
はてなキーワード:情報学とは
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で、「未だに人生で努力を知らない」では、数々のポストに食らったのだが、今日はある記事に食らった。
https://blog.tinect.jp/?p=72448
・なすべきことをキチンとやる習慣を身に付ける
習慣、なかでもハビトゥスと呼ばれるような、すっかり身体化してしまった習慣の威力はバカにならない。
なすべきことをキチンとやる習慣のトレーニングは、一般に、子ども時代から始まっている。
宿題や課題をきちんとこなす習慣、予習や復習をする習慣などは、教育期間が終わった後もずっと役立つし、本当は教科書の内容よりも大切な習得目標かもしれない。
そしてこうした習慣は、社会人になる頃には身に付いているよう期待されている。
実際には、なすべきことをキチンとやる習慣が身に付かないまま就学期間を終える人も多い。
たまたま人より勉強が得意で、受験勉強なども真面目にやらず、合格できそうな大学に願書を書いて合格したような人は、せっかくの勉強の得意さが、この習慣の不在によってスポイルされていたりする。
なすべきことをキチンとやる習慣が身に付いていない人は、なすべきことをキチンとやるための行動ポイントがめちゃくちゃ割高になってしまい、一日、一週間、一か月の間にこなせるタスクの総量が著しく少なくなってしまう。
あああああああ!
そうなんだよ!
俺ができないこと全部これなんだよ!
中高時代はテストの直前に丸暗記する方法で良い点取って、そのまま指定校推薦で大学行ったせいで、計画立てて体系的に勉強するスキルが無いまま大学生になってる。
「実家が太いのに、何も成し遂げられてないのが申し訳ないと思う」でもこう書いたんだけど、これなんだよ!
それで、今これで苦しんでるのは、夏休みだ。
就活関係のことや、情報学生としてやるべきプログラミングの鍛錬(?)ができてないのもそうだ。
でも何より、趣味すら満足にできないのが辛い。
大抵、一日が、スマホを触って、昼寝して、またスマホを触るだけで終わる。
例えば、今やってるRPGも、なんとなく進めたら楽しいんだろうなーと思いつつ、結局やれない。
で、寝る前に、「流石にこのままだと何もやってない一日だぞ……」ってなって、慌ててちょっとだけ進める。
って感じで、趣味すら夏休みの宿題をやりたがらない小学生みたいな状態になってる。
それで、結局何もしないまま毎年終わる。やろうと思えば、アニメを何本も見たり、ゲームを何本もクリアしたりできるはずなのに。
周りを見ると、一昨日はイベントに参加して、昨日はアニメに感動して、今日はDJのセトリを考えて……みたいに、沢山行動してる人が居て、本当に落ち込む。
いや、じゃあそれこそ記事に書いてあったように、SNSの使い方を考えるとか、スケジュール管理をするとかすればいいじゃんとなるが、それ自体が続かない。
スマホを別の部屋に置いておく……みたいな手段も、置くことから逃げてしまったし、スケジュール管理も全くスケジュール通りにできなかった。
なんか繰り返しになってしまうが、自分はどうしたら、SNSで見かけるような、沢山のコミュニティを持っていて楽しそうな食事とかをやってる人だったり、すごい成果物を残す人だったり、色んなイベントに参加する行動力のある人になれるんだ?
いや、まずそうやってSNSを見て落ち込むのをやめるべきなのかもしれないが……
研究分野 : その他 - その他 - 本学の全ての研究分野を対象とします。分野を問わない求人であり、システムの制約から適切な分野設定ができないため、キーワードを列挙します。キーワードは本学の研究分野の一端を表していますが、網羅はしていません。キーワードに一致しない研究分野からの応募も歓迎します:ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテク・材料、エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア、人文・社会、自然科学一般、文学、思想・哲学、外国語教育、政治経済学、考古学、経営学、法学、ビジネス科学、数学、物理学、化学、物理工学、物質工学、人工知能、社会工学、機械工学、システム工学、農林学、地球科学、生物学、環境科学、応用生命科学、教育学、心理学、障害科学、特別支援教育、教科教育学、初等中等教育学、高等教育学、スポーツ科学、体育、身体教育学、栄養学、健康科学、芸術、デザイン、世界遺産、内科学一般、外科学一般、衛生学、公衆衛生学分野:実験系を含まない、生命医科学、看護学、図書館情報学、情報科学、情報学、計算物理学、計算化学、バイオインフォマティクス、高性能計算。
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?id=D125060647
研究室の男子は会話の9割がTwitterの話かTwitterに典拠のある話をしてるからすごく参考になる(この二ヶ月で男子に対して9割Twitterじゃん…と思うと同時に、9割Twitterだって分かる自分にもショックを受けた増田より)
やっぱり実力大事だよね…私は多分研究室で一番プログラミングができない……いまだに新品のモニターを開ける時は「大きな黒い板だ…!」って圧倒されるし、プログラミングも「なんか魔法かも…!」ってなるくらい情報学の感覚に染まれてないんだよね…多分情報学の友達がいなさすぎて感覚が身についてない…
王道のアニメや漫画は通ってなくてその辺りの話題が確かに枯渇しているなあ…MTGとかバックギャモンとかtrpgは好きなんだけど、研究室のみんなはあんまりやってなさそうだった…ポケモンは小さい頃以来やってないけど、今どんなのがあるか調べてみようかな。
とりあえずSwitch2届いたから、みんなが好きなソフト遊んでみて話題作ったりしようかなあ…あと実力…増田と話してたら自分に足りないものが見えてきたかも!本当にありがとう!
情報学部卒の女です。比較的増田と年は近いと思う。個人的に感じた、情報学部の男と仲良くなっている女の特徴を書いてみる。モテたいとかではなく学友の一人になりたい人向けだと思う。
※ここにおける情報学部の男とは、プログラミング能力が高く、プログラミングが好きで得意かつTwitterに生息してそうな(インスタグラムにはいそうもない)男性とする。
それはプログラミング能力がある程度高いかつ関心があることだ。AtCoderとかやる系の、プログラミングが好きかつ一定以上の能力がある女は、美人もブスも友達として仲良くやってた。美人なら、できれば情報学部の男が嫌いそうなインカレのチャラ男とかではない、真面目そうな彼氏をつくっておいたほうがいい。他人の男には手出ししてこない場合が多いので、友達以上に踏み込ませないような対策として有効。逆にプログラミング能力が高くても(成績優秀)プログラミングに興味がないタイプの女の人は美人でもブスでもあまり彼らとの絡みがなかった。ついでにいえば家庭用ゲーム機や男のアニヲタが話せそうなコンテンツを嗜んでいればなおよい。別に美少女系とかではなく、進撃の巨人とか鬼滅の刃とかそのあたりの男オタクもみたことありそうなものでいいと思う。刀剣乱舞とかそういう女向けではないものであれば。あとはポケモン。とりあえずポケモン。困ったらポケモン。知らんけど。
NISAをインデックスファンドで埋めて、さらに資金があまっている場合の参考に
考えを整理しきれていないし、動画間で矛盾とかもあるかもしれない
##投資への考え方
ウォーレン・バフェット「すべてを知る必要はない」 https://www.youtube.com/watch?v=L78cCc_Lct8
投資の5つの心得 https://www.youtube.com/watch?v=l8IooSEB5Ew
佐々木啓太さん、いい事言っていると思うけど、見た目が胡散臭いから注意を怠らない
株も仮想通貨も大幅に下がっている今買えば数年後めっちゃ儲かります https://www.youtube.com/watch?v=32jZts0frlM
暗号資産が過疎っているときに買って、バブルのときに含み益または売却益を得る
この人は割と早めに売却することを勧めるからその点でも良心的だと思う
ただ、早めに売却するから頂点で売るような発想ではないから、どうしても売ってからは後悔しがち
あたりが良いのでは?
確認してないけど、binanceJPが一番スプレッド小さいんじゃないかな、どうなんだろう
円やドルが無限に通貨を発行するのに対し、BTCは通貨発行量に上限がある
メカニズムとしては、半減期ごとに発行量が半分になることにより、マイナーからの売り圧力が減っていき、高い価格が維持される仕組み
ただし、いつ無価値になるかは分からないから、長期投資するなら技術的な側面を注視する(量子暗号とハッシュレート)
あと、もし現物買うならコールドウォレットに預けるのが安心だけど、面倒だしパスワードとコールドウォレット自体の管理が必要なので、日本の取引所に預けておく方がメリット大きいのかな
https://qiita.com/advent-calendar/2024/botter
https://github.com/richmanbtc/mlbot_tutorial/blob/master/work/tutorial.ipynb
利益の源泉が違うので、ちゃんと利益がでるbotも作れれば、他と相関が低い資産を作れるためポートフォリオが安定すると思う
家で開発とかだと途中でネットサーフィンしたりして、効率的に進められていなかった
botter偏差値65以下はbot制作から撤退して現物を過疎っているときに買う方がタイパは良いと思う
人工知能学会金融情報学研究会(SIG-FIN)が開催されていたり、技術的には面白い
5000万円貯まると起こる変化 https://www.youtube.com/watch?v=2SBM2J53i8Q
これを一番見てほしい
##不動産投資
【不動産投資】中古の戸建が最強の理由10選 https://www.youtube.com/watch?v=PVwUDOyMv1M&t=654s
マイホームは中古の戸建が最強な理由10選 https://www.youtube.com/watch?v=ax2QzKRD3Mg
## 注意
## 散財
-関東ITソフトウェア健康保険組合直営・通年・夏季・冬季保養施設 (https://www.its-kenpo.or.jp/shisetsu/hoyou/chokuei/index.html)
https://anond.hatelabo.jp/20250105165945
上の記事を読んで、ドワンゴの中の人として糸柳で思い出したこと、彼を雇ったドワンゴがどんな会社だったのかを書いてみようと思う。
糸柳を雇ったのは、ドワンゴのエンジニアのトップだったS君だ。ここでは鉄男(仮名)と呼ぶことにする。
糸柳を雇う少し前、僕は鉄男を叱責したことがある。「お前は自分の使いやすい人間しか採用してない。だからてめえは小物なんだ。自分にない能力をもった奴を採用しろ」みたいなことを言った。
鉄男は中卒だ。そう、ドワンゴのエンジニアのトップは中卒だった。いや、鉄男だけでなく、ドワンゴの幹部エンジニアの半分以上は中卒、あるいは高卒だった。
これは当たり前で、当時のドワンゴは天才エンジニアみたいなやつがゴロゴロいる職場だった。同じ天才エンジニアなら、高校も大学も行かずにずっとプログラミングをやっている中卒エンジニアが一番能力が高くなる。プログラムを書く速度が圧倒的に速い。実装力が桁違いだ。
だから、ドワンゴでは中卒高卒エンジニアが情報学部を出たような大卒エンジニアを見下す風潮があって、ぼくはそれを懸念していた。
天才中卒エンジニアは創業メンバーみたいな連中だけで、新卒で入ってきて補充されるようなことはない。インターネットはUNIXの文化で、ようするに大学などのアカデミックな世界からやってきた技術だ。
ドワンゴもコンピュータサイエンスを学んだ大卒エンジニア中心に変えていかないと将来的には戦えないと、ぼくは危機感をもっていた。
だが、ドワンゴでは実装力でエンジニアの格を判断する文化があって、そういう基準で新卒の採用も行われすぎているとぼくは思っていた。
自分にない能力をもったエンジニアを採用しろと鉄男を叱ったのは、個人技ではないチーム開発、スクラッチから全部自前でコードを書くんじゃなくて、世の中にあるライブラリを活用してソフトウェアを組み上げていくのに長けているような、つまりは今後主流になっていくだろうが、これまでの鉄男やドワンゴのスタンスとは違うエンジニアをイヤかもしれないけど積極的に採用しろ、という意味だ。
しかし、なにを勘違いしたのか、鉄男が連れてきたのが糸柳だった。
ぼくに叱責されて反省し、使いやすい社員じゃなく、圧倒的に使いづらいネットでも有名な頭のおかしい問題児を採用したのだという。
「凄いというわけではないですが・・・、まあ、ふつう、ぐらいですかね」
「ふつうで問題あったら普通以下ってことじゃん。なんで採用すんだよ」
ドワンゴはプログラミングの能力が高ければ、メンヘラだろうが、コミュ障だろうが、性格に問題があろうが、もちろん学歴があろうがなかろうが、採用するという方針だった。
これはベンチャー企業だと、そういう難ありの人間でないと優秀なエンジニアなんて採用できなかったからで、なにも難ありを好き好んでいるわけではない。
難ありはプラスじゃない。難ありでも優秀な社員であれば結果的に得をするから雇っているだけだ。
鉄男は自信ありげに答えた。
「ドワンゴの評判が上がります。いえ、世の中全部で上がるわけではないですが、ネットの中の一部で糸柳を雇うなんてドワンゴはなんて懐の深い会社だという評判になります」
「それってかなり偏ったネットの一部だよね。それって本当に得なのかな?」
ぼくは鉄男とその後もしばらく話したが、どうしても糸柳を雇いたいというので、その怪しげな理屈を一応は信じてみることにした。ただ、会社は慈善事業じゃないから、宣伝だけのために頭のおかしい社員を雇うわけにはいかない。ちゃんと普通のエンジニアとして仕事をさせることを条件として糸柳を雇うことを了承した。ちなみにぼくはドワンゴで糸柳を庇っている側の人間と思われていることが多いと思うが実際は違う。鉄男には早く糸柳はクビにしろとよく言っていた。ぼくが庇ったのは糸柳を庇おうとしているドワンゴ社員の気持ちであって、結果的に糸柳を庇うように見えてただけだ。
糸柳は本当に頭がおかしかったが、とにかく普通の社員として扱う、そう決めた。
例えば、当時、糸柳は毎日、twitterに世の中の全ての人間を自分は憎んでいて滅んでしまえとか、なんかおどろおどろしい呪いの言葉を連投して書き込むのが日課だった。
そういう書き込みを見かけたら「おはよー。今日も元気そうじゃん」とレスをつけることにした。返事はなかったが、やがて呪いのツイートは減っていった。糸柳と仲のいい社員から後から聞いたけど、彼はぼくのつけたレスを、さすがだと喜んでいたらしい。
糸柳の数々の奇行はどうせ構って欲しいだけの拗らせだと思っていたので無視して、興味も持たないことにした。なので、よくは知らない。ただ、文章が上手いのは本当だと思ったので、それだけ褒めた。彼は自分は昭和初期の私生活を晒す系の純文学者みたいな文章しか書けないんだと謙遜しながらも嬉しそうだった。
糸柳はドワンゴに入って自分の居場所と幸せを手に入れた。しかし、それはとても不安定なものだった。
糸柳にとって不幸だったのは当時のドワンゴのエンジニアの中では、彼の能力が足りてなかったことだと思う。少なくとも彼はドワンゴで技術力でマウントが取れないと判断したのだと思う。実際のところはともかく、彼が組織で仕事として安定したアウトプットを出すと言うことに向いてなかったのは間違いない。
だから、糸柳は自分がドワンゴに入れたのは、自分が狂っているからだという妄想にしがみつくことになり、一層の奇行に走った。
糸柳の周りの社員から聞いたところによると、ドワンゴ時代の糸柳は年に1回のペースで失踪し、警察から連絡があったという。定期的に暴れて、物を壊したり、他人に迷惑をかけた。会社の階段の壁を殴って穴を開けたのも彼だという。
また、糸柳を雇ったことで、ドワンゴに変な奴の応募が増えた。変だけど優秀な奴の応募もあったが、それ以上に、自分には能力ないですけどメンヘラです、とか謎のアピールをするような応募が増えた。糸柳の周りにはドワンゴの中でも変な社員が集まってきて、いろいろ変なことを始めた。
彼らは頼んでもいないのに糸柳の周辺の近況報告をぼくに教えたがった。
曰く、ネットでニートが集まって共同生活をするギークハウスという企画が話題になったことがあり、彼がいろいろ現代アートみたいなことをやりはじめて話題になり、テレビでも特集された。そこでニートとして紹介されたメンバーのうち半分は糸柳周辺のドワンゴ社員だった。ドワンゴ社員はニートじゃねーだろ。そして彼らが作った現代アートを村上隆が面白がって高額で買い取ってくれた。それらはガラクタの寄せ集めみたいな物なんだが、その中にある冷蔵庫の中身は糸柳が作ったものだ、等々。
糸柳は自分をドワンゴに救ってもらったという感謝の念から、自分も他の誰かを救いたがった。ある日、糸柳が地方から出てきて食べるものがないとネットカフェで呟いていた高校生を拾ってきた。
これは糸柳だけでなくドワンゴエンジニアの多くにいえる特徴だが、人生の進路に悩んでいる若者への助言はワンパターンだ。「なるほど、よくわかった。お前はプログラミングを覚えてエンジニアになれ」。プログラミングの腕だけあれば人生が変えるという神話を信じているのだ。
ネットカフェで拾ってきた高校生はドワンゴのバイトになり、優秀だったのでやがてエンジニアとして正社員になった。
しかし、糸柳は上野で浮浪者を拾ってきて自分の部屋に住まわせ始める。浮浪者がプログラミングを覚えてエンジニアになったという話は聞かなかった。
代わりに浮浪者の一人に女の子がいて、糸柳が恋をしたという話を聞いた。
糸柳に救われた元高校生のエンジニアが糸柳のためを思って、その恋を止めようとしたが、糸柳は逆上し殺害予告をした。糸柳は本当に刃物とかを振り回して実行しかねないので、元高校生をぼくの長野の別荘に匿った。
糸柳はぼくのところに怒鳴り込んできた。ぼくも糸柳と揉み合いになり怒鳴り返した。
半年後、もう大丈夫だから、そろそろ戻ってこいと長野に見に行くと元高校生は彼女を連れ込んで同棲していた。早く会社に戻れと追い出した。
そうこうしているうちに運命の東日本大震災が起こる。糸柳が悪ふざけで、サーバールームに閉じ込められたので助けてくれとかいう、デマツイートをして日本中のネットユーザーが彼のツイートを拡散するという事件が起こる。
冗談だったという事実が分かると、彼はあっという間にパブリックエネミーとなり猛烈な批判にさらされることになった。糸柳の脆い精神は極めて不安定になった。
ぼくは糸柳に金を渡して、すぐに被災地に支援物資を持ってボランティアに行けと言った。そして被災地に支援に行くことは絶対にネットで書くな。言い訳に使うなと厳命した。同時に、ぼくは絶対にネットでは会社の件で謝罪をしないというポリシーでTwitterを使っていたが、この件で、はじめて会社を代表して糸柳の代わりに謝罪をした。
こんなことで糸柳を辞めさせるわけにはいかないと思った。糸柳がやったのはただの悪ふざけだ。こんなので辞めさせるんだったら、糸柳はとっくに100回ぐらいはクビになっている。なんだかんだいって糸柳を雇ったのは善いことをしようとしたからで、そのためにこれまで散々な苦労をしてきたんだろう。糸柳を非難するネット世論からよく思われたいために糸柳をクビにするとしても、それはよく思われたいだけで善ではない。偽善だ。善とはそもそも人知れずにやるものだし、なんなら世界中から非難されても正しいと思うことを貫くことだ。今回の件では、糸柳はクビにしないと社内で宣言した。
しかし、もともと糸柳の存在を心良く思ってなかった人間は社内に多く、批判の声も大きかった。糸柳はドワンゴのエンジニアとして平均的なパフォーマンスを出していない。宣伝効果があるとか言っていたけど、デマツイートの件で、むしろマイナスの宣伝効果になった。糸柳はもう庇えないんじゃないか。理屈としては正しかった。
糸柳の代わりに自分がその分もっと働くからクビにしないでくれという社員が何人も現れた。そういうことを言って守ろうとする社員がいるのであれば、会社としてはやっぱり守るべきだという新しい理屈を、ぼくは社内に宣言した。
しかし糸柳の精神状態は不安定になっていて、仕事のパフォーマンスは出ないばかりか、周りに迷惑をかけ始めた。糸柳を守ろうとした社員が、糸柳の世話をするうちに次々とメンタルをやられ始めた。
もう糸柳を守る理屈はなかった。1人の社員を守るために2人以上の社員が犠牲になるなら、もう会社としては守れない。ぼくは最後の理屈を社内に宣言した。
糸柳が退職した時、鉄男は泣いていた。ぼくは「これに懲りちゃダメだ。もう、一回やろう」と鉄男に言った。「これで僕らが諦めたら、糸柳みたいな人間に関わるなという前例を世の中に残すことになる。そんなことになったら、僕らのこれまでの努力は無駄になるじゃん。絶対に懲りちゃダメだ。何度でもやろう」
鉄男は「正直、自信がない。でもやってみます」と言った。
しかし、その後、中卒の鉄男はドワンゴに増えた大卒エンジニアたちの突き上げにあって、エンジニアのトップを追われた。ドワンゴも大卒の優秀なエンジニアが中心の会社になった。その後、糸柳のような人間を雇ったという話は聞かない。
1年後だか2年後だか、風の噂で糸柳が真面目にエンジニアとして働いていてしかも優秀だという話を聞いた。なんだと思った。ドワンゴ以外ではやっていけないんじゃないかという、僕らの思い込みは傲慢な思い違いだったんだと思った。ドワンゴで奇人変人を無理に演じるより、そんなことでは許してもらえない実社会の荒波に揉まれた方が結局は良かったんだなと思った。
糸柳がよく言っていたのは、自分は糸柳家のエリートだ、という話だ。聞くところによると家族は全て精神病患者で自殺したり入院したりで、糸柳自身も障害者手帳を持っている精神病患者ではあるものの、ちゃんとまともに社会生活を送っているただ一人の人間なのだという。だから、自分は糸柳家に珍しく生まれたエリートなんだと自慢していた。
人間は誰しも与えられた環境で勝負している。遺伝子だったり家庭環境だったり、所属するコミュニティや経済的制約の中で生きていて、それによって人生の選択肢は決まってくる。
世の中の多くの失敗者と呼ばれる人たちは人生の最初からウルトラハードモードのゲームをプレイしているだけであって、彼らの失敗をイージーモードやノーマルモードのゲームプレイヤーが見下したり笑ったりする資格が本当にあるのだろうか。
ぼくにも子供が出来て思うのは、小さい子は全ての瞬間を一生懸命に生きているということだ。その健気な姿に感動するし、誇らしくなる。一生懸命に生きるということこそ、人間のもっとも美しい本来の姿ではないか。
人生をもっとも一生懸命に生きている人間とは、どういう人なのか?それは大谷翔平でもイーロンマスクでもないと思う。彼らは成功者であり、彼らの一生懸命は成功によって報われていて、本人の自覚としては、それほど苦労した努力をしているわけではないのではないかと思う。
生涯を一生懸命に生きている人とは、一生懸命に生きざるを得ないような人たちであり、それはいくら努力しても認められず、仲間はずれにされ、敗者の烙印を押されて、それでもなお生きようと足掻きながら死んでいくような人たち、なんなら自ら命を断つような人たちの中に存在しているに決まっていると、ぼくは思う。
冒頭のドワンゴ以降の糸柳の人生についての記事を読んだが、それでも糸柳は最後まで与えられた過酷な人生の中で一生懸命に戦って立派に死んでいったとぼくは思う。そして僕たちもドワンゴで短い間ではあるが糸柳に対して一生懸命に向き合った。それは良い思い出というにはいくばくかの悲しみを伴う思い出ではあるが、大切な思い出だ。
おしまい。合掌。
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