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2025-10-21

50代の早期退職能力不足が原因ではない?

日本型雇用制度構造課題と持続可能な人事戦略への転換

序論:中高年社員雇用危機とその構造的背景

日本代表する大企業において、50代の社員が直面する「無言の退職圧力」は、もはや例外的事象ではなく、構造的な問題として常態化している。長年の経験専門性を蓄積したベテラン人材を早期に手放し、その一方で育成に10年という歳月を要する未経験新卒者を採用する──この一見不合理なサイクルは、なぜ繰り返されるのか。本レポートは、この問題の背景にある経済的力学制度的欠陥を解き明かし、日本企業が直面する人事制度根本課題に対する処方箋提示することを目的とする。

この問題の核心には、見過ごすことのできない重大なパラドックス存在する。

この矛盾した人材サイクルの根本原因は、個々の企業経営判断ミスという表層的な問題ではない。それは、日本型雇用システムに深く根ざした「年功序列型」の賃金体系そのものに内在する構造的欠陥なのである。次章では、この矛盾を生み出す経済的メカニズムを詳述する。

1.早期退職優遇制度経済的合理性限界

持続的なリストラのサイクルは、経営非情さの表れというより、むしろ伝統的な日本型報酬モデルに組み込まれた、根深経済的ロジックの症状である。中高年社員早期退職を促す構造は、短期的な財務改善という抗いがたい「誘惑」を経営陣に提示する一方で、長期的な人的資本を蝕む罠となっているのだ。

問題の根源は、多くの日本企業において、中高年社員賃金水準が本人の生産性を大きく上回ってしまう「高すぎる給与」にある。具体的には、以下のような水準が常態化している。

この報酬と貢献の危険乖離は、労働経済学の「レイザー法則」によって理論的に説明できる。この法則によれば、年功序列賃金社員キャリアを二つのフェーズに分断する。

この報酬と貢献のデカプリングこそが、早期退職を促す構造の核心である壮年期以降の社員を早期に退職させることが、企業にとって「膨大な利益」をもたらす財務ロジックがここに成立する。

1.退職金のコスト:早期退職優遇制度では、退職金に「30ヶ月分」程度の給与が上乗せされるのが一般的である

2.雇用継続コスト: 一方で、高給与の50代社員を1年間雇用し続けるための総コストは、基本給(12ヶ月)に加え、賞与、高額な社会保険料、その他経費を含めると、給与の「24~25ヶ月分」に相当する。

3.結論: つまり、30ヶ月分の退職金は、実質的わずか「1年3ヶ月分」程度の雇用コストしかない。この計算に基づけば、50歳で社員退職させることで、定年となる65歳までの残り15年分の莫大な人件費を削減できることになる。この財務インパクトが、経営陣にとって短期的なバランスシート改善を優先し、経験豊富人材の維持という長期的な視点犠牲にする、強力かつ危険な誘惑となっているのだ。

しかし、この短期的な経済合理性は、深刻な副作用を伴う。かつて大規模なリストラを行ったパナソニックが、15年の時を経て再び同様のリストラを繰り返している事実は、このモデルが持続不可能であることを象徴している。この負のサイクルを断ち切るためには、問題の根源である日本給与構造のものにメスを入れる必要がある。

2.日本給与構造実態平均値の罠と年功カーブ

日本賃金に関する議論は、「日本の平均給与は低い」という、統計がもたらす「罠」にしばしば陥りがちである。本章では、この誤解を解き明かし、急峻な年功カーブが一部の大企業特有問題ではなく、日本の中堅・大企業共通する構造課題であることを論証する。

世間一般で語られる「低い平均給与」の根拠とされる統計データは、意図せずして実態を著しく歪めている。これらの数値は、人事戦略を構築する上で根本的に誤解を招くものであり、一種の「インチキ」と言わざるを得ない。

これらの統計からパートタイマー等の影響を除外し、フルタイム働く男性の賃金カーブに焦点を当てると、全く異なる実態が浮かび上がる。学歴高卒・中卒含む)や地域を問わない全国の平均値ですら、50代の平均年収は700万円に達する。これを大卒正社員限定すれば、さら100万円程度上乗せされるのが実情だ。これは、日本賃金体系が年齢と共に急勾配で上昇する、典型的年功序列であることを明確に示している。

では、この構造問題はどの規模の企業に当てはまるのか。我々の分析は、明確な境界線を明らかにしている。

この分析が示すのは、この問題が一部の巨大企業限定されたものではなく、日本企業アーキテクチャに組み込まれシステム上の欠陥であるという事実だ。したがって、この課題解決策を模索する上で、グローバルな標準との比較はもはや単に有益であるだけでなく、不可欠なプロセスなのである

3.海外賃金体系との比較フラット化された給与モデル

日本型雇用システム構造課題を克服するためには、国内常識に囚われず、海外先進的な雇用モデル比較分析することが極めて重要であるフランスアメリカの事例は、日本年功序列型とは全く異なる賃金思想を示しており、我々が目指すべき改革方向性を明確に示唆している。

フランス賃金体系は、エリート層と一般層でキャリアパスと給与モデルが明確に分離された「複線型」を特徴とする。

アメリカ賃金体系も、大多数の労働者においては同様の傾向を示す。中央値位置する労働者場合賃金の伸びは30歳から40歳までの期間に集中し、40歳以降の給与はほぼ横ばい(フラット)となる。給与青天井で上がり続けるのは、ごく一部のトップエリート層に限定されるのだ。

フランスアメリカ、二つの先進国の事例から導き出される示唆は、極めて明確である。それは、「一部のエリート層を除き、大多数の労働者賃金カーブ若いうちに頭打ちとなり、その後はフラットに推移する」という共通原則だ。このモデルは、年齢給による人件費の高騰を防ぎ、長期的な雇用安定を可能にする基盤となっている。このグローバルスタンダードを参考に、次章では日本が目指すべき具体的な人事制度改革案を提言する。

4.提言:持続可能な人事制度への移行プラン

これまでの分析で明らかになった構造課題解決するためには、小手先対策では不十分である。我々が取るべき唯一の持続可能な道は、戦略的な転換、すなわち「年功序列賃金から、成果と役割に応じたフラット賃金体系への移行」である。本レポート提示する核心的な提言は、この移行を断行することに尽きる。その具体的なモデルケースとして、「年収700万円での頭打ち」を一つのベンチマークとすることを提案する。

この新しい賃金モデルは、単なるコスト削減策ではなく、企業競争力従業員エンゲージメントを同時に向上させる、多面的メリットをもたらす。

この改革は、単なる賃金制度の変更に留まらない。それは日本人の働き方、キャリア観、そして社会全体のあり方を変革し、持続可能タレントパイプラインを構築する大きなポテンシャルを秘めている。

結論:真の「雇用安定」の再定義に向けて

レポートを通じて明らかになったように、日本の中高年雇用問題根本原因は、個々の社員能力や意欲の欠如では断じてない。その本質は、経済成長期を前提に設計され、現代環境には全く適合しなくなった年功序列型の賃金システムのものにある。

この本質的な課題を前に、我々は議論の焦点を大きく転換させねばならない。「定年後の再雇用」や「中高年のリスキリング」といった対症療法的な議論から、「そもそも定年を意識することなく、誰もが安心して長く働き続けられる雇用賃金体系をいかにして構築するか」という、より本質的な議論へとシフトしなければ、この問題解決することはない。

真の「雇用安定」とは、単に一つの企業に長く在籍できることではない。それは、年齢に関わらず、社員一人ひとりが自らの能力経験を最大限に発揮し、その貢献に対して公正な処遇を受けながら、社会の一員として長く活躍し続けられるシステムである。この新しい定義に基づき、持続可能で、かつ働くすべての人々にとって公平な人事制度を構築することこそ、現代日本企業に課せられた最も重要戦略的責務である

Permalink |記事への反応(3) | 12:28

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2025-10-20

【緊急提言B型作業所障害者が健常者の労働市場破壊し始めている。

B型作業所を利用した労働力ダンピングが、健常者の労働環境も壊していく危険性について。

いま、全国で静かに広がっている「B型作業所による労働力ダンピング」。

本来福祉の場であるはずのB型が、飲食店の皿洗い、ホテル清掃、ポスティングといった市場労働代替手段として使われ始めています

この流れを放置すれば、最終的に痛むのは障害者だけでなく、地域普通に働く健常者の賃金雇用のものです。

広島での試算 ― すでに「年16億円規模」の影響

広島市内のB型作業所は約178拠点

もし1事業所あたり10人が、月40時間ほど外部の定常業務(皿洗い・清掃など)を請け負い、時給500円で動いているとすると、

その延べ労働時間は71,200時間/月に達します。

地域最低賃金(1,085円)との差は585円/時。

単純計算だけでも、

● 月約4,165万円/年約5億円の賃金原資が市場から流出

さら経済学的にみると、このような「低賃金労働供給ショック」は地域全体の賃金水準にも波及します。

労働経済の標準モデル弾力係数β=−0.6)を適用すると、

● 平均賃金の下落率は約0.8〜1.5%

地域全体ではさらに年1011億円規模の賃金圧縮効果

まり合計すれば、広島だけで年間およそ16億円前後賃金が失われている計算です。

福祉の名を借りた安価下請け構造」が、結果的地域賃上げ努力を踏みにじっているのです。

問題本質 ― 「雇用契約ではない」という抜け道

B型作業所で働く人たちは、法律上は「雇用契約」ではなく「福祉サービス利用者」です。

そのため最低賃金法の適用を受けず、時給200〜500円でも違法ではありません。

しかし、現実には企業自治体発注を受け、実質的雇用と同じ作業をこなしているケースも少なくありません。

この「名ばかり福祉労働」が、地域労働市場を二重構造化させています

放置すれば“地域賃金デフレ”が進む

定常業務外注B型流れる

B型最低賃金を下回る単価で受託

企業は「安く発注できる」ことで価格競争が激化

結果、健常者パートアルバイト賃金も上がらない

この構造を変えなければ、「福祉」と「雇用」の双方が共倒れになります

本来は「支援」だったはずの仕組みが、社会全体の賃下げ装置に転化しているのです。

■ いま求められる政策対応

発注ガイドライン明確化

 定常業務B型に回すことを制限し、監査対象にする。

市場相当の対価設定

 「福祉価格」ではなく、発注元に最低賃金水準での支払いを義務づける。

③ 成果指標の導入

 B型が「移行支援」や「スキルアップ」に機能しているか定量評価する。

地域ごとの監視体制

 清掃・宿泊外食など、B型ダンピングが集中している業種を重点的に調査

結論 ―「安い労働」ではなく、「豊かに生きる福祉」へ

B型作業所本来就労の機会を守るための制度です。

しかし、今のままでは障害者の“安価労働”を利用する仕組みになってしまう。

そしてそれは、健常者の労働環境をも巻き込み、地域全体の賃金尊厳を奪う方向に進んでいます

福祉は誰かを犠牲にして成り立つものではありません。

支援」と「雇用」を分断せず、公正な対価と自立を両立させる仕組みづくりが、いま最も求められています

とChatGPTにまとめさせてみたんだが、全国48万人の利用者手帳なくても利用できるよ)のうち半分がもし

高い工賃を求めて地元企業から清掃やポスティングや皿洗いなどの仕事を時給500円で奪っていったら健常者の労働市場はどうなる?

ぶっ壊れるよ。現段階でももヤバい企業B型作業所を利用して人件費を削減できることに気づき始めたらこの傾向はもっと強まっていくと予想される。

その時、健常者は作業所仕事を奪われ賃金も上がらない最悪な場面を迎えることとなる。

今、みんなで気づかなきゃ。声をあげなきゃ大変なことになるよ。

Permalink |記事への反応(0) | 12:17

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2025-10-17

ドルエイジ・サラリーマン職業能力衰退現象に関する学術考察

日本型雇用システムにおける構造矛盾個人的危機の複合分析

序論

「45歳を過ぎて本当に全然仕事ができなくなった。本当の本当に何も出来ん。MTGの前日とかに間に合わせの資料必死に作ってそれでなんとか誤魔化してるだけ。あとはぼーっとしてるか頭かきむしってるだけで殆ど何もしてない。10年前の百分の1くらいのパフォーマンスしか出ない。客先がいい人で今のところ叱られてもいないけど多分その内見捨てられる。どうすりゃいいんだ」

anond:20251017145418

この実体験的証言は、現代日本のミドルエイ労働者が直面する深刻な職業能力衰退現象如実に表している。本稿では、この現象を単純な個人的問題として捉えるのではなく、日本型雇用システム構造特性組織社会学的要因、認知心理学メカニズム、および労働経済学的背景を統合的に分析し、その本質的メカニズムを明らかにする。

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1.理論フレームワーク:ミドルエイジ・クライシスの多層構造

1.1日本型雇用システム制度的制約

労働政策研究・研修機構2010)は、中年期が「仕事の負荷の増大や能力の停滞と限界感等が生じる時期」であり、これらへの対応を誤ると「諦めや思考停止」、「会社への過度の依存」を生じかねないことを指摘している。この現象は、清家(2011)が論じる日本的雇用慣行相互補完性—(1)年功賃金、(2)終身雇用、(3)企業別労働組合—が現代経済環境変化に適応できない構造矛盾として現れている。

特に重要なのは年功序列終身雇用相互補完性である。Milgrom and Roberts(1992)の内部労働市場理論が示すように、複数雇用慣行間の相互補完性は制度の安定性をもたらすが、同時に変化への抵抗力も生み出す。これにより、45歳前後労働者既存スキルセットでの成功体験依存し続ける一方で、急速な技術変化や職務要求の変化に適応できない状況に陥る。​

1.2 「42.5歳の壁」現象実証根拠

パーソル総合研究所2017)の大規模調査(n=2,300)は、「42.5歳」で出世意欲が「出世したい」から出世したいと思わない」に逆転し、「45.5歳」でキャリアの終わりを意識する転換点を迎えることを実証的に明らかにしている。さら同調査では、50-51歳でジョブパフォーマンスが最も落ち込み、50代前半で会社満足度が最低値を示すことが確認されている。​

この現象は、Lehman(1953)が技術者を対象とした古典的研究発見した「30歳代前半で業績がピークに達し、その後は低下していく」パターン現代版として理解できる。ただし、同一年齢内での業績評価分散が大きいことから、年齢自体自動的能力低下を引き起こすのではなく、職務関連要因(仕事の割当の複雑性と挑戦性)が業績と密接に関係していることが明らかになっている​

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2.パフォーマンス低下の多次元的要因分析

2.1認知機能組織適応の複合的衰退

パーソル総合研究所2022)は、ミドルシニア層のパフォーマンス低下について5つのギャップ特定している:​

1.意欲のギャップ役職定年などで肩書を失って意欲が落ちる

2.期待のギャップ:期待される業務理想とする業務に差がある

3.成果のギャップ:出している成果と求められる成果に差がある

4.時代ギャップ:今の時代適応できずにいる

5.評価ギャップ自己評価会社から評価に差がある

これらのギャップ相互に影響し合い、学習性無力感(Learned Helplessness)(Seligman, 1972)の状態を引き起こす。特に重要なのは、「働く意欲がない」状態ではなく「働けない状態」に陥っているという点である。​

2.2スキル陳腐化のメカニズム

橋本・玄田(2023)の分析によれば、50-59歳層では職業スキルケア科学技術分析)すべてについて負の方向に移転しており、60歳以降では前職より平均2-4ポイント低いスキル水準での就業余儀なくされている。これは単なる転職時の条件悪化ではなく、蓄積されたスキル市場価値の急速な減衰を示している。​

特に定年や家族理由健康上の理由を含む非自発的離職において、スキル水準の低下が顕著に現れることが統計的確認されている。これは、冒頭の証言にある「10年前の百分の1くらいのパフォーマンス」という主観的体験と一致している。​

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3.組織内地位変化と心理的影響

3.1役割曖昧性とアイデンティティ危機

労働政策研究・研修機構2022)の分析では、ミドルエイジ層(35-54歳)の転職において、これまでの経験が活かせない業務や、新しいスキルが求められる環境への適応困難が主要な問題として浮上している。この適応困難は、単純なスキル不足ではなく、職業アイデンティティの再構築を伴う複雑な心理的プロセスである。​

3.2世代間格差の拡大

パーソル総合研究所2023)の調査では、ミドルシニア就業者の70.1%が「何歳になっても学び続ける必要がある時代だ」と認識している一方で、実際に学び直しを行っているのは14.4%に留まっている。この認識と実行の乖離は、金銭的・時間的余裕のなさ」(30%超)「学ぶ対象や学ぶ方法のわからなさ」(約20%)に起因している。​

興味深いことに、学び直し層の年収は平均642万円(50-54歳)と高く、「高年収職業についているため学んでいる」「過去の学び直しが年収を高めた」という双方向因果関係存在示唆されている。​

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4.制度的・構造的要因の学術分析

4.1内部労働市場理論限界

梅崎・藤本2021)は、日本的雇用システムが「継続的に長く務められる日本人男性だけにとって優位な制度」であったが、「女性外国人のような本来従業員として期待される人材を逃してきた」と分析している。この分析は、同システム特定人口動態的特性を前提として設計されており、その前提が変化した際の適応力の欠如を示している。

4.2労働市場の二重構造

厚生労働省2013)の分析では、日本的雇用システム課題として正規雇用非正規雇用二極化が指摘されている。45歳以降の労働者は、従来の正規雇用の枠組みでは価値を認められにくい一方で、非正規雇用への移行は大幅な処遇低下を伴うため、中間的な働き方の選択肢限定されている。

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5.実証データに基づく現象定量

5.1パフォーマンス低下の統計的証拠

パーソル総合研究所2017)の詳細な分析では、50-51歳でジョブパフォーマンスが最も落ち込むことが5つの指標(「任された役割果たしている」「担当業務責任果たしている」「仕事パフォーマンスを発揮している」「会社から求められる仕事の成果を出している」「仕事評価に直接影響する活動には関与している」)で一貫して確認されている。​

5.2学習効果年収への影響

研究所(2023)の推定では、学び直しを行わないミドルシニア正社員比較して、学び直し実施者の個人年収は平均+12万円、3年以上の継続的学び直しでは+30万円の差が生じている。この結果は、継続的能力開発の経済効果定量的に示している。

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6.組織的・社会的対応策の理論的基盤

6.1 人的資本理論の応用

Becker(1964)の人的資本理論に基づけば、45歳以降の労働者価値低下は、企業特殊技能(firm-specific skills)への過度の依存一般技能(general skills)の相対的軽視の結果として理解できる。パーソル総合研究所2024)の分析では、転機における学習度合い(「転機学習度合い」)が学歴関係なく、個人年収や職位と正の相関を示すことが確認されている。

6.2組織学習理論適用

Argyris and Schön(1978)のダブルループ学習理論観点から、ミドルシニア層の活性化には既存の行動パターン価値観の根本的な見直し必要である。パーソル総合研究所2022)が指摘するように、「管理職気合根性指導しろ」とは言えず、心理学などのロジック考慮したコミュニケーション必要である。​

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7.社会経済インプリケーション

7.1人口動態変化との相互作用

内閣府2023)の推計によれば、2025年には65歳以上人口が総人口の30%を超える超高齢社会が到来する。この状況下で、40-60代の生産性低下は国家レベル競争力低下に直結する。OECD2023)の報告書でも、中高年労働者パフォーマンス維持が先進国共通課題として位置づけられている。

7.2労働政策への示唆

労働政策研究・研修機構2022)は、ミドルエイジ層の能力開発について、「アップスキリング」(現在仕事関連)と「リスキリング」(転職キャリアチェンジ関連)の体系的な区別重要性を指摘している。前者が71.1%後者が47.0%という実施率の差は、既存職務への適応偏重した能力開発の現状を示している。jil+1

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結論:複合的危機への統合対応フレームワーク

本稿の分析により、45歳前後サラリーマン経験する能力低下現象は、以下の多層的要因の相互作用として理解されるべきことが明らかになった:

6.制度的要因日本型雇用システム構造矛盾

7.認知的要因スキル陳腐化と学習性無力感

8.組織的要因役割曖昧性とアイデンティティ危機

9.社会的要因世代間格差技術変化への適応困難

10.経済的要因:人的資本価値減衰と労働市場の二重構造

冒頭の証言にある「間に合わせの資料で誤魔化している」「10年前の百分の1くらいのパフォーマンス」という状況は、個人怠惰能力不足ではなく、システム全体の機能不全の症状として位置づけられる。

効果的な対策には、Senge(1990)の学習する組織理論に基づく組織変革、人的資本理論に基づく継続的能力開発システム、そして社会保障制度を含む包括的制度設計の同時実施必要である特に重要なのは個人自己責任論を超えた社会システム全体の再設計である

将来の研究課題として、AIデジタル技術の急速な発展がミドルエイ労働者に与える影響の定量分析、および効果的な介入プログラム実証評価が挙げられる。

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参考文献

  • Becker, G. S. (1964). _Human Capital: A Theoretical and Empirical Analysis_.Chicago: University ofChicago Press.

  • Milgrom, P., & Roberts, J. (1992). _Economics,Organization andManagement_. Englewood Cliffs, NJ: Prentice Hall.

  • Seligman, M. E. P. (1972). Learned helplessness: Annualreview of medicine. _AnnualReview of Medicine_,23, 407-412.

Permalink |記事への反応(4) | 16:15

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2025-09-17

労働経済は買い手市場賃金格差拡大ということは、金融経済以外は景気悪いってことよな

金融経済から見れば株式やってないヤツはバカからどうでもいいってことだな

だけど家系太くもないし迫害されてるのに株式やってるヤツは大バカだな

Permalink |記事への反応(0) | 11:31

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労働経済は買い手市場賃金格差拡大ということは、株式市場以外は景気悪いってことよな

労働経済の景気を悪くして儲ける金融経済流行って失われた30年

Permalink |記事への反応(0) | 10:18

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2025-07-13

anond:20250712081132

しろ政府工場が「コストカットしたいか少子化にしよう、できるだけ機械化して移民を入れよう」「労働者ストライキされると困るから国内はいつも不景気にしとこう」ってなってる

奴隷制度が巧妙になって

労働経済はなかなか発展しないんだなあ

Permalink |記事への反応(0) | 21:54

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2025-07-06

選挙資金がなきゃ立候補権もねえからなw おめえらに恵んでやるよザマア)

労働経済が失敗していて民主主義ができないだから

公約バラマキではなく消費税減税でなければならない

Permalink |記事への反応(1) | 21:26

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2024-10-27

就職氷河期世代矮小化した本を出したという事で話題になっている近藤絢子さんの経歴を調べてみた。


2016年の時点で37歳って事は今は45歳かな。

東大経済学部卒らしいから、東大に入れないような一般氷河期女性が如何に不遇な目に遭ったか理解出来ていないんだろうな。

こんどう・あやこ 東大経済卒。コロンビア博士平成21年大阪講師法政准教授横浜国大准教授を経て、28年から現職。専門は労働経済学。37歳。東京都生まれ

https://www.sankei.com/article/20161024-GKZQQBP4GBPZ7APFL6EDJ7FN3E/



高校筑波付属かな?一応、今は結婚名字が変わっていて、これは別人の可能性もあるが。絢子という名前の人は他にも二名いる。

https://www.t-shinpo.com/707/97zenki.html


教授の勧めで院進、コロンビア大学留学からそもそも日本就活してないんだろうね。同世代女性就活で如何に落とされ続けたかセクハラパワハラで心身を病んだのか、全然知らないんだろう。


https://www.excite.co.jp/news/article/Minnanokaigo_news_special_ayakokondo/

3年生のとき、その思いをゼミ先生に話したのです。すると「君、そういうことをやるんだったら修士号ぐらいないと相手にしてもらえないよ」と言われて。もちろん、それは嘘なんです(笑)

当時であれば、修士号をとらないで就職した方が、国家公務員総合職の道は開けたと思いますしかし、先生は私を大学院に行かせようと思ったみたいで…。

私もその気になって進学しました。そして実際に行ってみたら、大学院勉強がとても面白かった!博士課程に進みたくなりました。その後、コロンビア大学に留学して学び、今に至るという感じです。

Permalink |記事への反応(4) | 13:26

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2024-08-20

anond:20240820113521

長時間労働の話については山本勳・黒田祥子の本あるいは諸ペーパーくらいの知識は持っていて欲しいところだよな。あの本の後、2010年代中頃以降は男性正規というそれまで労働時間が減らなかった層でも長時間労働が減るようにはなったが、まだ他国比較すると長い状況だしな。

なお成田氏の経済学者としての業績は同年代±10歳の日本人の中ではまあほトップと言っていいくらのものトップtier誌に複数本の論文を載せている日本人なんて殆どいないからね。ただ、それはそれだけ専門性が高い、特化しているということであって、同じ経済の話であっても日本労働経済なんかは完全な畑違い。源氏物語ガチ研究者に、昔の小説から一緒でしょと言って近代私小説の話を聞きに行っているようなものであって、そりゃ何も知らない一般人よりは分析が上手くできるだろうけどセミプロレベルの域は出ないよ。

Permalink |記事への反応(0) | 12:21

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2024-02-27

anond:20240227135026

みんな労働経済学を学べばいいのにね。

Permalink |記事への反応(0) | 13:51

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anond:20240227112321

最低時給が上がる

経営者人件費抑制のために雇用人数を減らす

一人あたりに求められる仕事の質と量が上がる

仕事が出来ない人はクビになりやすくなる)

ってことじゃないの?

労働経済学の学者がそんなことを言ってた

Permalink |記事への反応(1) | 11:26

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2024-02-14

anond:20240214184126

知識豊富(何の知識?)でネットリテラシーが高いとなんで田舎の小売のパートが合わなくなるのか分からないので本気で教えてほしい。

自分は一時期田舎に住んでコンビニバイトしてたことあるけど、国立大学に通う大学生とか理系大学院生とか普通に働いてたので…。

奥さん労働経済学でいう「低スキル労働者」に該当するので、何らかの専門性業務独占資格を取るとか)を身につけたほうがいいんじゃないかな。

資格がなくても働ける分野だと医療事務とか歯科助手とかはダメなのかしら。

Permalink |記事への反応(0) | 18:51

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2023-10-13

anond:20231011214836

社会学者ではなく経済学者であり、専門分野もジェンダー論ではなく労働経済学(男女の賃金についても労働経済学者としての関心)だからいびつ蛸壺化しているジェンダー社会学者やその影響を受ける市井フェミとは意見がまったくの別物になるのはある意味で当然のこと。

Permalink |記事への反応(2) | 16:47

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2022-05-14

anond:20220514015008

女も結婚メリットないんだよな

結婚という私人(夫)による分配前提の不当な経済制裁をされて半強要されてるのに自動的時間労働経済搾取。果てにキャリアを奪われる。

婚活必死に頑張って身だしなみに大金時間手間暇をかけても、男のうち半分が変な男性女性差別主義モラハラDV予備軍。9割がセックスを性暴力のことだと思ってるので夜はほぼ虐待。会話がまともにできただけで良い旦那さん、御の字だとアドバイスされる。マッチングアプリ女性名登録すればわかる。メリットがない

Permalink |記事への反応(1) | 01:56

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2021-01-31

anond:20210130145642

 「女性は元々出世意欲が低い」( ★ )

 《追記

 ★ のことが間違っていることは、現実データを見ればわかる。次のようになっている。

  ・一般組織では、女性管理職が少ない。

  ・女性差別解消の方針を取る組織では、女性管理職が多い。

 

 後者の具体的な例は、政府官庁)、日産自動車資生堂などが挙げられる。これらの組織では、女性差別解消という方針があり、実際に女性管理職が多い。

 仮に ★ のことが正しいとしたら、これらの組織でも、女性は自ら管理職になりたがらないので、女性管理職比率は少ないはずだ。しかし、そうなってはいない。現実矛盾。ゆえに、背理法により、★ のことは正しくない。

この話は公表データがあるにも関わらず、これまでプロ労働経済学者も導き出すことが出来ていない重要な指摘だ。

すぐ過去ログに埋もれてしま増田で書いて終わらせるにはあまりももったいない。

ジェンダー論系の論文誌に投稿してみてはどうだろうか?

Permalink |記事への反応(2) | 02:32

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2019-08-17

anond:20190817141355

家庭内生産の話だろうか

労働経済方面であると思うよ

Permalink |記事への反応(0) | 14:26

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2018-11-03

anond:20181103001549

エビデンスベースドで女性賃金問題を論じる労働経済学系研究者みたいな強者

この人がオタクオタクの好むコンテンツボッコボコに叩いてるのにオタクがセレクティブに避けてるってんならお説の通りだとは思うけど

特に戦う理由のない相手に絡みにいかないだけだったりしない?

Permalink |記事への反応(0) | 01:49

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anond:20181103000332

敵の中で一番弱いやつをセレクティブに突くっていうのが運動の基本戦略なんよ。

フェミと戦うオタク勢もエビデンスベースドで女性賃金問題を論じる労働経済学系研究者みたいな強者には絡まず、発狂して思春期時代イタリア留学時代トラウマを壊れたマシーンのように垂れ流す、こころの弱い人を集中的に攻撃する。

逆にフェミは男を敵と見なしても、東大卒家父長主義イキリイケメンみたいな強敵には比較及び腰

一生異性経験のない容姿の劣った中年男性や性サービス利用自閉症者みたいな層を、突く。

突く。

アメリカで、黒人ヤンキー集団白人知的障害者暴行を加えて逮捕されてたけど、多かれ少なかれ、そういう傾向になるんよ。

Permalink |記事への反応(3) | 00:15

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2018-06-22

anond:20180622035515

平和賞絶対いるでしょう。トランプとか笹川良一みたいな功成り名を遂げた人を善行に向かわせるための素晴らしいニンジンだと思う。あのアメリカ第一主義で他を何も気にしないトランプ朝鮮半島平和に気を配ったのは、ノーベル平和賞に欲があった、というのもあると思うよ。科学賞は代わりがたくさんあるし、ノーベル賞のなかで一番かけがえのないものだとおもう。

経済学はサブ分野(環境経済学労働経済学、国際貿易景気循環、成長論、産業組織論計量経済学、その他)がたくさんあるから、順番に回すとそれぞれ時代を画した人、みたいにならなくもない。二年に一回でもいいような気はする。

Permalink |記事への反応(0) | 04:24

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2015-06-21

http://anond.hatelabo.jp/20150620233519

努力」の詳細な意味によるが、普通意味では努力すれば難関大学に入れるってのは間違いだろうな。

努力しないよりはしたほうが望みの結果は得やすいくらいだろう。

ある程度の学力

(たとえば高校教科書の内容のすべてにわたった択一式の問題で7割は外部記憶に頼らずかつ運に頼らずに正答できる)

と難関大合格の落差は大きいだろう。

まあ「努力」しても難関大学入れないようなのはいらんってことだろうが。

努力とか物事に打ち込むことの例が

受験とかスポーツとか競争相手よりも優位に立つためのものが中心になってることが気になるんだよな。

ライバル会社との競争に貢献する心理的傾向を把握するって意味はいいんだろうが、

別に努力ってのはソシャゲランキングで上位を取ることだけじゃなくて、

一人でRPGレベル上げとかすることも含むだろうとか思ってしまうな。

労働経済学だか教育経済学だかでやったときには努力とかには言及せずに、

学歴基準に選ぶと結果として有益な人物を採用やすいくらいだったな。

努力うんぬん言うと機会の平等実質的にどうなっているかとか難しい話になってしまう。

あと「努力」で「ある程度」まで到達できる能力ってのが

実際にはほとんどか少なくとも多くの人にはあるのかとかな。

Permalink |記事への反応(0) | 11:04

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2015-06-17

ミクロマクロ経済学を扱った基本的な2単位講義があったが、

ミクロの内容は、産業組織論経営経済学の両方の前半とほとんどかぶってたんだよな。

単位とるのは楽だったけど。

なんか一つ削ってマクロだけの2単位講義があったほうがいいんではないかとか思ってた。

あー労働経済学もちょっとぶってたな。

Permalink |記事への反応(0) | 13:00

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2015-05-01

http://anond.hatelabo.jp/20150501145627

徹頭徹尾ファイナンシャルの話だよ。

少なくとも「他人のガキの面倒を無償~割に合わない激安で見てくれる都合が良い人間」などと言うのは存在しない

からそれを労働経済人月経済の少し外側で作る仕組みがねーともう無理だっつってんの。

シャドーワークをシャドーのままにしとくか、少しでも対価が発生するとそれは労働になってしまうのか、あるいは。っつー話だ。

ジジババ親戚は物理的に無理、地域お互い様なんてもっと無理。外国人労働力をいれる? 何年後だ。

ちなみにおれはこの仮定の中で言うと主夫になりたい派。

決めつけはMan in theMirrorだね。

Permalink |記事への反応(1) | 16:13

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2014-12-08

今日、どうしても会社が辛くて休んだ。

会社勤めを始めて4年目の冬、今日どうしても辛くなり、今まで初めて会社病欠した。

連休と連結したりとかで有給は使ったことがあるが、今日みたいに病欠するのは初めてだった。

朝起きた時、体は元気だった。

だが、体全体が労働拒否していた。

ふと、自分が休んでもいい状況か、何かこうなった原因があるのかが気になり、Evernoteメモしているタスクリストを眺めてみた。タスク的には休んでも影響が無かった。やることでイライラすることが多く、並んでいるタスクは数は多いが、1つ1つのタスク難易度自体は重くはなかった。

簡単に言うと「すこし頑張ればこなせるもの」だった。

これまでも、鼻風邪をひいたり頭痛とか腹痛で遅刻したことはあったものの、会社には行っていた。それで効率は多少落ちるものの、仕事問題なくこなしていた。

だが、なぜだかわからないが、今日は体全体が

「辛い」「会社行きたくない」「毎日苦痛だ」「辛い」「休みたい」「プログラマ特有面白いと思ってやってるクソみたいなジョークとか聞きたくもない」「行きたくない」「何も考えたくない」「辛い」「会話ができない人を相手にするのはもううんざりだ」「vimなんかもう見たくない、とか増田に書いたらどうせ『じゃあemacsにしよう』とかい意味のわからないコメントがつくんだろうな、みんな死ね」「苦しい」「苦痛だ」「みんな死ね」「毎日辛い」「悲しい」「会社メールボックスなんか見たくない」「もう嫌だ」と、労働拒否していた。

「心の底から本当に辛いし、逃げ出したい」という感情がここ数週間前から最近芽生えていた。

大学受験以来忘れていた感情だった。そして、その感情は当たり前で、甘えであるとして蓋をして向き合わず愚痴を言いつつも黙々と仕事していた。

でも、ここまでいっていても休む勇気が無かった。

どの程度で休んでもいいのか明確な基準がなく、サボるのが怖かった。熱があればもちろんそれは別だが、体は元気なのだタスク自体はできないものじゃないし、もしかしたら月曜だから単にベッドから出たくないだけかもしれない。

そう、この気持ちを掘り下げるとただ1つ、ただ「行きたくない」だけなのだ

毎日毎日仕事は辛いと感じている。だが仕事死ぬほど辛いからお金がもらえるし、その金で土日に美味いもの食ったりできるわけだ。

大学時代に学んだ労働経済学でも労働苦役だと教わったし、実際に大半の日本会社員もそう考えていると思う。

から辛くて当たり前だし、辛いから休むのは甘えだと思って休めなかった。

仕事も好きで、それでお金がもらえるのが一番いい。

でもそれはなかなか無いし、ある人にとっては仕事楽しいし好きなことでお金がもらえて嬉しいとしても、同じ仕事をしている別の人はそうではないことは多いし、だいたいそういう時は「仕事好きな人」はそうではない人に「仕事楽しい」ことを前提に話をしてくる。

身体は元気、仕事はきつくはない。だから休むべきじゃないし、無理にでも起き上がって着替えて電車に乗るだけで全てが進むはず、難しい話ではない。

でもなぜか本当に辛かった。

思えば今まで病欠したことがなかった。中学生高校生(中高一貫だった)のときは6年間壮絶ないじめに遭い、鬱病になりながらも実は休んだことが無かった。もちろん休むべきだった。

中1のとき「6ヵ年皆勤賞とるぞ!」と意気込んでいたのでそれを曲げる勇気が無かったのと、休んだことで皆勤賞が無くなるのが怖かったのだ。

結果、6ヵ年皆勤賞は取れたが、その時は精神的にボロボロで失ったものは大きく、今も生きる上で大きく足を引っ張っている要素になっている。

子供の時は病気以外で休んだことが無いし、今も年末年始夏休みインフルエンザとかそういった「休め!」と強制されるもの以外で、自分判断で休んだ経験が無い。

から今でもどれぐらいのレベルから休むべきかがわからなかった。

仕事自体も、辛いという事に対して誰も理解してくれなかった。一番身近な相談相手であるはずの同期は全員が意識が高く、好きでこの仕事をやっているという感じだった。その中で「仕事から仕方なくやっている」という大変低いモチベーションでやっている自分には、辛いという感情自体が許されなかったのだ。

仕事が辛い、辛くてたまらない」ということを同期に漏らしたら

「それはお前のワクワク度が足りないんだ」というアドバイスを貰った。正直意味がわからなかった。自分意識が低いのが一番悪いのは知っている。だが、それ以前に同期に仕事の悩みを相談するのは間違っていた。

そんなこんなで、休もうと思ってもなかなか踏ん切りがつかないので、休む根拠や休んでも問題ない保証が欲しくなった。さっきも書いたが、タスクリストを見ると、今日休んでも明日十分巻き返しが効くレベルだった。

東京都のこのページ(http://www.kenkou-hataraku.metro.tokyo.jp/mental/self_care/check.html)を見て自己診断してみたらその1は36点、その2は9点。総合判定は7だった。一番悪い奴だ。そういえば常にイライラしているし、最近はよくモノに当たるし、どうでもいいことで松屋の店員にクレームをつけて怒鳴っている。

色々休むための根拠や自信をつけるためにやっていて、気がついたら、目を閉じ勇気を振り絞って体調不良会社に休むメールの送信ボタンを「うりゃー!」と言いながら押していた。

見事会社を休んだ瞬間、それまでの重くのしかかっていた気持ちがふっと一点の曇も無く晴れ上がって、ベッドから出た瞬間清々しい気持ちになった。

「こんなんだったら休まないほうがよかったのでは…」と罪悪感を感じた。でも多分休んだから気が楽になって元気になったんだろう。

ふと外を見たら、綺麗に冬空が晴れていた。

久々に心の底から綺麗な気持ちで

「ああ、空が綺麗だ」と感じ、それを実際に声に出した。

歌や小説漫画で出てくるような

「うわー空が綺麗!」という感情表現は、フィクションの中だけの現象だと思っていた。空を見て綺麗だと思う余裕が、子供時代以来に久々に生まれていた。どうやら、物質的なものや、性的もの以外で気持ちよさを感じる事は、フィクション世界だけの現象じゃなかったらしい。

その後は、一日じゅうラーメンズ動画を見たり、平日しかやってないようなテレビ番組を見ていた。

そんなことをしながら夜(ちょうど今ごろ)になると、

明日から仕事がんばるぞ!」という、なんだか根拠のないやる気が数年ぶりに湧いてきていた。そう考えることってあるんだな、と思った。

結論としては、休んでよかった。多分休まずいつものように会社に行ってたら、今頃は耐えきれず1人トイレで泣いていた。

熱があろうがなかろうが、辛い時は勇気を出して休むべきだ。

---------------

(2014-12-0910時03分)

その後

なんかいつの間にかホットエントリー入りしてたので、その後の報告も兼ねて追記。

昨日は↑みたいな感じで休んだけど、今日起きたら「あー会社いやだなー」とは思った。

でも、今までの「嫌だ」は

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ仕事辛い仕事辛い仕事辛い仕事辛い」って感じだったけど、

今日は「あーめんどくせー」って感じだった。

「辛い」が「めんどくさい」に変わった。

普通(?)になったのでよかった。これは大きい。

というわけで、今日から無理しない程度に頑張るぞい。

皆様のブコメは1件ずつ読みました。今後は辛い時はスパッと休んで、無理せず仕事頑張ります

あと、「松屋の店員がかわいそうだろ」っていうコメントがちらほら見られますが、自分も全く同感です。

ただただ申し訳ないし、以来自分人間の小ささを痛感してます自己嫌悪しかない。

あとは「根本的な部分を治さなければまた再発するのでは」というコメントいただきました。その考えは昨日休んでハイになった時に完全に抜けてました。とりあえず、会社内、あるいは社外に「何でも相談できる人」を見つける所から始めようと思います

色々書きましたが、自分がここで言いたかったのは「大人はサボってもいい」ということに気がつくまで本当に大変だったけど、実際休むのは本当に簡単でメリットがありまくりだったので、同じように悩んでる人は一緒にサボろうぜ!ということでした。

Permalink |記事への反応(5) | 21:21

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2013-08-06

ブラック企業オススメ会社ってあるの?

ググったら、ブラック企業は〇〇な特徴・社風で人を酷使するから駄目といった内容のサイトしかヒットしなかったんだよ

でもブラックでもオススメしたい会社とかってあってもおかしくないと思うんだけどなぁ・・・

大学院(労働経済)まで行って軍隊予備校みたいな会社行きたくないってか能力発揮できねえし、それ以外ならどんなトコでも割り切れるんだがな

軍隊予備校みたいな会社ってのは、入社研修で穴掘りとか声出しとか精神論とか体育会系のノリな会社な。

あれほど意味ないもんはないし、大卒の入る所じゃないな。高卒でも意味ねえから猿にでも仕込んどけってな。

これは経営者資質に関わるレベルから池沼社長会社行きたくないね。

無駄という言葉を延々言い続ける奴は社会人として失格ってか猿は猿山でやってろ。

んで学歴ある奴に猿真似をやれって強制するカスはいらん。

からそれ以外のブラック企業オススメはないもんかと思ってる。

Permalink |記事への反応(0) | 01:18

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2011-11-04

http://anond.hatelabo.jp/20111104004135

もちろん、このデモがそれに繋がればいいとは思います。ただデモやってる人たちの視野が狭すぎると個人的には思っています

労働経済学者とか、けっこう考えてると思うんですけどね。

Permalink |記事への反応(1) | 00:48

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