
はてなキーワード:三脚とは
二三年前の夏、未だ見たことのない伊香保榛名を見物の目的で出掛けたことがある。ところが、上野驛の改札口を這入つてから、ふとチヨツキのかくしへ手をやると、旅費の全部を入れた革財布がなくなつてゐた。改札口の混雜に紛れて何處かの「街の紳士」の手すさみに拔取られたものらしい。もう二度と出直す勇氣がなくなつてそれつきりそのまゝになつてしまつた。財布を取つた方も内容が期待を裏切つて失望したであらうから、結局此の伊香保行の企ては二人の人間を失望させるだけの結果に終つた譯である。
此頃少し身體の工合が惡いので二三日保養のために何處か温泉にでも出掛けようといふ、その目的地に此の因縁つきの伊香保が選ばれることになつた。十月十四日土曜午前十一時上野發に乘つたが、今度は掏摸すりの厄介にはならなくて濟んだし、汽車の中は思ひの外に空いて居たし、それに天氣も珍らしい好晴であつたが、慾を云へば武藏野の秋を十二分に觀賞する爲には未だ少し時候が早過ぎて、稻田と桑畑との市松模樣の單調を破るやうな樹林の色彩が乏しかつた。
途中の淋しい小驛の何處にでも、同じやうな乘合自動車のアルミニウム・ペイントが輝いて居た。昔はかういふ驛には附きものであつたあのヨボ/\の老車夫の後姿にまつはる淡い感傷はもう今では味はゝれないものになつてしまつたのである。
或る小驛で停り合はせた荷物列車の一臺には生きた豚が滿載されて居た。車内が上下二段に仕切られたその上下に、生きてゐる肥つた白い豚がぎつしり詰まつてゐる。中には可愛い眼で此方を覗いてゐるのもある。宅の白猫の顏に少し似てゐるが、あの喇叭のやうな恰好をして、さうして禿頭のやうな色彩を帶びた鼻面はセンシユアルでシユワイニツシである。此等の豚どもはみんな殺されに行く途中なのであらう。
進行中の汽車道から三町位はなれた工場の高い煙突の煙が大體東へ靡いて居るのに、すぐ近くの工場の低い煙突の煙が南へ流れて居るのに氣がついた。汽車が突進して居る爲に其の周圍に逆行氣流が起る、その影響かと思つて見たがそれにしても少し腑に落ちない。此れから行先にまだいくらも同じやうな煙突の一對があるだらうからもう少し詳しく觀察してやらうと思つて注意してゐたが、たうとう見付からずに澁川へ着いてしまつた。いくらでも代はりのありさうなものが實は此の世の中には存外ないのである。さうして、ありさうもないものが時々あるのも此の世の中である。
澁川驛前にはバスと電車が伊香保行の客を待つてゐる。大多數の客はバスを選ぶやうである。電車の運轉手は、しきりにベルを踏み鳴らしながら、併しわり合にのんきさうな顏をしてバスに押し込む遊山客の群を眺めて居たのである。疾とうの昔から敗者の運命に超越してしまつたのであらう。自分も同行Sも結局矢張りバスのもつ近代味の誘惑に牽き付けられてバスを選んだ。存外すいて居る車に乘込んだが、すぐあとから小團體がやつて來て完全に車内の空間を充填してしまつた。酒の香がたゞよつて居た。
道傍の崖に輕石の層が見える。淺間山麓一面を埋めて居るとよく似た豌豆大の粒の集積したものである。淺間のが此邊迄も降つたとは思はれない。何萬年も昔に榛名火山自身の噴出したものかも知れない。それとも隣りの赤城山の噴出物のお裾分けかも知れない。
前日に伊香保通のM君に聞いたところでは宿屋はKKの別館が靜かでいゝだらうといふことであつた。でも、うつかりいきなり行つたのでは斷られはしないかと聞いたら、そんなことはないといふ話であつた。それで、バスを降りてから二人で一つづゝカバンを提げて、すぐそこの別館の戸口迄歩いて行つた。館内は森閑として玄關には人氣がない。しばらくして内から年取つた番頭らしいのが出て來たが、別に這入れとも云はず突立つたまゝで不思議さうに吾々二人を見下ろしてゐる。此れはいけないと思つたが、何處か部屋はありませうかと聞かない譯にも行かなかつた。すると、多分番頭と思はれる五十恰好のその人は、恰度例へば何處かの役所の極めて親切な門衞のやうな態度で「前からの御申込でなければとてもとても……」と云つて、突然に乘込んで來ることの迂闊さを吾々に教へて呉れるのであつた。向うの階段の下では手拭を冠つて尻端折つて箒を持つた女中が三人、姦の字の形に寄合つて吾々二人の顏を穴のあく程見据えてゐた。
カバンをぶら下げて、悄々しをしをともとのバスの待合所へ歸つて來たら、どういふものか急に東京へそのまゝ引き返したくなつた。此の坂だらけの町を、あるかないか當てにならない宿を求めて歩き※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はるのでは第一折角保養に來た本來の目的に合はない、それよりか寧ろ東京の宅の縁側で咲殘りのカンナでも眺めて欠伸をする方が遙かに有效であらうと思つたのである。併し、歸ることは歸るとしても兎も角も其處らを少し歩いてから歸つても遲くはないだらうとSがいふので、厄介な荷物を一時バスの待合所へ預けておいてぶら/\と坂道を上つて行つた。
宿屋が滿員の場合には入口に「滿員」の札でも出しておいたら便利であらう。又兎も角も折角其家を目指して遙々遠方から尋ねて來た客を、どうしても收容し切れない場合なら、せめて電話で温泉旅館組合の中の心當りを聞いてやる位の便宜をはかつてやつてはどうか。頼りにして來た客を、假令それがどんな人體であるにしても、尋ねてくるのが始めから間違つてゐるかのやうに取扱ふのは少し可哀相であらう。さうする位ならば「旅行案内」などの廣告にちやんと其旨を明記しておく方が親切であらう。
こんな敗者の繰言を少し貧血を起しかけた頭の中で繰返しながら狹い坂町を歩いてゐるうちに、思ひの外感じのいゝ新らしいM旅館別館の三階に、思ひもかけなかつた程に見晴らしの好い一室があいてゐるのを搜しあてゝ、それで漸く、暗くなりかゝつた機嫌を取直すことが出來たと同時に馴れぬ旅行に疲れた神經と肉體とをゆつくり休めることが出來たのは仕合せであつた。
此室の窓から眼下に見える同じ宿の本館には團體客が續々入込んでゐるやうである。其の本館から下方の山腹にはもう人家が少く、色々の樹林に蔽はれた山腹の斜面が午後の日に照らされて中々美しい。遠く裾野には稻田の黄色い斑の縞模樣が擴がり、其の遙かな向うには名を知らぬ山脈が盛上がつて、其の山腹に刻まれた褶襞の影日向が深い色調で鮮かに畫き出されて居る。反對側の、山の方へ向いた廊下へ出て見ると、此の山腹一面に築き上げ築き重ねた温泉旅館ばかりの集落は世にも不思議な標本的の光景である。昔、ローマ近くのアルバノ地方に遊んだ時に、「即興詩人」で名を知られたゲンツアノ湖畔を通つたことがある。其の湖の一方から見た同じ名の市街の眺めと、此處の眺めとは何處か似た所がある。併し、古い伊太利の彼の田舍町は油繪になり易いが此處のは版畫に適しさうである。數年前に此地に大火があつたさうであるが、成程火災の傳播には可也都合よく出來てゐる。餘程特別な防火設備が必要であらうと思はれる。
一と休みしてから湯元を見に出かけた。此の小市街の横町は水平であるが、本通りは急坂で、それが極めて不規則な階段のメロデイーの二重奏を奏してゐる。宿屋とお土産を賣る店の外には實に何もない町である。山腹温泉街の一つの標本として人文地理學者の研究に値ひするであらう。
階段の上ぼりつめに伊香保神社があつて、そこを右へ曲ると溪流に臨んだ崖道に出る。此の道路にも土産物を賣る店の連鎖が延長して溪流の眺めを杜絶してゐるのである。湯の流れに湯の花がつくやうに、かういふ處の人の流れの道筋にはきまつて此のやうな賣店の行列がきたなく付くのである。一寸珍らしいと思ふのは此道の兩側の色々の樹木に木札がぶら下げてあつて、それに樹の名前が書いてあることである。併し、流石にラテン語の學名は略してある。
崖崩れを石垣で喰ひ止める爲に、金のかゝつた工事がしてある。此れ位の細工で防がれる程度の崩れ方もあるであらうが、此の十倍百倍の大工事でも綺麗に押し流すやうな崩壞が明日にも起らないといふ保證は易者にも學者にも誰にも出來ない。さういふ未來の可能性を考へない間が現世の極樂である。自然の可能性に盲目な點では人間も蟻も大してちがはない。
此邊迄來ると紅葉がもうところ斑に色付いて居る。細い溪流の橋の兩側と云つたやうな處のが特に紅葉が早いらしい。夜中にかうした澤を吹下ろす寒風の影響であらうか。寫眞師がアルバムをひろげながらうるさく撮影をすゝめる。「心中ぢやないから」と云つて斷わる。
湯元迄行つた頃にはもう日が峯の彼方にかくれて、夕空の殘光に照らし出されて雜木林の色彩が實にこまやかに美しい諧調を見せて居た。樹木の幹の色彩がかういふ時には實に美しく見えるものであるが、どういふものか特に樹幹の色を讚美する人は少ないやうである。
此處の湯元から湧き出す湯の量は中々豐富らしい。澤山の旅館の浴槽を充たしてなほ餘りがあると見えて、惜氣もなく道端の小溝に溢れ流れ下つて溪流に注いで居る。或る他の國の或る小温泉では、僅かに一つの浴槽にやつと間に合ふ位の湯が生温るくて、それを熱くする爲に一生涯骨を折つて、やつと死ぬ一年前に成功した人がある。其人が此處を見たときにどんな氣がしたか。有る處にはあり餘つて無い處にはないといふのは、智慧や黄金に限らず、勝景や温泉に限らぬ自然の大法則であるらしい。生きてゐる自然界には平等は存在せず、平等は即ち宇宙の死を意味する。いくら革命を起して人間の首を切つても、金持と天才との種を絶やすことは六かしい。ましてや少しでも自己觸媒作用オートカタリテイツク・アクシヨンのある所には、ものの片寄るのが寧ろ普遍な現象だからである。さうして方則に順應するのは榮え、反逆するものは亡びるのも亦普遍の現象である。
宿へ歸つて見ると自分等の泊つてゐる新館にも二三の團體客が到着して賑やかである。○○銀行○○課の一團は物靜かでモーニングを着た官吏風の人が多い。○○百貨店○○支店の一行は和服が多く、此方は藝者を揚げて三絃の音を響かせて居るが、肝心の本職の藝者の歌謠の節※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はしが大分危なつかしく、寧ろ御客の中に一人いゝ聲を出すのが居て、それがやゝもすると外れかゝる調子を引戻して居るのは面白い。ずつと下の方の座敷には足踏み轟かして東京音頭を踊つて居るらしい一團がある。人數は少いが此組が壓倒的優勢を占めて居るやうである。
今度は自分などのやうに、うるさく騷がしい都を離れて、しばらく疲れた頭を休める爲にかういふ山中の自然を索たづねて來るものゝある一方では又、東京では斷ち切れない色々の窮屈を束縛をふりちぎつて、一日だけ、はめを外づして暴れ※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)はる爲にわざ/\かういふ土地を選んで來る人もあるのである。此れも人間界の現象である。此の二種類の人間の相撲になれば明白に前者の敗である。後者の方は、宿の中でも出來るだけ濃厚なる存在を強調する爲か、廊下を歩くにも必要以上に足音を高く轟かし、三尺はなれた仲間に話をするのでも、宿屋中に響くやうに大きな聲を出すのであるが、前者の部類の客はあてがはれた室の圍ひの中に小さくなつて、其の騷ぎを聞きつゝ眠られぬ臥床ふしどの上に輾轉するより外に途がないのである。床の間を見ると贋物の不折の軸が懸かつて居る、その五言の漢詩の結句が「枕を拂つて長夜に憐む」といふのであつたのは偶然である。やつと團體の靜まる頃には隣室へ子供づれの客が着いた。單調な東京音頭は嵐か波の音と思つて聽き流すことが出來ると假定しても、可愛い子供の片言は身につまされてどうにも耳朶の外側に走らせることの出來ぬものである。電燈の光が弱いから讀書で紛らすことも出來ない。
やつと宿の物音があらかた靜まつた後は、門前のカフエーから蓄音機の奏する流行小唄の甘酸つぱい旋律が流れ出して居た。併し、かうした山腹の湯の町の夜の雰圍氣を通して響いて來る此の民衆音樂の調べには、何處か昔の按摩の笛や、辻占賣の聲などのもつて居た情調を想ひ出させるやうな或るものが無いとは云はれない。
蓄音機と云へば、宿へ着いた時につい隣りの見晴らしの縁側に旅行用蓄音機を据ゑて、色々な一粒選りの洋樂のレコードをかけてゐる家族連の客があつた。此れも存在の鮮明な點に於て前述の東京音頭の連中と同種類に屬する人達であらう。
夜中に驟雨があつた。朝はもう降り止んではゐたが、空は低く曇つてゐた。兎も角も榛名湖畔迄上ぼつて見ようといふので、ケーブルカーの停車場のある谷底へ下りて行つた。此の谷底の停車場風景は一寸面白い。見ると、改札口へ登つて行く階段だか斜面だかには夥しい人の群が押しかけてゐる。それがなんだか若芽についたあぶら蟲か、腫物につけた蛭の群のやうに、ぎつしり詰まつて身動きも出來さうにない。それだのにあとから/\此處を目指して町の方から坂を下りて來る人の群は段々に増すばかりである。此の有樣を見て居たら急に胃の工合が變になつて來て待合室の腰掛に一時の避難所を求めなければならなかつた。「おぢいさんが人癲癇を起こした」と云つてSが笑出したが、兎も角も榛名行は中止、その代りつい近所だと云ふ七重の瀧へ行つて見ることにした。此の道筋の林間の小徑は往來の人通りも稀れで、安價なる人癲癇は忽ち解消した。前夜の雨に洗はれた道の上には黄褐紫色樣々の厚朴の落葉などが美しくちらばつてゐた。
七重の瀧の茶店で「燒饅頭」と貼札したものを試みに注文したら、丸いパンのやうなものに味噌※(「滔」の「さんずい」に代えて「しょくへん」、第4水準2-92-68)を塗つたものであつた。東京の下町の若旦那らしい一團が銘々にカメラを持つてゐて、思ひ思ひに三脚を立てゝ御誂向の瀧を撮影する。ピントを覗く爲に皆申合せたやうに羽織の裾をまくつて頭に冠ると、銘々の羽織の裏の鹽瀬の美しい模樣が茶店に休んでゐる女學生達の面前にずらりと陳列される趣向になつてゐた。
溪を下りて行くと別莊だか茶店だかゞあつて其前の養魚池の岸にかはせみが一羽止まつて居たが、下の方から青年團の服を着た男が長い杖をふりまはして上がつて來たので其のフアシズムの前に氣の弱い小鳥は驚いて茂みに飛び込んでしまつた。
大杉公園といふのはどんな處かと思つたら、とある神社の杉並木のことであつた。併し杉並木は美しい。太古の苔の匂ひがする。ボロ洋服を着た小學生が三人、一匹の眞白な野羊を荒繩の手綱で曳いて驅け※(「えんにょう+囘」、第4水準2-12-11)つてゐたが、どう思つたか自分が寫眞をとつて居る傍へ來て帽子を取つてお辭儀をした。學校の先生と間違へたのかどうだか分らない。昔郷里の田舍を歩いて居て、よく知らぬ小學生に禮をされた事を想ひ出して、時代が急に明治に逆戻りするやうな氣がした。此邊では未だイデオロギー的階級鬪爭意識が普及して居ないのであらう。社前の茶店に葡萄棚がある。一つの棚は普通のぶだうだが、もう一つのは山葡萄で紅葉してゐる。店の婆さんに聞くと、山葡萄は棚にしたら一向に實がならぬさうである。山葡萄は矢張り人家にはそぐはないと見える。
茶店の周圍に花畑がある。花を切つて高崎へでも賣りに出すのかと聞くと、唯々お客さんに自由に進呈するためだといふ。此の山懷の一隅には非常時の嵐が未だ屆いて居ないのか、妙にのんびりした閑寂の別天地である。薄雲を透した日光が暫く此の靜かな村里を照らして、ダリアやコスモスが光り輝くやうに見えた。
宿へ歸つて晝飯を食つてゐる頃から、宿が又昨日に増して賑やかになつた。日本橋邊の或る金融機關の團體客百二十人が到着したのである。其爲に階上階下の部屋といふ部屋は一杯で廊下の籐椅子に迄もはみ出してゐる。吾々は、此處へ來たときからの約束で暫時帳場の横へ移轉することになつた。
部屋に籠つて寐轉んで居ると、すぐ近くの階段や廊下を往來する人々の足音が間斷なく聞こえ、それが丁度御會式の太鼓のやうに響き渡り、音ばかりでなく家屋全體が其の色々な固有振動の週期で連續的に振動して居る。さういふ状態が一時間二時間[#「二時間」は底本では「二間時」]三時間と經過しても一向に變りがない。
一體どうして、かういふ風に連續的に足音や地響きが持續するかといふ理由を考へて見た。百數十人の人間が二人三人づつ交る/″\階下の浴室へ出掛けて行き、又歸つて來る。その際に一人が五つの階段の一段々々を踏み鳴らす。其外に平坦な縁側や廊下をあるく音も加はる。假に、一人宛て百囘の音を寄與コントリビユートするとして、百五十で一萬五千囘、此れを假に午後二時から五時迄の三時間、即ち一萬八百秒に割當てると毎一秒間に平均一囘よりは少し多くなる勘定である。此外に浴室通ひ以外の室と室との交通、又女中や下男の忙はしい反復往來をも考慮に加へると、一秒間に三囘や四囘に達するのは雜作もないことである。即ち丁度太鼓を相當急速に連打するのと似た程度のテンポになり、それが三時間位持續するのは何でもないことになるのである。唯々面白いのは、此の何萬囘の足音が一度にかたまつて發しないで、實にうまく一樣に時間的に配分されて、勿論多少の自然的偏倚は示しながらも統計的に一樣な毎秒平均足音數を示してゐることである。容器の中の瓦斯體の分子が、その熱擾動サーマルアヂテーシヨンのために器壁に反覆衝突するのが、いくらか此れに似た状況であらうと思はれた。かうなると人間も矢張り一つの「分子」になつてしまふのである。
室に寐ころんだ切り、ぼんやり此んなことを考へてゐる内に四時になつた。すると階下の大廣間の演藝場と思はれる見當で東京音頭の大會が始まつた。さうして此れが約三十分續いた。それが終つても、未だその陶醉的歡喜の惰性を階上迄持込[#「持込」は底本では「持迄」]んで客室前の廊下を踏鳴らしながら濁聲高く唄ひ踊る小集團もあつた。
「バスの切符を御忘れにならないやうに」と大聲で何遍となく繰返して居るのが聞こえた。それからしばらくすると、急に家中がしんとして、大風の後のやうな靜穩が此の山腹全體を支配するやうに感ぜられた。一時間前の伊香保とは丸で別な伊香保が出現したやうに思はれた。三階の廊下から見上げた山腹の各旅館の、明るく灯のともつた室々の障子の列が上へ上へと暗い夜空の上に累積してゐる光景は、龍宮城のやうに、蜃氣樓のやうに、又ニユーヨークの摩天樓街のやうにも思はれた。晝間は出入の織るやうに忙がしかつた各旅館の玄關にも今は殆ど人氣が見えず、野良犬がそこらをうろ/\して居るのが見えた。
團體の爲に一時小さな室に追ひやられた埋合せに、今度はがらあきになつた三階の一番廣く見晴らしのいゝ上等の室に移され、地面迄數へると五階の窓下を、淙々として流れる溪流の水音と、窓外の高杉の梢にしみ入る山雨の音を聞きながら此處へ來てはじめての安らかな眠りに落ちて行つた。
翌日も雨は止んだが空は晴れさうもなかつた。霧が湧いたり消えたりして、山腹から山麓へかけての景色を取換へ取換へ迅速に樣々に變化させる。世にも美しい天工の紙芝居である。一寸青空が顏を出したと思ふと又降出す。
とある宿屋の前の崖にコンクリートで道路と同平面のテラスを造り其の下の空間を物置にして居るのがあるのは思ひ付きである。此の近代的設備の脚下の道傍に古い石地藏が赤い涎掛けをして、さうして雨曝しになつて小さく鎭座して居るのが奇觀である。此處らに未だ家も何もなかつた昔から此の地藏尊は此の山腹の小道の傍に立つて居て、さうして次第に開ける此の町の發展を見守つて來たであらうが、物を云はぬから聞いて見る譯にも行かない。
晝飯をすませて、そろ/\歸る支度にかゝる頃から空が次第に明るくなつて來て、やがて雲が破れ、東の谷間に虹の橋が懸つた。
歸りのバスが澁川に近づく頃、同乘の兎も角も知識階級らしい四人連の紳士が「耳がガーンとした」とか「欠伸をしたらやつと直つた」とか云つたやうな話をして居る。山を下つて氣壓が變る爲に鼓膜の壓迫されたことを云つて居るらしい。唾を飮み込めば直るといふことを知らないと見える。小學校や中學校でこのやうな科學的常識を教はらなかつたものと思はれる。學校の教育でも時には要らぬ事を教へて要ることを教へるのを忘れて居る場合があるのかも知れない。尤も教へても教へ方が惡いか、教はる方の心掛けが惡ければ教へないのも同じになる譯ではある。
上野へついて地下室の大阪料理で夕食を食つた。土瓶むしの土瓶のつるを持ち上げると土瓶が横に傾いて汁がこぼれた。土瓶の耳の幅が廣過ぎるのである。此處にも簡單な物理學が考慮の外に置かれてゐるのであつた。どうして、かう「科學」といふものが我が文化國日本で嫌はれ敬遠されるかゞ不思議である。
雨の爲に榛名湖は見られなかつたが、併し雨のおかげでからだの休養が出來た。讀まず、書かず、電話が掛からず、手紙が來ず、人に會はずの三日間で頭の疲れが直り、從つて胃の苦情もいくらか減つたやうである。その上に、宿屋の階段の連續的足音の奇現象を觀察することの出來たのは思はぬ拾ひものであつた。
温泉には三度しかはひらなかつた。湯は黄色く濁つてゐて、それに少しぬるくて餘り氣持がよくなかつた。その上に階段を五つも下りて又上がらなければならなかつた。温泉場と階段はとかくつきものである。温泉場へ來たからには義理にも度々温泉に浴しなければならないといふ譯もないが、すこしすまなかつたやうな氣がする。
他の温泉でもさうであるが、浴槽に浸つて居ると、槽外の流しでからだを洗つて居る浴客がざあつと溜め桶の水を肩からあびる。そのしぶきが散つて此方の頭上に降りかゝるのはそれ程潔癖でないつもりの自分にも餘り愉快でない。此れも矢張り宿屋へ蓄音機を持ち込み、宿屋で東京音頭を踊るPermalink |記事への反応(0) | 18:19
よくわからん専門性を出されて困惑している方々も居るかも知れないが、私は公園を専門にGoogleMapローカルガイドを投稿し続ける者である。
何故そんな専門性に至ったかと言えば、きっかけはよくある「子供が生まれたから」であり、子供が生まれて、その子供がブランコや滑り台や砂場遊びなどができるようになってくると多くの親は感じたと思う。
いや、そもそもGoogleストリートビューですら公園内部をキャプチャしてくれてはおらず、道路から遠目で公園を眺めることしかできず、子供を連れて遊びに行くとしても「トイレとかあるのかな?」と思っても確認が一切できなかったのだ。
その当時はまだまだ食べログが全盛だった頃、GoogleMapローカルガイドもほとんど話題になっておらず飲食店の情報すら非常に少なかった。私は思った・・・
思い立ったが吉日、私は以前から子供の写真を取るため欲しかったRICOH THETAとカメラ三脚を速攻で購入し、子供をベビーカーに乗せて遊びついでに近隣の公園を巡るというのを土日の趣味とした。
妻も「私も困ったことあるし私の良い息抜きにもなるし親子で遊んできて良いよ」と理解を示してくれて本当に色んな公園を巡ったのだ。
そんな活動を始めてたったの1ヶ月で驚きの成果が出る。私のローカルガイドの閲覧数がたったの1ヶ月で1公園あたり1,000Viewを超えたのである。私は確信した
やっぱりこれ需要あるじゃん!他のパパさんママさん公園の情報欲しかったんや!!!
冷静に考えればそうなのだ、地元就職であれ他の都道府県就職であれ新しく家庭を持てば生まれ育った土地から多少なりとも離れている可能性が高い。
私達は生まれ育った土地の実家の近くの公園はよく知っているが隣町の公園のことは場所を何となく把握していても、どのような設備があるのか全く知らないのだ。
あそこの公園には滑り台があるよ、ブランコが、鉄棒が、アスレチックが、あなた達は隣町の公園のことを知ってますか?知らないでしょう?私も知らなかった。子供が生まれてからそのことに気が付いた。
現代社会は少子高齢化とは言っても常に新規需要が喚起される公園ローカルガイドは確実に時間をかけて閲覧数や感謝のリアクションが付き続けて膨大な数に至るのだ。
ここからは公園ローカルガイドに載せておくべき情報を提供することで皆さんにも全国津々浦の公園情報をGoogleMapローカルガイドへ投稿する一助としたい。
これ以降の項目、例えば遊具などの写真は掲載されていた方が良いし、それが故にRICOH THETAの様な360°カメラの写真は非常に需要がある。
この情報が無いと駆け回れるほどの広さがあるのかどうか不明になるし、出来る遊びの種類が推測しにくい。
これは本当に大事。公園ローカルガイドのメイン情報と言っても過言じゃない。
公園によっては遊具が存在しない公園というか広場も存在するが、遊具が存在しない場合はその旨を明記しておいた方が良い。
滑り台が大小あり計2基で小型滑り台は乳幼児用の全高が低いもの。
ブランコが1基で座席数は4席、そのうち2席は乳幼児用の転落防止型、ブランコの鎖に持ち手カバーがなく指を挟む可能性あり。
砂場は1箇所で直径は4mほど、猫防止のネットはなし。
バスケットゴールリングが1基で1on1用、高さはおそらくバスケットボール公式ルール準拠。
子育てにおいてトイレの存在は非常に重要である。そしてトイレがなくとも水道を備える公園が存在していたりする。
トイレは大便器や小便器がどれだけの数があるのかしっかりと記述しよう。商店や大型商業施設基準ではなく「公園のトイレとして」どの程度の清潔さが保たれているのかも記述しておくと良い。
注意点として、公園の水道は通水がなされていない場合があるので実際に蛇口を捻って通水がなされているのか確認すべきである。更に冬季など季節によって断水される公園もあるので確認が可能であれば記述しよう。
極々稀だが公園にはボールや積み木、竹馬などが貸し出しされている公園もある。
子供を遊ばせる安全の判断、飛距離の出る球技(野球やサッカーなど)が行えるのかどうか?の判断が可能になる。
当然ながら休憩へ使うし、おむつ交換でも活用できるので大きさも重要なのだ。
ベンチやテーブルも一緒に併設されていることが多い。
樹木や芝生など。公園内林道が整備されている場合は林道も記述しよう。
これは乳幼児であればボール遊びで転んでも安心だし、成長すると虫取りする際の情報として活きる。
意外と需要のある情報で、遠方から遊びに来る親にとっては情報提供されていると助かる。
つまり、どんなに小さな公園であっても「駐車場は無い」と明言していてくれたほうが良いのだ。
最近は少なくなったが喫煙所のある公園もある。喫煙所が存在するのであれば記述しておいたほうが良い。
これは子供の健康を守るためだし、むしろ公園での喫煙は条例で禁止されていない限り合法なので逆に喫煙所を設けている公園のほうが姿勢として圧倒的にマシな方ではある。
公園は自治体条例や各々の公園で独自のルールが定められている場合がある。
大抵は立て看板や掲示板に記述されているので、その情報を記述しよう。
世知辛い世の中だが近隣住民の家屋が公園に隣接されている場合は余計なトラブルを招く可能性があるので、近隣家屋との距離は記載しておいたほうが良い。
そして、大半の公園は自動車も通行できる一般・生活道路が隣接しているので、その状況と自動車の通行量の情報があると親は安心できる。
例えばストレッチ用の器具があるとか、マラソン・ウォーキング用の道が整備されているとか、自転車がよく通行するとか、犬の散歩によく使われているとか、水場があり夏季は水遊びができるだとか、ポケモンGOのポケストップがあるのような特記したい情報があれば載せると良い。
現在最も閲覧されている公園(観光地ではない住宅地の公園)の閲覧数は約60万Viewです。
私はおおよそ4,000箇所の公園へローカルガイドを付けており、それぞれの公園は中央値で約15,000〜25,000Viewほどで推移してます。これが公園ローカルガイドの需要。
iPhone…高すぎて手が出ない。
弱者男性の俺には夢のまた夢だ。
仕方なくAndroidに手を出すことにした。
Samsung Galaxy Z Fold5(限定カラー256GB+カスタム刻印):25万円
折りたたみ最高峰。画面デカすぎで動画もゲームも快適。刻印入りで弱者男性でも特別感あり。
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動画配信もVlogも映画レベルで撮れる。映える弱者男性のための最強セット。
スマホ用高級アクセサリー全部セット(ストラップ、スタンド、タッチペン、指紋認証リング、限定コラボカバー):3万円
クラウドストレージ5年分+自動バックアップ+高額データ復元サービス:3万円
プレミアムアプリ課金セット+動画編集プロ版+音楽制作アプリ+SNS分析フルセット:5万円
趣味も仕事も全部ハイレベルで楽しむ。弱者男性でもプロ並みコンテンツ。
SIMフリー契約+超高速データプラン3年分+国際ローミング対応:6万円
限定版スマホリングライトスタンド+スマホ用ガジェットコレクション+高級カメラレンズアタッチメント:10万円
スマホ連動スマートウォッチ+ハイエンドフィットネスバンド+限定コラボバンド:10万円
スマホ用プレミアムアクセサリー小物+限定デザインカバー&ストラップ:5万円
釣りだと思うけど、これ全部を松コースで選んでるので、カメラ趣味を誤解させる投稿だと思われる。
カメラにめちゃくちゃ詳しい私が、このリストの必要・不必要を解説する。
→α7Ⅲの中古でよろしい。
……約60万円→15万円
・標準ズームレンズ(24-70mmF2.8GM II)……約30万円
・望遠ズーム(70-200mmF2.8GMOSS II)……約35万円
→いる。
……約25万円→7万
→いらない。料理とか虫とか撮りたいなら買え。
・カメラバッグ……5万円
→いらない。首から吊るしとけ。
そもそも5万もしないだろ。
→こんな高いSDカードはいらない。連写だと、そもそもその前にカメラ側のメモリが追いつかなくなる。
……5万円→2万円
・外付けストロボ……8万円
そもそも、こんな高いストロボいらないだろ。ゴドックス買ってもお釣りが来るぞ。
・PC(RAW現像用、メモリ64GB搭載のハイエンド)……40万円
家にパソコン転がってるだろう。
・現像ソフト(AdobeCreative Cloud 年間プラン)
→買い切りにしろ。Lightroomじゃなくてもいいだろう。
……7万円→1.5万円
→いらない。ちょっと使ったら壊れるだけ。
👉合計……約245万円→25.5万円
安いけど、実用上は全く引けをとらないので、みんな今すぐ買おう。
なに?中古は嫌だ?
ならフルサイズの最廉価のボディを買って、単焦点の50mmか85mmだけ買いたまえ。
(とはいえ、長年の愛好家としては、近年のカメラの値上がりには本当に驚いてるよ…もう貴族の趣味になりつつある。Canonとか特に。
・本体:フルサイズミラーレス(ソニーα7R Vとか)……約60万円
・標準ズームレンズ(24-70mmF2.8GM II)……約30万円
・望遠ズーム(70-200mmF2.8GMOSS II)……約35万円
・カメラバッグ……5万円
・外付けストロボ……8万円
・PC(RAW現像用、メモリ64GB搭載のハイエンド)……40万円
・現像ソフト(AdobeCreative Cloud 年間プラン)……7万円
👉合計……約245万円。
……いやいや、これもう車買える金額じゃん。
ちょっと本気で考えたけど、やっぱり俺には無理だわ。
俺はカメラを諦めた。
増田に巣食う増田は、おそらく市販のカメラでは満足できない。と思ったのですよ。そこでピンホールカメラのの出番なのです。
ピンホールカメラはシンプルながら奥深く光のにじみや独特のボケ感が魅力。増田の完成にピッタリ。
比較的簡単に手に入る材料を使った、増田ののピンホールカメラの作り方をご紹介するお!
ピンホールカメラは、レンズの代わりに小さな針穴(ピンホール)を通して光を取り込み、内部に置いた感光材料(フィルムや印画紙)に像を焼き付けますです。増田にはレンズなんかいらないんだよ。
この単純な構造が、デジタルカメラでは表現できない、どこか懐かしく、やわらかい「味のある」写真を生み出すのですます。
お菓子の缶や厚手の紙でできた箱など。中が完全に暗くなるものを選びましょう。
ビールやジュースのアルミ缶をハサミで切り、約5cm四方の破片を用意します。
今回は、印画紙を使う方法でチャレンジだお。フィルムと違って、暗室で印画紙を現像すればその場で写真を確認できますでです。
黒いビニールテープやガムテープなど、ピンホールを覆えるもの。
カッター、ハサミ、定規、油性マジック、紙やすり(目の細かいもの)、待ち針、黒のスプレー塗料(つや消し)など。
まず、缶や箱の内部全体を、つや消しタイプの黒いスプレー塗料で塗ります。
光の乱反射を防ぎ、よりクリアな像を得るために重要な工程です。
用意したアルミ缶の破片を、目の細かい紙やすりで少し削り、薄くします。
真ん中に待ち針を垂直に立てて、そっと穴を開けます。強く押しすぎないように注意しましょう。
開いた穴の周りについた「バリ(めくれ)」を、再度紙やすりでやさしく削り、なめらかに整えます。
穴の大きさが0.3〜0.4mm程度になるように仕上げるのが理想的です。
箱または缶の中心に、ピンホール用のアルミ板を取り付けるための穴を、カッターなどで開けます。
穴を開けた部分の内側に、先ほど作ったピンホール付きのアルミ板を、黒く塗った面がカメラ内部を向くようにして貼り付けます。光が漏れないように、しっかりと接着しましょう。
暗室や、光が入らない場所で作業します。暗室用の袋を使用しても良いでしょう。
ピンホール部分を黒いテープでしっかり覆って、撮影場所へ向かいます。このテープがシャッター代わりになります。
天候や光の状況によって露光時間は変わりますが、晴天の屋外で数秒〜数十秒が目安です。
露光が終わったら、再びテープでピンホールを塞いで撮影完了です。
ピンホールカメラは光を取り込む量が少ないため、デジタルカメラよりもはるかに長い露光時間が必要です。
これが動くものがブレて写るピンホールカメラ特有の「味」につながります。
露光時間が長いので、風景や建物など、動かない被写体を撮るのがおすすめです。
ピント合わせができないため、どこにでも焦点が合うような独特のボケ感が出ます。
光の強い部分(太陽など)は、にじみやフレアとなり、幻想的な雰囲気を醸し出してくれます。
今でもはっきり覚えている。ちょうどこの時期で、夏休み中の出来事だった。
中学生の頃、未来から来たのだと突然そんなことを言う人が家にやってきた。
夏の午後、部屋の窓を開けて漫画を読んでいたら母に呼ばれて玄関へ行った。
そこに立っていたのは三十代くらいの男の人。スーツなのにどこか古臭い、だけど妙にきれいに手入れされた生地で、少なくとも近所の営業マンとは雰囲気が違った。
そう切り出された瞬間、私は漫画を閉じることも忘れて固まった。
未来?女優?主演?頭が混乱して言葉が出てこなかったけれど、彼は落ち着いた口調で説明を続けた。
「未来ではタイムマシンが当たり前にあって、僕たちは映画の撮影のためにこうして過去に来てるんだ。きみは主演女優で、今はその映画の主演女優である君の過去のシーンを撮っているところなんだよ」
主演女優。その言葉に、心臓が一気に跳ねた。子どもの頃から芸能界やテレビに憧れはあったけれど、田舎の学校でそんな夢を本気で口にするのは恥ずかしくて、ずっと隠していた。クラスで好きな芸能人の話題が出ても笑って流すだけで、自分がそっち側に行きたいなんて言えるはずもなかった。
だけど目の前の未来人は、当たり前のように私を主演女優と呼んだ。冗談なのか詐欺なのか、それとも本当に未来の人なのか、そんなことより胸が高鳴って仕方なかった。
結局私は彼の言葉を信じた。信じたい、という気持ちのほうが強かったのだと思う。
撮影と称されたものは、ごく普通のデジカメと三脚を使ったものだった。未来から来たならもっとハイテクじゃないの?といったことを聞くと、彼は笑って未来でも昔の画質が必要なシーンがあるんだと答えた。妙に説得力があって、私はそのまま納得した。
シナリオらしきものを見せられて、私が中学生役を演じる場面がいくつかあった。制服姿で廊下を歩いたり、ノートに文字を書いたり。そこまではまだよかった。だけど途中から少し違った。
部屋に置かれたコップに水を注いで、それをワインだと思って飲む。大人の女性を演じるつもりで見つめ合い、少し顔を近づける。それから服を脱いだ。
嫌だった。それでも演じきろうとした。だって未来の自分は主演女優になるんだから。いまここで逃げたら、その未来を裏切ることになると思ったから。
カメラのシャッター音が鳴るたびに、私は未来に一歩近づいているような気がした。
撮影が終わると、その男は「ありがとう。これでシーンはそろった。君は未来で大女優になる」と微笑んだ。
本当に私、女優になるんだ……。その夜は眠れずに、未来の自分の姿を想像して胸を躍らせた。
けれど、それから何年経っただろう。高校に進学し、大学に進み、普通に就職して、普通に暮らしている。
あの日のような未来人は二度と現れなかったし、オーディションも受けなければ演技の勉強もしていない。
気づけばもう、あのとき想像した未来の主演女優とはまったく別の人生を歩んでいる。
それでも私は、どこかでまだ待っている。未来の自分がスクリーンに映る瞬間を。
待っているのだ。
これは、カネ儲けを企んだ大学生の悪友男女コンビが過激な演出のエロ配信で人気を博し、そしてのちに伝説となる電撃引退配信を行うまでの物語である。
三脚に乗ったスマホのカメラがソファーに座ったこっちを無感情な瞳で見つめてくる。その後ろでは女友達(ルビ:あくゆう)の五十嵐がニヤニヤと笑っている。声を出さずに口が動く。「だ・い・こ・ん」。チクショウ。こっちだって分かってるよ。
彼女の左手の薬指に装着された銀色のリングが間接照明を反射してキラリと輝く。時価総額は何円かしらないが、○ルカリでギリ四桁だった品物だ。とりあえず指輪代だけでも稼ぎてえ。
「それじゃあ、今日の女を紹介しようとおも──思う」
合図をして五十嵐を傍に呼ぶ。顔をしかめて真剣な表情を作ろうとしているが、まだ唇の端っこにニヤニヤが残っている。鏡を見ろとさりげなくジェスチャーする。
「おらっ、早く来い! 最愛の旦那にバラされたくないんだろ!」
適当にアドリブを入れて時間を稼ぐ。とっさのアドリブにしてはなかなか上手く行った気がする。
しかし……始める前は定期的に視聴者の反応をチェックしようとか、配信映えをサブモニターで確認しようとかいろいろ思っていたけど、いざ始まっていまうと全くそんなところに手が回らない。
鏡を見ていた五十嵐がこっちを振り返る。うん、悲痛そうな顔になってる。アイコンタクトでおっけーと合図すると、しずしずとこっちに歩いてくる。コスプレやってる姉貴に頭を下げて譲ってもらったサラサラ黒髪ロングのウイッグ。上下(下着)合わせて古着屋でギリ万札一枚の清楚なカーディガンに奥ゆかしさを感じさせるロングスカート。いつもの五十嵐とは正反対の格好だが、素材が良いせいで腹立たしいくらい似合っている。
あたしそんな服持ってないよと言われた時のことを思い出してしまう。部屋で見せてもらった服は確かに清楚とは正反対を征くすげえ露出度かすげえエグいの(特に下着)しかなかった。そのときはつい女なら清楚っぽい服くらい一つや二つは持っておけよと八つ当たり的に思ってしまった。
しかし、彼女は大切な女の協力者だ。たとえ取り分の過半数を持っていかれるとはいえ、ネットで相手役をゼロから探すよりはまだなんぼかいいだろう。しかも性格は終わっている五十嵐だがツラとカラダだけは最高レベルだ。可能な限り、オレの忍耐が続く限り、機嫌は取らねばなるまい。
衣装、指輪、サブモニター、ハンディーカメラとマイク。我が薄い財布から元気に飛び立っていった日本銀行券ちゃん達。先行出費を回収できるのはいつになるだろうかと将来が心配になる。
「はっ、はい。あの……今日は、その……は、裸を見せるだけですよね……?」
傍まで来た五十嵐が怯えた演技をしながら用意してあるセリフを言う。ツラが良いせいでなんとなく様になっている気がする。あっ、こ、こいつ、まだ唇の端っこがヒクヒク笑ってやがる。予定にないが、無理やりキスをする振りをして囁く。
(おい! 始まったばかりで笑うなって)
(悪いって。でもお前のマジメな顔マジ受ける。笑うなって方がムリ)
カメラから遮られたからと盛大にニマニマとする五十嵐。ほんと頼むぞ。カネが稼げる=ファンが増えるかどうかはほぼ女優のお前の演技にかかってるんだぞ。
「さあな。お前の協力次第だ。旦那にバレたくないんだろ?」
マスコミのカメラマンどもが三脚とか持って設置して邪魔すんのね
そんでどいてくださーいとか言ってきて
は?
頭おかしいんじゃねえのこいつってなった
場所代払えばいいじゃん
それか最初から報道機関が最優先ですので邪魔するやつは指先一つでダウンさとか
祭りの注意書きに書いとけよ
なんなんこいつら?
人ゴミがうじゃうじゃしてるとこだけとってりゃいいじゃん
すごいうざい邪魔
しかも何人もそういうのいるの
このクソカメラマンが浴衣きて踊ってる人とかを目の前で撮ってるの
すごい邪魔
なんでわざわざ眼前に行くのよ
「痛い!なんなんですか!痴漢ですか!!」
こう言ったらやっとそそくさと逃げてったんだよね
こいつら常識なさすぎでしょ
人がもういるところにわざわざつっこんできて
撮影のためならなんでもやるみたいな
どくわけないでしょ!
なんで早めに来て場所とったのによけないといけないの!
あんたらは
ぼったくりしてる露店とか
そういうのを延々と映してればいいでしょ!!
場所とりたいならお願いします譲ってくださいって低姿勢でかつ謝礼金くらいだしなさいよ!!
あーせっかく友達が踊ってたのにさー
邪魔ばっかりしてむかついた!
つっこんでくんな!
「いってんだよ!そっちのはしっこでとっとけバカか!!」
って
本当マスゴミは消えて
失敗を恐れてまうのはあるあるやなあ…ちょっとずつ成功体験を積むしかないんやけど、そう言われてもやんな
褒められることが増えたんやったらイメコンの成果出てるんちゃう❓
骨ストってサイズ感によるけどTシャツ似合うイメージあるから方向性としてはあながち間違いでもないと思うやで!パンツも骨格に合ったもの選べてればシンプルイズベストって感じでええと思うわ
服装はシンプルなままでもアクセサリーとか靴をちょっとパンプスにしてみたら女性らしさも足していけるし、増田の無理ない範囲でちょっとずつ足していくとかもありやないかな
それこそちょっとクセのあるアウターでもシンプルモノトーンの服に合わせたらおしゃれやし
こないだちょうどソフエレブルベ冬の友達にリップモンスターツヤバースのピンクロビンの泉ってリップあげたら超似合って可愛かったから増田も似合うんちゃうかな、気が向いたら薬局で見てみてクレメンス(持ってたらすまんやで!唇弱かったらちふれのティントリップジェル282もおすすめや)
確かに顔立ちが柔和やと特にマーメイドスカートは似合うやね!別に無理して着る必要もないけど
ただマジでこれから婚活する!ってなったらマーメイドスカートは割と万人ウケするから1着持っといて損はないやで
ワイも友達が婚活する服選びに行った時とりあえずマーメイドスカート買わせたわ、GUのでもアイロンかけりゃそれなりに高見えするし
形が結構浮くから下着だけ要注意やけど…マーメイドスカート買うんやったらシームレスの下着とペチコートをついでに買うのをお勧めするで…GUには全てがあるやで
これっていい組み合わせなんかな❓って思ってても何日かして見返したり一覧になってるとこれええやん‼️ってのが可視化されるで!インスタあげんでもいいからカメラロールに撮り溜めしてみるとええやで〜
やるんやったらスタイル盛れてないとやっぱりダメかも…って思いがちやから、スリコとかで安い三脚になる自撮り棒とか買って盛れる角度で撮った方がええよ!楽しむことが何よりも近道やで〜
https://kakakumag.com/camera/?id=20192
ステップ1
1羽のシロハラを見つけたので観察していると「この個体は行動範囲が広い」「この個体は必ずこの場所に戻ってくる」「戻ってきたら緑の植え込みに隠れて30分~1時間以上休む」「その後また動き始めて、30~40分くらい木のあたりをウロウロと歩き回る」「その後飛んでいく。飛んでいく方向は4方向くらい」ということがわかった。
ステップ2
この個体は植え込みから出てくるとほぼ100%地面にいる。しばらくは木の枝に飛んでいくことがないため、「地面にいるところを撮る」と決める。
ステップ3
木の根っこにシロハラが乗ったときを撮ると決める。その理由は、カメラを少し低い位置に設置できるので背景がきれいに抜け、また鳥の脚もきれいに撮れるため。
ステップ4
個体が画面の右を向いたときに撮ると決める。その理由は、右側はオープンなスペースで、日当たりがよいため。左側は高い木があるため、鳥がそちらを向くと鳥の顔が影になる時間帯がある。右を向いたときは顔に影がつくことはほとんどない。
ステップ5
木の根っこの手前にカメラを置いてリモート操作で撮ると決める。カメラにミニ三脚を装着し、その上から茶色い布をかぶせ、さらに落ち葉をかけて目立たなくする。シャッターは音が出ない電子シャッターに設定。カメラから離れた位置で、シロハラが木の根っこに乗って右を向いたときにシャッターを切る。
構図決めとるやん
おれは司法書士事務所のことはわからないから測量会社のことだけ書くけど、増田が「用地取得の仕事がしたい」のか「測量会社で働きたい」のかで結構違うと思うんだよね。もし前者なのであればちょっと厳しいのかもなと。
理由は2つあって、1つ目は用地取得はあくまで役所の仕事だということ。2つ目は用地取得に関する業務というのは測量会社の仕事のほんの一部だということです。
これは士補試験にも出るとこだけど、役所は「計画機関」で測量会社は「作業機関」であると定められていて、当たり前だけどここに新しい道路通しますよ〜というのは役所が決めるんだよね。つまりその用地取得も役所に責任があって、測量会社は役所の言うことに従って現況を調べて図面描いたり資料作ったりするだけなんよ。まあそれはよく知ってると思うけど。
で、測量会社の仕事はもちろん地籍調査だけじゃなくて、圃場整備もあれば下水道もあるし土砂崩れ直したりとかいろいろあるわけです。用地取得のプロです!と言われても、そればっかりやらせとくわけにはいかないっていうことです。
先方としては、この人重い光波背負って山登ったり、三脚担いで田んぼ歩いたり、長靴で水路入ったりするつもりあんのかな…?って思ったんじゃないかなと思うんです。その点どうなんだろ。測量士を目指すっていうのはそういうことなんですよ。
・前評判は置いておいて概ね満足であり、造形的に楽しいものが実に多く、特別に何かを楽しもうとしなくてもただ見て回るだけで楽しい体験ができるだろう。ただ天気は超重要。
・予約をするのに万博IDというものを取得する必要がある。ログインするたびにワンタイムパスワードを求められる、チケットを表示するのに数分〜10分程度待たされる(時間による)ので少し面倒。
・持ち込める荷物にかなり制限がある。キャリーバッグ、三脚、自撮り棒、ドローンはNGである。
・現金が使用できない。何をするにもスマホを使うようなシステム設計なので、スマホは必須である。
・天気は超重要。自分の場合は、快晴、最高気温19℃、少し風ありという、多分会期中を通じても1・2を争うほどSSRだった。天気ガチャを勝ち抜け。
・大屋根もおそらく晴れだと天国、雨だと横風を防げない構造なので実質的に雨を凌げるスペースはかなり少ないと思った。ベンチはたくさんあるが多くは屋外にある。
・新しいだけかもしれないが床は白く、人工島の立地も加わって地中海の港町のようなカラッとした風情がある。ドラクエ11のソルティコの街を平べったくしたような感じ。
・9時半に夢洲駅に到着し、会場入りできたのは10時ちょうど。混雑緩和のため、駅から会場入り口まで遠回りをさせられる。
・入場には空港ばりの手荷物検査が求められる。飲み物もチェックされる。見回りのスタッフもかなり多く、会場内の方が安心であるという印象である。
・会場はかなり広くて平地も多く、コミケのような混雑具合は全くない。USJやディズニーシーよりも人口密度は低めという印象である。
・無料で飲料水を汲めるスポットがある。なので水筒を持ち込むと良い。
・食べるところは、レストラン・フードコート・キッチンカー・コンビニとかなり多彩である。値段はピンキリであるが、やや未来感のある価格設定が多かった。
・会場内は日本人の割合が多いように感じた。京都や心斎橋・難波と比べると断然外国人の割合が少なかった。ただこれは祝日だからかもしれない。
・一日の間に全てのパビリオンを見て回るのは不可能である。予約必須のパビリオンもたくさんあり、加えてあちこちにスタンプラリーもあるので、コンプリートするには2〜3回の周回プレイが求められる。1回目は予約不要のパビリオン中心に全体を見て周り、2回目以降であらかじめ目当てのパビリオンを予約して回る、というムーブが良さそうである。
・19時以降くらいはほぼ全てのパビリオンの予約が不要になる。それでも人気のところは行列になっている。
・予約不要のパビリオンの多くはコモン館としてまとめられている。こちらはすぐに入ることができた。
・多くのパビリオンで個人的に気になったところは、国の基本情報が少なく、とにかく映画の予告編のようなイメージ先行の展示やインスタレーションが多く、博覧会の割に学ぶことができる材料が少ないと感じた(もちろん全てがそうではない)。
・博覧会なので、アトラクションもライドも客いじりをする亀もいない。
・パビリオンの造形が本当に多彩であり、見ているだけでも楽しかった。またテーマも多彩であるが、生命科学、SDGs、自然との調和あたりを感じた。
・テクノロジーの面では未来感がするようなものは少なく、現在の最先端技術の紹介に留まっているように感じた。なお空飛ぶ車はメンテナンス中であった。
・コスプレをしている人は見かけなかった。
モバイルバッテリーは安心安全のAnker社製品を選択。創業者はスティーブン・ヤン氏、本社所在地は中国湖南省。
個人的にはロボット掃除機がとても優秀で気に入っている。他にもスマートプラグや照明などが家の中にたくさんある。
卧安科技有限公司で扱うスマート家電のブランド名。創業者はコネリー・リー氏、本社所在地は中国深圳。
AqaraSmart Video Doorbell G4を使用。AppleのHomekitセキュアビデオでのみ使用しており、純正アプリは未使用だが問題なく動作し、外出先でも応答ができるようになりとても満足している。
上のAqaraに似ているが中国のハイアールグループの方。ドラム式選択乾燥機を使用しており十分な性能だが
なにより集合住宅の洗濯機置き場にのせられるサイズなのが当時これだけだった。
新型のiPadを買ったときにケースを買うが、iPadに限ってはApple純正よりも
本体全面を覆ってくれるこのESR社製のケースの方が好み。値段が安く、長持ちするので信頼も置いている。
中国のカメラ周辺機器メーカーで、深圳市优篮子科技有限公司のブランド
三脚の評判がいいが、自分は自在クランプやスマートフォン固定治具を使っている。工作精度が高い。
何のきっかけでこれら中国ブランドの製品を購入し始めたのかは忘れがちだが、いづれも信頼をおいて選択的にこのブランドを選びつつある。
おそらくこれは広がっていくのだろうと考えており、次はBYDの車だろうな・・・と思っている。
Permalink |記事への反応(17) | 11:53
サイクルモード2025でインフルエンサーが話題になっていた。
ずっと感じていた違和感が、いよいよ顕在化してるんだなと思った。
展示会って、本来はユーザーがモノに触れる場所だったはずだが今は、三脚とカメラをもったインフルエンサーが大きい顔して歩いてる。
来場者は主役じゃない。
ホメる・出す・ホメられる、を繰り返す世界。
外には広がらない。
変化もしない。
その中だけで盛り上がってるように見えるけど、外から見たら、ずっと同じ話をぐるぐるしてるだけに見える。
これはこれで数値がとれたりそれなりに売上にもつながるが、これを初見の人や輪の外から見ると結構キツい事がある。
ちゃんと外部の人、新規のユーザーになりえる人を想定してマーケティング活動やコンテンツ作りをしなくちゃならない。
# 映されたい欲望
夏の終わりの日曜日、健太は会社の資料に目を通しながら、窓から差し込む陽光に苛立ちを覚えていた。32歳、平凡な会社員。毎朝同じネクタイを締め、同じ満員電車に揺られ、同じオフィスの同じ席でExcelと向き合う。帰宅後は同じソファで同じビールを飲む。その単調なリズムの中で、彼は自分の中に潜む別の自分を、長い間無視し続けてきた。
「こんな生活、何か足りない」
そう思いながらも、具体的に何が欠けているのか言葉にできない歯痒さが健太を苦しめていた。
その夜、いつものようにノートパソコンの画面が彼の顔を青白く照らしていた。ポルノサイトのページを無目的にスクロールする指先に、わずかな躊躇いが宿る。「アマチュア」というカテゴリに目が留まった瞬間、胸の奥で何かが震えた。
素人が自らの姿を晒す動画。プロの演出ではない、生々しい欲望の形。コメント欄には賞賛と嘲笑が混在している。画面の向こう側の見知らぬ誰かに見られ、評価される。その構図に、健太の心臓が早鐘を打ち始めた。
「これだ」
長年抑え込んできた欲望が、その一言と共に解き放たれた。見られること、晒されること、羞恥と快楽が混ざり合うあの感覚——それを合法的に、誰にも迷惑をかけずに体験する方法が、今彼の目の前にあった。
---
決意して立ち上がった健太の手は、わずかに震えていた。部屋の電気を消し、間接照明だけが柔らかな光を投げかける空間を作り出す。スマートフォンを三脚に固定し、何度も角度を調整する。顔は映さない、それだけは譲れなかった。しかし体は——体は見られたかった。
鏡の前に立ち、Tシャツの裾をつかむ。脱ぐという単純な動作に、今日は特別な意味がある。一枚一枚服を脱ぐたびに、健太の呼吸は少しずつ荒くなっていった。最後のボクサーパンツを下ろす瞬間、恥ずかしさと興奮が全身を駆け巡る。
全裸になった自分を鏡に映し出す。少し引き締まった腹、普通の体格。特筆すべき特徴のない、ごく平凡な体だ。それでも今日は、この体が主役になる。カメラの赤いランプが点滅を始めると、健太の喉が乾いた。
「これから、誰かが俺を見る」
ソファに腰を下ろし、両手で顔を覆う。恥ずかしさと期待が入り混じった独特の感情が、全身を波のように揺らす。ゆっくりと手を下ろし、自分自身と向き合う。
最初の触れは遠慮がちだった。自分の肌に触れる指先に、いつもと違う敏感さを感じる。カメラの存在を意識しながら、胸から腹へとなぞる。普段なら閉じるはずの目を、あえて開いたまま。見られているという意識が、彼の全感覚を研ぎ澄ませていく。
「誰かがこれを見る」という考えが、頭の中でこだまする。見知らぬ誰かの目に、自分の最も私的な瞬間が晒される。その羞恥の感覚が、逆説的に彼の興奮を高めていく。
やがて手が下半身に伸び、すでに硬さを増していた自身を握る。その瞬間、思わず漏れた小さな喘ぎ声に、自分でも驚いた。普段の自慰とは明らかに違う。カメラという第三者の視線が、全てを変えていた。
「ん…」
声が出ることさえ恥ずかしく、でもその恥ずかしさがまた快感に変わる不思議な循環。健太の動きは次第に大胆になっていった。右手でリズミカルに動かしながら、左手は胸を這い、乳首をつまむ。その感覚に背筋が震え、思わず腰が持ち上がる。
「見られてる…」
その言葉を心の中で繰り返すたびに、羞恥心が波のように押し寄せ、それが快感となって全身を巡る。健太は今まで味わったことのない高揚感に包まれていた。カメラに向かって、少しずつ素の自分を晒していく。
動きが加速するにつれ、彼の意識は次第にぼやけていく。頭の中では、この動画を見る未知の視聴者の反応が次々と浮かび上がる。
「小さい」と嘲笑う声。
「変態」と罵る声。
どんな評価でも、彼を見ているという事実だけが重要だった。見られることで初めて、自分の存在が確かなものになる感覚。
限界が近づき、太ももが震え始めた。喉からは制御できない呻き声が漏れる。羞恥と快楽の境界線が溶け、一つになっていく。
「あっ…」
絶頂の瞬間、健太の体は弓なりに反った。白濁した液体が放物線を描き、腹の上に、ソファの布地に飛び散る。その生々しい証拠が、彼の行為をより現実的に、よりみっともなく、そしてより興奮させるものにした。
数秒間、彼は放心状態で天井を見つめた。やがて現実に引き戻され、まだレンズが自分を捉えていることに気づく。震える手で録画を止める前に、最後にカメラを見つめた。その目には、解放された何かがあった。
---
数時間後、編集を終えた動画をアップロードする瞬間、健太は再び激しい心臓の鼓動を感じた。公開ボタンを押す指が、わずかに躊躇う。しかし欲望は理性を上回った。
「初めての露出オナニー」というシンプルなタイトルと共に、彼の秘密は世界へと放たれた。ベッドに横たわりながら、健太は胸の内に広がる不思議な解放感を噛みしめた。明日も同じスーツを着て、同じオフィスへ行く。しかし何かが変わった。彼の中の扉が、少しだけ開いたのだ。
翌朝、恐る恐るサイトをチェックすると、再生回数は既に50を超えていた。コメント欄には様々な反応が並ぶ。
「エロい体だね」
「もっと声出してよ」
「次は外でやってみて」
「みっともない」
どの言葉も、健太にとっては甘美な刺激だった。特に「みっともない」という言葉が、背筋に電流のような快感をもたらした。みっともない姿を晒す——それこそが彼の望みだったのだから。
会社のデスクに座りながら、健太はふとスマホを見た。今この瞬間も、誰かが彼の姿を見ているかもしれない。その考えに、静かな興奮が湧き上がった。
---
一週間後、健太の生活には微妙な変化が訪れていた。表面上は何も変わらない日常。しかし内側では、常に意識の一部がインターネット上の自分の分身に向けられていた。
会議中、電車内、スーパーのレジ——日常の様々な瞬間に、「今、誰かが俺の動画を見ているかもしれない」という思いが突然襲ってくる。その度に、健太の心臓は高鳴り、下腹部が熱くなった。
再生回数は500を超え、コメントも増えていった。健太は昼休み、トイレの個室に籠もってそれらを確認するのが日課となっていた。
「この動画を見ながらイッてしまいました。もっと見たいです。」
ユーザー名は「Yuki_xx」。プロフィールには「女、28歳」と記されている。
健太の心臓が跳ねた。女性が——しかも若い女性が——彼の姿を見て、快感を得たというのか。その事実が、彼の脳内に爆発的な反応を引き起こした。
彼女がどんな場所で、どんな姿で、どんな表情で彼の動画を見ていたのか。細部は分からなくても、その曖昧さがかえって想像力を刺激した。彼女が下着の中に手を滑らせ、彼の姿を見ながら快感に震える姿。その想像だけで、健太の体は反応を示した。
会社の残りの時間、彼はほとんど仕事に集中できなかった。頭の中は彼女のコメントでいっぱいだった。「もっと見たいです」——その言葉が、彼の中の何かを決定的に変えた。
---
その夜、健太はいつもより早く帰宅した。玄関のドアを閉めるなり、彼は準備を始めた。今回はベッドを舞台にしようと決めていた。少し生活感のあるシーツの乱れが、リアルさを増すだろう。
カメラをセットし、照明を調整する。前回よりも落ち着いた手つきだが、それでも期待に胸が高鳴る。
服を脱ぎ捨て、全裸になった時、鏡に映る自分の姿に今回は違和感を覚えなかった。これが新しい自分なのかもしれない、と健太は思った。
録画ボタンを押し、ベッドに仰向けになる。今回は彼女のために、演出を加えることにした。ゆっくりと自分の体を愛撫し始める。指先が肌の上を滑る感触を、いつもより意識的に楽しむ。
「彼女がこれを見て…また…」
その考えが頭を占める。自分が誰かの性的欲望の対象になるという事実に、健太は深い満足感を覚えた。
乳首に触れると、前回よりも敏感に反応する。「あっ」と声が漏れる。今回は声を抑えない。むしろ、自分の声が彼女の耳に届くことを想像して、あえて声を出した。
「んっ…」
手を下に滑らせ、すでに硬くなったペニスを握る。先走りでぬめる感触が、指先に伝わる。目を閉じ、彼女の存在を想像する。彼女がスマホやパソコンの画面越しに自分を見ている。その目に映る自分は恥ずかしい姿だろうか、それとも魅力的に映るだろうか。
右手で激しく扱きながら、左手では太ももを掴み、爪を立てた。軽い痛みが快感を引き立てる。彼女にこんな姿を見せることで、どんな反応を引き出せるだろう。嫌悪か、興奮か、それとも同情か。どんな反応でも、彼女の心に何かを残せるなら、それで良かった。
「あぁ…見て…」
言葉が自然と漏れる。カメラに向かって、見えない彼女に向かって、健太は自分の欲望をさらけ出した。汗ばんだ肌、荒い呼吸、震える太もも——全てが生々しい証拠となり、カメラに捉えられていく。
動きが激しくなるにつれ、ベッドがきしむ音が部屋に響いた。そのリズムが彼の動きを加速させる。絶頂が近づき、頭の中で彼女のコメントが繰り返される。
「イッてしまいました」
今度は自分が彼女のためにイクのだ。彼女に捧げるように、彼の体が弓なりに反った。
「はぁっ…!」
大きな喘ぎ声と共に、白濁した液体が勢いよく飛び出した。胸に、腹に、シーツに飛び散る精液の飛沫。最後の一滴まで絞り出すように、健太は震える手で自身を扱き続けた。
放心状態で、彼はまだ回っているカメラを見つめた。このみっともない姿を、彼女に見てほしかった。自分が晒されることで初めて感じられる、この解放感を。
動画を編集し、「恥ずかしい姿をまた見てください」というタイトルでアップロードした。顔は映さず、身元が特定されないよう注意しながらも、彼の欲望は画面から溢れ出ていた。
ベッドに横たわり、健太は天井を見つめた。彼女がまた見てくれるなら、次は何をしようか。もっと恥ずかしいこと、もっと見られたいこと。その思考が、彼の中で大きくなっていく。
かつての平凡な会社員は、少しずつ自分の本当の姿を受け入れ始めていた。見られることで初めて、自分が自分であることを実感できる。健太の心に、新しい扉が開かれていった。
健太は32歳、平凡な会社員だ。日々スーツに身を包み、朝9時から夕方5時までオフィスでExcelを叩き、家に帰ればソファでビールを飲む。そんな単調な生活の中で、彼には誰にも言えない秘密があった。それは、露出願望と羞恥心が絡み合ったマゾヒスティックな欲望だ。人に見られること、辱められることに興奮を覚える自分を、彼は長い間抑え込んでいた。
ある晩、いつものようにアダルトサイトを徘徊していると、Pornhubの「アマチュア」カテゴリに目が留まった。素人が自分の性行為を撮影し、世界中に公開している。コメント欄には賞賛や嘲笑、時には罵倒が並ぶ。それを見た瞬間、健太の心臓がドクンと跳ねた。「これだ」と彼は思った。合法的で、誰にも直接迷惑をかけず、しかも自分の欲望を満たせる方法——自慰を撮影してアップロードする。
決意したのはいいが、初めてのことだ。緊張と興奮が混じり合い、彼の手は震えた。まずは準備だ。部屋の照明を調整し、少し暗めのムードを作り出す。スマホを三脚に固定し、アングルを何度も確認した。顔は映さない。身元がバレるのは嫌だったが、体を見せることには抵抗がなかった。むしろ、見られることを想像すると下半身が熱くなった。
服を脱ぐ。Tシャツを脱ぎ捨て、ジーンズを下ろし、最後にボクサーパンツをゆっくりと剥がした。全裸になった瞬間、鏡に映る自分の姿に少し恥ずかしさがこみ上げたが、それすら快感に変わる。カメラの赤い録画ランプが点滅を始めると、健太は深呼吸してソファに腰掛けた。
最初はぎこちなく手を動かした。普段なら目を閉じて妄想に耽るところだが、今日は違う。カメラに見られているという感覚が、全身を電流のように走る。彼は自分のペニスを握り、ゆっくりと上下に動かし始めた。硬くなっていく感触、溢れ出す先走り液が指に絡むぬめり。普段より敏感になっている気がした。
「誰かがこれを見るんだ」と考えると、羞恥心がさらに煽られた。見知らぬ誰かが、彼の勃起した性器を眺め、コメント欄に何かを書き込むかもしれない。「小さいな」と笑うのか、「気持ちよさそうだ」と共感するのか。それとも「変態」と罵るのか。想像するだけで頭がクラクラした。
動きが速くなる。右手で陰茎を激しく扱きながら、左手で乳首を弄った。普段はあまりしない行為だが、今日はカメラの前で全てをさらけ出したかった。喘ぎ声が漏れる。「あっ…んっ…」と我慢できずに声が出ると、それがまた自分を追い詰める。羞恥と快楽のループだ。
やがて限界が近づいた。腰が勝手に動き、太ももが震える。「見られてる、見られてる」と頭の中で繰り返しながら、彼は絶頂を迎えた。白濁した精液が勢いよく飛び出し、腹の上に、ソファに飛び散った。息を切らしながら、健太は放心状態でカメラを見つめた。録画停止ボタンを押す手がまだ震えていた。
数時間後、編集を終えた動画をPornhubにアップロードした。タイトルはシンプルに「初めての露出オナニー」。顔は映っていないし、違法なことは何もない。誰かを傷つけるわけでもない。ただ、自分の欲望を満たすための一歩だ。公開ボタンを押した瞬間、胃が締め付けられるような緊張と、解放感が同時に押し寄せた。
翌朝、恐る恐るサイトをチェックすると、再生回数はすでに50を超えていた。コメント欄には「エロい体だね」「もっと声出してよ」「次は外でやってみて」と書かれている。罵倒もあった。「みっともない」と。だが、それすら健太には甘美な刺激だった。羞恥心が満たされ、欲望が現実になった瞬間だった。
健太は笑みを浮かべた。次はどうしようか。もっと過激に、もっと辱められるような形で——彼の新しい趣味は、こうして始まったのだ。
健太が初めて動画をPornhubにアップロードしてから一週間が経った。あの日以来、彼の日常は微妙に変わっていた。会社での退屈な会議中や、電車での通勤時間に、ふと「今この瞬間にも誰かが俺の動画を見てるかもしれない」と考えると、胸がざわつき、下腹部が疼く。再生回数はすでに500を超え、コメントも20件以上ついていた。
その日、職場での昼休み。健太はいつものように弁当を食べ終え、同僚たちが雑談に興じる中、一人トイレの個室にこっそり籠もった。スマホを取り出し、Pornhubにログイン。自分の動画ページを開くと、再生回数が700近くに伸びていることに驚いた。そして、コメント欄をスクロールするうちに、一つのコメントに目が釘付けになった。
「この動画を見ながらイッてしまいました。もっと見たいです。」
投稿者は「Yuki_xx」というユーザー名で、プロフィールには「女、28歳」と書かれている。
健太の心臓が一瞬止まり、次の瞬間激しく鼓動し始めた。女性が——しかも自分より若いかもしれない女性が——あの動画を見て興奮し、オーガズムに達したというのか。彼女がどんな姿で、どんな表情で、どんな場所でそれを見ていたのか、想像が膨らむにつれて頭が熱くなった。
彼女が動画を見ながら手を下着の中に滑らせ、喘ぎ声を我慢しながら体を震わせたかもしれない。健太のペニスを眺めながら、彼女の指が濡れていく様子を想像すると、たまらなかった。彼女がどんな体型か、どんな下着を履いているか、どんな喘ぎ声なのか——具体的なイメージがなくても、その曖昧さが余計に興奮を増幅させた。
その夜、健太は帰宅するなり部屋の準備を始めた。昼休みの衝撃がまだ頭から離れず、全身に疼きが残っている。あのコメント——「この動画を見ながらイッてしまいました。もっと見たいです」——が、彼の欲望に新しい燃料を注いでいた。彼女が再び自分の姿を見て、同じように感じてくれることを想像するだけで、下半身が熱くなった。
前回と同じく、スマホを三脚にセットし、照明を微調整する。今回は少し趣向を変えようと思った。ソファではなく、ベッドの上に移動し、背景に乱れたシーツが見えるようにした。少し生活感のあるリアルさが、見る側の興奮を煽るかもしれない。そんなことを考えながら、彼は服を脱ぎ始めた。
Tシャツを脱ぎ、ズボンを下ろし、ボクサーパンツを剥がす。全裸になると、鏡に映る自分の体を一瞥した。前回より少し慣れた気がするが、それでもカメラのレンズが自分を捉えていると思うと、心臓がドクドクと鳴る。録画ボタンを押す。赤いランプが点滅を始めると、健太はベッドに仰向けに寝転がった。
最初は軽く自分の体を撫でた。腹から胸へ、指先でゆっくりと這わせる。彼女がこれを見ながら、また興奮してくれるかもしれない。自分の姿が、誰かの快楽の材料になる——その考えが羞恥心と快感を同時に呼び起こした。乳首に触れると、ピリッとした感覚が走り、思わず「あっ」と声が漏れた。前回より大胆に、声を我慢しないことにした。彼女に聞かせたい、というより、彼女に使われたいという欲望が彼を突き動かしていた。
やがて手を下に滑らせ、すでに硬くなり始めていたペニスを握った。ゆっくりと扱き始めると、先走り液が滲み出て指を濡らす。ぬるぬるとした感触が気持ちよく、彼は目を閉じて彼女のことを考えた。彼女が画面越しにこれを見て、息を荒げ、手を自分の体に這わせている姿を。自分が彼女のオカズになる瞬間を想像すると、ゾクゾクするような快感が背筋を駆け上がった。
「もっと見たい」と言った彼女のために、今回は少し演出を加えた。右手で陰茎を激しく扱きながら、左手で自分の太ももを強く掴み、爪を立てた。軽い痛みが快楽に混じる。彼女がこれを見て、「なんて変態なんだろう」と呆れながらも興奮してくれるかもしれない。そんな妄想に溺れながら、彼の動きがさらに速くなった。
喘ぎ声が自然に溢れ出す。「んっ…あぁ…」と、抑えきれずに漏れる声が部屋に響く。カメラに見られているという意識が、羞恥心を極限まで高めた。彼女がこの声を聞きながら、自分を慰める姿を想像すると、頭が真っ白になりそうだった。自分が誰かの欲望の道具になる感覚——それが健太を狂おしいほどに興奮させた。
腰が自然に動き始め、ベッドがきしむ音が加わる。シーツに擦れる肌の感触、汗ばんだ体の熱さ、全てが現実感を増し、彼を追い詰めた。絶頂が近づくにつれ、彼女のコメントが頭の中でリピートされる。「イッてしまいました」と彼女が書いたように、今度は自分が彼女のためにイクのだ。彼女に捧げるように、彼は限界を迎えた。
「はぁっ…!」と一声大きく喘ぎながら、健太の体が跳ねた。勢いよく飛び出した精液が腹に、胸に、シーツに飛び散る。脈打つペニスから最後の一滴まで搾り出すように扱き続け、彼は息を切らしてベッドに崩れ落ちた。カメラはまだ回っている。放心状態のまま、彼はレンズを見つめた。彼女に見てほしい、このみっともない姿を。
数分後、録画を止め、動画を編集した。タイトルは「恥ずかしい姿をまた見てください」。顔は映さず、身元が特定される要素は全てカットした。アップロードボタンを押すと、前回と同じ緊張と解放感が押し寄せた。
ベッドに横たわりながら、健太は思った。彼女がまたこれを見てくれるなら、次はもっと恥ずかしいことをしてみようか。羞恥と快楽の深みにはまりつつある自分に、彼は少しだけ笑った。
なお2024年に捨てて一番良かったものは自分のブログとXアカウントです
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針で穴開けて輪っかにして持ち運べる物
今まではダンボールカッターで大きさをある程度揃えて紐でまとめていて、途中で崩壊させたりして超めんどかった
これだと大きさ揃えなくていいし持ち運びが相当楽
ゴミ捨て場では台車に載せるので、紐でまとめなくていいという事情はある
結構危険でうっかり手のひらに穴開けたことを考えなければ、すげー良い物だと想う
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これにMagSafeのマウンタを付けて使っている
前はマンフロットのミニ三脚を使っていたが、デカくて重く持ち運びに難があった
そこまで大きなサイズ差はないが、そのちょっとの違いが効いてくる
カバンにも難なく収まるようになり、かなり良い
買ってみたらなんか重いしProでなくても良かったかと思ったが、5倍ズームが意外と楽しい
日常的にめちゃめちゃ娘の写真を取るので、カメラコントロールがかなり便利だ
半押しは正直いらんと思う
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いちいちポンピングしなくてよくなった
めちゃめちゃ潔癖症とかなら厳しいかもしれんが、それは普通の詰め替えポンプもそう
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夏場にコバエを発生させてしまい色々試していたが
結果これが一番良かった
昔コバエがホイホイを使っていて信じていたんだが、こいつは段違いの活躍を見せてくれる
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妻に好評
作り置きおかずをストックするのに便利
ある程度まとまって数も揃っているのがいい
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いやー今のノイズキャンセリングって凄いんだな
全く使ったことがなかったので驚いた
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折りたたみでき、ちょうどいい感じの大きさになるのが特に良い
旅行時の充電キットに迷っていたんだが、メインはこれと長いUSBケーブルとアダプタ持ち歩くだけで良くなった
PCとかあると力不足だが、スマホとAppleWatchだけならこれで十分
欲を言えばここからもう一本Type-Cの口とか生えてるといいんだが…
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まだジャンプはできないが弾んで遊んでいる
サイズ感がちょうどよく、娘の腰掛け椅子として使えるのがいいんだよな
あと色も良い
https://jp.candyhouse.co/products/sesame5
SESAME5とオープンセンサー、SESAMEタッチを導入した
前から気になっていたが、うちのマンションはオートロックで結局鍵を持ち運ぶので不要と思っていたが
娘が活動的になってきて、悠長に鍵を閉めるのが面倒になってきたのでオートロック目当てで導入した
開けるのは正直鍵で開けるのと変わらんが、オートロックは狙い通り便利にやれている
なお指紋は全く当てにならず、Apple watchのICカードか鍵に付けたNFCキーホルダーで開けている
久々にこういうオモチャを買ったのでかなり楽しんでいる
言いたいことはサブジェクトだけ。判断は不要。絶対介護離職なんかするな。
なんだけど、悪い見本として話しておく。
元々ワイの所は祖母が要介護で、母と父で見ていたんだけど、母が脳出血で倒れて、母と祖母のダブル介護になった。
そこで、父が介護を担うようになって、この時点では介護を手伝いつつ仕事をしていたんだが、この頃は社歴が10年ぐらいで一番仕事が楽しいころでもあって、あんまりしっかり手伝えていたとは言えない。
そうこうしているうちに、父が仕事中に高所作業用の三脚から落下して骨折して、入院。
緊急処置で母を病院のショートステイに預かってもらったが祖母は要介護1だったためにそう言う処置がとれず、定時退社や休暇を駆使してなんとかしようとするがなかなか上手くいかず、
そうこうしているうちに仕事も旨く回せなくなって欠勤が多くなって首が回らなくなり同僚や客に迷惑をかけるようになり、上司に呼び出されて、年寄りなどは施設に預けて仕事に専念しろと言う趣旨の説教を3時間ほど喰らって、その後ワンオペでめんどうみてたシステムが大規模トラブルを起こし(RAIDが死んでたのに気づけなくて、両方飛ばした)なんとか復旧したものの設計生産指示システムを一週間止めて、更にバックアップ書き戻しまでの1週間分のデータを吹っ飛ばして、対応したものの、その最中に退院してきていた父が家の上がりかまちから落下して骨折はしなかったがまた入院し、心身のバランスを崩して会社にいけなくなって介護離職して今に至る。
今になって思えば、上司を飛ばして人事にちゃんと相談すれば良かったと思うし、誰か別の人を付けてもらったら良かったと思う。
もう早めにギブアップして会社に言えばなんとかなった気がする。
当時の同僚に聞くと、あの後それなりに問題になって、今では介護離職防止のプログラムが会社でも走っているらしいと聞いたし、今ならやりようはある。
きっかけにした転職はありかもしれないが、それは介護のことだけを考えてするな。
そのまま勤めて介護の方は仕事と両立できる範囲で施設いれるとかしたほうが、施設やサービスに金払っても良いんじゃないかとか考えてるんや
正しい。超ただしい。