
はてなキーワード:守秘義務とは
「先輩の頼み」で国家機密が流出! 府警の暗部、暴かれた“沈黙の連鎖”
羽曳野署の警部補(56)が、かつての“先輩”であり府警OBの行政書士(68)に個人情報を漏らしていた その事実が明らかになった。
「ちょっとした頼みだった」
これは、“義理”と“沈黙”に支配された警察組織の、暗黒の構造犯罪なのだ!
本来なら犯罪捜査のための公文書を、個人の人間関係に利用していた。
その瞬間、国家の信頼は裏切られた!
内部の誰も声を上げないなぜか?
「先輩だから」「頼まれたから」 そう言い訳して、沈黙の鎖が組織を締め上げている。
正義を守る者が、今やその正義を売り渡す側に回る この皮肉を、誰が許せようか!
その誓いが、「先輩の頼み」で崩れた瞬間
我々の社会は、誰を信じればよいのか?
これは単なる不祥事ではない。
うーん。
病気になって困ってることはすごいかわいそうだと思ってるし、治療がうまくいくことも願ってるんですよ。それは文章読めばわかると思うけどね。
ストーマ(人工肛門)になるかどうかをすごく気にしていたけど、それはおそらくストーマになる可能性が結構高いので、そういう気持ちで準備できるようにと思って書いたんだけどね。
ストーマって確かに生活が変わって大変だけど、「これまでより排便管理が楽になった」て話す人もいるし、うまくなれて欲しいと思ってるよ。
「見苦しい」っていうのは、「慌ててる様」のことだけど、その「慌ててる」っていう言葉の意味だよね。問題は。
最初はもちろん細かくは書いてなかったけど、その後のやり取りを見ればわかるように、
「慌ててる」「見苦しい」って言って問題にしてるのは、周りに対する配慮のなさなんですよ。周りに配慮することなく、それこそ医療従事者の実名を平気でネットに出すとか、発言をネットに流す、画像診断レポートをネットにさらすとか、Amazon 欲しいものリストを貼り付けてるとか、そういうのね。あまり関心はしない。
ただ、ここまでだったら敢えて自分も増田に書かなかったと思う。問題はその後。
こういうことが「問題」って分かった今でも医療従事者の発言とかレポートとか上げてるでしょ? まぁ見に行ってないから最新は分からないけど、自分が見た時には貼り付けていた。消すべきですよ、それは。
で、謝罪もしてないよね。少なくとも自分は見つけられてない。彼のこと追っかけてないから全ては見てないけど、正直、ブログで一つの記事まるまる使って謝罪するレベルのことをしたと思いますよ。今でも医療従事者の発言とかレポート貼っつけている(いた)し、迷惑かけてるって分かってないよね。
で、彼の病気が重いかって話。医療従事者目線で言うと重くはないよ。まず直腸癌だったとしても、化学療法が色々あるし、5年10年生きる可能性が高いですよね。NET、古い言葉で言えばカルチノイド にしても大部分は良性なので、やっぱり長生きする可能性が高い。手術するような病気=大病って考えてるかもしれないけど、そんなに大病ではない。
大病の基準…例えば原発性膵管癌は大病だろうね。大腸癌でも特殊な組織型のもの・多発遠隔転移を伴うものは大病かな。胃癌もtub1/2でラパロ下の根治的切除ができるなら大病とは感じない。por/sigでSS以上の深達度なら大病な感じがする。肺癌は部分切除でいけるなら大病とは感じないけど、葉切以上なら大病かな。前立腺癌もロボット切除が出来て、ずいぶん侵襲が減ったよね。癌以外なら、急性膵炎は大病。胆嚢炎はPTGBDまでならギリ大病に入らないかな。CBD stone 伴い内視鏡的総胆管結石除去やEST、Ttube 含む胆摘とかならギリ大病かな。これはみんな基準が違うだろうから異論は認める。
とはいえ病を得て焦ると思うのよ。その焦ってること自体を「見苦しい」とか言っている訳ではない。
なりふり構わず、医療機関の迷惑とか、医療保険制度のサポートとか考えずに自己憐憫に浸って、周りの優しさが見えず自己中心的に行動してるとことが見苦しいよねって話。
「PETを受けに行くのに3万円も払わないといけない」みたいなこと書いてたけど、それ自己負担3割。残り7万円って医療費から出てるのよ。
会ったこともない。水知らずのたくさんの人が命を支えてるわけ。3万円払うの大変だと思うよ、でも残りの、半分以上は赤の他人が払ってんだよね。
これから払う医療費だって、大部分は他人が払うことになるんですよ。おそらく高額医療費を突破するからね。
あと、受診したその日に緊急CT、昼に撮ったって話だけど、それだってさ。昼休み時間おしてるのよ。医師や看護師さん、検査技師さんが昼休み削って撮ってくれてるわけ。
全世界にさらしたレポートだって、緊急だし慌てて書いたレポートなわけ。おそらく昼休みを削ってね。
そういう周りの優しさに気づけてないところね。
そういうのが見苦しいわけ。
この文章だって、確かに表題も「見苦しい」だしnegative に受け止めたとは思うけど、前半部分読めば、彼の健康に関心があると分かるし、今後の情報収集に役立つ情報を落としたつもりだけど、そういうのも気づけないんだなぁと。
情報って、知識って、何でもただで簡単に手に入るとでも思ってるんだろうか。
悲しいよね。
書く必要ないかもだけど、「CHU 傲慢でゴメン」も、「傲慢で良い」って思ってるわけじゃなくて、
歌「可愛くてごめん」の歌詞になぞらえた文。「可愛いだけでちやほやされてムカつく」とか思われてる地雷系女子だって、それを維持するために影で努力している。だけどそんなことは言わずに「CHU かわいくてごめん」って敢えて煽るようなことを言って、まわりに心配かけないように笑顔で振る舞って、実際には可愛さを維持するために影で頑張ってるんだよね。
世の中の人達、みんなそうじゃないですか。誰もが見えないところで頑張ってたり、努力していたりする。
それをことさらに人前で主張しない、まわりの人たちが不安にならないよう、心配をかけないよう虚勢を張ったりするもの。
「可哀想な私」を主張して同情を引くのは、同情される方は楽しいだろうけど、まわりに気を遣わせてること、負担をかけてること。分かんないのかな。
そんなこと書かなくても分かると思ってたけど、分からない人もいるみたいだから。
元増田だけだったら
・投稿者は思いやりのない嫌みなヤツ
・比較的大きな病院に勤務してきていて、他部門とのコミュニケーションもわきまえている。
・ブログ主に対して悪意は持っていない。投稿での初回のやらかしについても問題とは思っていない。
・医療機関は守秘義務があり反論できない中で、医療従事者の発言・レポートなどを残し続けていることを問題とみている。
などが明らかになってきて、
・投稿者は思いやりのない嫌みなヤツ?
ってなるじゃん?
揶揄するも何も、人前で何の問題もないのに騒いでたら見苦しいだろ。
無自覚に医師の外見を評価したり、医療従事者の名前などを世界に発信したり。「医療従事者のプライバシー保護をお願いします」っていう病院のお願いに反することを堂々とやっていて、まわりに迷惑かけてるだろ。
>純粋真っ直ぐ正義君ってよりは、正義の名を借りた当り屋ってかんじだよな こういう氷河期中年
えっとね、医療側には守秘義務があります。だから、患者サイドが誤解やウソにまみれた主張をブログに書いていたとしても、公には反論できないわけ。
で、医療側からは、このブログ誰が書いているのか特定できません。「おそらくあの人だな」ってのは何となくわかっても、発信者開示とかしないと確証持てないわけ。だから、事実誤認があっても反論できません。
まるっきり嘘を書いているとは思わないけど、配慮が足りない点から、いろいろ誤解・曲解が入ってても不思議ではなく見えるわけ。
今回のブログには、医療者の名前・発言とか書いてましたけど、それが問題になるとか思わないのかな? 例えば 紹介状に写真が入っていなかった 「あの先生よくやるんだよな」みたいなコメント。陰口を全世界に公開しちゃってるの。トラブルの種を蒔いてるって分かんないか。
画像診断レポートを、同意を取らずに世界に公開しているのもよくないよね。書いた医師にちゃんと了解を取ってないでしょ? 了解とってたら書くもんねぇ… 画像診断もあるワンポイントでレポートは出ますけど、後から手術前とかに見直し、より診断を深くしていくものなわけ。また臨床情報が増えたら解釈も変わってくる。それを同意なく、実名入りで世界に発信するのは…
迷惑かけてるとか思わん?
仮にレポートを見直して修正していたとするよ。そうすると、現時点で新しい画像診断が出ているも関わらず、了解もなく古い版が世界に公開されている… とかあったら問題だろ。
時間とともに、情報や所見の集積とともにどんどん診断を深く・良くしていく作業なんだけど、ある一時点のを切り取って、同意なく世界に実名で公開するって、問題だと思わんの?
それが問題と分からないなんて、どうかしてるよ? まともに働いたことないのかな?
取引先企業が内部情報を公開とか、BtoCでも、それぞれの顧客で対応は異なるのにそれを了解なく全世界に公開されたら普通に困るだろ…
しかも医療サイドは法的に「守秘義務」ということで弁解できないわけ。
こういう配慮のなさ・世間知のなさを見ていると、どこかで相手の言ったことを聞き間違っていたり、誤解していたりして、間違った内容・医療機関が意図していないようなことを記事に書いてるんじゃないかっていう疑いが生まれるわけ。
「応召義務で診療を断れない」って言っても理由があれば断れるからな。横浜なら医療機関はいっぱいある、一件が断っても別に行くところあるからね。
今は病院サイドにばれてないから問題になってないけど、最初の版、医師名が実名で出ていたやつが残ってたら普通に診療拒否ありうるレベルだからな?
はてブも今は過疎ってるから、ひところの勢いがないからバレてないけど。
こんなクソみたいな当たり屋が来るなら、初版を魚拓とって病院に通報、診療拒否方向に動くべきだったわ。
Amazon の欲しいものリストをくっつけているところとか、この病気をネタにしてお金を稼ごうとしているのが見えるわけ。お金を稼ごうとする時って当然センセーショナルにしますよね。「悪性度の低いカルチノイドで命の危険は全くないよ」って書くより、希少がんで明日もしれない、みたいな書き方にしますよね。そんな中でこういう配慮は足りてないところを見ると、実際よりもセンセーショナルに書こうと、誇張してそうに見えるわけ。そういうのは医療サイドから見たら害悪でしかないの
ワロタ。どうせもう芸能界は無理だしネットで男女論インフルエンサーやろうぜ中居!
【音声入手】中居正広、引退後の爆弾発言…「不細工なチー牛底辺女性はさっさと死んじゃえばいい!」「チーメスが死ねば社会のお荷物とブサイクが居なくなって世の中の為になる」
https://kyotoprimenews.wordpress.com/2025/10/09/nakai-shougekihatsugen/
関係筋によれば、中居はフジテレビをめぐる昨年の騒動の後、より激しく女性を嫌悪しており、元SMAPのメンバーや友人へそれを大っぴらに話しているという。友人のK(仮名)によると、中居は友人や元メンバーを集めた、今年7月に神奈川で開かれた飲み会の際に、「底辺チーメス共ってさぁ、生産性に何も寄与してない。他人に寄生して金を吸い取るだけ。」「不細工なチー牛底辺女性はさっさと死んじゃえばいい!チーメス底辺女がさっさと死ねばさ、ブサイクと社会のお荷物が居なくなって世の中の為になるじゃん!」「フジのあの女は守秘義務も守れない底辺チーメスガイジ。」と発言、更に料理を運んでいたアルバイトの女性店員に対して「今の女さぁ、顔めっちゃチーメス(笑)」と、容姿を嘲笑する発言をしていたという。
Permalink |記事への反応(15) | 04:49
一度、ここで書いてみたいと思ってた。初老が近いおじさんである。
会社勤めとしてのディレクター業について執筆したい。辞めてから時間が経つけど、たまにあの頃の夢を見るのだ。
最近の夢だと……バラエティ番組の収録の時だった。当時は新入社員に毛が生えたくらいの若造の頃。
ナインティナインの2人がネタ合わせしてる横で、ADである自分が怒鳴られてる夢である。夢じゃなくて、本当にあったことなんだが。いい夢を見ることもあるけど数は少ない。
今はフリーランスの映像ディレクターをやってる。仕事は順調……とは言い難い。仕事が少ない年もある。
でも、食いっぱぐれる心配はない。一応そういう実力がある。お金がなさ過ぎて餓死なんてことはない笑
だから、もう時効かなと思って、昔の話を書こうと思った。大手テレビ局にいた頃の話だ。
え、なに。守秘義務?エンタメ業界にそんなものはない。特定個人や企業の名前を出さない限りは、お見逃しの世界である。ええい、ままよ。ぶっちゃけてやろう。
小さい頃からテレビっ子だった。特にバラエティが好きで、将来は絶対ああいう面白系の仕事がしたいと思ってた。小学生~中学生の頃は、お笑い芸人になりたかった。人をニコニコさせるのが好きで。ただまあ、才能がないのって、子どもながらに露骨にわかるんだよな。
勉強ができたか?と言われると、割とできる方だった。要領がいいというよりは、突き詰めて普通の人よりも勉強して高得点をとる感じだった。大学は早稲田に進学した。今は亡き(?)社会科学部である( ;∀;)
就職活動の結果、テレビ局の内定をもらえた時は本当に嬉しかった。人生のピークだったかもしれない。
入ってみたら想像とは違った。
配属されたのは、生ける伝説みたいなバラエティ番組の制作部署だった。ここまではいい。配属希望は通ったのだから。
自分はADとして入った。一般的なルートである。珍しい新卒だと、最初がカメラマンや大道具という珍しいパターンもあるにはある。
仕事だけど、最初は正直何やってるのかわからなかった。とにかく怒鳴られる。プロデューサーから、先輩ディレクターから、出演者から、下請けの制作会社の人から、とにかく罵倒の嵐だった。なんというか、現場での動き方がわからなかった。学生時代にイベント運営の仕事をしておけばよかった。
正式じゃない企画会議(デスク周りや喫煙所でやるような……)に呼ばれることがあっても、「面白くない」「もっと笑い取れるの考えろ」って言われ続ける。それこそ誰からも。
ある時は、夜中の3時まで明日の収録の準備で残っていた。実際、自分の仕事はほぼなかった。担当ディレクターが帰れないだけであり、自分やほかのスタッフはそれに引きずられる格好だった。
それでも、「さあ帰ろうか」という雰囲気になったところで……
「明日までにあれ用の新しい企画を出してこい。運がよかったら使ってやる」
とか普通に言われる。徹夜もある。週に2,3回、家に帰れたらラッキーだった。あの頃は若かったので、ああいう夜型の生活ができた。今は無理だ。眠気に勝てない。
職場の奥には簡易ベッドがあって、そこで寝るんだけど、寝てる間に先輩に……「寝てんじゃねえよ!」って蹴られることがあった。完全に嫌がらせ、憂さ晴らしだった。人間、疲れるとこうなってしまう。
仕事ができる人でもそうだった。
疲労が極限に達すると、おそろしいくらい残酷になる。ある時、先輩ディレクターと女性ADが現場の配置関係で口喧嘩になっていた。今思えば、考えられないほど下らない理由だった。
その争いの現場はちょうど、小道具が置いてある狭い狭い空間だった。そこでひたすらに道具を指さしながら、喧嘩をしている。
その女性があまりに文句を言ってるので、その先輩ディレクターは、何か重たい小道具(ごみ箱みたいな?)を持ち上げると、彼女が出られないような位置にドカン!と置いたのだ。
自分はただ、出入口のドアからそれを見て「かわいそうに」と思っていた。思うだけで、助けようという気力は湧かなかった。大学生の頃だったら、助け舟を出したに違いない。
案の定かわいそうに、円柱状の小道具が重過ぎて持ち上げられない女性ADのさーやちゃんは、そこらへんの絨毯みたいになってる小道具に突っ伏すと、わんわん泣きだした。
男性ディレクターは、そんな様子をさらにからかっていた。これが、疲労が人間の態度に及ぼす影響である。今でも気を付けるようにしてる。
あとは、ある料理番組の野外ロケだった。イケメンを多く輩出する芸能事務所の若手タレントがキャンプ場で料理に取り組んでいた。
「バカ。使った皿は洗う必要ない。ズボンで拭いとけ!男やから、どうにかなるわ。イケメンなんやし。いいか、増田。ばい菌だって、巡り巡ってまた口に入るんやから。それが世の中ってもんだよ」
何を言ってるか意味不明だった。先輩の人格が壊れていた可能性がある。
この撮影現場というのは、野外キャンプでの調理だった。イケメンのタレントさんが食べた後の皿を……ちょうど水場がなかったので、そこらへんにあったエプロンでササっと拭いて、別のタレント用に再利用した場面である。実際、これくらいのことは日常茶飯事だった。
そのタレントさんは若かったけど、多才な挑戦で知られる人だった。普段は二人組で、もっと若かった時に、女の服を来てピンクレディーの楽曲をテレビで披露していた。
性被害……いや、このあたりのことはさすがに書けないし、「書いていいよ♪」と言われても書かない。こればかりは矜持である。アナウンサーから照明、カメラマン、道具係、ADに至るまで、一応は元仲間である。そこまでするつもりはない。
30代になっても体調は悪かった。ご飯はいつもコンビニ弁当だ。風呂にも何日も入れないから、体から変な匂いがする。誰かに指摘されたら「焼肉を食べたんだ」ってごまかした。口内炎は治らないし、胃はずっとキリキリしてる。
身も心もボロボロだった。一応は、大卒総合職のはずだった。オフィスで働く人のはずだった。想像していたホワイトカラーとは違っていた。
さて。この頃の俺は、ディレクターになる年齢が近づいていた。正直いうと、実質的なディレクターだった。上の人がサボりがちであり、自分の方にディレクターが行うはずの仕事を振っていた。
だから、企画会議では、芸能人のどうでもいいスキャンダルをいじったり、誰かを笑いものにする企画が出てくる。芸人同士の暴力は基本であり、人権感覚など持ち合わせてなかった。あの頃の局全体は、マジでアホだったと思う。
なんで、あんな会社で働いてたんだろう……と言うと、理由はひとつだ。「番組を作りたいから」である。ほんのちょっとでも自分の爪痕を世の中に残せたら、それはなんて素晴らしいことだろうと感じていた。
ただ、テレビを見る人の「ペルソナ」って……当時のテレビ業界人の認識においても、「低俗な内容が好きな人」だった。今だからぶっちゃけてしまおう。皆そういう認識だった。
今でも同じだと思う。インターネットだと、「やらおん!」「はちな起稿」とか、youtubeだと「アシタノワダイ」「フェルミ漫画大学」とか、あとは暴露系が人気を博している。Xの低俗さはもはや基本。あれが人間の本質の一部である。
人の心を動かす作品を作りたかった。実録ドキュメンタリーとか、社会の矛盾を突くようなドラマとか。そういうのが好きだった。特定作品だと、水上勉の『雁の寺』『海の牙』『火の笛』『土を喰う日々』が好きである。
一度だけ、飲み会の場でそういう発言をしたことがある。「社会派作りたいな~」って。でも、そんなこと言おうもんなら、「何言ってんの?」「誰が見るんや!!」「うちでは作れない」って一蹴される。
自分らはテレビ局の奴隷だった。視聴率という数字に魂を売った奴隷である。視聴率のためなら、人権侵害も上等の集団。上の人達も同様。
そんな日々の中で、心を救ってくれた作品があった。
地獄のような日々が続いていた30代後半のある夜、たまたまテレビをつけた。とりあえず、家に帰ったらテレビを見る。同業他社の作品を観て勉強するのだ。その時も軽い気持ちだった。
その作品は、テレビ東京でやってた『ハイパーハードボイルドグルメリポート』だった。
見たことある人がいるかもしれないが、世界のヤバい地域に行って、マフィアとかギャングとか戦争難民とか、そういう人たちが何食べてるのかを映すドキュメンタリーだ。書籍作品で言うと『もの食う人びと』に近いものがある。
最初は「なんか変な番組やってるな」くらいに思ってた。でも、見始めたら目が離せなくなった。
あの時、画面に映ってたのは、コロンビアの元麻薬密売人だった。彼は仲間と、貧しい家で豆を煮て食べていた。その顔には、絶望と疲労と、それでも生きようとする強い意志が混じり合ってた。
「これだ!」と思うと涙が止まらなかった。
俺が作りたかったのは、こういう作品だった。くだらない笑いじゃなくて、人間の本質に迫るような、生々しくて、でも美しいもの。
画面の彼は「食べることは生きることだ」って言ってた。当たり前の言葉だけど、すごく重く響いた。
自分達が毎日作ってる番組は、誰かを笑わせることはできても、誰かの魂を救うことはできない。誰かの心に深く残ることはできない。精神性がないバラエティ番組を作っている。
上っ面ばかりの、人間の心の表層を撫でるだけの、そういうコンテンツ。自分が作りたかったのは、人間の心の底流(アンダーカレント)を刺激する番組だった。
テレビ局を辞めることを決意した。独り立ちの準備を重ねたうえ、約二年後に退職願を提出した。
退職届を出した時のことを覚えてる。人事部長が「もったいない」と言ってた。俺の同期にも辞めた人が何人もいて、知る限りでは、みんな同じことを言われてた。
でも、いいやって思えた。命まで取られるわけじゃない。自分自身の命さえあれば、人の魂を救える作品づくりができるはずだ。
そんなこんなで、業界の伝手を辿って念願の独り立ちを果たした。いわゆるフリーランスである。ほかの会社に勤めるという選択肢はなかった。テレビ東京に不採用になったのもあるけど笑
最初は大変だった。フリーランスになったものの仕事は少ない。貯金は減っていく。実家からは「ちゃんと仕事してるの?」って里帰りの度に聞かれた。昔の同僚からは、飲み会の時に「今何してんの?」と聞かれるけど、何とも答えにくかった。それでも答えたが。
初年度の年収は、フジテレビにいた頃の4分の1くらい。段々と家賃も払えなくなって、ボロのアパートに引っ越した。都心に出るまでに電車で何十分もかかるような。
後悔はなかった。テレビ局に居た頃は毎日が「作らされてる」感覚だった。誰かの指示で、誰かの期待に応えるために、自分の心が望まないものを作り続けてた。
今は違う。自分が作りたいものを、自分の手で作ってる。CM企画の仕事でも、ドキュメンタリーの編集でも、放送作家に近い仕事でも、全部自分がやりたいことだ。
特に大きかったのは、サブスクの動画配信サービスでの番組制作の仕事だ。2025現在、アマプラなどでは自社がお金を出してプロに作らせるのが一般的だが、当時は盛んではなかった。
ある時だった。飲み屋で知り合ったのがきっかけで、自分の企画書を見てくれたプロデューサーが「面白い」と言ってくれた。それは、テレビ局では「視聴率が取れないから無理」と言われるような、いわゆる追放もののストーリーである。社会の片隅に追いやられた人が底辺で足掻くお話だった。『モンテ・クリスト伯』みたいな。
その動画配信サービスのプロデューサーは「視聴率はそこまで関係ない。ある種のペルソナ、ある種の人達にどれだけ深く届くかが大事」と言ってくれた。そういうわけで、自分が作りたいものを思う存分作ってやった。
一週間のうち、最低でも数日は充実している。あの頃とは比べ物にならないほどの多幸感である。
朝起きて会社に行くわけじゃない。スタジオに行くことは月に何度もあるけど。基本は自分の家で、自分のペースで仕事をする。疲れたら好きなだけ休める。
テレビ局にいた頃は、自分が何のために働いてるのか分からなかった。魂をすり減らしてる感覚だった。
今は違う。自分が作ったドラマを見て「感動した」とか「考えさせられた」とか「面白かった」とか、そういう感想をもらえるとマジで嬉しい。作品が誰かの心に届いてる。そう思うと、もっと頑張ろうって思える。
年収はまだ低い。テレビ局時代の約半分である。結婚はできないかもしれない。
でも、幸せだ。あの頃の俺はイライラしてた。自分の好きなものを作れなくて、世の中にウケるものだけを追い求めて、消耗していた。自分が自分でないみたいで。
あのグルメリポートの番組に感謝してる。そしてあの時、勇気を出してテレビ局を辞めた自分に感謝してる。
不安でしょうがなかったけど、あの頃の不幸だった自分がいるから、足掻いていた頃の自分がいるから、今があるんだと思える。ありがとう、あの頃の私。諦めないでくれてありがとう。
もし、仕事に疲れてる人がいたら、自分の心を無視しないでほしい。本当にやりたいことは何だろう、って自分に問いかけてみてほしい。人生を変えるきっかけになるかもしれないから。
Permalink |記事への反応(27) | 21:04
Xで反AI活動をやっている、あるいはやりたいと思っている人はいる?
悪いことは言わないからやめておけ
AIが世間を騒がせた3年前くらい、かなり初期の方から反AI活動を始めた
きっかけは特にないけど、いわゆる絵師界隈に属していたこと、好きなイラストレーターさんが多数いてそのほとんどがAIに反対してたこと、私自身一時期はイラストレーターを目指していたことなどから画像生成に対して反感を持つのは自然だった
反AI的な活動をするためのXアカウントを作り日夜AI系の炎上騒動に首を突っ込んではご意見番気取りでモノを言う
反AIの何がやばいってあれリツイートもいいねも稼ぎまくれるんだよな
とにかく反AIは反AIで集まって共感を呼び合うので他のジャンルに比べて異様にいいねとリツイートが伸びていく
あと法的なことについていっちょ噛みするとAI推進派の連中がひたすら攻撃してくる
要はこちらの主張の枝葉の部分をあげつらって「法律がわかってない」「条文解釈が違う」などと攻撃してくるわけだけどこれもリツイートが伸びる伸びる
私や私の仲間はこうしたレスバに興じ、時に鍵垢のほうで愚痴大会を行って溜飲を下げる
表ではひたすら反AI的な主張を繰り返しリツイートといいねを稼ぎ続ける
なんかねぇ
同じ思想を持つ者同士の連帯でめちゃくちゃ気分がよくなるし、共通の敵に立ち向かっている感が本当に癖になる
何か巨大な敵に対抗している高揚感がある
時にボッコボコに炎上して悔しい思いもするんだけどそれを反AI仲間が慰めてくれるから「また頑張ろう」「正義の戦いを続けよう」って気持ちになれて主張ももっと過激になっていく
自分でも思うんだよ
でも止められない
Xでできた仲間たちとのつながりを今さら断つことなんてできない
社会正義のために何か活動を行いみんなの役に立っているのだといった、何者かになれたって感覚が捨てられなかった
とあるAI絵師に粘着して日常的に誹謗中傷を繰り返していたらある日内容証明郵便で弁護士からお手紙が来た
「おたくXでこんな投稿した本人? 本人ならうちら訴える準備進めてるから折り返し一報ちょうだい」
そんな内容だった
こちらの認識としてはAI絵師は反社会的活動を行なっているテロリストなので、まさかテロリストが司法に訴えるとは欠片も思っていなかった
怒鳴られたり怒られたりするのかなとか思ってたら受付のお兄さんも担当の弁護士さんもかなり優しい口調で応対してくれた
内容としては、
「弁護士つける? あ、つけない? 不明? こちらとしてはそっちも弁護士つけてもらった方が話が早いからつけてほしいな。
あっ、一応つけなくても示談の案とかも送れるし内容も協議できるよ!
こちらの主張だけ一方的に言って解決しちゃうのも不健全だからやっぱりそちらも弁護士立てるのがいいかも!
相談だけなら無料のところも多いから行ってみたら? 次いつ電話もらえる?
こんな感じ
あれなんだね
事務所にもよるんだろうけど弁護士ってもっとこう依頼者の味方で相手は敵!!みたいな対応するんだと思ってたけど普通に事務的に冷静に電話対応してくれるんだね(そりゃそうだよね)
結局私も弁護士に相談したけど貯金なんてそんなにないし依頼するのは現実的ではない
民事の弁護士制度みたいなのもあるらしいけどちょっとよくわからない
守秘義務あるから内容は言えないけど云十万円の支払いと投稿の削除とXで二度とその人に引リツやリプ飛ばさないって約束
弁護士への相談は人を変えて3箇所まわって、2箇所からは「いやまぁ法外な要求でもない限り示談したほうが得じゃね?」って言われてもう一箇所からは「実際に請け負わないとなにも言えない」みたいな対応だった
たぶん弁護士雇っても似たような結果+弁護士費用がかかるから素直に示談してよかった(と思うことにしている)
こんなことがあったから反AI活動をすることに恐怖を覚えるようになった
反AI活動をやめたら人生に負けた、悪に屈したって思考になってるからやめられない
結果として恐る恐る怖がりながら反AI活動をし続ける羽目になった
もうなにか悪口を投稿するたびに手が震えて心臓バクバク、脳みそぎゅーってなって頭が痛くなる
でもフォロワーさんや見知らぬイラストレーターさんのいいねやリツイートが欲しくてXはやめられない
そんなことを続けているうちに夜眠れなくなって朝起きられなくなった
それで精神科いったら起立性調節障害って言われてうつ病もあるかもね〜なんて言われて薬を処方されて…
それでも仕事は続けてたんだよ
月に5日は休む感じで惨めに続けていた
でもいよいよ耐えられなくなって精神科で正直に反AI活動のことを話した
もうガン泣きしながらここ数年のできごとをしゃべったら案の定お医者さんからはSNS禁止令を言い渡されたよ
欠勤日数が多すぎてボーナスも支払われない有様だった
収入が断たれたので一人暮らしも無理になって都落ちして実家に逃亡
それから3ヶ月が経って今に至る
別に反AIに限らずだけどSNSにのめり込んで正義マンするのやめようね
私みたいになるよ
Permalink |記事への反応(42) | 20:10
男がこんな悪質なことを~
(アンフェのなりすましらしき偽旗垢も多し)
・アンフェ系嘘松
女がこんな悪質なことを~
まともに商業で活動してるプロはそうでもないが(忙しくやってる暇もない)、プロとアマの中間ぐらいの層がスカッと嘘松エッセイマンガを量産。
そのまま書籍化に至ることも少なくないため、社会に対する危険度も高い。
マンガ(絵)に比べて、正攻法でインプレッションを稼ぐ手段に乏しいため、プロ作家でも安易な嘘松に走る者が後を絶たない。
小説の延長で書いている体験談風だけでなく、取材・資料集めの過程で知ったという体の雑学型嘘松も多い。
守秘義務の存在を考えれば、まず医者かどうかすら疑いたくなるが、残念ながら頭のおかしい医師免許持ちが実在することは事実。
頭の固い同僚やモンペ・バカ生徒イジりをやってる内はまだマシだったが、最近は保守・排外主義と結びついた嘘松(外国人生徒が増えたことでこんな弊害が~)も増加しつつあり、注視が必要。
具体的にどんな仕事をしているのかは守秘義務があるから書けないけど、とあるフランチャイズの小売店で販売のバイトをしている。
んで、何をやらかしたのかというとウーバーイーツを使ってお客さんに商品を届ける時に商品を1個詰め忘れた。忘れたことには短時間で気付いた。
そんで、お客さんの家が店からすごく近かったのとたまたまウーバーイーツの人が至近距離にいたために爆速で配達完了してしまい、ウーバーイーツに電話して戻って来てもらい忘れた商品を託すという事が出来なくなってしまった。
もちろん、お客さんは激怒した。基本的にはこういう場合は返金対応のみなんだけど、お客さんの強い意向がある場合は自力で配達することもありだが、それは店の方の判断ですることで絶対の義務ではないのだが、判断を下すのは店の責任者ではなくやらかした本人と現場の従業員。という訳。
失敗した時の状況はというと、ニッパチどころか年間を通してもありえないレベルで店が激混みし、しかもバイトは2人体制という地獄の状況でデリバリーの注文が連発した。
お客さん達の行列がどんなに長くても、待たされているお客さん達からどんなに罵声を浴びせられても、デリバリーが最優先という鉄則がある。昨日の場合は幸いにも怒鳴るお客さんはいなかった。外国人のお客さんが多く、彼らは混雑していても静かに待ってくれるのでトラブルになり難い。行列に静かに待機している人が過半数を超えたためか、すぐキレる日本人客もイライラしてはいても実際罵声を上げるという事がなかった。そこはラッキーだった。一人怒鳴り出すと収拾がつかず暴力事件にも発展しかねないというのは過去に経験済み。
デリバリーの商品を用意している様はお客さんから丸見えなのだが、といってもお客さんからは何をしているのかはたぶん分からないと思う。そもそも当店でデリバリーなんかやってる事を知らない人が多そう。実際、デリバリーの注文なんか普段はあまり来ないのだから。
とにかく、店内が激混み、会計にはクソほど人が並んでいるという状況なのに、二人しかいないアルバイトのうちの一人が会計業務を放棄して何かやってる。というのがお客さん達から見える風景だ。配達品の梱包をしていた自分としては居た堪れない状況だけど、一々ビビっていたら作業が速く終わらないので心を無にして、お客さんと目が合わないよう俯いて作業に集中するしかない。
忘れ物にはウーバーの人が店を出てわりとすぐに気付いた。たぶん2、3分といったところだ。その時は忙しいものの一瞬だけ会計待ちのお客さんがいなかった。
ところが問題なのは、自分たち従業員にはこれは「絶対失敗してはいけない仕事だから」と失敗のリカバリー方法が一切教えられていないということだった。商品を入れ忘れたらどうしたらいいのか分からない。それで相方のバイトとどうしたらいいと思う? と数秒話し合って、とにかくウーバーの人に電話すればいいんじゃね? ってなった。
幸か不幸か昨日の相棒は外国人のバイトだった。普段言葉での意思疎通に支障がありまくりなんだけど、ぼくを始めとする日本人のバイトと違いトラブルが起きた時には肝が座っており、「電話すればいいじゃ〜ん」と判断が早い。店長に電話して相談しようなどという余計な事は考えないのである。ぼくはしがない日本人アルバイトだから、その余計な事を考え、てウーバーに電話するのと店長に報告するののどっちを先にすればいいんだとテンパった。
で、幸か不幸かたまたまウーバーの人が相棒と同郷の人だったので、相棒が「おれが電話するほうがはやい」と言ってさっさと電話してくれた。
ところが、デリバリー作業専用端末の画面に記されていた電話番号は普通の携帯の電話番号っぽいのにウーバー直通ではなかったのである。そしてそのタイミングでまた会計の長蛇の列が出来てしまった。
同郷のブラザーが陽気に電話にでると思っていた相棒は、いきなり電話から日本語の早口が聞こえたのに驚いて日本語の語彙がぶっ飛んだ。死ぬほどレジを打ってるぼくに「ぼくさん!ぼくさん!」と言うしか出来ない。ぼくは訳が分からぬまま電話の子機を手渡された。電話の相手はウーバーのコールセンターだった。
ともかく事情を説明すると、コールセンターの人はこういう場合の対応について全体の流れと何をすべきか丁寧に教えてくれた。知らない事が沢山あった。その手順自体がそうだし、デリバリーを注文したお客さんの住所連絡先を見るための暗証番号もそうだ。
それからコールセンターの人はウーバーの人を呼び戻す為に連絡を取ってくれることになったが、配達は爆速で完了しており、この場合ウーバーのコールセンターから出来る事はもう何もないということだった。しかし、ここで突き放す事はせずに、当店フランチャイズのデリバリー専用コールセンターの電話番号を教えてくれた。これもぼくたち従業員には知らされていない情報だった。
コールセンターの人はあからさまに気が動転しているぼくをなだめ、この番号にかければ大丈夫だからと励ましてくれた。感謝しまくりながら架電終了。
それから、すぐに専用ダイヤルに電話を掛けたかったんだけど、最悪商品をお客さんに直接配達しなきゃいけなくなった場合、ウーバーのコールセンターの人は従業員の判断によって受けるか断るか決めていいとは言っていたものの、現場の独断に激怒しないとは言い切れないのがうちの店長なので、まず店長に電話して状況説明し、配達とお客さんから言われたら配達してもいいか聞いた。超怒られた。めちゃめちゃ説教されたあと配達しろと言われた。説教されてる間も刻一刻と時間は過ぎて行くので、やっぱ事後報告にすればよかったと思った。
やっと当フランチャイズのデリバリー専用の相談ダイヤルに電話。絶対やらなきゃいけない事は、気づいたら専用ダイヤルに電話することとお客さんに直接謝罪の電話をすることで、この二つは欠かせないということだった。で、お客さんの意向で分岐が生じるということだ。
規約では入れ忘れの時の対応は謝罪の電話と返金対応のみと決まっている。ところがお客さんの強い意向で商品の直接配達対応をするという事が裏技的に出来ることになっている。フランチャイズ本部としてはあまりやりたい事ではないというのが、電話相手の口調から察せられるが、暗黙の了解なのでそこは深掘りしないでくれ感もビンビンに感じられた。
とりあえずまずはお客さんに電話して謝罪し、今回はPayPay払いであったため、返金はPayPayアカウントに入ることになるが10日間かかる事を必ずお客さんに説明するようにという指示をもらう。直ぐに電話した。
お客さんはコール0回で電話に出てぼくが謝罪の言葉を述べるのもサクッとぶった切って「配達で。」と言った。PayPay返金絶対許さない強い意志が漲っていた。
直ぐにフランチャイズの専用ダイヤルに再度電話し、配達になったことを伝えると、スムーズにお客さんの個人情報を閲覧する為のIDと暗証番号を教えてくれた。それから、なんとフランチャイズの専用ダイヤルは実はトラブル発生時にかけなくてもいい番号だという事を知らされた。
実は当フランチャイズにはデリバリーのトラブル発生時にかけるべき店舗ーコールセンター直通ダイヤルというのがあって、ここにかければこちらは店名を名乗る必用はなく店番を教える必要もないし、コールセンターに繋がる前の自動音声による用件検索もスキップ出来るのだ。今後直通ダイヤルにかける様に全従業員に周知してくださいということで架電終了。
急いで商品を用意した。熱々でお届けするはずだったのに冷めてしまったので調理し直しだ。調理しながら店長に電話をかけて、まためちゃめちゃ怒られた後、店長がいまちょっと出れるかな出れないかなと悩み始めた。もしかして店長が配達に行ってくれるのかなとちょっと期待したけどそんな事はなく、はよ行ってこぉ!と架電終了。ですよねー。
調理が終わったので自分のスマホでGoogleマップにお客さんの住所を入力したら、そこはだだっ広い更地のど真ん中だった。詰んだかもしれないと思ったが、テンパリ過ぎてアドレナリンどばどばになっていたので注文者がヤンキーとかで商品を持っていたら集団で囲まれてボコられたらどうしようと想像した割には怖いと思わなかった。仮にボコられた挙げ句に河川敷に埋められたとしても悪いのはヤンキーなのであり、ぼくに罪があるとしたらうっかり商品を一個入れ忘れた事くらいである。
自分の車に乗り、Googleマップにナビられて車道に出た瞬間に目的地が店から至近距離にあると知った。走った方が速かったかもしれないが、真っ暗で街灯の少ない夜道なので車で行って正解だったかもしれない。
マップでは更地だった場所は瀟洒な住宅街で、あの更地を10分割くらいにした土地にみっしりと夜目に見ても建ったばかりの家々が建っていた。でもマップには土地が分割された事が反映されておらず、どれがお客さんの家だか分からない。仕方なくお客さんに電話で聞いた。すぐ横にある、親切にも表札にスポットライトを当てているお家のすぐ隣だった。
インターホンを押したらお客さんはすぐに出てくれた。そしてぼくが謝罪の言葉を述べるのを「そういうのいいから。」とぶった切って商品をはやく寄越せと催促し、お渡しするとさっさと家の奥に消えた。
詰んでる。とぼくは思った。わりとよく当店に来るお客さんだった。この時間帯は当店が混雑しているのをわかっていて注文してきている。試しに注文してみたかっただけなのか、注文されたのは温度管理帯がバラバラの小さな商品数個だった。たった数個の注文なのに入れ忘れが生じたので、怒鳴ったり表情を変えたりはしない人だったがめちゃめちゃ怒っていたのがわかった。
思うに、お客さんは再配達を要求してきたけど、それで自宅にやってきたのが週に一度は見かけるうだつの上がらないいい年してアルバイトのぼくなんて展開になるとは想像もしてないし、望んでもいなかっただろう。たった一つの商品を規約を破ってまで届けさせた結果、近所の店の糞店員に住所連絡先が割れるとは思っていなかったはずだ。
これはフランチャイズ本部にクレームを入れられてもおかしくない案件だが、しかし大概は追い込み過ぎて逆恨みされる事を畏れて何も言わず、ただ当店の利用をやめることになるのだろう。
店に戻ると激しく混雑していて、相棒が一人で忙しく働いていた。ぼくはすぐ通常業務に戻りつつ、起こった出来事を思い返して今回初めて知った事、たまたまウーバーの人と短い会話をして偶然知った事を整理し、今後同じ事をやらかした時に最短でリカバリーする方法を考えた。空いた時間でミスコピーの裏に爆速で店長宛に報告書を書いた。
当店はフランチャイズ店といってもオーナーと店長以外は皆パートとアルバイトなので、何か大失敗をこいて始末書や報告書を書かされるという事がない。だいたいの従業員は報告すらしないだろう。取り繕ってなんとかなったなら尚更だ。
ぼくは個人的に仕事中に何かが起きたら全部報告しないと気がすまない質なので、このように何でも書いて残す。店長は、その度にありがとうと言って受け取りはするが、読んだのかどうか不明のままその辺に放置されているのが常だった。
今回の場合とくに大失敗こいたのがぼく自身なので、失敗の原因究明と解決方法をまとめる事は出来るけど、店長にはおまいうで突っぱねられるだけだろう。
でも、ぼくたち従業員には知っていないといざという時に困る事が一杯あったし、ぼくが今後の自分自身とバイト仲間たちのためにまとめる意義はありそうだが、対策マニュアルを作って持ってても知らないうちにポイされるのがオチかな。
あー、何で当店は一々ざっくりとした口伝に拘るんだろ。
まあ、失敗したぼくが悪いんだけどね……。
お前らが下手に発言撤回させたせいで「米を買ったことがある」ということ自体の真偽が不明になったじゃないか。
そもそも事実を言っているのだとすれば「事実を撤回=嘘だったと認定する」ことになる矛盾を犯しに行くことになる。
撤回とは政治用語かなんかで通常の意味と異なると解釈するべきなのか。
「事実かどうかに関係なく、その内容を発言したこと自体がまずいものとして自分の非を認める」という程度の意味なのか?
たとえるならば守秘義務(もちろん中身は特定の事実の宝庫)を漏らしたことに陳謝するとの同様の作用を持つのがここでいう撤回なのか?
アスペだと撤回しろとか言われても「ほんとのことを嘘だと言えってどういうこと?」って部分で頭がパンクして、意地でも「撤回」はしないとかありそうだけど、そんなレベルで知能が怪しい人はそもそも当選しないってことか?