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はてなキーワード:冷戦後とは

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2025-09-26

anond:20250926011330

物価高で税金バカみたいに取られてるのに

の子大人になったとき

もっと住みにくい日本になっているのではないか

あぁ、もっと生きやす日本になってくれ。

これから起こることとしては、AIによっておそらく産業革命並の巨大なインパクト社会にもたらされる。

冷戦後パックス・アメリカーナおよびグローバリゼーション制度的に寿命を迎えており、世界は新しい均衡点を模索する混乱の時代突入している。

レイダリオが言うような通貨のもの限界現実味を帯びつつある。その結果としての世界インフレでもある。

先進国途上国から安い労働力搾取するのも限界を迎えていることは、チョコレートカカオ豆)の歴史的高騰を見れば庶民でも実感できるだろう。

構造インフレは、2,3年前は半信半疑だったが、どうやら本当らしい。日本金利も上がっていかざるをえず、ゾンビ企業が潰れていき、末梢神経のように地方田舎から死んでいくだろう。

二酸化炭素排出目標達成は困難な情勢であり、当面数十年単位で気温が上昇していくのは残念ながら既定路線となった。真夏の気温は40℃が珍しくなくなるだろう。

温暖化によって農作物魚介類をこれまでのように生産し続けることはできなくなる。代替手段がどこまで上手くいくかの勝負だ。

あらゆる意味でこれまでとは全く違う世界になるだろう。どうやって生きていけるのか、何が正解なのかは全くわからない。少なくともこれまでの正解が正解であり続けることはないだろう。

Permalink |記事への反応(0) | 01:29

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2025-07-12

メディアが流す情報無視して参政党のこと論じても無意味

参政党支持者がなんなのかなんだが、メディア完全無視して推論するのは無理がある。特にXがかなり強烈な角度を付けられている。

 

X

Xのフィルターバブルはかなり強いのでログイン状態ではその人向けのタイムラインが表示されるから変化に気が付いてない人も多いかもしれない。

増田はXにはROM専エロ鑑賞垢だけを持ってて一切投稿していない。見るのも海外シーメールや偽娘だけでタイムラインはおちんちん林立の世界である。更にいいね!も裏筋がいいね!とかもっこりいいね!という以外では押していない。

更に定期的にログインパスワードを忘れる上に捨てメアドパスワードも忘れるのでよくアカウントを取り直している。更にフォローもしていない(その都度アカウントを直接打ち込んで探す)。

 

こういう使い方なのに、去年秋ぐらいか外国人犯罪マナー違反を詰る動画が頻繁にホーム画面に出てくるようになった。要するにミジンコなんとかとかそういう奴ら。

イーロンが買収してからキュレーションを止めたので企業広告が無くなり、差別系のポストが増えた。とは言っても海外面白ネタや微エロ、なにか事件が起きた時公的機関声明アザラシ幼稚園なんかが多くてそこに差別ポストが増えたという程度だった。その差別ポスト大統領選大詰めになって更に増えたという程度の事だった。

 

ゼレンスキー罵倒事件

これが急激に変わったのがあの歴史教科書に載るであろうホワイトハウスでのゼレンスキー罵倒口論事件後。

この直後から色が付いていない新規アカログインしてもこういう状態になった。

外国人犯罪マナー違反ミジンコなんとかなどの一群の奴ら)

海外での移民による暴力映像

・裕福な生活をしている難民映像

・親露派情宣コンテンツプーチンを讃える)

ウクライナ叩き(キーウのディスコではウクライナ女が踊ってる、こんな国を助ける必要がありますか?など)

だけ。つまりまっさら状態だと海外面白動画などが一切タイムラインに出て来ずに外人叩き、移民叩き、ロシア情宣、ウク叩きだけで埋まるという状態

 

更にこういうのも流れてくるように

 

JSF防衛に近い右派ブロガー親中派だの日本人じゃないと詰られている

 

トランプ冷戦後グローバル普遍文化覇権的となった西側を弱体化させる意図当選させるべくプーチンロシアネット工作していた。更にゼレとの口論安全保障上の衝撃的な出来事であり安全保障畑の人間が座視できるわけがない。そこで批判的な事を書くと、排外主義で親露反宇のロシア産「完成された世界」に浸っている者が世界を棄損されたと憤り排外的罵倒をしてそれに沢山の「いいね!」がついてたのだ。

この頃のJSF等はかなり困惑している様子が見て取れた(だが迎合は決してしなかった)。切込隊長が「いまやなぜかリベラル扱い」とか言ってるのにはこの辺りも関係してそう。https://note.com/kirik/n/n8398c7d84c61 (副島隆彦が狂う前とかの言い訳無用、〇キと知性が絡み合う小室直樹ゼミですぜ)

 

Youtubeロシア情宣の扱い

このゼレ口論後の親露派情宣コンテンツYoutubeショートでも急増していた。具体的には、日本語アカウント海外面白動画3つ+プーチン賛美1つを繰り返すアカウント複数あった。海外面白2+ロシア面白所謂ロシア)2つ+プーチン賛美1つみたいなパターンのものもあった。

これらのアカウントの特徴は11月開設という事で、つまり大統領選トランプが選出された直後に作られている。ロシアが情宣目的外部業者に依頼したのか、トランプ勝利世界情勢の先を読んで第三者作成したのかは不明

これを転載チャンネルナレーションを変えて転載するので一時期は昔のプーチン人気が再発したような状態になっていた。Youtubeはこの元のアカウント群を停止したので今は沈静化している。

 

6月初旬

Xの傾向がまたガラっと変わったのが6月初旬で、面白動画タイムラインに出るようになった。何があったかといえばマスクトランプ批判だ。今の状態はゼレ口論事件の前ぐらいの状態になっている。

 

これはやはり自然にそういう流れになっているのではなくてアルゴリズムだろうと思う。特に6月初旬の変化は社会情勢が論調を動かしたという変化じゃないわけで。

 

フジTV

フジテレビの夕方18時台のニュースも特徴的だ。5~10分くらいの短い特集がいくつも挟まれるがその内容は

外国人事件狼藉

自転車交通違反

ドラレコ映像煽り事故

外国人事件狼藉

年金で暮らす老人のやりくり

中国での事故映像

外国人事件狼藉

インフレ物価スーパー取材

外国人事件狼藉

って感じで、このニュース誰が見るんだ…という状態になっている。YoutubeではFNNは一番煽情的なので再生数が多いのだがそれがTVの方に影響与えてる感じ。しかも昔からFNN全国ネットで抜群に取材力が低い。

 

必要なのはネトフリでは

Xでフィルターバブル形成で一度でも政治ポストクリックして、夕方FNN見て、Youtubeニュースチェックして…とやってる人には、政治イシューアジェンダ)は外人問題以外見えなくなるのではないか?冷静に考えればそりゃおかしいと気が付くのだが。だって増田はXでおちんちん女ばかり見てるが、それが主要イシュ―だとか思わんしな。

実家の親がYoutubeネトウヨに→ネトフリ契約という方法があったが、ああい方法必要なんじゃないかと思われる。アメリカ見てたら国民が適切なアジェンダ設定する能力失うと先人が積み上げてきたモノを全部吹っ飛ばしてそれにも気付かないという危惧を抱くもんだが、XとFNNだけ見てるとその不安は一切感じないだろう。

そういう訳でフィルターバブルの中にいる事を気付く為のネトフリ的なモノが必要だろうと思う。増田は代わりにフリフリしたモノを見ているので不必要ではあるが。

Permalink |記事への反応(0) | 18:07

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2025-06-26

anond:20250626125317

はいデマ普通にでたぞ

フランクキャンパーという元ベトナム退役兵が1980年代傭兵学校設立しました、並木書房から日本人の参加ルポが出ていたと思いますがその詳細を教えてください

エコー・イン・ジャパンフランクキャンパー並木書房、そして傭兵の呼び声に応えた日本人

序論:「傭兵ブーム」と一読者の記憶

質問の内容は、単なる書籍の問い合わせにとどまらず、1980年代日本における特異な文化的モーメントを映し出す歴史的アーティファクトである。この時代日本では軍事特に傭兵特殊部隊といったロマンチックかつ危険世界への大衆的関心が急激に高まった 1。この熱狂は、落合信彦氏のような作家が手がけた「スーパードキュメント」と呼ばれるノンフィクションによって大きく煽られた。特に、氏の著作傭兵部隊』はフランクキャンパーを大きく取り上げ、後の日本人参加者を含む当時の若者たちに強烈なインスピレーションを与えたのである 1。

報告書は、ご質問者が記憶されている「日本人の参加ルポ」と完全に一致する一冊の本存在しないものの、その記憶フランクキャンパー高橋和弘、毛利元貞といった人物並木書房による出版物、そしてキャンパー学校とその「後継」組織という、相互に関連し合う魅力的なネットワークを指し示していることを明らかにする。その全貌は、一個人の参加報告よりもはるかに複雑で、示唆に富むものである

この現象を解き明かす上で、並木書房役割は極めて重要である。同社は単に受動的な出版社ではなく、日本市場に向けて「傭兵」や「サバイバル」といった特定サブジャンルを積極的開拓形成した「キュレーター」であった。まず、1990年高橋和弘訳によるフランクキャンパー自身の著書『ザ・マーセナリー』と『ザ・ラープ』を出版し、日本におけるキャンパーブランド確立した 9。同年、その翻訳者である高橋自身体験記『USサバイバルスクール』を刊行 14。これは、確立されたキャンパーブランド翻訳者信頼性を利用して、新たな日本オリジナル作品市場に投入する戦略であった。翌年には、キャンパー象徴する世界に直接繋がるもう一人の日本人毛利元貞の『傭兵修行』を出版した 15。この一連の流れは、海外の著名な人物を輸入してブランド化し、次にそのブランドに連なる国内物語を発掘・出版することで、ニッチ市場全体を掌握するという、並木書房意図的戦略を示している。

第1章:スクール創設者フランクキャンパー解体

1.1. 論争の的となった経歴:兵士情報提供者、そして神話創造

フランクキャンパー公的ペルソナと、彼が設立した傭兵学校信頼性の核となっていたのは、その軍歴であった。彼は自身ベトナム戦争従軍した第4歩兵師団の長距離偵察パトロール(LRRP)隊員であると主張し、そのエリートとしての経歴を喧伝した17。この物語は、後に日本で『ザ・ラープ 長距離偵察部隊』として翻訳出版される自著『LRRP: The Professional』によって、さらに補強された10

しかし、1985年に公開された公式の軍記録は、彼が歩兵およびトラック運転手として訓練を受けたと記しており、その経歴に疑問を投げかけた17。この矛盾は、1988年キャンパー自身上院委員会公聴会証言したことにより、ある種の解決を見る。彼は、軍事情報部、CIA、ATF(アルコールタバコ火器及び爆発物取締局)、FBIとの「高度な機密指定を受けた経歴」を明らかにし、矛盾する記録は情報機関によるカバーストーリーであったと説明した 19。彼によれば、1970年から秘密情報提供者として活動し、アメリカ共産党(CPUSA)やアラバマ黒人解放戦線(Alabama Black Liberation Front)のような組織に潜入していたという17。この兵士情報提供者という二重のアイデンティティこそが、彼の行動を理解する上での鍵となる。

1.2. マーセナリースクール1980年-1986年):準軍事事業実態

1980年キャンパーアラバマドロマイト近郊で「マーセナリースクール」を開校した。当初、実地訓練はフロリダで行われていたが、原子力発電所付近での不法侵入容疑による逮捕後、拠点アラバマジェファーソン郡のウォリアー川沿いにある77エーカー森林地帯に移した17

学校は『ソルジャー・オブ・フォーチュン』のような軍事雑誌宣伝され、2週間のコース料金は350ドルから500ドルに設定されていた17。訓練内容は、体力トレーニング銃器の取り扱い、白兵戦ナイフ格闘術、サバイバル技術ランドナビゲーション(地図判読)、E&E(脱出回避)、爆発物、ブービートラップの設置など、多岐にわたった 1。機密解除されたCIA文書には、司令部であった「バンカー」の様子や、実弾が飛び交う中で行われた「ライブ・ファイア」演習の生々しい記述が残されている 22。

キャンパー学校設立理念として、米国政府のための情報収集と、将来的な協力者となりうる外国人資質を見極めることの2点を挙げていた 21。これは彼が担っていた情報提供者としての役割と一致する。しかし、批評家たちからは、この学校は単なる「大規模なペインボールゲーム」に過ぎないと揶揄されてもいた17

1.3.無頼漢学び舎テロ犯罪の温床

キャンパー学校は、単に軍事技術を教える場にとどまらず、国際的テロリズムや犯罪と深く結びついていた。

1984年から85年にかけて、4人のシーク教過激派がこの学校で訓練を受けた17キャンパーは彼らに武器や爆発物の使用法、暗殺技術指導した 21。彼は、当時インドラジブ・ガンジー首相の訪米に合わせた暗殺計画を阻止するため、FBIと協力しておとり捜査を進めていたと主張している17しかし、このおとり捜査の網をすり抜けた2人の訓練生が、キャンパー学校からまれたとされる爆発物を使用し、1985年に329名の命を奪ったエア・インディア182便爆破事件を実行した 21。キャンパーは後に、容疑者全員を逮捕できなかったのは、自身提供した情報関係機関によって不適切に扱われたためだと非難した 21。

学校終焉を決定づけたのは、1985年キャンパーと3人の教官カリフォルニア州学校経営者から依頼を受け、元従業員の車に爆弾を仕掛けた事件であった 21。彼らは1986年5月逮捕され、この逮捕アラバマ司法長官に、州の私立学校免許なしで運営されていた同校を閉鎖する法的根拠を与えた17キャンパー有罪判決を受け、14年の懲役刑を宣告されたが、実際には5年半服役し、1991年12月に釈放された17

この一連の出来事は、マーセナリースクールが単に犯罪者が集う場であったという以上に、より複雑な本質を持っていたことを示唆している。キャンパー公言していたように、この学校米国政府のための情報収集目的とした「ハニーポット(蜜の壺)」として構想され、運営されていた。その設計思想自体が、過激派犯罪者を引き寄せるものであった。彼は実際に、ナイジェリアへの武器密輸計画KKK関連のクーデター計画など、訓練生の違法行為当局通報し、逮捕に貢献している17シーク教徒の事件に関するFBIの宣誓供述書にも、アラバマ州の「信頼できる情報源」から通報があったことが記されている 22。

しかし、このモデルは致命的な欠陥を抱えていた。エア・インディア機爆破事件は、この「ハニーポット戦略破綻した最悪の事例であるキャンパーが教えた技術は、彼が仕掛けたおとり捜査の網をすり抜けたテロリストによって、悲劇的な形で実行されてしまった。したがって、この学校遺産は単なる犯罪歴史ではなく、国家による情報収集活動民間委託され、危険個人を「育てる」ことと「罠にかける」ことの境界線曖昧になった結果、大惨事引き起こし高リスク秘密工作の失敗例として記憶されるべきである学校存在のものが、ある種の秘密工作の一環であり、その破綻は、その機能から直接的にもたらされた必然的帰結であった。

第2章日本との接点-並木書房から出版された参加報告

2.1. 直接的な回答:高橋和弘の『U.S. Survival School』

質問者が記憶されている「日本人の参加ルポ」に最も直接的に該当するのが、高橋和弘氏による著作である高橋氏はアウトドアサバイバル技術に造詣の深い日本ライター翻訳家であり、並木書房から出版されたキャンパーの著書の日本語訳も担当していた 9。

1990年並木書房は彼のオリジナル著作『USサバイバルスクール―極限の野外生存術』を出版した 14。この本こそが、ご質問の核心に触れる一次資料である。本書は、高橋自身アメリカ渡り、8つの異なるサバイバルおよび軍事スクールに参加した際の体験を綴った一人称ルポルタージュであり、その第3章が「傭兵学校マークスクール(MS)」と題され、ユーザー記憶する詳細な参加報告が記されている 14。

2.2. 決定的な繋がり:「マークスクール」と教官ピート

重要なのは高橋氏が参加した「マークスクールMS)」が、1986年に閉鎖されたキャンパーアラバマ学校のものではないという点である調査によれば、この学校は、フランクキャンパーの元アシスタント教官であった「ピート」という人物が新たに設立した「後継」の学校であったことが特定されている 2。この事実は、毛利元貞氏のWikipediaページの脚注において、高橋自身の著書『USサバイバルスクール』を典拠として明記されている。「スペシャルアサルトスクール」とも呼ばれたこの後継学校は、ミシシッピ州拠点を置いていた 2。

この事実関係を整理することで、ご質問者の記憶の謎が解ける。記憶機能的には正しく、しかキャンパーという著名な名前と、実際に日本人が報告した学校とを混同していたのである。その報告は、キャンパー弟子運営し、キャンパーを中心としたカタログを構築していた並木書房から出版された、「キャンパースタイル」の傭兵学校に関するものであった。つまり、ご質問者の記憶の核心は正しく、その背景には直接的な血脈存在していた。1990年当時の読者にとって、キャンパー本人の学校と、その直系の後継者運営する学校との区別些細なものであり、体験の「精神」はキャンパー遺産のものの延長線上にあったのである

2.3. 並行する物語日本人教官毛利元貞

この物語には、もう一人の重要日本人が登場する。1964年まれ毛利元貞氏である 2。彼もまた落合信彦の『傭兵部隊』に触発され、より実践的な経験を求めて自衛隊、そしてフランス外人部隊へと進んだが、いずれも脱走している 2。

彼の探求は、アメリカピート運営するミシシッピ州の「スペシャルアサルトスクール」へとたどり着く。しかし、彼は参加者としてではなく、その卓越した技能を認められ、同校の「教官」となった 2。1991年並木書房は彼の体験をまとめた『傭兵修行世界冒険を求めて』を出版した 15。この本は、ジャーナリスト的な参加者として訪れた高橋氏の視点とは対照的に、組織スタッフとして完全に内部に溶け込んだ日本人視点から描かれた、ユニークで並行する報告となっている。

高橋氏と毛利氏の物語は、このアメリカサブカルチャーに対する日本人の二つの異なる関与の形を象徴している。高橋氏は、体験し、記録することを目的とした「観察者・記録者」であり、その役割本質的にジャーナリスティックであった 14。一方、毛利氏は、その世界を報告するだけでなく、自ら生きることを目指した「実践者・求道者」であり、その目標プロフェッショナルになることであった 2。並木書房がほぼ同時期に両者の著作出版したことは、同社が、体験談を読んで楽しみたい「 armchair enthusiast(安楽椅子探偵)」層(高橋の読者)と、自らもそうなりたいと夢見る層(毛利の読者)の両方を読者層として認識していたことを示唆している。二人の本は、日本の「傭兵ブーム」が内包するファンタジーの全スペクトラムに応えるものであった。

表1:フランクキャンパー周辺の主要な日本出版物

書籍タイトル(日本語)

英語翻訳原題

著者/翻訳者

出版社

関連性

ザ・マーセナリー傭兵たちの世界

Merc: The Professional

フランクキャンパー (著),高橋和弘 (訳)

並木書房

1990

キャンパー自身傭兵としてのキャリアを語り、日本での彼のペルソナ確立した 9。

ザ・ラープ 長距離偵察部隊

LRRP: The Professional

フランクキャンパー (著),高橋和弘 (訳)

並木書房

1990

キャンパーベトナム戦争回顧録日本の読者に対して彼の軍事的<

Permalink |記事への反応(6) | 14:52

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2025-06-14

anond:20250614145607

ソ連中共ポルポトを礼賛していた人たちは今どうしてるんだろうな

結局は冷戦後にその人達反省してないのが良くないと思う

Permalink |記事への反応(0) | 16:58

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2025-05-17

anond:20250517225110

「VUCA(ブーカ)」という言葉が持つ説得力は、その背景にあるリアルな状況認識に由来します。

Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

これはもともと米軍冷戦後世界分析するために用いたフレームワークで、「敵が見えない・状況が変わりやすい・因果が読めない」という混沌を捉えようとしたものでした。

まり現実記述するための言葉としては非常に鋭利なんですね。気候変動やパンデミックグローバル経済生態系臨界点、AIによる社会変動など、「線形予測が通じない領域」に非常によくフィットします。

一方で、それがビジネス用語として定着する過程で軽薄化してしまったのも事実です。

スーツ姿の「考えてる風」の中年が「今はVUCAの時代からねえ」とか言って、実際は具体的な戦略もないまま右往左往してる……という構図には言葉けが浮いていて中身が伴っていない違和感があります

まりあなたが感じている「説得力あるのに、なんかビジネス用語っぽくてダサい」という矛盾は、

元々は本物のカオスに直面した軍事的戦略文脈で生まれたが、それを中身のないマネジメント言語として消費する人たちが出てきたという二重性のせいです。

VUCA自体現代世界を捉える優れたレンズだけど、それを使う人間の深度次第で意味希薄化する、という構図ですね。

補足すると、「VUCAにどう対応するか」の文脈で「Vision, Understanding, Clarity, Agility」という後付けの“ポジティブVUCA”を掲げる人もいますが、これもまたビジネス業界が「不安を処理可能ものに見せかける」手段として利用してる感が否めません。

VUCAは、人間認知組織構造のものを変えなければ対応できないレベルの変化を指していると思っておいた方が、言葉を正しく使えます

Permalink |記事への反応(0) | 22:58

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2025-04-01

anond:20250331211901

アメリカまれアメリカ育ち、アメリカしか住んだことのないアメリカ人(ただしDNA50%日本人です)の一人の意見です。

アメリカ文字通り完全に乗っ取られたし、トランプの二期目は始まったばかりなのにすでに修復不可能ダメージ国内にも国外にも与えてしまった。

市場原理主義一人勝ちしてきた冷戦後歴史邪魔して、政治家の全員がGen Z になる頃までは路線変更もできないと思う。

昔はこういう困難を革命とかで乗り越えてきたけれど、今は命の値段は高いし軍隊も強すぎるから、何も起きないし起こせないと思う。

まり、もう元には戻らないと思ってる。

Permalink |記事への反応(1) | 07:46

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2025-02-19

トランプによってドル崩壊アメリカ覇権を自ら崩壊させていくのを解説

アメリカ覇権歴史とその背景

1.第二次世界大戦後の覇権確立1945年〜)

第二次世界大戦後、アメリカ世界最大の経済大国となり、国際秩序形成に大きな影響を与えました。以下のような取り組みが覇権を支えてきました。

経済的リーダーシップ:

ブレトンウッズ体制の構築により、ドル基軸通貨となり、国際貿易の中心に。

世界銀行やIMF設立を主導し、経済援助を通じた影響力を確立

軍事的優位:

NATOを中心とした軍事同盟形成

世界中に軍事基地を展開し、グローバルな警察役を担う。

ソフトパワー活用:

ハリウッド映画ポップカルチャー文化的影響力を拡大。

民主主義自由主義価値観世界に広める。

2.冷戦後の単極的覇権1991年2000年代

ソ連崩壊後、アメリカは「唯一の超大国」となりました。

経済グローバル化推進:

WTO創設やNAFTA締結で自由貿易を加速。

IT革命によりアメリカ企業が世界市場を席巻。

軍事介入の積極化:

湾岸戦争イラク戦争軍事的影響力を行使

国際機関での影響力維持:

国連G7での主導的立場を維持。

3.トランプ政権覇権の「自己破壊」傾向(2017年2021年

トランプ大統領の登場は、従来のアメリカ覇権スタイルに大きな転換をもたらしました。

外交政策の転換

• 「アメリカ・ファースト」主義:

同盟国への防衛費負担増を要求し、NATOとの関係が緊張。

環境問題消極的で、パリ協定から離脱

ウクライナ対応:

ロシアに対して従来より融和的な態度を見せ、東欧諸国の不信を招く。

ウクライナへの軍事支援外交的サポートを縮小し、ヨーロッパ安全保障バランス不安を生じさせた。

経済政策の転換

保護主義の強化:

中国に対する関税引き上げで「貿易戦争」が勃発。

日本EUにも自動車・鉄鋼への関税をちらつかせ、経済的緊張を高めた。

多国間主義から離脱:

TPPから離脱アジア太平洋地域での経済的影響力を自ら縮小。

WHO国連に対する拠出金削減で国際的信頼が低下。

なぜ「自己破壊」と感じられるのか?

1.同盟関係の弱体化

長年築いてきた同盟国との信頼関係が損なわれることで、アメリカ国際的立場が弱まっています同盟国は中国ロシアとの関係強化を模索し、アメリカへの依存を減らし始めています

2.経済的孤立の加速

関税政策一時的国内産業保護には有効でも、長期的には報復関税を招き、アメリカ企業の国際競争力を低下させますTPP離脱により、アジア市場での影響力が中国に取って代わられる結果を招きました。

3.ソフトパワーの失墜

国際協調から離脱は、「自由民主主義守護者」というアメリカブランドイメージを傷つけています文化的影響力も相対的に低下してきています

なぜこのような政策が取られたのか?

1.国内の分断とポピュリズムの台頭

中間層の没落と地方経済の衰退により、グローバル化への反発が強まりました。トランプ政権はこれに応え、「国外より国内優先」というメッセージを前面に出しました。

2.覇権維持のコスト負担問題

世界警察役を続けるコスト国民にとって過重であるとの認識が広まりました。トランプ政権短期コスト削減を優先し、長期的な覇権維持の戦略を後回しにしました。

今後の展望

覇権復活の可能

• 次期政権多国間主義回帰すれば、同盟国との関係再構築は可能

ソフトパワーの強化を通じ、影響力を回復できる余地は残されています

多極化の進行

中国EUロシアの影響力が増し、アメリカが「一強」ではない多極化した世界が到来。ウクライナ対応EU軍が創設されたら決定的になるでしょう。

アメリカ覇権を維持できたとしても、過去のような絶対的優位は期待しにくいでしょう。

結論

アメリカは長年、経済力、軍事力文化的影響力を駆使して世界覇権を維持してきました。しかトランプ政権下での外交経済政策は、その基盤を自ら弱体化させる結果を招いています。背景には国内の不満や覇権維持の負担増といった要因がありましたが、短期的な国内向けの成果が長期的な国際的影響力を損なったのは否めません。

今後、アメリカ覇権回復するには、国際協調国内再建のバランスをどう取るかが鍵となります。さもなければ、覇権の座を多極化する世界に譲ることになるでしょう。

Permalink |記事への反応(1) | 16:12

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2024-12-08

シリアアサド政権崩壊に対する日本人の無関心ぶりが不思議でならない

特に左派パレスチナ応援アピールパレスチナ国旗マークスイカアイコンを掲げながらどうして無関心でいられるのだろうか

アサド政権はこの10年でサリンなどの化学兵器を用いた大量虐殺や、多くの対立者を刑務所に送り片っ端から死刑にするなど、数十万人のシリア人を死に至らしめており、冷戦後で見ても最悪の指導者だったが日本では岩波アサド政権プロパガンダを垂れ流したりしていた影響なのか、状況がよく理解できていないようだ

今回のシャーム解放機構による宗教民族外国依存しない政権打倒はそれこそ韓国デモなんかよりもよっぽどすごいことで、ロシアイランヒズボラの弱体化が生んだ奇跡とも言うべき出来事なのだが…

[追記]

そもそもシリアの事を知らない人が多いようなので、端的にわかやすく識者のアカウントをいくつか紹介しておきます。信頼できる人、留保がいる人、プロパガンダな人と色々いるので見比べるといいと思う

〈信頼できる人々〉

黒井太郎

アサドプーチンを追ってきたジャーナリストシリアについてフラットに一番詳しいと個人的には思っている

https://x.com/BUNKUROI

石田昌隆

リベラル写真家中東には以前から詳しく、特定イデオロギーに偏っていない貴重なリベラル

https://x.com/masataka_ishida

・直立演人

ユダヤ学徒。イスラエル事情に詳しい

https://x.com/royterek

露探【円谷猪四郎】

ロシアを中心としたジャーナリスト

https://x.com/karategin

留保必要な人々〉

内藤正典

トルコをメインとするイスラム学者トルコについては信頼がおけるがシリアに対してもトルコ寄りの視点なのは留意しないといけない

https://x.com/masanorinaito

・異常者

イスラエルを中心とした中東事情に詳しい現地人物視点としては基本的イスラエル寄りだがイスラエル全支持とまではいかない

https://x.com/onigari_ijousya

〈信頼出来ない人々〉

青山弘之

アサドべったりのプロパガンディスタ。アサド政権と深い関係を築いていた

https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/aoyamahiroyuki

青木健

中東調査会研究主幹青山のお仲間の親アサド

https://x.com/kenta_aoki

篠田英朗

国際関係学者。中立的視点標榜しながら親露、親アサド発言を繰り返すロシア寄りの人物

https://x.com/ShinodaHideaki

Permalink |記事への反応(30) | 19:00

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2024-12-02

anond:20241202132529

矢追純一テレビ番組自体フィクションだったけど、

UFO存在というか、地球人ではない人間らしき生物はどうも実在しているらしい。

冷戦終結までは、非地球人文明を味方につければ、圧倒的に勝利できると確信していたから、徹底的にその存在を隠されていた。

冷戦後は、非地球人存在は、社会に混乱をもたらす可能性があるとして、その存在を隠されていた。

現在は、非地球人存在公表しても騒動にならないように下準備をしている段階。

NASAペンタゴンも、UFO存在情報をちら見せしつつある。

これは、中国宇宙船開発が順調で、もし中国が全世界に先んじて、月面宇宙人基地情報を公開してしまったら、

メンツが丸つぶれになるから

Permalink |記事への反応(0) | 13:36

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2024-10-31

anond:20241031101308

冷戦期は欧米露は軍事に人も金も取られてたけど、冷戦後はそれが一気に民間に流れて中韓台香も伸びたというのも一因

Permalink |記事への反応(0) | 10:27

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anond:20241031084308

古いハリウッド映画見てたらアメリカ人自国を「世界最強の国」とか言ってて、冷戦後アメリカ1強時代事実だったんだろうけど自分たちで言っちゃうのかって思った

Permalink |記事への反応(1) | 09:03

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2024-09-22

anond:20240922042604

そもそもイスラエルソ連崩壊後はずっと親ロシア

冷戦後ロシアからイスラエルに大量の移民が押し寄せたし

ロシア親族や親戚を残している人たちも多いからね

からウクライナ支援には消極的

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2024-08-12

anond:20240812145705

科学者とかエンジニアの多くは冷戦後ロシア移民の子や孫たちだから

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2024-02-27

anond:20240227174614

それらは冷戦後90年代からゼロ年代資本主義に傾倒したことで今ぐらい国力になった国だが?

しかも、反資本主義転向して、まさに今陰りが見え始めている。

Permalink |記事への反応(0) | 17:53

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2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(Iam behind thePresident.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈Permalink |記事への反応(0) | 18:37

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2023-10-31

anond:20231031142049

日本政党政治の話で難しいのって、未だにコテコテの一党優位政党制を守り続けてる国なんて日本くらいしかいからなかなか他国比較できなんだよな

冷静期なんかは自由主義的な与党社会主義的な野党うまいことバランス取れてた国もあったんだけど、そういう国はだいたい冷戦終結後に野党が崩れて与党も拠り所の社会主義への恐怖が消えて崩れた。けど自民党はこれが起きた細川内閣発足後に一時の民主党政権以外自民党政権を握るって長期政権を維持してる

冷戦後の一党優位政党制なんてどこもやれてないから、良くも悪くも日本自民党先駆者となってどういう顛末を迎えるのか世界に見せる立場になってる。

日本政権交代の話は結局この特異な状態をどう評価するかという話になるから難しいし、これに明確な答えを出せるなら政治学者になれワンチャン歴史に名を残せるぞ

Permalink |記事への反応(0) | 19:16

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2023-08-13

以外と英国以外のヨーロッパの国は入ってないのな。

やっぱりアメリカ式フェミニズムって局所的なブームに過ぎないんじゃ?


https://japan.thenewslens.com/article/4370

「だが、中国に関しては、冷戦後最も悪化したとされる米中関係や、米国象徴するバービー人形思い入れのある人は少ないとみて、興収も当初は期待されていなかった。ところが、いざふたを開けてみると、北米以外では英国メキシコブラジルオーストラリアに次いで中国世界で5番目のドル箱市場となっているというのだ。」

Permalink |記事への反応(0) | 08:19

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2023-07-27

anond:20230727155540

バブル世代は優秀なんかじゃないぞ

アメリカ冷戦のショーケースとして日本を発展させただけ

アメリカのお陰で経済成長してただけだから何もしなくても勝手経済成長できた

冷戦後はアメリカに嫌われて日本本来の実力でやらなきゃいけなくなったから衰退した

Permalink |記事への反応(1) | 16:28

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2023-07-09

anond:20230709190206

冷戦後情報公開北朝鮮先制攻撃とかトンキン湾事件事実だったと証明されたようなもんじゃ

誰もマトモに追わなかったのは非難されても仕方ないけど

Permalink |記事への反応(0) | 19:04

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2023-02-09

anond:20230209172808

薬害エイズやら冷戦後やらかし続けてるのにそんな事言われても困るんだよな

これは余談なんだけど、地方連合全労連部分的共闘野党共闘後に進めてる地域がそこそこあるんだよね これに冷や水差すような言動されたら共闘に全力注いでた地方人間はキレるのも仕方ないよね

Permalink |記事への反応(0) | 17:31

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2022-09-28

anond:20220928132216

冷戦後鉄のカーテンが開けたときにも、ソ連の国力低すぎてとてもアメリカに勝てるわけねぇじゃん、ってなったんだよな。

 

それがまた繰り返されてると思うと、もはやロシア威信なんてものは一生戻ってこないかもしれんな。

Permalink |記事への反応(0) | 13:23

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2022-09-16

anond:20220916162744

日本原発メルトスルーするなんてあり得ないことだろう、まさかまさか

冷戦後グローバル化が進みに進んだ現代ロシア他国に対して侵略戦争するなんてあり得ないことだろう、まさかまさか

ロシア軍隊は大規模かつ強力だからウクライナが持ち堪えるなんてあり得ないことだろう、まさかまさか

まさかまさかまさか…ねぇ

Permalink |記事への反応(0) | 16:32

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2022-07-16

anond:20220716162701

冷戦時代資本主義国で社民政策採用されたのは、指導者層が革命で吊るされる恐怖からだった

という主張の妥当性を問うのに、

なぜ冷戦期に格差が縮小して冷戦後に第二次世界大戦以前のように格差が拡大しているんですか?

という質問が全く無関係からですよ。

Permalink |記事への反応(1) | 16:31

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anond:20220716160351

そもそも"「冷戦期に格差が縮小して冷戦後に拡大したこと」が「冷戦期の西側指導者の恐怖感」の存在証明する"とよく分からないこと言い出したのはあなたですよ?格差がなぜ拡大したのかは重要な話だと思いましたが、無意味だと思ってるならしょうがないですね。

Permalink |記事への反応(1) | 16:12

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anond:20220716155828

何で「冷戦期に格差が縮小して冷戦後に拡大したこと」が「冷戦期の西側指導者の恐怖感」の存在証明するんです?

こう書いたんだけど「お前の質問無意味から」て分からなかったの?

Permalink |記事への反応(1) | 16:03

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