
はてなキーワード:札束とは
「品質管理が僕たちの責務です」
って、最近エンジニアリング界のライザップ的元テスト専門会社のQAエンジニアが、昔、言ってたなぁ……、と。
思い上がるなっ!
君たち如きに背負えるものでは、すでにない。
とあえて言おう。
いや、マジで、無理なんよ、もう。
例えば、キッチキチにエレベータを作り込んだとして、後から点検してくれ、と言われたら、まぁ、普通は困るよな。
モーター室がモーターが入るギリギリの広さだとしたら、箱の外に出る手段がなったら。
どうやって点検するんだよ。
実際には、設計時に点検方法を決定して、それができる余地を確保してから、施工するものだろう。
今時のEV車なんて、テスト用の仕組みがきっちりと、製品に組み込まれている。
検証不可能とまで言わなくても、検証困難な場合はちゃんと対策をとるもんです。
作りきってから、「E2Eテストお願いねー」とQAチームに投げるものじゃあないんですよ。
設計時に、テスト戦略から何から何まで検討済みになってるもんなんです。
別にユニットテスト書いて、カバレッジあげるのがTDDというわけではない。
検証可能なシステムを設計実装し、リリースのたびにシステムの健全性を検証できる仕組みを整える。
ってのが「テスト駆動開発」なんですわ。
テスト戦略をちゃんと練れば、マイクロサービスの分割の仕方、連携の仕方等々、多分、今、Web上でよく見る記事とはだいぶ様相が異なってくるはずだ。
で、プロダクトの中身である、設計や実装を理解できなければ、検証のしようがないのがここ10年ほどだ。
金槌を渡されて、「品質検査しろ」と言われたら、まだ何とかなるだろう。
けどボーイング787をポンと渡されて、「品質検査しろ」と言われたら?
マニュアルなしで。
モジュールがどう組み合わされてるか等、中身を理解できなければ、何をどうしていいかも分からんだろう?
扉の開け閉めができるとか、主電源入れたらなんか部屋の明かりがつくとか、そういう表面的な検査しかできないだろ?
これは、QAが、設計に飲み込まれることを意味する(10年以上前に、↑のQAエンジニアとした話)。
QAのテストに関する知見を、設計実装するエンジニアは当然持っておかなければならないということとともに、QAエンジニアは消えてなくなるということでもある。
お分かりだろうか?
同じ流れで、SREも不要になる。
Infrastructureas Code は設計実装エンジニアのためのものだと言っておこう。
決して、Terraformのファイルを編集して、SREの許可を、延々と待ち続けて、適応してもらうことをいうわけではない。
そこまで込みで、設計するのだ。
高負荷時にどうスケールさせるかなども、当然設計に入ってくるからな。
ってなわけで、ほとんどの現場では、そういう致命的な誤認識をしていると思う。
認識が古すぎている上に、大型化複雑化した現状を認識できていない。
開発初期はまだ規模が膨らんでいないから、何とかなりそうな勘違いを犯しているだけの話だ。
初回リリース前後で、「あ、やばい……」となっているところがあまりに多すぎる。
また、この誤認識によって、役に立たないエンジニアの頭数だけを並べて札束を燃やし、事業の拡大の足を引っ張っていると指摘しておこう。
ここら、どげんかせにゃならんのよな。
マジで目の前の札束の高さ、銀行の預金残高しか見えてなくて、それ以外の様々な「利益」「価値」、資金の回転等、総合的なことが考えられない、ただの田舎者のケチ政権だよな。
為政者は経済経営のことを知らないといけないとは常に言っているが、金勘定しかできない経営レベルで、金勘定しかできないようじゃお話にならん。
それによってもたらされる「秩序」が自分たちを支えてる、というのが見えないのだな。
まぁ、今までの「経営者ぶり」からすりゃ、こうなるしかないわな、とも言えるが……。
バイデンとどちらがマシだったか? って言われたら、サナダ虫たっぷりの犬のフンと、ギョウ虫たっぷりの猫のフン、どっちを食べるか? レベルの違いでしかないんだよな。
現在某KPOPオーディション番組の最終回生放送を視聴中。最推しがデビューできるか不安で心臓が飛び出そうなので増田を開いている。
今回は韓国で行われている「投票イベント(各候補生のファン有志が企画している、オンライン投票証明書と引き換えに応募できる懸賞)」がかなり過熱しており、推しがいる身としては戦々恐々としているが外野目線から見るとかなり面白い。景品は金の延べ棒、エルメス、旅行券、Apple製品、バラマキ用ギフトカード・チキン券など。一番大規模なところだと総当選者数は約1万人になる。
本国でアンチをたくさん飼っている候補生のファンダムほど多くの募金を集めて豪華な懸賞を開いており、中には車3台を含む総額2億5000万ウォン(2500万円)級の懸賞もあった。韓国からの票は海外票と比べて高い比重で換算されるため、韓国人気が低い推しの候補生のために懸賞という形で韓国票を間接的に買っている。視聴者の意見を変えさせるより、番組を見ていない一般大衆をお金で釣って大量に流入させた方が早いということだ。
結果的になんとなく嫌い、くらいの熱量のアンチは「こいつのファンお金いっぱい出してくれそうだしデビューさせてもいいじゃん」みたいに言い出していた。デビューしたらこれだけのお金をかけられますよというアピール合戦でもある。
特に盛況だった懸賞が数個あって、それぞれ対象の候補生の国籍が全部違うのが面白かった。韓国のホスト狂いみたいなアイドルオタク、規模感が違いすぎる中華バー、オーストラリア出身の候補生のバックについてる英語圏の金持ち、アイドル大国ニッポンのクレイジーなオタク。
目玉景品にもそれぞれの色が出てて、韓国の子は現金多め、中華の子は金の延べ棒とブランドバッグ、オーストラリアの子は車、日本の子は家電製品とニンテンドースイッチ2だった。笑
あと15~30分ぐらいで最終順位発表があるだろう。今見たら一番イベント公式アカウントのフレンド数(ライン友達数)が多いところが6万人に達していた。ここまでくると一大社会現象である。
こちらの続報です。
https://anond.hatelabo.jp/20250919193855#tb
【あらすじ】
今見ている投票型のKPOPオーディション番組があと2日で最終回(ファイナル生放送)を迎える。デビューメンバーを決める最終ラウンド投票が先週から行われており、韓国国内では各候補生のファンがお金を出し合って候補生への投票で応募できる懸賞が開催されている。これが番組を見ていない一般大衆に投票してもらうために重要で、大きいところでは賞品の総額2億ウォン(2000万)以上、応募用のカカオトークアカウントのフレンド(LINE友達みたいの)が5万人に達している懸賞もある。
韓国ではこれまでも様々なサバイバル番組が放送されており、過去にもこのような懸賞はあったが、今回はかつてなく過熱しているようだ。日本・中華圏・英語圏からも資本が大量に流入していることが要因とみられている。
ただ、一番豪華な景品を出しているところのフレンド登録数が一番多い…というわけではなく、2000万円規模のところでもフレンド数は3万人いかないくらい。前述した5万人集めている陣営の景品も豪華だけどほかにも豪華なところはある…という感じ。
もちろんフレンド登録した全員が毎日投票してくれるわけではないし、一部では「倍率が高いように演出し、一般大衆の参加意欲を削ぐためにアンチがフレンド数を買っている」という説もあるが、それでも5万ものアカウントにアクションを起こさせているのは異次元といえよう。純粋な金額のみならず、広報戦略や景品の構成、投票を続けさせるためのインセンティブ設計なども重要っぽい。
この番組では韓国国内からの票と海外票が別々に集計されており、韓国票50:海外票50となるよう重みづけがなされている。純粋な投票数は海外票のほうが多いが、韓国人の意見を反映させるために韓国票の価値が数倍となっている、というイメージ。例えば番組全体の総票数が韓国1万:海外4万であれば、韓国票の重みは4倍となる。
海外勢の投票参加者は急激には増えないのに対し、韓国では懸賞ラッシュによって新しく投票を始めた人が多いため、海外総票数に変化がないまま韓国総票数のみが増えることが予想されている。そのようなシナリオになった場合、韓国票の重みは暴落する。例えば番組全体の総票数が韓国2万:海外4万になったら、韓国票の重みは2倍となる。(韓国1:海外4の場合に比べると海外票に対する韓国票の価値は半減している)
候補生ごとに支持基盤には違いがあり、韓国でも海外でもバランスよく人気な候補生、韓国人気のほうが高い候補生、海外人気のほうが高い候補生がいる。海外人気◎韓国人気△の陣営からしてみれば懸賞をすることで弱点である韓国票を補えるうえ、韓国票の価値が落ちれば強みである海外票の価値が相対的に高まるため、当該陣営にとっては自軍の懸賞のみならず懸賞全体の過熱化自体が追い風になりうる。
ざっくりまとめると、懸賞の過熱化→韓国でだけ新規投票者が大量流入→韓国の総投票数だけが増える→韓国票の母数が増えて1票の重みが減る→海外票の価値が相対的に上がる→韓国人気勢不利、海外人気勢有利 というなかなかの風が吹けば桶屋が儲かる理論が完成している。ファイナリストには韓国人気勢も海外人気勢も揃っているので、そこの変動中心に衝撃的な変動があるかもしれない。
この手のオーディション番組は10年以上前から行われているが、過去作の中には投票操作が発覚してプロデューサーが刑務所送りになったものもある。現在は行われていない(はず)だが、間接的に視聴者の投票行動を操作する方法として「穴あき順位発表」がある。全体順位を出さず、製作陣のお気に入りの順位が下がってたらその順位だけを公開して救済に向かわせたり、逆に嫌いな奴の順位が上がっていたらそれを公開してファンを油断させたりする。
一昨日公式から穴あき順位発表があり、「初回放送からずっと1位をキープしてきた絶対的エースが2位に転落」というニュースが界隈を震撼させた。2位でもデビューはできるが、当然製作陣は彼を1位にしたいだろうからその順位だけを公開したのだろう。
そして絶対的エースが2位となると「誰が1位になったの?」という疑問が生まれる。このタイミングで様々な真偽不明のリーク(やはり穴あき、1位は書いていない)も出回り、そこに名前のなかった候補生を中心に「1位は○○だと思う」「いや××が1位だよ」みたいな感じで複数人の名前が挙がっていた。そういうのを言い出すのはだいたい該当者以外のファンで、それを鵜呑みにしたアンチが「は?こいつが絶対的エースを差し置いて1位なんてありえない!」みたいに言い出したりもしてもうめちゃくちゃ。
該当者のファンたちが必死で「いや、ここまでの指標を見たらうちの推しが1位じゃないことなんて一目瞭然じゃん!」と推しの1位説を否定して回る、1位の譲り合いの構図が発生している。
実は自分の最推しも1位候補(?)に突然名前が挙がっておりひっくり返った。1位説を唱えてた人々には「変なリークから推察したんだろうけどちょっと静かにしてくれ~」と言いたくなった。もちろん1位になってもらう勢いで粛々と投票するが、絶対的エース以外が1位になった時の反響を考えてみるとかなり怖い。
某K-popオーディション番組を視聴中。最終デビューメンバーが決まる生放送を控え、ファンダム間の札束バトルが本格化した。
この番組では視聴者投票で順位が決まるが、韓国からの票は外国票よりおよそ4倍の重みづけがなされている。そのため、各ファンダムは推しをデビューに導くべく、最終回で番組を見ていない一般大衆からも投票してもらうための懸賞企画を行う。資金は全てファンからの募金でまかなわれており、規模は大きいところだと350〜700万円ぐらいにまでなる。
目玉景品は家電、Apple製品、旅行券(日本、北米、オーストラリアなど...)、ロレックス、現金、そして金の延べ棒、ダイヤモンドなど。
そのほかにばら撒き景品として各種少額のギフト券とかチキン券とか。
面白いことにだいたい本国のアンチが多い順に景品が豪華になっていく。掲示板には「アンチたちが殴った分だけ怒りの募金が満たされる」とか書かれていたがまさにその通りだ。
結局1人にしか投票できないので、どれだけ多くのアンチを飼っていようが関係なく一番多くの狂信者(そして出資者)をつけられた奴が勝つ戦いである。
もし自分が韓国の一般大衆だったら純金のインゴットかダイヤモンドに全ベットすると思う。家電とか現金とかより資産価値上がる系の景品がいい。
でもそろそろなんか取り締まられそうな予感がする。
ABEMAでやってる某男性k-popオーディション番組を視聴中。お気持ち長文です。
こちらの続き
https://anond.hatelabo.jp/20250821185238
たぶん増田でこの番組を見てる人相当少ないと思うんで「世の中にはこんな世界もあるんやなあ」みたいな感じで笑ってくれたらいいなと思います。
今回は最高の教育者の話、札束バトルの話、ストーカーの話の豪華3本立てです。
【ここまでのあらすじ】
先々週に参加者が80人→48人まで減らされ、残ったメンバーによる「ポジション別評価」を先週から放送中。ダンス、ボーカル、ラップの各ポジション別に課題曲が数曲あり、最も自信のあるポジションを選んでそれぞれの曲ごと数人でチームを組む。ダンスなら振り付け創作、ボーカルなら編曲、ラップならリリックの創作が課され、その制作過程やチームの動き、成果物となるステージが放送される。
ラップチームの中になんと25歳・15歳・15歳の3人組が誕生した。
リーダーは25歳の参加者がやることになったが、問題は15歳の2人のうちどちらがメインパートを務めるのか...
2人ともラップに自信があってこのポジションを選んだわけで、当然お互いに譲るわけにはいかない。そこでリーダーが2人にラップをやらせてどちらがいいか判断することに。結局リーダーが片方の子に任せるわけだがそこで終わらずにきちんと理由を説明。「中間評価の出来次第では変えることもあるかもしれない」とも伝え、選ばれた子にも「緊張感を持って自分のパートを守る気でやってほしい」と言っていた。同じ練習生という立場だし、この表現は合っていないかもしれないが、最高の教育者じゃないか...
次回放送でさらなるビハインドシーンと本番の舞台を見れるのが楽しみ。
(ちなみにリーダーは中性的な印象のイケメンで、「ソウルの教育ママみたい」というツイートがバズっていた。)
この番組では韓国からの票は外国からの票と比べて数倍の価値があり、ファイナル(最終デビューメンバーを決める最終回生放送)ではさらに重要になる。
票を売るアカウントもあるが、あれはだいたいインドネシアとかのIPなので、韓国票を買うためには別の手段が必要。それが本国向け懸賞である。
「〇〇くんに投票してくれた方の中から抽選で〇〇名に〇〇をプレゼント!」という至ってシンプルなもので、特にファイナル生放送中の投票は1回きりであり参加しやすいため大規模な懸賞が出てくる。
ここに向けて本国の各ファンダムが賞品を買うための募金を進めており、要は札束の殴り合いが開幕しているということだ。
既にファイナル進出(おそらく上位16位圏内)が堅そうな参加者のファンダムではファイナル投票に向けた募金、
次のラウンド進出(上位24位圏内)を目下の目標とするファンダムでは現在行われている投票で票を獲得するための募金が進められている。
すでに懸賞の類をやっている個人と思しきアカウントもあり、各種商品券や現金10万ウォン(!?)、Diorの香水が出たかと思えばiPhone16proMAX(!?)まであってなんでもありだ。
純粋な人気順=オタクがお金を出せる順 とは限らないので、「ファイナルの大課金で順位ジャンプアップ」的展開もあるらしい。MoneyisPower…
先日参加者たちには休暇が与えられたようで、ソウルや近郊各地で目撃動画が上がったが、その中でも火鍋屋に来た参加者に群がるファンの動画がかなり物議を醸しており話題に。めちゃくちゃいっぱい人が群がってきてスマホのカメラまで無数に向けられ、15歳くらいの練習生の子がかなり怖がっていた。
参加者の中には既に他のグループでデビューしたことのある「既デビュー組」もおり、同じような経験も多くしてきたであろう彼らが他の練習生を守りながら移動する姿が見られたが、彼らもまた20代前半なのだと思うと複雑な気持ちになる。
韓国でこういう推しに迷惑をかけちゃう系ファンは「サセン(私生)」と呼ばれるらしい。日本語(ジャニーズ用語?)でいったらヤラカシ?
でもそれは両方ストーカーやねん...
まあ韓国人だけじゃなくて日本人の場外乱闘(主にSNS)も大概で嫌になっちゃいますが、1pick=最推しが脱落するのはもっと嫌なので今日も黙々と票を投じます。
画像生成AIの台頭でクリエイターの立場が脅かされる中、反対するだけでは権利は守れない。クリエイターの社会的立場は搾取構造に脆弱で、人気と地位には大きなギャップがあり、交渉力に乏しい。
クリエイターは、AI実装フェーズで主導権を握り、品質管理や倫理設計に関与することで交渉力を獲得し、自ら未来を切り開くべきである。
多くの企業が現在、LLM(大規模言語モデル)の開発に注力している。対話型AIや検索エンジンの再構築にリソースが集中する中、画像生成AIの実装(商品化)フェーズは相対的に手薄になっている。
筆者は、この「画像生成AIの実装フェーズの遅れ」という隙を突いて、画像生成AIの実装フェーズでクリエイターが主導権を握れると考えている。
技術開発段階では、当然ながら研究者やエンジニアが主導する。これに対し、実装フェーズの段階では、出力される画像の品質や文化的適合性が問われるようになる。構図、色彩、構造理解といった視覚的判断は、技術者よりもクリエイターの専門領域だ。
実際、大手クリエイティブツール企業のいくつかは、クリエイターとの協業によってAIツールの品質向上を図っている。要するに、実装フェーズこそ、クリエイターがAI開発の構造に食い込むチャンスなのだ。
AIに否定的なクリエイターの多くは、「お気持ち」を強い言葉で反対していれば問題が自然に解決されると期待しているように見える。だが、現実には、無許諾学習や対価配分の議論は2022年からほとんど前進していない。
反対するだけでは、議論の隅に追いやられるだけだ。文化庁の審議会において、AI規制派の代表に相当する人物が制度設計に関与していないことからも、制度側からは「反対するだけの声は議論に参加する資格なし。」と見なされている状況を直視しなければならない。
欧米ではAI倫理に関する議論が法制度化されつつあるが、発言力を持つのは「AI開発の制度設計に関与した側」だけだ。日本でも提言は出されているが、法的拘束力でもなければ企業は動かない。
交渉力は、制度の外から叫ぶのではなく、制度の中に入り込んで初めて生まれる。だからこそ、クリエイターは画像生成AI開発の現場に入り、品質管理や倫理設計の実務を担うことで、交渉のテーブルにつく必要があるのだ。
筆者にとって、画像生成AIを強い言葉で拒否し、AI関連イベントのキャンセルカルチャーに加担してきた一部のクリエイターの行動は、決して容認できるものではない。
過激な主張や感情的な言葉が議論を分断し、業界全体の信頼を損ねた面もあるだろう。
その一方で、結果的にではあるが、彼らの声が画像生成AIの実装フェーズを一定程度遅らせたことは事実だ。企業が炎上リスクを警戒し、画像生成AIの採用に慎重になった、ということはあり得る。
その遅延が、今の「AI開発の構造に介入するチャンス」を生んでいるとも言える。
このような背景を踏まえると、彼ら自身が汚名を返上し、建設的な議論に参加できるようにするにはどうしたらいいだろうか。
現状では、画像生成AIに反対する一部のクリエイターに対する誤解や偏見が生まれやすく、一般層や市場から距離を置かれる傾向がある。けして楽観できる立場ではない。
この状況を打破するためには、反対の声を建設的な議論に変え、クリエイター全体がAI開発の制度設計に参加する流れを作る必要があるだろう。
AIテックと正面から戦っても、クリエイター側に勝ち目は薄い。
いや、すでにAI規制を求めるクリエイター側は敗北しているのかも知れない。
技術開発の主導権を握っているのは、資本と研究力を持つグローバル企業である。倫理やマナーだけに頼った反対の声が、年間数十~数百億に上るロビイング経費で国政議論に介入している彼らに勝てるとでも思っているのだろうか。
生成AIが生み出す市場利益は数兆ドル規模だとも言われている。その莫大な利益の再配分を前に、お気持ち倫理の反対がどれほどの影響を持てるというのか。
日本のコンテンツが海外輸出をやめると抵抗しても、必要とあれば敵対的買収くらいやってのけるだけの資本力がある。
正面から喧嘩できる相手ではない。少なくとも、日本のコンテンツ市場は、彼らとAIを巡って対立しようとは思わないはずだ。
画像生成AIが台頭してから3年、筆者は規制が進まないことを憂うよりも、AI開発が生む莫大な利益の再配分をクリエイターが受けられなくなってしまうことを恐れている。
そこで考えたのは、画像生成AIの実装フェーズ段階ならば、クリエイターの関与する余地があるのではないか、ということだった。つまり、AI開発の制度設計側に入り込み、実装の方向性そのものをコントロールしてやる、という戦略である。
仮に、実装フェーズの主導権を握ることができたとすれば、無許諾学習や学習対価の配分といった問題にも交渉の余地が生まれるのではないか。
また、莫大な利益が入るなら、これらの問題は些細なものになるかもしれない。そう考えていくと、主導権を握るメリットは計り知れない。
筆者は、AI学習に使用された画像の対価(使用料・許諾料)というのは、AIによって生まれた利益の再配分だと認識している。
AIが誰かの作品を学習し、それによって企業が利益を得たなら、その利益の一部を元のクリエイターに分配するという考え方だ。
この考え方に従えば、AI開発に反対しているだけで「再配分だけよこせ」というのは、そもそも通らない話ではないか。
現行法では、(文化庁の考え方に従っているという条件付きだが)どうやってもネットで収集した画像をAI学習に使うことに対して著作権侵害を訴えることは出来ない。
したがって、利益の源泉となるAI開発の制度設計に参加していないのに、分配だけを求めるのは、制度的にも経済的にも無理筋ではないかと思うのだ。
そして、AIテックのロビイング活動によって、無許諾学習が合法である、という方針を維持させている可能性も高い。
その状況下では、札束勝負で勝てるとは思えない。何故なら、画像の使用料を払うよりもロビイング活動経費の方が安上がりである、と言えるからだ。
特許侵害訴訟というのも、基本的には利益の再配分を求める行為と読み替えても成立する。
他社が利益を出している技術に対して訴訟が起きやすいのは、「分け前をよこせ」という意味に解釈できる。
しかし、クリエイターにはこの「特許」に該当するものがない。作品は著作権で守られているが、スキルや職能そのものは保護されていない。だから企業に相手にされない。公的制度による交渉の土台がないのだ。
そう考えれば、倫理だけで反対してもノイズ以上のものになり得ない、ということにも説明がつく。公的制度という根拠がない立場では、法廷でも交渉の場でも、発言力を持てない。
交渉力という観点では、クリエイターは社会的な発言力がむしろ弱いのである。
コンテンツとして人気があることと、社会的地位があることは別だ。社会的地位が高いというのは、公的制度による優遇措置があると言い換えてもいい。
SNSのフォロワー数や再生回数は「市場価値」ではあるが、「法的地位」ではない。
確かに、人気があり、社会的影響力を持てば、食っていくのには困らないだろう。
だが、クリエイターが保護されるのは市場の都合であり、市場によって生かされているだけに過ぎないのである。
いくつかの事例をすぐさま思い浮かべることが出来ると思うが、一歩間違えれば一晩で作品ごと市場から存在を消されてしまう。消滅に際して何の抵抗手段も選択肢もない。それくらい社会的な立場は脆弱である。
資格職能は公的制度によって保護されており、いきなり存在ごと消されるなんてことはない。少なくとも消えるまでの抵抗が許される余地がある。
繰り返すが、「人気」とは「社会的地位」ではなく、市場価値の一形態にすぎない。
アニメーターが良い例で、高度な専門技能を持ち、文化的貢献も大きいにもかかわらず、公的には職能として認定されていない。
このことが何を意味するかと言えば、元々、クリエイターという職業は、搾取構造に対して極めて脆弱だということだ。
作品は著作権で保護できる。けれども、クリエイターとしての職能は、何一つ、公的制度によって守られているものがない。創作物は生活必需品とは異なり、社会が、あるいは市場がいらないと言えば、排除される運命にある。
そして生成AI技術開発が、その搾取構造を助長している。だが、それを止める手立てはない。何をどうやっても社会の制度は守ってくれないのである。
では、なぜ社会制度が守らないのか。これはクリエイターとしての能力は「他者との差別化」という、異質性が基準となっているからだ。公的制度による保護を持つ職業は、一定の基準にしたがった選別で成り立っている。
つまり「同じ事ができる」、同質性という前提条件があるが、クリエイターは、他者と違ったことができる異質性の基準を持っている。
こうした異質性による選別を公的制度の文脈で考えると、「他者にできないのであれば、なくても同じ。」という言葉に翻訳される。よって公的制度によって保護する必要性を認められないのである。
人気があるから守られると思っているなら、それは錯覚だ。人気クリエイターがなりすまし被害や契約トラブルに巻き込まれても、公的制度によって守られる仕組みは存在しない。
例えば、士業であれば非弁行為などは違法と定義され、地位が守られる仕組みがある。クリエイターのなりすまし被害は民事訴訟で解決するしか方法がない。
人気は流動的であり、交渉力としては不安定だ。AI開発という巨大な利益構造での交渉において、この市場価値の高さと現実の地位の弱さというギャップを埋めるには、AI開発の制度設計に食い込むしか道はない。
交渉のテーブルにつくには、企業が「必要だ」と思う存在になるしかないだろう。
そのためには、画像生成AIの弱点をクリエイターが補完し、品質向上に貢献することが鍵になる。
画像生成AIは、見かけ上の品質は優れているが、構造理解(指が6本とか建造物分断、同一性の非保持など)という点で人間には遠く及ばない。
この弱点を解決するには、クリエイターの関与が不可欠であると考えている。すなわち、AIに「構造理解はこうやるんだ。」と教えてやることだ。
実際、AI企業が「プロンプト設計者」や「品質監修者」としてクリエイターを雇用する事例は増えている。企業は倫理的主張には動かないが、必要性が明確になったときには協業を検討するだろう。
交渉団体を作るより、相手を動かす方が確実だ。まずはクリエイターとエンジニアがタッグを組み、一部でもAIの弱点を解決してみせるのがいいだろう。それが、AI開発の制度設計に食い込む第一歩になる。
AIの弱点解決にはクリエイターのサポートが不可欠である、とは言っても、それは現時点での話である。時間さえ掛ければいずれは技術によって弱点も克服されてしまうだろう。けれども、今ならまだ、クリエイターに優位がある。
ならば、画像生成AIの制度設計において主導権を握るチャンスは、今しかない。企業にとっても市場競争力維持のために実装フェーズを急ぎたい。ここに利害の一致がある。
多くの企業がLLMに集中している今、画像生成AIの実装フェーズは手薄になっている。だが、技術が成熟してAI開発の制度設計が固定化されてしまえば、後から入っても交渉余地はなくなる。
かつて強い言葉で反対してきた人々も、今こそ制度設計の最前線に立つべきだ。
その声が実装フェーズを遅らせたことで、今の「隙」が生まれたのだとすれば、次はその声を制度設計に向けて使おうではないか。悪者で終わることに甘んじるな。
チャンスの期間は短い。あれこれ実現可能性だの問題点だのを検討している暇はない。とにかくAI開発の制度設計に関与できるように動くこと。
それが、今のクリエイターに残された唯一の選択肢だと思っている。
筆者は、画像生成AIに対する反論や懸念を否定しているのではなく、そうした声が社会的な制度に届かなかった原因を指摘しているに過ぎない。
倫理的な反発も、創作の尊厳を守りたいという思いも、人気による影響力への期待も、すべて理解できる。
だが、それらは制度に届く構造を持っていなかった。ならば、届く形に組み替える必要があるだろう。
文化庁のパブコメに2万6千件もの意見が寄せられ、その殆どが無意味に切り捨てられたのは、公的な制度が理解できる言葉に翻訳されていなかったからだ。
社会的制度は、感情では動かない。交渉力は、AI開発の制度設計の中でしか生まれない。声を届けるには、公的な制度に理解できる言葉の翻訳が必要だ。
本稿が目指したのは、反論の声を様々な制度に接続するための指針提言である。
末尾に、クリエイターの権利と尊厳が守られる形でAI開発の制度設計が組み立てられることを願い、筆を置く。
生成AIを批判したいあまり、イラストレーターが「線が繋がっていない」とか「目が溶けてる」、「キャラが一貫していない」とか「差分を作れない」など具体的に欠点を挙げ、貶める投稿をよく見かける。
プロのアニメーターが「予備動作がない」とか「歩きが不自然」、「演技がなってない」などと、モーションに言及したりする。
自らの技術を誇示したいのかも知れないが、これはAI開発者に無償で改善点を助言していることに気付いているだろうか。イラストやアニメーションの専門家であるあなた方からの悪評は、AI開発者にとって貴重なアドバイスなのである。
そうした悪評は表には出さず、本稿で示したようにAI開発の現場に入り込み、開発者に助言した方が、あなた方にとって遙かにPermalink |記事への反応(0) | 09:25
ちょい前にAIのポチョムキン理解って言ってたけど、正直厄介で致命的なのは、エンジニアのポチョムキン理解なんだよな。
オライリーとかWeb記事とか、「読みました」「理解しました」って議論してる。
「うちは最新の関数型プログラミングを採用して非同期処理を導入しています」
「マイクロサービスに切り分けて、疎結合にしています。そうですね。今でサービス数は120をちょっと超えたところです」
「分散型DBを使って処理速度を上げています。PKは前テナント通してUUIDを使って適切にばらけさせています」
正しく理解できていれば、炎上もしないし、新機能投入、要件変更も容易に行えるはずなのに、それができない。
クライアントが増えてデータ量が多くなってくると処理に時間がかかるようになっていく。
炎上の原因。
停滞の原因。
理解できてるはず正しいはずという思い込みがあるから、「今の炎上停滞状態が異常だ」と思い至らない。
「前にいた某社ではこうやっていた」
って見よう見まね、行動だけなぞって、本来目的とされていた効果が一切得られない、カーゴカルトエンジニアリングもそう。
そうして積み上げられたデブでよろよろのサービスが、今大量にあるのだよな。
これ、なんとかできるかって聞かれたら、規模がデカすぎて、どうせお前ら、なんで新機能も増えないのにこんなに金がかかるんだよ! ってキレるだろ? ってんで、やりたくねぇ。
10年ほど前の規模と複雑度ならなんとかリーズナブルになんとかできたけど、そろそろ無理になってきてる。
いつか空から札束が降ってきましたら、わたくし、歌だのキャラデザインだの動画だのを片っ端から外注して、豪華絢爛なミュージックビデオをお作りあそばせようと思っておりましたの。
……ところがどっこい、AI様がその夢を叶えてくださる時代が来たのですから、これはもうやらねば詐欺ですわよね!?ということでJust Do Itいたしましたの。
https://www.youtube.com/watch?v=Znw6q9o3Ssw
長年わたくしの脳内という狭苦しい檻でカビていた世界観が、ようやく陽の目を浴びましてよ……あぁ、涙でモニターが見えませんわ。
でも、この魔法のような力にもすぐ慣れてしまいそうですので、今のうちに自慢と感想を置き逃げいたしますわ。
お試しにボカロ風の楽曲を作ってみたくなりまして「ボカロといえばメンヘラ曲ですわよね?」という根拠不明な偏見をフル装備。
じいやに出してもらった狭心症のお薬をガン見しながらデカフェコーヒーをがぶ飲み、心臓をテーマにした歌詞をSuno様にえいやっと投げ捨てましたの。
ジャンルは「心拍ビートの憂鬱アンビエント+ウィスパー女子」でしてよ。ええ、きっとアンビエントですわ。
出来上がりは……もぅ最高❤
文字数てきとーな歌詞なのに完璧なリズムで歌い上げ、吐息混じりで耳に直接ささやいてくるんですのよ。わたくし、思わず「結婚して」と言いかけましたわ。
しかもこのボーカル様と作曲者様、実在しないのですって! この世にいないのにわたくしの脳を直撃してくるとか罪深いにも程がございますわ。
テクとしては、漢字は時々お中国語読みをしでかしますので、怪しいところは平仮名に開くのが吉ですわ。
再生成で微修正もできるので、間違えても泣く必要はございませんの。
複数キャラ並べるのは大変ですって? あら、そんな面倒なこと庶民にお任せあそばせ。
わたくしは「少女!天使!羽!骸骨!心臓!」という王道厨二キャラ一択で、niji・journey様に丸投げいたしましたの。
余計な物を切り捨て、体を差し替え、お着替えさせ、全身を拵え、Midjourney様の背景と合体……もうモデルさんもビックリの撮影会でしてよ。
実写背景に二次キャラを置くのって、本当に背徳的で大好きですの。アクスタで世界旅行してるみたいでウフフ。
さらにちびキャラ、線画、油絵風まで取り揃えて、MVを宝石箱のように彩って差し上げましたの。
物語の都合上、世界中に心臓が溢れ返ったのでキャラと同数くらい心臓を量産いたしましたの。
洞窟から覗く巨大心臓を巡って兵士が撃ち合う? 意味不明ですわね。でもAI様は文句も言わず描いてくださいますの。
なお「heart」だけですとハートマーク祭りになるので、「heartorgan」や「humanheart」で命を吹き込むのがコツですわ❤
まさか画像生成から動画生成の時代にワープするとは……技術革新って怖かわですわね。
ノンアルビールをたしなみつつ、Kling様にスチルをぶん投げて延々ガチャ。
実写背景二次キャラも線画も油絵も全部動きますのよ。ええ、怖いくらい。
とはいえ破綻は盛りだくさん。空と海の速度がバラバラ、傘の骨が頬骨を貫通マジックして、宙を舞う金魚がフュージョンしては分裂……まるで深夜のテンションですわ。
こういう時はプロンプト調整沼に沈むより、編集でマスク抜きやエフェクトで誤魔化すのが勝ち筋。そもそも生成させるシーンがおかしい? それはもうお約束ですわよ❤
裏技として、背景とキャラを別々に当たりガチャし、合成してから中割りさせる方法もございますの。
AI生成なのにグリーンバック? ええ、わたくしも笑いましたわ。けれど抜きやすいのですもの。
年初に歌を生成、「あらこれイケますわ!」と確信してGWに仮完成。
そこからワインのように「寝かせて熟成させましょう」と思ったら、お盆になっておりましたの……。
言い訳はございますのよ? 幾度も引退したソシャゲに復帰してしまったり、ギックリ腰になったりと、庶民的アクシデントに見舞われまして。
気づけばAIモデルが一世代前に……うふふ、時代はお待ちくださらないのですわ。
それでも、この虚弱体力でも四半期に一本くらいは作れそうな手応えがございますので、今後も優雅に量産して参りますわ。おほほほほ……