
はてなキーワード:成城学園前とは
元増田:https://anond.hatelabo.jp/20250119141453
元増田が言うように小田急線は複々線化が遅れ、ラッシュ時の酷い混雑率とノロノロ運転に悩まされていた。
線路脇には中途半端に地上げした空き地が点在し、沿線の民家には複々線化反対の幟や横断幕。通常新宿~町田間は急行で35分だったがラッシュ時は50分。こういう状態が20年くらい続いていた。
ところが1990年代中頃になると一気に地上げは進み方々で工事開始、2000年代になると完成区間から供用されていったのである。
何が起こったのか?反対運動側が折れたのか?
それは首記の「特定都市鉄道整備積立金制度」のせいである。ぶっちゃけて言うと鉄道会社が複々線化事業の原資を貯めるために運賃の値上げをしてよいという制度だ。
この制度の根拠法の「特定都市鉄道整備促進特措法」は1986年施行なのだが活用が進んだのはバブル崩壊後の1990年代前半からであった。
そもそも知っておくべきなのは鉄道運賃が国(運輸/国交大臣)の許可制で、勝手に値上げ出来ないという事である。
バブル崩壊後にデフレが進行するという異常事態に陥ったが、通常の国民経済ではインフレ傾向が定常状態だ。すると鉄道会社やバス会社は運賃を値上げしたい。だが公共交通はインフラであるので値上げは沿線住民が困る。また逆に平行路線との過競争で運賃を値下げして競争会社を潰してしまうとその会社が運行する別路線の交通インフラが無くなってしまう。
なので運賃は国の許可が無いと変更する事が出来ない。運輸/国交大臣は会社の財務状況などを勘案して値上げの許可を出すのである。
という事は、鉄道会社は鉄道事業で金を貯め込んだり株主に高配当するという事が難しいのだ。
同制度は運賃値上げの理由として複々線化事業の積立を認めるものである。
余剰収益を積み立てたらそこに法人税が掛かるものであるが、同制度により積み立て分への課税は回避される。
ずっとゼロ金利状態なのでピンと来にくいが、バブル以前は金利は高かった。しかもバブル時はインフレ加熱を懼れて公定歩合を一気に引き上げた。事業をやっている人は常に公定歩合の上げ下げに気を留めていたのである。(現在は基準貸付利率というが慣習的に公定歩合と言う人も多い)
ゼロ金利であっても、鉄道などの土木インフラ事業では償還期間が長いので利子の負担も重くなる。
本制度が動き出すまで私鉄はどこも複々線化事業が全然進展していなかった。例えば地下鉄有楽町線は新桜台止まりの支線がずっとそのままだった。これは乗り入れ先の西武池袋線練馬駅の工事が手付かずのままだったからだが、同制度が動き出してから後には瞬く間に工事が開始されて一駅だけの無意味な支線は解消された。
一方、JRでは既に複々線工事は昭和の中期に完了していた。これは国の金で工事が出来たからだ。具体的には工事自体は鉄建公団が負担して行い、完成後に国鉄に負債を転嫁するというスキームになっていた。
また、国鉄には地上げ専従の職員と部署があった。新線、線路改良が定常的に行われていたという事である。
例えばJR化後直ぐに東北新幹線の上野~東京間が開通したが、この区間は国鉄が既に地上げをしてあったのでやったのは工事だけだった。
上野東京ライン開通時に「神田付近の地上げが難しくて新幹線の上を通す構造にした」という話を聞いたことがあるかも知れないが、これは国鉄時代の事なのである。新幹線線路上の三階建てにする高架構造も既にその時に決まっていたという事だ。
こうして同制度によって90年代には各社線で値上げと工事が一気に開始され、2000年代には完成して供用されるようになった。
増田は90年代小田急利用者だったが、この為に運賃が値上げ、しかも通学運賃は2倍になった。
更に工事の為に急行退避駅の待避線が幾つか使えなくなった。成城学園前が退避不能になった場合は、経堂から向ケ丘遊園まで各停の追い越しが出来ない。故に急行は各停にすぐに追いついて各駅手前停車列車と化した。大変なストレスである。しかも運賃2倍なのだ。そして複々線化完了する時には卒業していて利益還元ゼロ。理不尽な仕打ちであろう…。
多数の私鉄線が同制度を利用して複々線化を行ったが、一つ事業キャンセルになった所がある。それは西武新宿線で、積み立てをしていたがバブル崩壊後の経済低迷で利用者増の見通しが下方修正となった。それで複々線化の必要なしとの判断になり、積立金は取り崩して運賃に還元、つまり運賃値下げして利用者に還元された。
故に西武新宿線の混雑程度が同制度による混雑緩和限度、つまり利用者受忍限度と見做す事が出来る。
特定都市鉄道整備(特々)には複々線化だけじゃなくて連続立交化もある事に注意が必要だ。
複々線化は原資が運賃積立金、連続立交化は補助金が原資となる(それぞれ事業金の100%ではない。持ち出しや借入、社債発行もある)。
この二つは別事業なのだが、同時に行われる場合もある。小田急の場合が将にそれで、高架化やトンネル化が複々線で行われた。この為に原資としては運賃積立金と補助金両方が入っている。
元増田は「騒音問題が」と何度も書いているが、これは高架化の事だ。同時に行われたから不可分に見えるが、制度と原資の面で違うのだ。
元増田が勘違いしてるであろうのは反対運動の主張のコアだ。当時、沿線のベランダにたなびいていた幟や横断幕の文言は専らが「複々線化は地下式で」だ。つまりは複々線化は前提にして地下式を求め高架式を拒否している。
地下化なら騒音はないし日照問題も無い。工法によってはもしかしたら沿線の住宅が立退きしなくても良くなるかもしれない。そういう見立てだ。
だが地下化は金が掛かるからちょっと困難である。但し東急池上線という都内のローカル線が地下化された事はあるのでそういうのを参考にしたのかもしれない。
元増田は自分で騒音問題忌避の住民エゴを批判する事を書きながらそれを「複々線化反対」と断じていて筋違いである。
線路や道路の計画段階では住民に説明が行われ時に紛糾したりするが、その後の進捗というのは一直線ではない。計画→説明会→地上げ→工事と滞りなく進むものばかりではないのだ。計画のまま何十年も塩漬けになったり資金不足で地上げがチンタラ進まない場合もある。小田急複々線化は将にこれに該たる。
だから反対運動の方も計画段階で反対している時と、事業側がやる気になって金突っ込んで工事内容を策定するような「詰めてきた」状態での反対では温度差がまるで違う。
また反対の内容も計画自体に反対から補償金や公共施設の築造を求める、曳家で引っ込めたいから工事業者や銀行紹介してくれなどに変わったりする。その上で強行的に反対する場合もある。
でもネットフィルター通すとこういう各段階での温度差は見えなくなって、一律反対派住民となってしまう。土地とか持ってない人間が集まって集合意識を形成してしまうのだ。元増田もその気配がある。
自衛隊の東富士演習場に食い込むように未収用の土地があるのをご存じだろうか?ここではやはり収用反対運動が展開された。
その未収用の土地の一角を所有する人の下で働いたことがある。所有と言っても親戚兄弟姉妹で共有になってる山林だが、この人の家には収用の役人が一度も来た事が無いそうである。だから一見揉めてそうで全然揉めてもいないし交渉自体行われた事が無い。
だがネットではその辺の事が判らずに「反自衛隊的な人間がごねている」と書かれているのを見た事がある。そういう事を書く人は自分が住む家が何十年も前から再開発地域になっていて説明会がたまに開かれていても判らないであろう。
鉄道会社は運賃許可制により過剰な儲けが出せない仕組みになっており、また普通の経営的にも蓄財には課税され借入は経営上のリスクになるので莫大なコストが掛かる複々線化はまるで進捗しなかった。
そこで特定都市鉄道整備積立金制度がスタートして運賃値上げによる非課税積立が許されるようになり各社一気に工事が進捗しほぼ完成した。
同じ特々事業の高架化(連続立交化)と同時に行われて混同しやすいが制度と原資の調達面で違うもの。
反対運動と言っても地上げの各段階で温度差があり要求も変化する。
増田ってやつは普段読みもしなければ書いたこともない。読みづらいのは勘弁してくれ。
これは告発でもあるから後ろめたい気持ちがなくはないが、公表することが顧客と従業員ひいては公益にかなうと信じて疑わないので書いてしまう。
組織としての栄光以外(つまり今回の事件に直接の落ち度のない個人)に迷惑がかからないように書くつもりだ。
昨日の晩、食後にNHKのニュースを見ていたら、「栄光の教室長が勤務中に過労死し、労災と認められた」とたまたま目に入った。
それだけなら(まあそういうことも、あの会社なら不思議ではないな)でスルーできたが、
亡くなられたのは俺が勤務していた教室の近隣教室(成城学園前)の室長だ、ということなので、さすがにスルーできなくなった。
スルーできないのは、過労死を出すような会社を批判したい正義感、とか個人の恨みで栄光憎しではない。
自分の中で罪悪感のようなものを抱えてどうしようもないからだ。「加害者ヅラ」させてほしい。
クソみたいな環境に甘んじていた俺は憎まれるべき悪人で、過労死が起こるような環境を作った責任は俺にもある。
ただ、これを読んでいる人は「栄光がどうなっちゃってんのか」に興味あるのだろうし、
そっちを先に 読んで楽しく をモットーに書いておく。
俺は栄光ゼミナール(集団個別併設)栄光ビザビ(個別専門)両方での勤務経験が10年弱ある。
社員だったのではないが、栄光の数少ない美点である「社員も上の方の管理職も、バイトになれなれしい(が、風通しがいいというわけでもない)」と言う社風から、
管理職のそばにいるうちに、内部事情に精通して理解するようになったと思ってほしい。
働いていた10年の間で、ずいぶんと正社員の人手が減らされていくのをこの目で見た。
まず栄光がどれほど顧客(まず未成年だ)と従業員(社員・バイト含め)をナメているか書いていく。
どれも昨今のナメた企業ではめずらしいものではないのかもだろうが、「これが上場企業(栄光HDはすでに上場廃止しているとのこと。ご指摘感謝。12/9お詫びして訂正いたします。)の教育業でござい」と言われると、俺は後ろ暗い気持ちを抱かずにいられない。
こんな感じだろう。
では具体的なことを書いていこう。
栄光における過労の主要因は、社員1人で担当する生徒の人数が多すぎることだと俺は思う。
今回の事件について
まず、ソースはNHKのニュースによると、教室長過労死の発生したビザビ成城学園校の生徒数は180人だそうだ。
これを社員(ようは学生バイトと事務パート以外)2人で担当していたそうだ。この生徒180人に社員2人という比率は、
栄光の近年の社内基準から言えば「ギリギリ生徒数が多すぎることはない」というスタンダードなものだろう。
後述する「1人教室」に2人目の社員が配置されるかどうかの基準が「在籍数100」とも言われていた。(つまり99人までは1人の社員で教室を運営させる)
だが(誰がどういった根拠で決めたのか不明な)社内基準でOKでも、単純計算で1人あたり90人の生徒、そしてそれとほぼ同数の保護者の対応を満足に行うのは無理だ。
多くの公教育で1クラス50人が限度なので、この50人というのは経験的に求められた「人間1人あたりが面倒を見れる最大人数」なのだろう。
が、在籍数を増やせ増やせ(退塾を減らせ減らせ)と詰められるので、それを粛々とこなす社員だらけだ。
仕事が多すぎることの問題に社内の誰も(社員もバイトも)手をつけずに、むしろ率先して長時間労働を維持する方向に行ってしまったことが、
今回のような取り返しのつかない結果を招いたと言える。
なぜこのような腐った風土なのかは文字数に余裕があれば後述する。
社員が常時2人以上いる教室はまだ生徒の安全面に影響が少ないからマシだ。おぞましいのは社員が1人または1.5人の教室だ。
生徒の在籍人数が100人以下の教室は、ここ10年で社員2人から社員1人に人手が半減された。社員が教室長1人だけの教室を、
そのままだが1人教室と呼んでいた。(1.5人教室は2人目の社員が他教室と掛け持ちである)
俺は「2人教室」→「1.5人教室」→「1人教室」と、なし崩し的に人手が減らされる現場にいたが、
社員の人手不足に対するフォロー(IT活用や勤務時間の融通など)は皆無であり、
学生バイトや事務パートの採用拡大の権限も教室長にはなかった。
もうおかしいのがわかるだろう。
週休2日を維持しようと思えば週1日は「教室に社員が一人もいない日」を設定しなければならない。
つまり、「社員が休むあいだ、バイトが教室の全責任を負って教室を開ける日」を設けるのだ。
あなたは「何かあったら誰も責任の取れない(何かあってもなんの権限も責任もない大学生が矢面に立たされる)の日が毎週ある教室」にお子さんを通わせたいと思うだろうか?
もしあなたがバイトだったら、なんの見返りもなく教室の有事(生徒が怪我をしたら?災害が起こったら?)の責任を負わされるかもしれない立場に立ちたいだろうか?
栄光曰く「この状態はコンプライアンスに抵触しない」ようだ。生徒と従業員の安全をなんだと思っているんだろうかね。
幸いにも生徒に危害の及ぶ大事件は俺の教室では起こらなかったが、栄光と(おもにオーバーワークで壊され)モメた末に、見せしめ同然に辞めさせられていった元社員が教室に討ち入りにくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、そんなことはおくびにも出さずに社員のいない教室を毎週開けて、俺は生徒に笑顔で(警備会社の通報ペンダントだろうと思われた物体を自ら首からさげ)授業していた。受付も電話番もいない教室にフラッと不審者が来て、生徒にいきなりガソリンでもかけられたらジ・エンドである。
だが、こんなことがバイトだけで開けてる日にあった。保護者からの電話がかかってきてがバイトでは返答しかるので、会社の代表の番号を案内した。
が、間違えて(間違うもなにもそういうときにどうしたらいいか、なにもバイトは聞かされていないので)新規入塾問合せのフリーダイアルを案内してしまった。
その後、コールセンターの部署から「迷惑だ。なにをしているんだ」と電話口で叱責を受けた。
だがよく聞くと、こちらがバイトだけで教室を1日開けてることも、そこになんのフォローもないことをコールセンターの部署はご存知でなかった。
あとで成城学園前(当時は今回の事件とは別)の教室長から、「そういうことがあったらうちの教室に電話を回してほしい」といまさらのように言われた。
人手不足を重く見た(ポーズをとった)栄光は、「社員が足らないならバイトを社員ぽく見せかければいいじゃない」と思ったか知らないが、
バイト講師に「チーフ教師」なる肩書(とカスみたいな役職手当)をつけて、社員が休みの日の責任をバイトになすりつけるシステムを開発した。
俺が栄光を辞めた後もこの路線は拡大され、個別の教室案内のwebページにチーフ教師が「社員です」みたいな感じで、写真付きで紹介されるようになった。
(ちなみに社員とバイトを写真で見分けるには、スーツに社章がついているかいないかだ。それを悟られないように社章を隠すような写真の教室は確信犯でやってると思う。)
ここまでならなんの問題もない。
だが一部に社内の身分的にチーフではないのに「チーフ教師」と書かれた、嘘っぱちの名刺を渡されて業務をするように命じられたバイトがいる。
俺は、広報活動のため来室した私立学校の先生たちにこのニセ名刺を渡し、保護者面談でも(たしか)渡したと思う。
渡された人たちがどう思ったか知らないが、栄光はなんの非もないバイトを通して取引先を、つまらない見栄のために騙し騙させた。
それに唯々諾々と従っていた俺にも非がある。
簡単に言うと、退職後にニセチーフとして働いたぶんの役職手当を全額栄光に請求した。
きちんとしたフォーマットの請求書を作成し、証拠のニセ名刺を本社の人事宛に送付した。
栄光の人事責任者(だったと思う)から連絡があり、本社で事情を聞きたいと言うので本社に出向いてやって、ありのままを話した。
そこで話をした人事担当者は、このニセ名刺作戦にどれくらい噛んでるのか、俺は知らなかったし知りたくもなく、相手も探られたくはないだろうと思って聞きはしなかった。
「送付した請求書は、高校の同級生の弁護士と相談したうえで、送付させてもらった(大嘘)」と言ったところ、それにビビったのか栄光は即座に和解を申し出た。
「ただ働き分の金は払うからニセ名刺一件は黙っていろ」と、和解とタダで口止めさせる、非常に虫のいい提案がなされた。
俺はひたむきな栄光の従業員たちに思いを馳せ、彼らの幸せ免じて、タダ働きされた分のお金で栄光とは手切れだってことにして、
いろいろと許せないことはあったが、寛大な心で(体面上)ことを荒立てずに和解に乗った。
俺は以前に、「これは間違いなく警察or訴訟沙汰だろうなぁ」と思っていた社内不祥事を、鋼の意志で示談もしくは泣き寝入りに持っていき、隠し通す栄光の体質を十分知っていた。
知っていたはずだが、栄光を1秒でも早く忘れたく、穏便にことを運ぶことを選んだ。
が、それはいま思えば、栄光の隠蔽体質の片棒を担ぐ最低の判断だった。
今回の過労死の件も社内では1年もあったにも関わらずたいして共有もされず(教室長たちを管理する役職にもついていたことがある、他県の教室長が「よく知らない」と仰天発言したのを、俺が昨日のうちに直接本人から電話で聞いたから確実である)、
労災認定のプレスリリースも、目の届きにくいところにひっそり佇んでいる。
ここまで読んでいただいた方は、「そんなにひどい栄光でなぜ社員たちは悪いことをしてでも栄光に忠誠を誓ってしまうのか」と疑問に思われるだろう。
栄光だけではない。このような悲しい過労死の事件が起こるたび、当事者でない我々は「どうしてそこまで」と思ってしまう。
最後に、栄光で働くことで、いかにそのような正常な感覚が失われるのかを書きたい。
まず、想像していただきやすいのが、(手垢のついた言葉で説明するなら)「やりがいの搾取」の構造だ。
「栄光は好きではないが、生徒のために頑張りたい」と口にする社員は、俺の周りでは少なくなかった。
生徒と接していると「生徒のために頑張りたい」という気持ちが湧くのはよくわかる。
ただ、冷酷なようだが彼らは「栄光で頑張ること」が生徒のためになる唯一の解決策だと視野狭窄に陥っていたと言わざるを得ない(俺もそうだった)
世の中に塾はたくさんあるのだし、生徒も、働く者も、何もこんな間違った環境にいる必要などどこにもないのだ。
それに気づかなくさせるくらい、生徒を指導して得られるやりがいというものは劇薬である。
だが栄光で得られる「やりがい」は「他人様の育てた大事なお子さんたちを、タダでダシにした」まがい物だ。
よその会社が必死に作り上げている「やりがい」が聞いて呆れるだろう。
ついで社員をダメにしてしまうのが、彼らの部下の「スーパースペックな塾講師」の存在だろう。
そこらの社員よりも高学歴で授業がうまく生徒からも人気があり頼んだ仕事を絶対に断らない人間が(大学生・既卒問わず)、少なからず栄光では働いている。
不遜を承知で言わせてもらうと、(もうここまで読んでわかると思うが)俺がそうだった。
前述した1人教室が潰れないのは、この有能なバイトがいるからだというのもある。
スーパーなバイトを見て、社員は「バイトがこんなに頑張っているんだから自分だって」と自分を明後日の方向に鼓舞する。それが人情ってものだ。
しかし一方でスーパーなバイトは腐っている栄光を完璧なように取り繕うことができる麻薬だ。
・入院手術で休まざるをえない社員の穴が、社員で埋まらないからスーパーバイトで代わりをさせる。
・夏期講習中休暇を社員に取らせるため、4日連続でバイトだけで教室を営業
・講習期間中にトラブルがあったら、スーパーバイトは休日でも、旅行にいくのをキャンセルにさせて働かせればOK
・突然来なくなったバイトの穴埋めができなくても、急遽電話をかけてスーパーバイトを呼び出せば解決
・教室長が壊れて(!)辞めた後始末をスーパーバイトに、最低時給以下の手当を握らせて、やらせる
使いようのいいバイトに甘えた環境が、腐りきった栄光の社風を作っていると俺は考える。
だがおわかりのように、甘えさせた俺も悪い。
バイトに泣きつけばどうにか持ちこたえてしまうなら、問題の根本的な解決は先送りされる。
先送りされたツケがどうなったかは、知っての通りだ。そしてこれで終わりではない。
「業界の他社も同じことをしている」
「働きすぎるのは自己責任だ」
この文章が印刷され、栄光の人間が読むことがあるかもしれない。
読む人間は俺が誰だかよく知っているだろうし、俺に腹を立てているだろうが知ったこっちゃない。
お前らは、他人様の子供を預かって商売する資格もなければ、人を雇って働かせる資格もない。
俺は栄光を辞めた。この1点でも少なくともお前らより悪じゃない。わかるか?
増田ってやつは普段読みもしなければ書いたこともない。読みづらいのは勘弁してくれ。
これは告発でもあるから後ろめたい気持ちがなくはないが、公表することが顧客と従業員ひいては公益にかなうと信じて疑わないので書いてしまう。
組織としての栄光以外(つまり今回の事件に直接の落ち度のない個人)に迷惑がかからないように書くつもりだ。
昨日の晩、食後にNHKのニュースを見ていたら、「栄光の教室長が勤務中に過労死し、労災と認められた」とたまたま目に入った。
それだけなら(まあそういうことも、あの会社なら不思議ではないな)でスルーできたが、
亡くなられたのは俺が勤務していた教室の近隣教室(成城学園前)の室長だ、ということなので、さすがにスルーできなくなった。
スルーできないのは、過労死を出すような会社を批判したい正義感、とか個人の恨みで栄光憎しではない。
自分の中で罪悪感のようなものを抱えてどうしようもないからだ。「加害者ヅラ」させてほしい。
クソみたいな環境に甘んじていた俺は憎まれるべき悪人で、過労死が起こるような環境を作った責任は俺にもある。
ただ、これを読んでいる人は「栄光がどうなっちゃってんのか」に興味あるのだろうし、
そっちを先に 読んで楽しく をモットーに書いておく。
俺は栄光ゼミナール(集団個別併設)栄光ビザビ(個別専門)両方での勤務経験が10年弱ある。
社員だったのではないが、栄光の数少ない美点である「社員も上の方の管理職も、バイトになれなれしい(が、風通しがいいというわけでもない)」と言う社風から、
管理職のそばにいるうちに、内部事情に精通して理解するようになったと思ってほしい。
働いていた10年の間で、ずいぶんと正社員の人手が減らされていくのをこの目で見た。
まず栄光がどれほど顧客(まず未成年だ)と従業員(社員・バイト含め)をナメているか書いていく。
どれも昨今のナメた企業ではめずらしいものではないのかもだろうが、「これが上場企業の教育業でござい」と言われると、俺は後ろ暗い気持ちを抱かずにいられない。
こんな感じだろう。
では具体的なことを書いていこう。
栄光における過労の主要因は、社員1人で担当する生徒の人数が多すぎることだと俺は思う。
今回の事件について
まず、ソースはNHKのニュースによると、教室長過労死発生したビザビ成城学園校の生徒数は180人だそうだ。
これを社員(ようは学生バイトと事務パート以外)2人で担当していたそうだ。この生徒180人に社員2人という比率は、
栄光の近年の社内基準から言えば「ギリギリ生徒数が多すぎることはない」というスタンダードなものだろう。
後述する「1人教室」に2人目の社員が配置されるかどうかの基準が「在籍数100」とも言われていた。(つまり99人までは1人の社員で教室を運営させる)
だが(誰がどういった根拠で決めたのか不明な)社内基準でOKでも、単純計算で1人あたり90人の生徒、そしてそれとほぼ同数の保護者の対応を満足に行うのは無理だ。
多くの公教育で1クラス50人が限度なので、この50人というのは経験的に求められた「人間1人あたりが面倒を見れる最大人数」なのだろう。
が、在籍数を増やせ増やせ(退塾を減らせ減らせ)と詰められるので、それを粛々とこなす社員だらけだ。
仕事が多すぎることの問題に社内の誰も(社員もバイトも)手をつけずに、むしろ率先して長時間労働を維持する方向に行ってしまったことが、
今回のような取り返しのつかない結果を招いたと言える。
なぜこのような腐った風土なのかは文字数に余裕があれば後述する。
社員が常時2人以上いる教室はまだ生徒の安全面に影響が少ないからマシだ。おぞましいのは社員が1人または1.5人の教室だ。
生徒の在籍人数が100人以下の教室は、ここ10年で社員2人から社員1人に人手が半減された。社員が教室長1人だけの教室を、
そのままだが1人教室と呼んでいた。(1.5人教室は2人目の社員が他教室と掛け持ちである)
俺は「2人教室」→「1.5人教室」→「1人教室」と、なし崩し的に人手が減らされる現場にいたが、
社員の人手不足に対するフォロー(IT活用や勤務時間の融通など)は皆無であり、
学生バイトや事務パートの採用拡大の権限も教室長にはなかった。
もうおかしいのがわかるだろう。
週休2日を維持しようと思えば週1日は「教室に社員が一人もいない日」を設定しなければならない。
つまり、「社員が休むあいだ、バイトが教室の全責任を負って教室を開ける日」を設けるのだ。
あなたは「何かあったら誰も責任の取れない(何かあってもなんの権限も責任もない大学生が矢面に立たされる)の日が毎週ある教室」にお子さんを通わせたいと思うだろうか?
もしあなたがバイトだったら、なんの見返りもなく教室の有事(生徒が怪我をしたら?災害が起こったら?)の責任を負わされるかもしれない立場に立ちたいだろうか?
栄光曰く「この状態はコンプライアンスに抵触しない」ようだ。生徒と従業員の安全をなんだと思っているんだろうかね。
幸いにも生徒に危害の及ぶ大事件は俺の教室では起こらなかったが、栄光と(おもにオーバーワークで壊され)モメた末に、見せしめ同然に辞めさせられていった元社員が教室に討ち入りにくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、そんなことはおくびにも出さずに社員のいない教室を毎週開けて、俺は生徒に笑顔で(警備会社の通報ペンダントだろうと思われた物体を自ら首からさげ)授業していた。受付も電話番もいない教室にフラッと不審者が来て、生徒にいきなりガソリンでもかけられたらジ・エンドである。
だが、こんなことがバイトだけで開けてる日にあった。保護者からの電話がかかってきてがバイトでは返答しかるので、会社の代表の番号を案内した。
が、間違えて(間違うもなにもそういうときにどうしたらいいか、なにもバイトは聞かされていないので)新規入塾問合せのフリーダイアルを案内してしまった。
その後、コールセンターの部署から「迷惑だ。なにをしているんだ」と電話口で叱責を受けた。
だがよく聞くと、こちらがバイトだけで教室を1日開けてることも、そこになんのフォローもないことをコールセンターの部署はご存知でなかった。
あとで成城学園前(当事は今回の事件とは別)の教室長から、「そういうことがあったらうちの教室に電話を回してほしい」といまさらのように言われた。
人手不足を重く見た(ポーズをとった)栄光は、「社員が足らないならバイトを社員ぽく見せかければいいじゃない」と思ったか知らないが、
バイト講師に「チーフ教師」なる肩書(とカスみたいな役職手当)をつけて、社員が休みの日の責任をバイトになすりつけるシステムを開発した。
俺が栄光を辞めた後もこの路線は拡大され、個別の教室案内のwebページにチーフ教師が「社員です」みたいな感じで、写真付きで紹介されるようになった。
(ちなみに社員とバイトを写真で見分けるには、スーツに社章がついているかいないかだ。それを悟られないように社章を隠すような写真の教室は確信犯でやってると思う。)
ここまでならなんの問題もない。
だが一部に社内の身分的にチーフではないのに「チーフ教師」と書かれた、嘘っぱちの名刺を渡されて業務をするように命じられたバイトがいる。
俺は、広報活動のため来室した私立学校の先生たちにこのニセ名刺を渡し、保護者面談でも(たしか)渡したと思う。
渡された人たちがどう思ったか知らないが、栄光はなんの非もないバイトを通して取引先を、つまらない見栄のために騙し騙させた。
それに唯々諾々と従っていた俺にも非がある。
簡単に言うと、退職後にニセチーフとして働いたぶんの役職手当を全額栄光に請求した。
きちんとしたフォーマットの請求書を作成し、証拠のニセ名刺を本社の人事宛に送付した。
栄光の人事責任者(だったと思う)から連絡があり、本社で事情を聞きたいと言うので本社に出向いてやって、ありのままを話した。
そこで話をした人事担当者は、このニセ名刺作戦にどれくらい噛んでるのか、俺は知らなかったし知りたくもなく、相手も探られたくはないだろうと思って聞きはしなかった。
「送付した請求書は、高校の同級生の弁護士と相談したうえで、送付させてもらった(大嘘)」と言ったところ、それにビビったのか栄光は即座に和解を申し出た。
「ただ働き分の金は払うからニセ名刺一件は黙っていろ」と、和解とタダで口止めさせる、非常に虫のいい提案がなされた。
俺はひたむきな栄光の従業員たちに思いを馳せ、彼らの幸せ免じて、タダ働きされた分のお金で栄光とは手切れだってことにして、
いろいろと許せないことはあったが、寛大な心で(体面上)ことを荒立てずに和解に乗った。
俺は以前に、「これは間違いなく警察or訴訟沙汰だろうなぁ」と思っていた社内不祥事を、鋼の意志で示談もしくは泣き寝入りに持っていき、隠し通す栄光の体質を十分知っていた。
知っていたはずだが、栄光を1秒でも早く忘れたく、穏便にことを運ぶことを選んだ。
が、それはいま思えば、栄光の隠蔽体質の片棒を担ぐ最低の判断だった。
今回の過労死の件も社内では1年もあったにも関わらずたいして共有もされず(教室長たちを管理する役職にもついていたことがある、他県の教室長が「よく知らない」と仰天発言したのを、俺が昨日のうちに直接本人から電話で聞いたから確実である)、
労災認定のプレスリリースも、目の届きにくいところにひっそり佇んでいる。
ここまで読んでいただいた方は、「そんなにひどい栄光でなぜ社員たちは悪いことをしてでも栄光に忠誠を誓ってしまうのか」と疑問に思われるだろう。
栄光だけではない。このような悲しい過労死の事件が起こるたび、当事者でない我々は「どうしてそこまで」と思ってしまう。
最後に、栄光で働くことで、いかにそのような正常な感覚が失われるのかを書きたい。
まず、想像していただきやすいのが、(手垢のついた言葉で説明するなら)「やりがいの搾取」の構造だ。
「栄光は好きではないが、生徒のために頑張りたい」と口にする社員は、俺の周りでは少なくなかった。
生徒と接していると「生徒のために頑張りたい」という気持ちが湧くのはよくわかる。
ただ、冷酷なようだが彼らは「栄光で頑張ること」が生徒のためになる唯一の解決策だと視野狭窄に陥っていたと言わざるを得ない(俺もそうだった)
世の中に塾はたくさんなるのだし、生徒も、働く者も、何もこんな間違った環境にいる必要などどこにもないのだ。
それに気づかなくさせるくらい、生徒を指導して得られるやりがいというものは劇薬である。
だが栄光で得られる「やりがい」は「他人様の育てた大事なお子さんたちを、タダでダシにした」まがい物だ。
よその会社が必死に作り上げている「やりがい」が聞いて呆れるだろう。
ついで社員をダメにしてしまうのが、彼らの部下の「スーパースペックな塾講師」の存在だろう。
そこらの社員よりも高学歴で授業がうまく生徒からも人気があり頼んだ仕事を絶対に断らない人間が(大学生・既卒問わず)、少なからず栄光では働いている。
不遜を承知で言わせてもらうと、(もうここまで読んでわかると思うが)俺がそうだった。
前述した1人教室が潰れないのは、この有能なバイトがいるからだというのもある。
スーパーなバイトは、社員は「バイトがこんなに頑張っているんだから自分だって」と自分を鼓舞するのが人情ってものだ。
それにスーパーなバイトは腐っている栄光を完璧なように取り繕うことができる麻薬だ。
・入院手術で休まざるをえない社員の穴が、社員で埋まらないからスーパーバイトで代わりをさせる。
・夏期講習中休暇を社員に取らせるため、4日連続でバイトだけで教室を営業
・講習期間中にトラブルがあったら、スーパーバイトは休日でも、旅行にいくのをキャンセルにさせて働かせればOK
・突然来なくなったバイトの穴埋めができなくても、急遽電話をかけてスーパーバイトを呼び出せば解決
・教室長が壊れて(!)辞めた後始末をスーパーバイトに、最低時給以下の手当を握らせて、やらせる
使いようのいいバイトに甘えた環境が、腐りきった栄光の社風を作っていると俺は考える。
だがおわかりのように、甘えさせた俺も悪い。
バイトに泣きつけばどうにか持ちこたえてしまうなら、問題の根本的な解決は先送りされる。
先送りされたツケがどうなったかは、知っての通りだ。そしてこれで終わりではない。
「業界の他社も同じことをしている」
「働きすぎるのは自己責任だ」
この文章が印刷され、栄光の人間が読むことがあるかもしれない。
読む人間は俺が誰だかよく知っているだろうし、俺に腹を立てているだろうが知ったこっちゃない。
増田ってやつは普段読みもしなければ書いたこともない。読みづらいのは勘弁してくれ。
これは告発でもあるから後ろめたい気持ちがなくはないが、公表することが顧客と従業員ひいては公益にかなうと信じて疑わないので書いてしまう。
組織としての栄光以外(つまり今回の事件に直接の落ち度のない個人)に迷惑がかからないように書くつもりだ。
昨日の晩、食後にNHKのニュースを見ていたら、「栄光の教室長が勤務中に過労死し、労災と認められた」とたまたま目に入った。
それだけなら(まあそういうことも、あの会社なら不思議ではないな)でスルーできたが、
亡くなられたのは俺が勤務していた教室の近隣教室(成城学園前)の室長だ、ということなので、さすがにスルーできなくなった。
スルーできないのは、過労死を出すような会社を批判したい正義感、とか個人の恨みで栄光憎しではない。
自分の中で罪悪感のようなものを抱えてどうしようもないからだ。「加害者ヅラ」させてほしい。
クソみたいな環境に甘んじていた俺は憎まれるべき悪人で、過労死が起こるような環境を作った責任は俺にもある。
ただ、これを読んでいる人は「栄光がどうなっちゃってんのか」に興味あるのだろうし、
そっちを先に 読んで楽しく をモットーに書いておく。
俺は栄光ゼミナール(集団個別併設)栄光ビザビ(個別専門)両方での勤務経験が10年弱ある。
社員だったのではないが、栄光の数少ない美点である「社員も上の方の管理職も、バイトになれなれしい(が、風通しがいいというわけでもない)」と言う社風から、
管理職のそばにいるうちに、内部事情に精通して理解するようになったと思ってほしい。
働いていた10年の間で、ずいぶんと正社員の人手が減らされていくのをこの目で見た。
まず栄光がどれほど顧客(まず未成年だ)と従業員(社員・バイト含め)をナメているか書いていく。
どれも昨今のナメた企業ではめずらしいものではないのかもだろうが、「これが上場企業の教育業でござい」と言われると、俺は後ろ暗い気持ちを抱かずにいられない。
こんな感じだろう。
では具体的なことを書いていこう。
栄光における過労の主要因は、社員1人で担当する生徒の人数が多すぎることだと俺は思う。
今回の事件について
まず、ソースはNHKのニュースによると、教室長過労死発生したビザビ成城学園校の生徒数は180人だそうだ。
これを社員(ようは学生バイトと事務パート以外)2人で担当していたそうだ。この生徒180人に社員2人という比率は、
栄光の近年の社内基準から言えば「ギリギリ生徒数が多すぎることはない」というスタンダードなものだろう。
後述する「1人教室」に2人目の社員が配置されるかどうかの基準が「在籍数100」とも言われていた。(つまり99人までは1人の社員で教室を運営させる)
だが(誰がどういった根拠で決めたのか不明な)社内基準でOKでも、単純計算で1人あたり90人の生徒、そしてそれとほぼ同数の保護者の対応を満足に行うのは無理だ。
多くの公教育で1クラス50人が限度なので、この50人というのは経験的に求められた「人間1人あたりが面倒を見れる最大人数」なのだろう。
が、在籍数を増やせ増やせ(退塾を減らせ減らせ)と詰められるので、それを粛々とこなす社員だらけだ。
仕事が多すぎることの問題に社内の誰も(社員もバイトも)手をつけずに、むしろ率先して長時間労働を維持する方向に行ってしまったことが、
今回のような取り返しのつかない結果を招いたと言える。
なぜこのような腐った風土なのかは文字数に余裕があれば後述する。
社員が常時2人以上いる教室はまだ生徒の安全面に影響が少ないからマシだ。おぞましいのは社員が1人または1.5人の教室だ。
生徒の在籍人数が100人以下の教室は、ここ10年で社員2人から社員1人に人手が半減された。社員が教室長1人だけの教室を、
そのままだが1人教室と呼んでいた。(1.5人教室は2人目の社員が他教室と掛け持ちである)
俺は「2人教室」→「1.5人教室」→「1人教室」と、なし崩し的に人手が減らされる現場にいたが、
社員の人手不足に対するフォロー(IT活用や勤務時間の融通など)は皆無であり、
学生バイトや事務パートの採用拡大の権限も教室長にはなかった。
もうおかしいのがわかるだろう。
週休2日を維持しようと思えば週1日は「教室に社員が一人もいない日」を設定しなければならない。
つまり、「社員が休むあいだ、バイトが教室の全責任を負って教室を開ける日」を設けるのだ。
あなたは「何かあったら誰も責任の取れない(何かあってもなんの権限も責任もない大学生が矢面に立たされる)の日が毎週ある教室」にお子さんを通わせたいと思うだろうか?
もしあなたがバイトだったら、なんの見返りもなく教室の有事(生徒が怪我をしたら?災害が起こったら?)の責任を負わされるかもしれない立場に立ちたいだろうか?
栄光曰く「この状態はコンプライアンスに抵触しない」ようだ。生徒と従業員の安全をなんだと思っているんだろうかね。
幸いにも生徒に危害の及ぶ大事件は俺の教室では起こらなかったが、栄光と(おもにオーバーワークで壊され)モメた末に、見せしめ同然に辞めさせられていった元社員が教室に討ち入りにくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、そんなことはおくびにも出さずに社員のいない教室を毎週開けて、俺は生徒に笑顔で(警備会社の通報ペンダントだろうと思われた物体を自ら首からさげ)授業していた。受付も電話番もいない教室にフラッと不審者が来て、生徒にいきなりガソリンでもかけられたらジ・エンドである。
だが、こんなことがバイトだけで開けてる日にあった。保護者からの電話がかかってきてがバイトでは返答しかるので、会社の代表の番号を案内した。
が、間違えて(間違うもなにもそういうときにどうしたらいいか、なにもバイトは聞かされていないので)新規入塾問合せのフリーダイアルを案内してしまった。
その後、コールセンターの部署から「迷惑だ。なにをしているんだ」と電話口で叱責を受けた。
だがよく聞くと、こちらがバイトだけで教室を1日開けてることも、そこになんのフォローもないことをコールセンターの部署はご存知でなかった。
あとで成城学園前(当事は今回の事件とは別)の教室長から、「そういうことがあったらうちの教室に電話を回してほしい」といまさらのように言われた。
人手不足を重く見た(ポーズをとった)栄光は、「社員が足らないならバイトを社員ぽく見せかければいいじゃない」と思ったか知らないが、
バイト講師に「チーフ教師」なる肩書(とカスみたいな役職手当)をつけて、社員が休みの日の責任をバイトになすりつけるシステムを開発した。
俺が栄光を辞めた後もこの路線は拡大され、個別の教室案内のwebページにチーフ教師が「社員です」みたいな感じで、写真付きで紹介されるようになった。
(ちなみに社員とバイトを写真で見分けるには、スーツに社章がついているかいないかだ。それを悟られないように社章を隠すような写真の教室は確信犯でやってると思う。)
ここまでならなんの問題もない。
だが一部に社内の身分的にチーフではないのに「チーフ教師」と書かれた、嘘っぱちの名刺を渡されて業務をするように命じられたバイトがいる。
俺は、広報活動のため来室した私立学校の先生たちにこのニセ名刺を渡し、保護者面談でも(たしか)渡したと思う。
渡された人たちがどう思ったか知らないが、栄光はなんの非もないバイトを通して取引先を、つまらない見栄のために騙し騙させた。
それに唯々諾々と従っていた俺にも非がある。
簡単に言うと、退職後にニセチーフとして働いたぶんの役職手当を全額栄光に請求した。
きちんとしたフォーマットの請求書を作成し、証拠のニセ名刺を本社の人事宛に送付した。
栄光の人事責任者(だったと思う)から連絡があり、本社で事情を聞きたいと言うので本社に出向いてやって、ありのままを話した。
そこで話をした人事担当者は、このニセ名刺作戦にどれくらい噛んでるのか、俺は知らなかったし知りたくもなく、相手も探られたくはないだろうと思って聞きはしなかった。
「送付した請求書は、高校の同級生の弁護士と相談したうえで、送付させてもらった(大嘘)」と言ったところ、それにビビったのか栄光は即座に和解を申し出た。
「ただ働き分の金は払うからニセ名刺一件は黙っていろ」と、和解とタダで口止めさせる、非常に虫のいい提案がなされた。
俺はひたむきな栄光の従業員たちに思いを馳せ、彼らの幸せ免じて、タダ働きされた分のお金で栄光とは手切れだってことにして、
いろいろと許せないことはあったが、寛大な心で(体面上)ことを荒立てずに和解に乗った。
俺は以前に、「これは間違いなく警察or訴訟沙汰だろうなぁ」と思っていた社内不祥事を、鋼の意志で示談もしくは泣き寝入りに持っていき、隠し通す栄光の体質を十分知っていた。
知っていたはずだが、栄光を1秒でも早く忘れたく、穏便にことを運ぶことを選んだ。
が、それはいま思えば、栄光の隠蔽体質の片棒を担ぐ最低の判断だった。
今回の過労死の件も社内では1年もあったにも関わらずたいして共有もされず(教室長たちを管理する役職にもついていたことがある、他県の教室長が「よく知らない」と仰天発言したのを、俺が昨日のうちに直接本人から電話で聞いたから確実である)、
労災認定のプレスリリースも、目の届きにくいところにひっそり佇んでいる。
ここまで読んでいただいた方は、「そんなにひどい栄光でなぜ社員たちは悪いことをしてでも栄光に忠誠を誓ってしまうのか」と疑問に思われるだろう。
栄光だけではない。このような悲しい過労死の事件が起こるたび、当事者でない我々は「どうしてそこまで」と思ってしまう。
最後に、栄光で働くことで、いかにそのような正常な感覚が失われるのかを書きたい。
まず、想像していただきやすいのが、(手垢のついた言葉で説明するなら)「やりがいの搾取」の構造だ。
「栄光は好きではないが、生徒のために頑張りたい」と口にする社員は、俺の周りでは少なくなかった。
生徒と接していると「生徒のために頑張りたい」という気持ちが湧くのはよくわかる。
ただ、冷酷なようだが彼らは「栄光で頑張ること」が生徒のためになる唯一の解決策だと視野狭窄に陥っていたと言わざるを得ない(俺もそうだった)
世の中に塾はたくさんなるのだし、生徒も、働く者も、何もこんな間違った環境にいる必要などどこにもないのだ。
それに気づかなくさせるくらい、生徒を指導して得られるやりがいというものは劇薬である。
だが栄光で得られる「やりがい」は「他人様の育てた大事なお子さんたちを、タダでダシにした」まがい物だ。
よその会社が必死に作り上げている「やりがい」が聞いて呆れるだろう。
ついで社員をダメにしてしまうのが、彼らの部下の「スーパースペックな塾講師」の存在だろう。
そこらの社員よりも高学歴で授業がうまく生徒からも人気があり頼んだ仕事を絶対に断らない人間が(大学生・既卒問わず)、少なからず栄光では働いている。
不遜を承知で言わせてもらうと、(もうここまで読んでわかると思うが)俺がそうだった。
前述した1人教室が潰れないのは、この有能なバイトがいるからだというのもある。
スーパーなバイトは、社員は「バイトがこんなに頑張っているんだから自分だって」と自分を鼓舞するのが人情ってものだ。
それにスーパーなバイトは腐っている栄光を完璧なように取り繕うことができる麻薬だ。
・入院手術で休まざるをえない社員の穴が、社員で埋まらないからスーパーバイトで代わりをさせる。
・夏期講習中休暇を社員に取らせるため、4日連続でバイトだけで教室を営業
・講習期間中にトラブルがあったら、スーパーバイトは休日でも、旅行にいくのをキャンセルにさせて働かせればOK
・突然来なくなったバイトの穴埋めができなくても、急遽電話をかけてスーパーバイトを呼び出せば解決
・教室長が壊れて(!)辞めた後始末をスーパーバイトに、最低時給以下の手当を握らせて、やらせる
使いようのいいバイトに甘えた環境が、腐りきった栄光の社風を作っていると俺は考える。
だがおわかりのように、甘えさせた俺も悪い。
バイトに泣きつけばどうにか持ちこたえてしまうなら、問題の根本的な解決は先送りされる。
先送りされたツケがどうなったかは、知っての通りだ。そしてこれで終わりではない。
「業界の他社も同じことをしている」
「働きすぎるのは自己責任だ」
この文章が印刷され、栄光の人間が読むことがあるかもしれない。
読む人間は俺が誰だかよく知っているだろうし、俺に腹を立てているだろうが知ったこっちゃない。
増田ってやつは普段読みもしなければ書いたこともない。読みづらいのは勘弁してくれ。
これは告発でもあるから後ろめたい気持ちがなくはないが、公表することが顧客と従業員ひいては公益にかなうと信じて疑わないので書いてしまう。
組織としての栄光以外(つまり落ち度のない個人)に迷惑がかからないように書くつもりだ。
昨日の晩、食後にNHKのニュースを見ていたら、「栄光の教室長が勤務中に過労死し、労災と認められた」とたまたま目に入った。
それだけなら(まあそういうことも、あの会社なら不思議ではないな)でスルーできたが、
亡くなられたのは俺が勤務していた教室の近隣教室(成城学園前)の室長だ、ということなので、さすがにスルーできなくなった。
スルーできないのは、過労死を出すような会社を批判したい正義感、とか個人の恨みで栄光憎しではない。
自分の中で罪悪感のようなものを抱えてどうしようもないからだ。「加害者ヅラ」させてほしい。
クソみたいな環境に甘んじていた俺は憎まれるべき悪人で、過労死が起こるような環境を作った責任は俺にもある。
ただ、これを読んでいる人は、栄光がどうなっちゃってんのかに興味あるのだろうし、そっちを先に読んで楽しくをモットーに書いておく。
俺は栄光ゼミナール(集団個別併設)栄光ビザビ(個別専門)両方での勤務経験が10年弱ある。
社員だったのではないが、栄光の数少ない美点である「社員も上の方の管理職も、バイトになれなれしい(が、風通しがいいというわけでもない)」と言う社風から、
管理職のそばにいるうちに、内部事情に精通して理解するようになったと思ってほしい。勝手なお願いだが信じてほしい。俺は悪人だが、嘘は書かない。
働いていた10年の間で、ずいぶんと正社員の人手が減らされていくのをこの目で見た。
まず栄光がどれほど顧客(まず未成年だ)と従業員(社員・バイト含め)をナメているか書いていく。
どれも昨今のナメた企業ではめずらしいものではないのかもだろうが、「これが上場企業の教育業でござい」と言われると、俺は後ろ暗い気持ちを抱かずにいられない。
こんな感じだろう。
では具体的なことを書いていこう。
栄光における過労の主要因は、社員1人で担当する生徒の人数が多すぎることだと俺は思う。
今回の事件について
まず、ソースはNHKのニュースによると、教室長過労死発生したビザビ成城学園校の生徒数は180人だそうだ。
これを社員(ようは学生バイトと事務パート以外)2人で担当していたそうだ。この生徒180人に社員2人という比率は、
栄光の近年の社内基準から言えば「ギリギリ生徒数が多すぎることはない」というスタンダードなものだろう。
後述する「1人教室」に2人目の社員が配置されるかどうかの基準が「在籍数100」とも言われていた。(つまり99人までは1人の社員で教室を運営させる)
だが(誰がどういった根拠で決めたのか不明な)社内基準でOKでも、単純計算で1人あたり90人の生徒、そしてそれとほぼ同数の保護者の対応を満足に行うのは無理だ。
多くの公教育で1クラス50人が限度なので、この50人というのは経験的に求められた「人間1人あたりが面倒を見れる最大人数」なのだろう。
が、在籍数を増やせ増やせ(退塾を減らせ減らせ)と詰められるので、それを粛々とこなす社員だらけだ。
仕事が多すぎることの問題に社内の誰も(社員もバイトも)手をつけずに、むしろ率先して長時間労働を維持する方向に行ってしまったことが、
今回のような取り返しのつかない結果を招いたと言える。
なぜこのような腐った風土なのかは文字数に余裕があれば後述する。
社員が常時2人以上いる教室はまだ生徒の安全面に影響が少ないからマシだ。おぞましいのは社員が1人または1.5人の教室だ。
生徒の在籍人数が100人以下の教室は、ここ10年で社員2人から社員1人に人手が半減された。社員が教室長1人だけの教室を、
そのままだが1人教室と呼んでいた。(1.5人教室は2人目の社員が他教室と掛け持ちである)
俺は「2人教室」→「1.5人教室」→「1人教室」と、なし崩し的に人手が減らされる現場にいたが、
社員の人手不足に対するフォロー(IT活用や勤務時間の融通など)は皆無であり、
学生バイトや事務パートの採用拡大の権限も教室長にはなかった。
もうおかしいのがわかるだろう。
週休2日を維持しようと思えば週1日は「教室に社員が一人もいない日」を設定しなければならない。
つまり、「社員が休むあいだ、バイトが教室の全責任を負って教室を開ける日」を設けるのだ。
あなたは「何かあったら誰も責任の取れない(何かあってもなんの権限も責任もない大学生が矢面に立たされる)の日が毎週ある教室」にお子さんを通わせたいと思うだろうか?
もしあなたがバイトだったら、なんの見返りもなく教室の有事(生徒が怪我をしたら?災害が起こったら?)の責任を負わされるかもしれない立場に立ちたいだろうか?
栄光曰く「この状態はコンプライアンスに抵触しない」ようだ。生徒と従業員の安全をなんだと思っているんだろうかね。
幸いにも生徒に危害の及ぶ大事件は俺の教室では起こらなかったが、栄光と(おもにオーバーワークで壊され)モメた末に、見せしめ同然に辞めさせられていった元社員が教室に討ち入りにくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、そんなことはおくびにも出さずに社員のいない教室を毎週開けて、俺は生徒に笑顔で(警備会社の通報ペンダントだろうと思われた物体を自ら首からさげ)授業していた。受付も電話番もいない教室にフラッと不審者が来て、生徒にいきなりガソリンでもかけられたらジ・エンドである。
だが、こんなことがバイトだけで開けてる日にあった。保護者からの電話がかかってきてがバイトでは返答しかるので、会社の代表の番号を案内した。
が、間違えて(間違うもなにもそういうときにどうしたらいいか、なにもバイトは聞かされていないので)新規入塾問合せのフリーダイアルを案内してしまった。
その後、コールセンターの部署から「迷惑だ。なにをしているんだ」と電話口で叱責を受けた。
だがよく聞くと、こちらがバイトだけで教室を1日開けてることも、そこになんのフォローもないことをコールセンターの部署はご存知でなかった。
あとで成城学園前(当事は今回の事件とは別)の教室長から、「そういうことがあったらうちの教室に電話を回してほしい」といまさらのように言われた。
人手不足を重く見た(ポーズをとった)栄光は、「社員が足らないならバイトを社員ぽく見せかければいいじゃない」と思ったか知らないが、
バイト講師に「チーフ教師」なる肩書(とカスみたいな役職手当)をつけて、社員が休みの日の責任をバイトになすりつけるシステムを開発した。
俺が栄光を辞めた後もこの路線は拡大され、個別の教室案内のwebページにチーフ教師が「社員です」みたいな感じで、写真付きで紹介されるようになった。
(ちなみに社員とバイトを写真で見分けるには、スーツに社章がついているかいないかだ。それを悟られないように社章を隠すような写真の教室は確信犯でやってると思う。)
ここまでならなんの問題もない。
だが一部に社内の身分的にチーフではないのに「チーフ教師」と書かれた、嘘っぱちの名刺を渡されて業務をするように命じられたバイトがいる。
俺は、広報活動のため来室した私立学校の先生たちにこのニセ名刺を渡し、保護者面談でも(たしか)渡したと思う。
渡された人たちがどう思ったか知らないが、栄光はなんの非もないバイトを通して取引先を、つまらない見栄のために騙し騙させた。
それに唯々諾々と従っていた俺にも非がある。
簡単に言うと、退職後にニセチーフとして働いたぶんの役職手当を全額栄光に請求した。
きちんとしたフォーマットの請求書を作成し、証拠のニセ名刺を本社の人事宛に送付した。
栄光の人事責任者(だったと思う)から連絡があり、本社で事情を聞きたいと言うので本社に出向いてやって、ありのままを話した。
そこで話をした人事担当者は、このニセ名刺作戦にどれくらい噛んでるのか、俺は知らなかったし知りたくもなく、相手も探られたくはないだろうと思って聞きはしなかった。
「送付した請求書は、高校の同級生の弁護士と相談したうえで、送付させてもらった(大嘘)」と言ったところ、それにビビったのか栄光は即座に和解を申し出た。
「ただ働き分の金は払うからニセ名刺一件は黙っていろ」と、和解とタダで口止めさせる、非常に虫のいい提案がなされた。
俺はひたむきな栄光の従業員たちに思いを馳せ、彼らの幸せ免じて、タダ働きされた分のお金で栄光とは手切れだってことにして、
いろいろと許せないことはあったが、寛大な心で(体面上)ことを荒立てずに和解に乗った。
俺は以前に、「これは間違いなく警察or訴訟沙汰だろうなぁ」と思っていた社内不祥事を、鋼の意志で示談もしくは泣き寝入りに持っていき、隠し通す栄光の体質を十分知っていた。
知っていたはずだが、栄光を1秒でも早く忘れたく、穏便にことを運ぶことを選んだ。
が、それはいま思えば、栄光の隠蔽体質の片棒を担ぐ最低の判断だった。
今回の過労死の件も社内では1年もあったにも関わらずたいして共有もされず(教室長たちを管理する役職にもついていたことがある、他県の教室長が「よく知らない」と仰天発言したのを、俺が昨日のうちに直接本人から電話で聞いたから確実である)、
労災認定のプレスリリースも、目の届きにくいところにひっそり佇んでいる。
ここまで読んでいただいた方は、「そんなにひどい栄光でなぜ社員たちは悪いことをしてでも栄光に忠誠を誓ってしまうのか」と疑問に思われるだろう。
栄光だけではない。このような悲しい過労死の事件が起こるたび、当事者でない我々は「どうしてそこまで」と思ってしまう。
最後に、栄光で働くことで、いかにそのような正常な感覚が失われるのかを書きたい。
まず、想像していただきやすいのが、(手垢のついた言葉で説明するなら)「やりがいの搾取」の構造だ。
「栄光は好きではないが、生徒のために頑張りたい」と口にする社員は、俺の周りでは少なくなかった。
生徒と接していると「生徒のために頑張りたい」という気持ちが湧くのはよくわかる。
ただ、冷酷なようだが彼らは「栄光で頑張ること」が生徒のためになる唯一の解決策だと視野狭窄に陥っていたと言わざるを得ない(俺もそうだった)
世の中に塾はたくさんなるのだし、生徒も、働く者も、何もこんな間違った環境にいる必要などどこにもないのだ。
それに気づかなくさせるくらい、生徒を指導して得られるやりがいというものは劇薬である。
だが栄光で得られる「やりがい」は「他人様の育てた大事なお子さんたちをタダでダシにした」まがい物だ。
よその会社が必死に作り上げている「やりがい」が聞いて呆れるだろう。
ついで社員を駆り立ててしまうのが、彼らの部下の「スーパースペックな塾講師」の存在だろう。
そこらの社員よりも高学歴で授業がうまく生徒からも人気があり頼んだ仕事を絶対に断らない人間が(大学生・既卒問わず)、少なからず栄光では働いている。
不遜を承知で言わせてもらうと、(もうここまで読んでわかると思うが)俺がそうだった。
前述した1人教室が潰れないのは、この有能なバイトがいるからだというのもある。
スーパーなバイトは、腐っている栄光を完璧なように取り繕うことができる麻薬だ。
・入院手術で休まざるをえない社員の穴が、社員で埋まらないからスーパーバイトで代わりをさせる。
・夏期講習中休暇を社員に取らせるため、4日連続でバイトだけで教室を営業
・講習期間中にトラブルがあったら、スーパーバイトは休日でも、旅行にいくのをキャンセルにさせて働かせればOK
・突然来なくなったバイトの穴埋めができなくても、急遽電話をかけてスーパーバイトを呼び出せば解決
・教室長が壊れて(!)辞めた後始末をスーパーバイトに、最低時給以下の手当を握らせて、やらせる
彼らスーパー塾講師に甘えた環境が、腐りきった栄光の社風を作っていると俺は考える。
だがおわかりのように、甘えさせた俺も悪い。
バイトに泣きつけばどうにか持ちこたえてしまうなら、問題の根本的な解決は先送りされる。
先送りされたツケがどうなったかは、知っての通りだ。そしてこれで終わりではない。
栄光スタンダードとはこういうものだ、業界の他社も同じことをしている、働きすぎるのは自己責任だ、など甘えきった言い訳から絶対に手を離しはしないだろう。
この文章が印刷され、栄光の人間が読むことがあるかもしれない。
読む人間は俺が誰だかよく知っているだろうし、俺に腹を立てているだろうが知ったこっちゃない。
増田ってやつは普段読みもしなければ書いたこともない。読みづらいのは勘弁してくれ。
これは告発でもあるから後ろめたい気持ちがなくはないが、公表することが顧客と従業員ひいては公益にかなうと信じて疑わないので書いてしまう。
組織としての栄光以外(つまり落ち度のない個人)に迷惑がかからないように書くつもりだ。
昨日の晩、食後にNHKのニュースを見ていたら、「栄光の教室長が勤務中に過労死し、労災と認められた」とたまたま目に入った。
それだけなら(まあそういうことも、あの会社なら不思議ではないな)でスルーできたが、
亡くなられたのは俺が勤務していた教室の近隣教室(成城学園前)の室長だ、ということなので、さすがにスルーできなくなった。
スルーできないのは、過労死を出すような会社を批判したい正義感、とか個人の恨みで栄光憎しではない。
自分の中で罪悪感のようなものを抱えてどうしようもないからだ。「加害者ヅラ」させてほしい。
クソみたいな環境に甘んじていた俺は憎まれるべき悪人で、過労死が起こるような環境を作った責任は俺にもある。
ただ、これを読んでいる人は、栄光がどうなっちゃってんのかに興味あるのだろうし、そっちを先に読んで楽しくをモットーに書いておく。
俺は栄光ゼミナール(集団個別併設)栄光ビザビ(個別専門)両方での勤務経験が10年弱ある。
社員だったのではないが、栄光の数少ない美点である「社員も上の方の管理職も、バイトになれなれしい(が、風通しがいいというわけでもない)」と言う社風から、
管理職のそばにいるうちに、内部事情に精通して理解するようになったと思ってほしい。勝手なお願いだが信じてほしい。俺は悪人だが、嘘は書かない。
働いていた10年の間で、ずいぶんと正社員の人手が減らされていくのをこの目で見た。
まず栄光がどれほど顧客(まず未成年だ)と従業員(社員・バイト含め)をナメているか書いていく。
どれも昨今のナメた企業ではめずらしいものではないのかもだろうが、「これが上場企業(現在は上場廃止。指摘感謝)の教育業でござい」と言われると、俺は後ろ暗い気持ちを抱かずにいられない。
こんな感じだろう。
では具体的なことを書いていこう。
栄光における過労の主要因は、社員1人で担当する生徒の人数が多すぎることだと俺は思う。
今回の事件について
まず、ソースはNHKのニュースによると、教室長過労死発生したビザビ成城学園校の生徒数は180人だそうだ。
これを社員(ようは学生バイトと事務パート以外)2人で担当していたそうだ。この生徒180人に社員2人という比率は、
栄光の近年の社内基準から言えば「ギリギリ生徒数が多すぎることはない」というスタンダードなものだろう。
後述する「1人教室」に2人目の社員が配置されるかどうかの基準が「在籍数100」とも言われていた。(つまり99人までは1人の社員で教室を運営させる)
だが(誰がどういった根拠で決めたのか不明な)社内基準でOKでも、単純計算で1人あたり90人の生徒、そしてそれとほぼ同数の保護者の対応を満足に行うのは無理だ。
多くの公教育で1クラス50人が限度なので、この50人というのは経験的に求められた「人間1人あたりが面倒を見れる最大人数」なのだろう。
が、在籍数を増やせ増やせ(退塾を減らせ減らせ)と詰められるので、それを粛々とこなす社員だらけだ。
仕事が多すぎることの問題に社内の誰も手をつけずに、むしろ率先して長時間労働を維持する方向に行ってしまったのが、今回のような取り返しのつかない結果を招いたと言える。
なぜこのような腐った風土なのかは文字数に余裕があれば後述する。
社員が常時2人以上いる教室はまだ生徒の安全面に影響が少ないからマシだ。おぞましいのは社員が1人または1.5人の教室だ。
生徒の在籍人数が100人以下の教室は、ここ10年で社員2人から社員1人に人手が半減された。社員が教室長1人だけの教室を、
そのままだが1人教室と呼んでいた。(1.5人教室は2人目の社員が他教室と掛け持ちである)
俺は「2人教室」→「1.5人教室」→「1人教室」と、なし崩し的に人手が減らされる現場にいたが、
社員の人手不足に対するフォロー(IT活用や勤務時間の融通など)は皆無であり、
学生バイトや事務パートの採用拡大の権限も教室長にはなかった。
もうおかしいのがわかるだろう。
週休2日を維持しようと思えば週1日は「教室に社員が一人もいない日」を設定しなければならない。
つまり、「社員が休むあいだ、バイトが教室の全責任を負って教室を開ける日」を設けるのだ。
あなたは「何かあったら誰も責任の取れない(何かあってもなんの権限も責任もない大学生が矢面に立たされる)の日が毎週ある教室」にお子さんを通わせたいと思うだろうか?
もしあなたがバイトだったら、なんの見返りもなく教室の有事(生徒が怪我をしたら?災害が起こったら?)の責任を負わされるかもしれない立場に立ちたいだろうか?
栄光曰く「この状態はコンプライアンスに抵触しない」ようだ。生徒と従業員の安全をなんだと思っているんだろうかね。
幸いにも生徒に危害の及ぶ大事件は俺の教室では起こらなかったが、栄光と(おもにオーバーワークで壊され)モメた末に、見せしめ同然に辞めさせられていった元社員が教室に討ち入りにくるんじゃないかとヒヤヒヤしながら、そんなことはおくびにも出さずに社員のいない教室を毎週開けて、俺は生徒に笑顔で(警備会社の通報ペンダントだろうと思われた物体を自ら首からさげ)授業していた。受付も電話番もいない教室にフラッと不審者が来て、生徒にいきなりガソリンでもかけられたらジ・エンドである。
だが、こんなことがバイトだけで開けてる日にあった。保護者からの電話がかかってきてがバイトでは返答しかるので、会社の代表の番号を案内した。
が、間違えて(間違うもなにもそういうときにどうしたらいいか、なにもバイトは聞かされていないので)新規入塾問合せのフリーダイアルを案内してしまった。
その後、コールセンターの部署から「迷惑だ。なにをしているんだ」と電話口で叱責を受けた。
だがよく聞くと、こちらがバイトだけで教室を1日開けてることも、そこになんのフォローもないことをコールセンターの部署はご存知でなかった。
あとで成城学園前(当事は今回の事件とは別)の教室長から、「そういうことがあったらうちの教室に電話を回してほしい」といまさらのように言われた。
人手不足を重く見た(ポーズをとった)栄光は、「社員が足らないならバイトを社員ぽく見せかければいいじゃない」と思ったか知らないが、
バイト講師に「チーフ教師」なる肩書(とカスみたいな役職手当)をつけて、社員が休みの日の責任をバイトになすりつけるシステムを開発した。
俺が栄光を辞めた後もこの路線は拡大され、個別の教室案内のwebページにチーフ教師が「社員です」みたいな感じで、写真付きで紹介されるようになった。
(ちなみに社員とバイトを写真で見分けるには、スーツに社章がついているかいないかだ。それを悟られないように社章を隠すような写真の教室は確信犯でやってると思う。)
ここまでならなんの問題もない。
だが一部に社内の身分的にチーフではないのに「チーフ教師」と書かれた、嘘っぱちの名刺を渡されて業務をするように命じられたバイトがいる。
俺は、広報活動のため来室した私立学校の先生たちにこのニセ名刺を渡し、保護者面談でも(たしか)渡したと思う。
渡された人たちがどう思ったか知らないが、栄光はなんの非もないバイトを通して取引先を、つまらない見栄のために騙し騙させた。
それに唯々諾々と従っていた俺にも非がある。
簡単に言うと、退職後にニセチーフとして働いたぶんの役職手当を全額栄光に請求した。
きちんとしたフォーマットの請求書を作成し、証拠のニセ名刺を本社の人事宛に送付した。
栄光の人事責任者(だったと思う)から連絡があり、本社で事情を聞きたいと言うので本社に出向いてやって、ありのままを話した。
そこで話をした人事担当者は、このニセ名刺作戦にどれくらい噛んでるのか、俺は知らなかったし知りたくもなく、相手も探られたくはないだろうと思って聞きはしなかった。
「送付した請求書は、高校の同級生の弁護士と相談したうえで、送付させてもらった(大嘘)」と言ったところ、それにビビったのか栄光は即座に和解を申し出た。
「ただ働き分の金は払うからニセ名刺一件は黙っていろ」と、和解とタダで口止めさせる、非常に虫のいい提案がなされた。
俺はひたむきな栄光の従業員たちに思いを馳せ、彼らの幸せ免じて、タダ働きされた分のお金で栄光とは手切れだってことにして、
いろいろと許せないことはあったが、寛大な心で(体面上)ことを荒立てずに和解に乗った。
俺は以前に、「これは間違いなく警察or訴訟沙汰だろうなぁ」と思っていた社内不祥事を、鋼の意志で示談もしくは泣き寝入りに持っていき、隠し通す栄光の体質を十分知っていた。
知っていたはずだが、栄光を1秒でも早く忘れたく、穏便にことを運ぶことを選んだ。
が、それはいま思えば、栄光の隠蔽体質の片棒を担ぐ最低の判断だった。
今回の過労死の件も社内では1年もあったにも関わらずたいして共有もされず(教室長たちを管理する役職にもついていたことがある、他県の教室長が「よく知らない」と仰天発言したのを、俺が昨日のうちに直接本人から電話で聞いたから確実である)、
労災認定のプレスリリースも、目の届きにくいところにひっそり佇んでいる。
ここまで読んでいただいた方は、「そんなにひどい栄光でなぜ社員たちは悪いことをしてでも栄光に忠誠を誓ってしまうのか」と疑問に思われるだろう。
栄光だけではない。このような悲しい過労死の事件が起こるたび、当事者でない我々は「どうしてそこまで」と思ってしまう。
最後に、栄光で働くことで、いかにそのような正常な感覚が失われるのかを書きたい。
まず、想像していただきやすいのが、(手垢のついた言葉で説明するなら)「やりがいの搾取」の構造だ。
「栄光は好きではないが、生徒のために頑張りたい」と口にする社員は、俺の周りでは少なくなかった。
生徒と接していると「生徒のために頑張りたい」という気持ちが湧くのはよくわかる。
ただ、冷酷なようだが彼らは「栄光で頑張ること」が生徒のためになる唯一の解決策だと視野狭窄に陥っていたと言わざるを得ない(俺もそうだった)
世の中に塾はたくさんなるのだし、生徒も、働く者も、何もこんな間違った環境にいる必要などどこにもないのだ。
それに気づかなくさせるくらい、生徒を指導して得られるやりがいというものは劇薬である。
だが栄光で得られる「やりがい」は「他人様の育てた大事なお子さんたちをタダでダシにした」まがい物だ。
よその会社が必死に作り上げている「やりがい」が聞いて呆れるだろう。
ついで社員を駆り立ててしまうのが、彼らの部下の「スーパースペックな塾講師」の存在だろう。
そこらの社員よりも高学歴で授業がうまく生徒からも人気があり頼んだ仕事を絶対に断らない人間が(大学生・既卒問わず)、少なからず栄光では働いている。
不遜を承知で言わせてもらうと、(もうここまで読んでわかると思うが)俺がそうだった。
前述した1人教室が潰れないのは、この有能なバイトがいるからだというのもある。
スーパーなバイトは、腐っている栄光を完璧なように取り繕うことができる麻薬だ。
・入院手術で休まざるをえない社員の穴が、社員で埋まらないからスーパーバイトで代わりをさせる。
・夏期講習中休暇を社員に取らせるため、4日連続でバイトだけで教室を営業
・講習期間中にトラブルがあったら、スーパーバイトは休日でも、旅行にいくのをキャンセルにさせて働かせればOK
・突然来なくなったバイトの穴埋めができなくても、急遽電話をかけてスーパーバイトを呼び出せば解決
・教室長が壊れて(!)辞めた後始末をスーパーバイトに、最低時給以下の手当を握らせて、やらせる
彼らスーパー塾講師に甘えた環境が、腐りきった栄光の社風を作っていると俺は考える。
だがおわかりのように、甘えさせた俺も悪い。
バイトに泣きつけばどうにか持ちこたえてしまうなら、問題の根本的な解決は先送りされる。
先送りされたツケがどうなったかは、知っての通りだ。そしてこれで終わりではない。
栄光スタンダードとはこういうものだ、業界の他社も同じことをしている、働きすぎるのは自己責任だ、など甘えきった言い訳から絶対に手を離しはしないだろう。
この文章が印刷され、栄光の人間が読むことがあるかもしれない。
読む人間は俺が誰だかよく知っているだろうし、俺に腹を立てているだろうが知ったこっちゃない。
お前らは、他人様の子供を預かって商売する資格もなければ、人を雇って働かせる資格もない。
Permalink |記事への反応(24) | 22:53
品の良い町だと思っていたら、違った。
下品な成金の見栄の張り合いが随時行われている、ド三流地域と化していた。
よくマンガに出てくるイヤミしか言わない成金ババアそのまんまの母親が、リアルに沢山いて面白い。
成城コルティのレストランや、駅前のコーヒー屋で、成金ババア達のたむろしてる姿が、コンビニ前にたむろしてるヤンキー達となんら変わりない。
で、成金なのでマナー最悪。当然、こいつらの子供も態度が酷すぎる。
しかし、成城ブランドに金出しそうな成金を捕まえる事が町開発会社と不動産屋の仕事。
成金共が好みそうなキャッチフレーズをライターに書かせて、高級を装った新築戸建やマンションを建てている。
それにまんまと乗せられる成金達。
幼児教育用の塾も、成金ババアが金を落とす為に手を尽くしている。
成金達は知らない。業者や名門小関係者から「バカだけど金落としていくからな」と笑われている事を。
本物の金持ちは、すでに成城を捨てている。奴らと同類に思われたくないから。
ある大金持ちの奥様は、ラフな普段着で買物に出た所、出先で成金に虫を見るような目で睨まれて「邪魔よ、どいて。」という扱いを受けたとか。
後日、その成金が奥様の正体を知った瞬間に態度が低くなったそうだ。
この土地は、ブランドバッグ持ってイライラしてるババアが成金。
ラフな格好で余裕のあるオーラだしている人が、ちゃんとした家の出の金持ち。
8月に入ってすぐの事、ぼんやりいつものように某マイクロブログに常駐していたら好きな人(九州在住)が何か用事で東京に来ることを知った。
九州にはこっちから行くのはなかなかできないけど、相手が東京に行るなら逢うチャンスがある。それでそれと無く逢いたいのをアピールしたらいい感じに二人で逢おうという事になった。
舞い上がったよ、そりゃ。
故あって一度振られてるけど今でも好きな人と久しぶりにあえるのだから。
で。当日都内で本当に酷い面接と普通の面接と二件面接ハシゴした後、連絡取り合って新宿駅で相手と遭遇。
あぁ・・・お会いしとうございましたぁぁぁぁぁぁぁぁ
・・・とぶっ壊れた思考は押さえ込んで至って紳士的に接していた。
しばらく新宿駅の改札内で談笑して、さてどこかでご飯食べようかと思ったところで思わぬ邪魔が入った。二人ほど。
一人は近くにいたのでその好きな人(以下「相手」)がTwitterで召還した。もう一人はよくわかんないけど「相手」の携帯に会いに行く、とメールが来たらしい
この二人が酷かった。
一人は破滅的な変人で「相手」がなんだかあこがれている人、もう一人は事もあろうに元彼(ちょっと前に別れたばかり)
・・・・・
・・・・
・・・
私はヘタレなのでそんな二人から逃げて二人っきりなんてできなくてその二人が来るのを待ってしまった。
あぁぁぁぁぁぁ
結局その二人が来るのを駅前で待って、それからレストランで食事してさらに誰か来て五人になった。
私は終始空気状態。
破滅的な変人はその変人故に会話がおもしろいし、元彼の人はイケメンリア充故に話に加わる。もう一人は「相手」と似た境遇なので話が進んでてた。
何もなかったのは私だけ。
だから、空気扱い。
愛想笑いしているだけ。
・・・・・
・・・・
・・・
食事が終わって午後9時。
「相手」は門限があるのでその日はこれでお開きになった。
レストランを出てから殆ど「相手」と会話はなかった。ちょっとふざけあって笑いあっただけ。ほんの、ちょっとだけ。
新宿駅の改札入ってみんなはJR、私は小田急だった。だから「相手」ともここでお別れ。
また逢おう、みたいなこと言って大げさにハグする仕草したら「相手」それに乗って抱きついてきた。
ほんの、数秒間の抱擁。
柔らかくて暖かい感触。
その感触が忘れられない。
中学生か私は。
それから各駅停車で帰路についたのだけど、道中うわのそらだった。
想定外の抱擁のせいもあったけど、もう一つ原因があった。
なんで、あの時邪魔もの二人待たないで無理矢理二人だけでどこか行かなかった・・・と。
実は元彼とは会いたくなかったらしい。
なんで急に会いに行くとか言い出したのか理解できない、とか実際会って話はすれど少し「距離」をおいていた元彼が理解できないとか書いていた。
それで思った。
なんで、あの時邪魔ものから逃げ出さなかったのかって。
だって好きな人と二人きりで私も幸せ、「相手」も会いたくない人を避けられて二人で幸せだったじゃないか。
破滅的な変人ともう一人には悪いことかもしれないけどそれはさておき。
後悔していた。なぜあの時そう言い出せなかったのか。
こう言う所で出てくるよね、非モテも悪い所って。
逃げるのと、逃げないの。どっちが正解なのかは今でもわからなし、モテには強引なところは必要なのかもしれない。
で、こうやって後悔してここにこれ書いてるのも非モテがなせる技だろうね。
翌日、「相手」にメールした。
近所で大きな花火大会があったからそれに誘ったのだ。
数時間レスポンス無しの末、「先約があるから」と断られたけど。
脈無いの重々承知なのに何で誘ったんだろうな・・・。
訳がわからない。
来週の半ば「相手」は九州に帰ってしまう。
もう今回逢う機会はたぶん一回しかない。「相手」が帰る直前空港で見送るとき。