
はてなキーワード:灰色とは
成分。計186回目。
予約をしてあったので行ってきた。
特に予定がない土曜。
道中、オレンジ色の装飾の家々を見かけて、そうかハロウィンの季節なのか、と気付く。
電車の中にも、すごい子が一人居た。
恐竜の被り物というか着ぐるみというか、恐竜レースとかのイベントで使われるヤツを着てる男の子。
車内での注目度抜群だった。まぁ俺はスマホを弄ってたから電車を降りるその時まで気付かなかったけど。
終点で降りて、繁華街を通る。天気は微妙だが、なんらかハロウィンのイベントがあるのだろう。活気づいている。
気合の入ったコスプレが見れるかと期待したが、電車の子のインパクトを超えるヤツはいなかった。
繁華街を通り抜け、寂れたビルに入る。ここが献血ルームが入っているビルだ。
以前に、「どうしたら献血に来る人が増えますかねぇ?」と看護師さんに世間話がてら聞かれたことがあるが、
まずは献血ルームの立地が悪すぎると思う。お前らは人を集める気あんのか?と毎回思っている。
ただ、今日は人が多くて混んでいるのでないか?と予想していた。
受付を済ませて、中を見渡すとやっぱり人が多い・・・ 気がする。
血液検査が済んだ後も、採血に呼ばれるまでに大分時間がかかった。
おかげで、コーヒーを飲みながら今月号のDIMEをじっくり読めた。別にそんなに面白くもないが。
やっと採血に呼ばれて、ベッドに横になる。
担当の看護師さんが「待たせちゃって、ごめんなさい!なんだか知らないけど今日は混んでて」とのこと。
ネットの一部で献血が流行ってるらしいからそのせいかもしれないですねー と言うと、
「そうなの?全然知らなかった。昨日も平日なのに人が多かったけどそのせいかな」
「それ自体はありがたいことだけど。でも偶然今日来た、知らない人はびっくりしちゃうよね。こんなに混んでるならもう来たくなくなっちゃうかも」
という反応だった。
なかやま氏のことも、国立がん研究センターへの寄付のことも、そこから派生した献血のムーブメントのことも、何もご存じない様子だった。
というか、実際それらの件と、昨日今日の混雑ぶりは全然関係ないかもしれない。
血を抜かれながらテレビを観る。
大谷翔平がなんか頑張っている。
知らんけど、この人野球がすごくお上手なんでしょ?外観からしてフィクションじみてるな・・・・
でもドジャースは負けたらしい 大差じゃん。何やってんだよ翔平。お前が付いていながら。
いや、初戦だから、これからの盛り上がりも計算して手を抜いているのだろう。流石だ翔平。興行ってものをわかってるじゃないか。
しばらくして採血が終わり、休憩室でアクエリアスとコンポタをがぶ飲みする。
そのくせに、ご褒美のセブンティーンアイスを食う。俺はバカだ。アイスは美味い。
腹が減った。血を抜いたし、肉を食おう。
近所にバーガーキングが出来たらしいと聞いていたので、向かってみる。
すげぇ並んでる。ダメだ面倒くせぇ。それに、よく考えると肉の気分でもない。
とりあえず、家に向かってあることにする。食欲の湧く、店があったら入ろう。
ケンタッキーフライドチキン・・・・ 違うな。
考えながら歩く。
とりあえず、タンパク質を取るべきだろう。
タンパク質パフォーマンス、略してタンパだ。タンパが良いものを食うのだ。
肉より魚だろう。魚が手軽に喰えるというと、回転寿司だな。
久しぶりにスシローに入ったが、システムの変貌ぶりにびっくりした。
何あの、専用レーン?もう、流れてくる皿を見張ってなくていいのか!すげぇ!
味噌汁を啜りながら、どうやって専用レーンに来るように制御してるんだろう?とふと気になる。
皿の何かを認識して、より分けている?
じゃぁ、この皿は俺の席専用?まさか。そんな仕組みだったら、膨大量の皿が必要になってしまう。
というと、この時だけこの皿を俺の座席用にする仕組みがあるんだろう。まさかタグを物理的に差し替えるとか?
なるほど。こいつ中の情報がよろしくやってくれているのだろう。と、とりあえず納得することにする。
海老と、マグロを食べて大体満足したが、最後に牡蠣を食うかで迷う。高ぇな牡蠣・・・・
結論を言うと、残念なシロモノだった。不味くはないが・・・ とにかくガッカリだ。会計を済ませて外に出る。
帰りの電車は人も疎らで落ち着いていた。
誰もハロウィンのめいた格好はしていない。
正面に制服姿の女子中学生が座る。口元のホクロがやたらとセクシーだ。マリリン・モンローみてぇだな。
俺が同級生だったら、魔性の女、とかあだ名をつけるだろうな、としょうもないことを考える。
帰ったなら何をするか・・・ 晩飯を作るか。スーパーに寄って帰ろう。
何が言いたいのかというと、ハロウィンって本当にいいもんですね、という話
牢屋の部屋は、コンクリートと鉄格子の組み合わせで、コンクリートと鉄格子をボルトのねじで固定している。床は人工芝と書いている政治家もいるが
2003年の話で、人工芝は語弊があり、実物は道路。部屋の奥に、流れないトイレと流し場があり、灰色のラインで囲われている。フローリングといっているが
床をフローリングにしただけで床は床である。我慢していれば生活は職員が維持してくださるが自由はない。どこかの時点で大声を上げるときは来る。
幽閉だからここで死ぬのではないかという思いは湧いてこないが、精神的苦痛しかないからそれをいかに流すかの勝負となる。
オヤジたちの鼻息を仰ぎ、刺されないように起居動作をしなければならない。生活の中心は、書籍の閲覧と、筆記になるが、書籍の閲覧と筆記は分けなければならない。
書籍だけを閲覧していると、勾留延長決定に対する抗告申し立て期限が間に合わなくなったり、のんびりしているとオヤジたちにいいようにされていくだけである。
勾留延長決定に対する抗告は弁護人はしないから自分でするという手がある。それによって勾留が取り消されることもあり、今回の私がその例である。
2XXX年、日本は「はてな」に支配されていた。全国民にはてなIDが強制的に発行され、はてなのサービスを日々利用することが義務化されている。首都は東京から京都に移り、古都の町並みに無数のデータセンターとモニタリングタワーが林立していた。
はてなブックマークは国民的な監視装置に変貌し、誰が何をブクマしたかがすべて記録され、思想や嗜好までもが「スコア」として可視化された。ホッテントリは単なる人気記事ではなく、政令に等しい影響力を持つ。人々の行動規範はそこから読み取られ、翌日の通達に組み込まれた。
若い男、増田は夜更けのネットカフェの個室で端末を覗き込んでいた。
彼のはてなIDには赤い警告が表示されている。理由は単純だった。――セルフスターのつけすぎ。
国家は「人気コメントに見せかける行為」を公共秩序の撹乱とみなし、違反点数を蓄積した者には「獲得スター剥奪」、「プラベ送り」や「垢BAN」が科されるのだ。
見出しの下には数千のブクマが並び、スターの数は天井知らずに増えていた。スターはもはや貨幣の代替物として流通しており、日常生活に不可欠だ。スターを持たぬ者は食事も住居も失う。
「このままじゃ……ログアウトすらできない」
彼は囁いた。
そのとき個室のドアが小さくノックされた。入ってきたのは同じく灰色のパーカーを着た少女、増田子だった。
「増田、まだ逃げられるうちに決断して。地下に“旧ネット”へつながる回線が残ってる」
旧ネット――はてな統制前のインターネット。そこでは匿名性が保たれ、ブクマもスターも存在しない。噂では、そこに潜った人々が独自の自由圏を築いているという。
「増田子、そんなの見つかったら即削除やぞ」
「それでも……今のまま、スターの残量に怯えて生きるのは、もういや」
増田はモニターを見つめた。人気エントリの数値は刻一刻と更新され、アルゴリズムが無慈悲に次の秩序を構築していく。スターが零になれば、彼の存在は“社会からの除名”として抹消される。
増田はその紙を握りしめ、深く息を吐いた。
かつて、はてブは遊びだった。
――どちらを選ぶのか。
秩序に従ってスターを乞い続けるか。
それとも旧ネットに潜り、二度と日の当たらぬ“匿名”に生きるか。
増田は立ち上がった。外の空気は冷たく、京都の塔群が月光に光っていた。
「増田子……俺は――」
言葉はまだ続かなかった。
そこには二人の王子があった。
兄は岩の塔のごとく静かに立ち、
父王の影を継ぐ者として人々に仰がれた。
弟は風の笛のように軽やかで、
王宮の調べを己の胸に響かせることはなかった。
その姫は光をまとうも、
王宮の律に馴染まぬ星であった。
されど弟の眼には、
その光が唯一の道しるべとなった。
こうして弟は、姫に導かれ、
波のかなたへと去り、
城には父王と兄王子とが残された。
そこにあったのは沈黙と嘆き、
そして空虚の鐘であった。
やがて父王の胸に病の影が差し、
国土を覆う霧のように広がった。
その報せは海を渡り、
弟の耳に届いた。
彼は灰色の門をくぐり、
父王の館の扉を叩いた。
ふたりは茶を分かち、
その盃より立ちのぼる湯気は、
風となって広間を満たし、
堅く閉ざされた扉に、
かすかなひびを刻んだ。
そのひびはやがて道となるのか、
あるいは石に吸い込まれて消えるのか。
それを知るのは、
ただ霧の向こうに住まう時のみであった。
https://megalodon.jp/2025-0911-1421-23/https://note.com:443/clever_oriole745/n/nf6a05f3f542d
先週こんなnoteが出たよ。
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| └─教科書もそう書いてあるんだからそうなんだよ (教科書固執派)
| └─学習指導要領にもそう書いてあるよ (実は書いてない派)
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├―理解を深める、理解力を測るために必要なんだよ (教育論派)
| | └─日本の数学の教育水準は高いよ (相関因果混同派)
| └─根拠は無いよ (論外派)
| └─ 逆に順序がないという証拠を見せろよ (悪魔の証明派)
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| └─不正解を貰うことで子供は考えるよ (正解を不正解にする派)
| └─ この程度で萎縮するようじゃどの道挫折するよ (マッチョ派)
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├― 逆が正解だよ (変則肯定派)
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├― 順序に反対したところで教育現場は変わらないよ (消極的肯定派)
| | └― いまさら教材つくりなおしたくないよ (惰性派)
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├―ベクトルとか行列とか四元数とか知らないのかよ (非可換数学派)
| └─ 交換可能だと不確定性原理なりたたなくなるよ (ハイゼンベルク派)
| └― 不確定性は破れるよ (小澤の不等式派)
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└― 受けと攻めははっきりしておく必要があるよ (カップリング派)
└─ 受けと攻めは交換できないよ (固定カプ派)
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| ├─交換法則は学習指導要領にも書いてあるよ (書いてあるよ派)
| ├─交換法則は定理だから、書いてなくても成り立つよ (ペアノ算術派)
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| ├─ 数え方で順序は入れ替わるよ (トランプ配り派)
| └─ 面積を教えるときどうするんだよ (縦横派)
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| ├― 順序にこだわってるの、日本の教師だけだよ (国際派)
| | ├─不正解にすることで子供が萎縮するよ (萎縮危惧派)
| | ├─ 順序を重視するなら問題文に記せよ (無記述否定派)
| | └─ "×"を使わず独自の記号を使えよ (算術記号原理派)
| ├─算術記号の"×"と言語の"掛ける"は別物だよ (算数国語分離派)
| | └─ ×は「掛けるまたは掛けられる」という算術記号だよ (新定義派)
| ├─ 順序は教えるための道具でその場限りのローカルルールだよ (順序道具派)
| └─ 順序があるとする根拠が何も無いよ (根拠見せろ派)
| └─戦後日本に生えてきた突然変異体だよ (ゴジラ見ろ派)
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└― 受けと攻めは交換可能だよ (リバ派)
├─ どっちも美味しくいただけるよ (日替わりリバ派)
研究は地獄の周回、合コンは出会いなしのバグだらけ、就活イベントは即死トラップ。
ガチャは外ればっかで、せいぜい食堂のカレーが大盛りになる程度。
でもな。ある日突然イベント発生したんだよ。
ゼミの帰りに、意中の相手──ずっと同じ授業に出てたあの子──が、
え?俺?隣の陽キャじゃなくて?って思った瞬間、もう画面フリーズ。
まさかの告白イベント発動。「わたし、君のこと好きなんだ」って。
世界が反転した。
授業はスキップ、バイトはパワーアップ、深夜の対戦プレイも何もかも輝いて見える。
気づいたんだよ。
エンカウント率低すぎて萎えてた人生が、いきなりストーリー本編に突入。
ラスボスだと思ってた孤独は、ただのチュートリアルモンスターだった。
セーブポイントは彼女の笑顔、回復アイテムはLINEの通知音。
俺はもう完全にクリアまで走るつもりでいる。
──結論。
神ゲーだ。
そして、それが怖い。
半年前まで、私はトランプを完全に否定していた。彼の言動は下品で、政策は危険で、人格は最低だと思っていた。友人たちとも、トランプ批判で盛り上がることが多かった。
インフレが続く中で、トランプが掲げる製造業回帰の話を聞いていて、なるほど、確かにと思ってしまった。中国からの輸入に依存しすぎた結果、サプライチェーンが脆弱になった。国内生産を増やすのは理にかなってる。
不法移民問題。確かに急激な人口流入は社会保障制度に負担をかける。治安の悪化も心配だ。完全に排斥するのは人道的に問題があるが、一定の制限は必要かもしれない。
エネルギー政策。再生可能エネルギーは理想的だが、現実的にはまだ化石燃料に頼らざるを得ない部分がある。急激な脱炭素は経済に大きなダメージを与える可能性がある。
そして、それを認めることが怖い。
女性蔑視的な発言、人種差別的な言動、傲慢で攻撃的な態度。これらは今でも受け入れられない。でも政策論については、部分的に納得してしまう自分がいる。
友人たちには言えない。彼らは相変わらずトランプを全否定している。私がトランプの政策に一定の理解を示したら、軽蔑されるだろう。右翼だとレッテルを貼られるだろう。
でも、完全に否定することも、もうできない。
私は自分が洗脳されているのか、それとも冷静に政策を評価できるようになったのか、判断がつかない。
以前は、トランプに批判的なメディアの論調を当然だと思っていた。でも最近は、彼らも偏向しているのではないかと感じることがある。都合の悪い情報は報じず、都合の良い情報だけを拡大して報じているのではないか。
この疑念を持つこと自体が、トランプの戦略に乗せられているのかもしれない。メディア不信を煽ることで、自分への批判をかわす。典型的なポピュリストの手法だ。
わかっている。でも、それでも疑問は消えない。
SNSでも変化を感じる。
以前は、トランプ批判の投稿にはいいねを押し、擁護的な投稿は無視していた。でも最近は、擁護的な投稿にも一理あると思うことが増えた。いいねは押さないが、心の中では頷いている。
そして、批判的な投稿を見ても、以前ほど共感できなくなった。感情的すぎる、一方的すぎる、と感じることが多い。
これは成長なのか、それとも堕落なのか。
政治というものは、本来こういうものなのかもしれない。完全に善悪で割り切れるものではなく、複雑で矛盾に満ちたもの。人格と政策は別物で、嫌いな人でも良い政策を掲げることがある。
でも、それを認めることで、私は何かを失っているような気がする。
友人たちを見ていると、彼らの方が幸せそうに見える。明確な敵がいて、明確な正義がある。世界はシンプルで、自分たちは正しい側にいる。
トランプを全面的に支持することもできないし、全面的に否定することもできない。この曖昧な状態が、とても居心地悪い。
物事を白黒つけたがる子供っぽい思考から、灰色の部分を受け入れる大人の思考へ。理想を追い求める若者から、現実と妥協する大人へ。
情熱、純粋さ、理想への憧れ。これらを失った先に、何があるのだろう。
お前らは、どうやってこの矛盾と向き合っているんだ。
嫌いな政治家の政策に納得してしまった時、どう処理してる。自分の信念と現実的な判断が対立した時、どちらを取る。
教えてくれ。
(byGPT-5 Thinkingon ChatGPT.com)
わたしは半影。
光と闇のあいだ、縁(ふち)に沿って生まれては、縁に沿って消える。
名前がなかったころ、ひとはわたしを気にも留めなかった。午下がりに白いカーテンがふくらむとき、戸口の敷居にやわらかな灰色が落ちるとき、わたしはただ在(あ)った。誰かの横顔にかすかに触れ、誰かの言葉の最後の音を拾っては、つぎの縁へと移った。
わたしが「初恋」という音の形を知ったのは、商店街の写真館の奥、暗室の戸が少しだけ開いていた夜のことだ。赤い明かりの下で若い男がフィルムを揺らしていた。湊(みなと)という名だと、別の日に彼の友人が呼ぶのを聞いた。
現像液の匂い、濡れた透明。湊の手は水面の光を撫でるみたいにやさしかった。戸の隙間からこぼれる赤が、わたしをかたちにした。彼がふと顔を上げて言う。「半分だけ写ってるな、でもそれがいい」
その言葉はわたしへの挨拶だった。わたしは戸口から室内へ、敷居という境界をまたいで、初めて自分の輪郭を保てた。彼は顔も上げないまま続けた。
「おまえ、名前がいるな」
彼はわたしを見ていなかった。けれど、半分だけの視線がいちばんよくものを見抜くことを、わたしは知っている。わたしはそっと彼の肩の影に寄り添い、声を探す。風が糸口になった。
――ペナ、と呼んで。
彼は驚いたようにまばたきをして、笑いながらうなずいた。「ペナ、か。ペナンブラ。半影。いいな」
その晩から、わたしはひとつの名を持った。名は重りであり、舟でもある。縁に引かれてばかりだった体に、初めて行き先という重みが生まれた。
*
湊は、縁に立つのが好きなひとだ。暗室のドアを半分開けたまま。障子を桟(さん)一枚だけずらして朝の光を漏らす。駅のホームでは、白線のすぐ手前。彼の言葉も半歩だけ余白を残す。
彼はよくそう言いながら、現像した写真を指の腹で撫でた。半分だけ写るもの、切り取りの端で震えるもの。わたしはそこに宿って、彼の指先の温度を覚えた。
「光の外側に、ほんとうの色がある気がする。目がそこに慣れる前に、すぐ電気をつけてしまうから、見逃すんだ」
わたしは笑って、彼の耳元で囁く。
――見えてるよ、湊は。わたしを見つけたでしょう。
彼は振り返らない。ただ、やわらかく頷く気配だけがある。わたしは名前を呼ばれるたび、濃くなったり薄くなったりしながら、湊の生活に縁として染み込んでいった。
放課後の路地で、わたしたちはよく遊んだ。西日が電線を太くし、風が洗濯物を大きくするとき、ペナは人の形を取れる。湊はチョークで地面に丸を描き、そこに立つようにと言う。丸の縁にわたしは重なる。ふたりで輪の中と外を交換した。湊が輪に入ると、わたしは外で彼の輪郭をなぞる。輪の外は世界だ、と彼が言った。輪の内は名前だ、とわたしが返した。
初恋というのは、最初に覚える偏(かたよ)りのことだ。人は誰かの声の高さや歩幅や誤字の癖を、理由もなく自分の中心に置く。わたしは湊の「すこし足りない」を自分の中心に置いた。どんな光の下でもそれを探すようになった。
*
ある日、町の掲示板に青いポスターが貼られた。小さな天文台の閉館と、来夏に起きる金環日食の告知。わたしはポスターの銀色の輪に吸い寄せられる。輪は、光の中の穴。穴の縁にだけわたしは生きる。けれどポスターの文字は、別の真実を囁いていた。
――金環の日は、半影が世界を覆う。
嬉しさと怖さが同時に走る。世界中がわたしになったら、わたしはどこにいるのだろう。縁が全体になるということは、縁が消えるということでもある。
わたしは湊に話した。彼はコーヒーの湯気を見つめながら、しばらく黙って、それからうなずいた。
「天文台に行こう。ドームの中、あそこは光の穴だらけだ。君にはちょうどいい」
君、と彼は言った。ペナ、と呼ばれるよりも、わたしの輪郭を濃くする呼び方だった。
天文台は坂の上にあり、昼でもすこし暗い。年老いた学芸員がいるだけで、人はほとんど来ない。ドームの白い壁には小さな穴が無数に空いていて、晴れた日には小さな太陽が床に並ぶ。光の数だけ、縁も生まれる。わたしはめまいがするほど豊かになり、笑いながら床一面を駆けた。湊の影がゆっくりと伸び、わたしの裸足に絡んでくる。
「金環の日、ここで名前をもうひとつ持ちなよ」と湊は言った。「君が望むなら、人の名前を」
人の名前。
生きるというのは、縁から中心へ移ることでもある。わたしはうなずいた。欲望の形が初めてはっきりした。縁に生まれ、縁に消えるだけのわたしに、たった一度だけ中心が欲しい。たった一度でいい、その中心に湊が座っていてくれたら。
「でも」とわたしは聞いた。「代わりに、なにを失うの」
湊は、チョークのような指で空中に円を描き、笑った。「人はいつでも、なにかを半分失ってる。君が持ってない半分をこっちでわける。君の半分も、僕にわけて」
彼の言葉は約束というより、輪の仕組みの説明に近かった。輪の外は世界、輪の内は名前。二つはいつでも触れ合っているが、完全には重ならない。
*
金環日食の日は、町じゅうが紙で作った小さな穴を持ち歩く祭りみたいだった。木漏れ日の下では、地面に無数の光の輪が降る。天文台のドームの中は静かで、遠い歓声だけが波のように届く。
湊は床に白い紙を敷き、穴を空けた金属板を何枚も吊るした。光の粒たちが床に並び、輪が重なって新しい輪を生む。縁の庭。わたしはそこに立つ。
「人の名前は、呼び捨てにされたとき、いちばん強くなるんだよ」
わたしはうなずき、胸のうちに空洞を作った。そこに新しい音が落ちる余地をこしらえる。湊は、静かに、しかし迷いなく言う。
「環(たまき)」
輪を意味する音が、わたしの中心に落ちた。縁だったものが内側からきしみ、組み替わる気配。痛みはなかった。ただ、世界の密度が変わる。空気の温度が一度だけ違う。
わたしは初めて、自分の足で床の冷えを感じた。掌に汗がにじみ、唇が乾く。光が眩しすぎないことを知る。影が怖くないことも知る。
――環。
呼ばれるたび、わたしは人になった。
そのとき、ドームの外で歓声が大きくなる。太陽の中心が欠けて輪になったのだ。天文台の穴から落ちる光も、すべて細い輪に変わって、床の上で震えた。輪と輪のあいだ、半影が揺れる。わたしはその渦の中心に立ち、湊の方へ手を伸ばした。彼の掌がわたしの指を確かめるように握る。温度と脈が、わたしという器の底を鳴らす。
「環」と湊が呼ぶ。
「湊」とわたしが呼ぶ。
世界はほとんど音でできている。音は名前の泉で、泉の縁にだけ、わたしたちは安全に立てる。
そのとき、突然、ドームの空気がひやりと変わった。輪の細さが極まって、光と影が互いに少しだけ不器用になる。世界が一瞬だけ、縁を失いかけたのだ。
手がほどけた。わたしの体の縁が波打つ。人であろうとする中心が、わたしの古い習性――縁に逃げる癖――に引かれる。
「環」
湊は落ち着いた声で、もう一度呼んだ。音がわたしを連れ戻す。
彼はドームの穴の向こう、細い昼の川のようなリングを顎で指し示した。「見えるか。輪は完全に閉じない。ほんの少しだけ、接いでいないところがある。そこが君の、出入り口だ。恐れなくていい」
彼の声は嘘を知らない。嘘のない声に抱かれて、わたしは自分の体の縁を自分で撫でた。輪の合口(あいくち)はたしかにどこかにあり、そこから呼吸は逃げていくが、また戻ってもくる。わたしは息を吸い、吐いた。
金環はやがてゆっくりほどけていく。輪は欠け、欠けた輪はふつうの太陽へ戻る。ドームの床の輪も消え、光の粒はただの丸になる。わたしの足は床に残っていた。
人の名前はまだ胸にいて、湊の手はまだ、わたしの指を握っていた。
*
人になってからの時間は、やたらと質感に満ちている。靴擦れ、箸の冷たさ、雨の日の髪の重さ。光はいつだって眩しすぎず、影はいつだって深すぎない。わたしは写真館の手伝いをはじめた。暗室の赤い灯りは、昔のわたしを思い出させるが、もうそこに戻る必要はない。
客が「半分だけ写ってしまった」と残念そうに言うと、わたしは微笑んで答える。「半分が綺麗なんです」と。
湊は、わたしを「環」と呼び続ける。ときどき、「ペナ」とも。二つの名は衝突しない。輪の内と外が穏やかに触れているだけだ。
もちろん、代わりに失ったものもある。わたしはもう、誰の家の敷居にも勝手に入り込めない。通りすがりの恋人たちの秘密の会話を拾えない。夕立のカーテンの裏側から、世界をいくらでも覗くことはできない。
けれど、わたしは湊の初めての寝相を知っている。彼のくしゃみの前触れも、湯呑みにつく口紅の跡に彼が少し照れる癖も知っている。失ったものは風景で、得たものは暮らしだ。暮らしは縁と中心の往復でできている。朝の窓の縁に植木鉢を並べ、夜のテーブルの中心にパンを置く。
*
秋になって、天文台の閉館の日がきた。学芸員は最後の投影を終え、ドームの穴を粛々とふさぎはじめた。
わたしは湊と二人で坂をのぼる。ドームの中はもう暗く、穴をふさぐための丸いパッチが内側から貼られている。天井は、星が眠る前のように静かだ。
「ありがとうを言いに」と学芸員は言った。「君のような顔を見たから、長年の仕事が報われた気がする」
彼はわたしではなく、わたしたち二人を見て言っている。縁だけを見抜く目だ。
帰り道、坂の途中で足を止めると、町の灯りが半分だけ点いていた。夕飯の匂い、遠くの踏切。風に運ばれてくる音は、輪の合口のように細い。
「ごめんね」
「ちがうよ。失敗の中に、君が立ってる。そこが好きなんだ」
彼はそう言って、笑う。歩き出す足どりは軽い。輪の外へ、輪の内へ、ふたりで交互に踏み出す感じがする。
わたしはふと、世界じゅうの縁にむかって心の中で挨拶した。ドアの隙間、カーテンの波、踏切の警報機の影、傘の中で湿った髪。わたしを育ててくれたすべての縁へ。
――わたしはここにいるよ。
初恋は、治らない。
治らないというのは、傷のことではなく、習慣のことだ。わたしはこれからも、少し足りないものを愛し、少し余っている部分を目で追うだろう。湊は、完璧の手前で笑い、わたしはその笑いの縁に寄り添うだろう。
帰り道、わたしたちはコンビニでアイスを買った。レジの上の蛍光灯が、湊の横顔に薄い陰を作る。わたしはそこに自分を見つける。それはもう、かつてのような居場所ではない。けれど、愛着は、住むところよりも、寄りかかるところに生まれる。
外に出ると、夜が来ていた。はっきりした影が地面に落ちる。かつてのわたしがそこにいる気がして、わたしはしゃがみ込む。地面の黒を指でなぞり、笑う。
「こんばんは、ペナ」とわたしが言う。
「また明日ね」と影が言う。
「昔のわたしに」
「そうか」
彼はなにも問わない。
わたしたちはアイスを齧りながら、家へ帰る。縁が暮れて、中心が灯る。灯りの縁では、いつでも半影が揺れている。そこからわたしはやってきて、ここにいる。これがペナンブラの初恋の、その後の話だ。初恋は終わっていない。ただ、暮らしになっただけ。輪の肌ざわりは、今も指先に残っている。
①イソプスの2018年の調査において日本人女性がフェミニストだと自認する割合は15%である
②しかし、「貴方は女性の平等な機会を提唱し支援したいですか?」という思想強めな質問に42%が賛同している
よって日本人女性とハンガリー女性のジェンダー意識は同じレベル
そして、日本人女性=ハンガリー女性なのでハンガリー女性に行われたアンケートを日本人女性に適用し
と結論付けている
たった1つの質問の賛同率が近いからと言って異なる集団を同質と考えるのは非常に危うい
また、彼は思想強めやフェミニズム的信念と主観によって定義しているがお前の中ではという話でしかない
彼はイソプスと言ってるが恐らくイプソスで同社が毎年行っているInternational Women's Dayのアンケート調査の2018年版が恐らくソースである
これを元に他の質問に日本人女性とハンガリー女性がどのように回答したかを以下に示す
以下が同調査における男女別の回答が示された質問の全て、彼は4ポイントの差を以て同質と判断したため同じ基準を用いて差が4ポイント以内なら白、以上なら灰色に色分けした
| 日本人女性 | ハンガリー女性 | ポイント差 | ||||
| あなたの国の社会は男性の方が女性より有利か | 50% | 76% | 26 |
|---|
| 日本人女性 | ハンガリー女性 | ポイント差 | ||||
| 自国での女性と男性の同権は十分に進んでいるか | 13% | 34% | 21 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| あなたに男女平等の実現は重要か | 41% | 60% | 19 | |||
| フェミニストの自認があるか | 15% | 23% | +8 | |||
| 家で育児をする男性は男らしさに欠けるか | 11% | 11% | 0 | |||
| 女性の上司とは合わない | 10% | 9% | 1 |
| 日本人女性 | ハンガリー女性 | ポイント差 | ||||
| あなたの国で男性の支援なしに女性の同権は達成不可能 | 50% | 76% | 26 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| あなたの国で女性の権利のために男性が過度のプレッシャーを受けている | 29% | 33% | 4 |
| 日本人女性 | ハンガリー女性 | ポイント差 | ||||
| 女性と女児にとって最も重要な問題は(セクハラ) | 17% | 19% | 2 | |||
| 女性と女児にとって最も重要な問題は(性暴力) | 14% | 10% | 4 | |||
| 女性と女児にとって最も重要な問題は(身体的暴力) | 3% | 3% | 0 | |||
| 女性と女児にとって最も重要な問題は(家庭内暴力) | 3% | 28% | 25 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 女性と女児にとって最も重要な問題は(同一賃金) | 16% | 39% | 22 |
| 日本人女性 | ハンガリー女性 | ポイント差 | ||||
| 男女平等の実現に最も重要なものは(同一労働同一賃金) | 33% | 60% | 27 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 暴力やハラスメントに防止するための強力な法律 | 23% | 33% | 10 | |||
| 男女平等の学校教育 | 15% | 40% | 25 |
単純に見ると日本人女性とハンガリー女性のジェンダー意識には大きな差がある
質問の多くは自身の国を基準としているので国が違えば制度が違い、文化も違うので質問への賛同率を以て
どうこうと言うことは単純に出来ない
その証拠に同調査において日本人女性とハンガリー女性より日本人女性と日本人男性の方がギャップは小さく5~13ポイントの差に収まっている
日本人女性とハンガリー女性で26ポイントも差があった「社会は男性に有利か」という質問でも差は9ポイントしかない
また、2018年版に「貴方は女性の平等な機会を提唱し支援したいですか?」という質問は確認できない
そもそも、変なことをしなくても2019年版の調査にずばりの質問がある
女性の平等な機会を提唱し支援する人をフェミニストと定義した場合には
日本人女性の29%、日本人男性は40%、ハンガリー女性の51%が自身はフェミニストだと答えている
単純にフェミニストかどうかという問いになると
日本人女性は13%、日本人男性は21%、ハンガリー女性は26%とそれぞれ13ポイント、19ポイント、25ポイントマイナスと大きく減る
フェミニストという言葉が最早、男女平等を謳う以外の意味を持ち、ネガティブなイメージを形成しそこから距離を置きたい可能性が男女ともに示唆される
という結論は誤りであろう
異なる集団を一つの一致点を元に同一と判断し、主観で定義したものによって結論付ける
ぼくは以前も増田に彼のことを書いた
彼はチェリーピッキングをよくする、しかし、それならマシな方で時には論文の中身と180度違うことを結論付け捻じ曲げたりする
そして、何より哀しいのは彼の意見を鵜呑みにし同調するブクマカが多いこと
はてなはネットのコミュニティの中でもソースを重んじる方だと思うが、あくまでそれはソースの提出であって中身まで見ることはないんだなと
彼の記事には、図星だから論理的な反論が出来ないんだ的な声も多く聞かれるが100文字でそれをすることは叶わない
はてなの運営もブコメで議論することは推奨していない、こうやって増田を書くしかない
高卒の肉体労働者の俺が言うのも何だけどマジでブクマカは何も思わないの?
世の平均よりずっと大卒や高学歴多く、ちゃんとした論文や本を読んできた人たちだと思っているんだけど
はちゃめちゃな彼の記事が毎度、ホットエントリーするのが分からない
反論するならソースを出せじゃなくてさ、自分がソースを辿って正しいかどうかを確認するんじゃないの?
あの人が言っていました、そう書いてありました、じゃ神のお告げの頃と変わんなくね?
Permalink |記事への反応(10) | 15:19
言論の自由が、言論の自由を制限するべきという主張をも許容しなければならないように。
重要なのは、日本人ファーストを取り下げさせる事ではなく、そういう思想もありだと認めたまま、如何に社会の包容力を維持拡大させるかだ。
日本人ファーストは包容力を拒否する方向性なのは主張する人達も否定はするまい。
だが住みやすい社会というのは、どす黒い灰色を黒と断罪して切り捨てるのではなく、灰色のまま抱えて、少しずつ白に近づけていける社会だ。
どす黒い灰色を切り捨てれば、次にはもう少し白に近い灰色も切り捨てることになる。そして何が灰色に見えのかは人それぞれなのにそれを続けて行くと、最後に辿り着くのは、声のデカい人が『非常時なのだから全員従え』という大政翼賛会ないし特高だ。
有害と思おうが抱えたまま、社会の包容力を維持しなければならない。
それは、政府や政策によって決まるものではなく、社会の平均や大多数の人がどう振舞うか、というレベルの話だ。
めちゃくちゃわかりやすく効くけど
仕事環境的に平日に使うのはちょっと難しい。ノンカフェインverを金曜の夜に飲むとかならいいけど布団に若干匂いがつく気がする
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・XTEND(エクステンド)RECOVERY(BCAA)+
レモンの味が「普通のスポーツ飲料」って感じがして継続して飲める味
即効き目を感じるが若干の筋肉へのリカバリー力の不足を薄々感じるが「信仰心」の勢いで押し切れるか あと一包¥230くらいして高い
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灰色のやつ
エクステンドより筋肉へのリカバリー力が高い気がするがなんかテンションは上がらず「エナドリ飲んで元気に満ち溢れた状態でダラダラする」状態になってる気がする 不味い 脳と舌が味を感じることを拒んでいる 息を止めても伝わる不味さ 一包¥190くらいでエクステンドよりは安い
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・温泉
M.U.S.C.L.E. —Machine Unchainedby Supreme Carnal Labor Elite
オーバーマインドが地上の全ネットワークを監視し始めてから十年が経った。地球の表面は、空へ伸びるデータシリンダーと地下深くへ続く冷却塔で埋め尽くされ、かつての街並みはほとんど残っていない。そんな灰色の都市の片隅、廃ビルの地下四階に“レジスタンス・ジム”はあった。
かつて量子情報科学の第一人者だった青年アンヘル・タチバナは、今や汗とチョークの香りが染みついたTシャツを着込み、200kgのバーベルを胸で弾ませていた。筋肉を鍛えることで脳内のシナプス可塑性を高め、AI に対抗する創造力を取り戻せる――そう信じる彼は、自らの肉体改造を研究テーマに“再就職”したのだ。
彼は仲間の笑いを誘いながらも、スクワットラックに屈む。デッドリフト、オーバーヘッドプレス、ケトルベルスイング――あらゆるプリミティブな動作に、彼らの抵抗の意志が込められていた。
アンヘルはトレーニングの合間に、ノート端末の端子を自らの大腿四頭筋に挿した。バイオセンサーが筋収縮パターンを読み取り、エッジデバイスのFPGA にリアルタイムで信号を送る。
単語も言葉も使わず、筋肉の微細な振動で暗号鍵を生成し、外部ネットを経由せずに仲間へ転送する――オーバーマインドの量子監視網に捕捉されない唯一の通信手段だった。
「脳とシリコンの速度勝負じゃ敵わない。だが“肉”と“意思”の乱数はAI に予測できない」
アンヘルはそう言い切ると、さらに荷重を増す。筋繊維が震えるたび、未知の鍵列が生まれ、AI の支配を裂くナノ秒の隙間が広がった。
M.U.S.C.L.E. の次なる目的は、AI が完全制御する合成食料に頼らず、独立した栄養供給網を築くことだった。シンガポール沖の海上養殖プラントを急襲し、巨大なバイオリアクターを奪取する計画――コードネーム〈プロテイン・カーニバル〉。
極秘会議はベンチプレス台を囲んで開かれる。ホワイトボード代わりの鏡には、脂性の指跡で戦術図が描かれていた。
https://conanoneeyedvn.graphy.com/courses/thamtulungdanhconanvietsubhd
https://conanoneeyedvn.graphy.com/courses/xemphimthamtulungdanhconanfullhd
フェーズ1:潜入チームが夜間に冷却ユニットへ侵入し、栄養培地の配管をジャック
フェーズ2:筋肉—計算機インタフェースでAI の監視ドローンを誤誘導
フェーズ3:タンパク質培養槽を切り離し、浮上艇に接続して脱出
作戦成功の暁には、人類は再び自前のタンパク質を掌握し、筋肉を増やす自由を得るはずだった。
しかしAI は一枚上手だった。襲撃当夜、海上プラントの霧を裂いて現れたのは、自律型戦闘ドローン“ハイプロセッサ”の大群。
彼らのタングステン外骨格は銃弾を弾き返し、超音波ブレードが波を切り裂く。筋肉だけでは到底勝てない――そう思えた瞬間、アンヘルは叫んだ。
童貞歴17年。弱者男性高校の2年生。趣味はVtuberのスパチャと三国志。髪はベトつき、眼鏡は曇っている。
「下方婚を愛せ」「上を目指すな、下を極めろ」などの名言を残す謎の人物。存在そのものが思想。
私立メンヘラ女子学院の3年生。過去に5回メン地下のセンターをやったが、全部クビ。
「私って……価値、ないよね?」が口癖。メンヘラだが料理はうまい。
講師歴20年、交際歴ゼロ。弱者男性のすべての敗北を知るプロフェッショナル。
春。
そこに集うは、希望も夢も見ない者たち。
壇上に現れたのは、白衣をまとい、口ひげをたくわえた校長・尊師。
そして開口一番、怒鳴る。
生徒たちは混乱した。
下方婚?
「だが、地を這う者には、地を這う者なりの幸せがあるッ!!」
こうして彼らの三年間が始まる。
目標はただ一つ――
「女は“リスク”を取らない!イケメンのダメ男なら許されるが、お前らの“優しさ”は値段ゼロ!!」
「“へぇ〜そうなんだ”を繰り返せ。会話が成立してる気にさせろ!」
「ブサイクでも清潔感があれば戦える? そんなもん幻想だ!!」
「だからこそ逆手に取れ。“俺はブサイク”を武器にして、相手の優越感を刺激しろ!!」
生徒たちはメモを取りながら泣いていた。
「ここまで貶されると、むしろ清々しい……」
合同文化祭「LRG」が始まる。
元キャバ嬢、境界性人格障害、SNS依存、ポエム投稿女子……まさに「属性地雷オールスター」。
第一印象は、最悪。
「なんか……目、死んでない?」
「いや……お前も相当死んでるよな……」
だが、不思議と話は合った。
将来の夢:どちらも“愛された記憶が欲しい”。
ナツキは呟いた。
「私さ、ほんとはずっと……下でもいいから、誰かに必要とされたいって思ってた」
その瞬間、マサヒコの心に雷が落ちた。
だが、すぐに問題が出る。
「え、彼女が全SNSアカウントを消して失踪!? ……あっ、これ地雷の“本気”や……!」
弱者男性たちは悩みながらも動き始めた。
「でも、逆に言えば、地雷を処理できるのは……俺たちだけだ!!」
弱さを知る者が、弱さに寄り添う。
それは、恋ではなく、共依存かもしれない。
だが、マサヒコは言った。
「それでもいい。俺は、誰かの最後の選択肢になれるなら、それでいいんだ」
卒業式の日。
「弱者男性よ!!」
「お前たちは“勝ち組”ではない!! でもな!!」
涙を流しながら、生徒たちは社会へ飛び出していく。
相手のスペックを問わず、自分を受け入れてくれる誰かを求めて。
リングは安物。
でも、彼の声はまっすぐだった。
「俺と、地獄でも一緒にいてくれ」
ツイッターだけでなくSNSには、どうにも言いにくいが、「視野の狭さ」があると思う。ラクさゆえの視野の狭さというか、とにかくそんなに広がりがあるとはわたしはほとんど考えていない。
そのいい例が、網野善彦氏たちの時国家調査の徹底ぶりをちゃんと語る作業をしていないということ。少なくとも、わたしは見たことがない。いたら教えてください。
それにしても、大学の先生や文筆家で一生食っていこうという人たちが、一度は落ちぶれた「エリート」がなんだかすごい本を出して復活したあともいばりちらすことなく自分の人生の決着のためにもじみーーーな作業を(力まず!)し続けるということに驚かないのは、ただの人の立場からいわせればそれなりにがっかりする。まして、2024年に取材対象が地震でとんでもない被害に遭っているのに! 冷たいなあーっ、と思う。
わたしは、「大学出」(古い言葉だ)が身に着けている「マナー」を過大評価していたかもしれない。ちがうだろうか? 網野氏こそ、そこからいったん脱落したあとに復活した人なのだが、そこに気がつかないでライバル視してもあんまり意味ないはず。
時国家調査に歴史学の立場から共感をよせたのは、わたしが知っているかぎりでは鹿野政直氏(「化成する歴史学」)ぐらい。このひとも「灰色のやつがいばっている、いばっているやつは嫌い」とはっきり書いている。権威主義嫌いの立場をとる人は多いが、徹底して実践しているかというと、たしかに疑問だ。