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2025-09-29

9月4週LINEオープンチャットはてなブックマーカー」1週間のまとめ

これは何?

LINEオープンチャットはてなブックマーカー」の1週間分の要約を、さらAI使用し、試験的にまとめまています

要約内容

🎓大学留学生教育

---

🎤音楽文化偶像崇拝

---

🦠 体調・健康気候

---

🍜食事飲食暮らし

---

💼仕事経済社会

---

🗳️政治社会テーマ

---

✈️旅行地域文化

---

📚趣味エンタメ日常

---

📝 1週間分の総括

今週のオープンチャットは、「身近な日常から社会全体までをつなぐ多層的な雑談が中心でした。

食事や体調、旅行計画などの暮らし話題ベースにありつつ、音楽文化を通じて社会政治への視点自然に混じり合いました。

労働経済の話ではワンオペ」「広告だらけのSIerといった現実的フラストレーションが共有され、政治では制度リーダーシップへの期待と不満が同居。

全体を通じて、参加者個人的体験社会テーマを行き来しながら共感を重ねる」空間となっていたのが特徴的です。

関連記事

https://anond.hatelabo.jp/20240722084249

オープンチャットの参加URL

LINEオープンチャットはてなブックマーカー」の参加はこちから

https://line.me/ti/g2/MFSXhTJoO_pLfrfds1LpyJ0OlBgcPJSqHoRbBg?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default

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2025-08-28

1999年7の月 アンゴルモア、恐怖の大王存在した

今年の夏、数年ぶりに実家帰省したんだけど久々に帰ったせいでこの機会を逃すまい!と親から部屋の片づけを命じられ、ゆっくりするつもりが全然出来なかった。

仕方がなく実家自分の部屋の掃除をしたわけだけど…机の引き出しから何やらよからもの発見原稿用紙数枚分。なんとなく思い出した。自分が確か高一の時ぐらいに書いた小説もどき…。

そのまま処分しようかと思ったけど、これも何かの縁かと思い、焼き払う前にここに残そうと思って(供養の意味も込めて)、恥ずかしながら当時書いた小説をここに貼ります

1999年7の月 アンゴルモア、恐怖の大王存在した』

1

七月の黒板って、手のひらの汗を全部吸って、授業が終わるころにはチョークが湿気で太る。

セミは朝からミンミン鳴くくせに、ホームルームときだけ少し黙る。

うちの担任は「ノストラダムスの書いた七の月だね」と、冗談のつもりで言うのだけれど、冗談って二回目から効かなくなるのよ、先生私たち1999年の夏を、テレビワイドショーと同じ顔で消化して、笑うところは笑って、でも笑いきれない部分は教科書の下に隠す。

休み廊下のどこかでPHSがピピピって鳴る。あの音は少し未来っぽい。私は机の中からMDを取り出して、宇多田ヒカル再生して、再生の丸い矢印が自分心臓の形に似てるな、と毎回どうでもいいことを思う。(でもFirst Loveは毎回ぜんぜんどうでもよくない。あれは心音を増やす歌)

夏の空気扇風機の首ふりのリズムで揺れて、窓の外の雲は誰かが消しゴムで端をこすったみたいにほどけている。私は五時間目が終わったところで、ノートをぱたりと閉じて、裏表紙の端を折って、そっと立ち上がった。「保健室行ってきます」って小さく言えば、先生はたいてい止めない。保健室に行く経路で、屋上という寄り道があることは先生たちの知らない秘密地図

理科準備室の窓は鍵がゆるい。椅子を一脚ひっぱって、窓枠に膝を乗せ、指先で金具を押し上げる。屋上に出ると、空気が急にちゃんと味になる。すこし錆びた匂い。じんわりした熱。遠い国道トラックの音。フェンスの金網に両手をかけて、私は深呼吸を一回、二回。七月の呼吸。あ、これは覚えておこう、って思ったとき

「そこ、危ない」

声がした。男子の声。低すぎず、高すぎず、でも機械温度みたいに均一。

振り向く前に、軽く手首を引かれて、私は一歩だけ後ろへ下がる。フェンスぎりぎりのコンクリ、米粒くらいの黒い影が落ちて、コツン、と音を出して割れた。殻の匂い。卵じゃない。虫でもない。もっとイヤな、硫黄の、でもどこかで嗅いだことのある、夏の終わりの側溝みたいな。

「ほら」

私の手首を放した彼は、フェンスにもたれるように立っていた。うちの学校制服じゃない。黒い長袖。胸元に小さな紋。汗をかいていない。かわりに、視線が汗をかいているみたいに一直線。

「落ちてくるからね、ここ。今日はまだ小手調べだけど」

「……なにが?」私は聞く。

「アンゴルモア」

さらっと言わないでほしい。テレビが殊更に太いフォント見出しにしてた単語を、屋上の風のなかで日常語みたいに投げないでほしい。私は笑うタイミングを探したけれど見つからず、代わりにMDを一時停止にした。(宇多田のサビで止めるのは罪だけど、今日免除してほしい)

テレビのやつ?」

テレビが知ってるのは“名前”だけ」

彼はフェンスを見上げる。その目は、黒板のイコールをまっすぐに引ける人の目。

本体はまだ。今日は殻と匂いだけ。予告編みたいなもの

殻、と彼が言った瞬間、さっきの黒い米粒が、煙みたいにほどけて消えた。彼は胸の紋に指先を添え、短い金属を引き抜いて、空気を一回だけ切る。刃じゃない。音だけ。なのに。地面の黒が粉になって、風にさらわれた。

ちょっと」私はやっと声を持つ。「なにそれ。あなた誰」

通りすがり

教科書みたいな返事。でもふざけた感じはない。

「通りすがるには、ずいぶん正確にうちの屋上に来たじゃない」

「見える人のそばは、風が変わるから

彼はほんのすこしだけ笑う。笑い方は丁寧で、耳の形まで整っているタイプの顔。近づくと汗の匂いじゃなくて鉄の匂いがした。

「君、見えたでしょ、さっきの。普通の人は見えない。足もとに殻が落ちても、踏んで帰る」

「見えたから、何?」

「ひとりにしない」

その言い方は、なんだか“わたしの”言葉みたいで、ちょっとムカついた。知らない人に先に言われるの、好きじゃない。

名前は?」

「湊(みなと)」

ひらがなで言われてもカタカナで言われても、たぶんこの名前は港の音がする。波打ち際で人を呼ぶ声。

湊はフェンスの外を見上げる。雲が薄く切れて、青の下に白い面が一秒のぞく。その一秒のあいだに、空が低く唸った。電車が遠くの高架をゆっくり渡るときの音に似てるけれど、もっと乾いている。私の首筋の汗がすっと引く。

「二匹目」湊は言って、私の前に立つ。

降ってくる。今度は米粒じゃない。ビー玉よりちょっと大きい、黒い丸。着地の前に割れて、内側から“何か”がぬるりと出ようとする。輪郭を持たないのに、目より先に匂いけが肌にささる。夏の犬小屋の奥に置き去りにされたゴム、みたいな。

「息を合わせて」湊が言う。

「どうやって」

「今、君がしてるみたいに」

気づくと、私は湊とおなじテンポで息をしていた。吸って、吐いて。吸って、吐いて。二回に一回だけ、すこし長く吐く。そのリズムで、湊の金属空気を切る。殻の破片が粉になり、風だけが残る。

「……ほんとに、アンゴルモア?」

名前が先に来る怪物っているんだよ」湊は肩の力を抜きながら言う。「“恐怖の大王”って言葉空気が好きなんだ。空気は、好きな言葉に寄ってくる」

そこまで聞いたところで、屋上のドアがギイッと鳴って、私は心臓を落としかけた。風より静かな足音制服足音じゃない。

「遅い」湊が言う。

「早すぎる」低い声が返す。私は反射でフェンスの陰に一歩引いて、ドアのほうを見る。黒いTシャツに薄いグレーのシャツを重ねた、涼しい顔の男の子。髪は長くも短くもなく、目は印刷された数字みたいにブレない。

「……え?」

今日は偵察だけって言ったろ」と彼は湊に向かって、とても小さく眉間を寄せる。「初対面を屋上でやるの、ミス確率上がる」

「じゃあ、屋上じゃないと見えないものもある」湊はさらっと返す。

二人は友だちっていうより、同じ地図の別ページ、という感じ。

「澪(れい)」と彼は短く名乗った。手にPHSアンテナ二本。画面に点の地図数字が流れて、一瞬だけ止まる。

「下、駅前に一件。夜は濃い」

「夜?」私はつい口を出す。「夜まで?」

今日の七の月、最後から」湊は私を見る。「帰り道、寄り道をしてもいいなら、案内する」

案内、ってすごくヘンな言い方。でも私はうなずく。喉が乾いているのに、声はちゃんと出る。

湊は金属を胸の紋に戻し、手すりに軽く触れてから踵を返した。澪はPHSを親指で弾いて、何かを送信して、何も言わず私たちの前を歩く。三人で階段を降りると、校舎の匂いが一瞬だけ“普通”に戻って、私はその普通を鼻に詰めておこうと思った。(後で必要になる普通がある、って、新井素子の本に書いてあった気がする。気がするだけで、どのページかは思い出せないけど)

駅前夏休み夕方の顔をしている。ロータリーバスマクドナルドの前に行列ガチャガチャの前で小学生が揉めてる、CDショップではラルクポスターゲームセンターからドリームキャストデモ音。風鈴みたいな高い音が一瞬だけして、次の瞬間、音が全部半拍ずれる。

「来た」澪が言う。

誰も気づいてない。サンダル女子高生も、サラリーマンも、ショッピングカートを押すおばあちゃんも、誰も。

から降りるものは影じゃなくて、空気の厚みの差。見えるのは、ここにいる三人と、そして、たぶん私だけ。

湊は前に出る。澪は周囲を見渡して、最も“記録”の薄い位置を選ぶ。道路標識の影と自販機の影が重なる場所

「ここなら、ニュースにならない」

ニュースにならないって、そんな基準ある?」

ある、と澪は言わないで、目で言った。

湊の肩が、呼吸といっしょに上下する。私はそのリズムに合わせる。吸って、吐いて。吸って、吐いて。なぜか一緒にやると心臓が落ち着く。(恋とかじゃなくて。いや、恋かもしれないけど、いまは違う)

殻のない降りは、匂いだけで先に来る。不意打ち。目の端で捉えるまでに、鼻が先に反応して、汗腺が縮む。湊の金属空気を切り、澪のPHS画面の数字が揃い、私の呼吸が三拍目で長くなる。カチッと音がして、見えない何かが折りたたまれる。駅前はなにも起きなかった顔に戻る。

「——ねえ」私は息を整えながら言う。「これ、毎日?」

「七の月は毎日」湊は金属しまう。「終わったら、少しだけ静かになる。少しだけ」

その“少しだけ”の言い方が、もう経験者の声で、私は急に怒りたくなって、でも怒っても仕方ないから、代わりに缶の自販機麦茶を買って三人にわけた。湊は半分だけ飲んで、缶を私に返す。澪は口をつけずに、冷たさだけ指に移して返す。私はベンチに座って、残りを一気に飲んだ。

「帰り道、送る」湊が言う。

「送らなくていい」私はつい強めに言う。「ひとりで帰れる」

「見える人を、ひとりにしない」

またそれ。私はむくれて、でも、足は自然に彼らと同じ方向へ動いていた。

交差点信号が青に変わる。横断歩道を渡る瞬間、風がすっと変わって、私は振り向く。人混みのむこう、ビル屋上の縁。夕陽の切れ端のような光のところに、白いシャツの誰かが立ってこちらを見ていた。

まばたきしたら、いない。

「いまの」

「気づいた?」澪が初めて少しだけ笑う。「いい目だ」

「誰?」

「多分、明日には“こちら側”に来る」湊は短く言った。「きれいな顔をしてる」

家の前で別れるとき、湊は「また明日」と言いそうにした顔でやめて、「風の匂い塩辛くなったら、上を見て」と言った。

私はうなずいて、門扉の前で一回だけ深呼吸した。玄関を開けると、母が台所ゴーヤチャンプルーを炒めていて、テレビは「Y2Kに備えて」の特集をやっていて、父は食卓新聞を広げ、「大丈夫だよ」といつもの声で言う。

私は自分の部屋でMD再生して、PHSアンテナを出して、引っ込めて、出して、引っ込めて、意味のない儀式を二十回くらいやってから、ベッドに倒れ込んだ。天井蛍光灯カバーに、屋上フェンスの格子が重なって見えた。

眠る直前、窓の外で、ほんの少しだけ風が塩辛くなった気がした。私はカーテンをめくって、上を見た。空はぜんぶの青を混ぜたみたいな色で、星はまだ点かず、遠くのどこかで雷の写真だけフラッシュが光った。

明日も、屋上に行く。

明日も、見える。

明日、もうひとり来る。

七の月は、まだ終わらない。

2

夏休みの昼下がりって、テレビがやたら静かになる。

ワイドショーが終わって、ニュース時間までの隙間に流れる通販番組マッサージチェアとか。美顔器とか。私は居間スイカバーを食べながら、母がアイロンをかける音を聞いていた。

PHSが震えた。メール文字数は少なく、「屋上」とだけ。差出人不明。昨日と同じ。

——行くしかない。

理科準備室の窓をまたいで、椅子を蹴って屋上に出る。

照り返しが強い。空気が音を立てる。セミは昼なのに狂ったように鳴いていて、私の制服は汗を吸ってもう重たい。

「来た」湊がフェンスにもたれていた。

隣には澪。無口な彼は今日PHSを指先でいじって、画面に流れる数字を追っている。

そして——もうひとり。

髪は少し長く、色素の薄い瞳。美少年しか言いようがない顔立ちなのに、目の奥がひどく静かだった。笑ったとき、光がこぼれるというより、光が寄っていく感じ。

「碧(あお)」と湊が紹介する。

よろしく」碧はにこりと笑って、私の袖を軽くつまんだ。指先が冷たい。

「三人?」私は尋ねる。

「四人」湊が言う。「君を入れて」

「えっ、いや、私なんて」

「見えてしまった以上、もう“向こう側”だよ」澪は画面から目を離さずに言った。

私は息を呑んだ。昨日から、すでに普通ではなくなっている自分を、もう否定できない。

——

夕方私たちは駅へ向かった。

ロータリーに人が溢れている。コンビニの前では中学生立ち読みして、パン屋からは焼きたての匂いバス停のベンチに座るおばあちゃん団扇をぱたぱたさせている。

そんな雑踏のなかで、突然、音が半拍ずれる。

通りすぎる電車ブレーキ音が伸び、子どもの笑い声が濁り、セミの声が一瞬だけ空気に沈む。

「来た」澪が小さく告げる。

から、殻が落ちる。最初は見えない。でも、確かにそこにある。私たち四人の目にははっきりと。

ビー玉より大きな黒い殻。地面に触れる前に割れ、中からぬるりと何かが出る。匂いは昨日より強烈。鼻の奥が焼ける。

「人混みの中は厄介だ」湊が前に出る。

周波数を合わせる」澪はPHSを高く掲げ、ボタンを素早く叩いた。

大丈夫大丈夫」碧が私の肩に手を置いた。「君は息をするだけでいい」

から出てくる“それ”は、人の目には映らない。でも私には見える。輪郭は定まらず、影が水に溶けるみたいに揺れる。だけど、確かに街を食おうとしている。

「湊!」澪の声。

湊は棒を伸ばし、空気を裂いた。

刃ではなく、ただ音。だけど“それ”がたじろぐ。

碧が微笑みながら指先を空に走らせる。風の流れが変わり、影の形が折れ曲がる。

「今だ」湊の声に、澪のPHS数字が揃う。

私の呼吸が、彼の肩の上下に合わせて整う。

一瞬、世界が止まった。

そして、影は粉になって消えた。

駅前は何も起こらなかった顔で、再びざわめき始める。人々は誰も気づいていない。

——

「なに、これ、ほんとに毎日?」

ベンチに座り込んで、私は麦茶を一気に飲み干した。

「七の月は毎日だ」湊が答える。

「でも、七月が終わったら?」

「少しだけ静かになる」碧が柔らかく笑った。「でも、“恐怖の大王”は終わらない。七月の名を借りてるだけだから

澪は黙ってPHSを閉じた。その目は冷たいけれど、どこかで私を見守っているようでもあった。

私は三人を見回して、息を吐いた。

「……わかった。もう知らないふりはできない。だから——」

「ひとりにはしない」湊が言った。

その言葉は、昨日よりもずっと重く、強く響いた。

——

夜。帰り道。

商店街アーケードにはまだ人がいた。ゲーセンの前でカップルプリクラの袋を持って笑っている。CDショップからELT歌声が流れている。

そのとき空気がまたずれた。

「また?」私が言うと、碧が肩をすくめる。「今日は濃いからね」

ビル屋上夕陽を背にして立つ影があった。

制服でもない。黒でもない。白いシャツ

その人は、確かにこちらを見ていた。

次の瞬間、いなくなった。

「今のは?」

「気づいた?」澪が珍しく少し笑った。「君、ほんとにいい目を持ってる」

「……誰?」

明日、会える」湊は短く言った。「俺たちの仲間になる」

——

玄関を開けると、母がテレビを見ていた。

ニュースは「何もなかった一日」を語っていた。

私は自分の部屋に入り、PHSアンテナを伸ばしては引っ込め、伸ばしては引っ込め、意味のない儀式を二十回くらい繰り返した。

屋上の風がまだ、肌に残っていた。

三人の声も、影の匂いも。

そして、明日現れる誰かの姿も。

七の月は、まだ終わらない。


3

七月三十一日。

カレンダー数字が赤くも青くもないのに、どうしてこんなに特別に見えるのだろう。

”終わる”という言葉が、宿題ノートよりも、日めくりの紙よりも、今日は妙に重たかった。

午前はやけに晴れていた。

コンビニで買ったガリガリ君が一瞬で溶けるくらいの青空

でも午後になってから、光は濁った。セミの声がかえって甲高く響く。

私はPHSを握りしめ、またメールが来るのを待った。

震えた。文字はやっぱり短く「屋上」とだけ。

屋上のドアを押すと、三人が待っていた。

湊。

澪。

碧。

そして昨日見た“白い影”が、今日はそこに立っていた。

「紹介する。彼も仲間」湊が言った。

白いシャツ少年は軽く会釈をした。年は私たちと変わらないのに、目の奥だけが遠い。「……雅(みやび)」と小さく名乗った。

四人の男子と、私。

屋上の風は重たくて、フェンスの金網が湿っているみたいだった。

本体が来る」澪はPHSを掲げ、数字の羅列を見せてくる。意味はわからない。でも、ただ事じゃないことは伝わる。

「恐怖の大王」碧が肩をすくめながら微笑む。「七月が終わる、その瞬間に」


雷が鳴った。

雲の端が割れ空気が低く唸った。

私は一歩後ずさったが、湊が前に出た。背中越しに、彼の肩の呼吸が見える。

大丈夫。合わせればいい」

「……どうやって」

「昨日と同じ。君は息をするだけ」

影が降りてきた。

殻じゃない。粉でもない。

“名状できないもの”が、街を覆いはじめる。

匂いが先に来る。鉄錆とゴムと、夏の終わりの湿気を全部混ぜたような匂い

澪はPHSを打ち込み、数字を揃える。

碧は風の流れを変える。

雅は静かに印のような手の動きをして、影の裂け目を縫い合わせる。

湊は棒を構え、私の前に立つ。

「……来るぞ」

大王の影は、顔を持った。

知らない誰かの顔。

でもなぜか懐かしく、私の記憶の底を撫でる顔。

「来る」澪が短く言う。

「させない」湊が返す。

影が迫る。世界が歪む。

人混みの声が止まる。時計の針が動かない。

この一瞬に、すべてが収束していく。

湊は前に出た。

「俺がやる」

「待って!」思わず叫んだ。

「君をひとりにはしないって言ったのに」

湊は、振り返らなかった。ただ、少し笑った。

「ごめん。今日は、俺だけで強がらせて」

影の中心に踏み込む

棒を構え、全身を“蓋”にするように。

世界が一秒、無音になった。

雷鳴。

セミの声。

ガラスが震える。

影はたしかに消えていた。

残されたのは、三人の男子と、私。

澪は黙って画面を閉じ、碧は笑わずに目を伏せ、雅は静かに空を仰いだ。

湊の姿は、なかった。

「……どうすればいい?」私は震える声で尋ねた。

「何もしない」澪が答える。「ニュースにならないこと」

「覚えておくこと」碧が続ける。「ひと知れず、覚えていること」

雅は小さく頷いて、目を閉じた。


夜のニュースは「何も起きなかった一日」を語った。

大雨の映像渋滞情報経済数字

父は「大丈夫だよ」と笑い、母は冷蔵庫ペットボトルの水を入れた。

私は自分の部屋でMD再生した。

宇多田の声が、少しだけ遠く聞こえた。

PHSに一通だけメールが届いた。差出人不明。本文は一行。

——風が変わったら、笑って。

私は、笑った。泣きながら。



翌日。八月一日

空は夏の顔をしていた。

三人の男子と、コンビニの前でガリガリ君を食べた。

棒を見せ合って、当たりだの外れだの笑いあった。

でも、屋上の風は、まだ四人分吹いていた。

ひと知れず、私たち対峙した。

恐怖の大王は、たしか存在した。

そして、七の月は、静かに閉じた。

Permalink |記事への反応(0) | 14:04

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2025-06-08

大谷選手氷河期世代の「誇り」の終点だった

氷河期世代には、最初から与えられなかったものが多すぎた。

正社員椅子も、手厚い社会保障も、未来安心も。

かにすがろうにも、その「何か」すら曖昧だった。

それでも、自分たちには「誇り」のようなものが、ほんの少しあった気がする。

たとえば中田英寿。誰にも媚びず、世界に飛び出し、引退後は日本文化を発信する旅人になった孤高の存在

あるいはイチローストイック努力を重ね、メジャーで偉業を積み上げたレジェンド

彼らは結婚しなくても、群れなくても、「それでいい」と思わせてくれる存在だった。

そしてスポーツだけでなく、他のカルチャーにもそんな光はあった。

椎名林檎メジャーで毒を吐き、宇多田10代で世界基準ポップス提示し、エヴァが「逃げちゃダメだ」と言いながら、私たち鬱屈を代弁した。

そういう「孤高な美学」に、自分たち立場を重ねてきた。

しかし——大谷翔平が、その自己投影根底からひっくり返してくれた。

結果を出しながら謙虚礼儀正しくて健康的で、そして結婚もした。

ストイックでチームプレイヤーで、しか人間的魅力もある。

彼はもう、「個人美学」ではなく「社会的な正しさ」そのものだ。

そして彼の登場によって、氷河期世代ははっきりと分かれてしまった。

ひとつは、家族をもち、ある程度の安定と余裕の中で「いやぁ、大谷はすごいよね」と笑える側。

もうひとつは、社会に取り残され、メディア報道過剰反応し、「政治が悪い」と怒り続ける側。

後者は誰からも求められていないのに、SNSで当たり散らし、苛立ちを拡散している。

同じ時代を生きてきたはずなのに、ここまで違ってしまった。

だが残酷なのは、どちらも「正しい」と言えてしまうことだ。

怒る権利もあるし、称賛する余裕も正しい。

与えられなかった現実と、それでも何かを築いた現実

その両方が氷河期世代リアルだ。

ただ、大谷翔平のような「完全無欠」が可視化された今、かつての中田イチローや、文化の火を灯した人たちに託していた“敗者の気高さ”は、もう過去のものになった。

あとは、次に来るアルファ世代に飲み込まれていく流れを、どんな顔で眺めるかだけが、残されている。

バックギアクラッチも壊れた世代戯言を書き留めておく。

Permalink |記事への反応(0) | 09:46

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2024-12-07

宇多田ヒカラナイ

Permalink |記事への反応(2) | 17:25

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2024-11-29

歌詞の「Oh~♪」「Ah~♪」をオホ声にしても🐶(わんちゃん)バレない曲

これは宇多田First Love

Permalink |記事への反応(0) | 16:29

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2024-10-12

anond:20241012143026

ぼくはかば宇多田

Permalink |記事への反応(0) | 14:31

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2024-09-27

anond:20240927221739

過去本名(出生名)は宇多田 光だし、その後に結婚離婚してるから現在本名については非公表が正解

Permalink |記事への反応(0) | 22:19

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2024-05-23

time will tell

名曲

まず「時間が経てばわかる」「だからそんな焦らなくたっていい」で癒されるんだけど

「今の言い訳じゃ自分さえごまかせない」

明日へのずるい近道はないよ」

そうだよね、ぼちぼちやってくしかいか

って気持ちにさせてくれる。

だって雲の上に飛び出せばalways bluesky

I just can't controllthe time

あたりもそうだよね、ってなるし

泣いたって何も変わらないと言われるけど誰だってそんなつもりで泣くんじゃないよね

も涙腺弱弱な自分にはわかる〜!!ってなる。

二十年前の10代の宇多田に励まされる。歌ってすごい。

Permalink |記事への反応(0) | 13:32

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2024-04-22

anond:20240422132906

米津もYOASOBIも世界レベルになってないだろ

日本の曲は未だにアニメ主題歌かどうかがランキング支配的で

それ以外は全部誤差の範囲

YOASOBIも最初英語曲出して海外展開狙ってたけど全然ダメ

途中からアニメ主題歌路線に変更

海外アニメオタクには人気だけど市民権得てないし

アニオタの中でもLinked Horizonの方が上

adoも一緒

宇多田エヴァ主題歌やったけど

新劇ってなぜか海外でウケが悪いからハズレだったな

Permalink |記事への反応(0) | 13:38

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なんで宇多田ヒカルって「世界宇多田」になれなかったの?

米津玄師とYOASOBIは世界レベルになれたのに宇多田は何がダメだったの?

昔、アメリカデビューしようとしてコケたよね

英語ペラペラなのになんで見向きもされなかったんだろう

Permalink |記事への反応(4) | 13:29

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2024-04-18

anond:20240418203831

有線で流れてた宇多田トラベリングセルフカバーは楽しみになるぐらいええやで

Permalink |記事への反応(0) | 20:44

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2023-11-08

抜粋

スー 「暮らし」をやってみたらなかなか良いものだった?

宇多田 良いものというか、自分に自信を持つためには絶対必要なことでした。得意なことばかりやっていると成長しないと思って“人間活動”に入ったんですけど、ほかの人たちが当たり前にやっている社会の基盤のような暮らしや、世界がどういう仕組みで動いているのかがわからない。何がわからないのかがわからなくて不安でした。歌詞抽象的なこと、哲学的なことばかりになったり、周りが見えてない人っぽい内容になりそうなのも怖かった。

https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/in-my-mode

Permalink |記事への反応(0) | 09:11

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2023-10-04

anond:20231004132117

辛党って酒好きのことやで

当時の宇多田未成年やろ

Permalink |記事への反応(0) | 13:22

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2023-09-21

anond:20230920011807

そうはいうけど宇多田って実働4年ぐらいじゃね?

Permalink |記事への反応(0) | 14:04

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2023-09-01

anond:20230901032154

宇多田はわかるわ、R&B風日本歌謡っていうの?リズムパートとそこからくるグルーヴ感に劇的な変化をもたらしつつメロディーは単調でしっかり歌詞も聞きとれるってのはそれまでに無かったし。

米津はまったくピンとこなかったわ。情感込めて歌ってるのは分かるけど諸々複雑な上に何言ってるかわからん

Permalink |記事への反応(0) | 03:31

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2023-08-31

anond:20230830183908

宇多田ヒカルは当時すげーと思ったけど米津は何も感じない

宇多田と同時期だと椎名林檎も衝撃的だった

浜崎あゆみaiko全然ぴんとこなかったけど、まあ好みが別れるか

Permalink |記事への反応(0) | 22:52

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宇多田以降、それまでのJPOPでは普通だった、日本語カタカナ英語が混ざった歌詞ダサい扱いになった気がする

英語入れるにしても、ネイティブに近い発音とか譜割になっていった

Permalink |記事への反応(0) | 16:32

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宇多田ヒカルは何が新しかったのか?は当時ぜんぜん分かっていなかったけど、井上陽水の「少年時代カバーを聴いたときは、うまい!と思った。

今聞くとすごいクセが強いけど、宇多田節が出てるかな。

https://youtu.be/sD1irjGnnbY?si=S0K0W20AYo6njKB5

Permalink |記事への反応(0) | 16:26

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anond:20230830183908

15歳で作詞作曲したデビュー曲で、当時日本ではメインストリームではなかったR&Bを爆発的に広めたアーティストがすごくないことはないでしょ。

ただ宇多田ヒカルについては年齢のことは抜きにして語ることはできないと思う。

宇多田以前にも若い歌手っていうのはもちろんいたけど、青さ、未完成さを味わうみたいな空気は確実にあった。

でも宇多田場合、こういう音楽をやるには経験とか円熟味みたいなもの必要だよね、っていう認識の、いわば完成された楽曲を15歳の若造がポンと出して来たわけ。

そりゃあ怖いし、こういう人がどんどん出てくるのかな、っていう新しい時代の到来を感じさせるものだったよ。

米津玄師に関しては世間一般評価はよく知らないけれども、個人的には「タイアップ曲」っていうのを数段上に押し上げたな。っていうのを感じる。

タイアップ曲ってアーティスト売るために別にドラマアニメ本編に全然関係ない曲流すのが長らく主流(もちろんそうでないものもある)だったんだよね。

今でこそOPEDの曲はアニメドラマ世界観を深く掘り下げるのが普通のこと。っていう意識は広まったけれど、そういう風潮を作ったのは米津の力が大きいように思う。

米津は他者創作物に対する洞察力、理解力ものすごくて、かなり高いレベル創作物世界観に寄り添ったもの、下世話な言い方をするとオタクが喜ぶ曲を作る。

YOASOBIもタイアップやりがちアーティストで、曲の完成度もめちゃくちゃ高いけど、そういう「寄り添う力」みたいのは米津には及ばないと俺は思う。

好き嫌いや良い悪いは人それぞれあるけれど、変化をもたらしたっていう点でどちらも特筆すべきアーティストだと思うよ。

Permalink |記事への反応(0) | 15:58

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2023-08-30

anond:20230830183908

宇多田ヒカルの歌を聞いたときは、衝撃をうけたし、

そうだよ。これからはこういう歌だよって感動した。

米津玄師は、何が良いのか全く分からん(´;ω;`)ウゥゥ

まだ、サイババ信者藤井風のほうが、こういうの好きそうな人いるよねーって分かる。

自分が思うに、自分本来の歌の好みがあって、人によっては、その歌はまだ聞いたことが無いかもしれなくて、

初めて自分好みの歌と出会ったときに衝撃を受けるんじゃないかなと。

宇多田がヒットしたのも、米津がヒットしたのも、そいう歌を潜在的に好む客がたまたま大勢たからなんじゃないかと。

Permalink |記事への反応(0) | 18:45

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2023-06-07

https://anond.hatelabo.jp/20230605112331

1人でも幸せを感じられるって若い世代宇多田などのゆとり世代や、その下のz世代)に顕著な特長だからね。

氷河期世代大学進学率や塾利用率が低くて全体的な教養レベル若い世代よりも低い。

まり周囲に理解ある人がいないからトピ主はこんな記事を書いたのだろう。

Permalink |記事への反応(0) | 03:14

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2023-05-24

理想恋人男性

昔拘ってたけどいらない条件だったとか、いらないと思ってたけど意外に大事だった条件とかあったので、整理してみる。

現在理想男性)以下を全て満たす人

自分の事を好き→男性は興味ない女性にはホントにそっけない(視界に入ってない。残酷)。好きでいてくれる事は大事

自分以外の人にも優しく、平等特定属性には甘く、特定属性には厳しい人に言い寄られても萎える(人となりが気にかかり、ムラムラ出来ない)

・好きになったら顔もかっこよく見える範疇の人

 →知り合いはじめの時には好みじゃなくても、仲良くなったらかっこよく見える範疇の好みの人じゃないとムラムラしない。(体感だと全男性のうち7~8割が範疇内)

健康→大病や精神病を患ってる人を支える程、自分キャパは大きくなかった。(無理に支えようとして、自分自分の面倒をみるのもおぼつかなくなり、他の人に迷惑をかけたため)

    長年一緒に暮らす相手病気が発生した、とかなら、やり方考えつつ寄り添えると思う。

・長年付き合いのある同性の友人がいる→同性の友人関係を持続させる社会性がある人が自分が求める最低限の人となりの担保になる

・性欲があり、セックスの相性が良い(最初良くなくてもお互いに改善の歩み寄りがある)→自分ばかり誘うの悲しい。恋人の魅力を堪能したい。

金銭感覚のずれが許容範囲内→借金ばかりして車を買いまくってる後輩見たときに「私は結婚したくないし、そんな人に奢られたくないな」と思った。

独身→既婚者との恋愛は人の家庭を壊してしまう。バツはあってもいいので、とりあえず独身じゃないと困る。



(どうでもいい条件)

正社員収入就職年収って、本人の実力より時代の運の方が大事だし、頑張りたい事の為に派遣社員学生をやってる人を好きになったら応援したい。

     今の自分職業収入なら相手を支えられるし。

学歴自分環境ガチャに当たっただけの本当は知能の低い高学歴なの自覚してるから学歴関係ないと実感してる。

    好きになった・付き合った人には、高卒大卒、院卒様々居たけど、人柄や仕事ぶりを今でも一番尊敬してるのは高卒の人だった。

清潔感自分がそんなに清潔感無いので相手にも求めない風呂入らない奴を好きになったら一緒に風呂に入るようにすればいいだけ。

・頼りがい→自分運転、力仕事家事仕事を頑張る方が自己肯定感を失わずに済む。相手がやってくれたらありがとう、って思うくらい。

・奢ってくれる→余程相手が格上の高収入でない限り、割り勘の方が自己肯定感わずに済む。(外食ときで借りを作りたくない)

身長遺伝ガチャの結果というだけ、だと思うと魅力を感じない。

・年齢→15歳で達観した曲を作る宇多田や最年少プロ入りした藤井聡太さんみたいなのも居れば、

    歳を重ねる中で色んな人との出会いがあったから丸くなって素敵になった老人も居るので、

    年齢は興味が無いし、相手に年齢を聞いたこともない。ただ、年齢の問題勃起出来ない場面に遭遇した時は悲しかった。

Permalink |記事への反応(1) | 20:44

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2023-04-12

3大アニメ記憶なくしたいこと

トランクスの成長

シン・エヴァンゲリオン宇多田の歌い出し

冴羽獠と香のキス

あーあの驚きをもう一度。

Permalink |記事への反応(0) | 00:33

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2023-03-17

日本語にすると雰囲気が変わる曲とアーティスト

subtitle/Official髭男dism     → 副題/公式髭男主義

ダンスホール/Mrs.GREENAPPLE  → 踊り場/既婚赤りんご

チェリーSpitz          →さくらんぼ/犬

TSUNAMIサザンオールスターズ   →津波/南国傑物揃い

WHITE BREATHT.M.Revolution   → 白い息/貴教が革命を起こす

HONNY/L'Arc〜en〜Ciel      →はちみつ/虹

WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメントH Jungle with t → おぅおぅ今夜〜時には起こせよ運動〜 浜田小室

Automatic宇多田ヒカル      →自動宇多田

カブトムシaiko          → 兜虫/愛子

Get WildTM NETWORK     → 野生になれ/多摩通信

habit/SEKAI NO OWARI      → 癖/世界の終わり

サウダージポルノグラフィティ   →郷愁エロ本

Permalink |記事への反応(0) | 21:03

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2023-01-17

次世代演歌歌い手

今、放送されているNHKの「みんなのうたたまたま遭遇した放送第一曲、「たのしいね」が流れたとき、衝撃がきた。ニュータイプ音が鳴ったといってもいい。

私は直感的に確信したのだ。「この歌手は"歌い手"だ」と。

https://www.nhk.or.jp/minna/songs/MIN202212_03/

私は主にニコニコで隆盛した?「歌い手」というジャンルにまったく詳しくない。プロカバー曲も好きではないのにいわんや素人をや。しかゲーム実況は時々漁っているので、いわゆる歌い手のサブ活動ゲーム実況に出くわしてしまうことがある。まあすぐに切るのだが。

そういった中で私の中の、主に男性歌い手イメージが出来上がってきた。音楽にも明るくないので上手く表現できないのだが…


作ったような高音(ミックスボイス?)

巻く?甘ったるい?母音を強調するような喋り方

無理やり出すような伸ばし声(ロングトーン?)


トーク主体ゲーム実況で感じたこのような特徴。誰々の特徴ではなくあるていど画一的な、量産型、よく出会う特徴。「たのしいね」は全てを兼ね備えていた。特に「あわせてみよ~~~う」の伸ばすところが何かタメがあるのか不連続的で切り取ったような既製品をお出しされているようで非常にムズムズする。「のびのびとした魅力的な発声を聞いて聞いて~~~」と言われているような恥ずかしさがある。(しかしこの部分を何度か聞いているとこの不自然さが頭に残りクセになってくるのだ)

私は念のため正否を確かめてみた。したらばしかり、「天月」という歌い手だった。

先のURLを見るに過去の曲のカバーであり、作曲作詞は「歌い手」とは無関係だ。(編曲の人は別の歌い手らしい)

まり、再度になるが私は曲や詞の傾向を無視して歌手の声の特徴や歌い方のみで「この曲は歌い手が歌っているものだ」と看破したのだ。天月氏の声を過去一度も聞いていなくても。だ。


音楽積極的に聴かない私にとってこういった経験はマレだ。JPOPやV系ロックアイドルの曲を聴いても「ああ、あのジャンルの声だなあ」と思うことは少ない。多少わかりやすいのは声優アニソン系だろうか。歌い手サブカルチャー畑なのでもしかしたらそういう声優声に寄せているのかもしれない。しか声優キャラを演じながら歌うので特徴的になってもそこは意図的かと思う。

詳しい人に語らせればJPOPやロックEDM~FutureBassなどの歌手の特徴を述べることは簡単なのだろう。だがそうではない私にも歌い手のほかにはっきりわかるジャンルがある。そう演歌だ。

演歌演歌歌手…すごくわかりやすい…。ただのワイドショーで喋るだけでもその声の張り、コブシがひしひしと伝わってくる。

もうこんな例を出すとおっさんすぎるが、やはり「演歌じゃないけど演歌だ」と幼少ながら感じたのはポケモンだろう。

ポケモン小林幸子だ。

映画の風といっしょにも有名だしポケットファンタジー名曲だ。どちらもポケモンのための曲でありながらやはり小林幸子が歌うと小林幸子になり、それだけで演歌エッセンスを感じられるのだ。

演歌歌手演歌以外を歌っても演歌歌手だとわかる。「たのしいね」とちょうど同時期に「これ演歌歌手だ!」とわかる曲が流れていたのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=teiFPiZ74Sc

軍歌行進曲のような曲でも歌い方がモロ演歌の非常にクセになる曲だ。つい口ずさむ。


演歌は私は好きではない。若い世代でも好きな人比較的少ないだろう。ただ、恐らく若い人でも演歌演歌として認識されていると思う。30~40代ぐらいの世代の曲はどうだろう。たぶん若い人にとっては知らない曲でまとめれれるかもしれない。ラルク宇多田を挙げつつもJPOP全盛期とまとめられるだろうか。世代の中にいるせいか、そこに演歌歌い手のような一大ジャンルの(歌い方の)まとまりを感じられない。


演歌を見るに、おそらく40年後ぐらいになるとおじいちゃんおばあちゃんが「歌い手」を聞いているのではないかと思うのだ。今の演歌地位歌い手というジャンルが収まる。

一点、「歌い手」という歌手が何十年もそのジャンルのまま歌い続けるのかと考えると声の特徴や(顔を出さない)アイドル的側面からイマイチしっくりこないものの、そこは氷川きよしジェロのような若手がぽつぽつと参入して生き残るんじゃないのかなあと思う。

歌い手ジャンルが生き残る力が、(私自身は非常に嫌っているものの)その歌い方にあるのではないか。その先達として演歌があるのだから

年末年始テレビをみながら、そんなことをポツポツと考えていた。

そして私がおじいちゃんになったときに我が世代がどんな(古臭い)ジャンルを嗜好していると若者からみられるのか。そこは予想ができず、ある意味楽しみでもあるなと期待している。


うそう、「たのしいね」は子供向けの曲としてとてもすばらしいものだと思っておりますアニメーション含めいい曲ですのでぜひご視聴ください。

Permalink |記事への反応(0) | 18:50

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