
はてなキーワード:三島とは
太宰の小説は「こいつダメ人間だけど、でも自分にも通じるところがある」って読み方されてると思うけど、
三島の場合はなぜか「よく分からんけどなんかすげー」としか読まれてない。
たとえば『豊饒の海』だと、行為を全肯定する”天皇”と、行為をしらけさせる”唯識”や”虚無”が対立構造になっていて、
三島自身はインタビューでこれを「せり持ち(アーチ)構造」と呼んでるけど、
スイカに塩掛けるとめっちゃ甘くなるってのと同じで、たんにエモさを追求しているだけ。
それから三島の小説と政治的行動を比べて、小説はいいけど政治的行動は駄目って言う人がいるけど、
彼自身はエモさを追求してるわけで、当然命を賭けたほうがドキドキするわけだし、両者は一貫していると見るのが妥当。
三島の小説がいいと思う心は、人間がエモさに抗えないというところにあって、
お宿のネタ見るの2回目だけど、やっぱり笑うわ
三島由紀夫、今年で生誕100年
亡くなってからもうすぐ55年
前回の大阪万博は見に行ったんだろうか
↓
Geminiによると「行ってない」ってさ
ホントか?
同じ質問をGrokにもしてみた(「三島由紀夫は1970年の大阪万博に行ったか」だけじゃなくて「行った記録はあるか」と聞いてみた)
この時期、彼は自身の政治的信念や「楯の会」の活動に深く没頭しており、万博のようなイベントに対する関心は薄かった可能性があります
こっちの回答の方がもっともらしいよ。そんで他にも細かく書かれてる(勿論Geminiが言った内容も含む)
とりあえずAIによると「三島は1970年の大阪万博には行っていない」とのことだ
…なんの話だったっけ
『金閣寺』は、実際に1950年に起きた「金閣寺放火事件」を題材にし、主人公の内面世界を通して人間の心理、執着、そして破壊衝動を深く掘り下げた小説です。三島由紀夫独特の緊張感ある文体と哲学的なテーマが融合し、読む者を主人公の狂気と美の観念の迷宮へと誘います。
物語は、吃音に悩む若者「溝口」が、現実世界に適応できず、美そのもの――金閣寺という完璧な象徴――に病的なほど心を奪われていく過程を描いています。彼にとって「美」は理想であり、絶対的な存在。しかし同時にそれは、現実の醜さを強く意識させる存在でもありました。彼はやがて、自己否定と孤独、抑圧された欲望の末に、寺そのものを「焼く」ことによって、美と現実の矛盾を破壊という形で解決しようとします。
この小説は、トラウマ、劣等感、社会との断絶感を抱える若者の心の叫びを、文学的に昇華させた作品でもあります。三島は、溝口の精神の崩壊を通して、自己と他者、美と死、肉体と精神といった二項対立のはざまに揺れる人間存在を描いています。まさに、心理小説の傑作といえるでしょう。
今の時代に彼らを読むなら、解説を聞いたり、わきの情報を沢山調べないと何が凄いのかさえわからない。
とりあえずストーリーは一旦忘れて、小説技術について着目するとヒントが見えてくる。
太宰であれば、実際に太宰のまわりで起きたことと小説の出来事を比較してみる。実話と相違があるところに作家としての創作意図・小説技術が見えてくる。
あとキリスト教的な善性が根底にあると言われているので、聖書の知識を増やして対応関係を考えるのも良い。
川端は、あえて文章で書かずに表現している点に着目する。風景描写で心理を表すような、今となってはベタなテクニックとか。
登場人物の感情が大きく揺れたときもその理由をだらだら説明しないので、推理が必要になる。その推理が決まったときにこれはすごいと感じられる。
三島は読みづらいこと自体がヒントだ。何がどう読みづらいのか、どういう語彙を使ってどういう順番で読者に情報を開示していっているのか、その辺を分析すると技術が見えてくる。
緻密に構成された長編の構築性とかも特徴ではあるんだけど、なかなかそれを感じられるところまでたどりつけないのがつらいところ。
本人のキャラは言及されることが多いが、極端にストイックな思想的マッチョ志向で、こうあるべきという強い規範意識とそれに翻弄されるジレンマを抱えているというのは読み解くヒントになる。
一方で芥川は平易な文章が多いので逆にヒントを見つけづらい。細かい描写よりも全体の筋、構成、場面切り替えのあたりに着目すると技術が見えやすい。
自分の場合、乗り鉄旅に出るたびに個人的な日記を残しているのだが、試しにそれを公開してみようと思う。
この4連休(金曜日は休暇)は、1泊2日で浜名湖と名古屋圏に出かけてきたので、まずは1日目の分を載せてみる。
反響があれば、2日目の分も載せるかもしれない。
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2025/3/21(1日目)
寝るのは23時になり、実家に関する夢を見たりもして、あまりよく眠れないままの5時起床。
そう、孤独な今後を考えたら、ネットコミュニティで人間関係を積み上げた方がいいんじゃないかとも思いつつ、何の蓄積にもならない一人旅に。
5時半でも薄明るいんだなと思いながらの電車。
平日なので通勤客は居て、地下鉄に乗ったりすると逆方向からこちらに通った時期を思い出したりする。
今回は「こだま」なのでしばらく待ち、乗っては三島まで寝ていく。
途中降りると一日券と料金が変わらなくなるので、都度の現金精算が面倒で購入。
気動車1両には平日なので20名程度しか居ず、ボックスを占有できる。
有形文化財らしい駅と早咲きの桜がいくつか。
一旦外に出て遠州鉄道の切符を買い、時間あるので車両の写真も撮りたかったが、入線の珍しい2番ホームは本当に2両の車両長ギリギリで前が写せない。
そして12分毎の頻度がわかる程度の混み具合。
街場では高架に載り、入口に入りづらいほど混む。
新浜松は新幹線からも見た2面2線だが、改札は分離しており、片面が臨時ホームなのを初めて知った。
復路ではRewriteのやや薄暗い感動曲を聴いていたが、なぜか急に「もうどうしようもない」と一人で居ることの不安が襲う。
楽しいことをしているはずなのに、親への申し訳なさがたまらなく(だから、この連休も帰らなかった)、こんなふうに逃げ続けてどうするんだろうと思ってしまう。
占いは「周囲の人が同じように悩んでいることに気づければ、孤独感が薄れるかもしれません」とのことだが、それをどうやって知ればいいのか。
再びの西鹿島。
湖岸にはサイクリングロードあるんだとか、そんな明るい水面をしばらく感じては新所原。
昼飯をスルーしての路面電車は、井原カーブのためなので運動公園行に乗る。
その対策のせいなのか、かなり床が高い。
運動公園で車両の写真を撮っては、全線制覇のために赤岩口へ歩く。
細道抜けては車庫が見える。
レールを辿るに、車庫には一旦引き上げて入る形のようだ。
と15分待ったが、乗るべき車両は来ない。
車両故障で遅れとのこと。
可能なら渥美線も乗ろうと飯も食わずに急いだのだが、その意味は無くなった。
しかし、車庫からの仕立て直しが見れたのは珍しいので、先の引き上げ線に撮影。
10分遅れで発車。
行きは気づかなかったが、線路上の路面は見てもわかるレベルにボコボコで、車内はかなり跳ねる。
後発との間隔調整で待ちを食らうが、最前列で車窓とともに聞く車両や運転手替えに慌てる無線も珍しく。
東八町で客がカラの新しい車両を見て、これが当該車両なのかと思う。
後ろは詰まるように続々来る。
携帯の充電も怪しくなってくる。
そして豊橋には快速が居るが、これに乗っても想定よりは早まらない(蒲郡線は30分毎だ)。
こうなったら豊橋に戻らず、近い名鉄線を埋めていくことにしようと、豊川線+渥美線の組み合わせを、三河線(海)に変更すると決める。
蒲郡駅は名鉄も同じ高架ホームになっているが、ここもSuica使えないのか。
名古屋圏なので、うどん屋にはきしめんがあり食べようとするが、こちらも新札不可。
というか、自分以外誰も居ないし店内は薄暗い(そういや、路面電車内も暗かったな)。
これでよく営業できてるなと思って入口見たら、月曜から木曜まで休みらしく、こうして食えたのはかなりの偶然なのね。
ホームにはワンマン専用車が居て、車内には蒲郡線と広見線の運賃表がある。
そのうち複雑な湾口が見えてくる。
そして西尾線に入るが、高架だったりするけど特筆すべきはあまりないかも。
こちらは乗る人がそれなりに多いものの、刈谷でJRに絡むくらいでこちらも特筆無し。
あとは車窓が暗くなってもよいので、ずっと座りっぱなしでもあったし、動画で見た「碧南レールパーク」なる廃線跡を2.3km歩く。
碧南の新しい駅前広場を左に曲がり、駅に停まる車両を撮っては、道路越えて最初の大浜口広場。
大人向けが多い感じの公園遊具にポイント器具や車輪が置いてあり、レールを模した白線が引かれる。
以降、キロ表示を伴う遊歩道となり、玉津浦広場ではホームの高さが残る。
そのホーム跡は両側で挟まれ、すれ違いできたんだろう広さには、子供たちの考えた見慣れない形の遊具が多数。
その先は、矢作川の堤防に上がろうとするレールがぷっつりと切られて終わりとなる物語性。
長かったけど面白い道だった。
帰りは駅に向かって真っすぐ帰る。
あとは復路で、ここまでの日記をスマホにまとめて刈谷で降り、遅れていた特別快速で宿泊地の岡崎には18時半前。
ここで急に花粉を感じだして、感覚がいっぱいとなりつらくなってくる。
一刻も早く顔を洗いたいが、イヤホンの充電を忘れていてケーブルを買わないといけない。
岡崎は駅前から住宅でそういう店が無く、大通りまでけっこう歩く羽目に。
ケーブルは無駄な出費でもあるが、隣のスーパーで値下げの惣菜弁当と水が買えたのでトントンか。
街灯がなんか少なく駐車場だらけの中を戻って、ようやくホテル。
フロントでは名前書いてアメニティもここでもらうタイプだが、花粉でそれどころでなくスルー。
さっそく部屋着になると、先の通り感覚がいっぱいで面倒になり弁当は冷たいまま、花粉対策としてのヨーグルトとまとめて食ってしまう。
そして日記や充電を済まして、改めての大浴場は3人入ればいっぱいなほどの小ささだったが、サウナはあるし、誰も入りに来ないのは逆に都合よかった。
明日もあるので、22時半には寝る。
2日目 →anond:20250323185640
鉄拳7から鉄拳8へとシーンが切り替わった2024年。12月5日〜8日にかけて鉄拳8ワールドツアー(TWT)の締めくくりを飾る最終大会が日本で開催されていた。強豪国として知られるパキスタンや韓国をはじめ、タイやアラブ、果てはアフリカのコートジボワールなどの世界各国の有力プレイヤーが日本は東京に集結し、世界一位の座を賭けて四日間に渡る激戦を繰り広げた。
四日間には様々なドラマがあった。予選から躍動し続けた野獣(クマ)の圧倒的存在感、今大会でも存在感を示し続けた魔界パキスタン勢、新旧の層の厚さを見せつけた鉄拳修羅の国・韓国。予選の段階から決勝であっても全くおかしくないドリームマッチが幾つも発生し、選ぶ人それぞれにベストバウトが異なるような名勝負が数多く繰り広げられた。
三島家(風神打てるなら三島でいいでしょ)が鉄拳8の初代チャンピオンになるという目出度いことになった本大会だったが、決勝戦以外でも、同郷にして世界最強の二人Ash と Atif が世界大会で見せる身内の読み合い、日韓の鉄拳界を長らく牽引し続けたベテラン二人ノビさんと膝さんによるフルセットの死闘、現地予選(LCQ)を駆け上がった韓国Edge の快進撃。どの戦いも見る者を魅了し、ハートを熱くさせる試合だった。
この個人的な備忘録に取り上げるのは、それらの熱い戦い……ではなく、それらは他のもっとしっかりした人達がレポを書くだろうから任せて、個人的に愉快な気分になってしまった不真面目な不謹慎ネタを中心に記録する。
この件について書く前に、まず予選と本戦の関係について解説が必要だろう。興味がなければ「さて、話を本筋に戻そう」まで飛ばしてほしい。
今回の大会では、最初の三日間が予選期間、最終日が予選を勝ち抜いたプレイヤーたちによる決勝トーナメントとなっている。三日間に渡る予選は、それぞれ出場可能条件が異なっている。
本戦の決勝トーナメントは格ゲーの大会でお馴染みのダブルエリミネーションルールで行われる。三つの予選はどれで抜けても本戦には出場できるが、それらの間には優劣が存在する。具体的には、一日目の世界ランカーたちのリーグ戦で勝ち抜けると、本戦において勝者側(ウィナーズ)として出場できるが、それ以外だと敗者側(ルーザーズ)となってしまう。つまり、一日目の予選リーグを抜けると、それ以外の日を抜けるのに対して最初から一勝のアドバンテージを持っていることになるのだ。
この条件があるため、一日目に出場できる選手は、できるだけ一日目で本戦出場権を得たい、という思いがあるのである。
さて、話を本筋に戻そう。
初日の予選では、二十人を四つのブロックに分けて総当たり戦を行い、勝率のトップ二人が本戦出場権を得ることになる(このブロック分け自体も、プレイヤー個人の裁量を最大限に活かして、得意な相手を狙い撃ちして苦手な相手からは逃げることができるという、なかなかに戦略的で面白いので、興味があったら初日配信の最初の方を見てもらいたい)。このブロック分けにおいて、Dブロックは世界屈指の実力者が集まる死のブロックとなっていた。出場者は以下の通りだ。
グループ内どころか全参加者の中でも優勝の最右翼と目されているUlsan と Atif が予選抜けの大本命であるが、残りの三人も彼らを捲って勝つこともありえなくない。誰が抜け出るか分からない危険な組であった。だが、Dグループの試合が進み、勝敗が積み重なるにつれて、展開は予想外のものとなってきた。
〈Kkokkoma、同じ韓国勢のUlsan を破り、予選抜けほぼ確実となる〉
誰もが予想したであろう、なんだかんだ Atif とUlsan が抜けるだろうという予想だったが、Kkokkoma がUlsan を打倒してしまったせいで、状況は混迷を極めることとなった。
Atif 以外には負けなしだった Kkokkoma は最終試合を終えて最終成績:三勝一敗(得失点差+2)という非常に優秀なスコアをつけ、グループ抜け最有力となった。この時点で Kkokkoma の順位をかろうじて上回る可能性があるのは、それぞれ一試合を残し二勝一敗という成績の Atif (得失点差+1)とUlsan (得失点差+3)の二人のみ。
優勝候補のどちらかが最終予選に落ちてしまう。死のグループD(Death)の名にふさわしい混沌とした状況に緊張が走る。グループB以外ではなんだかんだランク上位者が順当に抜けていたのに、ここでも大番狂わせが起きてしまうのか!(グループBにおいて世界3位の Mulgold が落ちる事故があった)
状況を整理しよう。
1. 既に Atif 対Ulsan の試合は終わっており、Ulsan が 0-2 で完勝していた。つまり、現状としては直接対決で勝ったUlsan が負けた Atif をリードしていた。
2. ただ、Ulsan 本人は Kkokkoma に負けていたため、もしUlsan と Kkokkoma の得失点が並べば、グループ2位になるのはUlsan の方だった。
3. 1位と2位では決勝トーナメントにおける優位性が異なるため、叶うならば1位で抜けたいUlsan にとって予断を許さない状況だった。
(補足:決勝トーナメントでは、グループ1位は別のグループの2位と、2位は別グループの1位戦うことになるため、1位で抜けたほうが基本的に有利となる)
そんな混乱の堝の中、グループDの試合はスケジュール通りに粛々と進んで行った。
まず、Atif 対 ノビさんの戦い。ドラグノフ同キャラ戦となった。ここでノビさんが Atif を打倒すれば、Atif の脱落は確実となったが、結果は 2-0 で Atif の勝利。これで、この時点で Atif が Kkokkoma のスコアを上回り予選抜けを確実とした。
Atif > Kkokkoma は決まった。あとは、Ulsan が勝って Kkokkoma の成績を上回るかどうか。世界のトップが落ちるか否かは、この最終戦で決まってしまう。
そして迎えたグループDの最終戦。後がないUlsan と既に3位以下で予選落ちが確定している Farzeen。Ulsan が選んだのはメインキャラのドラグノフ。だが Farzeen がポケットの中から選んだのは、今日一度も見せていない吉光だった。
吉光は鉄拳に古くから存在する(一部熱狂的なファンが付いている)キャラクターで、バトル中突然胡座を組んだり切腹したりと、シリーズを通して見た目通りの変態トリッキーな動きで相手を幻惑させることを得意としている(あと拳法で戦うゲームなのになぜか抜身の刀を持ってる)。最新作である鉄拳8の現バージョンにおいては吉光はかなりの強キャラとして知られているが、とにかく操作や戦法が独特のためプロシーンではあまり姿を見ることはなかった。Farzeen が土壇場で持ち出したのはそんなキャラクターだった。
始まったグループDの最終試合。チャット欄が突然の吉光起用に湧き上がる中、1セット目を取ったのは、急遽吉光を投入した Farzeen の方だった。いきなりピックしたとは思えない練達した吉光の動きに、さしものUlsan も苦戦していたようだった。
そして始まった2セット目。1セットを取った Farzeen の吉光はキレ良く動き、開幕ラウンドから時間切れ間近の大逆転を見せた。そして続くラウンド2も、そのまま取ってしまう。
「おお!」
チャット欄がざわめく。一気に、Ulsan のグループ落ちの可能性に運命の天秤が傾いた。運命のラウンド3。ここを取らねばUlsan は勝ち2の負け2となり、グループ落ちが確定する。
ラウンド3は一進一退の攻防が続いたが、まず先に有効打を与えたのはUlsan のドラグノフだった。コンボで吉光の体力を大きく奪い、そのままレイジ状態になるまで追い込むことに成功する。しかし、Farzeen の素早い切り返しにより攻防が一瞬で入れ替わり、体力状況が逆転。逆にUlsan の方が窮地に追い込まれた。
Farzeen の吉光の体力は、まだ数発削りを耐えられる余裕があるが、Ulsan のドラグノフは小技はかろうじて耐えられるが威力の高い技を貰うとKOされてしまう程の体力。圧倒的に Farzeen が有利に見えた。しかし、ここからでも十分に捲れるのが逆転性に優れた鉄拳8である。
Farzeen はここから取れる戦略は大きく分けて二つ。一つは下段などの小技でじわじわUlsan を削って、最終的に隙の小さい攻撃でKOできるようにすること。そしてもう一つは、Ulsan に攻撃するように仕向けてカウンターで一気に体力を削る戦略。どちらを取るにしろ、Ulsan に反撃されないよう、限りない慎重さが求められる。
互いにステップを刻み、ジリジリと様子を伺う。先に動いてしまったのは Farzeen だった。吉光がステップを刻み、Ulsan のドラグノフの懐に潜り込み、Ulsan の攻撃を誘い迎撃技を振った。しかし、ドラグノフは既にバックステップで距離を離していた。
ドラグノフはフリーの状態だが、吉光は持続の長い技で隙だらけ。状況は圧倒的にUlsan が優勢になった。ドラグノフは吉光の後隙に攻撃を差し込んでもいいし、横移動から有利状況を作ってもいい。だがUlsan が選んだのはそのどれでもない、しかし非常に賢い一手だった。
吉光の行動を見るや否や、Ulsan のドラグノフが即座に放ったのはレイジアーツ。レイジ状態のときだけ出せる一度限りの必殺技で、自身にスーパーアーマーを付与しつつ特大の一撃を放つ攻撃だ。
すなわち、あの一瞬の状況でUlsan が考えついた作戦は、レイジアーツのアーマーで吉光の攻撃を軽減しつつ相手の攻撃判定をぶち抜いて、レイジアーツの威力で一気に逆転、というものだった。あわよくばKOすらも狙える完璧な一手だった……一つの誤算を除いて。
Ulsan が選択した逆転の一手となるレイジアーツに、実況と解説が沸く。ドラグノフの拳が技の持続で硬直している吉光を襲う。そして画面に表示されるK.O. の文字。体力が0になって地面に転がっていたのは、なぜか勝ち確のレイジアーツを撃ったはずのUlsan のドラグノフの方だった。
「ええ〜〜〜〜〜〜!」
完全に予想外のものなった結末に、ええ〜と仲良く同じセルフを叫んで大混乱に陥る実況・解説・チャット欄。(ちなみに、あとで確認すると海外のストリーム(Twitch)でも「WTF」「WHAT」「OMG」「NO WAY」の嵐で、日本語チャット欄と同じく予想外の顛末に大狂乱になっていた。)
Ulsan の誤算。それは吉光の放った攻撃が超バカ威力過ぎて、アーマーのダメージ軽減を上回ってドラグノフの残体力を一発で0にしてしまったことだった。いや、あれだけ体力が残っていたら十分アーマーで耐えられるはずじゃん……。誰もがそう思ったし、多分吉光を使ってた側の Farzeen でさえ、そう思ったことだろう。
カメラは勝者と敗者に分かれてしまった壇上の男たちを映し、そこには手で顔を覆う男の姿があった。マジかよというように顔に手を当てていたのは、勝者となった方の Farzeen だった。
結果的に、この試合に Farzeen が勝利したことでUlsan はグループDを勝ち抜けられず、三日目の LCQ に最後の望みをかけることになり、逆に Atif はグループD1位という好条件で決勝トーナメントに進むことになった。
それが明暗を分けたのか、Ulsan は LCQ で5位という最終成績に沈み決勝トーナメント進出ならずとなったが、Atif は AlslanAsh に途中で負けたものの決勝トーナメントを順調に勝ち進み、最終的に準優勝を果たすことになった。
まず、上半身が裸の筋骨隆々のプロレスラーを想像してもらいたい。そしてそのレスラーの頭にリアルなジャガーのマスクを被せていただきたい。
想像しただろうか。そう、万人が思い描いたであろう姿、それがキングである。まあ、つまりはタイガー(ジャガー)マスクである。
鉄拳に存在する数多くのキャラクターの中において、キングはプロレス技を主体としたいわゆる「投げキャラ」である。ただ、鉄拳はSFなどと比べて投げ抜けし易いシステムなので、キングは投げ一辺倒ではなく、打撃と投げを織り交ぜて戦うテクニカルなファイターとなっている。
荒々しくダイナミックな打撃の中にふいに差し込まれる力強くエレガントな投げ。打撃を意識すると掴まれ、掴みを意識すると打撃に圧倒される。この二つを変幻自在に織り交ぜて戦うのが卓越したキング使いである。だが同時に、打撃と掴みの緩急を高いレベルでコントロールする必要があるキングは、上手くプレイするが非常に難しいキャラとして知られている(あとコマンドも激ムズである)。
そのせいか、このキングというキャラクターの戦い方には非常に華があるのだ。熟練した使い手にかかれば、キングが活躍する試合は、まるでプロレスの興行を見ているかのように華々しいものとなる。長い鉄拳の歴史の中で、キングの魅力に見せられた者たちが間違いなく大勢いたことだろう(そして分からん殺しされた初心者たちも……)。
だが、華はあれど操作が複雑であるという難キャラの宿命か、キングは近年の大会シーンにおいてもいわゆる上位入賞常連キャラとは言えなかった。ポテンシャルもキャラ人気もあるが、活躍しているところを見るのは少ない、というのが今年までのキングであった。
そんなキングが、今回2024年の最強鉄拳プレイヤーを決める決勝トーナメントに、しかも勝者側で出場していたのだ。キングメインで世界ランク7位まで上り詰めたそのプレイヤーの名は The Jon。パキスタンが誇る最強の投げキャラ使いである。
近年、鉄拳強豪国として活躍目覚ましいパキスタン勢の一角として、世界ランク上位20人のみが出場できる初日の予選に出場した The Jon は、グループBを1位(3勝1敗)で抜けていた。直前のメジャー大会である Thaiger Uppercut (タイの大規模格闘ゲーム大会)を勝者側のまま優勝していた彼は、油がのった状態で、決勝トーナメントに望むことになった。
そして迎えた決勝トーナメントの時。異国の地で大一番に望む The Jon の後ろには、国籍は違えども同じキング使いたちの、暑く太い声援があった。
彼らの名はキング総会。キングをこよなく愛し、ゲーセンを借りてキングオンリーで大会を開くつわもの達だ。日本開催という立地の好都合もあったのだろう。The Jon のキングを応援するため、そんな彼らが現地に集結していた。
The Jonのキングと総会の皆さんのマリアージュは……とにかく声がデカかった。配信には(おそらく現地の実況・解説のマイクを通じて)会場の音が漏れ聞こえるのだが、熱のこもった声援は、そのマイクを突き抜けた。
The Jon のキングが打撃コンボを刻むと、攻撃のリズムに合わせて
「オィッ! オィッ! オィィィ!」
とコールがかかり、投げを決めると
「オォォォ、オィィィ〜!」
と唸りが響く。この上、コンボを投げで締めた時は……。その先は、是非自分の目で確かめていただきたい。
無念にも、The Jon のキングの活躍は7位タイで終わることになってしまったが、彼がこの日本の地で、鉄拳8となって最初の年の TWTファイナルにて、キングの雄姿を観客に刻み込んだことには間違いないだろう(正直、決勝はクマ対キングになってほしかった気持ちがある)。
LCQ で優勝して、決勝トーナメントを快進撃する韓国のEdge を象徴する一種のミームになっていた概念。
韓国のEdge が使うキャラクターのファランは、テコンドーの使い手で、様々な足技で相手を攻め立てることが得意なキャラクターなのだが、手軽に浮かせるコンボ始動技が右アッパーなのだ。なので、ファランが右アッパー→相手のキャラが浮く→コンボで大ダメージ、という流れが、Edge がファランで勝ち進む中で何度も目にすることになった。
トップティアとは言えないファランで、激戦の LCQ を勝ち抜け、そして決勝トーナメントでも敗者側スタートという不利状況から4位にまで食い込んだEdge。この言葉は彼の活躍の凄さを伝える言葉でもあったことだろう。
だからと言って賢くないとは到底思えないがなぁ
南海トラフ地震臨時情報が発表され、様々な対策が取られている。そのことの可否はどう考えたら良いのか。
「新幹線の減速」を例に考えてみた。(※三島-三河安城間で、最高時速を285km/h→230km/hに減速。それに伴い所要時間は10分増)
単純に考えて、「対策によって防げる被害 >対策実施によるデメリット」という大小関係になれば、対策をやる意味があるわけだ。
「デメリット」は明確で、「1週間、東海道新幹線の所要時間が10分ほど延びる」。
では、「防げる被害」の側はどの程度か。
かなり雑に、「速度を落とさずに運行して、南海トラフ地震が起きた場合、当該区間にいる新幹線は全て脱線転覆し、乗員乗客の全員が死亡する」と仮定してみる。
当該区間(三島-三河安城)の所要時間は50分弱、新幹線の本数は1時間あたり9本から12本→当該区間にいるのは上下線合わせて16本ぐらい。1編成の席は1323席なので、約2万席。お盆なので満席だと思って良いか。
つまり、「0.5%の確率で地震が起きた場合、2万人が死ぬ」→死亡者数の期待値は100人。
であることは意外と知られていない。
スーパーゴールを決めた谷川萌々子選手は、名古屋グランパスの小学生クラブチームに入って男子小学生と一緒にサッカーやっていたことはあちこちで報道された。
その後。
グランパスは女子チームを有していないため、谷川選手は中学以降何処でサッカーを続けるかが課題となった。愛知県内にはめぼしい学校やクラブが無く、続けるなら静岡県に行かなければならなかった。また、出来れば部活動ではなくクラブチームにしたかった。女子の部活動だといろいろ制約が多いからだ
そこで出て来たのが、当時「フクシマ」の影響で御殿場に一時移転していたJFAアカデミー福島。谷川選手はそこのセレクションを受け見事合格。進学先も「福島県立ふたば未来学園の三島校舎」という、これもフクシマの副産物の学校を確保してお引越し。
フクシマの副産物に入った谷川選手は才能を潰されることなく伸ばされ続け、世代別代表でも活躍し、五輪でも成果を出した。
谷川選手の才能は異質だった。もしフクシマが起きてなかったら、あの場所に原発がなかったら、谷川選手はJFAアカデミーに進む選択肢を選べず、中学時代に潰されていた可能性が極めて高い。