
はてなキーワード:刺繍とは
近所の男の子と毎朝いっしょに登園して、砂場で山をつくって濡れた手のひらを見せ合って笑った。スモックの袖口がいつも砂だらけで、帰り道に手をつなぐと体温がうつって、胸のあたりがふわっと軽くなった。あれを好きって呼ぶんだと、そのときの私は直感的に受け取っていた。
小学生になって、次はリレーのアンカーの男の子。運動会の午後。白線の粉の匂い。小太鼓の音。バトンを受け取ってからの加速。私は声が勝手に大きくなって、ゴールの瞬間、歓声にまぎれて「かっこいい」と口が勝手に動いた。誰にも聞かれていない告白。家に帰ってから名前をノートの隅に何度も書いたり消したりして、自分だけの秘密みたいに抱え込んだりしていた。
中学。ここから空気の密度が変わる。部活の先輩…女の人に、本気で恋をした。最初は憧れだとずっと思っていた。体育館の照明が木の床に反射して、バッシュがきしむ。タイムアウトでポニーテールを結び直す仕草、額の汗をタオルで押さえる動き。ホイッスルの音にふっと目を上げる横顔。休憩時間の給水機の前、首筋に貼りついた髪を耳にかける指先。スポーツドリンクの甘い匂いと、松ヤニの匂い。目が離せない。視界の中心が、先輩の輪郭に勝手に合焦してしまう。
部室の隅。先輩のシューズ袋に縫い付けられた名前の刺繍を、何度も目でなぞる。自分の指で触れてしまいたくなってばかみたいだなと何度も心で笑って、でもまた見てしまう。練習後の帰り道。駅のホーム。電光掲示板。19:04発。先輩は反対側のホームで電車を待つ。私は角柱の影から、見えないふりをしながら、ちらっとだけ見る。イヤホンを片耳だけ。何を聴いてるんだろう。電車が入ってきて、風が押し寄せて、視界がざわっと乱れる。発車してガラスに映った自分の顔が少し赤い。帰りの車内。LINEを開いては閉じる。文面を打っては消す。送信ボタンの上に親指を置いたまま、停車駅が過ぎる。送れない。送れない。ほんの数センチ上のうえから親指が動かない。動かせない。こわかった。ただそれだけ。
これって変なのかな。おかしいのかな。
教室で友だちが恋ばなをして、クラスの男子の名前が飛び交う。私はうなずきながら、別の方向を見ている自分に気づく。家に帰って検索窓に打ち込む。「女の先輩 好き 変」「女の子 好き 正常」。画面には“レズビアン”や“LGBT”の文字。救われた気も、同時に苦しくなる感じもした。あ、名前があるんだ、っていう安堵。けれど、その名前に手首をつかまれて、列に並ばされる感覚。(私は、列に並びたいんじゃない。ただ、先輩が好きなだけなんだ。)
放課後の公園。秋。ベンチのとなりでも友だちが「最近、誰か気になってる人いるの?」と聞いてきた。喉が熱くなる。言えない。「いないよ」と笑って答えた。嘘。帰ってからノートに書く。私はレズビアン?と書いて、すぐに消す。紙が毛羽立つ。私は、先輩が好きと書き直す。これだけは本当。
図書室。窓際の席。ページをめくる指が勝手に止まる。先輩が本を借りていく背中。カウンターの職員に返すとき、少し猫背になる癖。レジ袋の持ち手を指に引っかけて、肩にかけ直す動き。日常の切れ端がいちいち胸に刺さる。映画より鮮やかなワンカット。私はその画面の外側に立っている観客で、でも登場人物でもある。(追いかけたい。名前を呼びたい。何か言いたい。何も言えない。)
冬、期末が終わって、部室で小さな打ち上げ。紙コップのココア。先輩が笑う。紙コップに口紅が少しつく。私は笑って、うなずいて、たいしたことのない話をして、夜に帰る。駅のホームで冷たい空気を吸い込みながら思う。(私は、私が思っているよりも、ずっと深く先輩を好きなんだ。)
高校に入ると、少し距離が生まれた。部活も違う。校舎も違う。新しい生活。クラスには優しい男子もいて、映画をいっしょに観に行って、手をつなごうかどうかみたいな空気が一度だけ流れた。嫌ではなかった。むしろ、あのとき手をつないでいたら普通に付き合って、普通に卒業して、普通に別れて、普通に大人になっていたのかもしれない。そう思うくらいには自然だった。でもあの中学の先輩を見たときの、視界の焦点が合う感じ。呼吸が変わる感じ。世界の照明が一段変わる感じ。あれは起きなかった。
答えは出ない。
わからない。
レズビアンという言葉に救われた夜が確かにあった。検索結果の海で沈みそうになった私を浮かせてくれた浮き輪。けど浮き輪にしがみつき続けると、岸に上がるのが遅れることもある。ラベルは、入口だ。出口ではない。私は「レズビアン」という言葉を否定したいんじゃない。誰かを守るために掲げられた旗の力を、私は尊敬している。ただ、その旗の下にずっといなきゃいけないと決められることには静かに抵抗したい。
だって私の恋は、いつも固有名詞から始まる。幼稚園の彼、小学校の彼、中学の先輩。順番じゃない、確率でもない。パターン化した私の性向より、先に立ち上がる人の匂い。声。歩幅。恋はまず、あの人、から始まる。性別はない。カテゴリーはあとから。余白に鉛筆で書き添えるメモにすぎない。
中学の先輩に揺さぶられていたあの頃の私は「私はレズビアンなのか」という問いに追い立てられながら、同時にこうも思っていた。(私は、先輩が好き。以上。)これが真実の最短距離だった。レズビアンという言葉に私はときどき救われ、ときどき窮屈になった。救われたのは、同じ経験を語る声に出会えたから。窮屈になったのは、言葉が私を“こうであるべき姿”の型に押し返してくるから。(君は女子を好きでいるべき。男子を好きになったら矛盾だよ。)
そんなことはない。私は、好きになった相手を好きになる。それだけだ。
もし過去の私に伝えられるなら体育館のベンチでタオルを握りしめていた自分にそっと耳打ちしたい。「焦らなくていい。は急いで選ばなくていい。あなたは今、たしかに恋をしている。それがすべて」と。
肩書きが盾になる日もある。
けれど、その盾で自分を殴らないで。
価値観のラベリングはあなたを守るために使って、あなたを狭くするためには使わないで。
私はレズビアンではない、と言いたいのではない。私は「レズビアンでしかない」わけではない、と言いたい。
あの体育館の照明。夏の汗。紙コップのココア。ホームの電光掲示板。未送信のメッセージ。全てが愛おしく、全てが切なく、そのときの感情の機微全てが私だった。あの瞬間瞬間全てが、私の恋だった。
近所の男の子と毎朝いっしょに登園して、砂場で山をつくって濡れた手のひらを見せ合って笑った。スモックの袖口がいつも砂だらけで、帰り道に手をつなぐと体温がうつって、胸のあたりがふわっと軽くなった。あれを好きって呼ぶんだと、そのときの私は直感的に受け取っていた。
小学生になって、次はリレーのアンカーの男の子。運動会の午後。白線の粉の匂い。小太鼓の音。バトンを受け取ってからの加速。私は声が勝手に大きくなって、ゴールの瞬間、歓声にまぎれて「かっこいい」と口が勝手に動いた。誰にも聞かれていない告白。家に帰ってから名前をノートの隅に何度も書いたり消したりして、自分だけの秘密みたいに抱え込んだりしていた。
中学。ここから空気の密度が変わる。部活の先輩…女の人に、本気で恋をした。最初は憧れだとずっと思っていた。体育館の照明が木の床に反射して、バッシュがきしむ。タイムアウトでポニーテールを結び直す仕草、額の汗をタオルで押さえる動き。ホイッスルの音にふっと目を上げる横顔。休憩時間の給水機の前、首筋に貼りついた髪を耳にかける指先。スポーツドリンクの甘い匂いと、松ヤニの匂い。目が離せない。視界の中心が、先輩の輪郭に勝手に合焦してしまう。
部室の隅。先輩のシューズ袋に縫い付けられた名前の刺繍を、何度も目でなぞる。自分の指で触れてしまいたくなってばかみたいだなと何度も心で笑って、でもまた見てしまう。練習後の帰り道。駅のホーム。電光掲示板。19:04発。先輩は反対側のホームで電車を待つ。私は角柱の影から、見えないふりをしながら、ちらっとだけ見る。イヤホンを片耳だけ。何を聴いてるんだろう。電車が入ってきて、風が押し寄せて、視界がざわっと乱れる。発車してガラスに映った自分の顔が少し赤い。帰りの車内。LINEを開いては閉じる。文面を打っては消す。送信ボタンの上に親指を置いたまま、停車駅が過ぎる。送れない。送れない。ほんの数センチ上のうえから親指が動かない。動かせない。こわかった。ただそれだけ。
これって変なのかな。おかしいのかな。
教室で友だちが恋ばなをして、クラスの男子の名前が飛び交う。私はうなずきながら、別の方向を見ている自分に気づく。家に帰って検索窓に打ち込む。「女の先輩 好き 変」「女の子 好き 正常」。画面には“レズビアン”や“LGBT”の文字。救われた気も、同時に苦しくなる感じもした。あ、名前があるんだ、っていう安堵。けれど、その名前に手首をつかまれて、列に並ばされる感覚。(私は、列に並びたいんじゃない。ただ、先輩が好きなだけなんだ。)
放課後の公園。秋。ベンチのとなりでも友だちが「最近、誰か気になってる人いるの?」と聞いてきた。喉が熱くなる。言えない。「いないよ」と笑って答えた。嘘。帰ってからノートに書く。私はレズビアン?と書いて、すぐに消す。紙が毛羽立つ。私は、先輩が好きと書き直す。これだけは本当。
図書室。窓際の席。ページをめくる指が勝手に止まる。先輩が本を借りていく背中。カウンターの職員に返すとき、少し猫背になる癖。レジ袋の持ち手を指に引っかけて、肩にかけ直す動き。日常の切れ端がいちいち胸に刺さる。映画より鮮やかなワンカット。私はその画面の外側に立っている観客で、でも登場人物でもある。(追いかけたい。名前を呼びたい。何か言いたい。何も言えない。)
冬、期末が終わって、部室で小さな打ち上げ。紙コップのココア。先輩が笑う。紙コップに口紅が少しつく。私は笑って、うなずいて、たいしたことのない話をして、夜に帰る。駅のホームで冷たい空気を吸い込みながら思う。(私は、私が思っているよりも、ずっと深く先輩を好きなんだ。)
高校に入ると、少し距離が生まれた。部活も違う。校舎も違う。新しい生活。クラスには優しい男子もいて、映画をいっしょに観に行って、手をつなごうかどうかみたいな空気が一度だけ流れた。嫌ではなかった。むしろ、あのとき手をつないでいたら普通に付き合って、普通に卒業して、普通に別れて、普通に大人になっていたのかもしれない。そう思うくらいには自然だった。でもあの中学の先輩を見たときの、視界の焦点が合う感じ。呼吸が変わる感じ。世界の照明が一段変わる感じ。あれは起きなかった。
答えは出ない。
わからない。
レズビアンという言葉に救われた夜が確かにあった。検索結果の海で沈みそうになった私を浮かせてくれた浮き輪。けど浮き輪にしがみつき続けると、岸に上がるのが遅れることもある。ラベルは、入口だ。出口ではない。私は「レズビアン」という言葉を否定したいんじゃない。誰かを守るために掲げられた旗の力を、私は尊敬している。ただ、その旗の下にずっといなきゃいけないと決められることには静かに抵抗したい。
だって私の恋は、いつも固有名詞から始まる。幼稚園の彼、小学校の彼、中学の先輩。順番じゃない、確率でもない。パターン化した私の性向より、先に立ち上がる人の匂い。声。歩幅。恋はまず、あの人、から始まる。性別はない。カテゴリーはあとから。余白に鉛筆で書き添えるメモにすぎない。
中学の先輩に揺さぶられていたあの頃の私は「私はレズビアンなのか」という問いに追い立てられながら、同時にこうも思っていた。(私は、先輩が好き。以上。)これが真実の最短距離だった。レズビアンという言葉に私はときどき救われ、ときどき窮屈になった。救われたのは、同じ経験を語る声に出会えたから。窮屈になったのは、言葉が私を“こうであるべき姿”の型に押し返してくるから。(君は女子を好きでいるべき。男子を好きになったら矛盾だよ。)
そんなことはない。私は、好きになった相手を好きになる。それだけだ。
もし過去の私に伝えられるなら体育館のベンチでタオルを握りしめていた自分にそっと耳打ちしたい。「焦らなくていい。は急いで選ばなくていい。あなたは今、たしかに恋をしている。それがすべて」と。
肩書きが盾になる日もある。
けれど、その盾で自分を殴らないで。
価値観のラベリングはあなたを守るために使って、あなたを狭くするためには使わないで。
私はレズビアンではない、と言いたいのではない。私は「レズビアンでしかない」わけではない、と言いたい。
あの体育館の照明。夏の汗。紙コップのココア。ホームの電光掲示板。未送信のメッセージ。全てが愛おしく、全てが切なく、そのときの感情の機微全てが私だった。あの瞬間瞬間全てが、私の恋だった。
カクヨムにて7月8日から公開・連載されている『成り上がり~炎上配信者だった俺が、最強の女神たちと世界をひっくり返す話~』についての感想や考察を書いています。
通称『なっくり』。
匿名はてなの文字数制限にひっかかってしまったようなのでパート分けします。
https://anond.hatelabo.jp/20250904223228
第4話 前編はこちら↓
https://anond.hatelabo.jp/20250908093628 3
第4話覚醒の王
https://kakuyomu.jp/works/16818792436194059031/episodes/16818792436376167778
さて。パートを区切ってから、今度は圭祐が桐島弁護士に会いに行くシーンから始まります。
昼過ぎ、玲奈に教えてもらった住所を頼りに、俺はタクシーで桐島弁護士の事務所へ向かった。窓の外を流れる都会の景色を眺めながら、俺は佐々木美月のこと、田中雄大のこと、そしてあの二人の背後にいるであろう「クロノス・インダストリー」という存在を、改めて頭の中で整理していた。
もう破綻がひどい……
田中雄大という名がいきなり出ていますが、修正前では田中は圭祐と同じ製氷工場に務める従業員でした。そして圭祐の炎上の原因たる爆破予告の実行犯でもあるのですが……そのくだりは全て削除変更されています。どこにもない。
クロノスインダストリーについても同様です。圭祐の頭を整理するより作者の頭を整理してください。
「お嬢様たちが来るまで、まだ少し時間がある。よければ、昼飯でもどうです? 近くに、美味い手打ちうどんの店があるんですが」
と、桐島に誘われ、圭祐は二人でうどん屋に向かいます。昼過ぎに向かってたけど、ランチはまだだったんすね。
「え? ああ、まあ…昨日は、別々の部屋で寝てました」
微妙に質問の受け答えがズレてる圭祐。よっぽど頭の中で気になっていたのでしょう。
本当に当たり前と思ってるならそこまで気にする必要は無いでしょうに。
一応圭祐は天神家も公認した恋人らしいので、この態度には桐島も呆れている様子。まあ言うていきなり手を出すのもそれはそれでどうかって話でもあるし……
「…よくスーツ、汚さずに食えますね」俺が感心して言うと、桐島は顔も上げずに答えた。「仕事の合間に食べるのが日常ですから。汚さずに食べるのが、プロというものです」その、あまりにも当然で揺るぎない正論に、俺は何も言えなくなった。彼のプロ意識は、俺の甘い考えを、冷徹に指摘しているようだった。
プロ意識がそこまで関係あるかはわかりませんが、圭祐に足りないのは『腹をくくる』姿勢であることは確かです。このように自分が苦手な話になりそうになると、相手の外見や所作について話して話題を逸らそうとする特性はずっと描写されています。ある意味では圭祐の美点ですが、人の話にちゃんと向き合えないという欠点でもあります。
「神谷さんへの誹謗中傷に関する発信者情報開示請求は、すでに着手しています。田中雄大のIPアドレス、佐々木美月との通信記録も、すべて確保いたしました」
田中は圭祐へ誹謗中傷を行っていたようです。佐々木もまた、何かしらの形で田中と関わっている様子。
繰り返しになりますが、二人が具体的に何をしたかはまだ語られてません。いきなり名前が出ています。だからなんでだよ。
桐島は、黒縁メガネの奥の瞳を光らせた。「心配はご無用です。…抜かりはありません」その言葉には、絶対的な自信と、天神財閥の底知れない力が隠されているように感じられた。
だから読者はその爆破予告があったかどうかもよくわからないんですけど……
事務所からの帰り道、俺はタクシーを呼ぼうとする莉愛の手を制した。
「もう、逃げる必要はないだろ? 三人で、手を繋いで歩こうぜ」
圭祐が真ん中になって玲奈と莉愛と手を繋いでいる感じでしょうか。
いいけど……桐島の話だと爆破予告の件もケリがついていないんだからわざわざ目立つようにしなくても……
街の雑踏の中、「Kさんですか?」と声をかけてきた女子高生ファンと、俺は気さくに握手を交わし、一緒に写真を撮った。「アンチに負けないでください!」という声援に、俺は少し照れながら手を振る。
でもこの状態で天神姉妹ではなく圭祐の方を応援する女子高生がいるようです。
……元は圭祐は零細のゲーム実況投稿者のハズですが、写真まで撮ってくれるようなファンはどこから湧いて来たのでしょうか。フォロワーは天神姉妹の方が多いハズですが、なぜか姉妹にはノーリアクションです。なんで……? 天神姉妹は女子高生には人気無いの……?
「絶対こっちのストリート系が似合うって! Kくんは、もっとカジュアルでしょ!」莉愛は、流行りのファッション雑誌を俺に見せつける。
「いいえ、莉愛。神谷さんには、もっと落ち着いた、知的なスタイルの方がお似合いよ。大人の男性の魅力は、隠すことで引き立つものだわ」玲奈は、海外のファッション誌を広げる。
そのまま三人は高級ブランドのブティックへ向かい、圭祐の新しい服を選びます。
なんか途中で圭祐の服がTシャツとジーンズになってたりする点はスルーするとして。莉愛と玲奈がコーディネートについて意見を交わします。
そこに立っていたのは、もはや製氷工場で働いていた頃の、陰鬱なオーラをまとった男ではなかった。体に吸い付くようなシルエットの、上質な黒のセットアップ。インナーには、遊び心のあるプリントTシャツを合わせ、足元はシンプルな白のスニーカーで外している。自信のなさを隠すように丸まっていた背筋は堂々と伸び、何かに怯えていた瞳は、今は、全てを見透かすような鋭い光を宿していた。その変化は、玲奈や莉愛が持つ「神眼」にも匹敵する、俺自身の『神眼』による「調律」が、無意識のうちに行われた結果だった。それは、まさに、これからエンタメ業界に君臨する、若き「王」の風格そのものだった。
結局黒のセットアップになるのか……とはともかく。
玲奈や莉愛も『神眼』があったんだ。割と身近にあるんだね神眼。
玲奈と莉愛は、そのまま勢いで圭祐に雑誌モデルを勧めます。惚れりゃあばたもえくぼ……ではなく、圭祐は実際にモデル並みの容姿を持っているようでした。すげえな!
あの頃は、誰にも見向きもされなかった俺が、今、天神姉妹によって、全く新しい世界へと引き上げられようとしている。この違和感と興奮こそが、俺の「神眼」が引き起こす、世界の「ズレ」なのかもしれない。
なんでも神眼と言っておけば通ると思ってる?
圭祐自身にも神眼はあるのに、どうしてこれまで埋もれたままだったんでしょうか不思議ですねえ。
その時、俺の口から、無意識に言葉がこぼれていた。それは、俺自身の「神眼」が、彼女たちの「本質」を見抜いた結果だった。
「…玲奈さん。あなた、普段はスカートが多いけど、その服も素敵ですが、あなたの本来の魅力を、少しだけ隠してしまっている気がします。あなたは、もっと…強くて、華やかな色が似合う。こういう…」
俺が選んだのは、深紅の生地に金の刺繍が施された、大胆なオフショルダーのロングドレスだった。玲奈は試着室へと向かった。出てきた彼女は、まるで「月」から「太陽」へと変貌したかのように、圧倒的なオーラを放っていた。その深紅のドレスは、彼女の白い肌を際立たせ、金の刺繍が、女王としての気品をさらに引き立てていた。
月から太陽。というのはTPOの問題じゃない? 時と場合によっては月になることも良いと思うけど。
「莉愛も。制服も可愛いけど、君の元気さを活かすなら、もっとポップな色使いで、少しボーイッシュな要素を入れた方が、ギャップで可愛さが際立つと思う。例えば、キャップを逆さにかぶって、ショートパンツで健康的な脚を見せるとか」
制服姿の莉愛も、俺のアドバイス通りに着替えて試着室から出てきた。淡い水色のショートパンツに、ビビッドなイエローのTシャツ、そして逆さまに被ったキャップが、彼女の天真爛漫な魅力を最大限に引き出していた。
莉愛も別に制服は便利だから着てるだけで、モデルの仕事や私服なら、似たような服も普通に持ってそうだけど……なんか別に、姉妹のイメージと極端に変わるようなコーディネートってわけでもないんですよね。なんなら二人とも100万アカウントのインフルエンサーで、セルフプロデュースは元から上手く行ってるし。
喜んでるなら、それも良いですが。
これまで俺がネットの世界で、何千、何万というコンテンツを見てきた経験。その膨大なデータが、俺の脳内でプロデュース能力として蓄積されていたのだ。それだけじゃない。今時の流行りにうるさい、妹の美咲。あいつがいつもリビングに置きっぱなしにしているファッション雑誌が、自然と目に入っていた。そのページで、莉愛が特集されている記事を偶然見つけて、『このモデル、すごいな』と呟いたら、『お兄ちゃん、今さら!?超人気じゃん!』と、美咲に呆れられた記憶が、不意に蘇る。俺は、美咲とのくだらない口喧嘩に負けたくない一心で、流行りの服や、コーディネートの基本を、こっそり勉強していたんだ。
そんな大変な能力を得たきっかけがこんなくだらないエピソード一本で本当にいいのか?
いや、なんかこう、もっと……血筋とか誰かの弟子とか、他人が容易にはマネできないようなことでセンスが目覚めるとか……というかこの話の限りだと美咲にも神眼がありそうっすね。
圭祐のハンドルネームはKだよお! Kスケだとほぼ本名だよお!
それにしても埋もれ過ぎた才能です。コンピュータ専門学校を中退し、バイトを転々として製氷工場に勤め、ゲーム実況動画もとくに伸びず、くすぶり続けた圭祐。それが天神姉妹と関わり、自分自身を含めてプロデュースして絶賛されるほどのファッションセンスを持っていたのです。
お前進路選択から盛大に間違ってたよ。服飾系の専門学校行くべきだったよ。
【運命の夜】
夜。リビングでは、玲奈がノートパソコンに向かい、驚異的な速さでキーボードを叩いていた。その指先は、まるで流れるような音楽を奏でるピアニストのようだった。その隣で、俺と莉愛は固唾を飲んで画面を覗き込んでいる。
カタカタカタ…ターン!
カタカタ……ターンを真顔でやるやつ久々に観たな。
モニターに映し出されていたのは、洗練されたデザインと、俺たちの理念が完璧に表現された、Kスケ『ガチ恋彼女オーディション』特設応募サイト、だった。サイトの背景には、俺が莉愛を救い出した精神世界のデパートのイメージが、美しくグラデーションとなって溶け込んでいた。
おい。未来の話を混ぜるのやめろ。莉愛を精神世界から救う話はもっとずっと後のことだ。
どうもこの小説。修正をする過程で最新話の設定をベースにしているようです。それも整合性を合わせるのは必要なことですが、このように過去のエピソードに未来の設定が混ざる次元の混乱があります。
滅茶苦茶じゃないか。世界をひっくり返すとは因果律を逆転することなのでしょうか。
webサイト作る程度ならデザイナーの話だし、そこはコンピュータ専門学校通ってた圭祐がやりゃいいだろ……
よくわかりませんが、莉愛はガチ恋オーディションの開催に好意的で意欲的なようです。
何か莉愛にとって楽しいとか利益になるというようなことは一つも無さそうなのですが……自分の好きな人が人気者になるのが嬉しいタイプでしょうか?
一人残された俺は、広すぎるソファに深く腰掛け、テーブルの上に無造作に置かれていたゲーム雑誌を、夢中になって読み漁った。まるで、自分の部屋にいるかのように。莉愛の手料理、玲奈とのキス、そして今日一日の出来事。天神姉妹との交流が、俺の凍りついていた心の奥底に、ゆっくりと、しかし確実に、温かい光を灯し始めていた。
作業していたのは玲奈なんだから、お前はずっとゴロゴロしてただろ。
SNSの熱狂を背に、玲奈がサイトを公開する。その瞬間、世界中の「K-MAX」ファン、そして天神姉妹のファンが、一斉にこのサイトにアクセスしていることが、玲奈の表情から読み取れた。
つまりは天神姉妹のファンではなく、ほかならぬ圭祐のファンが。彼のガチ恋オーディションのために盛り上がってるということなのですね。
ピコン、と静かな通知音が響く。サイト公開と同時に、一件の応募通知が届いたのだ。
その応募者のプロフィール画面を開いた玲奈が、息を呑んで俺にモニターを向けた。その瞳には、驚きと、警戒の色が入り混じっていた。
ボルテージ上がった割に、届いたのは一件なんだ。
【応募動機】神谷さんの切り抜きを見て好きになりました。私を覚えてますか?
そこには、スーツ姿で控えめに微笑む、佐々木美月の顔写真があった。美月、か。忘れもしない、俺を炎上と爆破予告の濡れ衣で社会的に抹殺しようとした、あの女。
なんと応募してきたのは、圭祐をかつて陥れた佐々木美月でした。
そう。ここに至るまで一つも。佐々木が圭祐を陥れたという証拠の話はしていません。桐島弁護士は発信者情報開示請求をしていますが、圭祐はそれ以前にアタリをつけている様子でした。
でもなんで佐々木が怪しいのかは誰も何も言ってません。いつから疑ってたの? 彼女は製氷工場に来てただけの、保険セールスじゃなかったの?
まあ……とあえず圭祐にとって佐々木はクロであると話を進めるとして。佐々木になんらかの悪意があることは神眼無くてもわかると思います。むしろ神眼で佐々木が悪者だと見抜いたって話がある方がわかりやすかった……
「…オーディションに、呼んでくれ」
直接対決の構えです。
「俺は、もう誰かの犬にはならない。俺が、俺の物語の舵を切るんだ」
どっちかというと圭祐は誰からも相手にされない野良犬って感じだったけどな。
「玲奈さん。俺は、あんたたちを、世界一のアイドルにしてみせる。だから、あんたも、俺を世界一のプロデューサーにしてくれ」
俺の言葉に、玲奈は一瞬目を見開いた後、満面の笑みで、まるで太陽のように、美しく微笑んだ。その笑顔は、これまでのどの表情よりも、俺の心を強く打った。
「――ええ。喜んで、プロデューサー」
なんで?
天神姉妹は100万超えのセレブアカウントであり、莉愛はモデルもやってるけどアイドルではありません。別にそれを目指していたわけでもありません。
そして世界一のアイドルにする気があるなら、オーディション開いて他の女の子を集めてる場合じゃないと思います。世界一のアイドルグループを作るならともかくですが、そもそも募集要項は『ガチ恋』でしょう。
全体的に圭祐のやりたいことがよくわかりません。
彼女の瞳には、俺の隣に立ち、共に世界を創り上げていくという、女王としての揺るぎない覚悟が宿っていた。新たな城で最強すぎる共犯者と共に。俺の世界をひっくり返すための最高に甘くて最高に過激な反撃が今始まった。このオーディションは、始まりに過ぎない。俺と玲奈、そしてK-MAXが、世界に新たな秩序を創り出すための、最初の「創世記」なのだ。
これが成り上がり~炎上配信者だった俺が、最強の女神たちと世界をひっくり返す話~ 第4話覚醒の王でした。
世界をひっくり返すという圭祐の目標を手段が明らかになり、それを阻む敵の存在も浮上しています。
34歳年収700万の高齢貧困弱者男性なんだが、女から相手にされたこともないし高級レストランで食事をしたこともない。
そのうち経験するかもしれないし後で慌てないように今のうちにシミュレーションしてみた。
レストラン「オ・セレニテ」は、都心の奥まった路地裏にたたずむ予約制の高級店だ。外観は瀟洒で、看板もなく、知る者だけがたどり着ける。
増田は深紅のテーブルクロスを前に腰を下ろし、目の前の少女──ユウカの緊張した表情を眺めて、口の端を吊り上げた。
料理が運ばれてくる。
一皿目は、発酵させたトカゲのジュレ仕立て。トカゲの輪切りがうっすら透けており、その上に刻んだ香草が無造作に散らされていた。
ユウカは一瞬、スプーンを持つ手を止めたが、意を決してすくい上げ、口に運んだ。
「……すごく、芸術的ですね……」
笑顔を作ろうとしたが、その口元は引きつっていた。
増田はうまそうに口へ運びながら言った。
「こういうの、慣れてないとキツいかもな。でも君、味覚はいいんだろ?」
ユウカは小さくうなずくと、もう一口。
「……うん……ちょっとクセが……でも、美味しいです……」
灰色がかった液体に浮かぶ赤黒い油膜が、ランプの灯りで鈍く光っていた。
ユウカは目を伏せてスプーンを運ぶ。だが、口に入れた瞬間、喉がわずかに動いたきり動作が止まる。
「……美味しい……です……」
その声は聞き取れないほど弱々しかった。
三皿目は、ウーパールーパーの素揚げに、甘ったるいメープルバターソースがかけられていた。姿そのまま。手足も目玉も焦げ目がついた状態で皿の中央に鎮座していた。
ユウカは目を逸らしながら、手を伸ばした。
目に涙が溜まっていたが、それでも彼女は口を開いた。
「……美味しい、です……」
メインディッシュのあと、厨房からシェフ・アンドレが姿を現した。白衣に金の刺繍が施され、胸には数々の受賞歴を示すピンバッジが光っている。見た目だけなら完璧な高級店の名シェフだった。
「本日はご来店、誠にありがとうございます」
アンドレは柔和な笑みをたたえて言った。
ユウカは震える唇で、笑顔を作ろうとする。
その顔には涙の跡がうっすらと残っていた。
「……どれも、とても……美味しかった、です……」
グラスを片手に軽く掲げると、にやりと口元を歪めてこう言った。
ユウカは一瞬、何かを理解するように目を見開いた。
彼女の手のひらが増田の頬を強く打ち、椅子を倒して、泣きながら店の扉を開けて走り去った。
増田は頬をさすりながら、鼻で笑った。
「……食い逃げかよ。たちが悪いな」
アンドレはため息交じりに肩をすくめる。
「やはり、最後は情に流されましたね。あの手の女は、いつも“料理”を最後まで味わいきれない」
店内は元通り、静けさを取り戻していた。
昨日の屈辱を引きずったまま、今日も朝から山道を歩いた。ズボンは替えてきた。ゴミーは何も言わんが、あの小さな目にちょっとした哀れみの色がある気がする。けど、ええねん。今日は、昨日の続きや。フェミちゃんを追わなあかん。
朝露に濡れた獣道を進んでいくと、雑木林の中に、不自然に何かが引っかかっとるのが見えた。低木の枝に、ひらりと揺れてる――それは、見覚えのあるスカーフやった。薄い灰色に、ところどころ刺繍が入ったやつ。あれはフェミちゃんがパラダシアで買うて、ずっと大事にしてたもんや。
ワイが手に取ると、ゴミーがぴょこっと寄ってきて、スカーフの端をちょいとつついた。ふわっと鼻先に残った微かな香り――あの独特の香油の匂い。間違いなく、ここを通ったんや。しかも比較的最近。スカーフの湿り具合からして、昨晩から今朝にかけてのどこかやろう。
「ゴミー、見とるか……これは足取りの証拠や。ようやく、フェミちゃんの影を踏めた気がするわ」
ゴミーは真剣な顔をして、木々の隙間から続く道らしき獣の踏み跡を指さすように飛び上がった。ほんまに賢い生き物や。こんな小さな仲間に支えられてるのが、不思議でありがたい。
ワイはスカーフを懐に入れて、足音を殺してその先へと進んだ。山道の空気は澄んでいて、木漏れ日が斜めに差し込んでいる。けれど、その穏やかさの下に何が潜んどるかはわからん。
次の曲がり角の先に、何かがある気がするんやで。
今週末も暑い。夏が長く暑いです。外で生き物を飼う気候でなくなってきた気がします。
水替え網とは、水替え時にバケツに載せて、水を濾す網です。
作り方は、目の細かい洗濯ネットを刺繍枠でちょっと緩めにはさみ、園芸用の円形の枠に脚が生えた針金枠とタイラップで結合した網です。この水替え網を使うと水替え時に容器の底に落ちていたメダカの卵を一網打尽にできる優れものです。余裕があって、水替えができているときは、卵の回収が捗りました。
近所のキャンドゥにはなかなか入荷しなかった商品。ダイソーに入荷しているというお話を聞いて、近所の店舗を回って必要数を集めました。60cm幅の棚に3個並ぶというなかなかサイズ感の良い商品です。四隅にオーバーフロー用の切込みがあり、大雨時にも排水されて安心です。
欠点は、6Lという水量の少なさです。色が黒というのも、夏場の管理が難しそうです。日陰に置く容器としてはよさそうです。
セリアで廃版になったスタッキングボックスの代替品として導入。スタッキングボックスのクリアは、紫外線劣化で割れてしまい、数が減ってしまいました。その代替品です。最初の孵化時は、小さい容器が良いようにおもいます。
去年入れたサルビニアククラータの代わりに導入しました。7月に購入した一株からどんどん増えて、サルビニアククラータと同じように大増殖しています。容器の1/3くらいを覆うのがベストなので、増えすぎるのも困りものです。針子から稚魚の入れ物に入れています。
成魚で産卵を狙いましたが、あまりうまくいきませんでした。
日差しだけで、白容器でも体温を越えた水温になります。来期は日陰づくりに力を入れたいです。
少数精鋭での採卵を狙いました。が、手が回りませんでした。もう少しズボラ管理でいける方法を模索したほうが良いかもしれません。
載せるタライの水量による棚のバランスの悪さ、中段の作業性の悪さが目立ちました。
春先からの準備では間に合わないので、10月、11月から準備を進めたいと思います。
大規模なDIY作業になります。2x4材を中心にして、パーゴラを設置していきます。パーゴラには、日除け用のシートを取り付けて、恒常的な日陰づくりをしていきたいです。
棚の4段化はあまり芳しくなかったです。注水可能な範囲を2段、もしくは3段、最上段は注水なしの構造に変更します。
おしぼり屋としては、おしぼりって結構みんなギリギリに頼んでくるんだよね
意外と忘れがちなものなんだろうな
こだわる人は分厚いタオルにしてたり、刺繍入れたりオリジナルなものを発注してるね
使う側としては白い厚めのタオルで充分だよな
私もそう思う
店の人も店に来る人にも言いたいのは、おしぼりは手だけ拭いてね
顔は拭いてもいいけど、使ってる洗剤きついし拭かないほうがいいよ。
食べてる卓の台拭きにしないでね
割ったガラスも包まないで(同上、なんなら紙に包んで)
破らないでね
炭とかコゲとか拭かないで、網も置くな
こないだXで流れてきたけどカルメ焼きの仕上げとして冷ます濡れタオル代わりにおしぼり置かれてたぞ、やめろよ
リースってわかるか?貸してるんだ
おしぼりを持って帰るやつは、店の醤油差し持って帰るのと同じことをしているんだ
あとおしぼりアートかなんか知らんが、ひよことか丸めたのを作ったら帰りにタオルとして戻して帰ってくれな
あれ回収に入ってたら結んでるのを戻すの面倒だから。
これ見て改める人が増えたらいいな
Permalink |記事への反応(11) | 23:47
私はアラサーになってから手芸たのちぃぃぃぃ!!状態になった子持ち女だが
手芸は本当に底なし沼で、編み物、縫い物、刺繍、レジン、ビーズ・・・・・・と沼がたくさんあるしいくらでも時間とお金を溶かすことができるんだよなあ
先日の自分の子供の幼稚園の春休みは、私はミシンで縫うことに自分の時間を溶かした
好みの布を買ってお金を溶かした
春休みだから早起きして園に子供を送ることをしなくていいので睡眠時間を犠牲にして縫い物をやった
キミとアイドルプリキュアのレッスンバッグを子供に作ったら、リアクション薄かった。前回わんだふるプリキュアのレッスンバッグを作ったときはものすごく喜んでくれたけど2回目だからか反応薄かったね
北京旅行増田です。読んで期待してくれている人たち、ありがとう。
とりあえず今回の旅行で書くべき候補をリストアップしていったら当分掛かりそうな気がしてきた。いつか誰かが読んで役立ててくれればよいので、忘れないうちに順次書いていきます。
・観光地
・食事
・四季民福
・鳳臨閣(大同市)
・東来順
・很久以前羊肉串
・京兆尹
ここを観光地と呼ぶべきかは意見が分かれるところではあるが、北京大学西門や未名湖といったガイドブックにも載るような見どころがある。増田長男の留学先でもあり今回の旅行では外す訳にはいかなかった。
季節によるのかもしれないが、一般旅行客による入場は極めて難易度が高い。すべての門でセキュリティチェックがあり、学生以外は事前予約がないと入場不可。一般客の予約はWeChatのミニプログラム「参観北大」から行う。説明は「7日前から予約可、毎日8時更新」とあるのだが、予約画面に行くと、「校内行事のため、〇月〇日までしばらく停止」となっていることがほとんど。たまに予約可能日が表示されてでも既に枠は埋まってる状態で、これは無理だ思う。
増田一行はどうしたかと言うと、北京大学生の招待枠を使って予約した。増田一行の人数が多いので他の学生にも手伝ってもらったとのこと。ありがたい。予約は3日前から可能でパスポート情報と時間指定が必要。旅行直前か始まってからでないと予約確定しないのと、政府要人が急遽来るってことになったら当然予約できないらしい。どの門から入るかは指定できない。今回は分けて予約したせいか東門と東南門に別れて入場することになったが、200mぐらいしか離れてないのですぐに合流できた。セキュリティチェックはパスポートで行うが、高速鉄道や観光地のように読み取り機があるわけでもなく、屈強そうな係員がタブレット(iPad?)を出して、渡したパスポートと画面を見比べて確認していた。今回の旅行で一番アナログな瞬間だったかも。なお、出口の指定はないので今回は東門/東南門から入って、西門から出た。
増田一行のセキュリティチェックの脇を、学生たちは自転車やミニバイクで学生証を機械にタッチしながらどんどんすり抜けて行く。他の施設と同様に北京大学の校内もものすごく広い。お約束だが東京ドーム換算で17.5個らしい。なので校内の至るところで電動ミニバイクが走り回っており、美団やハローのシェアサイクルが放置状態で転がっている。面白かったのはミニバイクに取り付けるハンドカバーの柄。北京の冬は寒いので、ハンドカバーが大きくなり上半身や足まで覆うようなカバーを使っているのだけど、女学生と思わしきミニバイクのカバーは、昭和のファンシーショップに置いてあるような動物の図柄がほとんどだった。10台ぐらい見てみたが、どれも違う柄だったので相当な需要があるんだと思う。たまにおっさんもファンシーなカバーを使っていてとても微笑ましい。
大学入って門の周りで記念撮影したあとは、大学文創と呼ばれる北京大学オリジナルグッズを取扱う店に行ってお買い物。ボールペンやキーホルダーなどの定番のほか、THERMOSのボトルなど実用的なお土産物が多い。ちなみにTHERMOSのボトルは蓋の裏に茶こしが付いていて中国仕様だった。アパレルも豊富で、Tシャツ以外にも北京大学のエンブレムが付いたダウンコートや、左胸に北京大学と刺繍が入った青色のダサかっこいいジャージとかも売ってた。(買わなかったけど)
買い物終わったらちょうどお昼頃で、学生たちが学食へどんどん向かっている。北京大学には11の学食があるらしいが、ほとんどが学生証がないと注文できないとのこと。実際に行ってみたらゲートがあって、丁寧に学生のみ購入可の掲示があった。この日、増田長男は不在だったので無理かなと思いつつも、学食にいた大学職員?から家園という学食の4階なら学生証なくてもOKとの情報を聞き出し、そこへ向かうことに。はてさて、あったのは「西式快餐」という残念な感じのファストフード店と「小北面包」というパン屋。火鍋のレストランもあったけど学食ではないっぽい。西式快餐で残念なピザと残念なパスタを注文してしまった。子どもたちはカツカレー頼んで満足してた。違う。そうじゃない。
昼食後は有名な西門(正門)へ向かう、寺院のような豪華で古典的な門で、入学した学生は必ずこの門で記念撮影をするという。また、北京大学の北側半分は、コンクリート造りで雑多な建物な南側と異なり、学生もほとんど居らず、未名湖という大きな湖があり、湖越しに博雅塔が見えるなど、同じ大学内とは思えないほどのデートスポットになっている。このエリアのクラシカルな建物にはどんな学部が入ってるのだろうと案内板を見たら「考古学研究所」と書いてあって納得。西門に戻って外へ出たら中に入れない観光客がたくさんいて記念撮影していた。へへ〜んと優越感を得て北京大学見学は完了。10時に入場して14時までぐらいかな。
北京大学から見てすぐに西側にある歴代の中国皇帝により整備された庭園。ここもものすごいスケールで大きな湖があるが、これも人造湖だという。世界文化遺産(1998年登録)に指定されている。今の形に整備されたのは西太后が自分の住まいのために莫大な資金を投入したとかで、専制君主ってのは良くも悪くくもすごいなと思う。
北京大学西門を出たらすぐだよ、と増田長男は言っていたが、距離を測ると2.5kmほど。地下鉄駅もすぐ近くにはないので当然のごとくDiDi呼んで移動。この頃にはDiDiの利用にもだいぶ慣れてきて、ちょっとした移動でも躊躇せずに使うようになってきた。DiDiで移動したのだが、頤和園入口前で大渋滞になってしまいタクシー運転手もいらいらしてきたようなので100m手前ぐらいで降りてあとは歩いた。
頤和園のチケットは事前予約していなかったので、WeChatで「頤和園」と検索してミニプログラムを開いて購入した。当日購入は可能だが時間帯毎(9時〜12時、12時〜15時、15時以降)にチケット枚数の制限があるようだ。事前予約は7日前から可能なので繁忙期にどうしても行きたい場合は事前予約しておいたほうが無難かも。チケット代金は入園だけ、博物館などの入場料込の2種類ある。増田一行はすでに北京大学で歩き疲れていたので入園だけのチケットを購入したが、耶律楚材祠など朝からじっくりと見学したい人はフルセットのチケットが良いと思う。入園だけのチケットは一般20元、未成年10元、老人(60歳以上)無料、ほかと同じように購入にはパスポート番号の登録が必要だが、購入完了後、QRコードが発行されるので入場はQRコードの読み取りで行う。無料の老人はチケット購入がないのでQRコードは発行されない。入場チェックは曖昧で老人だと認識されるとパスポート確認もほとんどされない。
老人無料ということも関係があるのかもしれないが、頤和園は老人の団体旅行客がものすごく多かった。ひと昔前の農協ツアーを思わせるような、旗を持ったガイドに先導され、同じ帽子(赤や黄色などの目立つ色)を被った集団で埋め尽くされているエリアがいたるところにあった。頤和園内の見どころの説明看板には中国語、英語、日本語、韓国語の4カ国語で書かれているので、日本人にとっては非常にありがたい。日本語説明があるだけでも満足度が上がり、滞在時間が伸びる。湖には遊覧船もあるようだが、この日は動いていなかった。(運行停止のような記載があったが、季節によるものか、たまたまなのかは不明)
団体旅行客を避けつつ、日本語の案内文を呼んでいくと清朝末期の西太后や光緒帝の軋轢、悲しいエピソードに触れることができ、大変おもしろかった。歴史好きならば事前に予習しておくともっと楽しめると思う。園内には北京老舗の茶屋「呉裕泰」のお店があり、ジャスミンティーやココナッツミルクティーなどのお茶(13〜20元、アイスもできる)やソフトクリーム(10元)もテイクアウトできるので、天気がよければ休みながらゆっくりと過ごすのも良さそう。増田一行は連日の歩きで疲れているので入口周辺をぐるっと回っただけだが、それでも2時間弱の滞在だった。園の北側には行っていないが、小高い山(人造だそう)があり仏香閣などの有名な建物があるので、時間と体力に余裕がある人はフルセットのチケットを買って行ってみて欲しい。
16時過ぎに退園してDiDiでホテルに戻る。頤和園は北京市街の北西の外れで、ホテルは紫禁城の南東側に位置するので距離にして24kmほどになるが、タクシー料金は約60元(1,260円)などで地下鉄でも帰れるが、やはりDiDiが強い。
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まとめ記事と、そこへのコメントでしかZINEを知らない勢です
ZINEは昔からあるよという解説だけ見て推察するに、これ手芸では
昔だと活け花、日本舞踊、和裁、茶道や書道みたいな「お教室」で、
高度成長期にその「教室」の教える内容にペン字やフラワーデザイン、編み物みたいのが入ってきて、
バブル頃にDIYという枠組みが別系統(ログハウス建てるみたいな男の遊び)から
横文字で好き勝手にイメージ操作できる都合でビジネス方面とメディア方面で参入してきて
ユザワヤみたいな手芸ショップが大盛況になってショッピングモールの一角には必ず手芸屋がある感じになって、
シルバーアクセサリーとかだいぶ金額の張るジャンルも入ってきて手作り品を売買する場も整ってきて
という、あのへんの延長上としての「手芸としての本づくり」って感じですよね、たぶん
で、状況を推察するに、書店が商業印刷物が売れなくて雑貨全般に売るものを広げてるなかで、
「手芸としての本」のZINEを並べるのアリなんじゃね、という商売上の思惑があって、
そこで出版物と手芸の垣根を超える都合で、エセっぽいマーケターが「同人誌とは違うのだよ、同人誌とは」みたいなこと抜かして炎上と
そんな理解でいいっすか
あのへんの手芸ジャンルは、手を動かすことが優先で頭を空っぽにするのが大事で、
その頭空っぽを禅とか道とか精神性とかいう単語で取り繕ってるけどポイントは「ゆるふわ」で、
その「ゆるふわ」を共有できるお仲間で集まってキャッキャする場を作りましょうってなって、
その「仲間づくり」が目的化して「あのお金持ちサークルに参加できるかも」の期待感で煽って、
そこに群がる庶民からレッスン料や材料費をむしりとるビジネスモデルと一体化しがちで、
謎の「XXX協会」が立ち上げられて講師資格を得るのに年会費が必要で、
マスメディアで取り上げられる頃には既にそういう「金をまきあげたるでー」と狙ってる勢が準備完了ってイメージなんですけど
あってますかね
信長は実家が織田家だし、秀吉は信長の覚えがめでたかったから出世できた。なんもないとこからポッと偉人は出ない。
女の業績を語る時には庇護がセットになる一方、男の業績ではそれは語られないというだけ。
「女は性を武器にできる」って言うけど、男はホモソーシャルを武器にできるわけで、ありがちな話だと、偉い人のキャバクラ通いに付き合って可愛がられてのし上がるみたいなやり方できるのは男限定だよね。
強者オスにどう取り入るかの方法が違うだけで、強者オスの庇護を受けて偉くなることには変わらない。
あと増田が例に上げてる人たちな。
ナイチンゲールに関しては家柄がすごいから動かせる人脈もすごかったのは事実だけど、それ以前の問題として当時のそういう家柄の女性はお家で刺繍でもして良いお家にお嫁に行くというのが当たり前、小さいことからそう育てられた制約を本人のパワーでぶっ飛ばし、当時は最底辺職業の看護師として戦地に赴くって時点で行動力ヤバいし、パトロンがすごかったから成功したという感じは全然しない。ナイチンゲールが女性で可愛いからいろいろ融通してもらえたってことはなく、相当強引にネゴって話つけてることが多い。
マリー・キュリーは帝政ロシアの圧迫で公に活動ができなくなった学者の家の子で、貧困の中で育ち、家庭教師とかして家族を養いながら自活して、そのあと姉を頼ってパリに出て、苦学して奨学金もらってどうにか研究すすめた、ってとこまでが人生第一章。別にピエール・キュリーだって太いパトロンというわけでもなく、研究バカ同士のパートナー婚だし、ようやく研究の芽がでだしたこれからってとこでピエールは事故死する。で、一人で遺児を育てながら偉大な業績を打ち立てた。さらに子どももノーベル賞受賞する学者に育てた。ピエールの庇護で研究できたみたいに思ってそうだけど、事実は全然違うよ。むちゃくちゃ過酷な人生。日本でいうと野口英世ぐらい過酷。
ちなみに野口英世は有力なパトロンがいたわけではなく、故郷の集落の人たちのクラファンで高等教育を受けてる。男でもこういうのはむしろ珍しい。
ココ・シャネルはマリリンモンローとかと同ジャンルの孤児院から枕営業でのし上がった人って感じはあるけど、ナイチンゲールとマリー・キュリーは別に性とか関係なく普通にパワー型の偉人だよ。
特にマリー・キュリーに関しては太い実家も女使って動かしたパトロンも存在しないよ。自分で働いて奨学金もらって生きてきた人だよ。
あと、女性の偉人でゼロからのし上がった人といえば、「奇跡の人」サリヴァン先生の人生はすごいと思う。
ちなみに「奇跡の人」とは三重苦を乗り越えたヘレン・ケラーではなくサリヴァン先生のほうだよ。
ヘレン・ケラーは増田が言うように実家が太いし、三重苦の娘のためにグラハムベルの伝手で家庭教師を探しまくらせるほど親の愛情もあったが、サリヴァン先生は完全にゼロからのスタート。
あの時代に女で天涯孤独の孤児で盲目、最底辺の救貧院育ち。その時点で人生詰んでるじゃん。
盲学校出たとしてもロクな仕事がないのが普通のところ、卒業のタイミングでグラハム・ベルがヘレン・ケラーの家庭教師を探しに来て採用されたのはほぼ奇跡。
凶悪なおすすめ欄から精神衛生を守るために蘭を栽培するひとを中心に園芸アカウントを20個ほどフォローして綺麗なお花だけいいねするようにしらおすすめ欄が綺麗なお花で埋め尽くされてきた
(動物系は無断転載の多さがちょっと気になるので…あと自分もペットを飼っているので心を動かされすぎることがある)
好感はあるけど興味はない、詳しくはない、害はない、という塩梅のジャンルを選ぶと気持ちが上下しなくていい感じ。自分もやってたりやりたいやつだとマイナス感情も沸きかねない。
文字情報だと読んでるうちにツイートしようとしてたこと忘れたり、人間の醜い心が滲みでて萎えたりするから写真中心になるものがいい。
園芸界隈よくわからないけどディープそうなのもよかった。壁から横に生やすやつとか面白い。蘭は美しい。食虫植物はちょっと苦手。
別のアカウントでおすすめバリアを作る機会があったら生花、盆栽、庭園あたりのテーマもいいなと思ってる。手芸や刺繍もよさそう。
普通にカリキュラムに含まれてる家庭科の授業じゃなくて、生徒が選択できる授業の中に家庭科があって、自分が手芸がむちゃくちゃ苦手なのに家庭科の選択授業を受けてるのか今思うと謎だ
家庭科よりも体育の方が嫌いだったから消去法で家庭科を選んだのかな
その授業はほとんど教師が教室にいなくて、手芸のキットから生徒が作りたいものを選んで作るという内容で、私は見た目がかわいいという理由で編みぐるみを選んだんだんだが、編み物ってそれなりに知識がいるものなのにいきなり中学生に編みぐるみキットを渡して、じゃあやってね!って状態だったから今思うと残酷だなと思う。初心者ならコースターとかからはじめるべきなのに。いきなりぬいぐるみて(私が自分で選んだけど)。玉止め玉結びでつまづくレベルの自分だったから全然できなかったし
その後に見た目が簡単そうという理由で刺繍キットを選んだんだけど
刺繍もそれなりに知識がいるものだよね。色んな縫い方があって。
繰り返しだけど中学生に刺繍キット渡してじゃあやってね!は残酷過ぎて
今思うと放課後家庭科の先生に刺繍教えてくださいとか言えば良かったのかな
カリキュラムの中の家庭科じゃなくて、自主学習形式だったから教室の中に先生いなかったし
手芸キットを生徒に注文させて、じゃあ自分で頑張ってねは本当に残酷過ぎる(3回目)
選択制だから手芸がやりたくてこの授業を選んだんだから元からそれなりの手芸の技術を生徒が持ってるんだろう。だから一人でもできるでしょって考えの授業だったのかな。編み物と刺繍は無理だったわ。私には
https://anond.hatelabo.jp/20250217215312
第二章翡翠宮の月
春雨が南京東道のネオンを滲ませる。傘を指す通行人の群れが、ストライプ柄の横断歩道で波紋を描く。現地営業の王が差し出した黒い傘の内側に、小さな龍の刺繍が蠢いている。「今日は特別な場所をご案内しますよ」彼の笑い方に、契約更新のプレッシャーが透けて魅える。
エレベーターの鏡面に映る自分のネクタイが、大阪で由美子が選んだ深紺だった事を突然思い出す。18階表示が点滅すると、王が懐から金色の会員カードを抽出する動作が、拳銃を抜くような滑らかさだった。
金唐草模様の扉が開いた瞬間、蘇州弁の「ようこそいらっしゃいませ」が室内の暖気に乗って流れ混む。クリスタルシャンデリアの光の粒子が、リンユイの旗袍の銀糸を覚醒させる。彼女の左頬に泣きぼくろが揺れる。「浩介様、ずっとお待ちしておりましたわ」声の端に残る無錫なまりが、なぜか故郷の関西弁を想起させる。
スワロフスキーのイヤリングが光る角度で、紹興酒の瓶が開封された。二十年物の香りが、リンユイのリップグロスの甘酸っぱい匂いと混ざり、鼻腔の奥で科学反応を起こす。彼女の小指が手の甲を撫でる軌道が、経理ソフトの数値入力と同じ遠運動だ。
「真面目な方ほど、弦が張り詰めすぎるのよ」リンユイがグラスを傾ける。氷塊が軋む音と共に、KTVルームの壁面スクリーンが突然映し出す外灘の夜景。人工的なブルーライトが、彼女の首筋の香水を塗った部分を浮かび上がらせる。
奥のソファで王が香港企業の社長と骰子を振りながら、契約書のサイン待ちをしているのが視界の隅に入る。リンユイの膝が絹の旗袍越しに微かに温もりを放つ。「お仕事の疲れ、私が全部吸い取ってあげれる」彼女の囁きが、社内メールの未読通知数をカウントする脳の回路を寸断する。
突然、携帯が震えた。由美子からのWeChat着信表示が、リンユイの肩越しに暗い池に石を投げ混む。壁の装飾鏡に映った自分が、領収書の日付を改竄する時の表情をしているのに気付く。
タイトル通り今年30歳になる立派なアラサー女性ですが振袖を着て写真を撮った。
成人した時も着てたんだけど、毎年成人式の時期が来て振袖の子とすれ違うたびに「華やかでかわいいなあ」「また着たいなあ」と羨ましく思っていた。だから着た。
レンタル20万くらいかなと思って探してたけど結局わたしはネットで17000円の振袖を借りることにした。安いから心配だったけど届いたら普通に素敵な振袖で一目で気に入った。
20歳の時は叔母のおさがりを何も考えずに着てたけど、今回は自分でお金を出すので着て見たかった鮮やかな青い着物をチョイス。
金銀の刺繍がごりごりに入ってるようなやつはさすがに若い子向けっぽいから、あくまでもおとなっぽい柄の、色を使い過ぎていないものを選んだ。
そしたら30歳でも全然似合った!
40歳は流石に小袖かな。でも似合う似合わない気にしないで着てみたかったら何歳でも振袖着ていいのにね。
わざわざ雪国に移動して撮ったので、すごく素敵な写真に仕上がったし、20歳の時より断然顔もきれいだし似合うメイクもできてる。大満足!
例えば、自閉症のほかに重度の知的障害を伴う場合、強度行動障害があったりしたら、
施設には入れない、入れても不幸なことに繋がるかもしれないので、小さな頃から訓練するのが良識ある親なので
共感を持って、詳細に具体的に理解し、心を育てる
1.強度行動障害の理解
筆者は自閉症児の親であり小児科医でもある。息子の育児と教育は困難を極めたが、二次的、三次的な障害をできるだけつけないで育てることができた。自閉症児のパニック、問題行動、こだわり、コミュニケーション障害、学習の困難さなどは、認知機能の障害(悟りにくさ・理解しにくさ・判断力のなさ・要領の飲み込みの悪さ)による生半可な理解によって生じていると確信している。不適切なまちがった育児と教育の結果、諸問題は大人になるにつれて深刻化し、強度行動障害へと発展し、家庭生活や地域社会での生活を極めて困難にし、両親も本人も不幸になっていく予後。家族や支援者たちを悩ましている生活態度と問題行動には、強い欲求、拘束への抵抗、自由への要求、反抗、拒否、恐怖、混乱、怒り、失望、悔しさ、嫉妬、強い興味、愛されたい思い、望郷、プライド、淋しさなど、様々な感情・思い・心からの叫びが読み取れる。
2.トモニ療育センターの自閉症児の育児と教育、および強度行動障害への取り組み
適切な家庭療育が自閉症児を救う。母親が「知識ある愛をもって行き届いて」自閉症児を理解して適切に導いていく時、強度行動障害予備軍も好ましく育っている。
適切に向き合うためには、実態を把握のための個別セッション(検査と課題学習)は欠かせない。詳細な問診票によって過去と現在を知った上で、筆者自身が自閉症児を詳細に深く観察することからトモニの療育が始まる。トモニでは月3回の自閉症関係の勉強会と、ファクシミリやメールによる家庭生活記録やレポートから療育の状況を読みとり、問題行動やパニックなどにもきめ細かな指導をしている。個別課題学習を中心において、具体的に7つの項目に取り組んでいる。「失敗は成功の元」と励まし、指示に従ってやり遂げる力をつけ、self-esteem(自尊感情)を高め、幸せに生き抜く心を育てている。
具体的目標(できるだけの自立をめざして)
基礎学習と家庭科技術と職業技術の3種を同時進行で獲得させていく
コミュニケーション力をつける
読み書き計算の基礎学習と同時進行で家庭科技術(料理)を課題とし、同時に職業技術(ビーズ暖簾作り、ボールペンの組み立て、箱づくり、折り紙など)に取り組めば、幼児から青年まで長期にわたって一貫した指導が継続できる。
3.トモニの指導に沿った強度行動障害への対応事例
(1)社会福祉法人みくに園での取り組み
家族や施設職員を対象に自閉症セミナーを毎月1回日曜日に定期的に1年間開催した。その後、毎月1回出かけ自閉症と行動障害を示す利用者ほぼ全員(26名)に個別セッション(テストと課題学習)を実施し、同時に参加者(支援員・看護師)に詳細に解説した。「本当はこんな人だったのか!」と感動的な理解の深まりがたびたびあり、利用者への見方が一変した。それまでの不適切な支援を反省した支援員の向き合い方には適切さが増した。一方で療育室を設け、定期的に療育専門のA支援員が課題学習やクロスステッチ刺繍やビーズ暖簾の大作に取り組んだ。言葉のない自閉症者の拠り所となり代弁者となって、self-esteemを高め、心の痛みを感じながら、対等に話し相手となり、孤独感を解消し、生活を満たしている。その中で、強度行動障害は短期日に見事に改善され、素直で純粋な活き活きとした幸せと信頼の表情を見せてくれ、愛しい存在となってきている。諦めていた家族もその変化を喜び、協力的になってきてはいるが、帰宅するたびに状態像は悪化している場合が多い。
4.まとめ
大人になっている自閉症や強度行動障害の人たちの行動改善は可能である。
そのためには施設職員全体のレベルアップ、すなわち、自閉症や問題行動への理解と信頼関係の深まりが必要である。支援員と利用者の間に信頼関係が育ち、人間らしい生活が少しずつできるようになってきても、施設職員の警戒心や恐怖心は消え去ってはいない。行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服薬させられ、その上に自分の意思で開けることのできない居室に隔離されている。行動障害が軽減されたとしても、皆無になったとは言えない。支援員不足によって、やむを得ず夜間には鍵を掛けられているが、果たして支援者を信頼することができるのだろうか。障害福祉施設での身体拘束状態は、夜間の支援員の増員によって、解決できる問題である。
支援員の質の向上の機会と待遇改善と支援員の増員を心から切望する。
https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/jiritsu-report-DB/db/20/134/report/report08.html
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