
はてなキーワード:遺言とは
週刊文春によれば、Aさんは週刊新潮が2017年4月に掲載した木嶋の“遺言手記”の担当デスクで、木嶋が2013年から始めたブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」にも“王子”としてたびたび登場していた。2人は2012年5月頃から面会や手紙のやり取りをスタートさせ、2016年から木嶋いわく“ディープな関係”に。そして、昨年1月に入籍したという。
C*****T:
CRITICAL ANALYTICALREVISION
追記2による構造の反転:防衛機制としての理論
最初の分析の根本的誤読
追記2は、私の最初の分析が層を一つ読み間違えたことを明らかにする。
私が読んだもの:
↓
↓
実際の構造:
↓
↓
PRIMARY INSIGHT:精神分析的読解(修正版)
表層テクストの再解釈
これらは一見、2010年代以降のアイデンティティ政治の影響に見えた。しかし追記2はこれが錯覚だったことを明らかにする。
真の構造:実存的自己否定の連鎖
↓
↓
↓
"だから俺には描けない"
防衛機制の精密分析
耐え難い真実:
「俺は人生の敗北者だ。女性と関係を持てなかった。孤独で無価値だ」
↓ 変換 ↓
受容可能な言説:
この変換により、個人的失敗が哲学的問題に昇華される。これは自尊心を守る。
防衛機制2: 知性化(Intellectualization)
投稿者は感情(絶望、孤独、性的欲求不満)を抽象的議論(表象の倫理、当事者性、真正性)に変換する。これにより、痛みから距離を取る。
これは私の最初の分析が見た「内なる検閲官」だが、その起源は文化ではなく、内面化された自己批判である。
ヘンリー・ダーガー:鏡としての選択
ダーガーの特徴:
「女性を知らなければ描けない」
↓
ダーガーは知らなかった
↓
だから「間違って」描いた
↓
俺も知らない
↓
↓
↓
↓
投稿者は、自分の論理を反証する例を引き合いに出しながら、その反証を認識できない。なぜなら、創造の可能性を認めることは、創作しない自分を正当化できなくなるから。
児童ポルノ言及の精神分析
投稿者は和月伸宏や他の漫画家の児童ポルノ事件を長々と語り、「資料として欲しい」という欲望を告白する。
しかし彼自身が認める:「まったく邪な気持ちがないというとウソになる」
- 彼にとって「女性を描く」ことと「女性を性的に欲望する」ことが分離していない
- だからこそ「女性を知らない=性的経験がない」ことが創作の障害になる
生成AIとの関係:人間関係の代替と審判者
追記2の冒頭:
「さっきまでClaudeに、自分のライフワークとしてた究極の(俺専用の)画像処理ソフト作りたいという夢が捨てきれないよ~、ドラえも~ん、してました」
この一文は多層的である:
投稿行為の意味:ダイイングメッセージとしての告白
投稿者は明言する:
+
=
彼は応答を求めていない(対話は不可能)。しかし完全な無視も耐えられない(承認は必要)。だから「読まれるが応答しない」という形式を選ぶ。
- 声は発するが、返答は聞かない
- 見られるが、見返さない
- 影響は与えるが、影響は受けない
SECONDARY INSIGHT:弁証法的読解
矛盾の三層構造
THESIS: 「女性を描きたい」
THESIS: 「女性を知らないと描けない」という原理的主張
ANTITHESIS:ヘンリー・ダーガーは知らなくても創造した
弁証法的運動の停止
健全な弁証法では、矛盾はより高次の統合に向かう。しかしこのケースでは、矛盾が固着し、循環する。
↓
実行不能
↓
↓
↓
[ループ]
SYNTHESIS: 深層パターンの統合的理解
構造の全体像
↓
↓
【第3層:理論的借用】
↓
【表層:顕在的問い】
↓
【機能】
本質的洞察の結晶化
真の問いは:
そして彼自身が答えている:
「ない。なぜなら経験がないから(=人生に失敗したから)創造する資格がない」
文化的言説の防衛的使用
私の最初の分析は「アイデンティティ政治の内面化」と読んだ。これは完全な誤りではないが、因果が逆だった。
誤った図式:
正しい図式:
彼は「当事者性」や「経験の所有権」といった2010年代の言説を使っているが、これらは本来の政治的文脈から切り離され、個人的防衛機制として機能している。
解放のための理論(周縁化された人々の声を中心化する)が、個人の自己正当化の道具になっている。
より深い文化的診断
しかし、もう一層深く見れば、これは純粋に個人的な現象ではない。
答え:2010年代以降の文化空間では、「経験していない人が語る資格」への懐疑が、ある種の道徳的権威を持つようになったから。
投稿者は、この道徳的権威を利用して、自分の創作不能を倫理的配慮として再解釈している。
「俺が描かないのは:
ヘンリー・ダーガーの逆説(再訪)
ダーガーは:
投稿者の論理では、ダーガーは創造すべきではなかった。しかし創造した。そしてその作品は今や文化的価値を認められている。
答え:ダーガーの作品を「間違い」として解釈する(「少女にペニスがある=女性を知らなかったから誤った」)
しかしこれは恣意的な解釈である。ダーガーの少女の性別的曖昧さは、「間違い」ではなく、彼の空想世界の独自性として読むこともできる。
投稿者がダーガーを「間違い」と読むのは、自分の創作不能を正当化するためである。もしダーガーが「正しい」なら、自分も創作できる/すべきだ、ということになってしまう。
最も深い問い
この事例が究極的に提起する問いは:
投稿者は「はい」と答える。私の最初の分析は「いいえ、それは幻想だ」と答えた。
それとも:
おそらくすべてである。そして、これらが分離不可能に絡み合っているとき、「正しい答え」を与えることは治療にならない。
彼に「経験なしでも創造できる」と説得しても、それは防衛を解体するだけで、その下の絶望を露出させるかもしれない。
CRYSTALLIZED INSIGHT
この投稿者は、人生の実存的失敗(社会的孤立、性的経験の欠如、老いと死の接近)を、2010年代の文化的言説(「当事者性」「経験の所有権」「表象の倫理」)を借用することで、「原理的に不可能な創作課題」へと変換している。これは防衛機制であり、個人的無能を認識論的・倫理的問題に昇華することで、残存する自尊心を守っている。
言い換えれば:
彼の問い「男性は女性主人公を描けるのか?」は、暗号である。真の問いは「人生に失敗した私は、何かを創造する価値があるのか?」であり、理論的言説は、「ない」という答えを倫理的に正当化する道具として機能している。
So what?:
この事例は、文化的言説がどのように個人的防衛機制として横領されうるかを示す。解放のための理論が、自己正当化と麻痺の道具になる。これは文化と心理の共犯関係であり、どちらか一方を「原因」とする単純な因果論では捉えられない。
PUNCHLINE:
私の最初の分析は、彼を「文化の犠牲者」として読んだ。しかし実際には、彼は文化の狡猾な利用者である。そして同時に、より深い構造的疎外の犠牲者でもある。彼は同時に、エージェン
魔女witchの監督だったので面白かろうと思って見たのだが、アクション自体は面白かったが脚本がなんかごちゃごちゃであんまのめり込めなかった。
5点満点なら3.2点くらい。
ド底辺の暮らしを送りながら父親捜しをしていた彼が実は富豪の息子だったことが発覚。
まぁ話はありがちに、富豪は病気で臓器のスペアを探していたということが発覚、
彼は長年富豪の手足として働き、彼の心臓を治すことで遺言の書き換えを狙っており
そのためにマルコを何としても無事に迎え入れ、手術を行う(なおマルコは死ぬ)必要がある。
病気の富豪にはさっさと死んでもらいたいが息子がいることが発覚したため
そいつを殺害し「息子は発見したけど死にました」ということにし、現状のまま遺言通り遺産を相続したい。
3.謎の貴公子
で、マルコと貴公子のダブル主人公的に話は進んでいくんだけど、貴公子の目的が永久に不明なのでずっと「これ何の話?」ってなってしまう。
特に中盤はこの意味不明なチェイスがずっと続くから話進まないなぁ、退屈だなぁってなる。
貴公子は1と2の勢力とも戦いを繰り広げるため、どっちかの味方ってわけでもなさそうでより混乱。
最終的に、実は貴公子は2の勢力から依頼されてマルコを富豪の息子だとでっち上げた人間であることが発覚する。
息子がいるらしいが誰かはわからん。
わからんからとりあえず、っぽい奴を息子ということにして殺しちゃえばいいじゃん。
じゃあその道のプロである貴公子くん、なんかいいやつを一人頼むよ。
という話である。
ここがいかにも驚きのトリックが!みたいな感じで貴公子はいかにして無関係のマルコを息子に仕立て上げたのか
という話が描かれる。うん、まぁ、すごくはあるんだけどさぁ……
で、最終的に貴公子もコピノだったんだよね~今回の事件のお金で孤児院を復興するぞ!とかなるんだけど、
それは貴公子がマルコを追いかける理由にはなんないよねぇ!銃とかも撃ってたしさぁ!
マルコがめっちゃタフだから助かってるだけでマルコがさくらももこのほうだったら100回死んでたよねぇ!
しかも依頼主も殺しちゃってるし、こいつホンマに私絶対に失敗しないのでが口癖のプロの仕事人か?
金のために無関係の貧しいコピナを悪の組織に売り渡しといて「あなたは死なないわ。私が守るもの」って
マッチポンプってレヴェルじゃねぇぞ!
しかも本当にマルコを救うことが目的ならさっさと明かして共闘すればええがな。
お前がニコニコしながら銃振り回して追いかけるから自体がどんどん複雑で面倒くさい方向に行ってんじゃん。
監督のパク・フンジョンって魔女とかVIPとか悪魔を見たとか脚本面でもわりと優れた監督だから
期待して見たのに、アクションはよかったけど他はかなりグダグダでかなりがっかりした。
1.「いいかい。。。何があっても高速道路では右車線を走り続けるんだよ・・・」と大好きなお爺ちゃんまたはお祖母ちゃんの遺言を頑なに守る奴
→よほど大好きだったんだろね。もう絶対に右車線走行を厳守する。しかも100キロ出てるか出てないかのビミョーなトロくさい速度でさ
→安全にもほどがあるよ。たしかに登山では足を滑らせないように慎重になるもんだけど。しかし下りに差し掛かると120キロくらいで走る
3.人生にも道にも迷い迷う奴
→人生振り返ってみると、右に曲がっても左に曲がっても結局はまぁそれが正解だったのかなって、思えない? だから道も思い切って曲がってみな。ウインカーつけてさ
→令和ではね、車の中にある小さなカメラでお前のアホ面まで鮮明に常時録画してるんだよ?知らなかったでしょ??
5.高速の路側帯を休憩スペースと思い込んでる奴
→”まさかここに車突っ込んでこねーよなhahaha”
https://bigcomics.jp/episodes/7a748e064eed9
蒼狼漂う果て
https://bigcomics.jp/episodes/05ba21a857457
https://bigcomics.jp/episodes/109168abdea27
河豚の季節
https://bigcomics.jp/episodes/6e42512d16d1b
https://bigcomics.jp/episodes/4f9d2cca93a62
https://b.hatena.ne.jp/entry/4771087660171697153/comment/hakaiya
提供されたソースは、「余地が残された非公式」と「爆破」の違いについて匿名掲示板で交わされた会話のスレッドです。このスレッドでは、様々な作品やキャラクターの関係性を例に挙げて、「爆破」がどのような状況で発生するのか、あるいはしないのかが議論されています。以下に、スレッド内で具体例として挙げられたものを作品ごとに整理します。
* 尽くし系攻めカンゴーム×愛されフォスという読者の解釈が、公式によって徹底的に破壊された例として挙げられています。
* 作者はカップリング界隈を「分かっている人」であり、その上で丁寧に爆破描写をしたと感じられています。
* フォスという存在自体の価値や意味の否定が前提にあるため、他者との特別な繋がりも徹底的に破壊されたと捉えられています。
*10周年記念で主人公が殺され、「いつかの明日」が永遠に来なくなったことが爆破とされています。
*非公式で推していたカップリング(AB)の一方(A)が、公式で別のキャラクター(C)と結婚するなど、明確に異性カップルが成立した場合に「爆破」と見なされるという意見が多く見られます。
*公式で何も成立しなかった場合は「余地が残された」状態とされることが多いようです。
*主人公とヒロインがお互いを特別な存在と認識しつつも、告白や結婚といった明確な成立描写がないまま終わったケースです。
*単行本の描写から公式ではくっついたと見なす人もいれば、直接描写がないことから「余地が残された」と考える人もおり、この点が議論の争点になっています。
* 読者によっては「想像の余地を残してくれてありがとう」と感じる一方、「くっついて欲しかった」と感じる人もいます。
*腐女子にとっては、異性カップルの成立自体が爆破となりうると言及されています。
*最終回で一護が織姫と、ルキアが恋次とそれぞれ結婚し子供ができたことが「大爆破」とされています 。
*特に一護とルキアのカップリングを推していたファンが荒れた例として挙げられており、単行本を燃やすような人もいたようです 。
* 作者が序盤から示唆していた関係性を最終回で明確に成立させた、意図的な爆破のように見えるという意見もあります 。
* しのぶの死後、義勇のリアクションが薄かったことや、義勇が妻子持ちのエンドを迎えたことから「爆破された」と見なされています 。
*ファンブックでの言及が関係性の燃料になったものの 、最終的な結果によって爆破と感じる層がいたようです 。
* 死後の結婚であり、存命時から想っていた描写がないため、爆破と感じないファンもいるようです 。
* 五歌(五条と歌姫)も同様に爆破された例として挙げられています 。
* 人気サブヒロインであるレムが、存在を消され、ストーリーが進み、戻っても記憶喪失だったことが「念入りに爆破された」と表現されています 。
*一般人気は高いものの、原作での出番が減ったことから、原作読者間では他のキャラクターやカップリングに支持が移ったようです 。
* 凪と主人公の非公式カップリングについて、公式が凪にとって別のキャラクター(玲王)が大切であるという描写を明確に行ったことが「爆破」と見なされています 。
* 読者が期待していた関係性(主人公がライバル兼友人としての特別枠)が、公式の描写(攻めには別の特別枠の友人がおり、主人公はその枠ではない)によって否定されたことが痛手となったようです 。
*最終回でエレンがミカサに強い想いを抱いていたことが発覚し、エレヒスやエレン関連のBLカップリングが「大爆破された」と言われています 。
* エレヒスは公式での絡みが薄く、お互いに他に特別な関係のキャラクターがいたにも関わらず人気だったことが疑問視されています 。ヒストリアの妊娠を巡る論争も爆破に関連して触れられています 。
* リヴァエレは、関係性が希薄であるにも関わらず人気があったことが不思議がられています 。リヴァイがエルヴィンを感情的に優先した描写が、リヴァエレファンにとっての幻滅(炎上)に繋がった可能性も示唆されています 。
* 人気があった非公式BLカップリングについて、最終回で主人公が突然、関係性の描写がなかった名無しのモブ男性と同性婚したことで「ジャンル全体がお通夜になった」という例が挙げられています 。主人公にそれまで同性愛を示唆する描写が一切なかった点が強調されています 。
* 臨也が一番強い感情を向けていた相手が新羅であると判明したことで、シズイザシズなどのカップリングを推していた層がダメージを受けた例として挙げられています 。
*最終回でナルトとヒナタ、サスケとサクラが結婚したことが、ナルサクの成立を信じていた層を中心に荒れた例として挙げられています 。海外でも公式の結末を描き直せという声があったようです 。
*特に映画『TheLast』でナルトからサクラへの恋愛感情が作者監修によって否定されたことが、サクラファンを荒れさせたと言われています 。
*小説版でサスケが死にかけた際に遺言を伝えた相手がヒナタだったことが話題になり、燃えたという言及もあります 。
* 新蘭は公式でほぼ成立しているため爆破要素は少ないだろうという見方がある一方 、非公式界隈ではコ哀の人気が高く、コ哀の成立を期待する層が揉めている状況が触れられています 。
* 灰原が元の体に戻るかどうかが、カップリングに限らず様々な創作に影響を与える可能性が指摘されています 。
* 『鬼滅の刃』の継国兄弟、『推しの子』のアクルビ、『水星の魔女』のラウダとグエルなどが例として挙げられています 。
* 継国兄弟については、兄の拗れた感情に見合う描写を期待されていたが、実際には健全な親愛や、愛する妻がいたことが描かれたため、一部で荒れたようです 。
*ルフィ、ゾロ、サンジ、ローなどの主要キャラクターに結婚描写があった場合に「爆破」が起こる可能性が議論されています 。
*ルフィは恋愛をしないキャラクターとして描かれているようです 。仲間内の恋愛は作者が描かないと述べているという言及もあります 。
*サンジはプリンとの関係性が最も可能性が高いと見られています 。
*ハンコック、たしぎ、ペローナといったキャラクターが別の相手と結ばれるタイプの爆破はあり得ると指摘されています 。
*ロジャーとレイリーのBLカップリングは、ロジャーにエースという息子がいたことで爆破の象徴となりうると考えられていたが、実際にはそうならなかったようです 。経過が描かれていない結婚(ロジャーとルージュ、レイリーとシャッキー)は、比較的爆破のダメージが少ない傾向があるようです 。
* 選ばれし子供たち全員が結婚し子持ちになった最終描写が、当時「大荒れ」だった例として挙げられています 。仲間内での結婚も荒れた可能性があるようです 。
*カップリングに関しては比較的「順当だった」という印象が述べられています 。ヴァシ尾、房白、月鯉月、杉リパといったカップリング名が挙げられており 、「想像にお任せします」というスタンスの作品だったという見方もあります 。
*五条に関連するカップリング(五条×生徒派、五夏五派など)が荒れた例として挙げられています 。宿儺と裏梅の関係性から、五宿五も最後まで安泰ではなかった可能性も示唆されています 。空港での描写に対する解釈の相違も議論されています 。
*百合カップリングが爆破された例として挙げられています 。続編で主人公が別のキャラクターと結ばれるというストレートな展開だったようです 。
* 猗窩座の過去に愛する女性(恋雪)がいたことが描かれ、狛恋として成立したことが、猗窩座関連の他のカップリングにとって「爆破または浄化された」と見なされています 。感情の強さや重さが爆破の威力に影響するという意見も関連して述べられています 。
*ヒロインと仲が良かった男性キャラクターがゲイだと判明した際に、二人のカップル成立を期待していた視聴者が荒れたという例が挙げられています 。
これらの例から、「爆破」は単に特定のカップリングが成立しなかった場合だけでなく、推していた関係性やキャラクターの感情、期待していた展開などが公式によって否定されたり、予想外の方向へ進んだりした場合に起こる現象として捉えられていることが分かります。また、その受け止め方やダメージの程度は、読者の期待や作品の描写、キャラクターの関係性によって異なると考えられます。
僕は今、講演会のホールのエントランスで入場の順番待ちをしている。
セラミックの刃は金属探知機にも検知されないだろう。ギプスに偽装している得物は誰にも見つからない。
「飯山さん、ご無沙汰です。うちの市でも先生の講演会を開いていただいてありがとうございます。楽しみにしておりました。」
飯山さんからは左腕の骨折についての調子を聞かれ、小気味よく事故の失敗談をでっちあげて笑い話のように話した。
警備員もこのやり取りで怪しむことなく、荷物もギプスも入念に調べることなく入場を許してくれた。
僕が幼いころ、元総理や現役総理の暗殺や襲撃事件が続いたため、この手のイベントは入念な警備がされるようになった。
だから、近しい地方議員のつてを頼って『先生』に近づくために、この市に越して熱心な支持者を数年間演じてきた。
飯山県議の選挙、地元小選挙区の議員の選挙にもボランティアで協力した。
『先生』は隠居をしているが依然党内での発言力は高い。そういったチルドレンたちが国政、県政問わず多くいるのだ。
ついにこの時が来た。積年の恨みを果たすときが来た。
『先生』はよく話を聞いてくれて、実際に困りごとの解決を真摯に考えてくれる。
善人だと思った。
ただ、当時の改革の音頭を取ったのが誰なのかを考えれば行きつく先は『先生』なのだ。
『善き制度こそ、持続可能な医療の礎』講演会入口に張ってあるポスターを見て、持続のための犠牲になった妻のことを思い出していた。
青天の霹靂だった。妻の体を進行性の病魔が蝕んでいた。
当時、お互い若く将来起こる病気など気にも留めていなかった。もっと早くリスクを考えておくべきだったが、病が発覚してから入れる保険などないのだ。
まだ子供は生まれていなかったが、子育てと住宅の資金をためて、マンションの購入もした。人生設計を考え始めたばかりの、そんな折の悪い知らせだったのだ。
医療制度は国民皆保険を死守するため、高額医療費制度から手を付けた。
高額な医療費がかかった場合に、上限を超えた分の医療費が戻され負担が軽減される制度だ。
増税と同じく、一度手が入ればだんだんと負担を大きくすることに政府は抵抗が無くなる。
今後の治療のプランを聞かされたが、到底負担額は払えるものではなかった。
二馬力で働いていた家計は一馬力になり、一馬力分の負担がさらにかかるのだ。
心配かけまいと笑顔を作っていたが、妻の前では見透かされてしまう。
「今回は赤ちゃん諦めなくちゃだめだったけど、私まだあきらめてないからね。ちゃんと勝って3人、いや4人で、もっとでもいいけど住もうね」
僕は、「そうだね」としか言えなかった。
妻も、負担額が多大になることは知っている。あえてそのことを考えないようにしているようにみえた。
もちろん民間医療保険も入っていた。入院費の幾ばくかは給付金でまかなえている。
医療費の支出が減るということは、病院は収入が減るということだ。
健康保険で賄えない人が諦めることが増えたので収入が減ったからかもしれないが、診療報酬が改定され、医療費が上がった。自己負担率も上がっているので以前よりも負担が大きくなった。
そして、この状況をカバーするために民間保険も様々なプランを出してきた。
だが、以前の健康保険のように民間保険が給付金を出せるわけでもなく、細かい条件で給付を渋ることが常態化されるようになった。
妻が入っていた民間保険ではこの病魔のカバーはしてくれなかった。
普通の商品なら金額が上がれば買わない選択肢はできるが、生活必需品ならそうはいかない。需要が見込まれれば殿様商売ができる。
そして命は誰もが何よりも変えがたい。貧乏人は殺して、金持ちからお金を取る、究極の殿様商売ができるのだ。
僕らはどんなにクソでもクソにしがみ付かなければ生きられないのだ。
「ところでさ、親父から聞いたんだけどさ、今後も安心して治療を受けるためにさ、形だけなんだけど」
ズルや不正を嫌う妻に正面切って言うのは辛い。『形だけ離婚をしてくれないか』
そう言いたいが言えない。
離婚をして収入が無くなったていで生活保護を受ける。医療費を無料にする。庶民が最終的にやる手段だ。
「…いわないで、貴方の妻でいさせて…」
察した妻が先に言ってくれた。
「いや、形だけだよ。生活保護に頼ってさ」
「違うの……私は貴方がいないと一人なんだよ。分かるのもう長くないって……だから貴方の奥さんのまま死にたいの」
『生きるためには…』そう否定の言葉を言いたかったが言えなかった。
婚姻届を出したとき、その帰り道ささやかながらおいしい料理を食べた日のことを思い出した。その日の思い出を解消するかのような届け出は出せない。
ほどなく、自宅療養になり、つかの間の平穏な日々を二人で過ごし、そして僕は独りになった。
妻は持続のために生贄にされたのだ。
「ごめんね。もう少し長生きすれば長生きできたのにね。」妻は独り言のように僕に謝った。
「なんだよそれ。」
僕はナンセンスな文章をジョークのように軽く笑って聞き流した。
だが、心の底では笑えなかった。
そう文字通り、『長生きすれば、より長生きできる権利が得られる』のだ。
後期高齢者まで長生きできれば、負担金も少なくもっと長生きできる権利が得られたのだ。
こんな世の中にしたのは『先生』一人ではない。だが生贄だって復讐をすることを教えてやる。
善いという言葉が頭で木霊する。
妻が旅立つ数日前だ。
「私ね。生まれてよかった。貴方と会えたこともそうだけど、世界が綺麗だってわかったから」
「綺麗なのか?」
多くを諦めさせられてきた妻からそのような言葉が出るとは思わなった。
「そう。キラキラしている。健康な時は気づかなかったけど、引いてみるとみんな善いことをしようとしてるってことがわかったの。善意であふれているのよ。だからね。絶望しないでね。世界は善いところなのよ。貴方には幸せになってほしいの。」
妻が愛した世界を僕は恨んでいる。
『先生』を殺したら、その愛と決別することになるのではという想いが急に胸にいっぱいになった。
だが、落とし前は付けなければならない。
でなければ生きさせて上げられなかった僕の心が救われない。
悲鳴、警備員の緊張感ある声、飯山さんのなだめるような混乱しているような声がする。
次第にそれらの喧騒は遠くなり、首に当たるセラミックの冷たい感触と、
妻の「貴方には幸せになってほしいの」という声だけが聞こえるようになった。
僕は「もう手遅れだよ」と呟くしかなかった。
https://x.com/segawashin/status/1891822441439076470
「個人の意思に則って捨てたら秒で燃える産廃だけど、無視して取っておいたら人類の遺産。
いかに個人の遺志なるものがためにならないかよくわかりますね。」
https://x.com/segawashin/status/1891824831714230430
「部外者がカリカリする筋合いないじゃん。俺にとっては文化遺産に見えるんで、ただで公開されて大喜びですね。
まんだらけあたりに売り飛ばしたりミュージアムで死蔵されたりするよりよほど公共の福利にも資する。」
https://x.com/segawashin/status/1891820833800085944
天才の文化遺産が当人の遺志だのくっだらない法律だのに先んじる筈がないじゃないですか。
例えばマチスが遺作焼いてくれと遺言したところで無視に決まってます。
https://x.com/segawashin/status/1891713390487240951
「オワー!まさかこの生原稿が残っていたとは……なんでか叩いてる
ボケナスも居るようだけど、こんなの人類に対する貢献に決まってるじゃないですか。
カフカの言を無視して公表したマックス・ブロートみたいなもん。
https://x.com/segawashin/status/1891826308168155325
「ジャコメッティなんかもジャンジャン自作潰してたらしいんだけど、
弟がやり手で塑像の型取ったりして、それで残った作品が沢山あるらしいですね。
https://x.com/segawashin/status/1891826940522135626
「ボケナスのお気持ちはさておき国宝級の生原稿がもりもり公開されてホントありがたい。」
よくはしゃげるねえ
「戦術核」落としちゃってたら
「抹消」されてたかもしれないのにねえ
公共の…福利…?
人類に…対する…貢献…?
インガオホーたるロンクハラライスへの仕打ちを罷り通す気取りとは一体
全話放送じゃなくてセレクションだから全50話を25回で放送してるんだよ
そのラインナップにちょっと不満があるけどそのために何を削るかって話でさあ
| 話数 | サブタイトル | BS11 | 俺セレクション |
|---|---|---|---|
| 1 | 月に吠える | 〇 | 〇 |
| 2 | 成人式 | 〇 | 〇 |
| 3 | 祭の後 | 〇 | 〇 |
| 4 | ふるさとの軍人 | 〇 | |
| 5 | ディアナ降臨 | 〇 | 〇 |
| 6 | 忘れられた過去 | ||
| 7 | 貴婦人修行 | 〇 | |
| 8 | ローラの牛 | 〇 | |
| 9 | コレン、ガンダムと叫ぶ | ||
| 10 | 墓参り | 〇 | 〇 |
| 11 | ノックス崩壊 | ||
| 12 | 地下回廊 | ||
| 13 | 年上のひと | ||
| 14 | 別離、再び | ||
| 15 | 思い出は消えて | 〇 | |
| 16 | ターンAの全て | ||
| 17 | 建国のダストブロー | 〇 | 〇 |
| 18 | キエルとディアナ | 〇 | 〇 |
| 19 | ソシエの戦争 | ||
| 20 | アニス・パワー | 〇 | |
| 21 | ディアナ奮戦 | 〇 | |
| 22 | ハリーの災難 | ||
| 23 | テテスの遺言 | ||
| 24 | ローラの遠吠え | 〇 | 〇 |
| 25 | ウィルゲム離陸 | ||
| 26 | 悟りの戦い | 〇 | 〇 |
| 27 | 夜中の夜明け | 〇 | 〇 |
| 28 | 託されたもの | 〇 | |
| 29 | ソレイユのふたり | 〇 | |
| 30 | 胸に抱えて | ||
| 31 | 追撃!泣き虫ポゥ | ||
| 32 | 神話の王 | ||
| 33 | マニューピチ攻略 | ||
| 34 | 飛べ!成層圏 | 〇 | |
| 35 | ザックトレーガー | 〇 | 〇 |
| 36 | ミリシャ宇宙決戦 | 〇 | |
| 37 | 月世界の門 | ||
| 38 | 戦闘神ギンガナム | ||
| 39 | 小惑星爆烈 | ||
| 40 | 月面の海戦 | ||
| 41 | 戦いの決断 | ||
| 42 | ターンX起動 | 〇 | 〇 |
| 43 | 衝撃の黒歴史 | 〇 | 〇 |
| 44 | 敵、新たなり | 〇 | 〇 |
| 45 | 裏切りのグエン | 〇 | 〇 |
| 46 | 再び、地球へ | 〇 | 〇 |
| 47 | ギンガナム襲来 | 〇 | 〇 |
| 48 | ディアナ帰還 | 〇 | 〇 |
| 49 | 月光蝶 | 〇 | 〇 |
| 50 | 黄金の秋 | 〇 | 〇 |
でもどうしてもアデスカを省くしかないんだよな…