
はてなキーワード:ミネベアミツミとは
昨日、Yahooニュースにて下記のタイトルの記事が掲載されました。
【「バッグにクラブを20本入れて、18ホールプレーした」これってクラブ超過でルールでは失格になるの?】
趣旨としては下記の通りです。
・でも、例えば20本入れて18ホールプレーしても4罰打払えば良い。競技失格にはならない。
・大きな声では言えないが、アマは4罰打払っても大量のクラブ入れてプレーしたほうがスコア良いかもしれない。
「ゴルフバッグに20本入れてプレーしたら駄目に決まってるだろ! 失格になるだろうし、規則の精神を無視する記事出したらアカンて!」
まず、私も(そして多分記事も)プライベートラウンドで15本以上使うことにとやかく言う気はありません。
というか、実戦で新旧パター打ち比べたいとか、チッパーとウェッジどちらが寄るか試したいとか、ドライバーのシャフト前半後半で入れ替えてみたいとか、そんなのは良くありますし、ほとんどのプレーヤーは気にしてないと思います。
長いので要約だけつまんで読んでもわかるようにしておきます。
詳しく見たいなら規則本文を読んでください。
1ラウンド持ち運べるのは14本までだ。
全部使ってなくても多ければ駄目だ。気付いたら使わないクラブを除外しろ。
多く持ってたら罰は1ホールにつき2罰打とするが、最大4罰打までで良い。
何本多くても同じ罰だ。
4.1b(1)14本のクラブの制限。プレーヤーは次のことをしてはならない:
• 14本を超えるクラブを持ってラウンドをスタートすること。
• ラウンド中に14本を超えるクラブを持つこと。
(中略)
プレーヤーが14本を超えるクラブを持っていてこの規則に違反したことに気づいた場合、そのプレーヤーは、規則4.1c(1)の手続きによって他のストロークを行う前にその超過クラブをプレーから除外しなければならない。
(中略)
規則4.1b違反の罰:罰はプレーヤーが違反に気づいた時点に基づいて適用する:
(中略)
ストロークプレーの罰―2罰打(最大4罰打):プレーヤーは違反が起きた各ホールに対し一般の罰(2罰打)を受けるが1ラウンドでは最大4罰打となる(違反が起きた最初の2ホールにそれぞれ2罰打を追加する)。
元の記事が何故できてしまったかの可能性①は、ここだけ読んで「お、記事に使えそうな意外な規則メッケ!」ってなったからってのが考えられます。
ここで重要なのは、規則の中の「プレーヤーが14本を超えるクラブを持ったことに気づいた場合、そのプレーヤーは、規則4.1c(1)の手続きによって他のストロークを行う前にその超過クラブをプレーから除外しなければならない。」の部分で、ちゃんと続きを読まなければならない条文になってます。
プレーヤーはラウンド中にクラブ本数超過に気付いたら、次のプレー前にどのクラブを除外するか決めて同伴競技者に伝えろ。
やんなかったらお前失格な。
(1)ラウンド中。プレーヤーがラウンド中に規則4.1bに違反していることに気づいた場合、プレーヤーはプレーから除外する各クラブを明確に示す行動を次のストロークを行う前にとらなければならない。
これは次のいずれかによって行うことができる:
• 除外することをマッチプレーでは相手、ストロークプレーではマーカーかその組の別のプレーヤーに告げる。
• 他の何らかの明確な行動をとる(例えば、そのクラブをバッグに逆さまに入れる、ゴルフカートの床に置く、別の人にクラブを渡す)。
(中略)
はい、失格です。ラウンド中に気付いた超過クラブを除外しなかったとして失格になった例はツアーでも複数回あります。
多分一番最近の例は、2023年7月6日のミネベアミツミレディス北海道新聞カップにて吉田弓美子選手が失格となった例です。
吉田選手は10番からスタートして11番のセカンド前にクラブがなんとなく多い気がしましたが、とりあえずプレーしてしてから12番のティーエリアで競技委員に話をしました。
セカンド打つ前に同伴競技者にクラブ超過と規則4.1c(1)に基づく除外クラブの指定を伝えていれば4罰打でしたが、先にプレーしてしまったので失格になりました。
12番で隠さず話をしているため、おそらく悪気はなくクラブ本数も何かの間違いで入ってしまったのでしょうが、規則違反で失格となりました。
誤って持ってきてコレなのです。
故意に持ってきたら最初から知ってたわけなので、失格になると思われます。
流石に故意にクラブ持ってきた先例をツアーでやった人はいないと思うので、裁定例はないかもしれませんが。
プレーヤーはラウンド前に誤ってクラブ多く持ってるのに気づいたら、可能な限りどっかに置いてこい。
時間的に間に合わないとかで置いてこれないなら、最初から同伴競技者に除外クラブ指定して無罰で持ってってもいい。
ただし故意にクラブ多く持ってきてた場合はダメだ。その場合は規則4.1b(1)を適用するぞ。
4.1c(2)ラウンド前。プレーヤーがラウンドをスタートする直前に14本を超えるクラブを誤って持っていることに気づいた場合、そのプレーヤーはその超過クラブを置いていく努力をするべきである。
• ラウンドをスタートする前に、プレーヤーは(1)の手続きによりそのような超過クラブをプレーから除外することができる。
• その除外した超過クラブをそのラウンド中にプレーヤーは所持することができ(しかし、使用してはならない)、それらのクラブは14本の制限についてはカウントしない。
プレーヤーが故意に14本を超えるクラブを最初のティーイングエリアに持ってきて、その超過クラブを置いていかずにそのラウンドをスタートした場合、この選択肢は認められず、規則4.1b(1)が適用となる。
「故意に14本を超えるクラブを最初のティーイングエリアに持ってきて、その超過クラブを置いていかずにそのラウンドをスタートした場合、この選択肢は認められず、規則4.1b(1)が適用となる。」
適用となる4.1b(1)には、 14本を超えるクラブを持ってラウンドをスタートしてはならない、プレーしたら最高4罰打、と書いてあり、二つの規定を無理やり繋げると、
「故意に14本を超えるクラブを最初のティーイングエリアに持ってきて、その超過クラブを置いていかずにそのラウンドをスタートした場合、規則4.1b(1)が適用となり、 14本を超えるクラブを持ってラウンドをスタートしてはならない。プレーしたら最高4罰打。」
なので解釈によっては、
「故意に15本持ってきたら規則4.1b(1)適用。と言うことは、規則4.1bの最高4罰打を払えば持ってっても良いってことか?」
とかになりかねません。
Yahooニュースの元記事が書かれてしまった可能性②は、この読み取りづらい規定によるものかも。
この部分は英文と翻訳のニュアンスの違いがでているように思われます。
故意に、の部分の英語はdeliberately。確かに「故意に」であってはいるんですけど、どうもイメージ的には「悪意を持って計画的に」ってニュアンスらしいです。
そのため、この規則はおそらくこう読み替えるべき部分のように思います。
「プレーヤーが悪意を持って計画的に15本持ってきて、他の人から指摘されたとかで「ラウンド前の除外指定しまーす。その場合は無罰ですよねー、超過クラブは持ってきます」と言ってスタートするのは許さん。スタートしたら2罰打、その次のホールもそのまま持ってたら4罰打に処す。」
つまり、使ってやろうと悪意を持っていたが、何らかの理由でスタート前に除外指定した場合の規定と思われます。
逆に、誰にも気づかれないまま、しめたと除外指定せず、後でバレたらやっぱ失格となる公算大です。
そりゃ、間違って多く持ってきた時にプレー優先して先に1打プレーしてしまうだけで失格になるんですから、悪意を持って最初から持ってたら失格でしょう。常識的に考えて、と言うやつですね。
というか「大きな声では言えないが」と前置きしてはいますけど、20本持って4罰打払って競技出たほうが結果的に得するかもね?ってな話をYahooの記事に載せること自体がちょっと軽率に感じます。
例えもしルールに穴があって実際にそうなってたり、私の方が間違っててやっぱ4罰打払えば良かったりしてもですよ。ゴルフ規則の精神にもとるという奴です。
アメリカのPGAツアーで、ミケルソンがグリーンから溢れそうなパットした時に、急いで追いかけて動いてる球を打った事件がありました。
ご存知の方も多いと思います。
この時、ミケルソンが「動いてる球を打ったら罰がある事は知っていたが、グリーンから溢れるより罰打を払ったほうが有利だと思ったから打ったんだ」と言い、ゴルフプレーの精神にもとると大きな批判を浴びました。これと同じ気配がします。
すべてのプレーヤーは次の行動をとることによってゲームの精神の下でプレーすることが期待される:
• 誠実に行動すること-例えば、規則に従う、すべての罰を適用する、プレーのあらゆる面で正直である。
https://anond.hatelabo.jp/20200813115920
上記の記事を書いた増田です。外出して戻ってきたらまさかの100ブクマ越えだったんで、調子に乗って続きを書きます。
要するにソニーの半導体事業部。金額ベースでイメージセンサーの世界シェアが50%を超える王者。
裏面照射型や積層型といった新技術も世界に先駆けて開発しており、技術・規模両面において市場をリードしている。
ただし、スマートフォン・デジカメのハイエンド品がメインなので、数量シェアでは過半数を下回る。
また車載向けではシェトップではなく絶対的王者といえるほどその地位は安泰ではない。
ソニーのイメージセンサーの基幹工場。初めからイメージセンサー向けで建てられたという特徴がある。
イメージセンサーの主流がCCDからCMOSに切り替わるタイミングでの大規模投資が功を奏し、近年では珍しい日本企業の電子デバイス分野での覇権獲得につながった。
みんな大好き、SCEの久夛良木さんがPS3で夢を見てCellProcessor量産のために大規模投資をした工場。
もともとハイエンドプロセッサ向けの工場だったのだが、PS3爆死のあおりを受けて設備投資が中断。
ソニー本体が65nmまででプロセス投資凍結 →東芝へ売却 →ソニーによる買戻し →イメージセンサー工場に転換という数奇な運命をたどる。
これまたPS3のGPUであるRSXの製造を担当していた。ソニーがイメージセンサーの規模拡大のために東芝から買収。
もともとはNECの先端ロジック半導体の製造拠点。製造品目としてはWii /Wii UのCPUが有名。
NECのロジック半導体部門が分社化したNECエレクトロニクスが旧ルネサスと合併後、日立系との勢力争いで非主流派となり、工場閉鎖が検討されていたところをイメージセンサーの製造能力拡大を図りたいソニーが買収することになった。
こうしてみると、ソニーのイメージセンサーのシェア拡大には競争力のなくなった各社のロジック半導体工場の買収が大きく寄与していることがわかる。
最も、製造品目の転換にはデメリットもあって、最初から専用工場として建てられた場合に比べて効率が劣る部分があるのだ。
例えば、半導体の配線材としては銅が使われているのだが、金属汚染を避ける必要があるため工場内のレイアウトはそれを考慮されている。
ところが先端ロジック半導体では10層以上使っており配線工程が多いのに対して、イメージセンサーでは3層程度だったりするので、工場をそのまま流用すると製造装置の配置で効率が悪くなる部分が出てきたりするのだ。
ごめん、ぶっちゃけパワー半導体は詳しくない。三菱電機、東芝、富士電機あたりが主なプレーヤー。
現状では売り上げ、技術ともに世界上位だとは聞いているが、懸念点はある。
彼らは国内の自動車メーカーや重電・家電メーカーに納めるモジュール向けに生産しているのがメインで、半導体メーカーとして世界の顧客に積極的に売るという感じではないようなのだ。
かつての総合電機本体が自社の家電向けに半導体を生産していたのが、国内メーカーのデジタル家電のシェダウンで売り上げを落とし衰退したのを見ているだけに将来が恐ろしい。
ドイツのInfineonやアメリカのON semiconductorのようにウェハを300㎜化して外販増やす戦略もとっていないようだし、どうなることか…
■ルネサスエレクトロニクス
かつてはマイコン世界一。旧ルネサス時代に日立系・三菱系の製品ラインナップを統合できない間に、NEC系の製品も入ってきて大混乱。
顧客が1社購買を避けるため、一時的には1+1+1=3になっていたが、現在ではいいとこ1+1+1=1.5程度ではないだろうか。
民生機器向けのローエンドマイコンではPICとAVRを有するMicrochipの攻勢を浴び、ハイエンド品ではArmベースで開発しやすさをうたうSTMicroの攻勢を受けて苦しい状態が続く。
ちなみにアナログ半導体でも日本最大、世界シェアでTop10に位置する。さすがは日本を代表する半導体メーカー。
とはいえ、アナログ半導体については国内の工場をガンガン閉鎖したため、ぶっちゃけ国内で製造している割合は大きくなく、買収した米国の旧Intersilの寄与分が大きい。
■東芝
電子工作雑誌、トランジスタ技術に乗っているような個別半導体を今でも作っている貴重な日系メーカー。ルネサスが古い工場をガンガン閉鎖してほとんど個別半導体から手を引いたため、
ちょっとした単機能部品を使おうと思うと日系メーカーでは東芝がほぼ唯一の選択肢となることも多い。
アナログ・ディスクリート部門の売上自体はNANDを作っているキオクシアに比べて規模が小さく地味な存在ではあるが、個人的には頑張って製造を続けてほしいと思っている。
■ローム
何かと癖のある京都系メーカー。かつてはデジタル家電向けにカスタムICを作り高収益企業として知られていたが、最近ではそうでもない。
とはいえ、車載向けの比率を増やしたり、沖電気の半導体事業買収 /ヤマハから工場買収といったように経営的にはいろいろ模索している。
総合電機系の半導体メーカーが軒並み没落する中で、大崩れせずに生き残っているあたりはさすが京都系というところか。
なお、独自の社風は業界内でも有名。技術を身に着けた男性社員が転職して出ていかないように、地元京都の女子社員を顔採用してお嫁さん候補としている等の都市伝説あり。
ちなみに筆者は就活生であったころロームに選考書類を送ったのだが、他社では聞かれたことがない出身中学校を教えてくれと追加連絡があり、返信後にお祈りされるという謎の経験をしている。
■ TI
アメリカを代表する世界最大のアナログ半導体メーカー。半世紀くらい前から日本に拠点を構えている。外資系のためドライな部分があるようで、工場が老朽化すれば容赦なく閉鎖している感がある。
主力工場は旧Spansion (AMDと富士通が合弁で作ったNOR型Flash memoryの会社)から買収した会津若松工場。
小規模な工場が使われることの多いアナログ半導体では珍しく先端品同様300㎜ウェハを使った大規模工場だぞ。さすがはアナログの王者といったところか。
アメリカの電機メーカー、Motorolaの半導体部門のうち、アナログ /ディスクリート部門が分社化。三洋電機の半導体部門を買収。
日本にもそこそこの規模の工場や開発拠点を有しているが、気がかりなのは将来性。リクナビを見る限り、あまり積極的に人材採用してる感じじゃないんだよな。
定年等の自然退職分の補充だけというか。日本に進出している外資でも、Western DigitalやMicronは割と積極的に採用・投資している感じなのだが、同じ外資でも方針が分かれるのだろうな。
■デンソー
トヨタが日系半導体メーカーの衰退に危機感を覚え、自前の開発リソース強化を決断、グループの半導体開発のリソースをデンソーに集約。
富士通から工場を買収したり、東京に設計拠点を開設してルネサス等の大規模リストラで失業したエンジニアを引き抜きしたりしている模様。
筆者の同僚も1人ここへ転職していった。
■ ソシオネクスト
富士通とPanasonicの先端ロジック半導体の設計部門が統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。
デジタル家電や画像処理に強みを持つのだが、台湾勢とのガチ競合を避けるために若干ニッチにシフトしている感がある。
旧富士通と旧Panasonicの拠点が併存しており、社内文化の融合はあまり進んでいないとの噂。
任天堂関連銘柄。最初からファブレスで創業した日本では珍しい企業。大阪地盤だが、旧川崎製鉄の半導体部門を買収して関東にも拠点を確保した。
ソシオネクストが誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。
日本のファブレス半導体メーカーといえばかつてはここが一番有名だった。カリスマ社長が創業して、講演会や本の出版も盛んにやっていた。
デジタル家電で急成長してリーマンショック前には200億くらい売り上げがあったのだが、今では30億くらいに落ち込んでいる模様。
ある程度年齢を重ねて思うのだが、経営者がメディアに積極的に露出する会社は経営に割くべきリソースを浪費しているような気がする。
筆者も大学生のころは意識高い系だったので就活の時にはこの会社を志望していたのだが、今思えば採用されなくてよかったと思っている。
■日亜化学
LED大手。売り上げでは日系半導体メーカー上位だが残念ながら筆者は詳しくない。
■シャープ
10年ほど前までは世界ランキング20位くらいに位置していたが、
最近はあまり開発リソースや設備に投資がされていないようで存在感があまりない。
■日清紡
本業は繊維メーカーなのだが、最近はなぜか半導体メーカーへ出資をしている。
オーディオファンに知名度の高いオペアンプで有名な新日本無線や、電源ICを作っているリコーの半導体部門を買収している。
アナログ半導体に一定のリソースを割いている模様。10年ほど前に元になった会社のミツミがルネサスの工場を買収 /SIIの半導体部門が独立したエイブリックを買収など動きあり。
それにしても、エイブリックはあの事業規模でガンガン広告出しているが、費用対効果めちゃくちゃ悪くないだろうか。渋谷で看板を見たが主要顧客へのアピールやエンジニアの採用には役に立たない気が…
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