
はてなキーワード:デフレとは
これもっと知られるべきと思うんよなあ
Goodhart & Pradhan(2020)
“The Great Demographic Reversal: Ageing Societies, Waning Inequality,and an Inflation Revival” を、学術的に・構造的に解説します。
「少子高齢化は前期デフレ、後期インフレ」という命題を最も明示的に提示した代表的著作です。
Charles Goodhart
Manoj Pradhan
📌中央銀行の内側にいた人物が「インフレ復活」を真正面から論じた点が、この本の重みです。
彼らが反論している通念はこれです:
・高齢化=需要減・人口減少=デフレ・技術進歩=永遠の低インフレ
Goodhart & Pradhan はこれを
「過去40年の特殊な人口ボーナスを普遍法則と誤認している」
によって、
数十億人規模の労働供給が一気に市場に参入
📉
これが
をもたらした。
若年層が少なく需要が弱い
➡ 貯蓄超過
➡ 低金利
高齢者が貯蓄を取り崩す
➡賃金上昇
📌彼らは明確にこう述べます:
“Demographywill turn frombeing disinflationary to inflationary.”人口動態はデフレ傾向からインフレ傾向に変わるだろう。
通常の経済学:
Goodhart & Pradhan:
➡賃金は下がらない
これは中央銀行にとって非常に厄介。
高齢化後期では:
社会保障
を削れない。
➡国債増発
彼らは、
理由は3つ:
労働力不足は不可逆
➡一時的ショックではなく
2020年代以降は後半戦に入りつつある
📌この本は、のちの
彼らは
ただし、「人口動態という制約条件を無視したモデルは現実を誤る」と主張します。
学界での主な反論:
高齢者は本当に取り崩すのか?
👉Goodhart & Pradhan は
「完全には相殺できない」
この本は
過去40年のデフレを“例外”と位置づけた人口動態はデフレ →インフレへ反転する日本はその最前線
を生む
1954 Modigliani &Brumbergのライフサイクル仮説(LCH) 高齢化は貯蓄超過 →需要不足 → 低金利・低インフレをもたらす
2012–14 白川方明 日本のデフレ要因として人口減少・高齢化・将来不安による貯蓄行動を指摘
2013 Larry SummersのSecular Stagnation 高齢化 →貯蓄過剰・投資不足・自然利子率の低下、結果として慢性的なデフレ圧力
2015–18 Juselius &Takáts(BIS, 2015 / 2018) 人口構成は非線形(前期はデフレ・後期はインフレ)に物価へ影響
2020 Goodhart & Pradhanの『The Great Demographic Reversal』高齢化は最終的にインフレになる
またアイちゃんにまとめてもらったわ😉
「実質賃金が上がってないから利上げすべきでないというブコメがあるが…」/「…実質賃金上昇率…コントロールの範囲外。」
「…デフレに逆戻りする可能性も当然あるが、円安による物価高騰で先に日本経済が崩壊する可能性だってある…」
「…輸入物価インフレの悪影響をこれ以上放置すべきでない…個人的には利上げ賛成。」
「…円安行き過ぎた感…今回の利上げで円高方向に…物価が下がって消費も回る…」
「実質金利が…マイナス幅を広げてるのでまだ緩和効果は高い…」
「0.25%までは既定路線…それ以上の追加利上げは当分できないしやるべきでもない…」
「…利上げしないって判断は金利差から円売り安心で通貨安を加速…CP物価高加速。日銀の不作為で突っ込まれるよ。」
「利上げしなければ円安どうするんだと叩かれ、利上げすれば景気悪くしてどうすると叩かれる…」
「利下げ余地を残したいんだろう…巻き込まれる前に比較的マシな状況で利上げ…」
ま!はてなブックマーカーの意見なんてゴミだけどね!
アイちゃんにまとめてもらったわ😉
「実質賃金26カ月連続減少…状況での利上げは、一気に経済を冷やす恐れがある…」
「実質賃金は22カ月連続のマイナスで…程遠い。…国民の負担が増す追加利上げの妥当性は低い。」
「実質賃金は26カ月連続マイナスで、個人消費は弱いまま。…利上げすべきだが、今は違う。」
「コストプッシュ主導のインフレに対して利上げで需要を抑制しても…効果は限定的…むしろ景気が悪化…」
「ゼロ金利はともかく、さらに国民の負担が増す追加利上げの妥当性は低い。」
「…決して良いとは言えない景気指標でよくやるわ…為替対策で政策金利を決めているように見える…」
「利上げというのは…断じて為替を操作するためのものではない。30年続いたデフレから何も学ばなかったのか?」
「景気も決して良くない…利上げ強行。…為替対策で利上げしろとか無知がヤバすぎる。」
「愚かな判断.今上げる必要はない.…(脱デフレの機会に)なぜ無駄なリスクを取るのか。」
「失われた30年が、40年50年と延びないことを願うばかり。」
「事実であれば重大な漏洩事件。…下手をすれば逮捕まで有るような不祥事。」
「…今日やる会合の内容を未明に速報って、日銀の機密管理大丈夫か。」
「為替情報はインサイダー情報に当たらないので…情報の操作で市場を操縦出来る。…規制してほしい。」
経済対策の規模に関しては「エネルギーや食品を除いた基調的な物価を2%でアンカー(定着)させるには、(潜在成長力に対する)GDPギャップが2%程度の需要超過でないといけない。7-9月のGDPがマイナス成長となりギャップは悪化方向なため、20-23兆円程度の対策は必要」と説明した。
特に「米関税により対北米自動車価格の前年比マイナスが続いており、自動車業界の業績悪化は日本経済にデフレ圧力をもたらす可能性がある」とし、「自動車業界の業績悪化で賃上げにブレーキがかかる可能性がある」と懸念。「日本経済の先行き懸念材料で、金融・財政政策の大きなファクター」と指摘した。
正常化は慎重に
片岡氏は金融政策運営について、日銀審議委員だった20年前後と比べて物価情勢が大きく進展しているのは明らかだとしつつも、まだ安心できる状況ではないとも指摘。「デフレの完全脱却に向けたラストチャンスだ。だからこそ政策正常化への取り組みも、やや慎重にお願いしたい」と語った。
デフレ脱却を最優先に掲げたアベノミクスの時代は確実に終わりを告げているとし、「さまざまな政策手段を使い、需要を維持しながら、いかに安定成長・安定インフレを達成するかというフェーズにある」とみる。政府には、前向きな成長が広がっていく期待感を企業が持てるような施策が求められているとした。
高市首相と日銀の植田和男総裁は18日、官邸で初めて会談した。植田総裁は会談後、追加利上げに関して今後のデータ・情報次第で適切に判断していくと説明。首相から金融政策への要請はなかったと記者団に述べた。
高市首相の金融政策に対する姿勢について、片岡氏は需要拡大による2%インフレが実現できる経済状況の維持を期待しているとの見方を示し、「金利を上げるべきではないなどということはないだろう」と語った。2%物価目標の実現に向け、首相と日銀総裁との会談を定期的に行うことは重要だと指摘した。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2025-11-19/T5WTPZKK3NY800
政府の日本成長戦略会議のメンバーで元日本銀行審議委員の片岡剛士氏は、来年3月にも日銀が利上げできる環境が整う可能性があるとの見解を示した。大規模な2025年度補正予算の効果で内需が高まることが前提という。
片岡氏は18日のインタビューで語った。日銀は「物価や実体経済の状況に応じて政策正常化を進めていくべきだ」と指摘。経済対策の裏付けとなる補正予算の確実な執行に伴い、来年1-3月にも内需拡大などの効果が出てくるとし、「状況次第では3月にも日銀が利上げできる環境が整う可能性がある」とみている。
すんごいブーメランだな。たぶん日銀のレポートなんて読んだこともないんだろうな。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2510b.pdf
例えば日銀は、この「経済・物価情勢の展望 2025 年10 月」というレポートの中で、
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比が足元で3%程度のプラスで、今後は賃金上昇を伴う2%程度の上昇に着地するだろうという主旨を明確に述べている。
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、米などの食料品価格上昇の影響が減衰していくもとで、来年度前半にかけて、2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくと考えられる。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペースの影響などを受けて伸び悩むことが見込まれる。もっとも、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持され、その後は、成長率が高まるもとで人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、基調的な物価上昇率と消費者物価(除く生鮮食品)の上昇率はともに徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。
これはどう読んでも「現在はインフレ状態で、(今のインフレはやや過剰だが)今後はマイルドなインフレに落ち着くだろう」と日銀は言っているということだ。
現在はインフレ状態になく、ようやくデフレを脱却できるかどうかというところ。
しかも悪いデフレは起きていない。需要が喚起され市場に金が回り始めた状態。
数十年デフレで苦しんできた日本は、ようやく2%目標のインフレに到達したのに、円安が進みすぎて輸入物価が高騰し、国民の購買力が低下し続けているところ。
円安になればなるほど輸出企業だけが潤う一方で、輸入依存の国民生活が苦しくなるのは経済学の基礎なんだが?
行き過ぎた円安を放置するのは無責任すぎるよ。 物を高く買わざるを得ないという消費者の正しい不満を無視したら、国は衰退するしかない
現在はコストプッシュ型のインフレ状態で、デフレ脱却はしたものの、持続可能で良いインフレとは言えないところ。
しかも悪いインフレが起きている。円安による輸入コスト増が主因で、実質賃金が何年もマイナス続きで需要が十分に喚起されていない状態。
日銀の展望レポートでは、インフレの多くが輸入物価押し上げ要因で、基調的な内需主導の上昇ではないと指摘されているし、実質賃金は厚生労働省データで2025年も減少が続き、IMFも賃金の伸びが力強いとはいえ物価に追いついていないと評価している。財務省や日銀の一部見解でも過度な円安は是正が必要とされているよ。
現在はインフレ状態になく、ようやくデフレを脱却できるかどうかというところ。
しかも悪いデフレは起きていない。需要が喚起され市場に金が回り始めた状態。
ブレーン達と円安
日米金利差から乖離するほどの円安に対処しなくてよいのか。高市政権の目玉政策は積極財政に集中しており他の経済政策に対する考え方が見えづらいため、ブレーンの考え方を参考にせざるを得ない。このセクションは経済学の空論…議論が続くが、気になるのは政権が確信犯的に円安誘導をしたいかどうかの一転だけなので、読み飛ばしてしまってもよい。日本成長戦略会議のメンバーで高市政権のブレーンと目されるクレディ・アグリコル証券の会田卓司チーフエコノミストは「積極的に財政出動すると、国債増発への思惑や将来の成長期待で金利が上昇する。その結果、海外から投資資金が入り、通貨高を招く」とするマンデル・フレミング・モデルを引用しながら「モデルが機能するには時間がかかるが、幅広く市場参加者が信じていくことで円高へと促されていく」と解説する。一方『株高不況』で知られる第一生命経済研究所の藤代宏一主席エコノミストは「そもそも財政政策の効果を検証するためのモデルであり、為替のメカニズムのモデルではない」とマンデル・フレミング・モデル円高説を一蹴する。
実際、マンデル・フレミング・モデルは歴史的にはどちらかというと財政拡張の効果の持続性を懐疑する議論であり、「だから金融緩和で脱デフレを目指した方が効果的」というリフレ派的な主張にも繋がって来たし、現代においてデフレ下であれば財政拡張がもたらす金利上昇を中央銀行が金融緩和で阻止できるので通貨高懸念も効果の短期性も問題にならない。従ってとっくに過去の遺物になっている理論であるが、たまたま今回は「物価目標を超えるインフレの中での財政拡張」であるので日銀が頼りにならず、「財政出動が長期金利上昇をもたらす」とする前半は実現した。問題は後半、つまりその長期金利上昇が海外からの投資資金の呼び込みに繋がるかどうかである。
財政拡張を受けて通貨が買われるかどうかは、財政拡張の必要性や中身への海外投資家の評価に委ねられる。一般的にそれまで財政緊縮が成長の足かせになっており需給ギャップがマイナスである場合、財政拡張は実質成長率を潜在成長率に向けて引き上げるため、通貨には見直し買いが入りやすい。一方、既に需給ギャップがプラスである国で更に政府需要を作ったところで、その需要は値上げか輸入増によって満たされざるを得ないので、インフレの加速に応じて金融引締めを行わない限り、むしろ通貨が売られる要因になりやすいのではないか。ここで本ブログがかつて取り上げたように、まだ脱デフレしていない証拠にされがちな日本のマイナスの需給ギャップがインチキであることを思い出したい。
Nikkei USDJPY andJapan US real rates
ましてや政策金利がいつまで経っても上がらないようでは、たとえ日本の長期国債の名目利回りに興味を持った海外投資家がいたとしても、為替ヘッジを付けるなり円を借りた方が合理的なので、円買い需要を喚起できない。円安はついに、日米実質金利差でも説明できない領域に突入した。
物価目標を超えるインフレの中で緩和的な金融政策を維持し、更に財政を拡張することで経済を過熱させる政策を高圧経済と呼ぶ。高圧経済と聞くとどうしても資産バブルを起こして富裕層や実業家に酒池肉林をしてもらうというイメージが先行してしまうが、もう一人のブレーンである若田部昌澄早稲田大教授はもう少し真面目な思い入れを持っている。曰く、まず経済全体の需要を作って企業に収益を稼がせてはじめて、企業に有形無形の投資をする余力が生まれるので、賃金も生産性も上がっていく、というものである。高圧経済論は我々が義務教育で学ぶシュンペーターの破壊的イノベーションによる新陳代謝論と真っ向から対立する。アベノミクスが我々の実質賃金を引き下げる代わりに雇用の頭数を増やすものだったとすれば、高圧経済は我々の実質賃金を一段と引き下げる代わりに企業に設備投資をやってもらう、というものである。生産性が上がれば潜在成長率も上がってそのうち過剰な通貨安とインフレは鎮火しそうであるが、それが実際に起きるかどうかはよく分からない。いずれにしろ、少なくともいま聞いて日本円を買いたくなるような理論ではないことだけは明らかだろう。
レポートによると、この法律は米国のデジタル資産、特に「決済用ステーブルコイン」に関する連邦レベルの明確なルールを定めたものです。
最も重要な規定は、ステーブルコインの発行者に対する厳格な資産裏付け要件です。
要件:現金(Cash)または短期米国債(Short-term T-bills)による100%の準備金を保持しなければならない。
目的: ステーブルコインのリスク(取り付け騒ぎやデペグ)を排除し、米ドルと同等の安全性を持たせること。
結果: これにより、ステーブルコインは実質的に「デジタル・ドル」としての地位を確立し、銀行や機関投資家が安心して扱える資産となりました。
法律の遵守(コンプライアンス)に伴い、ブロックチェーン側にも新たな技術的仕様が求められるようになりました。機関投資家が利用するためには、以下の2点が必要です。
KYC/AMLへの対応:顧客確認(KYC)およびマネーロンダリング対策(AML)を効率的に満たす仕組み。
選択的プライバシー機能: すべての取引が公開されるパブリックチェーンではなく、機関の取引内容(金額や相手)を保護できるプライバシー機能。
金融取引の決済において、不確実な時間を排除することが求められます。
要件: 「サブ秒(1秒未満)」での取引完了(ファイナリティ)。
背景: 従来の銀行システムや高頻度取引に匹敵するスピードが必要とされています。
この法律の施行により、既存のブロックチェーンの勢力図に変化が生じると予測されています。
取引完了に12秒かかる点と、全ての取引が透明(プライバシーがない)である点が、機関投資家のニーズ(即時決済・秘匿性)と合致しないため、機関マネーの受け皿として不利になる。
規制準拠(GENIUS法対応)を前提に設計されており、「選択的プライバシー」と「サブ秒の完了性」を持つため、機関投資家のステーブルコイン業務のシェアを奪う。
小売(リテール)分野で拡大しつつ、2026年初頭の「Firedancer(アップグレード)」により処理能力と速度を向上させ、機関向け業務の獲得も狙う。
ごもっともな疑問です。GENIUS法やイーサリアムの技術的な話(DeFiやステーブルコイン)は、一見すると「アルトコインやブロックチェーン技術」の話であって、「なぜそれがビットコイン(BTC)の価格を押し上げるのか?」というつながりが見えにくいですよね。
レポートの論理を紐解くと、これらは「お金の入り口(パイプ)」と「最終的な行き先(貯蔵庫)」の関係で説明されています。
なぜ「アルトコインや規制の話」が「BTC爆上げ」につながるのか、3つのロジックで解説します。
1.GENIUS法は「機関投資家マネーの高速道路」を作るから
GENIUS法でステーブルコインが「100%現金/国債裏付け」になり、国の認可を受けるということは、銀行や大企業が堂々とブロックチェーンにお金を入れられるようになることを意味します。
これまで:規制が怖くて、機関投資家は巨額の資金をクリプト市場に入れにくかった。
これから(GENIUS法後): 「デジタル・ドル(ステーブルコイン)」として安全に資金をブロックチェーン上に持ち込める。
BTCへの波及:クリスプト市場に入ってきた数兆円規模の「機関投資家の資金」は、最終的にどこに向かうか?
リスクの高いアルトコインではなく、最も流動性が高く、価値の保存手段として認められているビットコインに、ポートフォリオの核として資金が流れます。つまり、ステーブルコインは「入り口」であり、その資金が向かう「本命の投資先」がBTCという構造です。
レポートでは「金(ゴールド)が下がって、BTCが上がる」と予測しています。
イーサリアムなどの役割: 送金、契約、DeFiなどの「実用・技術」担当。技術競争(速度やプライバシー)で勝ったり負けたりする。
ビットコインの役割:デジタルな「国家レベルの資産(Sovereign Asset)」。
ロジック:GENIUS法などで市場全体が信頼できるものになればなるほど、「インターネット上の基軸通貨」としてのBTCの地位が盤石になります。ドルが強い環境下で、投資家が金(ゴールド)から資金を抜く際、その避難先として選ばれるのが「規制された市場の王様」であるBTCになる、という理屈です。
これはイーサリアムとは別の話ですが、レポートにある重要な要素です。
OB3(大型減税法案):法人税が下がり、企業の手元に現金が増える。
トレジャリー(財務戦略):企業はその余った現金をただ持っているだけでなく、インフレヘッジなどのために運用したい。
BTCへの波及: 既にマイクロストラテジーなどがやっているように、企業の準備資産(トレジャリー)としてBTCを購入する動きが加速する。「ETFと企業の保有で供給の11.7%がロックされる」というのは、この動きを指しています。
「GENIUS法で『道路』が整備され、OB3減税で『軍資金』を得た企業が、最終的に『土地(BTC)』を買い占めに来る」 というシナリオです。イーサリアムやソラナの話は「道路工事の競争」の話であり、BTCの話は「値上がりする土地」の話として区別されています。
ビットコインの価格を語る上で欠かせない「半減期(Halving)」について、基本的な仕組みと、今回のレポートがなぜそれを「あまり重要ではない」と見ているのかを解説します。
半減期とは、ビットコインの新規供給量が文字通り半分になるイベントです。
1. 仕組み
時期: 約4年に一度(正確には21万ブロックが生成されるごと)。
内容:ビットコインのマイニング(採掘)報酬が半分になります。
2.目的と効果デフレ資産: BTCの発行量を計画的に減らすことで、希少性を高めます。
これにより、ビットコインはインフレ耐性のあるデジタル・ゴールドとしての性質を持ちます。
供給ショック:市場に新しく出回るBTCの量が突然減るため、需要が変わらなければ、理論上は価格に上昇圧力がかかります。
【ポイント】 これまでの歴史上、半減期の約1年後には価格が大幅に上昇する傾向が見られてきました。これが従来の「4年サイクル」の根拠です。
今回のサイクル(2025年〜2026年)では、半減期のポジティブな影響をマクロ経済の力が上回ると主張しています。
レポートは、価格の牽引役が「供給側(半減期)」から「需要側(機関投資家)」に移ったと分析しています。
レポートが、半減期による価格の緩やかな上昇を超える力を持つと見ているのが、以下の3つの強烈な需要側の要因です。
具体的な数値:ETFや企業財務保有(DAT)が、既にBTCの**総供給量の約11.7%を保有している。
意味合い: これは、市場で売買される流動的なBTCが減り、価格変動に強い「硬い需要の層」が形成されたことを意味します。この構造的な買い圧力が、半減期で供給量が減る効果よりも強力だと見られています。
GENIUS法: ステーブルコインの規制整備により、数兆円規模の機関投資家マネーの参入障壁が取り払われる(前の回答で説明した「高速道路」の整備)。
OB3法案:企業減税により、企業の余剰資金(法人マネー)がBTCに流れるインセンティブが強化される。
結論:規制環境の改善と企業の資金力投入が、単なる半減期では達成できないほどの、持続的で巨大な需要を生み出すと予測されています。
レポートは、金利とドル高の環境が続く中で、利回りのない金(ゴールド)は調整局面に入ると予測しています。
対照的に、規制整備と機関参入を経たBTCは「主権格の価値の保管手段」としてゴールドのポジションを奪い取るとされています。
【まとめ】
このレポートのシナリオでは、半減期は依然として重要ですが、その効果は「マクロ経済の潮目」と「機関投資家の構造的な買い」という、より大きな波に飲み込まれ、2026年までの長期的な高値圏形成の要因となるということです。
つまり、「半減期が弱いかどうか」ではなく、**「機関投資家の採用が半減期を上回るほど強い」**というのが、レポートの主張です。
円安になれば日本が長年苦しんできたデフレを脱却できるし、輸出企業が儲かり、インバウンド客が莫大な金を落とす。
国内に金が回って需要が刺激されている状態。企業はガンガン設備投資をして賃金が上がっていく。
A おめでとうございます2013年の実質賃金を100としたら2025は90です
B10年でそれくらいなら健全というか理想的な推移じゃないの、経済学的には。
Bさんの言っていることがよくわかりません。経済学的には実質賃金を下げるのが健全で理想的なのですか?経済学的に基づいて幅広い視点をください
ざっくり言うと、「経済学的に “実質賃金が下がるのが理想” なんて理論はない」です。
Bさんの発言は、多分かなり雑&一部だけ見た話で、「健全」「理想的」という言葉が強すぎます。
実質賃金:物価上昇を差し引いた、“給料でどれだけモノやサービスが買えるか” の力
という意味です。
単純に言えば、暮らしはそれだけ苦しくなっている、という方向の数字です。
これが「健全」「理想的」とは、普通のマクロ経済学では言いません。
ざっくりした前提:
とはいえ、一部の状況では、「実質賃金が下がること自体が必ずしも悪ではない」
という議論はあります。Bさんは、もしかするとこういう話をざっくりつまんで言っている可能性があります。
実質賃金が少し下がることを許容
経済学では、
「賃金が硬直的(下がらない)だと失業が増え、不況が長引く」という議論があります(ニューケインジアンとかの失業モデル)。
この観点だと
という言い方は一応できます。
多分Bさんはこういうイメージで「健全」と言ったのかもしれません。
ただしこれは
「下がることが理想」じゃなくて「下がらないともっとひどい事態になる時もある」
特にユーロ圏の南欧(ギリシャ・スペインなど)では、通貨切り下げができない代わりに
「内部切り下げ(インターナル・デバリュエーション)」=実質賃金を抑えることで競争力を取り戻す
これも、
それでも、失業率20〜25%みたいな超絶不況を抑えるために、
1年あたりざっくり 1% ぐらい購買力が削られているイメージ
モノの値段が上がるのに、給料がそれについていかない状態が続いている
普通に考えて
「実質賃金が増えない国」より
「実質賃金が増える国」の方が生活の満足度・将来不安の少なさは高くなりやすい
世界的には、多くの先進国で2010年代〜2020年代にかけて
実質賃金は 横ばい〜やや増加 が多い
日本は、実質賃金・労働生産性の伸びがかなり弱い国としてよく比較に出されます
なので、「10年で10%減」は、国際比較的にも「理想的」とは言いづらく、
まとめると:
なので、Bさんの発言は
「インフレや失業を考えると、実質賃金が必ず右肩上がりでなくてもいい」
という主張として受け取ると、ほぼ間違いと言っていいです。
✅経済学は「実質賃金を下げるのが理想」と言っているわけではない
✅ むしろ長期的には「生産性と実質賃金が一緒に伸びる」のが望ましい
🔸 ただし、不況期の調整弁として一時的に実質賃金が下がるのは、失業爆発よりマシという議論はある