
はてなキーワード:ワイドショーとは
誰がいつ造反するかもわからんのに議席ベースで誰か総理に決定されるかの物言いをするワイドショー…
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https://anond.hatelabo.jp/20251013192216
まず、〇出しS〇Xは愛情の証、ゴムありは愛がなくてダサいという風潮を作る。
具体的には、TikT〇kとかでAIやインフルエンサー使って若者を狙ったステマさせればいい。
で、一方学校では「中絶は子供に対する殺人だ」みたいな道徳の授業をやる。
育てらんなきゃ赤ちゃんポストにシュー、すりゃええよみたいな話もセットで。
そうすると婚外子の捨て子が増加して社会問題になってくるので、
子育ては日本人としての義務だ、子無し・同性カップルでも子育てすべき、
ってドヤ顔コメンテーターやタレントにワイドショーで発言させて、
Y〇utubeやらで切り抜きをガンガン流す。
独身はズルい、独身も子育てしろ日本しね、ってな風に独身者にもヘイトを集めて、
ワンイシュー政党「日本のみらいファースト」が孤児の国民への育児割当制度
「企業の管理職になるには管理能力の担保が必要。育児管理経験のないものは管理職になれない」
それっぽい統計データやエビデンスを官僚や御用学者に作らせて箔をつけて、
自分は関係ないしいいや、と大多数が思っているうちに徐々になし崩し的に適用範囲を拡大。
そういう愛情不足の子供こそ幼くしてヤリチンヤリマンになってWin-Win。
下げればいいんだよ
仕事終わりに少しお酒飲んで外食したり、休みの日にカフェ行ったり、映画を見たりウインドウショッピングしたり、そういう過ごし方がそもそも存在しないんだよ
家族で休日に出かけて、ちょっとその辺に腰をおろすためにカフェやファミレスに寄る。そんなこともないんだよ。公園のベンチやマイカーだよ
そんなね、何をするにもお金がかかる都会に住んでおいて、余暇の過ごし方を含めた生活水準を下げる気もないくせに、やれ物価高で苦しいだのよく言えるよ
ワイドショーで、人が山ほどいる駅前の街頭インタビューで「食材が高いですね」とか困った顔して答えてさ。あのさ、お前が乗ってきた電車賃で値上がり分は解消できるんだわ
都会住みが物価高苦しいとか言うなよ、ほんと
少し前から野田立憲民主党代表は前回の反省から総理指名選挙で自分の名前じゃなくていいと発言しているし
ワイドショーの解説で(タレントじゃなくて新聞社の論説委員とかが)野党は与党になるつもりがないから選挙前だけ適当なこと言ってると言われているし
参政党の勢いが続けば立憲、国民、維新のどこかは潰れかねないし
そんなこんなで総理指名選挙(の決選投票)ではやる気を見せたいんでしょう
どの野党も本当は政権交代なんてしたくないけど、割りを食うのが勢いのいいこと言ってた玉木になるのはしょうがない
玉木は決選投票に残らなくても国民民主党は自分の名前を書くって発言してるから、ダチョウ倶楽部のネタで最初に手を上げた状態なのにね
ニュースがどうこうとか言ってるけどニュースではそんなこと言わない
ワイドショーだの事件ネタを扱う番組でちょっとポエムめかして言う表現で
なんかその辺の感覚ずれてる人ばっかりだな
おっさんおばさんのセックス話がワイドショーで平気で垂れ流しされるの気持ち悪くて仕方ない。
嫌なら見るなってか?
だらだらとテレビ見てたら予告もなく
突然流れてくるんだぞ。
舐めんな、ふざけんな。
真面目に語ってたりするけど
下ネタをカッコつけてるだけやんけ。
権力者攻めれるんやったらまあええかとポリシー変えてんじゃねえよ。
まだそこに「美」があるからええやん。
人のドス黒いものを振り撒いてて、
いや、本当にない。
似たような表現なら
「他界」「永眠」「虹の橋を渡る」「身内に不幸があった」「帰らぬ人となる」「長い眠りにつきました」「息を引き取る」「小さくなって帰ってきた」
逆にどこで聞くんだ?
追記:元のThreadsの投稿を読んで「無言で家帰ってきたのか〜」とは思ってないので安心してほしい。
流石に文脈でわかるよ。
ただ本当に聞いたことなかったんだ…それだけなんだ…
朝にラジオニュース聞きながら出勤したり(最近はやらなくなった)週末にYouTubeでテレビ局のニュースまとめ動画を観たりするけど本当に聞いたことなかったんだ。
参考になるかわからないけど、一応大学のセンター試験では現代文で90点ぐらいは取れるし、人並みに勉強はしてたし、ニュースも見るようにしてるつもりだったんだが…無知ですまない…
追記2:ここまで反応を貰えると思わなくて正直驚いている。ありがとうございます。
確かにワイドショーとかニュースでは出てくるワードなのかな?頻度はあまり多くない様子だけど…
安倍総理が亡くなった時は襲撃されたという事実が恐ろしくて、襲撃現場の話や警備についてのニュースばかり追ってた。
亡くなった後に自宅に運ばれた事についてのニュースには触れてなかったかも…
登山家に関しては正直よくわからないというか…そもそも登山をする人が周りにいないし、地域的にも登山の文化が無いので多分ニュースとして流れてくる頻度が少ないのかな…?でもやっぱりその表現は聞かなかったと思う。
ただ、「人が事故で亡くなった」というニュースってやっぱり悲しいし、暗い気持ちになるからあんまり聞かないようにしてるかも…
ワイドショーは出てくる連中に対して「お前のコメント何の役にも立たねーよ」的なパターンが多すぎて殆ど見てないかな。
結局、誰かが亡くなった時に頻繁に出てくる表現という訳でもないんだな〜と感じてる。
Threadsの例の投稿に間違ったコメントしてる人はそりゃダメだけどさ、他で「聞いたことない、知らない」って言うぐらい別に良くない?
知らないことを「知らない」と言いえず、後からコソコソ調べて知ってたフリするのもちょっとな…
無知を隠す人より、知らない事をちゃんと言える人の方が良くね?
「社会人失格」「日本語教育の敗北」「育った環境が悪い」とかまで言わなくても…
Permalink |記事への反応(26) | 18:54
ノイズ呼ばわりされて原作者がブチギレているならともかく、スタッフ受けもよく求められた仕事を的確にこなして結果もだしてる有能な脚本家なんだから、この話はここで終わりなんだよ。
それともゴールが見えてんの? タイバニとか燃やしたいの? それって結局エロって全面的に規制したほうがいいよねってなるだけじゃない?
この話題をネットで盛り上げて、地上波のニュースやワイドショーが食いついてさらに大きな炎上になるとでも思っているの?
「原作からエロ要素をなくした脚本家が表現の自由の侵害だと批判されています」とお茶の間に流れる日がくるとでも思っているの?
たかだか、脚本家の「エロ邪魔なんで省きました」程度の発言に過敏すぎるだろ。
スタッフや原作者からすこぶる評判が悪いとか、偉そうなこと言っているわりには結果出してないとかなら燃料になるかもだけど、それもないならもう終わりです。
あとできることは吉田恵里香脚本の作品は見ない!という不買運動的なことぐらいじゃね?
まぁ、存分にやったらいい。売れなくなるまで待って「ほら見たことか!」って言えばいいだろ。
俺はボッチ2期を見るけど。
>移民制限したい人たちが語るところによれば、見棄てられた感、だそうな。
見棄てられた感? ふぁw急にメンヘラかよ!移民関係ねーだろ!
>だから『それによって外国人が優遇されている』っていう言説に反応して憎悪が増幅されているそうな。
>なるほどなー、そーだよねー
何が「そーだよねー」だよ! ふざけんな、適当か!
>戦後の人権教育は一人ひとりが特別だって喧伝するのに、政府は自分が特別であるって実感できる人生のページを1枚たりとも誰も用意してくれないんだもんな。
>すまない私は生まれてこのかた、ひっきりなしに自分は特別だからしょうがない、というノイズに悩まされているので共感はできないのだが。
>実家が金持ちでも名家でもないが、能力が歪に高かったり低かったりで楽しんだり、苦しんだりで生きてきた、すまんの。
>さてさて、課題が『見棄てられた感』であればわりと解決しやすいのではないか、パンの問題だと喧伝されている話がサーカスであるというのは大きなヒント。
>提案したいのは世帯年収1000万円以上の層への累進課税の極端な強化でございます。
>税収が必要なわけじゃないのだ、年収1000万円で2億円の住宅ローン組んじゃった若い夫婦が破綻する姿を朝のワイドショーに流しまくるのが目的。
>立憲民主党あたりが『累進課税によって破綻した家計をどーするんですか』とかの質問に『国を支えてくださっている層に報いるのに必要な財源』とかんなんとか答弁してくれたら、サーカスとしては完璧にいいと思う
>もちろん経済にも出生率にも悪影響なのでいよいよ移民を増やすしかなくなるのだが、、、
移民制限したい人たちが語るところによれば、見棄てられた感、だそうな。政府は自分たちを見てくれない、助けてくれない。
だから「それによって外国人が優遇されている」っていう言説に反応して憎悪が増幅されているそうな。
なるほどなー、そーだよねー
戦後の人権教育は一人ひとりが特別だって喧伝するのに、政府は自分が特別であるって実感できる人生のページを1枚たりとも誰も用意してくれないんだもんな。
すまない私は生まれてこのかた、ひっきりなしに自分は特別だからしょうがない、というノイズに悩まされているので共感はできないのだが。実家が金持ちでも名家でもないが、能力が歪に高かったり低かったりで楽しんだり、苦しんだりで生きてきた、すまんの。
さてさて、課題が「見棄てられた感」であればわりと解決しやすいのではないか、パンの問題だと喧伝されている話がサーカスであるというのは大きなヒント。
提案したいのは世帯年収1000万円以上の層への累進課税の極端な強化でございます。
税収が必要なわけじゃないのだ、年収1000万円で2億円の住宅ローン組んじゃった若い夫婦が破綻する姿を朝のワイドショーに流しまくるのが目的。
立憲民主党あたりが「累進課税によって破綻した家計をどーするんですか💢」とかの質問に「国を支えてくださっている層に報いるのに必要な財源」とかなんとか答弁してくれたら、サーカスとしては完璧にいいと思う
もちろん経済にも出生率にも悪影響なのでいよいよ移民を増やすしかなくなるのだが、、、
今年の夏、数年ぶりに実家へ帰省したんだけど久々に帰ったせいでこの機会を逃すまい!と親から部屋の片づけを命じられ、ゆっくりするつもりが全然出来なかった。
仕方がなく実家の自分の部屋の掃除をしたわけだけど…机の引き出しから何やらよからぬものを発見。原稿用紙数枚分。なんとなく思い出した。自分が確か高一の時ぐらいに書いた小説もどき…。
そのまま処分しようかと思ったけど、これも何かの縁かと思い、焼き払う前にここに残そうと思って(供養の意味も込めて)、恥ずかしながら当時書いた小説をここに貼ります。
1
七月の黒板って、手のひらの汗を全部吸って、授業が終わるころにはチョークが湿気で太る。
セミは朝からミンミン鳴くくせに、ホームルームのときだけ少し黙る。
うちの担任は「ノストラダムスの書いた七の月だね」と、冗談のつもりで言うのだけれど、冗談って二回目から効かなくなるのよ、先生。私たちは1999年の夏を、テレビのワイドショーと同じ顔で消化して、笑うところは笑って、でも笑いきれない部分は教科書の下に隠す。
昼休み、廊下のどこかでPHSがピピピって鳴る。あの音は少し未来っぽい。私は机の中からMDを取り出して、宇多田ヒカルを再生して、再生の丸い矢印が自分の心臓の形に似てるな、と毎回どうでもいいことを思う。(でもFirst Loveは毎回ぜんぜんどうでもよくない。あれは心音を増やす歌)
夏の空気は扇風機の首ふりのリズムで揺れて、窓の外の雲は誰かが消しゴムで端をこすったみたいにほどけている。私は五時間目が終わったところで、ノートをぱたりと閉じて、裏表紙の端を折って、そっと立ち上がった。「保健室行ってきます」って小さく言えば、先生はたいてい止めない。保健室に行く経路で、屋上という寄り道があることは先生たちの知らない秘密の地図。
理科準備室の窓は鍵がゆるい。椅子を一脚ひっぱって、窓枠に膝を乗せ、指先で金具を押し上げる。屋上に出ると、空気が急にちゃんと味になる。すこし錆びた匂い。じんわりした熱。遠い国道のトラックの音。フェンスの金網に両手をかけて、私は深呼吸を一回、二回。七月の呼吸。あ、これは覚えておこう、って思ったとき。
「そこ、危ない」
声がした。男子の声。低すぎず、高すぎず、でも機械の温度みたいに均一。
振り向く前に、軽く手首を引かれて、私は一歩だけ後ろへ下がる。フェンスぎりぎりのコンクリ、米粒くらいの黒い影が落ちて、コツン、と音を出して割れた。殻の匂い。卵じゃない。虫でもない。もっとイヤな、硫黄の、でもどこかで嗅いだことのある、夏の終わりの側溝みたいな。
「ほら」
私の手首を放した彼は、フェンスにもたれるように立っていた。うちの学校の制服じゃない。黒い長袖。胸元に小さな紋。汗をかいていない。かわりに、視線が汗をかいているみたいに一直線。
「……なにが?」私は聞く。
「アンゴルモア」
さらっと言わないでほしい。テレビが殊更に太いフォントで見出しにしてた単語を、屋上の風のなかで日常語みたいに投げないでほしい。私は笑うタイミングを探したけれど見つからず、代わりにMDを一時停止にした。(宇多田のサビで止めるのは罪だけど、今日は免除してほしい)
「テレビのやつ?」
彼はフェンスを見上げる。その目は、黒板のイコールをまっすぐに引ける人の目。
殻、と彼が言った瞬間、さっきの黒い米粒が、煙みたいにほどけて消えた。彼は胸の紋に指先を添え、短い金属を引き抜いて、空気を一回だけ切る。刃じゃない。音だけ。なのに。地面の黒が粉になって、風にさらわれた。
「通りすがり」
教科書みたいな返事。でもふざけた感じはない。
「通りすがるには、ずいぶん正確にうちの屋上に来たじゃない」
彼はほんのすこしだけ笑う。笑い方は丁寧で、耳の形まで整っているタイプの顔。近づくと汗の匂いじゃなくて鉄の匂いがした。
「君、見えたでしょ、さっきの。普通の人は見えない。足もとに殻が落ちても、踏んで帰る」
「見えたから、何?」
「ひとりにしない」
その言い方は、なんだか“わたしの”言葉みたいで、ちょっとムカついた。知らない人に先に言われるの、好きじゃない。
「名前は?」
「湊(みなと)」
ひらがなで言われてもカタカナで言われても、たぶんこの名前は港の音がする。波打ち際で人を呼ぶ声。
湊はフェンスの外を見上げる。雲が薄く切れて、青の下に白い面が一秒のぞく。その一秒のあいだに、空が低く唸った。電車が遠くの高架をゆっくり渡るときの音に似てるけれど、もっと乾いている。私の首筋の汗がすっと引く。
「二匹目」湊は言って、私の前に立つ。
降ってくる。今度は米粒じゃない。ビー玉よりちょっと大きい、黒い丸。着地の前に割れて、内側から“何か”がぬるりと出ようとする。輪郭を持たないのに、目より先に匂いだけが肌にささる。夏の犬小屋の奥に置き去りにされたゴム、みたいな。
「息を合わせて」湊が言う。
「どうやって」
「今、君がしてるみたいに」
気づくと、私は湊とおなじテンポで息をしていた。吸って、吐いて。吸って、吐いて。二回に一回だけ、すこし長く吐く。そのリズムで、湊の金属が空気を切る。殻の破片が粉になり、風だけが残る。
「……ほんとに、アンゴルモア?」
「名前が先に来る怪物っているんだよ」湊は肩の力を抜きながら言う。「“恐怖の大王”って言葉、空気が好きなんだ。空気は、好きな言葉に寄ってくる」
そこまで聞いたところで、屋上のドアがギイッと鳴って、私は心臓を落としかけた。風より静かな足音。制服の足音じゃない。
「遅い」湊が言う。
「早すぎる」低い声が返す。私は反射でフェンスの陰に一歩引いて、ドアのほうを見る。黒いTシャツに薄いグレーのシャツを重ねた、涼しい顔の男の子。髪は長くも短くもなく、目は印刷された数字みたいにブレない。
「……え?」
「今日は偵察だけって言ったろ」と彼は湊に向かって、とても小さく眉間を寄せる。「初対面を屋上でやるの、ミスの確率上がる」
「じゃあ、屋上じゃないと見えないものもある」湊はさらっと返す。
二人は友だちっていうより、同じ地図の別ページ、という感じ。
「澪(れい)」と彼は短く名乗った。手にPHS。アンテナ二本。画面に点の地図。数字が流れて、一瞬だけ止まる。
「下、駅前に一件。夜は濃い」
「夜?」私はつい口を出す。「夜まで?」
「今日の七の月、最後だから」湊は私を見る。「帰り道、寄り道をしてもいいなら、案内する」
案内、ってすごくヘンな言い方。でも私はうなずく。喉が乾いているのに、声はちゃんと出る。
湊は金属を胸の紋に戻し、手すりに軽く触れてから踵を返した。澪はPHSを親指で弾いて、何かを送信して、何も言わずに私たちの前を歩く。三人で階段を降りると、校舎の匂いが一瞬だけ“普通”に戻って、私はその普通を鼻に詰めておこうと思った。(後で必要になる普通がある、って、新井素子の本に書いてあった気がする。気がするだけで、どのページかは思い出せないけど)
駅前は夏休みの夕方の顔をしている。ロータリーにバス、マクドナルドの前に行列、ガチャガチャの前で小学生が揉めてる、CDショップではラルクのポスター、ゲームセンターからドリームキャストのデモ音。風鈴みたいな高い音が一瞬だけして、次の瞬間、音が全部半拍ずれる。
「来た」澪が言う。
誰も気づいてない。サンダルの女子高生も、サラリーマンも、ショッピングカートを押すおばあちゃんも、誰も。
空から降りるものは影じゃなくて、空気の厚みの差。見えるのは、ここにいる三人と、そして、たぶん私だけ。
湊は前に出る。澪は周囲を見渡して、最も“記録”の薄い位置を選ぶ。道路標識の影と自販機の影が重なる場所。
「ここなら、ニュースにならない」
ある、と澪は言わないで、目で言った。
湊の肩が、呼吸といっしょに上下する。私はそのリズムに合わせる。吸って、吐いて。吸って、吐いて。なぜか一緒にやると心臓が落ち着く。(恋とかじゃなくて。いや、恋かもしれないけど、いまは違う)
殻のない降りは、匂いだけで先に来る。不意打ち。目の端で捉えるまでに、鼻が先に反応して、汗腺が縮む。湊の金属が空気を切り、澪のPHS画面の数字が揃い、私の呼吸が三拍目で長くなる。カチッと音がして、見えない何かが折りたたまれる。駅前はなにも起きなかった顔に戻る。
「——ねえ」私は息を整えながら言う。「これ、毎日?」
「七の月は毎日」湊は金属をしまう。「終わったら、少しだけ静かになる。少しだけ」
その“少しだけ”の言い方が、もう経験者の声で、私は急に怒りたくなって、でも怒っても仕方ないから、代わりに缶の自販機で麦茶を買って三人にわけた。湊は半分だけ飲んで、缶を私に返す。澪は口をつけずに、冷たさだけ指に移して返す。私はベンチに座って、残りを一気に飲んだ。
「帰り道、送る」湊が言う。
「送らなくていい」私はつい強めに言う。「ひとりで帰れる」
「見える人を、ひとりにしない」
またそれ。私はむくれて、でも、足は自然に彼らと同じ方向へ動いていた。
交差点の信号が青に変わる。横断歩道を渡る瞬間、風がすっと変わって、私は振り向く。人混みのむこう、ビルの屋上の縁。夕陽の切れ端のような光のところに、白いシャツの誰かが立ってこちらを見ていた。
まばたきしたら、いない。
「いまの」
「気づいた?」澪が初めて少しだけ笑う。「いい目だ」
「誰?」
「多分、明日には“こちら側”に来る」湊は短く言った。「きれいな顔をしてる」
家の前で別れるとき、湊は「また明日」と言いそうにした顔でやめて、「風の匂いが塩辛くなったら、上を見て」と言った。
私はうなずいて、門扉の前で一回だけ深呼吸した。玄関を開けると、母が台所でゴーヤチャンプルーを炒めていて、テレビは「Y2Kに備えて」の特集をやっていて、父は食卓で新聞を広げ、「大丈夫だよ」といつもの声で言う。
私は自分の部屋でMDを再生して、PHSのアンテナを出して、引っ込めて、出して、引っ込めて、意味のない儀式を二十回くらいやってから、ベッドに倒れ込んだ。天井の蛍光灯のカバーに、屋上のフェンスの格子が重なって見えた。
眠る直前、窓の外で、ほんの少しだけ風が塩辛くなった気がした。私はカーテンをめくって、上を見た。空はぜんぶの青を混ぜたみたいな色で、星はまだ点かず、遠くのどこかで雷の写真だけフラッシュが光った。
明日も、見える。
明日、もうひとり来る。
七の月は、まだ終わらない。
2
ワイドショーが終わって、ニュースの時間までの隙間に流れる通販の番組。マッサージチェアとか。美顔器とか。私は居間でスイカバーを食べながら、母がアイロンをかける音を聞いていた。
PHSが震えた。メール。文字数は少なく、「屋上」とだけ。差出人不明。昨日と同じ。
——行くしかない。
照り返しが強い。空気が音を立てる。セミは昼なのに狂ったように鳴いていて、私の制服は汗を吸ってもう重たい。
「来た」湊がフェンスにもたれていた。
隣には澪。無口な彼は今日もPHSを指先でいじって、画面に流れる数字を追っている。
そして——もうひとり。
髪は少し長く、色素の薄い瞳。美少年としか言いようがない顔立ちなのに、目の奥がひどく静かだった。笑ったとき、光がこぼれるというより、光が寄っていく感じ。
「碧(あお)」と湊が紹介する。
「よろしく」碧はにこりと笑って、私の袖を軽くつまんだ。指先が冷たい。
「三人?」私は尋ねる。
「四人」湊が言う。「君を入れて」
「えっ、いや、私なんて」
「見えてしまった以上、もう“向こう側”だよ」澪は画面から目を離さずに言った。
私は息を呑んだ。昨日から、すでに普通ではなくなっている自分を、もう否定できない。
——
ロータリーに人が溢れている。コンビニの前では中学生が立ち読みして、パン屋からは焼きたての匂い。バス停のベンチに座るおばあちゃんが団扇をぱたぱたさせている。
そんな雑踏のなかで、突然、音が半拍ずれる。
通りすぎる電車のブレーキ音が伸び、子どもの笑い声が濁り、セミの声が一瞬だけ空気に沈む。
「来た」澪が小さく告げる。
空から、殻が落ちる。最初は見えない。でも、確かにそこにある。私たち四人の目にははっきりと。
ビー玉より大きな黒い殻。地面に触れる前に割れ、中からぬるりと何かが出る。匂いは昨日より強烈。鼻の奥が焼ける。
「人混みの中は厄介だ」湊が前に出る。
「周波数を合わせる」澪はPHSを高く掲げ、ボタンを素早く叩いた。
「大丈夫、大丈夫」碧が私の肩に手を置いた。「君は息をするだけでいい」
殻から出てくる“それ”は、人の目には映らない。でも私には見える。輪郭は定まらず、影が水に溶けるみたいに揺れる。だけど、確かに街を食おうとしている。
「湊!」澪の声。
湊は棒を伸ばし、空気を裂いた。
刃ではなく、ただ音。だけど“それ”がたじろぐ。
碧が微笑みながら指先を空に走らせる。風の流れが変わり、影の形が折れ曲がる。
私の呼吸が、彼の肩の上下に合わせて整う。
一瞬、世界が止まった。
そして、影は粉になって消えた。
駅前は何も起こらなかった顔で、再びざわめき始める。人々は誰も気づいていない。
——
「なに、これ、ほんとに毎日?」
ベンチに座り込んで、私は麦茶を一気に飲み干した。
「七の月は毎日だ」湊が答える。
「でも、七月が終わったら?」
「少しだけ静かになる」碧が柔らかく笑った。「でも、“恐怖の大王”は終わらない。七月の名を借りてるだけだから」
澪は黙ってPHSを閉じた。その目は冷たいけれど、どこかで私を見守っているようでもあった。
私は三人を見回して、息を吐いた。
「……わかった。もう知らないふりはできない。だから——」
「ひとりにはしない」湊が言った。
その言葉は、昨日よりもずっと重く、強く響いた。
——
夜。帰り道。
商店街のアーケードにはまだ人がいた。ゲーセンの前でカップルがプリクラの袋を持って笑っている。CDショップからはELTの歌声が流れている。
「また?」私が言うと、碧が肩をすくめる。「今日は濃いからね」
次の瞬間、いなくなった。
「今のは?」
「気づいた?」澪が珍しく少し笑った。「君、ほんとにいい目を持ってる」
「……誰?」
「明日、会える」湊は短く言った。「俺たちの仲間になる」
——
ニュースは「何もなかった一日」を語っていた。
私は自分の部屋に入り、PHSのアンテナを伸ばしては引っ込め、伸ばしては引っ込め、意味のない儀式を二十回くらい繰り返した。
屋上の風がまだ、肌に残っていた。
三人の声も、影の匂いも。
そして、明日現れる誰かの姿も。
七の月は、まだ終わらない。
3
七月三十一日。
カレンダーの数字が赤くも青くもないのに、どうしてこんなに特別に見えるのだろう。
”終わる”という言葉が、宿題のノートよりも、日めくりの紙よりも、今日は妙に重たかった。
午前はやけに晴れていた。
でも午後になってから、光は濁った。セミの声がかえって甲高く響く。
屋上のドアを押すと、三人が待っていた。
湊。
澪。
碧。
「紹介する。彼も仲間」湊が言った。
白いシャツの少年は軽く会釈をした。年は私たちと変わらないのに、目の奥だけが遠い。「……雅(みやび)」と小さく名乗った。
四人の男子と、私。
屋上の風は重たくて、フェンスの金網が湿っているみたいだった。
「本体が来る」澪はPHSを掲げ、数字の羅列を見せてくる。意味はわからない。でも、ただ事じゃないことは伝わる。
「恐怖の大王」碧が肩をすくめながら微笑む。「七月が終わる、その瞬間に」
雷が鳴った。
私は一歩後ずさったが、湊が前に出た。背中越しに、彼の肩の呼吸が見える。
「大丈夫。合わせればいい」
「……どうやって」
「昨日と同じ。君は息をするだけ」
影が降りてきた。
殻じゃない。粉でもない。
“名状できないもの”が、街を覆いはじめる。
匂いが先に来る。鉄錆とゴムと、夏の終わりの湿気を全部混ぜたような匂い。
碧は風の流れを変える。
雅は静かに印のような手の動きをして、影の裂け目を縫い合わせる。
湊は棒を構え、私の前に立つ。
「……来るぞ」
大王の影は、顔を持った。
知らない誰かの顔。
でもなぜか懐かしく、私の記憶の底を撫でる顔。
「来る」澪が短く言う。
「させない」湊が返す。
影が迫る。世界が歪む。
人混みの声が止まる。時計の針が動かない。
この一瞬に、すべてが収束していく。
湊は前に出た。
「俺がやる」
「待って!」思わず叫んだ。
「君をひとりにはしないって言ったのに」
湊は、振り返らなかった。ただ、少し笑った。
「ごめん。今日は、俺だけで強がらせて」
影の中心に踏み込む。
棒を構え、全身を“蓋”にするように。
世界が一秒、無音になった。
雷鳴。
セミの声。
窓ガラスが震える。
影はたしかに消えていた。
残されたのは、三人の男子と、私。
澪は黙って画面を閉じ、碧は笑わずに目を伏せ、雅は静かに空を仰いだ。
湊の姿は、なかった。
「……どうすればいい?」私は震える声で尋ねた。
「何もしない」澪が答える。「ニュースにならないこと」
「覚えておくこと」碧が続ける。「ひと知れず、覚えていること」
雅は小さく頷いて、目を閉じた。
夜のニュースは「何も起きなかった一日」を語った。
父は「大丈夫だよ」と笑い、母は冷蔵庫にペットボトルの水を入れた。
宇多田の声が、少しだけ遠く聞こえた。
——風が変わったら、笑って。
私は、笑った。泣きながら。
翌日。八月一日。
空は夏の顔をしていた。
棒を見せ合って、当たりだの外れだの笑いあった。
でも、屋上の風は、まだ四人分吹いていた。
そして、七の月は、静かに閉じた。
って考えるとさ
メディアがとりあげる
4.情弱が騒ぎ出す
5.誹謗中傷
これって実行犯が3で、悪いのが2だよね?
この10年で「目立ったもん勝ち」「煽ったもん勝ち」のビジネスが台頭したおかげでこうなってるんだと思うんだけど
なんか最近SNSが悪いって言われてるけど、SNSって前からあったよな、でもここまで酷くはなかった
とするとSNSの使い方と言うか、狙ってバズろうとする個人メディア、あるいはそれを拡散する動画サイト(YoutubeやTikTokなど)の仕組みづくりの問題だと思うんだよね
ただプラットフォーマーもPV商売だから止めないっていうのが困った所