
はてなキーワード:ロン・ポールとは
https://anond.hatelabo.jp/20250727144129
米国の対香港制裁(林鄭らへの制裁)は、「柔軟な対応(flexibleresponse)」の一環であり、全体制裁よりも個別制裁の方が香港政府内の分裂を誘発しやすい。
全員を一斉に制裁すると結束を強めるが、段階的・個別的だと離反者が出る余地が生まれる。
制裁への「抵抗」として、実際には**「何もしない」という選択肢**もある。林鄭ですら従わずに済ませる方法はある。
官僚機構の慣性や惰性を利用すれば、中共に従わないことも可能。
黎智英は自由主義的立場を取り続けたが、環境と人脈によって選択肢が狭められた。
年齢やキャリアの積み上げにより、今さら新しいアイデンティティを築くのは困難。
黎智英が支持した「自由主義」は、1990年代に中国に輸入されたハイエク的自由主義。
しかしそれはハイエク本人の思想とはかなり異なるもので、学問的純粋性よりも**政治的影響力(清流党的)**を重視。
ハイエクは後期にかけて先験主義から経験主義にシフトし、英国保守主義やスコットランド啓蒙に融合した。
一方で、ミーゼス(Mises)は一貫して純粋な理論を追求し、現実政治には無関心だった。
ハイエクは**政治に責任を持たないメディア的知識人(胡適的)**の立場に傾いた。
このような「不感興趣的興趣(興味がないふりをした興味)」は、政治を批判するが責任は負わない態度を象徴。
ハイエク理論は1970年代以降の反ケインズ主義的潮流(例:サッチャー、レーガン)と時代的に同期し、影響力を持つようになった。
しかし、現実の政治家たちは必ずしもハイエクの信奉者ではない(偶然の「同期現象」に近い)。
ハイエクの影響は実際の知識人よりも、メディア・中産階級の「知道分子」層に向けられていた。
この層には理論的精緻さは不要で、政治的スローガンとしての自由主義が重要。
ハイエク自身は、自由と民主主義を明確に分けて考えていた(自由は民主主義なしでも維持可能と考えた)。
だが、現実の政治参加や「米国人民の賢さ」に期待するなど、自身の理念に矛盾する行動もとっている。
ハイエクや保守主義が理想とする「小さな政府」は、近代の軍事国家体制では維持不可能。
ロン・ポールのような純粋な自由主義者は、米国の軍事体制にとって現実的ではないため排除される。
ハイエク的自由主義を信奉した黎智英のような人物は、東アジアの文脈では制度的・地政学的に孤立。
ハイエク自身も東方世界を考慮しておらず、その弟子がアジアで成功するのは難しい。
↓のブコメのナイーヴな反応を見て思ったけど、みんなアメリカが世襲政治家だらけの国という現実を知らんのやな。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.afpbb.com/articles/-/3586012
ブッシュ父子やクリントン夫妻がどうこう以前に、第6代大統領ジョン・クインジー・アダムズが既に第2代大統領ジョン・アダムズの息子だからね。第23代大統領ベンジャミン・ハリソンは第9代大統領ウィリアム・H・ハリソンの孫。
日本で親子関係にある総理大臣は福田赳夫・福田康夫だけで(鈴木善幸の娘が麻生太郎の妻なので2人は義理の親子だが、ここではカウントしない)、総理大臣経験者は65人いるので、「親子総理大臣」の割合は3パーセント。ところがアメリカの場合は全47人中親子が2組(アダムズ・ブッシュ)なので、「親子大統領」の割合は8パーセントになる。実はイメージと違って、アメリカの方が世襲度が高かったりするのだ。
(ちなみに、苗字の漢字と読みが一致する歴代総理大臣は加藤(友三郎・高明)・田中(義一・角栄)・鈴木(貫太郎・善幸)・鳩山(一郎・由紀夫)・福田(赳夫・康夫)の5組10人いるが、血縁関係はそのうち2組(鳩山・福田)に過ぎない。いっぽう、苗字が同じ米国大統領5組10人(アダムズ・ハリソン・ジョンソン・ルーズベルト・ブッシュ)のうちアンドリュー・ジョンソンとリンドン・ジョンソン以外の4組は血縁関係にある)
アメリカに滞在した福沢諭吉は、初代大統領ワシントンの子孫のことを周りに尋ねてみたけど誰も知らない、門閥がない民主共和政ってすごい! と感動したという有名な話があるけど、それは単にワシントンが子梨だったからだという身も蓋もないオチがつく。実際には世襲の門閥貴族めいた家系はいくつもある。
ジョン・F・ケネディ大統領は弟ロバートを司法長官に任命したし,彼らの弟テッドは上院の重鎮だった(不倫飲酒ドライブ中に事故を起こして不倫相手を死なせてなければ大統領になれていただろう)。
ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の長男ジョージ・ウォーカーはテキサス州知事を経て大統領になったが、次男ジェブもまたフロリダ州知事を経て大統領を目指した(が、トランプに敗れて撤退した。このときの民主党候補はヒラリー・クリントンだったので、元大統領の息子&前大統領の弟 vs.元大統領の嫁という世襲ドリームマッチになる可能性があった。結果はご存じの通り)。
リバタリアン派の名物議員ランド・ポールは、ジョン・マケインと指名争いをしたロン・ポールの息子。マサチューセッツ州知事を務めてバラク・オバマと大統領の座を争ったミット・ロムニーは、ミシガン州知事だったジョージ・ロムニーの息子。共和党内の反トランプ派として有名なリズ・チェイニーは、元副大統領ディック・チェイニーの娘。現ケンタッキー州知事アンディ・ベシアは親父もケンタッキー州知事だし、コロナんときのニューヨーク州知事アンドリュー・クオモの親父もニューヨーク州知事。爽やかなイメージの元副大統領アル・ゴアだって親父が連邦上院議員。
考えてみればそれはそうで、アメリカの選挙は非常にカネがかかり、個人本位だ。比例代表制ではなく小選挙区制、しかも個々の政党が極めて分権的、ということは、つまり政治家個々人が党に頼らず自分の力で票をかき集める必要があるということだ。良く言えば二大政党制なのに多様な意見の議員が選ばれるということだが、悪く言えば政治家になるための個人のハードルがものすごく高い。政治家になるためのハードルが高い社会では、「親も政治家だった」というアドがめっちゃ効く。
(日本が世襲政治家だらけなのも、政治家になるためのハードルが高いからだ。中選挙区制から小選挙区制になって必要なカネは少なくなったとはいえ、まだまだカネがかかる事業であることには変わりがない。そして政治家になっても実入りが乏しい(これ自体は良いことではある)。それなら親から地盤・看板を受け継げる世襲候補が有利になるに決まっている。世襲政治家を減らしたいのなら、議席数を増やす(=選挙区あたりの有権者数を小さくして選挙にかかるカネを減らす)とか完全比例代表制にするとか逆に完全小選挙区制にする(衆院の比例区部分の定数をすべて小選挙区に割り振れば、議席数を増やすのと同じ効果がある)とか、そういうハードルを下げる取り組みが必要だろう)
もともとアメリカは民主政を嫌っていた。古典古代の民主政の要諦とは籤引きだった。古代アテーナイで籤引きが用いられていたことはよく知られている。アメリカの建国者たちは民主政よりも共和政を志向し、籤引きを採用しようとはしなかった。現在の「共和政」とは単に王のいない政体のことを指す(したがって王政とは矛盾するが民主政とは矛盾しない)が、伝統的な西洋政治思想では「有徳者による統治」のことを指していた(したがって君主制とは必ずしも矛盾しない(※)が、どれだけ愚かな人間でも政治参加できる民主政とは矛盾する)。アメリカ独立戦争は「民主政にするために貴族政を追い払ったのではなく、選挙貴族政にするために世襲貴族政を追い払った」(ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック『選挙制を疑う』)に過ぎない。ジェイムズ・マディソンは『フェデラリスト』で統治者と被治者の区別を主張していた。個人本位の選挙は擬似的な貴族階級を生み出す仕組みである。その仕組みを数百年にもわたって続けてきたアメリカが世襲政治家だらけなのは、さもありなん、という感じだ。
そうすると、果たしてこのような政治貴族だらけの国を「民主主義のリーダー」であるかのように扱うことがふさわしいのだろうか? という疑問が湧く。実際に、アメリカは『エコノミスト』の民主主義指数では韓国やイスラエル、ポーランドと同じ「脆弱な民主主義」とされている(日本は台湾やカナダ、ノルウェーと同じ「完全民主主義」)。私たちはアメリカに対する幻想を捨て去り、現実と向き合うべきなのかもしれない。アメリカは事実上の門閥貴族に牛耳られた寡頭制国家なのである、という現実に。
※ 近年、「王がいる共和政」についての歴史研究は進展しているが、現代において「王がいる共和国」としてオーストラリアやバハマが挙げられる。これらの国の国号はCommonwealth ofAustraliaにCommonwealth of TheBahamas、すなわち「オーストラリア共和国」に「バハマ共和国」だが(commonwealthには様々な意味があるが、語源はもちろんラテン語のres publicaであり、清教徒革命で王を処刑した後の国号がcommonwealthであったように「共和国」の意味も持つ)、両方ともチャールズ3世を国王とする立憲君主国である。「最近のラノベには共和国に王がいるんだけどwww」とか嘲笑う向きにおかれては近世ヨーロッパ史を真面目に勉強してほしい。王制と共和政は背反ではないのである。
Permalink |記事への反応(19) | 14:41
ロン・ポールなんて金本位制に戻せとか言ってる、いっちゃてるリバータリアンではないかというのは置いておいても、アメリカは働き始めたら各人に社会保障番号が割り当てられるから、労働年齢以上の全人口にはとっくにIDが割り当てられてる状態だよ。
リバータリアンとして連邦政府によるさらなる情報管理に反対するのは思想的には一貫してるが、非リバータリアンにとっては別段のインパクトがないよ。
さらに、こういう人達の周りには、国連によるアメリカ支配や世界政府に対する反対とか、パラノイアじゃないかとしか思えない発想文章が漂ってたりするからね。
アルファルファモザイクの記事でみんな国民IDについて絶賛してたのが不気味だったので、ちょっと訳してみた。
「先進国で採用してないのは日本だけ」っつっても、アメリカは採用してないんだよね。
日本じゃなくてアメリカの話だけど、何かの参考になれば。
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ロン・ポール下院議員は今日、衆議院で投票される「intelligence bill」に含まれる国民ID規定を批判し、官僚社会を不必要に促進させる法案など通すべきではないと他議員に訴えた。
「国民IDは自由な社会には不必要なものだ。ここはアメリカであってソビエトではない。連邦政府に米国市民から書類を要求するような権力を与えるべきではないし、憲法もそのような権限は与えてはいない。
どのような形であろうとも、国民IDは連邦政府に全アメリカ市民の行動と情報を不当にモニターする権限を与える事になり、政府というものがこういった権限を悪用する事は歴史が証明している。9-11委員会からの推薦がこの法案の下地となっているが、彼らは国内でこのIDの提示が要求されるスクリーニングゾーンの設立も訴えている。国内の移動規制と言えば自由国家ではなく独裁国家の特徴ではないか。この新しい免許証を持ち歩かないと、運転どころか飛行機に乗る事すら拒否されるのは時間の問題だ。
「運転免許証と出生証明書の全国化と、それを全国データベースでリンクする事は、国民IDシステムを作り上げる事に他ならない。国民IDの支持者達は、国民がそういった制度に対して警戒している事を十分理解しており、だからこそ今ある州ごとのIDと同じものに新しい規格をあてているだけだと主張している。ふざけるな!この法案は連邦法に規格を課し、たとえIDに自分の州名が印刷されていようと、それを連邦化されたIDとしてしまうのだ。
「自分達が安全になるからと、政府にこのソビエト風国内パスポート制度の導入を許してしまおうという人々は大変な勘違いをしている。全国民に対して監視とスクリーニングポイントを適応させる事は、むしろ人々の安全の低下に繋がり、それは決して実際のテロリストを追跡し捕まえるためのリソースを関係ない方面に向けてしまうから等という事ではない。憲法による政府権力の制限を信じる保守派の皆さんは、この独裁的な国民IDと、こんな馬鹿げたintelligence billそのものを拒否するべきだ」