
はてなキーワード:炭火焼きとは
二人でお酒を少し飲んで2万5千円くらいのとこ。地方都市です。
湯葉の上にウニを乗せ自家製のポン酢醤油のジュレがかかっている。湯葉の優しい甘さとウニの濃厚さが合っている上にジュレがウニの濃さをさっぱりさせバランスを取ってくれている。1品目から居酒屋とは違う…
塩、わさび、土佐醤油とお好みで。ハタは5日間寝かせたらしい。刺身ってそんなに持つのか。甘味が強くもっちりしていて美味しい。アオリイカはねっとりしているが隠し包丁が入っていて噛み心地が良い。思わずあまーい!と言いたくなる。それぞれ3切れずつしかなかったけど全部塩で食えば良かったと後悔。刺身って塩で食う方が美味いのか…
特に工夫なく半分に切って上から自家製のポン酢醤油のジュレをかけただけ。なーんだ、と少しがっかりして食べたらさ1品目のポン酢醤油に比べ味が段違いに濃い、柑橘の味と香りが界王拳使ったんか?と言わんばかりに段違い。生牡蠣特有の生臭さが吹き飛んで美味い。パートナーは生の貝食えない人だったのに食ってるよ…
地元の奥で取れるらしい高い筍と鳴門のワカメ。そら素材は美味いけどこの出汁なんなん?雑味、えぐみという言葉が無い世界線に迷いこんだのかってくらい旨味しか感じられない透き通った味。思わず「うまっ!」って言ったら若い店主が「出汁にはこだわってるんですよ」と言ってくれた。恥ずかしい…
和食屋でレバーパテと思ったら看板商品らしい。レバーパテの上に栗のコーヒー煮を乗せ最中で挟んであり手で食べた。臭みもクセを取り払われてただただレバーの旨味しかないパテに栗の味が上乗せされるんだけどコーヒーのかすかな匂いと味がくど過ぎないよう止めてくれてるのよね~。こんなん至福すぎる。あと5個くれ…。季節によってイチゴだったりマンゴーだったりするらしい。
なにコレ?里芋じゃん。違うわ、里芋のねっとり感そのままに甘みが強くなってるわ。里芋よりスクールカースト上位に位置してたわ。里芋すまんな…
個人的ベスト。なんで脂と油を組み合わせてさっぱりと脂の旨味を純粋に堪能できるんだよ、意味分からん。行者ニンニクのおかげ?舌の上は確かに油まみれなのになぜかさっぱり感を感じてしまう。脳がバグったな…
若竹煮と同じ出汁に勢子ガニの内子と外子、身を混ぜて炊いたカブの上からかけたもの。プチプチ感やらカニの旨味が加わった出汁の旨さやら炊いたカブの上品な味がそれぞれ邪魔せず美味しく頂きました。贅沢な料理だな、が真っ先に浮かんだ感想です…
太平洋側でもアカムツ(のどぐろ)って獲れるのね。切り身に何度か熱した油をかけ、その後炭火で焼いたため皮がパリパリ、かつ半生状態のため脂が乗りに乗ったアカムツが最高の状態で味わえる。和食の魚料理ってよく焼きしかないと思っていたけど半生もあるのね。よく焼きの焼き魚は滅べと思ってしまった…。いや、鮮度によって仕方ないのは分かってますけど。
と言っても鍋ではなく信州牛プレミアムを割り下でレアに煮て、半熟の黄身を添えお皿に盛って提供される。こんなの旨いに決まってるじゃないですか。案の定旨味が脳天を突き抜けていきましたよ。
締めの一品。今まで食べたいくらの醤油漬けは醤油味が強すぎる、舌がツンツン刺激されるんだよ、今出してくれたいくらのように醤油が強すぎずいくらの美味しさを引き立たせる脇役くらいにしてくれ。醤油が違うのか、出汁の割合が違うのか分からんけど腹いっぱいだったのに思わずおかわりしてしまうほど美味しかった。あっさりしたいくらの醤油漬けってなかなか無いよね。
和食って素材勝負なとこあるし、高い店言っても大して変わらないだろ、と少しみくびっていた過去の自分を恥じてしまうくらい美味しかった。
また行こ。
早く寝られるようにと思ってるのよ。
ついつい夜ご飯を食べちゃったりすると
遅くなりがち。
とはいえ、
食べないわけにもいかずー
そんでさ、
気が付いたんだけど
何時間後に入れておいた洗濯物が開始される時間か終了する時間かは定かではないけれど、
だから
帰ってから洗濯物をすぐに干せる体制にタイマー運用しちゃおうか!ってところに気付いたの!
私って賢くない?
まだ試してないけれどどうなるかは分かんないわ。
全てを全部任せてしまって自分の担当作業時間をいかに短くタスキに長くしたいのよね。
だからこないだ寝不足気味だったシーズンは日中眠たくって眠たくって。
何度もアルプス山脈で活躍している救助犬に助けられそうになったことか。
まさにそんな感じなのよ。
私の目標としている6時間を切り出している平均値を叩き出していて
私は今シーズンなのかしら?ちょっと落ち着いた頃に食べても美味しい鰹のタタキに舌鼓を打ちながら
今日こそは!って寝るつもりでいるんだけど
ついついそこは遅くなりがち。
なんで遅くなってるかってのを自分で分析しないと分析できないわよね。
なんかついにHDDレコーダーが特定のチャンネルが映らなくなったので、
いや間違えた!
今さら新しいHDDレコーダー買うのもどうかしら?って思うし、
家電量販店で聞くところによると、
私の雰囲気イキフン調べなんだけど
そんな声も聞くし、
そうそうテレビってもう見ている暇がない!ってちょっと格好をつけているわけでも無いんだけれど、
『おむすび』ね!
麦わら帽子みたいなことを言い出すもんだからビックリしたところよ。
てっきりお腹を空かせたギャルにおにぎりを振る舞って助ける令和版アンパンマン物語おむすび編かと思っていたけど、
ちょっと違うみたい。
でもさ、
その時助けられた橋本環奈ちゃん主人公演じる「むすびん」が助けたギャルの仲間の「すずりん」が社会人になっても都合つけて「むすびん」の気になる高校野球球児の最後の試合に駆けつけてくれるのには胸熱だわ!
いつ行われてるか分からない昼間の高校生の甲子園出場を掛けた試合に駆けつけてくれるぐらいきっと麦わら帽子の物語熱いことがあって、
その恩義を多分「すずりん」は忘れずにいて
たぶん有給休暇を取ってきてくれたんだと思う!
泣けるー!
誰もそんなこと気にしてないわよ!って思うけれどたぶんそんな設定よ。
そんで、
いきなり今度は栄養士になる!って
多分これから私が予想するに主人公の橋本環奈ちゃん演じる「むすびん」が
そうよ!
あの糸島らへんの「むすびん」が暮らしていた故郷をモチーフにした駅弁を作ってプロデュースして、
そのお弁当に巻かれる紙の包みの
お弁当のタイトルと書道の力をここで発揮させる伏線回収の超展開!
これだわ!
そんでお弁当のタイトルは「松阪牛特製弁当」ってぜんぜん糸島も福岡も関係ないじゃん!ってさりげなく輝く松阪牛!ってジワるわ!
たぶんそうなると思う。
そんでさ、
橋本環奈ちゃん演じる主人公の「むすびん」がプロデュースするそのお弁当は、
今でもまだ間に合う駅のホームでまだやっている駅弁の立ち売りでやんの!
それで糸島どころか、
まあそもそもとしてナレーションのリリーフランキーさんも北九州っちゃ北九州だけど。
どちらかというと福岡県北部が盛り上がりそうな気配でこれからの展開が楽しみなのよ。
そして福岡も糸島もなにもぜんぜん関係ない上等な松阪牛を使った「松阪牛特製弁当」
いや「松阪牛・幻の極上霜降り炭火焼きと十二種の宝石食材が織りなす贅沢絢爛究極弁当~至高のひととき和風トリュフ仕立て~」ってなるの!
そしてそのお弁当のタイトルと書道の伏線回収で書く筆で書くんだけど
それぐらいの書き切れない勢いの長さのタイトルで
もうぜんぜん福岡名物とか入れるつもりないじゃん!って思うほど
それはなぜか松阪牛なのに折尾駅の駅弁の立ち売りで売られる爆売れして人気出るの!
それが私のこれからの展開だと思うわ。
私的にはぜんぜん福岡名物関係ないもはやトリュフが入っているところがどうしてもジワるわ。
でも福岡県の松阪さんが丹精込めて育てた松阪さんの育てた牛弁当って言ったら通用するかも知れないしきっとセーフだわ。
分からないけれど、
まだまだ先は分からないわね!
うふふ。
最高にネバネバ!
そうこなくっちゃ!って感じよ。
まあ、
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
EPUBをこしらえている中のデータ回収の副産物で生まれた、アトランダムで5つの増田をまとめたPlaceholderVersion第2号よ!
地味に作業を進めてるけれど、たくさんありすぎて途方もないわ。
まあそのお茶をヘソで沸かして濁して淹れた急須の綾鷹よりかはどうか分からないけど、お茶を濁せるかも!
こっちは適当にまた5つ集めてみたわよ。
奮発して、すげえ高いイタリアンのコースを食ったわけですよ(つっても庶民なので、ひとり一万円はしないくらい)(とはいえ、逆にいうと一万円近くはするわけだ!)
まあ美味かったですよね…
すべての皿に驚きがあり、それぞれの皿の中に変化があり、なんというか、たとえば俺が6畳の部屋で自炊したヤキソバを5分でかっ食らうような普段の「食事」とは雲泥の差があった
栄養補給とかじゃなく、あれはひとつの旅、ジャーニー、アドベンチャーだった
まあそれはうまいですよね フルーツと生ハムを一緒に食うっていうのは、さすがにガキじゃねえから概念としては知ってるわけですが、そうはいってもやはり日常的にはやらないわけだ
そういうのをサラリとやってきて、そんですげえうまいんだよ 生ハムもなんつうか、ひと山いくらの軟弱なやつじゃなくて、ハード系の、味に芯があるやつ 生クリームとイチジクの風味が広がる中で、流されずにそこにあり続ける
そんでベルガモットというのが一体なんなのか分かってないんだけど、たしかにオリーブオイルには何か華やかな風味がありました つまりうまいということだ
俺はじつは貝類がけっこうダメで、クセなんてほぼないホタテの貝柱すらわりと苦手としてるんだけど、カルパッチョなんていう生っぽい調理法なのに、このホタテは全然クセがなく、うまさだけがあった
食感もこう、なんの抵抗もないって感じで、なんていうのかな、流れるように過ぎていく一皿だったな
カンパーニュってなんのことか分かってないんだけど、まあなんかこう、硬めのパン?みたいなことだと思っている
そういう、黒っぽい、ハード系のパンがひと切れ、皿に置かれているわけですよ
華やかさは全然ない
ナメてんのか?と思いながら食うと、マジでびっくりするくらいうまい パンはパンであり、パン以上のなにか具なんかが入っているわけではないんだけど、もはや料理と言っていいくらい「味」があった
ランチパックのタマゴサンドとあのカンパーニュだったら、実際のところマジでカンパーニュのほうが「味が濃い」と言っていいと思う(ランチパックだって悪くはないけどよ!)
オリーブオイルとバルサミコ酢?が小皿でついてきて、それにつけて食うこともでき、そうするとまた非常にうまかった バルサミコ酢はブドウっぽさを感じさせる味わいで、少しジャムのようですらあった
たぶんコース全体の主食ポジションとして、ほかの料理と合わせてゆっくり食っていく想定で出てきてたんだけど、完全に単体で主役を張れる味だったというか、料理としてしか認識できないほどうまかったため、普通にすぐ全部食ってしまった…
牛乳ベースというか、生クリームベースというか、そういうクリーミーな白く冷たい液体の中に、粗いさつまいものペーストが入っている
塩気も甘味も控えめなんだけど、それがいい 滋味がある…というにはうますぎるんだが、しかし方向性としては滋味があるということになるんだと思う
さつまいもがペーストなのがよかった ペーストは底の方にいるんで、最初上の方の汁だけ飲んで、あー!確かにサツマイモだ!と思い、その後本当のサツマイモを発見する そういう流れがありましたね
これまでのメニューがどちらかと言えば「抑えた」食材だったのに対して、これはもう完全にメイン感のあるものだ サルシッチャというのはソーセージのことですからね
ロンティーユというのはレンズ豆のことみたいで、トマトベースの味付けがされたレンズ豆の煮付けが太いサルシッチャに添えられていて、バルサミコ酢もかかっている
全てを口に入れると、もう爆発的にうまい ここにきて肉の旨みだ それはまあうまいですよ
そんで、添えられたみかんマスタードも非常によい 北イタリアあたりにモスタルダっつう、果物のマスタード漬け料理があるらしく、それを意識したものらしい
粒マスタードのプチプチした食感、マスタードの風味、柑橘の爽やかさ これがサルシッチャに加わって最強となった
メインのメニューだ
これがうまくないわけがない
トリュフ塩・わさび・さっきのモスタルダという、3種類の調味料がそれぞれ皿の上にあって、好きに選んで食える
白アスパラガスが添えてあるんだけど、これがただ焼かれてるだけじゃなくて出汁で煮込んであって、単体でも美味い
トリュフ塩で食うと肉の甘みが後味に感じられる いちばん肉を食っている感じがする
わさびで食うと、なんというか爽やかだ 俺の表現力ではもはや美味いとしかいえねえ
ワンディッシュとは思えない複雑さであった
マスカルポーネチーズがひと握りくらい乗っていて、もうその時点で嬉しい
ニンニク、というよりガーリックと言った方がいいのかもしれないが、そのガーリックの香りが激しく効いていた
けっこう満腹感がでてきたところにパスタなんだけど、すぐ食えてしまうし、むしろもっとあってもいいとすら思えた
冷たく、なんというかソリッドな甘さ、というか在り方であり、コースの締めくくりにピッタリだった
渋かった もう一度食いたい
高えコース、うめえですわ
俺はわりと余計な金なんていらねえと思っていたけど、高えメシ・うめえメシをバンバン食えると思うと、金ってやっぱすげえわ
でも、高いからうまいってわけでもないとはもちろん思う いい店だからうまいんですよね
いい店だった……
Permalink |記事への反応(21) | 20:21
(蛇足)
ふるさと納税の年間上限額目安なんだけど、
https://www.soumu.go.jp/main_content/000408217.pdf
下みたいな感じで独身or共働きは年収650万になった途端急に金額あがるんだけどどういう計算なんだろ
600万:7.7万
625万:8.1万
650万:9.7万
675万:10.2万
給与の上がり幅と比べてふるさと納税に使える金額が急増して年末再計算して慌てちゃっただよ
(本題)
冷蔵庫と冷凍庫を圧迫する系はあんまり頼みたくないから要冷蔵・冷凍系は最小限として、今年は常温保存できるもの中心にしたんだけどあんまり正解がわからんからおすすめ教えてほしい
米、みかん、ヨーグルト、常温保存いける系レトルト(カレー・鶏の炭火焼き)
昨日書いたやつ 1/2
https://anond.hatelabo.jp/20231013202510
それから一年が経った。N子と交際していることは職場には内緒にしていた。
そんな折、コロナ禍がちょっと静まってたのもあって、あの時と同じ場所で新人歓迎のバーベキューが行われることになった。
当時はまだ青年部長だったので、手伝いとして参加することにした。T君も一緒だ。去年と同じくらいの人数が集まって、みんなでワイワイと騒いだ。
バーベキューが終わりかける頃だったか。飲み会の場だったガレージの出口あたりで、T君がN子とお喋りしていた。去年、N子と一緒に話をした炭火焼きのスペースだった。
N子はその時、大きなごみ袋をふたつ持ち上げて所定の場所に捨てに行こうとした。すると「一緒に行くよ」と、おそらくは勇気を出してT君が提案した。
周りの人は、「いい雰囲気だね」とばかり2人を推していた。ごみ捨て場に行くまでの相応の距離や、ごみの量や、その他の状況からして恋愛イベント以外の何物でもなかった。
N子は、ちょっと振り返って自分の方を見た。目が合うと、体をちょっと振ってモジモジしていた。T君が「重いよ。一緒に行こう」と言ってN子のごみ袋を取ろうとした。でも、N子はやっぱりもどかしい様子で、こっちの方をまた見た。
「N子さん。行こ!」と、T君が片手でN子の手首に軽く触れたところで、俺はすぐ近くに寄っていた。T君の方を向いた。それで彼の顔をまっすぐに見て、「付き合ってるんだ」とシンプルに言った。
T君は、ちょっとばつの悪い顔になって、ほかの皆は「えー……」みたいなボソッとした声が上がって、居たたまれない空気がガレージを覆った。
T君が「そっか。ごめんごめん。今後はさ、N子ちゃんと最低限しか話さないようにするから。本当ごめん」ってN子に言うと、彼女はこっちを振り返った。何か言いたげな視線で何秒かだけ見つめると、1人でゴミ袋×2を持って、ガレージ下の国道際にあるごみ捨て場まで歩いて行った。
秋頃だった。付き合って1年が過ぎていて、その年も一緒に紅葉を見に行った。今回は遠方まで足を運んだ。渓谷の奥には、紅葉が植えてある観光スポットがあって、そこら中に植えてある紅葉を見て回ったり、釣り堀で川魚を釣ったり、そのまま直火で焼いたマスを齧ったり、休憩所でゆったりとした時間を過ごした。これが普通のカップルなんだなって思えた。
N子の存在が馴染んでいた。1年前までは恋愛のことなんて考えず、ただただ自分の好きなことをしていた。おいしい食材や飲料をAmazonで箱買いしたり、剣道の稽古に励んだり、たまにネトゲ友達と新宿とかでオフをしたり、学生時代の延長みたいな生活環だった。
彼女ができて何か変わったかといわれたら、別にそんなに変わってないんだけど、心の隅っこに何か大事なものが芽生えたような、そんな気持ちだった。
日曜日に会社に出て、取引先に提出する書類作りに励んでいた。自分だけじゃなく、ほかの部署の人もちらほら出勤していた。
自分の部署は2階にあって、トイレに行くのに1階に下りていくのだが、そこにT君がいるのを見つけた。彼は経営企画の部署で働いている。あとは先輩方が何人かいて、一緒に何か打ち合わせをしながら皆でパソコンを叩いていた(追記:キーボードの意)。
会社の玄関の方には事務員もいた。A3の書類を2人で読み合わせて何かのシステムに数字を入れてる様子だった。すると、トイレから出てきた社長とばったり会って、「増田君はいつも熱心だね。残業手当は絶対につけるんだよ」と言ってくれたっけ。
夕方になって、消防組合に出す報告書を作る仕事も片付いたし、さあ帰ろうかとなった。パソコンの電源を落として、空調や給湯室やプリンタのオンオフも確かめて、会社の玄関に向かうと誰もいなかった。ゼロだ。
玄関口のスライドタイプの自動ドアは閉まっていて、別の入り口から出るしかなかった。工場の方を経由して出ていく道になる。ちょっと暗いのが気になる程度だった。
そっちの方に回り道をして、廊下をひたすら進んでいって、スチール製のごく一般的な引き戸を開けて駐車場に出ようとした時、電気設備の点検場の方から物音がした。金属片がカンカンと地面を転がるような音がした。
嫌な予感はしたのだが、そっちの方におそるおそる歩いていくと、工場内にある点検場の視界が開けた。太陽が落ちていない。まだちょっと明るい。
N子と、T君がそこにいた。点検場の端っこの天窓の真下。入口の柱の影から見てた。
何か話してる様子だった。全然聞こえない。様子を伺うと、N子がちょっと緊張した様子で体を左右に振っていた。
すると、T君がN子の肩を掴んで、寄って行って、ゆっくりと顔を近づけていって、N子にキスをした。N子はちょっと強張っていて、体を後ろに仰け反らせたけど、何秒か経つと、T君の肩に手を触れるようにして口づけに応えた。
2人の唇がくっついて離れて、くっついて離れてを繰り返していた。時間にして20秒ほどだろうか。そうして唇を押し合っていると、ふたりの距離が密着して、激しい動きで唇を重ねるようになった。
俺は童貞ではない。わかる。ディープキスだ。どちらともなく舌を入れあって、ずるずると唇を舐め合って、ちょっと止まって、するとN子がだらしない様子で舌をT君のそれの上に乗せていて、互いに見つめ合っていた。それから舌をヘビみたいにチロチロと動かして、舐めずっていた。
この時、変な感覚が襲ってきて、自分が履いているジーンズの股の方を見た。弾けていた。いや違う。弾けている最中だった。それを確かめると、もう2人を見る気は失せていた。そう感じたかっただけかもしれないが。
音を立てないように点検場を後にした。廊下を進んでいく時も心臓がバクバクしていた。
工場から会社の外に出て、玄関口の前に停めてある自分の車に乗って、エンジンをかけようとしたところで、右手が震えていることに気が付いた。視界が暗いと感じた。外は明るいのに。頭が痛いはずなのに痛くない、そういう変な感覚。脳に血が回らなくなって、急にボウっとなった。頭がもやもやしていた。やはり心臓がバクバクいっている。
このまま車で発進したらどうなるのだろう。信号の色を間違えたりするのだろうか。エンジンをかけたものの、じっと運転席に座っていた。
「このままじゃ危険だ、車から降りた方がいいんじゃないか?」と思い、エンジンを切って車外に出た。すると、会社の玄関のところで2人分の姿が見えた。誰であるかすぐにわかった。N子とT君だ。
互いの手がほぼ接近した状態で、2人が玄関口から出てくるのに合わせて――俺は近づいて行って、2人の目の前に立ち塞がるようにして立った。N子がびくっとした様子で後ろに下がった。
冷静だったのを憶えてる。T君をにらみつけると、「言い訳は聞かない。なんでこんなことしたんや?」と、単刀直入に聞いた。すると、だんまりを決めたのではないかと思える様子で顔を背けた。いや、何か喋っていたかもしれない。N子にも聞いてみた。「さっき見てたんだ。T君が好きなんだな」と聞いたら、「ごめんなさい」とだけ返ってきた。
この時、もやもやとした感じがスッと消えた。
T君の方に寄っていった。彼が身構えるのと、正面からの蹴りが至近距離で腹に命中して、T君が真後ろに倒れたのは同時だった。すぐに起き上がろうとするT君の脇腹を、真横から蹴っ飛ばして、正面で馬乗りになった。
「ブチ殺すからな。覚悟しとけよ。おい、わかっとんか、返事せえ!!」
遺伝子が殺せと命令していた。「すいません、すいません」と叫ぶT君の顔や胸や頭を何十回も殴った後、両手で髪の毛を掴んで、玄関床のレンガブロックに頭を何度も打ちつけた。N子が叫んでいたが、よく覚えていない。
やがて、ほかの社員数人が飛んできて自分を取り押さえた。それで、いったん距離が離れると、「どうしてこんなことを?」という声が後ろから聞こえた。振り返ってよく見ると社長だった。
「すいません! 暴力振るって。すいません……」と、社長の前に行って謝った。直後に左を向くと、T君が尻もちをついた姿勢でうずくまっていて、N子が心配そうに肩を撫でていた。
俺はほかの社員を振りほどいて走り出した。そのままT君の髪の毛を両手で掴んで、「お前が馬鹿にしたんだろうが!!」と叫んで髪を引き千切った。それでまた、ほかの社員に羽交い絞めにされた。理性では諦めていたけど感情が止まらなかった。大声で何度も叫んで、周りが制して、叫んで、制してを繰り返した。そうこうしているうち、ようやく感情が収まった。怒りの心が眠りについた。
もう動けなかった。社長が、「事情があるのはわかったから。増田君は今日はもう帰りなさい」と言うので、自動車のところに行って乗り込もうとした。後ろを向くと、社長が俺に付いて来てて、「自分の車で送る」と提案してくれて、そのまま家まで届けてもらった。
社長の車の中では無言だった。冷静だったけど、やがてT君を殺したいという情動がまた沸き上がってきて、時間が経つとまた冷めた。
辛い話をした。これを書いてる今も、いい大人なのに涙が止まらない。悔しさもあるし、いや多分悔しさしかない。自分自身への。あとちょっとで終わりにする。
休み明けに出勤すると、社長と人事部署のトップに呼ばれた。それで、いろいろ事情を聴かれた。正直に全部話した。N子とT君については、あの日のうちに聞き取りを終えたらしい。ほかの社員についても同じように聞き取りをするとのこと。
その週末だったかな。社長から告げられたのは以下のところだった。
・あなたがこんなことをする人だと思わなかった。信頼していた
・あなたの行為は刑法にも社内規定にも違反する。本来であれば懲戒免職
・だが、T君にも非があることがわかったので、今回に限って停職1か月と減給1/10で済ませる
・N子とT君にも二度とトラブルの種は撒かないように厳重注意している
・次は絶対にない。私に悲しい思いをさせないでほしい。あなたを信じている
こんなことを書いてる以上はわかってると思うが、それから1年以内に会社を辞めた。自分という人間の変化に気が付いて、別の会社の方がいいんじゃないかと思えた。それにもう、あの2人を見たくなかった。
同じ電気関係でよさそうな会社を知っていた。近所にある其処に直接訪問して、採用試験のアポを取ってもらって、そのままスルッと採用されて今に至る。面接の回数は1回だった。
自分という人間は、あれから本当に変わってしまった。まだあそこで働いていた頃、市役所に消防設備の(総合・機器)点検結果報告書を持って行った時だった。事務スペースの前にある窓口で説明を始めたところ、向こうの担当者(冒頭の人と同じ)から、「もっとわかりやすくなりませんか?」「判定不備の一覧表は用意できますか?」「総合点検と機器点検との違いとは」とネチネチ聞かれた。
つい怒鳴ってしまった。
T君の時と一緒だ。頭がスーッと冷静になったかと思うと、自分の気持ちが突然表に出てしまう。その時も、口が先に動いたのだ。理性的思考はない。相手は急に黙り込んだ。ばつが悪そうな顔をしていた。だったら始めから言うんじゃねえよ。
「これが法定の報告書の書き方です。判定不備の一覧表は契約に入ってませんよね?」
「入っているかは何ともいえませんが、一般的に作る物ではないですか」
「私ではなんとも……」
「じゃあ、分かる人呼んでくださいよ! 総合点検と機器点検もわからないって、発注者として問題だと思いますが」
「じゃあ切れよ!!」
席から立ち上がって、T君に向けたのと同じ殺意で、事務スペースの奥野須美の方を睨みつけた。すると、上役と思われる人が飛んできて謝罪を始めた。
どうやら、相手方もそこまで信頼のある職員ではなかったようだ。信頼があったのなら、上役はもっと神妙な面持ちで警戒するはずだ。窓口で怒鳴るという、社会人としてよくない行為をしたのだから。謝罪から入ることはないと思われる。
※今の電気関係の会社では1年ほど働いてるけど、仕事中にキレたことは二度しかない。会社のみんなはいい人だ。俺という人間でも普通に受け入れてくれる。感謝してる。ほんとに感謝してるよ。
N子とは、それから1回だけ会った。会社の近くにあるサイゼリヤだった。デートで何度か行ったことがあった。
「あの時はごめんね」と俺が言うと、首を振ってテーブルの上のジュースに視線を落とした。
「あれから会ってない」
「もう許した。許したから。俺よりも多分いい奴いるよ」
「T君の方がいいよ。絶対」
「……ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃねーよ、ボケ」と叫びたい気持ちが沸き出ていた。自分はもう、人間としてかなり良くないと思う。
その場で、N子に「別れよう」と言うと、か細い声で「嫌です」と言われた。その場で、テーブルを片手で叩くみたいにして席を立って、千円だけ置いてサイゼリヤを出た。
N子の様子がおかしいことに気が付いたのか、女の店員さんがレジのところでこっちの方を見ていた。「失礼しました」と言って店を出た。後で確認すると、その店員さんがN子の方に向かっていた。これで大丈夫だろう。
今回は、嫌なことを書いてしまった。書いていて辛かった。でも、ちょっとスッキリした。気が晴れた。
心が濡れている。転職直後は、何をやっても楽しくないし、恋人も作らなかった。でも、N子と交際する経験をしたことで、女という存在に慣れていた。
ほかの人と交際をするきっかけは何度もあったよ。同じ会社の先輩とか、ネトゲのオフ会で知り合った人とか、夜のスナックやラウンジで働いている女の子とか、チャンスは何度もあったけど、それでも付き合おうとは思わなかった。またひどいことになる気がして。
そろそろ終わりにしよう。
ここまで読んでくれた人がいたなら感謝を申しあげたい。
ありがとう。読みにくかったならごめんなさい。
あなたとは増田の利用者という繋がりしかないけど、恋愛的に幸せであることを祈ってる。
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