化。

2.政府効率化の責任者イーロン・マスク氏(破壊イノベーション志向スピード優先)

• 1.5年で2兆ドル規模の歳出削減ミッションとして与えられる。

• 大胆なテクノロジー活用組織改革を進め、官僚機構デジタル化・AI活用不要部門廃止などを推進。

成功すれば大胆な経費削減+行政効率アップが期待できるが、同時に大規模なリストラ既得権益との衝突が避けられず、社会不安政治的混乱も大きい。

3.最初の2年間は「深刻な不況」も辞さず、3~4年目での大幅反転を狙う

• “ドラスティック構造改革”+“高関税”+“徹底的な政府支出削減”という三重のショックで、短期的に経済が落ち込むのを許容。

• 2年目後半以降に「段階的関税緩和」「大胆な金融緩和投資減税」などへ政策転換し、4年目には米国経済を飛躍させるという“二段ロケット戦略を想定。

1年目:政権発足と激震

米国経済

• 高関税ショック

輸入品が大幅値上がりし、インフレ圧力が急激に高まる。一方、輸出先から報復関税で輸出企業が苦境に陥る。

企業収益は減少、設備投資マインドは急速に萎縮し、リセッションが加速。

政府支出削減スタート

イーロン・マスク氏による「宇宙企業EV企業での大胆な改革手法」を官庁適用しようとするが、抵抗勢力既得権益との衝突が激化。

公共部門インフラ関連に依存する地域は、予算打ち切りによる失業増が顕在化。

• ただし、一部の先端技術活用デジタル化が早期に成果を上げれば、行政業務スピード向上・コスト削減は進む。

世界経済

貿易戦争激化懸念

中国EU日本メキシコなど主要国との関係が急速に悪化世界供給網が混乱し、投資心理が冷え込む。

世界経済全体の成長率見通しが下振れ。リスクオフ新興国通貨株式は大きく売られる。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 急落

トランプ氏の強硬発言マスク氏の大リストラ発表などによる不透明感で、株価ピーから20~30%下落する可能性。

テクノロジー株(特にNASDAQ)はイーロン・マスク氏と親和性がある面もあるが、サプライチェーン混乱の影響が大きく、短期的には急落。

日本株

リスクオフの直撃

米国依存輸出産業自動車機械電子部品など)が報復関税煽りを受け、大幅下落。

日経平均米国株に連動する形で急落し、ピーク比で20~30%下落もあり得る。

ドル円

• 乱高下の末、ややドル安に

• まずは「世界リスクオフ」でドル買い(円安)に振れる場面もあるが、米国リセッション懸念が強まれば「米金利低下→ドル売り」が台頭。

• 結局、1年目終盤には円高寄りになるシナリオが有力。

2年目:不況の深刻化と政策転換への萌芽

米国経済

リセッション深刻化

企業倒産失業率上昇が顕著に。公共部門の削減も進むため、内需が大幅に落ち込む。

インフレ需要減退が同時に起こり、スタグフレーション様相を帯びる。

マスク式“政府効率化”の進展

マスク氏はAIロボット導入、官庁の再編・統廃合など従来型の役所文化を大きく破壊し、1.5年で2兆ドルの削減をほぼ達成。

行政デジタル化のインフラがある程度整い始める一方、大量の公務員・関連業者が職を失い、社会的摩擦が激化。

政策転換の準備

トランプ氏は2年目後半から支持率低迷に直面し、選挙を見据えて「段階的な関税緩和」「大幅減税」「FRBへの利下げ圧力」を示唆し始める。

• 裏では主要貿易相手国との関税交渉模索するが、世界各国との対立は依然続く。

世界経済

ブロック化の進行

米国を除外した新たな通商圏や地域協定アジア欧州間、その他地域間)が進み、世界経済の分断が形作られる。

• ただし、米国と結びつきが強い国は、米国経済の早期回復に期待をかけつつ交渉を続ける。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 下落余地は残るが、2年目後半に底打ちの気配

• 前半は企業収益悪化が顕著で、さらなる下値模索が続く。

• ただし、トランプ政権が“関税緩和”や“減税”に言及し始め、マーケットは早期回復シナリオを織り込みにかかる。

• 2年目後半~年末あたりに株価は底打ちする可能性が高い。

日本株

米国依存からの脱却を模索

自動車電子部品など対米輸出のウェイトが高い企業不振が続くが、中国東南アジアなどへの輸出・投資シフトが進む。

米国株の底打ちが見え始めるにつれ、日本株にも買い戻しが入り、年末にかけてやや回復

ドル円

FRB緩和への期待でドル圧力

リセッション深刻化に対応してFRBが利下げ・量的緩和(QE)に動く見通しが強まりドル圧力が続く。

• ただし、財政赤字の大幅抑制政府効率化)が進んでいるので、国債市場はある程度安定しており、「過度なドル売り」にはなりにくい。

• 全体として、やや円高寄りのレンジ形成

3年目:関税税制金融政策の同時緩和スタート

米国経済

• 漸進的回復局面

トランプ氏が貿易交渉で譲歩を見せ、主要国との関税の一部撤廃・緩和を始める。報復関税も徐々に解除され、輸出産業に光が差す。

イーロン・マスク主導の行政改革で浮いた予算の一部を、**減税やインフラ投資技術投資宇宙AIエネルギー)**などに再振り向ける余地が生じる。

FRBは大規模な金融緩和実施中のため、低金利環境投資・消費を下支えし、景気が持ち直すきざし。

世界経済

米国との和解進むが、ブロック化は完全に解消せず

• 3年目に入り「米国部分的に再連携しよう」という動きが出るが、すでに他国同士の経済ブロックがある程度進んでおり、米国が以前の覇権地位をすぐに取り戻すのは難しい。

世界全体としては米国回復が牽引役となり、株式市場国際貿易回復が見え始める。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 本格的反発

• 2年目の底から大幅にリバウンドが続き、3年目後半には年初比で二桁台の上昇が期待できる。

特にテクノロジーEV宇宙関連など、マスク改革恩恵を受ける成長株の反発が顕著。

日本株

外需回復を織り込んで上昇

米国向け輸出のマイナス要因が解消に向かうため、自動車機械セクターなどが反発。

アジア市場との結びつき強化も進み、日本株全体としてリバウンド基調が強まる。

ドル円

• 追加緩和と回復期待が交錯

FRB量的緩和や低金利政策継続する一方、米国経済回復期待で「ドル買い」も起こるため、レンジ内での変動が想定される。

• 大幅なドル高には行きづらいが、ドルが底堅く推移してやや円安方向に振れ始める可能性。

4年目:大幅飛躍と政治クライマックス

米国経済

• “二段ロケット”の後半噴射

関税大幅緩和・税制優遇投資減税、研究開発減税、法人税減税など)・FRBの低金利政策トリプル効果で、企業収益・消費マインドが急回復

イーロン・マスク氏が推進した行政改革が一応の形となり、デジタル化や官民連携が進んだ結果、行政コストは低減。財政一定の安定を見せている。

失業率が大幅に低下し、GDP成長率も一気に3~4%台(あるいはそれ以上)に跳ね上がるシナリオも。

世界経済

米国回復世界経済を再牽引

米国需要増と技術投資が、各国の輸出・イノベーションにも波及し、世界経済の成長率が高まる

• ただし、前半2年の対立で生じた「他国主導の経済ブロック」は残存しており、以前ほど米国が圧倒的な主導権を持つ状況には戻らない。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

過去高値更新する可能

• 3年目の勢いをさらに加速させ、IT宇宙EVバイオテックといった成長セクターを中心に、株価は急伸。

ドットコムバブル金融バブル時並みの高騰を警戒する声も出るが、4年目後半までは勢いが続く可能性が高い。

日本株

外需拡大と円安傾向で上昇

米国景気の回復に伴う輸出拡大や、世界的な投資マネー流入日経平均TOPIX高水準へ。

特に自動車ハイテク機械など、米国市場と連動しやすセクターが牽引役になる。

ドル円

• 緩和縮小観測→ややドル

米国経済が急回復するにつれ、FRB量的緩和の縮小(テーパリング)や利上げを模索し始めるため、ドル高要因が強まる。

• 4年目後半には「100円割れ円高)」から「110~120円台へ反転(ドル高)」 といったシナリオもあり得る。

• ただし、市場がいったん過熱すると、その後の反動安(株・ドルともに)リスクも常に抱える。

まとめと評価

1.最初の2年(1年目・2年目)

トランプ氏の強硬な高関税イーロン・マスク氏の大規模な政府効率化により、米国経済リセッションさらに深刻化。

米国株はピーから20~40%程度の急落を経験し、日本株も連動して下落。ドル円は乱高下しつつ、やや円高方向へ。

2. 3年目・4年目

関税引き下げ、減税、FRB金融緩和など“反転攻勢”が本格化。大規模リストラ行政改革一時的スリム化した米国経済がV字ないしU字型回復を見せ始める。

• 4年目には株価過去高値更新し、GDP成長率も高水準に回復する可能性。ドル円も利上げ観測を伴ってややドル高に振れ、**前半の不況から一転して“好景気”**のムード

3.リスク・実行上のハードル

最初の2年で経済社会が「ボロボロ」になるほどの衝撃を受けるため、政治的・社会的な軋轢が頂点に達し、政権が安定して改革継続できるかは甚だ疑問。

世界各国との対立が長引くと、サプライチェーン貿易ルートを恒久的に失い、後から関税を下げても回復が難しくなる恐れ。

イーロン・マスク式の“破壊改革”が官僚機構適用され、すんなり2兆ドルの削減が成功する確率は低く、社会不安政治的混乱も巨大化し得る。

4. 最終評価

• 仮にこのような“超強硬→超緩和”の二段ロケット成功し、マスク氏の革新性とトランプ氏の大胆な政策がうまく噛み合えば、4年後には米国経済が“大きく飛躍”するシナリオは描ける。

しかし、現実には政治外交社会面での大きなハードルがあり、失敗すれば長期的な混乱と国際的地位低下につながるリスクも大きい。

最終的なイメージ

1. 1~2年目:米国世界株とも大暴落ドル円は乱高下後に円高圧力

2. 3年目:関税緩和&減税&金融緩和株価急反発、ドル円は底打ち

3. 4年目:改革の成果が実体経済に波及し、米国株は史上最高値更新ドル円も利上げ観測でややドル高へ。

これはあくまで「うまくいった場合」の筋書きであり、トランプ氏の強硬路線マスク氏の改革スムーズに進む保証は皆無ですが、“最初の2年間で犠牲を払い、大きく構造転換をしてから一気に回復”というシナリオを、株式為替視点から描くと上記のような推移が考えられます

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2025-01-23

日銀多角的レビューから見える「日本経済の病」と「処方箋

https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/index.htm

年末日本銀行が、25年間の金融政策検証する「多角的レビュー」を発表した。これは、まるで長年の病に苦しむ患者が、ようやく自らの病状を詳細に記録し、分析を始めたかのようだ。しかし、オーストリア学派経済学者デ・ソト氏の言葉を借りれば、これは「日本経済の病」と呼ばれる症状の分析に過ぎない。日銀は、過去政策検証するだけでなく、なぜ「病」が発症し、そして今もなおその症状が続いているのか、本質的な原因に目を向けるべきだ。

1960年代から1980年代初頭、日本経済世界から羨望の眼差しで見られた。しかし、それは硬直した経済構造、過剰な規制、介入主義、そして何よりも、金融操作と信用拡大による巨大なバブルの上に築かれた虚構繁栄に過ぎなかった。1990年代初頭、バブル崩壊すると、日本経済は長期にわたるデフレ突入した。日銀は、量的緩和ゼロ金利マイナス金利など、あらゆる政策を試みたが、デフレから脱却することはできなかった。

バブル崩壊後の金融危機には、4つのシナリオが考えられる。①際限のない資金注入によるハイパーインフレ、②銀行システムの完全崩壊、③経済構造自発的リストラ、そして④経済の硬直化を温存したままの、大規模金融緩和と公共支出継続による「日本化」。日本が選んだのは、残念ながら最後の道だった。日銀は、バブル崩壊後の混乱を収めるために、金融緩和という名の麻薬を使い続けた。結果、企業は自らリストラするインセンティブを失い、生産的な資源旧態依然とした非効率な分野に滞留した。

これは、オーストリア学派がいう「投機バブルと信用膨張」がもたらす当然の結果だ。

アベノミクスは、日本経済を刺激するための最新の試みだったが、結局は過去政策の焼き直しに過ぎなかった。異次元緩和財政出動、そして円安誘導は、一時的効果はあったものの、結局は根本的な問題には何も対処しなかった。その結果、日本世界で最も債務を抱えた国となり、デフレは完全に払拭されなかった。

デ・ソト氏が指摘するように、これはまさに「経済日本化」の症状そのものだ。問題は、経済の硬直性。すなわち、過剰な規制、高い税金抑制のきかない公共支出、そして企業家の士気低下である

オーストリア学派視点から見れば、日本経済回復するためには、マクロ的な金融操作ではなく、ミクロ的な構造改革こそが必要だ。それは、規制緩和、労働市場自由化税制改革、そして公共支出の削減である。利潤に課税する税制を改め、資本を蓄積し、生産性を向上させるための政策こそが求められる。

日銀は、大量の資金注入や金利操作固執するのではなく、経済自発的リストラするインセンティブを創出することに注力すべきだ。

さらに、日銀が行ってきたゼロ金利マイナス金利政策は、人為的金利操作しようとする試みに過ぎない。市場経済において、金利資源配分を効率化するための重要価格シグナである。このシグナルを歪めることは、経済全体を歪めることに繋がる。デ・ソト氏が指摘するように、マイナス金利は、人々に「何もしないこと」を奨励し、経済無気力さら助長する。

また、ゼロ金利政策は、財政赤字を無制限自動的ファイナンスするために使われるため、政府構造改革に取り組むインセンティブを奪い、ポピュリズム蔓延させる。

日銀は、金利という重要シグナルを歪曲してはならない。

中央銀行家たちは、自分たち市場を動かせると思い込んでいる。しかし、過去政策が示すように、それは幻想に過ぎない。

彼らは、金融緩和策という麻薬を使い続け、一時的快楽を追求するうちに、経済麻薬漬けにしてしまった。もはや、麻薬がなければ経済は立ち上がることができない。

この悪循環を断ち切るためには、金融政策万能という幻想を捨て、市場自律的回復力を信じるべきだ。

構造改革を断行し、企業家精神を解き放ち、経済ダイナミズムを取り戻すことこそが、真の解決である

日本銀行は、過去金融政策を徹底的に見直し、その限界認識すべきだ。日銀にできることは、物価を安定させ、市場機能を維持することだけ。経済成長や雇用創出は、企業家精神と自由経済世界に任せるべきである

金融財政刺激策は、一時的な痛みを和らげる効果はあるかもしれないが、根本的な問題解決することはできない。根本的な問題とは、経済の硬直性、すなわち、過剰な規制、高い税金抑制のきかない公共支出、そして企業家の士気低下である。これらの構造的な問題に正面から取り組まない限り、日本経済の病は癒えることはないだろう。

日銀が本当に経済健全化を望むのであれば、金融政策限界を認め、構造改革を促すようなメッセージを明確に示すべきだ。そして、デフレ脱却という短期的な目標を追いかけるのではなく、長期的な繁栄の実現に焦点を当てるべきである

今回のような「多角的レビュー」が、そうした正しい政策判断のための貴重な一歩となることを、切に願う。

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2025-01-18

anond:20250118062303

AIに尋ねたら、"リフレ政策の支持者は、経済活性化させるために中央銀行が無制限紙幣を発行することが必要だと主張します。"についての増田反論はその通りだそうな。

リフレ政策リフレーション政策)とは、経済活性化させるために、一般的には中央銀行金利を低く保ったり、資産購入(量的緩和)を行ったりして、貨幣供給を増やすことを指します。つまりリフレ政策目的は、経済を刺激するために貨幣供給量を増加させることです。

しかし、リフレ政策の支持者が「無制限紙幣を発行することが必要だ」と主張することは、通常はあまり見られません。リフレ政策基本的な考え方は、経済需要不足やデフレを解消するために貨幣供給を増やすことにありますが、「無制限に」という表現現実的ではなく、過剰なインフレを引き起こすリスクも伴います

また、リフレ政策に対する支持は、無制限お金を発行することを前提とするわけではなく、適切な貨幣供給の増加とバランスが求められます。過度に紙幣を発行すれば、インフレが加速し、経済に悪影響を与える可能性があるため、慎重な政策運営必要です。

したがって、リフレ政策の支持者が「無制限紙幣を発行するべきだ」と主張するのは、一般的には過度に単純化された主張であり、経済政策の実際の議論とは乖離しています

②"1920年代ドイツでは、過剰な通貨供給ハイパーインフレ引き起こし、人々の貯蓄は一夜にして無価値になりました。"に対する増田反論についてもAIに尋ねたが、「供給不足自体インフレを引き起こす要因の一部であったとしても、過剰な通貨供給が最も重要な要因であるという点が経済史学者の一般的見解」とのこと。

「過剰な通貨供給ハイパーインフレ引き起こした」という見解が、一般的には妥当とされていますが、反論一定理由があるため、その背景を理解することが大切です。

ドイツハイパーインフレの原因

1920年代ドイツハイパーインフレは、第一次世界大戦後の複雑な経済状況に起因しています戦争の結果、ドイツ経済は壊滅的な打撃を受け、生産能力は著しく低下しました。また、戦後賠償金支払い(ヴェルサイユ条約による賠償金)が大きな負担となり、その支払いに備えてドイツ政府通貨を大量に発行しました。この通貨供給過多がインフレ引き起こし、最終的にはハイパーインフレに至りました。

反論観点

反論の主張は、戦争による生産能力の壊滅とその後の供給不足がインフレの原因であり、通貨を刷りまくった結果として必要物資を購入しようとした政府の行動が原因ではなく、インフレが生じた後にその対策として紙幣が大量発行されたという点に焦点を当てています

実際、戦争での破壊的な影響と供給不足がインフレ悪化させたことは間違いありませんが、問題本質ドイツ政府賠償金支払いのために大量に通貨を発行したことにあります通貨供給の増加は、インフレさらに加速させ、最終的にハイパーインフレに至ったのです。供給不足自体インフレを引き起こす要因の一部であったとしても、過剰な通貨供給が最も重要な要因であるという点が経済史学者の一般的見解です。

結論

反論戦争後の供給不足と政府の行動を重視しており、これも一定の要素として理解できますしかし、ハイパーインフレ根本的な原因は通貨供給の過剰であり、経済史学観点からは「過剰な通貨供給インフレ引き起こした」という見解がより妥当です。

こういった説明妥当性について検証したければ、検索型のAIに聞けば根拠とした情報源も出してくれるわけだし、ほんと、会議AIを同席させるのはもはや必須と思える。

Permalink |記事への反応(1) | 07:36

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2025-01-07

anond:20250107222500

白川総裁は利下げや量的緩和ETF買い入れとか緩和的な政策ばかりして利上げも量的引き締めもしてないんだがな

外国金利が下がったか円高になっただけで意図的円高にしてたわけではない

Permalink |記事への反応(0) | 22:32

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2024-11-02

anond:20241102202406

日本インターネットで、かつてこんなことが言われていました。「日本借金問題ないよだって自分借金してるようなもんなんだからさwお金なんて日銀がじゃんじゃんすればいいだけw」これは正しいことなのでしょうか。


chatGPT

この意見には一部の真実が含まれていますが、全体としては誤解を含んでいます日本国債についての一般的議論で出てくる「借金自分にしている」という表現と、「日銀お金を刷ればいい」という考え方には、以下の点で注意が必要です。


1. 「自分借金をしている」について

日本政府債務国債)の多くは国内機関個人保有しています。このため、「自分借金をしている」といわれることもありますしかし、これは単に国債保有者が国内に多いことを指しているだけで、借金免除されるわけではありません。政府借金を返済できなくなれば、国内金融機関年金機構などが大きな影響を受け、国民生活にも悪影響が及ぶ可能性があります


2. 「日銀お金を刷ればいい」について

中央銀行である日銀国債を買い入れて通貨供給量を増やす量的緩和政策は、日本経済成長を支える一手段として実際に使われていますしかし、これは限界があり、通貨供給量を増やし続けると、将来的にインフレが進むリスクが伴います。これにより物価が高騰すれば、国民生活が困窮する可能性があります。また、過度な量的緩和通貨価値が下がる「通貨安」につながるリスクもあり、対外的な信頼を損なう可能性もあります


3.インフレと金利のリスク

日銀国債を買い続けることで金利が低く抑えられ、財政の維持が容易になりますが、インフレ率が高まった場合には金利を引き上げる必要が生じます。そうなると、政府国債の利払いコストに苦しむ可能性が高まります。結果として、財政破綻のリスクが浮上する可能性も否めません。


結論

日本借金問題ない」「日銀が刷れば解決」というのは表面的な見解であり、実際には制約やリスクが多く存在します。日本債務問題には慎重な対応が求められ、持続可能財政運営必要です。

Permalink |記事への反応(0) | 20:32

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2024-10-16

長年投資してる増田だが、反投資増田を見てるとメシが美味い

投資関連エントリホッテントリに入ると、5〜7番目ぐらいにあって、一定スター集めてるブコメね。

 

概ね「投資ギャンブルと同じ」「アベノミクスor量的緩和で1ドル500円になる」「日本経済は終わった。ハイパーインフレは近い」「NISAは国の陰謀」的なブコメなかには「投資で儲かっているヤツらがムカつく。メシウマしたいか暴落しろ」みたいなのも。

 

このブコメのような方々が色々言っている間に、私は投資勉強して、リスクを取ってコツコツと売買した結果、「投資20年で資産1億突破して、配当だけで年収500万超えたけど、ねぇどんな気持ち」って聞きたくなる。株関係税金だけで年間200万〜300万ぐらい払ってるから、国にも貢献してますし。

 

しか資本主義社会に生きていながら、投資否定するってのは全く分からん。中露ですら(擬似)資本主義やってるんだから、これを否定したら地球上で生きていけるところなどほとんど無いというのに。

Permalink |記事への反応(1) | 21:17

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2024-08-01

日本人が利上げを意識するにあたって最も重要なことは、量的緩和のような金融政策で楽して経済復興させようなどという甘い幻想から目を覚ますことだ。

その意味では、欧米との金利差がさほど縮まることがなくても、日本人が真面目に働くということを思い出す良いきっかけになるだろう。

一方で、日銀為替介入については疑問が残る。いくら介入とはいえ為替の中では誰もが市場参加者なのだから

誰にも気付かれないうちに売り抜けました、ぐらいでないと日本人に要らぬ希望を持たせてしまう。

それを火遊びみたいに堂々とやってしまっては、ウケはいいかもしれないが衆愚的と言わざるを得ない。

何事にも誤りがあれば報いは受けるものだ。目先の動きだけで多くの人を動かせても、それが幻だとわかれば長くは続かない。

答えはずっとそこにあるし、動いてもいない。マイナスプラスに変わったからと言って、全てを変えることは不可能だ。

Permalink |記事への反応(0) | 10:47

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