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はてなキーワード:プロ野球中継とは

2025-10-08

風俗入店してよく分かった。お客って本当に色んな人がいるんだな。

なんで風俗を始めたのか?の話はもういいだろう。みんな似たような理由だ。大学学費一人暮らし生活費奨学金の返済。選択肢がなくなって、結局ここに辿り着く。

体験入店3日目で気づいた。この仕事、お客の人間観察が一番面白い

毎週木曜日の夜8時きっかりに予約を入れる会社員がいた。部屋に入ると必ずテレビプロ野球中継を見ながらプレイする。阪神ファンで、阪神が負けそうになると機嫌が悪くなって時間を延長してくる。勝ってる時は優しい。私の給料阪神勝敗に左右されるなんて思わなかった。

超絶イケメンなのに人見知りすぎて会話が成立しない人もいた。顔は俳優レベル、体型も完璧、でも私と目を合わせられない。最初から最後まで天井を見つめてプレイしてた。帰り際に小さな声でありがとうございましたって言われた時、なんか切なくなった。

一番印象に残ってるのは、部屋中がフィギュアで埋め尽くされてるオタクの人。でも清潔感があって、ちゃんとお風呂も入れてくれるし、タオルふわふわフィギュア説明を熱心にしてくれるんだけど、私が全然からいから、今度アニメ見てきてって宿題出された。そして本当に見ていったら、めちゃくちゃ喜んでくれた。プレイより長時間アニメの話をした。

自分ヤクザじゃないからって最初言い訳する人がいた。確かに見た目は怖いけど、部屋に入ったら猫が3匹いて、全部保護だって教えてくれた。猫の話をしてる時の顔が優しすぎて、見た目とのギャップにやられた。帰る時に猫グッズくれた。

毎回同じコンビニ弁当を食べながらプレイする人もいた。必ずからあげ弁当。食べながらやるの不衛生だし嫌だったけど、理由を聞いたら、仕事が忙しすぎて食事時間がないから、この時間しか食べられないって。激務のサラリーマン現実を見た気がした。

一番困ったのは、部屋に入った瞬間にプロポーズしてくる人。初対面で結婚してくださいって。毎回違う女の子プロポーズしてるらしい。店長が言うには、もう20人以上にプロポーズしてるって。本気なのか遊びなのか分からないけど、毎回ちゃん指輪用意してる。安物だけど。

部屋が漫画喫茶より漫画で溢れてる人がいた。床から天井まで本棚。歩くスペースもないくらい。でも全部ちゃんと整理されてる。どこに何があるか全部把握してる。私が少女漫画好きって言ったら、おすすめ作品を山ほど教えてくれた。時間の半分は漫画の話だった。

お母さんと一緒に住んでる40代の人。お母さんが寝た後にこっそり呼ぶ。音を立てないようにって必死に注意してくる。でも途中でお母さんが起きてトイレに行く音がすると、ものすごく焦る。その姿を見てたら、なんか微笑ましくなった。

毎回必ず手料理を振る舞ってくれる人もいた。プロ級の腕前で、レストランより美味しい。料理人かと思ったら普通会社員趣味料理してるだけ。でも誰も食べてくれる人がいないから、呼んだ女の子に食べてもらうのが楽しみなんだってプレイより料理を褒めてる時間の方が長かった。

一番謎だったのは、部屋に入った瞬間に謝り始める人。何を謝ってるのか分からないけど、とにかく謝る。部屋が汚くてすみませんって言うけど、めちゃくちゃ綺麗。僕なんかとプレイしてもらってすみませんって言うけど、普通にいい人。最後まで何を謝ってるのか分からなかった。

お客の共通点。みんな寂しいんだ。

金持ち貧乏人も、イケメンもそうじゃない人も、みんな誰かと繋がりたくて、理解されたくて、認められたくて、この業界に来る。セックス目的じゃない人が意外と多い。話を聞いてもらいたい、優しくされたい、存在を認めてもらいたい。それが本音なんだと思う。

私が驚いたのは、本番を強要してくる人がほとんどいなかったこと。みんなルールは守る。時間ちゃんと守る。むしろ普通接客業より客のマナーが良かった。変な人はいるけど、危険な人はいなかった。

半年続けて分かったこと。この仕事人間の縮図を見る仕事だ。普段見えない人の本音や弱さや優しさを見ることができる。でも同時に、社会孤独の深さも見えてしまう。

みんな普通の人だった。特別変な人じゃない。ただ、誰かと繋がる場所がここしかなかっただけ。それって、すごく切ないことだと思う。

結局半年で辞めた。理由は、風俗仕事があまりにも私にハマりすぎているから。

今は普通接客業をしてる。給料3分の1以下だけど、後悔はない。でもあの半年で見た人間本質は忘れられない。

世間風俗を悪いものだと言う。でも実際は、寂しい人同士が少しの時間だけ支え合う場所だった。それが本当のところだと思う。

Permalink |記事への反応(26) | 21:16

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2025-09-07

anond:20250905054532

私の世界は、丁寧に、そう、まるで細胞の一つ一つにまで神経を行き届かせるようにして磨き上げられた、半径およそ十メートルほどのガラスの球体であり、その球体の中心には、世界のすべてであり、法であり、そして揺るがぬ神であるところの、生後六ヶ月の息子、光(ひかる)が、ただ健やかな呼吸を繰り返している。その完璧な球体を維持すること、それこそが水無月瑠璃(みなづき るり)、すなわち三十一歳の私に与えられた唯一にして絶対の使命であったから、私は今日もまた、タワーマンション二十八階、陽光白磁の床にまで染み渡るこのリビングダイニングで、目に見えぬ埃の粒子と、あるいは時間という名の緩慢な侵食者と、孤独な、そして終わりなき闘争を繰り広げているのであった。北欧から取り寄せたというアッシュ材のテーブルの上には、一輪挿しに活けられたベビーブレスの、その小さな白い花弁の影さえもが、計算され尽くした角度で落ちており、空気清浄機は森の朝露にも似た清浄さを、ほとんど聴こえないほどの羽音で吐き出し続け、湿度計のデジタル表示は、小児科医が推奨する理想の数値、六十パーセントを寸分違わず指し示しているのだから、およそこの空間に、瑕疵という概念の入り込む余地など、どこにもありはしなかった。かつて、外資系コンサルティング会社で、何億という数字が乱れ飛ぶ会議室の冷たい緊張感を、まるで上質なボルドーワインでも嗜むかのように愉しんでいた私自身の面影は、今やこの磨き上げられたガラス窓に映る、授乳のために少し緩んだコットンのワンピースを着た女の、そのどこか現実感を欠いた表情の奥に、陽炎のように揺らめいては消えるばかりであった。

思考は、そう、私の思考と呼んで差し支えるならば、それは常にマルチタスクで稼働する最新鋭のサーバーのように、光の生存に関わる無数のパラメータによって占有され続けている。次の授乳まであと一時間二十三分、その間に終わらせるべきは、オーガニックコットンでできた彼の肌着の煮沸消毒と、裏ごししたカボチャペーストを、一食分ずつ小分けにして冷凍する作業であり、それらが完了した暁には、寝室のベビーベッドのシーツに、もしかしたら付着しているかもしれない、私たち世界の外部から侵入した未知のウイルスを、九十九・九パーセント除菌するというスプレー浄化せねばならず、ああ、そういえば、昨夜翔太が帰宅時に持ち込んだコートに付着していたであろう、あの忌まわしい杉花粉の飛散経路を予測し、その残滓を、吸引力の変わらないただ一つの掃除機で完全に除去するというミッションも残っていた。これらすべては、愛という、あまり曖昧情緒的な言葉で語られるべきものではなく、むしろ生命維持という厳格なプロジェクト遂行するための、冷徹なまでのロジスティクスであり、私はそのプロジェクトの、唯一無二のマネージャーであり、同時に、最も忠実な実行部隊でもあった。誰がこの任務を私に課したのか、神か、あるいは生物としての本能か、はたまた「母親」という名の、社会発明した巧妙な呪縛か、そんな哲学的な問いを発する暇さえ、このシステムは私に与えてはくれなかった。

である翔太は、疑いようもなく、善良な市民であり、そして巷間(こうかん)で言うところの「理想の夫」という、ほとんど神話上の生き物に分類されるべき存在であった。彼は激務の合間を縫って定時に帰宅すると、疲れた顔も見せずに「ただいま、瑠璃。光は良い子にしてたかい?」と、その蜂蜜を溶かしたような優しい声で言い、ネクタイを緩めるその手で、しかし真っ先に光の小さな体を抱き上げ、その薔薇色の頬に、まるで聖遺物にでも触れるかのように、そっと己の頬を寄せるのだ。週末になれば、彼はキッチンで腕を振るい、トマトニンニク匂いを部屋中に漂わせながら、私や、まだ食べることもできぬ光のために、絶品のペペロンチーノカルボナーラを作り、その姿は、まるで育児雑誌グラビアから抜け出してきたかのように、完璧で、模範的で、そして、どこか非現実的ですらあった。誰もが羨むだろう、この絵に描いたような幸福風景を。友人たちは、私のSNS投稿される、翔太が光をあやす姿や、手作り離乳食が並んだテーブル写真に、「理想家族!」「素敵な旦那様!」という、判で押したような賞賛コメントを、まるで祈り言葉のように書き連ねていく。そう、すべては完璧なのだ完璧なはずなのだ。このガラスの球体の内部では、愛と平和と秩序が、まるで美しい三重奏を奏でているはずなのだ

――だというのに。

夜、ようやく光が天使のような寝息を立て始め、この世界のすべてが静寂という名の薄い膜に覆われた頃、ソファで隣に座った翔太が、労わるように、本当に、ただ純粋愛情と労いだけを込めて、私の肩にそっと手を置く、ただそれだけの、あまりにも些細で、そして無垢行為が、私の皮膚の表面から、まるで冷たい電流のようにして内側へと侵入し、脊髄を駆け上り、全身の毛穴という毛穴を、一斉に収縮させるのである。ぞわり、と。それは、神聖な祭壇に、土足で踏み込まれときのような、冒涜的な不快感であった。あるいは、無菌室で培養されている貴重な細胞のシャーレに、誰かが無頓着なため息を吹きかけたときのような、取り返しのつかない汚染への恐怖であった。彼の指が触れた肩の布地が、まるで硫酸でもかけられたかのように、じりじりと灼けるような錯覚さえ覚える。私は息を止め、この身体が、この「水無月瑠璃」という名の、光のための生命維持装置が、彼の接触を、システムに対する重大なエラー、あるいは外部からハッキング行為として認識し、全身全霊で拒絶反応を示しているのを、ただ呆然と、そして客観的に観察していた。

「疲れてるだろ。いつも、ありがとう

翔太の声は、変わらず優しい。その瞳の奥には、かつて私が愛してやまなかった、穏やかで、そして少しだけ湿り気を帯びた、雄としての光が揺らめいているのが見える。それは、私を妻として、女として求める光であり、かつては、その光に見つめられるだけで、私の身体の中心が、熟れた果実のようにじゅくりと熱を持ったものだった。だというのに、今の私には、その光が、聖域である保育器を、ぬらりとした舌なめずりをしながら覗き込む、下卑た欲望眼差ししか見えないのだ。許せない、という感情が、胃の腑のあたりからせり上がってくる。この、二十四時間三百六十五日、寸分の狂いもなく稼働し続けている精密機械に対して、子を産み、育て、守るという、この宇宙的な使命を帯びた聖母に対して、己の肉欲を、その獣のような本能を、無邪気に、そして無自覚にぶつけてくるこの男の、そのあまりの鈍感さが、許せないのである

ケダモノ

その言葉が、私の内で、教会の鐘のように、低く、重く、そして厳かに反響する。そうだ、この男はケダモノなのだ。私がこの清浄な球体の秩序を維持するために、どれほどの精神を、どれほどの時間を、どれほどの自己犠牲にしているのか、そのことを何一つ理解しようともせず、ただ己の種をばら撒きたいという原始の欲動に突き動かされているだけの、ただのケダモノなのだ

そんなはずはない、と、脳のどこか、まだかろうじて「かつての私」の残滓が残っている領域が、か細い声で反論を試みる。これは翔太だ、私が愛した男だ。雨の匂いが充満する安ホテルの、軋むベッドの上で、互いの名前を喘ぎ声で呼び合いながら、世界の終わりが来るかのように貪り合った、あの夜の彼なのだパリへの出張中、セーヌ川ほとりで、どちらからともなく互いの唇を求め、道行く人々の冷ややかな視線さえもが、私たちのためのスポットライトのように感じられた、あの瞬間の彼なのだ結婚記念日に、彼が予約してくれたレストランの、そのテーブルの下で、こっそりと私のスカートの中に忍び込んできた、あの悪戯っぽい指の持ち主なのだ。あの頃、私たちは互いの肉体という言語を、まるで母国語のように自在に操り、その対話の中に、世界のどんな哲学者も語り得ないほどの、深遠な真理と歓びを見出していたはずではなかったか。あの燃えるような記憶は、情熱の残骸は、一体どこへ消えてしまったというのだろう。それはまるで、昨夜見た夢の断片のように、あまりにも色鮮やかで、それでいて、掴もうとすると指の間から霧のように消えてしまう、遠い、遠い銀河の光なのである

瑠璃…?」

私の沈黙を訝しんだ翔太が、私の顔を覗き込む。私は、まるで能面のような無表情を顔面に貼り付けたまま、ゆっくりと彼の手を、自分の肩から、まるで汚物でも払いのけるかのように、そっと、しかし断固として取り除いた。そして、立ち上がる。

「ごめんなさい。少し、疲れたみたい。光の様子を見てくるわ」

それは、完璧な嘘であり、そして、完璧真実でもあった。私は疲れていた。だがそれは、育児という名の肉体労働に疲れているのではなかった。私という個人が、水無月瑠璃という一個の人格が、「母親」という名の巨大なシステムに呑み込まれ、その歯車の一つとして摩耗していく、その存在論的な疲弊に、もう耐えられなくなりつつあったのだ。これは、巷で囁かれる「産後クライシス」だとか、「ホルモンバランスの乱れ」だとか、そういった便利な言葉で容易に片付けられてしまうような、表層的な現象ではない。違う、断じて違う。これは、一個の人間が、その魂の主導権を、自らが産み落とした別の生命体に完全に明け渡し、「装置」へと、あるいは「白き機械」へと、静かに、そして不可逆的に変質していく過程で生じる、存在のものの軋みなのである

聖母、とはよく言ったものだ。人々は、母という存在を、無償の愛と自己犠牲象徴として、何の疑いもなく神格化する。だが、その実態はどうか。自己を失い、思考も、肉体も、感情さえもが、すべて「子」という絶対的な存在奉仕するためだけに再構築された、ただのシステムではないか。私は聖母などではない。私は、高性能な乳製造機であり、汚物処理機であり、そして最適な環境提供する空調設備が一体となった、ただの生命維持装置に過ぎないのだ。この気づきは、甘美な自己陶酔を許さない、あまりにも冷徹で、そして絶望的な真実であった。そして、この真実を共有できる人間は、この世界のどこにもいやしない。翔太のあの無垢な優しさでさえ、結局は、この優秀な装置が、明日も滞りなく稼働し続けるための、定期的なメンテナンス作業しか見えないのだから、その孤独は、宇宙空間にたった一人で放り出された飛行士のそれに似て、どこまでも深く、そして底なしであった。友人たちがSNS投稿する「#育児は大変だけど幸せ」という呪文めいたハッシュタグは、もはや、この巨大なシステムの異常性に気づいてしまった者たちを、再び安らかな眠りへと誘うための、集団的自己欺瞞儀式しか思えなかった。

寝室に入ると、ベビーベッドの中の光は、小さな胸を穏やかに上下させながら、深い眠りの海を漂っていた。その無防備な寝顔は、確かに、この世のどんな芸術品よりも美しく、尊い。この小さな生命を守るためならば、私は喜んで我が身を投げ出すだろう。だが、それは、この身が「私」のものであった頃の話だ。今の私にとって、この感情は、プログラムに組み込まれ命令遂行しているに過ぎないのではないか。愛でさえもが、システムを円滑に稼働させるための、潤滑油のような機能に成り下がってしまったのではないか。そんな疑念が、毒のように心を蝕んでいく。

私は、息子の傍らを離れ、再びリビングへと戻った。翔太は、ソファの上で、テレビの光をぼんやりと浴びながら、所在なげにスマートフォンをいじっている。その背中は、拒絶された雄の、どうしようもない寂しさを物語っていた。かつての私なら、きっと背後からそっと抱きしめ、「ごめんね」と囁いて、彼の寂しさを溶かしてやることができただろう。しかし、今の私には、もはやそのための機能が、インストールされていないのである

私は、彼に気づかれぬよう、書斎として使っている小さな部屋に滑り込んだ。そして、ノートパソコンの冷たい天板に触れる。ひやりとした感触が、指先から伝わり、かろうじて、私がまだ血の通った人間であることを思い出させてくれるようだった。スクリーンを開くと、真っ白な光が、闇に慣れた私の網膜を焼いた。カーソルが、無人荒野で、点滅を繰り返している。何を、書くというのか。誰に、伝えるというのか。この、言葉にもならぬ、システムの内部で発生したエラー報告を。この、機械の内部から聞こえてくる、魂の悲鳴を。

それでも、私は指を動かした。これは、誰かに読ませるためのものではない。これは、祈りでもなければ、懺悔でもない。これは、私という名の機械が、自らの異常を検知し、その原因を究明し、あるいは再生可能性を探るために、己の内部へとメスを入れる、冷徹自己解剖の記録なのだ

真っ白な画面に、私は、震える指で、最初言葉を打ち込んだ。

『これは、私という名の機械が、自己を観察し、分解し、あるいは再生を試みるための、極秘の設計図である

その一文を打ち終えた瞬間、私の内側で、何かが、硬い音を立てて、砕けたような気がした。それが希望の萌芽であったのか、それとも、完全なる崩壊への序曲であったのか、その時の私には、まだ知る由もなかったのである。ただ、窓の外で、東京夜景が、まるで巨大な電子回路のように、無機質で、そして美しい光を、果てしなく明滅させているのが見えた。私もまた、あの無数の光の一つに過ぎないのだと、そう、思った。

自己機械定義たからには、次なる工程は当然、その性能向上のための最適化、あるいは、旧弊OSから脱却するための、大胆にして静かなるアップデート作業へと移行せねばならぬのが、論理的な、そして必然的帰結であった。そう、これは革命なのだと、私は深夜の書斎で、青白いスクリーンの光に顔を照らされながら、ほとんど恍惚とさえいえる表情で、そう結論付けたのであった。かつてロベスピエールが、腐敗した王政ギロチン台へと送り、新しい共和制の礎を築かんとしたように、私もまた、この「母親という名の献身」や「夫婦の情愛」といった、あまりにも情緒的で、非効率で、そして実態としては女の無償労働を美化するだけの前時代的な概念を、一度完全に解体し、再構築する必要があったのだ。そのための武器は、かつて私が外資系コンサルティングファームで、幾千もの企業相手に振り回してきた、あの冷徹ロジックと、容赦なき客観性という名のメスに他ならない。愛という名の曖昧模糊とした霧を晴らし、我が家という名の王国を、データタスクリストに基づいた、明晰なる統治下に置くこと、それこそが、この「水無月瑠璃」という名の機械が、オーバーヒートによる機能停止を免れ、なおかつ、その内部に巣食う虚無という名のバグ駆除するための、唯一の処方箋であると、私は確信していたのである

かくして、週末の朝、光が心地よい午睡に落ちた、その奇跡のような静寂の瞬間に、私は翔太をダイニングテーブルへと厳かに召喚した。彼の前には、焼きたてのクロワッサンと、アラビカ種の豆を丁寧にハンドドリップで淹れたコーヒー、そして、私が昨夜、寝る間も惜しんで作成した、全十二ページに及ぶパワーポイント資料印刷したものが、三点セットで恭しく置かれている。資料の表紙には、ゴシック体の太字で、こう記されていた。『家庭内オペレーション最適化計画書 Ver. 1.0 〜共同経営責任者(Co-CEO体制への移行による、サステナブル家族経営の実現に向けて〜』。翔太は、そのあまりにも場違いタイトルを、まるで理解不能な古代文字でも解読するかのように、眉間に深い皺を刻んで見つめた後、恐る恐る、といった風情で私に視線を向けた。その瞳は、嵐の前の静けさにおびえる子犬のように、不安げに揺れている。まあ、無理もないことだろう。彼にしてみれば、愛する妻が、突如として冷酷な経営コンサルタントに豹変し、家庭という名の聖域に、KPIだのPDCAサイクルだのといった、無粋極まりないビジネス用語を持ち込もうとしているのだから

瑠璃、これは…一体…?」

説明するわ、翔太。よく聞いて。これは、私たち家族が、これから幸せに、そして機能的に存続していくための、新しい聖書バイブル)よ」

私は、そこから淀みなく、プレゼンテーションを開始した。現状分析As-Is)、あるべき姿(To-Be)、そのギャップを埋めるための具体的なアクションプラン家事という、これまで「名もなき家事」という名の混沌の海に漂っていた無数のタスクは、すべて洗い出され、「育児関連」「清掃関連」「食料調達調理関連」「その他(消耗品管理資産管理等)」といったカテゴリーに分類され、それぞれに担当者と所要時間、そして実行頻度が、美しいガントチャート形式可視化されている。例えば、「朝食後の食器洗浄」は、担当:翔太、所要時間:十五分、頻度:毎日、といった具合に。さらに、月に一度、近所のカフェで「夫婦経営会議」を開催し、月次の進捗確認と、翌月の計画策定を行うこと、日々の細かな情報共有は、専用のチャットアプリで行うこと、そして何よりも重要なのは、これまで私一人が暗黙のうちに担ってきた「家庭運営の全体を俯瞰し、次の一手を考える」という、いわば管理職としての役割を、これからは二人で分担する、すなわち、彼にもまた、単なる作業員(ワーカー)ではなく、主体的思考する共同経営責任者(Co-CEO)としての自覚と行動を求める、ということ。私の説明は、かつてクライアント企業役員たちを唸らせた時のように、理路整然としており、反論余地など微塵もなかった。翔太は、ただ呆然と、私の言葉の奔流に身を任せるしかなく、すべての説明が終わった時、彼はまるで催眠術にでもかかったかのように、こくり、と小さく頷いたのであった。

「…わかった。瑠璃が、そこまで追い詰められていたなんて、気づかなくて、ごめん。僕も、頑張るよ。君を、一人にはしない」

その言葉は、疑いようもなく誠実で、彼の優しさが滲み出ていた。私は、その瞬間、胸の奥に、ちくり、と小さな痛みを感じたのを覚えている。違う、そうじゃないの、翔太。私が求めているのは、あなたのその「頑張るよ」という、まるで部下が上司に忠誠を誓うような言葉ではない。私が欲しいのは、私がこの計画書を作る必要すらないほどに、あなたが私の脳と、私の視界と、私の不安を共有してくれるPermalink |記事への反応(0) | 05:15

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2023-03-22

anond:20230322173740

いやほんとそれなんですよね〜プロ野球中継を見ながらテレビに向かい怒号を飛ばす父親と異なり、食事をしたらそそくさと自分の部屋で勉強し、急に怒るとか全然ない穏やかな人でした。多分父親ウンザリしてたとは思うのでそうなりたくないんだと思う。

Permalink |記事への反応(0) | 17:51

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2022-10-14

anond:20221014114621

デビュー時はビーイング代表である長戸大幸プロデュースを手がけていた


2000年3月シングル「Close To YourHeart」で歌手デビュー

同年10月シングル恋はスリル、ショック、サスペンス」がアニメ名探偵コナン」のオープニングテーマに起用され、

主人公コナンが曲にあわせてパラパラを踊ることで話題となりブレイク

2003年にはシングル「FULLJUMP」が日本テレビプロ野球中継テーマソングとなり、同年の紅白歌合戦に初出場を果たした。

Permalink |記事への反応(0) | 11:51

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2022-04-19

anond:20220419091820

19~20:45NTVプロ野球中継

「えー試合の途中ではございますが、放送時間終了のとさせていただきます。予めご了承ください。打ったーーー!!!!これは大きい!!」→CM

Permalink |記事への反応(0) | 09:22

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2022-02-17

スポーツに興味がないと

こういうオリンピックシーズンかめんどくさい

昔、プロ野球中継が頻繁だった時に普通番組が無くなってあーあ、って思う感じである

今はそんなテレビを見てないか別に良いのだけれど

ニュース番組でいちいちオリンピックニュースをやられると

見るものがなくなる。

日曜の深夜なんてどこのチャンネルスポーツニュースだけだし

会社でそんな話題が出たときもどうにも話ができない。

会社といえばゴルフも興味がないし、サッカーもどうでもいいし

スポーツに興味を持つタイミングを失ってしまってるんだろうな。

何か損をしてるのかな。

休みに近くの県職員サッカーやってるのを見かけたりすると

公務員さま昼休みにそんなことできる余力あるなんてすげえな

もっと休み動けないぐらい仕事しろよなって思っちゃう

テレビゲームだってeスポーツって言われてるのを見ると

とたんにあれがスポーツって何だよって思っちゃう

スポーツ

興味持たないとダメなのかスポーツ

Permalink |記事への反応(2) | 20:53

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2021-09-06

競技が上手いけどトークが下手な人は解説しないでくれ

なんでもいいけどよぉ

オリンピックスケボー世間では好評だったが正直俺は受け付けなかった。あれでスケボーへの見方は確実に下がったな。

将棋解説は男女二人とも高水準というか両方ダメってことが少ない。だけど同じプロなのに感想戦の打ち手たちのボソボソっぷりや上手く質問を解してないような受け答えはかなりむずむずする。一戦交えた後だし短時間からまだいいけど。

甲子園なんかはもう解説は居ないことにしてる。どうせ低めに集めたいですねぐらいしか言わん。誰でも発言パターンが少ないかアナウンサーだけ聞いてる。プロ野球中継なんてただの引退選手の受け皿だろ。

ラグビーはいいよ。かなりいい。素人だけどわかりやす解説してるし副音声側の解説も丁寧でわかりやすい。

がらっと変わるがマジックギャザリング解説がひどい。いやほぼ全員非常にいいのだがそれゆえ一人だけ非常にわるい。

八十岡翔太、お前だよ。ほかの解説組は大会を盛り上げようとトークをがんばってる。盤面のみならず環境フレーバーに触れつつプロレベル思考トレースを見せてくれたりする。しかコイツは終始ローテンション個人配信も同じ調子。そういうキャラで売ってても別にいいしプレイヤー実績は文句なしだけどよ、お前が居ると場の空気が悪いよ。複数人解説がローテーションする大会でお前が解説になると「ハズレ」だよ。ほかの組み合わせは二人で盛り上げてるけどお前は相方ががんばって盛り上げるも意に介しない平坦なテンションで空ぶってるよ。解説ときフリートークときカードのパワーの視点しか話さねぇ。なんでこのメンバーにこいつが混じってるのかマジで意味わからんテンションレベルをそろえろ。公式は統率者戦ではデッキパワーレベルをそろえろと言ってるだろ?解説もそろえろ。プロリーグクラス解説引き受けてくれる人でもう少しテンションが高いやつは居ないのか?どんだけ陰キャ集団だよ。いや、代役はいいや。ヤソを抜いた残りで回してくれたらそれでいいわ。紙の大会配信自体から日本語解説に不満はほぼないけれどこいつにだけちょくちょく水をさされる。まああれだな。排斥はよくないわな。ヤソくんは周りを見渡して解説を辞退してくれたまえ。君にはたくさんファンがついている。押しも押されぬトッププレイヤーだ。界隈が盛り上がり新規入り口になるかもしれない大会配信からは身を引いてじっくりと腕を磨いてくれたまえ。

Permalink |記事への反応(1) | 20:07

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2021-07-27

感情を過剰に乗せた実況解説が苦手

他にオリンピックを見る方法を知らないので地上波で興味のある競技を見ているけど(というか地上波ネットしかない)、

実況解説の人が、試合ゲーム純粋技術や経過情報解説だけでなく、過剰に感情を乗せてくるのが、自分テレビスポーツ観戦するのが苦手な理由だなあとあらためて思った。

普段プロ野球中継くらいならまだ何とも思わないのだけど、オリンピックとなると、場面によっては解説感情が乗りすぎてて引いちゃう

感動する場面で先に泣かれると冷める、みたいな感覚かもしれない。

副音声で「原則試合現場の音のみ」みたいな放送、ないのかなあ(地上波以外だとあるんだろうか)。

あと、有観客だった時の(しばらく見てないのでそもそも無観客のままなのか、有観客で声出し禁止なのかもよく知らない)バレーボールの観客の「ニッポン!」コールなんかも苦手。

Permalink |記事への反応(1) | 00:12

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2021-03-18

anond:20210318082642

アスリートの目の前でいえる?

いくらでもいえる 大声で叫んでやる

「お前のせいで俺の好きなものが奪われた」と言われたらどう返すの?

⇒「五輪のせいで俺の大好きなアニメが放映されない どうするんだ!」と返してやる

アスリートの人たちの人生が狂うけど責任とれるのか

⇒お前らが代表になったことで代表になれなかった人たちの人生狂わせてるけど責任とれんの?

中止のメリットある?

アニメとかプロ野球中継がいつも通り見られる

Permalink |記事への反応(1) | 08:30

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2021-03-10

ウマ娘から競馬に興味を持ち始めた人へオススメする競馬名実

ウマ娘競馬に興味を持った人たちには、毎週土日にBS11フジテレビ等でやっている競馬中継も是非視聴して頂きたい

プロ野球中継やその他のスポーツ実況と違って、1~2分そこらでレースが終わってしま競馬中継の実況は非常に難しいとされる反面で

非常に素晴らしい、心に残る名実況も数々あるので、自分の気に入っているものを紹介する

ベガベガでもホクトベガ!」(1993年エリザベス女王杯ホクトベガ)

1番人気は桜花賞オークス牝馬二冠を制しこのレース牝馬三冠達成がかかったベガ

一方のホクトベガは9番人気と低評価ながらも見事なイン強襲でG1勝利を飾った

マックイーンだマックイーンだ!メジロでもマックイーンの方だ!」(1990年菊花賞メジロマックイーン)

祖父メジロアサマ、父メジロティターンに続いて親子三代での天皇賞制覇を果たしたメジロマックイーン

菊花賞出走時点では条件馬であり重賞初出走ということもあって4番人気の評価

1番人気は僚馬メジロライアンであったが、ステイヤーとしての素質を遺憾なく発揮し見事菊花賞を制覇した

モチが粘っている!モチが粘る!」(2007年若駒ステークス モチ)

珍馬名で有名な小田オーナーの所有馬

モチが粘って1着だからいいものの、モチが詰まっていたらと思うと…

「負けられない南井克己!譲れない武豊!(1989年マイルチャンピオンシップ オグリキャップ)

馬主脱税容疑がかかり馬主資格が剥奪されそうになったため急遽売却されてしまったオグリキャップ

新馬主は高額の購入費用をペイするため、とんでもないローテーションを組むことに

今であれば秋は前哨戦含めて3戦、多くて4戦が常識だがこの年のオグリオールカマー毎日王冠天皇賞

マイルチャンピオンシップジャパンカップ(京都から府中輸送して連闘!)⇒有馬記念というダビスタでもやらない地獄のローテに挑むことに

最後の直線、絶対に届きそうもないところからハナ差バンブーメモリー差し切った脚はダビスタのアグリキャップ並みのチートな末脚であった

ニンジャがスルスル忍び寄る!」(2013年北九州記念ニンジャ)

直線先頭に立ったツルマルレオンの外からニンジャがスルスルと…

オグリキャップ先頭か! 200を切った!オグリキャップ先頭! (ライアン!)オグリキャップ先頭!オグリキャップ先頭! そして、そして(ライアン!)」(1990年有馬記念 メジロライアン)

メジロライアン本命◎をうった大川慶次郎御大

レース中に解説者が実況の邪魔をするという前代未聞のハプニングを引き起こすもオグリ引退レースを勝ったこともあり、終わりよければ全て良しというハッピーエンドとなった

「これはもう、フロックでも、なんでもない!二冠達成!」(1997年日本ダービー サニーブライアン)

牡馬クラシックの一冠目である皐月賞で逃げ切り勝ちをおさめたサニーブライアン

しかしながらたまたま展開が向いただけのフロック勝ちなどと見られ、レース発走直前では7番人気の低評価

皐月賞と同じ大外18番枠からスタートとなったが「逃げ争いになっても絶対に退かない」と公言していた通り

サイレンススズカを抑えてハナを切ると、そのまま一度も先頭を譲ることなく先頭でゴールを駆け抜けた

ウィンストン・チャーチルが「ダービー馬のオーナーになることは一国の宰相になることより難しい」と述べたというのは後世の創作なのだ

ダービー馬のオーナーとなった馬主宮崎氏がダービー勝利時に所有していた現役競走馬はこのサニーブライアン1頭のみ

たった1頭の所有馬日本ダービーを勝ち二冠馬となったことは奇跡的な出来事であるといえよう

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2020-07-21

daznプロ野球中継見にくくない?

daznプロ野球中継が見にくい気がする。

今日巨人戦(対中日)見ようとしたら何故か放送していない。放送しないのは諸事情?ある広島戦だけだと思っていたのに。何か不確実。

今、ヤクルト横浜見ているが、7回表の東京音頭ときに突然daznの謎の意識高い系セルフCMが流れてきてイラッとする。前回の甲子園阪神戦でも東京音頭カットされた記憶がある。各回ごとにCMが入るわけではないのに、何故わざわざ7回にCM流す?

他にも、打者に関するデータが少ない、カメラアングルの種類が少ない、試合によっては投手の球速が出ない、等々何か中途半端スポーツ専門ならばもっと攻めて良いのでは?里崎チャネル等の元プロ野球youtuberで色々知識付けてきているからか何か物足りない。

今週金曜日からMLB始まるらしいけれど、やっぱりプロ野球中継を高いクオリティーで見たい。あと、何だかんだチャンピオンズリーグツールド~~とか他のスポーツは見ていないので少し高いと感じる。

Permalink |記事への反応(2) | 20:37

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2020-07-08

残業ゼロ職場って天国なんだな

 新卒で、給料沢山くれる職場金額出すと荒れるからさない)で毎日最低3時間残業休日仕事電話という生活をしていたら2年半で精神を病んじゃって、休職退職→療養後に運良く残業ゼロ職場正社員で潜り込めた。(どっちも事務系)

 ここで働き始めてもう3年目。手取りは4割減になっちゃったけど、断然こっちの方がいい。今まで定時で帰れたことが本当に一回も無かったから、18時には既に家にいてプロ野球中継を初回から見られることに感動すら覚えた。別に野球は見ないけど。

 死ぬほど働いてでも、高い給料を得ようとする人がどうにも理解できない。カネで自由は買えないのに。

追記:「新卒のお前もそうだったじゃねーか」って言われそうだけど、あん残業天国だなんて知らなかったんだよ…

Permalink |記事への反応(0) | 07:11

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2020-06-21

昔はプロ野球中継で後続の番組が遅れることが多くて何かと迷惑だったけど、いつの間にか野球中継番組が減って良かった。

Permalink |記事への反応(0) | 13:55

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2020-05-08

プロ野球中継鳥谷敬が私を救ってくれた話

この記事2018年8月に書いたものですが、ブログを削除することにしたため、匿名記事化することにしました。

________

突然、うつになった。

原因は仕事だったので休職することになった。休職すると何もすることが無かった。今までの趣味をする気にもなれないし、しようとしても頭が働かなくてできなかった。

幸い、夫が身の回りのことを全てやってくれた。私は昼過ぎに起きて、夫が帰宅するまでソファに座ってぼーっとテレビを眺めている生活を送ることになった。

あるとき、同じ時間帯の他の番組面白いと思えなかったから仕方なくプロ野球中継を見ることにした。細かいことは思い出せないけれど、阪神戦だったのは覚えている。

野球ルールなんてほとんど知らなかった。「投げる人が投げたボールを打つ人がバットで打って、良いところに飛んだら点が入る。客席に飛んだらホームラン」という認識だった。選手イチローダルビッシュくらいしか知らないレベルだった。

その試合選手の誰かがホームランを打った。

うつになって以来、楽しい方向へ動くことが無かった私の心が「おぉ!」とほんの少しだけれども確実に弾んだ。それ以来、プロ野球中継があるときは必ず観るようになった。我が家サンテレビが映るので、地上波BSほとんど毎日阪神戦を観ることができた。平日の夕方が、少しだけ楽しみになった。

野球基本的ルールをなんとなく把握しスタメン選手の顔と名前背番号を覚えられてきた頃、解説者や観客が何かのカウントダウンをしていることに気付いた。

鳥谷敬選手の2000安打カウントダウンだった。

鳥谷選手に興味がわいて、Wikipediaで経歴を調べたり過去映像を見たりした。休職以来テレビを眺めることしかできなかったのに、はじめて「Webで調べること」ができた。「顔の良いおじさん選手」との認識を改め、鳥谷選手は「とても凄くて顔も良いベテラン選手」になった。そして私も毎日カウントダウンをすることにした。平日の夕方がとても楽しくなった。夫からも「笑顔が増えてきた」と言われた。

野球の良いところは、素人でも楽しく応援できるところだと思う。ヒットを打って走ってホームベースを踏んだら点が入る。投手の球種がわからなくても、ワイルドピッチパスボール区別がつかなくても、フィルダースチョイスってなんやねんと思っていても、それでも楽しめる。

さらに、選手や本気で応援しているファンには申し訳ないけれども、負けてもヒットが出なくても「試合明日もあるから良いじゃん」と思えた。だから応援カウントダウンをしていても、心に負担なく楽しく応援できた。(これ、うつから、とても大事

そして遂にその時がきた。

2017.9.8 鳥谷敬選手通算2000安打達成。

観客席で泣いてる人がいた。長年応援してきた人なんだろうなと思った。ファン歴数ヶ月の私ですら、とても嬉しかった。私は何一つがんばっていないけれども、とても達成感があった。

この頃にはもう、引き籠っていた私が家の外に出られるようになっていた。遠出はできないけれど、医師の指示で歩数計を持って散歩をするようになった。未来目標を立てると医師と夫から「がんばるな」と言われてしまうから黙っていたけれど、甲子園で観戦したいという目標ができた。そのために、動くことが嫌いだけれども散歩を続けることができた。

結局、2017年シーズン甲子園に行くことはできなかったけれど、家で鳥谷選手ユニフォームを着たり、2000安打達成記念Tシャツ(夫が買ってくれた)を着たりしてテレビで楽しく観戦できた。

今までできていたことが何一つできなくなってしまソファに座って一日を過ごしていた私が、「選手みんなも今頃練習してるかな」と思いながら散歩をして、「試合開始までに済ませよう」と思いながら家事をして、夕方からテレビで楽しくプロ野球を観戦するところまで復活できた。

思っていたより早く元気になれたのは、無料で見れるプロ野球中継と、にわかな私にもわかりやす野球面白さを教えてくれた鳥谷敬選手のおかげだと思っている。(鳥谷選手はそのために野球やってるわけじゃないんだけどね。ごめんなさい)本当にワクワクさせて貰えたし、夕方が楽しみになったから生きることができた。当時の環境プロ野球観戦に出会えなかったら、本当にどうなっていたかからない。まだソファに座っていたかもしれない。

2018年になった。私は迷わずファンクラブに入って甲子園開幕戦チケットを取った。

初めての甲子園球場はとても楽しかった。少し暗い通路から観客席に出たときにぱっと開ける空とグラウンドの眺めだけで感動した。球場での観戦はとてもエネルギッシュで格別だった。私にとって記念すべき日だったのに鳥谷選手ユニフォームを家に忘れてきてしまったのが心残りだ。

球場での観戦が大好きになったし有料動画配信サービスも充実しているけれど、やっぱり私は地上波BSでやってくれるプロ野球中継感謝している。野球中継が無かったら阪神ファンになれなかった。今でもメインはテレビ中継での観戦だ。お世話になってます特にサンテレビさん。

鳥谷選手スタメンではなくなってしまったりしているけれど、代打等で出てきてくれた時は本当にテンションが上がる。ワクワクするし元気になれる。

まだ私は抗うつ剤を飲む必要があるし治ってはいない。仕事もしていない。けれども夫が驚く程のスピードで元気になっていっているし、活動範囲も広がった。私を元気にしてくれてありがとうプロ野球ありがとう鳥谷っていう話でした。

最後に。

うつになってから文章を書くことが無くなっていて、このブログ記事うつ発症後のはじめての長文になります。読みにくかったと思います。ここまで読んでくれた方、ありがとうございます

そして、私の球場での初観戦のとき出会った2人のおじさんへ。

焼き鳥に並んでたら話しかけてくれた白髪が似合うダンディー岩田稔選手ファンの方。「誰のファン?」って聞いてくれたのにあの時はなんだか恥ずかしくて「まだ特定選手ファンじゃない」って嘘をつきました。ごめんなさい。がっつり鳥谷ファンです。最近植田選手ユニフォームも買いました。ミーハーです。

アルプス席で隣に座っていて風船をくださった方。風船をくださり本当にありがとうございます。風船はファンが買って用意するものだと、あのとき初めて知りました。風船だけでなく、点が入った時にハイタッチするのも楽しかったです。この間の甲子園での観戦時に、隣の方があの時の私同様風船持ってなかったのであげました。

今週末は初めての京セラドームでの観戦です。楽しみだ!!

________

この記事を書いてから状況が大きく変わって鳥谷選手阪神からいなくなってしまったし、コロナウイルスのせいで今季はまだ開幕できていません。

プロ野球の開幕を楽しみにしています。私は相変わらず阪神応援しているけれども、鳥谷選手応援し続けます

Permalink |記事への反応(6) | 01:56

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2019-12-01

略語

増田っていつから「横から失礼」って言うようになったの?2,3か月前にはそんなに観測しなかったと思うんだけど。

しかも省略されまくって1行目が「横。」だけ書いてあって意味不明すぎるんだが。お前はプロ野球中継か?

プリント倶楽部プリクラまではわかるが 「プリ」って意味不明すぎるのと同じ。屁かよ・・

Permalink |記事への反応(7) | 00:14

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2019-06-21

旦那リビングテレビプロ野球中継見ながら、恐らく職場仲間であろう人と電話をしてた時に、

友達から動画が送られてきたのを見てたら

電話中になんでそんなにうるさくするの」

ってガチギレされた。

大事電話なら別のところですれば?

テレビの音だってたいがいうるさかったよ?

え、私が悪いの?

Permalink |記事への反応(1) | 22:30

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2019-06-18

わたしの心を奪うくらいの男がいないってだけの話なのに結婚して調子こいてる友人らから見下されるの吐きそうだし旦那愚痴うざいし子供とかもいちいち見せてくれなくていいよって思うしなんかつらい

生きづらい

彼女からしたら別段未婚差別をしている意識はないんだろうけど

まりにおいて旦那愚痴育児愚痴金科玉条。とにかく同調しないと許されないしよく頑張ってるねと褒めてあげないといけないしでも最終的に着地点は旦那さんの事を褒めてあげてなんだかんだ愛されてるでしょw仲良し夫婦wという結論で締めてあげないといけない。きもい

わたしが多少職場愚痴なんか言おうもんなら「いうて独り身でしょ」「独り身はいいよね~楽で」的なニュアンスを言外に含ませて来る。気がする。被害妄想かなあ

仕事で頑張った話とか趣味で楽しかたこととか話してても軽くあしらわれて「子育てしてる人間が一番大変だし偉いし立派(だから多少仕事趣味でなんかしたってしょうもない)」というニュアンスをちらつかせてくる・・・

こういう会に顔出してたらめんどくさいしくやしいし、さっさと結婚したいなって思うけどこんな人間旦那愚痴さかなに盛り上がり承認欲求マウントのおかずにする人間)になりたくないなともおもう。

あと単純に忙しいし。仕事20~21時くらいに終わる。退勤したら近所の焼き鳥屋プロ野球中継みて、野球終わったら贔屓以外の球団ニュース追って、風呂入ったらマイクラしたり最近ビルダーズしたりしながら晩酌してたらあっつうまに1時になるし。

みんなが言うみたいに旦那の世話なんかしてる余裕ないなって思う。

土日は全部趣味社会人サークル的な)に溶かしてるし。

楽しく生きてる。

趣味の集まりに顔出しているときはただただ楽しい

そこにご夫婦で出席されてる人たちもいてる。たのしそうなんだよね。その人たち見てると結婚に憧れる気持ちもわいてくるけど…

Permalink |記事への反応(1) | 11:23

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2018-02-21

anond:20180220160241

野球観戦に慣れてる日本人にはピッタリなんだろう

カーリング見てプロ野球中継選手全員にピンマイクつけさせて声を拾えば面白いのにと思った

Permalink |記事への反応(0) | 10:11

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2018-01-03

anond:20180102205440

プロ野球中継もの申したとか、爆笑問題太田謝罪させたとか、映画監督やってみたけど興行的に失敗とか。色々あるよなー。

Permalink |記事への反応(0) | 18:48

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2017-03-30

今日だけだから許してね

私は就活生だ。

私には4月からプロ野球選手になる弟がいる。 弟は幼稚園に入る前から今まで運動神経が良かった。めちゃめちゃよかった。何させても1番だった。逆に私は運動音痴、取り柄なし。何させても上手くいかなかった。両親は弟が小学生の頃から、弟の野球に付きっきりだった。土日は遠征、夜は送り迎え。中学校になると遠い街の強豪チームに入り送り迎えも遠征も加速した。家ではいつも野球の話。テレビプロ野球中継。家は賞状ホームランボール大会写真野球グッズが家中飾られた。私の部屋以外、全て野球だった。父も母も文字通り付きっきりだった。親戚に会うと弟の野球の話にしかならなかった。家の周りを歩くと弟のことを聞かれた。実家の99%は野球と共にあった。

私は大学進学で家を出た。野球さよならたかった。 そしたら弟も高校進学で家を出た。県外の寮に入った。なんやねん。と思ったけど、同時に帰省しても野球地獄じゃなくてよかったーーーと思った。だけどそうじゃなかった。高校野球は化け物だった。私が帰省してもしなくても、実家は常にお祭りだった。親は毎週車で長時間かけて県外の弟の高校応援に行っていた。高校入ればおさまると思っていた実家野球祭り高校野球があった。高校野球が終わればおさまると思っていた野球祭りも、スカウトがあった。そしてプロ野球があった。

地元就職するか、東京就職するか、迷ったけれど、ごめんねお母さん、東京就職するよ。私はもう野球は嫌なの。

野球が嫌だと思う、私も嫌が嫌なの。

才能ってすごい。努力ってすごい。負け惜しみで、こんなの恥ずかしいけれど、才能も努力継続できない私には弟がずっと羨ましかった。それだけの苦悩と努力とつらいことがあるだろうけれど、それだけの苦悩と努力とつらいことを体験できる弟が本当に羨ましかった。

親に注目される「何か」を探し続けた大学生活だったけど、野球にかなうものはなかったから、もう諦めます

素直になれず、心から応援できる姉じゃなくて本当にごめんなさい きっとすぐ、応援できるようになるから今日だけ許してくださいプロ、おめでとう 私の自慢だよ

はーーー就活がんばろう

Permalink |記事への反応(1) | 23:24

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2016-07-19

プロ野球中継

延長時はサブchを使うとか、無料BSでやりますっていうのもっとまればいいのに。

サブch方式NHKテレ東系はやるんだっけか。

画質落ちるとは言え、無料で続きが見れるのは結構デカいんだがなあ。

Permalink |記事への反応(0) | 10:25

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2016-05-22

現代アート考えた!

タイトル:「精神時代時代の精神

内容:プロ野球中継でのムチャクチャ解説精神論根性論のみを延々垂れ流す(例:今日達川

メッセージ性:こんなの時代遅れだよね、これからなくなっていくよねという冷笑的な総括であると共に、

こういう意味不明なことをいっている人がお金をもらえる、

というある種の社会的ゆとりが今後なくなっていくのではないか?という「冷笑」への批評感覚も覗かせる極めて意欲的な作品

Permalink |記事への反応(0) | 19:59

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2015-08-05

プロ野球中継が辛い

私は野球よく分かんないんだけど、付き合い始めた彼氏野球好きだ。

毎日野球中継ばかり見ている。

会話も全くないし、何が面白いんだか。

報道ステーションみれば11時またぎで結果全部わかるのになんで途中経過まで見るんだか。

応援だよっていってもここから応援して結果は変わるのか?

西村愛甲も高沢もディアズ伊良部牛島村田兆治も出てないし全然面白くないよ。

Permalink |記事への反応(0) | 21:12

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2011-04-07

プロ野球中継視聴率が最終局面に到達している件



http://bisista.blogto.jp/archives/1387051.html

Permalink |記事への反応(0) | 14:45

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2009-04-06

最近テレビ番組は雑な気がする

なんか最近新聞テレビ欄を見ると昔よりおおざっぱに作られているような印象を持ってしまう。ゴールデンタイムはほとんどの局で3時間から4時間以上の番組がざっくりと並んでいる。大昔のゴールデンタイムは30分の番組も結構多かったはずなのに。その内容も過去コンテンツの焼き直しだったり適当なのが多い気がする。

昔から改変の時期はスペシャル番組が多いのがあたりまえで、昔を懐かしむだけの番組も少なくなかったけど、今年の春は特に際立っているように感じる。プロ野球中継が例年の半分に削られて代わりに通常番組を多めに作らないといけないという事情もあるだろうし、スポンサーの減少で予算もあんまりないのが実状なんだろうか。

Permalink |記事への反応(1) | 15:53

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