
はてなキーワード:ロムニーとは
↓のブコメのナイーヴな反応を見て思ったけど、みんなアメリカが世襲政治家だらけの国という現実を知らんのやな。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.afpbb.com/articles/-/3586012
ブッシュ父子やクリントン夫妻がどうこう以前に、第6代大統領ジョン・クインジー・アダムズが既に第2代大統領ジョン・アダムズの息子だからね。第23代大統領ベンジャミン・ハリソンは第9代大統領ウィリアム・H・ハリソンの孫。
日本で親子関係にある総理大臣は福田赳夫・福田康夫だけで(鈴木善幸の娘が麻生太郎の妻なので2人は義理の親子だが、ここではカウントしない)、総理大臣経験者は65人いるので、「親子総理大臣」の割合は3パーセント。ところがアメリカの場合は全47人中親子が2組(アダムズ・ブッシュ)なので、「親子大統領」の割合は8パーセントになる。実はイメージと違って、アメリカの方が世襲度が高かったりするのだ。
(ちなみに、苗字の漢字と読みが一致する歴代総理大臣は加藤(友三郎・高明)・田中(義一・角栄)・鈴木(貫太郎・善幸)・鳩山(一郎・由紀夫)・福田(赳夫・康夫)の5組10人いるが、血縁関係はそのうち2組(鳩山・福田)に過ぎない。いっぽう、苗字が同じ米国大統領5組10人(アダムズ・ハリソン・ジョンソン・ルーズベルト・ブッシュ)のうちアンドリュー・ジョンソンとリンドン・ジョンソン以外の4組は血縁関係にある)
アメリカに滞在した福沢諭吉は、初代大統領ワシントンの子孫のことを周りに尋ねてみたけど誰も知らない、門閥がない民主共和政ってすごい! と感動したという有名な話があるけど、それは単にワシントンが子梨だったからだという身も蓋もないオチがつく。実際には世襲の門閥貴族めいた家系はいくつもある。
ジョン・F・ケネディ大統領は弟ロバートを司法長官に任命したし,彼らの弟テッドは上院の重鎮だった(不倫飲酒ドライブ中に事故を起こして不倫相手を死なせてなければ大統領になれていただろう)。
ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の長男ジョージ・ウォーカーはテキサス州知事を経て大統領になったが、次男ジェブもまたフロリダ州知事を経て大統領を目指した(が、トランプに敗れて撤退した。このときの民主党候補はヒラリー・クリントンだったので、元大統領の息子&前大統領の弟 vs.元大統領の嫁という世襲ドリームマッチになる可能性があった。結果はご存じの通り)。
リバタリアン派の名物議員ランド・ポールは、ジョン・マケインと指名争いをしたロン・ポールの息子。マサチューセッツ州知事を務めてバラク・オバマと大統領の座を争ったミット・ロムニーは、ミシガン州知事だったジョージ・ロムニーの息子。共和党内の反トランプ派として有名なリズ・チェイニーは、元副大統領ディック・チェイニーの娘。現ケンタッキー州知事アンディ・ベシアは親父もケンタッキー州知事だし、コロナんときのニューヨーク州知事アンドリュー・クオモの親父もニューヨーク州知事。爽やかなイメージの元副大統領アル・ゴアだって親父が連邦上院議員。
考えてみればそれはそうで、アメリカの選挙は非常にカネがかかり、個人本位だ。比例代表制ではなく小選挙区制、しかも個々の政党が極めて分権的、ということは、つまり政治家個々人が党に頼らず自分の力で票をかき集める必要があるということだ。良く言えば二大政党制なのに多様な意見の議員が選ばれるということだが、悪く言えば政治家になるための個人のハードルがものすごく高い。政治家になるためのハードルが高い社会では、「親も政治家だった」というアドがめっちゃ効く。
(日本が世襲政治家だらけなのも、政治家になるためのハードルが高いからだ。中選挙区制から小選挙区制になって必要なカネは少なくなったとはいえ、まだまだカネがかかる事業であることには変わりがない。そして政治家になっても実入りが乏しい(これ自体は良いことではある)。それなら親から地盤・看板を受け継げる世襲候補が有利になるに決まっている。世襲政治家を減らしたいのなら、議席数を増やす(=選挙区あたりの有権者数を小さくして選挙にかかるカネを減らす)とか完全比例代表制にするとか逆に完全小選挙区制にする(衆院の比例区部分の定数をすべて小選挙区に割り振れば、議席数を増やすのと同じ効果がある)とか、そういうハードルを下げる取り組みが必要だろう)
もともとアメリカは民主政を嫌っていた。古典古代の民主政の要諦とは籤引きだった。古代アテーナイで籤引きが用いられていたことはよく知られている。アメリカの建国者たちは民主政よりも共和政を志向し、籤引きを採用しようとはしなかった。現在の「共和政」とは単に王のいない政体のことを指す(したがって王政とは矛盾するが民主政とは矛盾しない)が、伝統的な西洋政治思想では「有徳者による統治」のことを指していた(したがって君主制とは必ずしも矛盾しない(※)が、どれだけ愚かな人間でも政治参加できる民主政とは矛盾する)。アメリカ独立戦争は「民主政にするために貴族政を追い払ったのではなく、選挙貴族政にするために世襲貴族政を追い払った」(ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック『選挙制を疑う』)に過ぎない。ジェイムズ・マディソンは『フェデラリスト』で統治者と被治者の区別を主張していた。個人本位の選挙は擬似的な貴族階級を生み出す仕組みである。その仕組みを数百年にもわたって続けてきたアメリカが世襲政治家だらけなのは、さもありなん、という感じだ。
そうすると、果たしてこのような政治貴族だらけの国を「民主主義のリーダー」であるかのように扱うことがふさわしいのだろうか? という疑問が湧く。実際に、アメリカは『エコノミスト』の民主主義指数では韓国やイスラエル、ポーランドと同じ「脆弱な民主主義」とされている(日本は台湾やカナダ、ノルウェーと同じ「完全民主主義」)。私たちはアメリカに対する幻想を捨て去り、現実と向き合うべきなのかもしれない。アメリカは事実上の門閥貴族に牛耳られた寡頭制国家なのである、という現実に。
※ 近年、「王がいる共和政」についての歴史研究は進展しているが、現代において「王がいる共和国」としてオーストラリアやバハマが挙げられる。これらの国の国号はCommonwealth ofAustraliaにCommonwealth of TheBahamas、すなわち「オーストラリア共和国」に「バハマ共和国」だが(commonwealthには様々な意味があるが、語源はもちろんラテン語のres publicaであり、清教徒革命で王を処刑した後の国号がcommonwealthであったように「共和国」の意味も持つ)、両方ともチャールズ3世を国王とする立憲君主国である。「最近のラノベには共和国に王がいるんだけどwww」とか嘲笑う向きにおかれては近世ヨーロッパ史を真面目に勉強してほしい。王制と共和政は背反ではないのである。
Permalink |記事への反応(19) | 14:41
基本的にアメリカでは低所得層は民主党支持(が多い)で高所得層は共和党支持(が多い)。
クリントンvsトランプの時もそうだった。低所得者層ではクリントンに投票した人の方が多い。
ただし、オバマ時と比べて低所得層でのリードがだいぶ減ったせいで、低所得層の民主党離れが頻繁に報道された。
コロナ禍で女性の自殺が増えて頻繁に報道されたけど、数自体は男の自殺の方が多いのと似たかんじ。
注目できる新パターンが見つかったらそればっかり報道されるのは常。
女性の自殺増加で着目されない元から多い男性自殺者と、低所得の共和党支持者増加で着目されない元から多い低所得の民主党支持者はよく似てる。
「コロナ禍で女ばかり自殺してる」という認知が誤りであるように「弱者はトランプをこそ支持している」という認知も誤り。
繰り返すが全体の傾向では低所得は民主党、高所得は共和党に投票しやすい。ただし傾向なので個々人にあてはめちゃいかんよ。
投票者を所得層で分け、層ごとに投票者の何パーセントが当該候補者に投票したか。データは出口調査に由来。
例えば2012年は年収5万ドル未満の低所得層の投票者は60%がオバマに票を入れた(ロムニーは38%)。
| 選挙年 | 候補者 | 年収5万ドル未満 | 年収5万ドル以上10万ドル未満 | 年収10万ドル以上 |
|---|---|---|---|---|
| 2012 | オバマ | 60% | 46% | 44% |
| 2012 | ロムニー | 38% | 52% | 54% |
| 2016 | クリントン | 53% | 46% | 47% |
| 2016 | トランプ | 41% | 49% | 47% |
| 2020 | バイデン | 55% | 57% | 42% |
| 2020 | トランプ | 44% | 42% | 54% |
http://www.publicpolicypolling.com/main/2013/04/conspiracy-theory-poll-results-.html
「Public Policy Polling」より2013年の調査。
地球温暖化:アンケートに答えた人のうち37%が「温暖化はウソ」と信じている。本当だと考えている人たちは51%。共和党員は民主党員に比べて温暖化デマ説を信じやすい傾向にある。ミット・ロムニー(2008年と12年のアメリカ大統領選挙共和党候補者)支持者の61%は温暖化デマ説を信じている。
ビンラディン生存説:回答者のうち6%が「オサマ・ビン・ラディンはまだ生きている」と信じている。
9.11テロ・イラク関与説:回答者のうち28%がサダム・フセインは9.11テロに関与していたと信じている。ロムニー支持者の36%がこの説を信じているが、一方で41%はそう考えていない。
ロズウェル事件:回答者の21%が1947年にロズウェルでUFOが墜落し、政府がそれを隠蔽したと考えている。ロムニー支持者の27%、オバマ支持者の16%がUFOの実在が隠されていると考えている。
影の支配者:回答者の28%が、グローバリズムを信奉する影の権力者たちが世界の秩序をコントロールしていると信じている。ロムニー支持者のうち38%がそう信じており、35%がそうではないと思っている。
ワクチンで自閉症:回答者の20%が子供時代のワクチン接種が自閉症を誘発すると信じている。51%は信じていない。
オバマ=アンチキリスト説:回答者のうち13%がオバマ大統領のことをアンチキリストであると信じている。ロムニー支持者のうち22%がそうした考えの持ち主である。
イラクの大量破壊兵器査察問題:ブッシュ大統領が(イラク戦争の開戦理由であった)イラクの大量破壊兵器の所持について故意にミスリードを行ったかどうかについては、ほぼ半々に意見が分かれている。ブッシュが故意にウソをついていたと考えるのは政党別に、民主党員で72%、無党派層で48%、共和党員で13%。
CIA売人説:回答者の14%が「1980年代にアメリカの都市部にコカインを広めたのはCIA」と信じている。
飲水にフッ素:回答者の9%が「政府がある邪悪な意図から私たちの飲水にフッ素を混入している」と信じている。
レプリタリアン:回答者の4%が「"爬虫類人"が政治的な権力を握って私たちの社会を操っている」と信じている。
ケネディ暗殺:回答者の51%が「ケネディ暗殺にはより大きな陰謀が隠されている」と信じている。オズワルド単独犯説を信じているのは25%。
ビッグフット:回答者の14%がビッグフットの存在を信じている。
メディアによる洗脳:回答者の15%が「政府やメディアは国民をTV信号波を介して国民をマインドコントロールしている」と信じている。(いわゆる「アルミホイル帽ピープル」)
飛行機雲の成分:回答者の5%が「飛行機が飛んだ跡に出る飛行機雲は、邪悪な意図をもった政府によって散布されている悪い化学物質」と信じている。
病気を造る製薬会社:回答者の15%が「新しい病気は医療業界や製薬業界が金儲けのために『発明』したもの」と信じている。
ポール・マッカートニー死亡説:回答者の5%が「本物のポール・マッカートニーは1966年に死んだ」と信じている。
9/11政府陰謀説:回答者の11%が「政府は9.11テロの情報を事前に掴んでおきながらあえて黙過した」と信じている。78%は否定派。
http://www.nicovideo.jp/ranking/fav/daily/g_politics(ニコニコ動画の政治カテゴリのランキング)
2位 於池袋西口民主黨街宣で飜る大極旗と五星紅旗とマンセーの連呼
5位11月24日野田総理街宣中に国民に完全論破される民主党職員
6位 倉山満さんの神演説!!(11.24安倍救国内閣樹立!国民総決起集会)
7位11月25日埼玉県浦和駅前で民主党国会議員がいたので応援してみた。
10位11/24安倍救国内閣樹立!街頭演説会 1/3【三橋 ペマ・ギャルポ 田母神】
これを偏っている以外の形容詞でどうやって表現すればいいのでしょうか。
ここで党首討論をやろうといのは、「ティーパーティーの決起集会でオバマとロムニーの党首討論をやろう!」というのと同じくらいにフェアだし中立な提案だと思います。
イデオロギーが強いっていうか、イデオロギーにすがってるなあとかは思う。思い込みが強めっていうか。いやそういうのをイデオロギーが強いっていうのか。
実質はイデオロギーがまずあってそのために何かするっていうより、(自国の損を避けるために)何かするためにイデオロギー使ってるだけだよね。
ちょっと鶏卵っぽいところあるけど、でも「世界の警察だから!」とかもはや言い訳でしかないっしょ。
ああ、なるほど。しっくりきた。
いやーそうするとより一層ブーメランですねー政府の介入で生き延びた金融機関関係の裕福層殿?
みたいな気分になってきてより微妙ですね。いや知らんけど、金融機関職員の人種的な人口比とか、富裕層の金融機関関係者の人口比とか。
アメリカが戦争をするのは「世界の警察たるアメリカ」というイデオロギーのためじゃないの。
そしてアメリカ人が利益を追求するのは「アメリカンドリーム」というイデオロギーのため。
個人的にはアメリカってかなりイデオロギーの強い国だという感じがする。
個人が努力して成功して金を掴む、というのをアメリカ人は賞賛する一方で、政府が個人に介入するのをものすごく嫌ってもいる。
それはもう読んだ。
例えば
「中絶反対」→「(経済的理由から)中絶せざるを得ないのは貧困層(≒非白人)」→「『中絶反対とかふざけんな』派がごっそり反対陣営につく」
みたいな流れとかは妄想出来るけど正直そんな単純じゃないべ?
戦争に対する態度とかでも何かこう党派がどうとかじゃなくてアメリカっちゅー国が「イデオロギー的なものはあくまでタテマエですよ」感がするじゃん。もともと利益のためなので思想的に反省とかあんましません感が。
なのに今更選挙結果が出てからロムニー支持派が「物を欲しがる人々を小浜が釣って勝った」みたいなこと言ってたりするじゃん。
「物をほしがる」って、お前そりゃアンタんとこのお国柄だろ実利追求主義は。みたいな感じでいい具合に脱力するよね。