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2025-10-21

anond:20251021213525

了解議論の流れを踏まえ、あなたの主張(「外国人労働者なしで“管理された縮小”は可能」)の中核仮説を、データで一点ずつ崩します。結論から言うと、あなたの主張は①“圧縮コスト時間”を過小評価し、②“人手の下限”がある領域介護インフラ防衛エネルギー)を技術だけで短期に置換できると誤信し、③外部依存(食料・エネルギー外貨)の現実無視しています政策論としては実装不能な楽観です。

1) 「密度再編すれば固定費は下がる」—圧縮の移行コスト臨界の崖を無視

あなたの主張は「都市統合生活圧縮」で“均衡”を保てると主張しますが、固定費連続的に下がらない。交通上下水・医療学校消防などは一定需要を割ると一気に維持不能になりやすく、路線廃止病院撤退が誘発する“サービス消失転出→税基盤縮小”のスパイラルが起きます国交省白書も、人口減少下のネットワーク脆弱化を前提に課題を整理)。 ([国土交通省][1])

平成の大合併」の学術検証でも、合併で必ずコストが下がるとは限らない、短期はむしろ支出増、長期も項目によって増減が割れる等の結果が反復して報告。統合節約は近似であって恒真ではない。つまり密度再編すれば固定費が下がる」は一般化の誤りです。 ([J-STAGE][2])

要点:圧縮は“魔法節約装置”ではない。むしろ効果と移行費(統廃合・補償更新人件費調整)が先に立つ。

2) 「自動化AI人手不足を埋める」—介護医療自動化余地が小さく、時間軸が合わない

厚労省の最新推計:介護職員2040年度に約272万人必要(22年度比+約57万人、年+3.2万人ペースでの純増が必要)。現実は離職超過や採用難が強まり介護は1応募に4.25求人という“超売り手市場”のケースも報じられています。不足の山は2030年代半ばに顕在します。 ([厚生労働省][3])

OECDILOレビューは、ケア領域人間接触判断倫理比重が高く、ロボティクスやAI代替限定的実装にも時間がかかると整理。生成AI事務軽減はできても対人ケアの主工程は当面人が必要です。 ([OECD][4])

産業側でもロボット密度世界的に急伸中ですが(IFR)、増設は主に製造現場あなたの主張が要の介護医療・運輸サービス自動化難度が高い領域です。“質的転換で穴埋め”は2030sのピー需要に間に合わない。 ([IFRInternational Federation of Robotics][5])

要点:2030年代までに必要なヒトのケア労働は、機械では代替しきれない。時間軸の逆転(先に自動化が完成する前提)は非現実

3) 「高齢者女性の参加で賄う」—余地は残るが“決定打”ではない

日本就業率はこの10年で女性高齢者ともに大幅に上昇。今後も改善余地はあるが、弾は既に相当使っている。OECDJILPTも、日本人手不足は“長期・構造的”と評価女性高齢者の追加動員“だけ”で需給を均すのは難しい。 ([JIL労働政策研究・研修機構][6])

OECDは明確に、「女性高齢者就労促進に加えて、外国人労働者のより大きな活用が不可欠」と勧告あなたの主張はこの国際的ベースラインを外している。 ([OECD][7])

要点:国内労働供給の上積みは必要条件だが十分条件ではない。国際機関合意見解とも齟齬

4) 「外貨知財輸出で稼げばよい」—対外依存(食料・エネルギー)の“下限規模”を過小評価

日本食料自給率カロリー基準)38%。残りを輸入に頼る構造は不変で、価格ショックに脆い。輸入代金の原資となる外貨獲得は規模が要る。“縮小+内需シフト”は、食とエネの輸入価格変動に晒されやすくする。 ([農林水産省][8])

エネルギー自給もOECD下位の水準。再エネ・原子力の拡大方針は進むが、当面はLNGなど化石燃料必要地政学次第でコスト高リスクは常在。輸入代替が進むまでの移行期は外貨の厚みが防波堤になります。 ([Reuters][9])

要点:「質で稼ぐ」こと自体は正しいが、外需の“量”が痩せる安全保障(食・エネ)に跳ね返る。縮小均衡は国際価格ショックに極端に弱い。

5) 「防衛無人化モジュール化で少人数運用」—下限の人員産業基盤は不可避

無人機AI化はトレンドだが、整備・補給サイバー・指揮統制など人員需要は不可避。装備の国産化共同開発にも裾野人材企業群が要る。人口人材の最小密度を割る縮小は、維持費の単価上昇と技術の途切れを招きがち。ここを外国人高度人材まで閉じるのは自縄自縛。〔※エネルギー安保と同様、移行期の脆弱性は高い〕(政策白書エネルギー構成記載参照)。 ([Reuters][9])

要点:“少人数で守る”には、逆説的に高密度技術人材基盤が必要。縮小で“密度”を落とすと単価が跳ね上がる。

6) 「外国人低賃金固定化改革遅延を招く」—実際の日本は選別受け入れが既に主流で、労働市場はなお人手不足

在留外国人は376万人(2024年末)。内訳は「永住」「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「留学」などに分散し、技能・専門に紐づく制度設計が中心。一律の“安価労働大量投下”という描写実態とズレる。 ([法務省][10])

有効求人倍率は直近でも1.2倍前後の張り付き。構造的な人手不足が続いており、賃上げ自動化を促す圧力は弱まっていない。むしろ企業賃上げ投資・定年延長を同時進行。受け入れ=改革を止めるという単純因果は成り立たない。 ([JIL労働政策研究・研修機構][11])

要点:現行制度は“管理された受け入れ”であり、人手不足を埋めつつ賃上げ投資は進行。あなたの主張の「受け入れは害」という前提はエビデンス薄弱。

7) 「圧縮・再編を“先に”やれば均衡できる」—順番の逆:崖は2030年代に来る

人口構造の確定性(IPSS):2050年代に1億割れ、2070年8700万人規模、65歳以上が約4割の高齢社会。現役世代急減は避けられない。圧縮自動化必要だが、需要ピーク(介護医療インフラ更新)が先に来る。 ([情報処理推進機構][12])

からこそOECDは、「女性高齢者活用に加えて移民外国人労働)」と複線を勧告。“技術圧縮だけ”に賭ける単線は、移行期リスクサービス崩壊地域消滅外貨不足)を無担保で抱える。 ([OECD][7])

総括:あなたの主張の論理穴(コンパクトに)

1.固定費連続的に下がる前提 → 実際は崖と移行費が大。([国土交通省][1])
2.自動化が先行前提 →介護医療代替限定需要の山が先。([厚生労働省][3])
3.国内労働だけで充足前提 →国際機関外国人活用も不可欠と明言。([OECD][7])
4.外貨は質で十分前提 → 食料38%自給・エネ輸入の現実は量の稼ぎを要請。([農林水産省][8])
5.防衛は省人でOK前提 →人材技術裾野の下限密度無視。([Reuters][9])
6. 受け入れは害前提 →日本は既に選別・管理型、なお人手不足は強い。([法務省][10])

建設的な対案(“数字”を伴うポートフォリオ

私の主張が示した筋に沿い、単線自動化圧縮のみ)ではなく複線でリスク分散すべきです。

介護医療2040年に+57万人の純増必要(計272万人目標)。(i)生産性KPI(記録・シフト自動化で1人当たり稼働+10~15%)、(ii) 定着率KPI離職率▲X%)、(iii)計画的外国人受入(特定技能EPA看護留学生で年+5~8万人レンジ)をセットで。 ([厚生労働省][3])
インフラ路線・病床の段階的統廃合と代替手段の所要時間費用自治体別に数値化(“崩れの連鎖回避)。移行費は地方債/JFMで平準化。 ([jfm.go.jp][13])
産業外貨知財・素材・制御SWへ重点配分しつつ、輸出額・為替前提・電力単価上限を数値で明示(エネ政策軌道リンク)。 ([Reuters][9])
労働市場女性高齢者就業KPIを置きつつ、ミスマッチ是正と選別的外国人補完を同時に(OECD勧告どおり)。 ([OECD][7])

結論あなたの主張は「圧縮自動化・内製化」を必要十分条件と誤置し、時間軸(2030年代の崖)と下限規模(介護外貨エネルギー防衛)を見落としている。

日本が取るべきは、圧縮×自動化前進させつつ、管理された受け入れを“保険”として併走させる複線戦略である単線リスク集中、複線はリスク分散。これが現実的な均衡です。 ([厚生労働省][3])

Permalink |記事への反応(0) | 23:22

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2025-08-20

anond:20250819215155

はいものの、人口が減っていく社会で・縮小が間違いなく予想される市場に向けて「よっしゃー 日本人向け冷蔵庫日本人向け自動車日本人向け住宅どんどんどんどん作ったろ!」とはならない

「作るんならやっぱ外国人向けの家電、儲かるのはやっぱ外国人向けの自動車だよな」」ってなる

そして外国工場建設外国で人を雇い外国に売って利益をまた外国設備投資にまわす

日本内需は(インバウンド外需なのはさておき)医療介護くらいしかもうないんだよ

Permalink |記事への反応(0) | 11:35

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2025-07-04

参政党の発言内容を経済合理性データから検証してみる

神谷宗幣代表は、参院選第一声で少子化問題に触れ、「子どもを産めるのは若い女しかいない」「高齢女性子どもが産めない」と発言した

SNS上では、この発言を「事実から問題ない」と擁護する声と、「差別的女性人権無視している」と批判する声が混在している


感情はおいて整理してみよう


日本合計特殊出生率(TFR)は2023年で1.26、人口維持に必要な2.1を大きく下回る

2024年の出生数は過去最低の約73万人(推定

・一方、高齢者(65歳以上)の割合2025年で約30%、2050年には38%に達する見込み


若い女性が今すぐ出産数を増やしても、労働力人口20~64歳)が回復するのは20年以上先。2025~2045年の経済は、今の20~50代の労働力生産性依存する。今すぐ経済的な持続対策必要使い捨てではない生産性の高い労働力が不可欠


労働力人口2045年までは減り続ける

日本労働力人口1997年の8700万人から2023年には6500万人まで減少し、2040年には5000万人台に落ち込む予測

これを「若い女性に産んでもらう」だけで解決できると考えるのは非現実的

必要なのは子育て支援保育園の充実、育児休業の普及)、女性キャリア継続支援移民政策検討非正規雇用派遣制度見直し生産性向上など、多角的アプローチ


参政党の提案限界

神谷氏の「若い女性が産みやす社会を」というのは、子育て支援必要性を訴えている点では一部合理的だが、女性にのみ焦点を当て、男性高齢者の役割社会構造改革を軽視している。たとえば、男性育児参加率は日本では13%(OECD平均の半分以下)。女性だけに「産む」責任押し付けるのは、問題の半分しか見ていない


少子化対策成功

スウェーデン

合計特殊出生率(TFR)は1.66(2023年)。日本(1.26)より高い

・両親合わせて480日(約16カ月)の有給育児休業父親専用の「パパクオータ」で90日を男性に割り当て、男性育児参加を促進。結果、男性の育休取得率は30%超(日本は13%)

・0~6歳の保育園がほぼ無料で、98%の子どもが利用可能待機児童はほぼゼロ日本2023年で約3000人)

女性就業率は80%超(日本は約60%)。女性キャリア子育てを両立しやす環境

女性労働参加が増え、GDP成長率は2~3%を維持。労働力人口の減少を抑え、税収も安定


フランス

合計特殊出生率TFRは1.79(2023年)。EU内で最も高い水準

子どもの数に応じた手当(例:2人目で月130ユーロ、3人目で追加260ユーロ)。低所得世帯には上乗せ支援

パートタイム勤務や在宅勤務が普及し、女性就業継続支援女性就業率は67%(日本より高い)

シングルペアレント移民家族にも手厚いサポート提供し、社会統合を促進

出生率の安定で、2050年人口減少率は日本(-30%)より緩やか(-10%)。外国人労働者も積極活用し、労働力不足を補う


ドイツ

合計特殊出生率TFRは1.58(2023年)。2000年代の1.3から改善

外国人労働者難民の受け入れを拡大(2023年外国人人口12%)。労働力不足を補い、若年層の人口を維持

・14カ月の有給育休(両親で分割)と、3歳未満の保育園枠を2013年から法的に保証。保育利用率は50%超(日本は30%)

女性理工系進出奨励し、高収入職へのアクセスを増やした。女性管理職比率は30%(日本12%)

移民女性労働参加で、労働力人口を維持。GDP成長率は1.5~2%で安定

日本外国人労働者は全労働者の3%に過ぎず、労働力不足を補うには移民政策の拡大が必要


結論

少子化対策現在20年後の労働力に直結しない

外国人労働者女性就業率向上、内需コンテンツの縮小と外需獲得など、即効性のある対策必要

参政党の論理は、経済的・社会的に非現実的

女性人生固定化する女性差別をベースにした政策は、短期的には出生率を上げても、労働力の減少・人的資本損失・教育機会損失社会的不満により長期的な経済成長には逆効果になるケースが多く、他国成功例と失敗例を参考に政策模索必要

Permalink |記事への反応(1) | 17:50

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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 野口旭『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』東洋経済新報社2006-03-09 |Weblog

 いままで曖昧陰湿批判が横行していたムラ社会であった日本経済論壇の中で、革命的ともいえる実名批判箇所を明示しての率直な議論姿勢を示した『経済学を知らないエコノミストたち』(日本評論社)や『経済論戦』(日本評論社)に続く、野口氏の00年代経済論戦の記録を生々しくとどめた最新論説集である題名の「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」というのは聞きなれない言葉である。本書によれば、「経済学は役に立たない」という世間一般の抜きがたい批判に答えることを目的にしているという。著者は、経済学は予測科学として十分に役立つが、世間で役立たないと思われているのは「歪んだ水晶玉」=間違った経済理論で預言を行う「エコノミスト」たちの活躍に原因のひとつがあるという。実際に野口氏が90年代後半から現在まで経済論壇で行ってきたことは、この「歪んだ水晶玉」で預言するエコノミスト評論家そしてメディアなどへの容赦ない批判だったといえる。

 

 本書の後半は、当「ノーガード経済論戦」を読まれている読者にはなじみ深いHotwired掲載された「野口旭 ケイザイを斬る!」をベースにした02年から04年までの当時の経済論戦の見取り図とその批判的な検証になっている。特に経済の動きは複雑でありマクロ経済学のような単純な論理では十分にとらえることができないと主張する論者の多くが、実は単純な自らの意見カムフラージュするために複雑系な話を利用していることが指摘されていることころなど改めて参考になる。

 

 前半は最近経済政策論争をベースにした最新版野口氏の経済見通しと政策への批判検証が収録されている。その要点は、1)小泉政権構造改革路線検証、2)03年から04年にかけて明瞭になった景気回復の原因、3)今日量的緩和解除論議をめぐる見通し のおおよそ3点に分けることができよう。

 

 1)の点であるが、これについては小泉政権構造改革路線が、日本経済の停滞が非効率部門存在という構造的な問題にあり、これを淘汰することで高い成長率を目指すという「清算主義」であったこと、そして構造的な要因が日本経済の停滞の原因ではなく循環的な要因である需要の不足にこそ真因を求めるべきことが明記されている。

 

 個人的な回想で申し訳ないが、小泉政権清算主義的な色彩の強かった01年当時の政策批判を行った野口氏と私の共著『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)は、私の事実上処女作の一つであり、そのときから野口氏は経済論戦を分析する上での私の教師でもあり抜きがたい目標でもあった。当時は「構造改革自体の満足のいく経済学的な定義さえも不分明であり、それを野口氏は同書でクリア説明し、もって構造改革マクロ経済政策は異なる政策目的に割り振られる政策であり、両者を適切な目的構造改革ならば構造問題マクロ経済政策景気循環問題)に割り当てるならば矛盾もしなければ競合もしないこと、さら適用する目的小泉政権のように誤まるとそれは経済社会の低迷をより深刻なものにすることを説いた。

 

 ところで本書によると小泉政権の当初の清算主義的な性格は、「国債発行枠30兆円以下」を公約にした財政再建路線に明白だったが、不況の深刻化からこの清算主義的な路線は早々に放棄されることになった。そして実態的には「循環的財政赤字」の発生を放置することで事実上受動的にではあれ)景気の落ち込みの下支えに貢献したことを指摘している。この点については、私も当ブログ裏声で語れ! 小泉構造改革」で説明したことがあるので参照されたい。

 

 また竹中平蔵経済財政担当相(当時)の金融就任とそれに伴って発足した「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」とそれが打ち出したいわゆる「竹中プラン」(金融再生プログラム)の評価は興味深い。当初、このチームにごりごりの清算主義者として名高い木村剛氏が加わったこともあって、いわゆる竹中木村ショックで日本株価は急降下した。政府不良債権の抜本的な対策銀行企業の統廃合に積極的にのりだすという懸念マーケット国民の間に広がった。しかし実際には清算主義路線放棄しつつあった小泉政権にあっては、その後のりそな銀行への公的な救済に端的に表されたように銀行を潰すようなハードランディング路線放棄された。竹中プランは骨抜きになったかみえた。しかし、本書ではマクロ経済的な清算主義放棄したものの、この竹中プラン金融庁が大手銀行を中心とした不良債権処理に不必要なほど過度の介入を行うことにお墨付きを与えてしまい、規制ハード化が資源誤配分を招来してしまたことを指摘している。この竹中プランへの評価妥当だろう。

 

 2)の点については、今日景気回復主動因についての分析である。それは簡単にいうと財務省円安介入と、それと連動した日銀当座預金残高の引き上げという量的緩和政策が重なったことが契機となっている。この事態を本書では「なし崩しのレジーム転換」という表現を使っている。これは私流に表現すれば、あくま財務省主導のデフレ対策としての円安介入であり、それを福井総裁意図せざる形でサポートした量的緩和政策のあり方を表現しているのだろう(本書では触れられていないが福井総裁は明確に財務省円安介入をサポートしたこと否定している)。野口はいわゆる中国特需表現されたり、アメリカから日本株式市場への投資が盛んになったことなど、外的要因が堅調であれば政策対応受動的でもかまわない、というスタンスである

 

 「以上から日本経済の二〇〇二~〇三年以降の契機回復様相については、ほぼ次のように整理することができる。まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内マクロ経済政策リフレ的な方向へなし崩し的に転換されていたということも、同様に重要意味を持った。それは具体的には、二〇〇三年秋から〇四年初頭まで行われた、財務省の巨額為替介入日銀金融緩和の同時遂行という形でのマクロ政策協調である。つまり、今回の日本景気回復国内マクロ経済政策の両方に支えられて、かろうじて定着したのである」(本書20頁)。

 

 すなわち浩瀚喧伝されているような、「構造改革景気回復寄与した」のではなく、先の説明どおりに循環的要因=総需要不足の改善外需好転政策対応によってもたらされたというわけである

 

 3)については、現状の景気回復不安定であり、より一層のリフレ政策重要性が強調されている。そのため06年末頃まではデフレ脱却をめざすリフレ過程(少なくとも現状の財政金融政策スタンスの維持)であるさらに第二段階は金融政策正常化のための段階であり、量的緩和の解除、インフレ目標の導入、プラス政策金利への復帰などが目指される。これはほぼ2007年半ば頃であり、財政再建はその後の第三段階となる。野口氏は現時点での量的緩和解除はリスクありすぎて日銀採用しないだろうとみている。だが、この野口氏の楽観的な見通しだけが本書を通じて外れてしまいそうである。もちろんそれは野口氏の誤りではなく、通常では考えられないほどのリスクをあえて選択した日本銀行の誤りなのである

 

 本書は他にも、リフレ派の正しい定義、「声の出るゴキブリ」とリフレ派を批判した山崎元氏のその後、木村剛日本振興銀行の「実験」へのエール(?)など微苦笑を禁じえない記述も多く、あっという間に通読できてしまう。学ぶべきことが多い本書は野口氏の論戦の記録だけでなく、迷走する日本経済論壇の記録としても重要である

 

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2025-04-08

貿易赤字で国は貧しくならないよ」という記事に対して、こういうトランプと別方向に分かってないブコメスターが付きまくるんだから終わってる。金利を上げて円高誘導すれば満足なのかね。

https://b.hatena.ne.jp/entry/4768672160059284161/comment/myogab

トランプてか、我が国小泉安倍政権も解ってなさそうだったよ。外需獲得の為に輸出産業優遇偏重するあまり人件費カット煽り内需犠牲にして、円安誘導して国富を安く買い叩きさせ続けてた訳で。

Permalink |記事への反応(0) | 07:10

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2025-03-18

関税政府効率化省(DOGE)に関する分析

以下のシナリオは、「米国が高関税を導入し、大規模な政府支出削減・効率化を短期間で断行し、4年後の飛躍を目指す」という仮説ストーリーを描いたものです。実際には政治外交社会の制約などで実行が極めて難しい部分が多々ありますが、ここではあくまで「もし遂行されたら」という観点で、米国経済世界経済米国株・日本株ドル円がどのように推移するかを想定してみます

全体の前提

1.大統領ドナルド・トランプ氏(強硬保護主義・大胆な決断が特徴)

就任早々、輸入品に高関税(25~200%)を広範囲適用

• 「アメリカ第一」をさらに先鋭化させ、貿易相手国に強硬交渉を迫る。

ツイッター演説を通じて相手国に対する威圧的挑発的な言動が増え、国際関係不安定化。

2.政府効率化の責任者イーロン・マスク氏(破壊イノベーション志向スピード優先)

• 1.5年で2兆ドル規模の歳出削減ミッションとして与えられる。

• 大胆なテクノロジー活用組織改革を進め、官僚機構デジタル化・AI活用不要部門廃止などを推進。

成功すれば大胆な経費削減+行政効率アップが期待できるが、同時に大規模なリストラ既得権益との衝突が避けられず、社会不安政治的混乱も大きい。

3.最初の2年間は「深刻な不況」も辞さず、3~4年目での大幅反転を狙う

• “ドラスティック構造改革”+“高関税”+“徹底的な政府支出削減”という三重のショックで、短期的に経済が落ち込むのを許容。

• 2年目後半以降に「段階的関税緩和」「大胆な金融緩和投資減税」などへ政策転換し、4年目には米国経済を飛躍させるという“二段ロケット戦略を想定。

1年目:政権発足と激震

米国経済

• 高関税ショック

輸入品が大幅値上がりし、インフレ圧力が急激に高まる。一方、輸出先から報復関税で輸出企業が苦境に陥る。

企業収益は減少、設備投資マインドは急速に萎縮し、リセッションが加速。

政府支出削減スタート

イーロン・マスク氏による「宇宙企業EV企業での大胆な改革手法」を官庁適用しようとするが、抵抗勢力既得権益との衝突が激化。

公共部門インフラ関連に依存する地域は、予算打ち切りによる失業増が顕在化。

• ただし、一部の先端技術活用デジタル化が早期に成果を上げれば、行政業務スピード向上・コスト削減は進む。

世界経済

貿易戦争激化懸念

中国EU日本メキシコなど主要国との関係が急速に悪化世界供給網が混乱し、投資心理が冷え込む。

世界経済全体の成長率見通しが下振れ。リスクオフ新興国通貨株式は大きく売られる。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 急落

トランプ氏の強硬発言マスク氏の大リストラ発表などによる不透明感で、株価ピーから20~30%下落する可能性。

テクノロジー株(特にNASDAQ)はイーロン・マスク氏と親和性がある面もあるが、サプライチェーン混乱の影響が大きく、短期的には急落。

日本株

リスクオフの直撃

米国依存輸出産業自動車機械電子部品など)が報復関税煽りを受け、大幅下落。

日経平均米国株に連動する形で急落し、ピーク比で20~30%下落もあり得る。

ドル円

• 乱高下の末、ややドル安に

• まずは「世界リスクオフ」でドル買い(円安)に振れる場面もあるが、米国リセッション懸念が強まれば「米金利低下→ドル売り」が台頭。

• 結局、1年目終盤には円高寄りになるシナリオが有力。

2年目:不況の深刻化と政策転換への萌芽

米国経済

リセッション深刻化

企業倒産失業率上昇が顕著に。公共部門の削減も進むため、内需が大幅に落ち込む。

インフレ需要減退が同時に起こり、スタグフレーション様相を帯びる。

マスク式“政府効率化”の進展

マスク氏はAIロボット導入、官庁の再編・統廃合など従来型の役所文化を大きく破壊し、1.5年で2兆ドルの削減をほぼ達成。

行政デジタル化のインフラがある程度整い始める一方、大量の公務員・関連業者が職を失い、社会的摩擦が激化。

政策転換の準備

トランプ氏は2年目後半から支持率低迷に直面し、選挙を見据えて「段階的な関税緩和」「大幅減税」「FRBへの利下げ圧力」を示唆し始める。

• 裏では主要貿易相手国との関税交渉模索するが、世界各国との対立は依然続く。

世界経済

ブロック化の進行

米国を除外した新たな通商圏や地域協定アジア欧州間、その他地域間)が進み、世界経済の分断が形作られる。

• ただし、米国と結びつきが強い国は、米国経済の早期回復に期待をかけつつ交渉を続ける。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 下落余地は残るが、2年目後半に底打ちの気配

• 前半は企業収益悪化が顕著で、さらなる下値模索が続く。

• ただし、トランプ政権が“関税緩和”や“減税”に言及し始め、マーケットは早期回復シナリオを織り込みにかかる。

• 2年目後半~年末あたりに株価は底打ちする可能性が高い。

日本株

米国依存からの脱却を模索

自動車電子部品など対米輸出のウェイトが高い企業不振が続くが、中国東南アジアなどへの輸出・投資シフトが進む。

米国株の底打ちが見え始めるにつれ、日本株にも買い戻しが入り、年末にかけてやや回復

ドル円

FRB緩和への期待でドル圧力

リセッション深刻化に対応してFRBが利下げ・量的緩和(QE)に動く見通しが強まりドル圧力が続く。

• ただし、財政赤字の大幅抑制政府効率化)が進んでいるので、国債市場はある程度安定しており、「過度なドル売り」にはなりにくい。

• 全体として、やや円高寄りのレンジ形成

3年目:関税税制金融政策の同時緩和スタート

米国経済

• 漸進的回復局面

トランプ氏が貿易交渉で譲歩を見せ、主要国との関税の一部撤廃・緩和を始める。報復関税も徐々に解除され、輸出産業に光が差す。

イーロン・マスク主導の行政改革で浮いた予算の一部を、**減税やインフラ投資技術投資宇宙AIエネルギー)**などに再振り向ける余地が生じる。

FRBは大規模な金融緩和実施中のため、低金利環境投資・消費を下支えし、景気が持ち直すきざし。

世界経済

米国との和解進むが、ブロック化は完全に解消せず

• 3年目に入り「米国部分的に再連携しよう」という動きが出るが、すでに他国同士の経済ブロックがある程度進んでおり、米国が以前の覇権地位をすぐに取り戻すのは難しい。

世界全体としては米国回復が牽引役となり、株式市場国際貿易回復が見え始める。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

• 本格的反発

• 2年目の底から大幅にリバウンドが続き、3年目後半には年初比で二桁台の上昇が期待できる。

特にテクノロジーEV宇宙関連など、マスク改革恩恵を受ける成長株の反発が顕著。

日本株

外需回復を織り込んで上昇

米国向け輸出のマイナス要因が解消に向かうため、自動車機械セクターなどが反発。

アジア市場との結びつき強化も進み、日本株全体としてリバウンド基調が強まる。

ドル円

• 追加緩和と回復期待が交錯

FRB量的緩和や低金利政策継続する一方、米国経済回復期待で「ドル買い」も起こるため、レンジ内での変動が想定される。

• 大幅なドル高には行きづらいが、ドルが底堅く推移してやや円安方向に振れ始める可能性。

4年目:大幅飛躍と政治クライマックス

米国経済

• “二段ロケット”の後半噴射

関税大幅緩和・税制優遇投資減税、研究開発減税、法人税減税など)・FRBの低金利政策トリプル効果で、企業収益・消費マインドが急回復

イーロン・マスク氏が推進した行政改革が一応の形となり、デジタル化や官民連携が進んだ結果、行政コストは低減。財政一定の安定を見せている。

失業率が大幅に低下し、GDP成長率も一気に3~4%台(あるいはそれ以上)に跳ね上がるシナリオも。

世界経済

米国回復世界経済を再牽引

米国需要増と技術投資が、各国の輸出・イノベーションにも波及し、世界経済の成長率が高まる

• ただし、前半2年の対立で生じた「他国主導の経済ブロック」は残存しており、以前ほど米国が圧倒的な主導権を持つ状況には戻らない。

米国株(S&P500 /NASDAQ100)

過去高値更新する可能

• 3年目の勢いをさらに加速させ、IT宇宙EVバイオテックといった成長セクターを中心に、株価は急伸。

ドットコムバブル金融バブル時並みの高騰を警戒する声も出るが、4年目後半までは勢いが続く可能性が高い。

日本株

外需拡大と円安傾向で上昇

米国景気の回復に伴う輸出拡大や、世界的な投資マネー流入日経平均TOPIX高水準へ。

特に自動車ハイテク機械など、米国市場と連動しやすセクターが牽引役になる。

ドル円

• 緩和縮小観測→ややドル

米国経済が急回復するにつれ、FRB量的緩和の縮小(テーパリング)や利上げを模索し始めるため、ドル高要因が強まる。

• 4年目後半には「100円割れ円高)」から「110~120円台へ反転(ドル高)」 といったシナリオもあり得る。

• ただし、市場がいったん過熱すると、その後の反動安(株・ドルともに)リスクも常に抱える。

まとめと評価

1.最初の2年(1年目・2年目)

トランプ氏の強硬な高関税イーロン・マスク氏の大規模な政府効率化により、米国経済リセッションさらに深刻化。

米国株はピーから20~40%程度の急落を経験し、日本株も連動して下落。ドル円は乱高下しつつ、やや円高方向へ。

2. 3年目・4年目

関税引き下げ、減税、FRB金融緩和など“反転攻勢”が本格化。大規模リストラ行政改革一時的スリム化した米国経済がV字ないしU字型回復を見せ始める。

• 4年目には株価過去高値更新し、GDP成長率も高水準に回復する可能性。ドル円も利上げ観測を伴ってややドル高に振れ、**前半の不況から一転して“好景気”**のムード

3.リスク・実行上のハードル

最初の2年で経済社会が「ボロボロ」になるほどの衝撃を受けるため、政治的・社会的な軋轢が頂点に達し、政権が安定して改革継続できるかは甚だ疑問。

世界各国との対立が長引くと、サプライチェーン貿易ルートを恒久的に失い、後から関税を下げても回復が難しくなる恐れ。

イーロン・マスク式の“破壊改革”が官僚機構適用され、すんなり2兆ドルの削減が成功する確率は低く、社会不安政治的混乱も巨大化し得る。

4. 最終評価

• 仮にこのような“超強硬→超緩和”の二段ロケット成功し、マスク氏の革新性とトランプ氏の大胆な政策がうまく噛み合えば、4年後には米国経済が“大きく飛躍”するシナリオは描ける。

しかし、現実には政治外交社会面での大きなハードルがあり、失敗すれば長期的な混乱と国際的地位低下につながるリスクも大きい。

最終的なイメージ

1. 1~2年目:米国世界株とも大暴落ドル円は乱高下後に円高圧力

2. 3年目:関税緩和&減税&金融緩和株価急反発、ドル円は底打ち

3. 4年目:改革の成果が実体経済に波及し、米国株は史上最高値更新ドル円も利上げ観測でややドル高へ。

これはあくまで「うまくいった場合」の筋書きであり、トランプ氏の強硬路線マスク氏の改革スムーズに進む保証は皆無ですが、“最初の2年間で犠牲を払い、大きく構造転換をしてから一気に回復”というシナリオを、株式為替視点から描くと上記のような推移が考えられます

Permalink |記事への反応(1) | 23:04

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2024-10-31

anond:20241031195915

いや人口が減っていくんだから積極財政外需以外ないやろ

緊縮財政内需派はマジでどういう考えを持ったらそうなるのか意味不明過ぎる

Permalink |記事への反応(1) | 20:02

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最近はてなー積極財政派vs緊縮財政派、内需派vs外需派って感じ

ボケーッとはてな見てると、選挙前後経済論争みたいなの流行ってる感じで大まかに見ると「積極財政派vs緊縮財政派」「内需派vs外需派」が対立している感じ

立憲民主党日本共産党支持者は緊縮財政内需派で、自民党国民民主党支持者は積極財政外需派っぽい?

日本維新の会れい新選組日本保守党参政党あたりの支持者は積極財政内需派のような気がする

ただ、一部の立憲民主党支持者の中に、立憲民主党経済政策をまったく信用していない人が居て、その人たちも積極財政内需言論を持ちがちのようだ

内需外需大事やろがい!と言われたらそりゃそうなんだけど、やっぱり傾向って在るんだなぁって

あなたはどんな感じ?

Permalink |記事への反応(1) | 19:59

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anond:20241030075343

かに外貨獲得政策について野党がどのように考えているのか、確認しておくべきだという指摘は的を射ている。最新のニュースでは、トヨタ2024年度上半期の世界生産台数を前年同期比7%減とし、4年ぶりに前年実績を下回った。

https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&ng=DGKKZO84468820Q4A031C2L91000&scode=7203&ba=1

これは、中国市場での電気自動車EVシフトによる販売不振や、国内での認証不正による生産停止が大きく影響している。

このように、日本輸出産業が厳しい状況に置かれている中で、野党内需に偏りすぎた政策を掲げているのは危機的だと言わざるを得ない。特にトヨタのような輸出企業不振は、日本外貨獲得能力を低下させ、社会保障費や年金の持続性をさらに危うくする可能性が高い。

さらに、ここにアメリカ大統領が再びトランプ政権となった場合リスク考慮すると、日本自動車産業は一層の困難に直面することになる。トランプ氏は以前からアメリカ・ファースト」を掲げ、自動車産業における保護主義的な政策を強めてきた。関税の引き上げや輸入規制の強化が現実となれば、日本自動車メーカー北米市場での競争力を失い、輸出量の減少は避けられない。

このような状況下で、野党内需ばかりに注力し、外貨獲得や輸出企業支援について具体的な政策を打ち出していないのは問題だ。野党は、与党自公外需の刺激や輸出企業支援法案として打ち出す際には、邪魔をせず、むしろ建設的な提案を行うべきだ。

我々国民も、内需だけでなく外需にも目を向けた政策を求め、野党に対して外貨獲得をもっと真剣に考えるよう提言していく必要がある。そうしなければ、社会保障の持続性がさら危機的な状況に陥り、最悪の場合ドイツVWのような事態になりかねない。

Permalink |記事への反応(2) | 04:53

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2024-10-30

anond:20241030164201

すげー馬鹿みたいな単純計算でも外需20%がガタガタになったら、社会保障費の20%もガタガタになって、年金20%もガタガタになって思いっ切り就職氷河期世代受給時期や金額に影響あるんでは?20%も年金完全崩壊が早まるわけだし

Permalink |記事への反応(0) | 19:07

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anond:20241030124844

外需というか中国頼みな

で今は用済みとばかりに中国離れを目指してる

Permalink |記事への反応(1) | 16:19

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anond:20241030124337

リーマン・ショックを起因とした不況を脱するのに外需活用しようとしたのはどこも一緒だよ

TPPとかFTAとかEPAとか全部それが理由もの

Permalink |記事への反応(1) | 12:48

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anond:20241030075343

外需へ併存しすぎたという見方も出来るんじゃなかろうか?

調べたらドイツGDPの約50%外需依存だったんだな

日本は約75%、韓国は約50%ドイツと同等

Permalink |記事への反応(2) | 12:43

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フォルクスワーゲンで考える社会保障の持続性

フォルクスワーゲン国内工場3個所の検討を始めた。

VW国内で大規模人員削減し3工場閉鎖へ 労組幹部表明 -ロイター

https://jp.reuters.com/business/autos/CSNYEOUHQBMNJLFKBR7UTLJQNY-2024-10-28/

はてな界隈でもこれはかなりのインパクトがあったようで、まさか一度に3箇所のドイツ国工場の閉鎖を検討しているとは誰も予想ができていなかったと言わざるを得ない。

VW辛酸は無茶な自然環境保全計画政策欧州連合圏で採択されたことによって、それら政策の法的な制限下で企業運営しなければならなくなったVWが、中国の競合する電気自動車伸長と価格競争で苦境に立たされ、一気に採算性を落とし販売台数が振るわなくなった結果、それらEUおよびドイツ政府政策責任VW経営者被雇用者が取らなければならない事態に陥ってしまった。

ドイツでのVWと似たような存在感を放つトヨタを擁する日本労働者階級として気になるのは、ドイツ社会保障費に関する持続性問題がどうなってしまうのか?ということだ。

調べてみると、当然のようにドイツ日本と似たような社会保障制度を持っている、というか日本ドイツ社会制度を大いに参考としており、老齢年金や遺族年金障害者年金などの制度があり、社会保険扶養者が社会保険料を支払っていれば被扶養者も加入判定となり、更には社会保険料の負担額も所得に応じた調整がある(ソース:ドイツ連邦年金保険組合)。

政府が誤った政策を取ると完全に明日は我が身と戦々恐々とするが、他山の石として社会保障費に関する持続性問題国内自動車産業がどのように影響するのか?を検討してみたいと思う。

物凄くシンプルな話だが、ロイター報道しているようにVWの3工場で数万人規模の解雇VW本体として起きると、そこには当然ながら自動車の大幅な減産が発生するので、自動車部品や周辺サービス供給する関連企業へ大幅な減産は波及し、これら関連企業雇用も危ぶまれ・・・というか危ぶまれると言う表現ですら日和見すぎであり、解雇は必至だ。絶対にクビ切りをやる。

機序を改めて説明するまでもないとは思うが確認のため説明すると、ドイツ国内での解雇自動車業界と、例えば工場周辺にある飲食業労働者作業着供給する服飾業、小売業広告業ゲーム娯楽産業などなど様々な業界へも影響するため、ドイツ国内での解雇は数十万人、下手すると百万人規模に膨れ上がるのは想像に難しくない。

ここから何が起こるかと言えば、税収や給料から控除されていた社会保険料や年金の大幅減少であり、即ち社会保障費に関する持続性問題加速度的に現実味を帯びてくる。しか引退後まで逃げ切れると思っていた世代にすらその現実は重くのしかかる。

これを改めて確認すると「本当にヤバい・・・」と生唾を飲む思いだ。

逆を考えてみよう。これまで豊かと見られていた超大手企業VWと関連周辺企業地域の様々な業態産業、それら従業員はなぜ豊かさを手に入れられていたのか?

それはVW外貨を獲得し続けていたからだ。企業の売上、従業員給料、収められる税金社会保険料、そして年金の原資はVWが稼ぎ出した外貨だった。

EUドイツ政府の誤った政策によりVW外貨獲得は阻害されてしまい、3工場閉鎖をVW経営者ではなく労働組合検討し始めるという自体にまで陥っているわけだ。

うつまりトヨタを擁する日本外貨獲得を阻害する誤った政策政府により実行されてしまうと給料雇用どころか、社会保障費や年金の持続性を更に危うくするような、VW危機的な現状の後追いをする可能性が非常に高い。

日本では直前の衆院選2024で、与党自公議席が大幅に減って衆院議席過半数を割り、立憲民主党国民民主党日本維新の会、その他小規模議席政党などの政策が以前よりも通しやすくなった。

これは政策立案や可決などで与党自公の横暴を防ぐ非常に良い状態だと評価しているものの、VWが苦境に立たされて社会保障費の持続性が悪化する原因である外貨獲得政策について野党がどのようについて考えているのか?というのは確認しておくべきだ。

例えば、就職氷河期世代年金などへついて「自分たち引退頃には受給年齢が引き上げられ減額される」と予測している人が大半だと思うが、ここにVWのような外貨獲得阻害の状況が付加されたらどうなるかと言えば、前述のような予測見通しすら甘い考えになる。

今の20代予測のように「自分たち世代年金貰えない」のが就職氷河期世代へも降りかかることになるのだ。

さて、前述の外貨獲得政策について野党がどのようについて考えているのか?から先ずは立憲民主党の衆院選2024の公約確認したいと考えたが、正直に言ってこれを高く評価するのは非常に困難だ。

単一ページだけを見て評価をしてしまうのは申し訳ないと考え、立憲民主党政策集2024 経済政策など立憲民主党公式Webサイトをくまなく読んだが、立憲民主党思考は完全に内需しか向いておらず、何なら企業資金調達の要であり、今や年金を原資として金融市場運用することで年金の持続性を高めている金融市場へ対して冷水を浴びせる金融所得課税強化まで検討しており、立憲民主党支持者は現在政策の他に「あまりにも内需へ向きすぎてはないか外貨獲得をどうするのか?」を立憲民主党へ問わなければならないと思われる。立憲民主党の成長ポイントだな。

続いて国民民主党の衆院選2024の公約確認すると、今一歩足りない気もするが立憲民主党よりは世界を見ており、より将来の社会保障の持続性について不安感の強い20代若者から比例票が流れたのも納得できる部分があり、表現として適切なのか検討する必要はあるものの、企業とべったりな自民党内需へ振りすぎている立憲民主党の間の子のような性質政策を取っている。

そして日本維新の会の衆院選2024の公約確認するが、日本維新の会は立憲民主党とはまた方向性の違う内需へ向きすぎな政策を取っており、特に外国人へ対して厳しい目を向けているようで立憲民主党平等を訴えがちだが日本維新の会は日本人優先、ポピュリズム政党面目躍如と言ったところか。外貨獲得に関しては立憲民主党どんぐりの背比べなのでどちらが優れているという話はない。これも日本維新の会の成長ポイント

そして、日本共産党やれい新選組日本保守党参政党なども確認したが、言うは及ばず立憲民主党日本維新の会よりも強力に内需へ注力するどころか賃上げ消費税減税を訴えつつ企業負担の大きい内部留保課税金融所得課税などをするという国内資本を食い潰すことしか考えていない経済観の有様で、どうやって社会保障の持続性を担保するのか本当に謎だ。

以上のことから野党現在与党自公過半数を取れていない衆議院自民党政策について取引する際、自民党外需の刺激や輸出企業支援法案として打ち出そうとするとき邪魔をせず、例えば自衛隊補正予算を付けるなんていうとき夫婦別姓法案の可決を飲むのであれば協力するなどの動きをしたほうが良い。

もしも、自民党外需の刺激や輸出企業支援法案として打ち出した際に、野党がそれと取引をしようとするということは我々国民社会保険医療費年金人質にしていると同義であり、最悪の場合ドイツVWのような状況となってしまうので、こういう野党の動きには国民一丸となって野党非難すべきであるし、野党外貨獲得をもうちょっと考えようよと国民提言するべきだ。という話でこのエントリを締める。

Permalink |記事への反応(14) | 07:53

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2024-10-26

可処分所得を取るか懲罰を取るかという最悪の選挙

自民党は強い経済施策を訴えていて特に外貨獲得へ何処の政党よりも積極的に動こうとしており、外貨獲得による税収増で不足しがちな医療費社会保障費の一部を賄うという方針

立憲民主党日本共産党可処分所得を上げると言いつつも、外貨の呼び込みが減る金融所得増税内部留保課税などを訴えており、人口減する社会でどう考えてもおかし経済施策を訴えてる

この傾向は各政党衆院選2024のWebページを見ればわかり、壺自民党衆院選2024のWebページは内容が詳細かつ明確で、壺自民党経済をやるんだという気概みえるけれど、立憲民主党日本共産党衆院選2024のWebページはふんわりスッカスカでまるでやる気がない

人口減する社会で税収を上げようと思えば外需で賄うべきなのは明白で、その点は壺自民党妥当であるのは間違いないのだけれど、でもココで壺自民党へお灸を据えないといけないというジレンマ

立憲民主党日本共産党が勝ちすぎると医療費社会保障費がバカみたいな負担額になってしまい、更に日本国内への投資が減るので企業の業績も振るわなくなるが、壺自民党が勝ちすぎると反省しないっていうマジでクソみたいな選挙

Permalink |記事への反応(1) | 22:21

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2024-10-24

anond:20241024190648

この増田もそうだけど可処分所得がどうのと言いつつ外需に関して考慮がすっぽ抜けてるのでまともな議論にならないのよ

Permalink |記事への反応(0) | 19:23

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anond:20241024190653

この増田もそうだけど可処分所得がどうのと言いつつ外需に関して考慮がすっぽ抜けてるのでまともな議論にならないのよ

Permalink |記事への反応(0) | 19:10

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2024-10-22

anond:20241022090206

いや積極的外需を稼ごうとするのが自民党だけだからでは?

医療費年金外需を稼げば楽になるわけだし

Permalink |記事への反応(0) | 09:10

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2024-09-08

これまでのリベラル戦争しないため経済をやるという視点が抜けてた

立憲民主党代表戦でどの候補も「現実路線」を訴え始めていて、一部の左派言論者が例えば原発の是非などを引き合いに出して経済を重視しすぎているのではないか?と今後の立憲民主党危惧を覚えているようだ

自民党が推す経済政策へ反対姿勢を取るのは政党としての差別化という観点からアリであるのは言うまでもないのだけれど、ただこれまでの日本島国なので内需が乏しいと外需に頼るしかなくなり、その外需にも期待できなくなると外国から強制的に奪うという選択肢が出てきてしまうことは明白だ

何が明白なのかハッキリと言ってしまえば、日本バカな男どもが自分家族を食わせるため愚かな侵略戦争選択する

日本バカな男どもは自分家族を食わせるため戦国時代幕末などの内戦ロシア南進危惧から日露戦争ABCD包囲網からアメリカ真珠湾爆撃などなど数多の戦争をやってしま国民性なのだ

いや俺は違う、私は違うと言う人も居るだろうが、そんなアナタたちは少数派だ。絶対日本バカな男どもが自分家族を食わせるため戦争する。日本の歴史がそれを証明している。そういう存在多数派なのはアナタたちはネトウヨなどと呼んで日頃から認識しているじゃないか

破滅的な愚かな決断をしてしま日本バカな男どもを黙らせる解決策を見つけるのは簡単だ。彼らの家族を食わせれば良いのだから

日本バカな男どもが自分家族を食わせるため戦争するというのならば、その不安感情を取り除いてあげれば良いのであり、それこそが経済対策で、これからリベラル経済対策でしっかりと日本経済を発展させて日本バカな男どもを黙らせる必要があるんだ

半官半民のものを含んだ様々な公共事業に悪い部分があるからと反対するのは良い。

例えば大阪万博IR新幹線延伸やリニア原発送電施設ハイブリッドEVFCVなどの自動車行政自民党がやる色んなことへリベラルケチを付けるのは良い

しかし、これからリベラルケチを付けたのならば代替できる経済案を建てなきゃならない。そうでなければ最終的に日本バカな男は戦争に走る

これからリベラルは「これだけ内需が、経済が回っているのに防衛費を増額する必要がどこにある!」と言えるようにならなければならない

それこそが反戦リベラルとしての矜持だろう

Permalink |記事への反応(4) | 20:33

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2024-04-03

anond:20240403210650

リニア国益とか言うけど、外需だよね

内需がない代わりに外需はあるんだから要求を飲んでくれ!

はい

とはならんw

Permalink |記事への反応(0) | 21:21

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2024-02-21

anond:20240218115032

まず「日本内需の国」自体が間違いだよ

資源のない日本では石油天然ガスウランなどの各種エネルギーは勿論、農作物肥料に至るまで海外から買わないといけない。

プラスチックビニールアスファルト石油由来だぞ?

85%を占める内需の維持には大量の外貨必要なの

から原材料を輸入し付加価値を付けて海外に売る。その利益でより多くの資源を買って各種インフラの整備や内需向けの生産に回す

これなしでは最低限のインフラすら維持できないし、当然内需向けの製品すら作れない

数字だけ見れば外需依存度は15%だけど、その15%が無くなれば残り85%も無くなるのが日本という国なの

Permalink |記事への反応(0) | 12:24

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2024-02-19

anond:20240219184347

それ言ったの俺じゃないから言った人に直接聞いてくれませんか?

まあ単純に考えて

マクロ経済学では需要≒総取引量≒Yで外需=輸出量=Eで

内需=需要-外需=Y-Eということじゃないですかね?知らんけど

Permalink |記事への反応(0) | 18:50

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anond:20240219182945

としたらには明示した条件以外は否定されるという意味があって元増田がどういう条件を考えていたかからないので、としてもを選んだのですが

というか円高外需だけじゃなくて内需にも悪影響だっていう意見は俺とお前で一致してそうだし言葉尻を論って煽る意味なくないですかね?

Permalink |記事への反応(0) | 18:35

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anond:20240219174113

https://anond.hatelabo.jp/20240218125746

元増田が言う外需Exのこと(外需依存度をEx/Yで見ていることから明らか)だから、その議論においては総需要Yを外需内需に二分した場合内需はY-Exしかありえない。もちろんこれはC+I+G-Im同値な。

Permalink |記事への反応(1) | 17:55

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anond:20240219172720

元増田が、輸出÷GDPが小さい=外需依存度の低い日本は輸出のための円安は目指さない方が内需が拡大するという話をしているのだから定義ははっきりしているよ。

Permalink |記事への反応(0) | 17:44

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