
はてなキーワード:ガルシアとは
2025年6月8日時点で、日本語圏のどの電子書籍でも購入できない本の一覧。
「ライ麦畑でつかまえて」(日本語訳)(サリンジャー、白水社など)
「百年の孤独」「族長の死」「予告された殺人の記録」(日本語訳)(ガルシア=マルケス、新潮社)
「仮面の告白」「金閣寺」「真夏の死」「豊饒の海」(三島由紀夫、新潮社)(英訳はamazonkindleで購入できる)
15年というと、二葉亭四迷が『浮雲』(1887-1890)を書いてから、『蒲団』(1907-1908)で自然主義文学がはじまったとされるぐらいまでの時期、つまり、現代までつづく(ある程度)こなれた言文一致の文章が一般的になるまでにかかった時間とだいたい同じである。たしか、新聞記事の文章が文語から口語にかわるまでの時間もほぼ同じだったはず。
参考
https://anond.hatelabo.jp/20250804171112
・ブクマカのコメントだけを集計している。増田のトラバは集計していない。ただし、元増田の挙げた10作だけは特別に集計に入れている。
・手作業なので多分、抜けや集計ミスがある。なお、この作業を行うにあたり、ChatGPT君がクソほどの役にも立たなかったという事実は、いくら強調してもしすぎるということはない。
・作品名が書かれていないもの(作者名だけのもの)はカウントしていない。国産小説はカウントしてしない。自分のおすすめを紹介しているわけではないと思われるコメントはカウントしていない。
・これ同じ小説だろ、と思われるもの( 「長いお別れ」と「ロング・グッバイ」みたいなもの)は勝手に統合して集計した。他にもこれとこれ同じ小説だよ、というものが混じっているかもしれないが、知らん。
三体
大聖堂 動物農場 フラニーとゾーイー プロジェクト・ヘイル・メアリー 星を継ぐもの マーダーボット・ダイアリー モモ
IT アメリカの鱒釣り アルジャーノンに花束を 火星の人 存在の耐えられない軽さ タタール人の砂漠 地下室の手記 長いお別れ ニューロマンサー 羊たちの沈黙 日の名残り 指輪物語 幼年期の終わり
異邦人 ウォーターシップダウンのうさぎたち 鏡の中の鏡 悲しみよこんにちは 華麗なるギャツビー 高慢と偏見 氷と炎の歌 シャドー81 城 水源 スローターハウス5 タイムマシン チャンピオンたちの朝食 月と六ペンス 伝奇集 夏への扉 二年間の休暇(十五少年漂流記)ハイ・フィデリティ ハリーポッターと賢者の石 緋色の研究 ファイト・クラブ 不思議の国のアリス ペスト ホワイト・ジャズ 見えない都市 モンテ・クリスト伯 リプレイ わたしを離さないで
24人のビリーミリガン 2666 82年生まれ、キム・ジヨン HHhH V Xの悲劇 Yの悲劇 愛を語るときに我々の語ること 青い湖水に黄色い筏 青い鳥 青犬の目 青白い炎 赤毛のアン 悪童日記 悪霊 あなたの人生の物語 アブサロム、アブサロム! アルケミスト アンドロイドは電気羊の夢を見るか? アンナ・カレーニナ 暗殺者グレイマン 石蹴り遊び 犬の力 荊の城 息吹 イワン・デニーソヴィチの一日 イングリッシュ・ペイシェント インビジブルモンスターズ ウィトゲンシュタインの愛人 ウォーターランド ウォッチャーズ 失われた時を求めて 歌の翼に ウは宇宙船のウ 海を飛ぶ夢 エーミールと探偵たち 越境 エミール エルマーと16匹の竜 エルマーのぼうけん エレンディラ エンジン・サマー 嘔吐 大鴉 オーエン詩集 おとなしい凶器 怪奇クラブ 外套 カエアンの聖衣 カササギ殺人事件 火星のタイムスリップ 風と共に去りぬ カチアートを追跡して カッコウはコンピュータに卵を産む かつては岸 カモメのジョナサン 狩りのとき 完全な真空 期待忘却 君のためなら千回でも キャッチ=22 吸血鬼カーミラ 吸血鬼ドラキュラ 巨匠とマルガリータ 供述によるとペレイラは… 恐怖の谷 キリンヤガ クライム・マシン クラッシュ 暗闇にひと突き 黒い時計の旅 黒の過程 刑務所のリタ・ヘイワース ゲイルズバーグの春を愛す 穢れしものに祝福を ケルベロス第五の首 拳闘士の休息 航路 荒野へ 香水ある人殺しの物語 コーラン 黒檀 ここではないどこかへ 古書の来歴 コンダクト・オブ・ザ・ゲーム さあ、気ちがいになりなさい 最後にして最初の人類 さかしま サバイバー 砂漠の惑星 寒い国から帰ってきたスパイ シークレット・ヒストリー シークレット・レース ジーヴズの事件簿 ジェイン・エア 地獄 死体 シッダールタ 死にゆくものへの祈り 死の鳥 死父 シャドウ・ダイバー 初秋 書写人バートルビー 少年が来る 少年時代 女王陛下のユリシーズ号 シルトの岸辺 審判 真紅の帆 聖書(新訳・旧約) スター・ピット スタンド・バイ・ミー ずっとお城で暮らしてる ストーン・シティ 砂の惑星DUNE すばらしい新世界 素晴らしいアメリカ野球 スラップスティック 清潔で明るい場所 西部戦線異状なし 千夜一夜物語 戦慄のシャドウファイア 前日島 善人はなかなかいない 禅とオートバイ修理技術 喪失 捜神記 族長の秋
そして誰もいなくなった ソラリス ダ・ヴィンチ・コード タイタンの妖女 タイム・シップ 大泥棒ホッツェンプロッツ 第二の銃声 ダウンビロウ・ステーション 脱出航路 頼むから静かにしてくれ 卵をめぐる祖父の戦争 ダレンシャン タンナー兄弟姉妹 血と暴力の国 チョーク
長距離走者の孤独 罪と罰 ティファニーで朝食を デス博士の島その他の物語 鉄の時代 転落 闘争領域の拡大 遠い声、遠い部屋 特性のない男 賭博師 飛ぶ教室 虎よ、虎よ トリフィドの日 ドルジェル伯の舞踏会 どろぼう熊の惑星 『ドン・キホーテ』の著者ピエール・メナール ドン・キホーテ ナイトホークス ナイン・ストーリーズ 渚にて ナルニア国物語 人間の土地 人間の絆 ハイペリオン ハイペリオンの没落 パイド・パイパー 裸のランチ 果てしない物語 バベルの図書館 薔薇の名前 パリは燃えているか パルプ ハワーズエンド ビームしておくれ、ふるさとへ ビギナーズ 日々の泡 秘密の花園 日向が丘の少女 ヒルビリー・エレジー ビロードの悪魔 ファウスト 不安の書 フィーヴァードリーム フーコーの振り子 武器よさらば ふくろうの叫び 二つの心臓の大きな川 二人の世界 舞踏会へ向かう三人の農夫 フライデーあるいは太平洋の冥界 ブライヅヘッドふたたび ブラックアウト ブリキの太鼓 ベルガリアード物語 ボーンコレクター ぼくのプレミア・ライフ ボトムズ 本当の戦争の話をしよう マイクロチップの魔術師 マガーク少年探偵団 マザーレス・ブルックリン マッカンドルー航宙記 マネーボール ミゲル・ストリート ミサゴの森 ミス・ビアンカの冒険 三つ編み 緑の家 ムーン・パレス 夢幻会社 無限の境界 名探偵カッレくん 目隠し運転 眩暈 盲人の国 森の小道 やぎ少年ジャイルズ やし酒飲み 幽霊狩人カーナッキ ユービック 夢の終わりに… 夢みる宝石 ユリシーズ 予告された殺人の記録 夜の果てへの旅 夜の樹 夜の声 楽園への道 ララバイ リヤ王 リリス リンゴ畑のマーティン・ピピン レ・ミゼラブル 冷血 レッドオクトーバーを追え レディ・プレイヤー1 朗読者 ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを 路上 ロビンソンクルーソー 若草物語 鷲は舞い降りた わたしの名は赤 われら闇より天を見る 我はロボット
・国別だとアメリカ文学が多い……ように見える。
・SFが人気。
・ミステリは人気だが、ハードボイルドを挙げる人は少ない。複数票入っているのは「長いお別れ」と「ホワイト・ジャズ」くらいか?
・超メジャーな文学作品を挙げている人が少なかった。世界の十大小説とかサマセット・モームが選んだ世界十大小説なんかに挙げられている作品はほとんど名前が挙がらず。そんな中5票入ってる「カラマーゾフの兄弟」は改めてすごい小説なんだなと思える。
・作者名の照応はしていないし、やる気もないが、ぱっと見だとヴォネガット、ガルシア=マルケス、オーウェル、カズオ・イシグロ、アンディ・ウィアーあたりが多いような気がする。
Trump just posted aphoto of himself holding up apiece ofpaper claiming to show tattooson Kilmar Abrego Garcia that are related toMS-13. Thepaper he’s holding uphas been digitally altered toadd the charactersMS-13.
The claim comes fromneo-Nazison Xwho say the tattoos cover up “MS-13.”
[image or embed]—Matt Novak (@paleofuture.bsky.social)2025年4月19日 7:18
BSのリンクからまずは写真を見てほしいんだけど(XやTruthSocialを共有はしたくないので)
「このキルマー・アブレゴ・ガルシアのタトゥーをMS13と読むことはどう考えても無理筋だろ、何考えてるんだ」
という指摘でアメリカのインターネッツは大盛り上がりをしていた。
ちなみにMS13Tatooと検索すればいくらでも本物が出てくるが、MS13 のメンバーは隠喩など使わずに、MS13というタトゥーをする。
Arialと思われるフォントで
M S 1 3
🍁 ☺ ✞ 💀
と絵柄をこのように解釈するのだ、というおそらくICEだかDOJだかの役人がこじつけるために書いた説明と
という説明が書いてある。
エルサルバドルで収監されている彼と民主党の上院議員が面会した際にとられた写真にはどちらの説明書きもない、当たり前だが。
MとSはこじつけとしてまだギリギリ成り立つかもしれないが、1と3は誰もが無理だろ・・・と思っていた。
誰もがMS13というArialフォントの書き込みは説明だろうと解釈していた。
ところが、トランプはどうやらこれを本物と思っているのではないか、認知能力がやばいのではないか、とものすごく盛り上がっている。
インタビュー全般について読むべきところはたくさんあるが、認知症の老人との会話、話が分からない5歳児との会話を思い出す。
ちなみにトランプの英語はぐっちゃぐちゃなので、意味は通るような通らないようなことを言っている。
該当部分について翻訳しておく
T:トランプ
M:では、1人の男と1つの裁判所命令について質問させてください。キルマー・アブレゴ・ガルシア。彼はこの国に不法入国したサルバドル人男性ですが、エルサルバドルに送り返さないよう保護命令を受けています。あなたの政府は彼をエルサルバドルに送り返し、それが誤りであったことを法廷で認めました。そして今、最高裁判所は、彼を米国に戻すようにとの命令を支持しました。それに従うために何をしているのですか?
T:間違いだと言った法律家は、長い間ここにいて、私たちが任命したわけでもない。そして、わかってほしいのは
T:この人物はMS-13ギャングのメンバーで、タフで、何度も小競り合いを繰り返し、妻を殴り、妻は彼のことを話すことさえいやがるようなやつだ。こいつはメリーランド州の純真で素晴らしい紳士ではない。
M:彼が善人かどうかは言っていません。法の支配についてです。最高裁の命令は有効なのです、閣下。
T:彼は不法入国したんだ。
M:あなたは彼を取り戻すことができますよね。この机の上には電話がありますよ。
T:できるさ。
M:あなたは、電話を取って、大統領としての権限で、エルサルバドルの大統領に電話をして、「彼を送り返せ」ということができますよね。今すぐに。
T:できる。それは、そいつが、あなたが言うような紳士だったとしたらの話だ。それならそうしよう。
T:でも彼はそうじゃない。
M:彼の開放を促進するように。
T:私はそれを決める人間ではない。我々には、それをやりたくないという法律家がいるんだ、テリー
M:あなたは大統領ですよ?しかし、しかし、責任はこのオフィスにあります
T:わたしは、いやいやいやいや、法律には従うさ。君は私に法律に従ってほしいんだろう。私がもし、自分の思ったことをなんでもやる大統領だとしたら、私は彼をこのまま、彼にふさわしい場所にとどめておくだろう
T:聞くんだ、私は厄介な問題の面倒を見るために、それは、とても無能な男がやってしまったどうしようもないミスを、きみらのようなやつらが、素晴らしい、天才だと言っていて、実はまったくの無能だった男が起こしたミスだ。だろ?そしていまや、すべてのメディアが、間違いだったと言っているように、完全に無能な男が、我々の国境を開き、何百万もの人間が入ってきてしまった。
私はその問題で選挙戦を戦った。それが一番ではなかったが、一番に近い問題だった。
とても簡単だ、ちょっと待って、犯罪者、殺人者、犯罪者が、この国にいたときには、我々は、すぐにかれらを追い出す必要がある。そして我々はそれをしているんだ。
T:また君は、そうやって一人の男の例を出すんだろう、だが、その選ばれた男の例も
M:彼は
T:彼は、ギャングのメンバーじゃない、と主張しているが、彼ら(ICEかな)はみた、彼の拳を、彼はMS13のタトゥーをしている
T:そうだ、まて、まて、彼はMS13の、タトゥーを、拳に、MS13の
M:彼は、いや、違うといわれているが、そのように解釈しているといっていますね。次の話題に行きましょう。
T:それはないぞ、M-S-1-3、それはM-S-1-3だ
T:加工された?テリー、それはだめだ。彼にはタトゥーがある。彼は、おい、君には人生で最大のチャンスをくれてやっているだろう。インタビューさせてやっているじゃないか。私が君を選んだのは、簡単に言えば、私が君のことを聞いたことがないからだ。まぁそれはいい。
M:ええ。この話が来たのは知っていました。
T:だが私は君を選んだ、テリー、でも君は、ちっともナイスじゃないな、彼はMS-13のタトゥーをもっている。
M:わかりましたわかりました。同意できないということで合意できますね。私は次の話題に行きたい。
M:写真なら見ましたよ。同意できないということに合意できますよね。
T:おい、見たのに、加工されたと思っているのか
M:次へ行きましょう、次へ
T:加工はされていない、見るんだ
M:わかりましたよ
M:いや、公平に言って、そのように解釈できるとされるタトゥーをしていますね、私は専門家ではないですが。ウクライナの話題に・・・
T:いや、いや、テリー、違う、違う、彼の手にはクリアに、間違いようがなく、MSと書かれている。解釈じゃない。だから、人々はニュースをもう信じないんだ、フェイクニュースだから。
M:彼がエルサルバドルで写真にとられたとき、それらのタトゥーは写っていなかったですよね?でもいいです、次に行きましょう
T:いや、彼は
M:エルサルバドルでの写真にそれらのタトゥーは写っていない。
T:いやそこに、おーおー、そこにはなかった?
M:ぜひ、写真をご覧ください。
T:でも、いまはそこにタトゥーはあるんだろ?
M:ない、何を・・・
T:でもいまはあるんだろ?
T:テリー
T:彼はMS-13のタトゥーがある、いいな?
T:それは、それは、、、君はなんでそんなに不利益なことをするんだ
タイトルの通りです。
日本では、
「トランプの狙いはコレコレではないか」などと議論されていることもあると思うけれど、トランプははっきり法治を覆そうとしている、と左右を問わずまともなアメリカメディア(Fox、NewsMax、ブライトバードなどを除く)ではみなされている。
政権担当者には、1984も真っ青な、「ニュースピーク」、「ダブルシンク」が求められているところであり、もしトランプ政権にまともな精神状態の共和党員がいたのであれば、病んでしまうのではないか。
ありとあらゆるところで、トランプ政権の無茶苦茶ぶりがあふれ出しているが、ここでは、デュープロセスなしでの国外追放についてのみに絞ってお伝えする。
一事が万事この調子なので、アメリカ在住のMAGAでない人には正気を保つのは難しい。
トランプは敵性外国人法Alien EnemiesAct of 1798 の発動を宣言した。この法律は1798年に制定されたもので、外国から侵攻を受けた場合、宣戦布告を受けた場合に発動できることになっている。もともとはフランスとの戦争に備えたもの。戦時中に日本に対して発動されたが、その後の批判は誰もが知るところ(ダニエル・イノウエなど)。ただし、日本を対象にした場合は、まだ額面上の法律の要件は満たしていた。
トランプ政権は、強制送還(deportation)と言ってはいるが、別にエルサルバドル人ばかりではないので、強制送還という言葉は適切ではない。棄民とか追放(Exileとか)という言葉を使うべきだが、一番近いのはユダヤ人の強制収容(Concentration Camp)であろう。よってここでは追放で統一する。敵性外国人法は裁判手続きなしに、国外追放や身体拘束を可能にする法律ではあるが、宣戦布告を受けた場合、発した場合に限られると解されてきた。トランプはテロリストはアメリカに侵攻(Invade)していると主張しているので、適用できるのだ、と主張しているが、宣戦布告の権限は議会にあり、大統領にはないため、一般的に言えば、敵性外国人法が発動する権限は大統領にはない。
3月15日に拘束された一部の人たちの家族等から、「拘束の合法性」について疑義があるため、ワシントンの連邦地裁に差し止めの依頼がなされ、ワシントンの連邦地裁はこれを認め、国外追放を差し止めるように命令した。ICE(アメリカ移民・関税執行局)はじめトランプ政権は、追放の実施前に口頭でこの命令を受け取ったが、これを無視し、そのまま追放を実施したことが確認されている。いわく「文書での命令ではなかった」からだ。その後、文書でも命令も当然届いたが、その際はもう飛行機は出発していたため、引き返せない、との主張に変遷した。
もっとも大きな話題になっているのは、キルマー・アブレゴ・ガルシアだろう。「どうせ不法移民だろう」と思う向きもあると思うので少しだけ背景を書いておく。ほかにも、ゲイのメイキャップ、サッカー選手(レアルの入れ墨をしていた)、16歳の、ICE当局ですら、ギャングメンバーと思っていなかった子ら、幾人もこいつは違うでしょう、というのがいるが割愛する。
キルマーはエルサルバドル生まれ。母親のビジネスの関係で、MS13と対立するギャングから兄の生命を脅かされたため、家族はまず兄を、次いで2011年16歳のキルマーをアメリカに不法に入国させた。アメリカでは、入国の経緯にかかわらず、亡命申請(Asylum Claim)ができる。アクティブな亡命申請は通常入国後1年以内に行わねばならず、ディフェンシブな亡命申請は、「強制送還手続の中で」行うことができる。キルマーは、2019年3月まで、亡命申請を行っておらず、求職活動をしている際に逮捕され、「シカゴブルズのキャップをかぶっているため、MS13のメンバーである」との嫌疑をかけられた。その後の移民裁判の中で、MS13のメンバーとは認められないとされ、2019年6月に米国市民と結婚し、その直後に亡命申請をした。アクティブな亡命申請は期限切れのため、認められなかったが、移民裁判所は、キルマーに退去の保留を認め、キルマーは合法的にアメリカに滞在できるようになった。その後メリーランド州で鉄工として働きながら3人の子供を妻と暮らしていたが、3月12日、自閉症の5歳の子を連れているときに、ICEに拘束された(子供は10分以内に迎えに来ないと、児童養護施設に送る、と妻に連絡がきたとのこと)。キルマーには犯罪歴はなく、滞在は合法的なステータスであり、移民裁判所は、生命の脅威から保護するために、退去の保留を認めていたため、ICEの権限で、このステータスを変更することはできない(ICEは移民裁判において、控訴しなかったため)。キルマーの妻、ジェニファーは、即座に移民裁判所に、ステータスの確認を求め、移民裁判所は、国外退去の差し止めを命じたが、無視した。3月24日、ジェニファーと子供たちは、米国政府を訴え、帰国を実現するよう求めた。
メリーランド地裁との裁判の中で、政府は、「ICEは裁判所の命令を認識していたが、行政手続き上のミス(AdministrativeError)で送還を実施してしまった」と認めた。地裁判事は、遅くとも4月7日までに帰国に向けた「取り組みを促進し、実現させる」ように政府に命じた。政府は、「すでに身体管理権は、エルサルバドルに移譲されており、米国政府は干渉できない」旨の主張をし、4月5日にこの件について控訴裁判所に控訴した。
4月7日控訴裁判所は、地裁判断を支持し、政府の控訴を棄却した。判事は、政府が拘禁のために支払う他の「契約施設」と同様に、政府はエルサルバドルからアブレゴ・ガルシアを含む被拘禁者を確保し、移送する権限を持っていると指摘し、政府の主張を却下した。同日、政府は最高裁に緊急上訴(最高裁は共和党が多数派でトランプ政権に可能な限り寄り添おうとしている)。
4月10日最高裁判所は、全会一致で、「米国は、アブレゴ・ガルシアがエルサルバドルへの彼の移送を禁じる保留命令の対象となっており、したがってエルサルバドルへの移送は違法であったことを認める」と事実認定をし、「政府に対して、アブレゴ・ガルシアのエルサルバドルでの拘留からの釈放を『促進』し、彼がエルサルバドルに不適切に送られなかった場合と同様に彼の事件が処理されることを保証するよう要求する」と命じた。すこし難しいが、ワシントン連邦地裁に対する4月7日意見書を合わせた考えると、最高裁の主張はおおむね以下の通りと思われる。「敵性外国人法を適用するかどうか、という点ではなく、逮捕、身体拘束が不当である、という主張であるのであれば、それは裁判所が拘束の停止を求めることではなく、ハビアス・コーパス((ハビアス・コーパスとは: 拘束されている人が、その拘束が法律に適合しているかどうかを裁判所に審査してもらうための申立ての制度のこと。原義は、ラテン語で、身体を差し出せ。アメリカ合衆国憲法第1条第9節では、「反乱や国家の安全のため必要とされる場合を除き、ハビアス・コーパスの権利を停止してはならない」と定められている))の範疇として、異議申し立てを受けるべきものである、その場所は拘束された場所=メリーランドであるべきであり、エルサルバドルに不適切に送られていたとしても同様に処理する必要がある」と言っている。敵性外国人法の要件に踏み込まず、実現させる手段は外交であり、地裁の権限を超えており、適切ではないとして削除した。これはかなりトランプ政権に寄り添いつつ、ギリギリ、法的正当性を担保しようという苦しい命令ではある。とにかく、地裁に一部差し戻され、地裁判事は、促進の状況について、毎日情報をアップデートするように命じた。ちなみに、トランプ政権は数日目から、促進状況に変更はない、とだけつ、たえている。
当初トランプ政権は、「裁判所の命令には従うが、もはや米国はキルマーの身体管理権をもっていないのでどうしようもない」という主張をしており、最高裁の命令には従う、尊敬しているから、というような発言をした。(("If the Supreme Court said bring somebody back I would do that. Irespect the Supreme Court." "Well, I'm not talking about the lower court. I have greatrespect for the Supreme Court."))4月11日ごろから、主張が変遷する。関税プランを立てたといわれるスティーブ・ミラーは、「アブレゴ・ガルシアは、MS13のメンバーであり、誤って送還されたわけではない。適切な場所にいるのだ。」というような主張をし、このような主張は「9-0で最高裁で支持された」と主張しだした。増田は当初何をいっているんだ、と思ったが、どうやら、実現せよ、との文言がないこと、追放自体がダメだ、と言っているわけではなく、追放した者にも、ハビアス・コーパスによって異議申し立ての権利があるという点のみを切り取っているらしいとなんとか理解できた。実際には9-0で負けているし、事実認定として、キルマーは保護されている、ため、移送は違法であったと認められている。
しかしミラーを皮切りに、レヴィット報道官、ポンディ司法長官、ノーム国土安全保障長官、バンス副大統領などが、同様の主張をし始めたのをみて空恐ろしくなってきた。彼らの中では、ダブルシンクがすみ、キルマーはMS13のメンバーであり、強制送還は適切、この主張は最高裁でも認められた、と整理されてきたのだ。
レヴィットは証拠を求められても、「あいつらはテロリストで、私はその証拠を今朝見た、トランプは米国民を守った」、「まるでファーザーオブザイヤーのような扱いをしているが、アブレゴ・ガルシアは、MS13のメンバーでテロリストだ」というようなことしか言わず、しまいには「もう質問はないみたいだね」と言って会見を打ち切る、などの行動をとるようになった。
バンスは「アブレゴ・ガルシアはテロリストとして有罪判決を受けた」と虚偽を堂々と述べた。
ポンディは「これがアブレゴ・ガルシアに関する証拠です」といって、誤って「犯罪歴なし」、と書かれた資料をアップロードし、失笑を買ったのち、最初の移民裁判で、シカゴブルズのキャップを被った、明らかなラテン系ギャングである、という、別件の汚職で逮捕された警察官の主張が書かれた調書を公開した。
トランプは「以前最高裁の命令には従う、と言っていたのに、なぜアブレゴ・ガルシアのような例で帰国させようとしないのか」という質問をしたCNNに対して「なぜおまえらは、「テロリストを国外へ追放して、素晴らしいことになった」と言わないのだ。だからおまえらの放送は誰も見ていないんだ」と記者をあざけった。またFoxのインタビューの中で、「最高裁は9-0で強制送還の件は支持し、我々は(精神的)勝利したんだ、ニュース番組を見ていると知らないと思うけど」というような発言をしていた。
トランプはエルサルバドルのブケレ大統領と面談した際、カメラが回っていると気づかず、「次はホームグロウンの番だ。建物が足りないな、あと5つぐらいはつくってほしい」と述べている。また、「重大な犯罪者であれば、エルサルバドルに米国人を送ることは大賛成だ」とも述べている。対テロの大統領補佐官である、セバスティアン・ゴルカは、「誰であれ、キルマー・アブレゴ・ガルシアを擁護しようとするものは、テロリストであり、訴追される」と述べた。
民主党の上院議員、ヴァン・ホレンがキルマーに面会でき、キルマーの件単独では、ひょっとしたら解決が見えるかもしれないが、正直、トランプ政権の終わり方は、日本人が想像しているよりはるか遠くまで行っていることは知っておいてほしい。
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酉島伝法「隔世遺傳(かくりよいでん)『皆勤の徒』設定資料集」
スティーヴン・バクスター「〈ジーリー・クロニクル①〉プランク・ゼロ」
入江亜季「北北西に曇と往け」七巻
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1000decillion「morals under a pagoda -Greece-」(同人誌)
毎年月ごとの上位三冊を選んでいるが、ある月の四位が別の月の二位を上回って面白いことがある。つまり当たりの多かった月だ。すべての本に対して星の数で評価すべきかもしれない。
数世代の女性たちの年代記であり、「百年の孤独」と対比されるんだけれど、こちらのほうがずっと読みやすい。ちなみにガルシア=マルケスはコロンビア人で、アジェンデはチリ人。
しかし、女性の物語としての記憶は薄れていて、覚えているのは暴君として君臨していた祖父エステバン・トゥルエバのことだ。彼が地元の女性を強姦して産ませた息子が、因果が回って彼の孫娘を強姦する。因果というか、悪い行いの結果って一番弱い立場の人に最悪のしわ寄せがくる。しかし、孫娘の嘆きや苦痛は強姦の苦しみの割にはごく短く語られている。
同じく、よしもとばなな「アルゼンチンババア」かなにかで、語り手がいとこに犯されそうになったことをさらりと書いているのだが(そして、そのいとことほとんど恐れもなく顔を合わせるのだが)、性暴力について文学でどう扱えばいいのかは自分はよくわからない。女性からセクハラされた僕だって迷う。性暴力を表現するときにどれくらい気をつかうかは、殺人事件よりも慎重になっている印象がある(それだけ殺人が稀になったってことかもしれない)。
書かなかったのか、書くことができなかったのか。アンソニー・ドーア「すべての見えない光」でも、ソ連兵に犯されたドイツ人女性がたくさん出てくるが、彼女たちが戦後どう生きたのかについては、わずかしか触れられない。
道徳的な理由で表現が規制されるのは、真実から目をそらすことになる気がするので好まない。一方で、当事者の声を無視しても結果的には良い物にはならない。このあたりは想像力の飛翔との兼ね合いでいつも居心地が悪くなる。「好きなように書かせろ」という書き手としての自分と、「当事者以外が勝手なことを書くんじゃないよ」と別の自分がいつも喧嘩している。
ブルース・チャトウィン「パタゴニア」を読むと、旅はいい、とため息が漏れる。何度だって書くが、紀行文はいい。定期的に読みたくなる。その土地にしかない暮らし、風土、それゆえに自分たちと異なった風習を持ち、理解しがたい態度を取る人々。航空機以前のように、数か月の旅を空想するのが好きだ。チャトゥインはオーストラリアを舞台にした「ソングライン」もある。アボリジニは他の文化の持ち主には見えない道をたどり、万物に名前を付けて大陸中を歩いてきたのだ。
カルロス・フエンテス「老いぼれグリンゴ」はあまり記憶していない。モデルとなったアンブローズ・ビアスの書いた「悪魔の辞典」はかなり好きなんだけどな。筒井康隆を始めいろんな翻訳があるのでオススメ。
フエンテスは短篇集「アウラ・純な魂」のほうがずっと面白かった。老いが迫る男、幼馴染のようにべったりした兄妹の別離、小さい頃に一緒に遊んであげた小さな女の子の末路、鏡のある真っ暗な部屋で魔術によって若さを保つ老婆、それから脱走兵が出てくる。
ミシェル・トゥルニエ「フライデーあるいは太平洋の冥界」はかなり観念的な話だったと記憶している。文明と自然を対比させるために(?)読者に理解しやすいロビンソン・クルーソーとカオティックな行動をするフライデーが出てくるのだが、舞台はロビンソンが島そのものとの性交で子どもが生まれるという神話的な世界だった。これを読んだ後で、理解を深めるためにデフォーの原作を読んだのだが、記憶していたような絶海の孤島ではなく、近くに南米大陸がある島だった。そういえば子どものための抄訳版にも、近隣から人食い人種が攻めてくる描写があった。
M・G・ル・クレジオ「黄金探索者」は姉と弟の閉じた世界が壊れるというか、外部の世界を知るような話だったと記憶している。姉と不可分な存在となって、マダガスカルのサトウキビ畑を歩いていた場面があったはずだ。小さな子供の目から見た植民地世界の、どこかに宝物が埋まっているんじゃないかと期待しながらも、閉塞した記憶だ。ラストでは故郷も家族も恋人も黄金もすべて失い少年期が終わる。しかし、不思議と読後感が清々しいのはなぜだろう。まるで、すべてはここから本当に始まるのだ、という気分である。
ル・クレジオは難解な作品とそうでない作品の差が激しい。「海から来た少年」はまだわかりやすいんだけれども、太陽を見つめて意図的に盲目になる「大洪水」は二回読んだはずなんだがさっぱりわからなかった。
一時期ナボコフがすごく好きで、文学講義のシリーズも読んだんだよね。前のエントリで書いた「ロリータ」だけじゃなくて、ソ連から亡命した冴えない教授を主役にした「プニン」だとか、架空の国ゼンブラを舞台にした架空の詩と、それに対する真実か虚構かわからないような注釈が、見開きの右と左に分かれていた「青白い炎」だとか、そもそも実在する世界を舞台にしているかどうかさえ疑わしい兄妹の恋物語「アーダ」だとか、みんな好きだった。で、これらは英語で創作されているんだけれど、最後にロシア語で書いたのがこれ。詩人になるまでのお話。
難民のように食うや食わずではなかったけれども(そしてそのせいで政治的に過小評価されることもあるけれど)、ナボコフはやっぱり偉大な亡命作家の一人だ。でも、ユーモアを忘れていない。
で、本作では片想いをしている女性を思い浮かべながら、どの女性を見ても彼女のことを思い出し、彼女を連想できないタイプの女性には嫌悪を覚えたという趣旨のことを書いていて、ちょっとだけ分かるんだけれどひどいことを平気で言う作家だなと苦笑いをした。
フョードル・コンスタンチノヴィチに向かってうら若い、牛乳瓶を持った娘がやってきたが、彼女はどことなくジーナに似ていた。いや、より正確に言えば、この娘には、彼が多くの女性たちに見出しているある種の魅力――それは明確なものであると同時に、無意識的なものであった――ひとかけらが含まれていたのだ。そして、彼はその魅力の完璧なものをジーナの中に認めていた。だから、そういう女性たちは皆、ジーナとある種の神秘的な親族関係にあるということになるが、その関係について知っているのは彼一人だったのである。もっとも、その関係の具体的に言い表せと言われても、彼にはまったくできなかったけれど。(ただ、この親族関係の外にある女性たちを見ると、彼は病的な嫌悪感を覚えた)。
僕は基本的に豊かな知識を持ち、普通に文章を書くだけでその該博さがこぼれてしまうために、結果的にひけらかしと受け止められてしまう作家が割と好きで、一時期円城塔にもどっぷりハマっていた。一方で、「ロリータ」については、暇なときにパラパラとページを開いていると、語り手の身勝手さがだんだんと鼻につくようになってきた。ハンバート・ハンバートって、でっぷりしたおばさんを見て、「ニンフェットの美しい肢体を生き埋めにした棺桶だ」って趣旨のことを平気で言うんだもん。性格悪いよね。
とにかく、前は金に困っていない人間が、道徳を踏みにじっているのを美々しい文章で糊塗しているのが(当時は悪とは何か知りたかったし、悪いことをしている狂った人間の話が読みたかったし、知性を感じる文章が好きだった。そういう意味でも「悪」を扱った遠藤周作がすごく好きだった)面白くてしょうがなかったのだが、いまとなってはそこまででもなくなっており、自分の中で「ロリータ」の魅力が少しかすんできた。それとも僕が少女に心惹かれなくなっただけなのか。
なんにせよ猛烈な魅力を感じていたのにプツンと魔力が消えてしまうことはある。以前は三島由紀夫が大好きだったのに、「豊饒の海」を読む前に魔法が消えた。たとえば「潮騒」を読もうとしたら、彼の文章のリズムが心に響かず、全然読めなくなっていた。
少女と言えば、初めて「ロリータ」を読んでいた二十代の頃、一年に数回ほど発作的に年端もいかない少女に対する強烈な憧れが募っていた時期があったのだが、少女と知り合って仲良くなるプロセスを現実的に細かいところまで検討すると、真っ当な手段がどこにも存在しないと気づいて、途端にこうした欲望への嫌悪の情が浮かんび、緩解していった。それに、無知な相手を自分の利益のためだけに利用するのは邪悪の定義に当てはまってしまうしね。
おそらく、当時の自分が憧れていたのは現実の少女ではなく、思春期の頃に空想するような、成長の痛みや性の悩みに寄り添ってくれる同い年の少女で、その記憶を引きずっているに過ぎないのだ。つまり、幼馴染への憧れだ。そういう少女と思春期の頃に出会えるはずはないし、自分の問題は自分で解決しないといけない。そのうえ、よしんば実在したとしても、そんな少女とは「ノルウェイの森」のキズキと直子や、「海辺のカフカ」の佐伯さんと彼女の恋人のように閉じた関係になってしまうだろう。結局は、成長の痛みを引き受けないことによる歪みを必ずや生み出すだろう。そういう空想上の女の子は自分自身の鏡像、ユングのいうアニマで、つまるところこれは自己愛である。今はむしろ年上好きである。
(どうでもいいけどウィキペディアのロリコン写真集の記事、内容がやたらと詳しいんだがこれって倫理的にどうなのよ。誰かが興味持っちゃったらどうすんの)
ピンチョンはよくわからない。陰謀論をネタにしているんだろうが、直接扱ったエーコ「フーコーの振り子」のほうがエンタメとして好き。陰謀論的な思考をちゃんと茶化しているしね。個人的にはエーコが作中で既存の有名どころの陰謀論をすべて統合したオリジナルの壮大な陰謀論を作り上げているあたりがヤバい。あるいは架空史の仁木稔の「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」か。困ったことに、これらの作品が発表されてから陰謀論はネタとして面白い物から現実の脅威となってしまっている。
エーコが楽しめてピンチョンにピンとこなかった理由を考えてみると、たぶん元ネタとなる知識をどれくらい知っていたかに尽きる気がする。自分はキリスト教やオカルティズム、カバラや魔術については多少わかるのだが、六十年代のアメリカのポップカルチャーや現代のエンタメには詳しくない。だが、この作品は実際、死をもたらすツボ押しマッサージが出てきて「あと何日でお前は死ぬ」みたいな「北斗神拳」っぽいネタを扱っている。なんせこの爆弾を埋め込まれるのが日本人サラリーマンなのだ。
文庫本にして三冊の本を無理やり一冊に押し込んで、小さな活字二段組みなので読むのがしんどいし、「早く読み終えなきゃ」って焦ってしまった覚えがある。馬の生首のシーンが有名だよね。
三歳で成長するのをやめたダンツィヒ回廊生まれの少年が主人公の癖に、義母を寝取って子どもを産ませているんだから、とんでもない話だ。純粋無垢なままでいるために三歳よりも大きくなるのをやめた話と思わせて、実は様々な女性と恋愛遍歴をしている。家族が次々と殺されて行ってもね。
そういえば、さっきモテる奴の話を読んで何が面白いのかと書いたけれども、舞台が現代日本でなければ別世界のファンタジーとして享受できるらしい。幼馴染のロマンスだって、別の国や時代が舞台ならまだ受け入れられる。たとえばロンゴス「ダフニスとクロエ」だけじゃなくてコレット「青い麦」も割と好き。どっちも少年側が人妻に性の手ほどきを受けるので、これで多少性癖が歪んだ気がする。村上春樹「海辺のカフカ」と合わせておねショタに目覚めてしまった。あと、青春物があまり好きじゃないのに、「十三機兵防衛圏」はプレイできているの、あれが一つは君と僕みたいだけみたいな閉じた雰囲気じゃなく、感傷ダダ洩れの地の文章が無く、群像劇だからってのもある気がする。
話を戻す。うじうじしているくせに、本当はモテることにすごく憧れているただ。だが、十五分の自慰行為のあいだならエロ漫画の主人公と同一化できるかもしれないけれど、数時間かけて読む文学では自己同一化の魔法は解けてしまう。細かい設定があるのだから、自分との差異がどんどん強調される。自分は到底なれそうにもない、かっこいいキャラがモテても、ちっとも面白くないのである。しかしこんな話を聞かされる読者も面白くないだろうしこのあたりで切り上げる。小説のダメな人間、僕が先に好きだったのにという人間にならなんとか自己同一化できたのである(余談だが、かつての週刊誌の中づり広告のようなエロス無法地帯のウェブ広告で「カラミざかり」が出てきたとき、主人公の来ている服のロゴに「cuckold」と書いてあったが、これは英語で「寝取られ男」という意味である。そういう芸の細かいところ、わかる人にはわかる小ネタは好きよ)。
少し現実的に考えてみれば、滅茶苦茶にモテて複数の女性から同時に交際を求められたら、しかも好みの相手でなければ、それはそれで面倒そうなのであるが、嫉妬と羨望に狂っているさなかにはそれはわからない。同じく、浅ましいことに3Pとかも憧れるけれど、よしんばそんな機会が訪れたとして、絶対気をつかうし面倒くさい。自分が手に入れられなかったものは理想化されて頭の中で猛烈な輝きを持つが、一度頭を冷やしてみよう。
続く。
アメリカの少年がヨーロッパに留学に行くんだけれど、ママと仲良しで、自分の行動原理をカントの定言命法から導き出そうとしていて(すごく不正確に表現しちゃうと「普遍的な道徳に一致するように行動しろ」っていうあれ)、政治的に正しくいようとしていて、頭でっかちで、マッチョで荒っぽいことができないところにシンパシーを感じる。あんまりモテそうじゃないしね。モテる主人公の話を読んで一体何が面白いというのか。あっはっは。
しかし、読後感がいいのは、やっぱり誠実だからだ。たとえば、アパートの家主がホームレスを追い出すときに「連中は寒さを感じないんだ」と言いつつも、「こいつらはあたたかいところに寄ってくる」とも言い、そういう矛盾というか二重思考にさっと気づくところがいい。
ピーターが思うに、最悪なのは、人々がこの世の現状に合わせて詭弁を弄することだった。たとえここの管理人のように、不運な人間を追い出すしか方法がない、世の中とはそういうものだと考えるにしても、それくらいでやめておくということができない。彼らは語らないと気がすまないのだ。たとえば、マダム・プエルは酔っぱらっているクロシャール(引用者註:浮浪者)は寒さを感じないのだと言って自分を納得させていた。「あの人たちは何も感じないの。あなたや私とは違うんです」彼女は本気でそれは科学的に証明されている事実だと思っているらしい。しかし、彼らが寒さを感じないなら、どうしてここのエレベーターや玄関ホールに潜り込んでくるのか。その二つの事実を結びつけようとは思いもしないようだった。
ところで、実はこういう真っ直ぐな少年少女が現実に屈して理想を捨てたり変節したりするお話がすごく好みだったりする。真っ直ぐな青年が悪意に勝てずに差別主義者になってしまうとかも含めてね。あとは、エリート候補が挫折したりトップの座を失ったり夢を諦めたりするのも好きだった。進学校に行ったのに退学してしまうヘッセ「車輪の下」とかル・グイン「ゲド戦記影との戦い」でゲドが影を呼び出してしまってしばらくは闊達に才能を伸ばせなくなる場面とか、アナキン・スカイウォーカーがダースベーダーへと堕ちる「スターウォーズ」のエピソード1~3とか。
そういうわけで、新海アニメの感傷マゾアニメ「秒速5センチメートル」の少年が、ラストでどういう経緯でああいう疲れた大人になってしまったのかを空想するのが好きだった時期がある。「童貞卒業は風俗だったのかな?」とか考えたりね(マジ最低!)。とはいえ「結局お前モテてんじゃん! あの子の好意に気づいてんだろ!」とも思っていたので、こう考えてしまうのもすべて個人的な怨念であろう。今となっては恥ずかしすぎる。
まずこの小説の舞台がよくわからない。密林があると言いながらトゥアレグの隊商がやってくるので、アフリカの西なのか東なのかとんと見当がつかない。日記を読み返したところ、アフリカの独裁者の視点を通じて、アメリカ人の平均的な姿や人種間対立を風刺しているらしいのだが、「別に詳しくないのにアフリカ人以外が架空のアフリカを書くってどうなの」って疑問を当時の僕は日記に書いていた(たぶんアチェベを読んだ後だからそう思ったんだろう)。それに特に必然性もなく素っ裸で暮らす少女が出てくるし、あれはいったい何だったんだ。一応、独裁者の出身の民族の伝統的な暮らしを、宮殿の中でしているという体裁ではあるが……。
独裁者ものではやっぱりアメリカを風刺した側面のあるガルシア=マルケスの「族長の秋」のほうががオススメ。今度新潮文庫で出るしね。
アップダイクは「ケンタウロス」のほうがピンときた。「ノルウェイの森」で主人公ワタナベトオルが一時期ハマっていた小説だ。これも古典のパロディというか、アメリカのしがない高校教師の生活と、ギリシア神話の神々を二重写しにしたもので、例えば体育教師とその浮気相手はアレスとアフロディテ、厳格な校長はゼウス、たまたますれ違う酔っ払いのホームレスはヘルメスと、卑小な現実とそれを再解釈する神話の無駄な壮大さ、あるいは逆に神話を卑小化する面白さがあった(どうでもいいんだが、神々がギリシア名なのにアフロディテだけ英語名のヴィーナスと翻訳する美術書を見ると、定訳なのかもしれないが、イタリア関連の文献でヴェネツィアをベニスと表記されたような、釈然としなさを感じる)。
僕は知的な作品というか、浮世絵と加歌舞伎である見立てみたいに、知っていること前提で楽しむものに心ひかれる。原作を知っている映画のほうが好きなのもそれが理由だろうな。この素材で俺をどう楽しませてくれる? みたいな。
その点「ユリシーズ」も楽しめた。ただし、以前に必読書コピペにマジレスしてから大分経つが、結局まだ「フィネガンズ・ウェイク」を読んでいない。ああいうのは気合がいる。
ダニロ・キシュ「庭、灰」はあまり記憶に残らなかった作品、その二。読んだ記憶があるのだが、デジタル化した二〇一〇年以降の日記を読み返しても読んだ記録がない。ここまで書いてきてなんだが、実は読んでいないのかもしれない。今度図書館で中身をきちんと確かめてみるつもりだ。
イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」は飛ばした。というのも、過去に文庫で読んだからだ。こちらかは架空の都市の伝説を、マルコ・ポーロがクビライ・カンに語る体裁で、僕は幻想的なホラ話が好きなのである。ギョルゲ・ササルマン「方形の円 偽説・都市生成論」もいいぞ。最近文庫化されたし。
同じ著者ではこれ以外にも「冬の夜ひとりの旅人が」というメタフィクション幻想譚もいいし、人間が物理的に切断されてそれぞれ善悪両極端な人格になる「まっぷたつの子爵」、地上に降りず木を伝って暮らしている「木のぼり男爵」(今にして思えば荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」に鉄塔で暮らすキャラいたな)、鎧の中が空っぽな「不在の騎士」と、児童文学っぽいのもいい。結構読んでいる。
全然関係ないけど、友人と雑談したときにガルシア=マルケスの長編を半分くらい読んだと話したら、「全然読んでないじゃん」って煽られたので笑ってしまった。彼は全部読まないと読んだうちに数えないらしい。「じゃあ何人の作家を読んだんことになるんだ」と言い返して僕は笑った。一応長編を大体読んだのは夏目漱石とドストエフスキー、トルストイくらいか? 中島敦は手帳のメモ書きまで記載した全集を読んだ。何度も言うが一生のうち一人の作家しか読めなくなるなら中島敦を選ぶ。ちなみにブローティガンを勧めてくれたのは彼だ。
続く。
https://anond.hatelabo.jp/20240703191053
ワイ、昨日書いた増田が250以上ブクマされ、ビビり散らかす。まあ逆張り&背伸びしたい勢は想像以上にいるってことなんだろうか。それにしても「百年の孤独」文庫版マジで見つからんな、4件本屋行ったが見つからん。だからまあアレだ、今度は“「百年の孤独」文庫版売ってないのでもういっそ「百年の孤独」は読まないで逆張りしたい人に薦めるラテンアメリカ文学”というテイでお薦めするわ。逆張りしてる/したいやつ、そもそも「百年の孤独」読まんよな。
アウグスト・ロア=バストス/吉田秀太郎「汝、人の子よ」(パラグアイ)
まず名前カッコよすぎだろ、アウグスト・ロア=バストスって。ラテンアメリカの小説家で一番カッコええよ。まあそれは措いといて、これはパラグアイの現代史とかそういうの描いてんだけど、語り方がめちゃ混乱してる。1人称で進んでたと思ったら3人称語りになったり、日記の文章出てきたり。時間軸もめっちゃ変わる。何かググったらロア=バストス、映画の脚本家でもあったらしいけど、脚本っぽさが違和感の理由かもしんない。こういうわけで読んでて何回もは?とかなるけど、その錯綜っぷりがパラグアイの現代史なのかもね、知らんけど。
そう、日系ブラジル人のナカザトさんが書いた日系移民についての小説。月並みなんだが日本の知られざる歴史ってやつを、ある移民の家族史を通じて教えてくれてめっちゃ面白いよ。これ読んでたら、戦前とかにブラジルだけじゃなくパラグアイとかペルーとか、あと他の地域の国とかに行って生きたり死んだりしてた日系移民めっちゃ多かったんだろうなとかしみじみしてしまったわ。水声社から出てる現代ブラジル文学コレクションで一番好きやね、これが。
ある時起きたら見知らぬ部屋にいて、ドアを開けたらまた別の部屋が広がっていて、その部屋のドアを開けたらまた別の部屋が広がっていて……こういう悪夢みたいな状況を描いた作品がこれなんだけども、こっからまた別の意味で変なことが起こっていって、変なことのバーゲンセールが開催されながらも文章は結構淡々としてて、この素っ頓狂さをどこまでも真顔で書いてる作者の顔面が自然と浮かんでくる。訳者によるとウルグアイは“奇人の国”らしい。これ読むと、まあ納得や。
ソル・ケー・モオ/吉田栄人「穢れなき太陽」(マヤ/メキシコ)
これはラテンアメリカの先住民の1つ、マヤ人の小説家が書いた小説集。マヤ語とスペイン語の2か国語で、先住民社会とか女性差別とかそういうのを描いてる。マヤ人の社会やら文化やらについて当事者が書いた本は少ないし、そういう意味でもかなりオススメ。ていうか俺は、ラテンアメリカ文学の入門としてこの人の作品も出てる「新しいマヤの文学」がマジでうってつけだと思ってる。フェミニズムやら、ファンタジーやら、魔術的リアリズムやら色々てんこもりで、薄めでしかも字もデカいから読みやすい。図書館とかじゃスペイン語文学の棚じゃなくて、海外文学の最後のその他の文学の枠に置いてある時多いから注意な。
ラテンアメリカ文学好きは“三大独裁者小説”って聞いたことあるかもな。カルペンティエールの「方法異説」とロア=バストスの「至高の我」とガルシア=マルケスの「族長の秋」ね。この本はそこに並んでもいいようなブラジルの小説だけど、またクソ分厚いわ、出した出版社がそこまで有名じゃないわで。日本じゃ全然知名度がない。てか翻訳過程がオモロイ。訳者、実は三菱UFJ銀行の元理事で、若い頃にこの本読んで感銘を受けて、50年越しに翻訳したらしい。すげえ執念だ。まあこれは俺の文章より、ラテンアメリカ協会の書評読んだ方がええ。https://latin-america.jp/archives/55186
ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス/中井博康「抒情詩集」(メキシコ)
前にスペイン語勉強してた時、メキシコの人に「スペイン語話者にモテたいなら、この詩人を読んでスペイン語での口説き方を学べ」って言われてこの人を教えられた。で、図書館行ってとりあえず見つけたこの日本語版の詩集読んでみたんだが……いや全然そういうのじゃなくね!?一体全体何を以てこれ読んで口説き方を学べと言ったんか、それともジョークで言ったんか、マジ分からんが、詩を諳んじられればメキシコひいてはスペイン語圏でモテるってことかね?日本じゃ現代短歌読めればモテる、みたいな。
マヌエル・プイグ/木村栄一「このページを読む者に永遠の呪いあれ」(アルゼンチン)
ブコメでマヌエル・プイグの話が出てたが、プイグったらこれやろ。「このページを読む者に永遠の呪いあれ」やろ、これくらい印象に残る本のタイトルないやろ。この本の表紙の写真と、何か一言だけつけてXで呟けば一発でバズるやろ。というか多分、もうバズってるやつはいるやろ。内容に関しては、忘れた。前の「ポーランドのボクサー」パターンのやつや。今回はタイトルだけ異常に際立って覚えてるやつ。だって「このページを読む者に永遠の呪いあれ」やん、忘れられんやろ、これは。
サルバドール・プラセンシア/藤井光「紙の民」(メキシコ/アメリカ)
これ、ラテンアメリカ文学として紹介されてるの見たことなくて不思議だわ。英語で書かれてるけども、著者がメキシコ出身で主人公たちもメキシコから移住してきた家族だし、土星戦争みたいに常軌を逸した出来事の数々が起こってる感じ、ラテンアメリカ文学求めてる人に面白がられそう。だがこれが曲者なのが、内容や文章も実験的なら、文字のレイアウトでまで実験しまくりなことで、本引っくり返したりしないと読めない部分すらある。だから本のフリをした現代美術を楽しむノリで読むというか、体験すべきというか。
エリザベス・アセヴェド/田中亜希子「詩人になりたいわたしX」(ドミニカ共和国/アメリカ)
これも英語作品だけども、作者がドミニカ共和国出身で主人公も同じ境遇の少女や。で題名通りに主人公が詩人になろうと色々と頑張るんやが、それが詩の形式でめちゃ改行しまくって書かれてるんだよ。これ読んだ時、マジでビックリしたわ。そんな風に小説書いちゃっていいの?みたいな。内容と合ってるのはもちろん、ドミニカ共和国の伝統音楽も出てきて、そういうリズムも感じられんだよな。もち読みやすいし、こん中じゃ一番気軽に薦められるやつ。みんな、児童文学も読めよ。それが周りの読書好きに対する逆張りや。
フェルナンド・デル・パソ/寺尾隆吉「帝国の動向」(メキシコ)
すまんが、1冊まだ読み切ってない本を薦めるわ。ラテンアメリカ文学のクソデカ本の頂点はロベルト・ボラーニョの「2666」だけど、それには全然劣りながらもページ数880でしかも字がめっちゃ小さい。メキシコ第二帝政時代の皇帝マクシミリアンとその妃シャルロッテのクソデカ悲劇を描いたクソデカ歴史小説で、マジで何度も読むの挫折してる。「百年の孤独」関連じゃ“読むの挫折した”って悲鳴をXで何度も見てきたが、俺にとってのそういう本だ。俺の代わりに読み切ってくれ、ホンマに。
あと友田とんの「『百年の孤独』を代わりに読む」もちろん知ってるで。でもいきなり早川で再販されて、何かサンダンス映画祭でやりそうな面白いインディー映画作ってた監督が、いきなりMarvel作品の監督に抜擢された感じで、嬉しいけど寂しい感じやな。その後にMarvel映画作んなくてもずっとハリウッドで大作作り続ける監督とかザラだし、今後はずっとそういう感じで新作も大手から出し続けんのかね?
基本的には2ちゃんねるから「おまいら」や「無意味なAA」を引いたものが増田語の軸となっている
それに加えてなんJにおける猛虎弁、恒心教がよく使う淫夢語録と同じ立ち位置にあるのが、猿渡哲也の漫画『TOUGH』からなるタフ語録が現在の増田語のもう1つの軸とも言える
やべーやつに番付入りしたフレーズとして知られるものも多いが、そのほとんどはイニシエの2ちゃんねるでも見られた「どうでもいい返答をして終わらせるクソレス」と本質は変わらない
以下はよく使われるフレーズである(今後増える可能性しかない)
たまにぽまいらと言ったり、ロックマンエグゼのウラインターネットみたいな語尾などの増田も居るので、そこまで気にしなくても良いと考えても良い
しかしこれらを使いこなすと少なくとも個人による番付入りするリスクは多少は減ると思ってよい
(そもそも個人による番付入りは、その個人がマジでやべーやつだからこそ番付入りするのであって、複数の増田が使うフレーズ系はそういうのとは違う)
なお言及に「これが増田文化ではない、捏造するな」とあるが、そいつが正しい文化を伝えないのもまた増田語における特徴と言えるかもしれない
文鮮明と統一教会の麻薬犯罪について、調査報道ジャーナリスト・ロバート・パリー氏による下の記事がある。
統一教会の麻薬犯罪について、犯罪組織としての統一教会について、日本ではほとんど報道されていないが、記事の内容から、統一教会の犯罪組織性を汲み取った場合、「家庭庁が呑気に質問権を行使しているしている場合ではない」と解釈することも可能だと考えるが、どうだろう?
著者は、90年代後半から2000年代にかけて統一教会問題を精力的追及した調査報道ジャーナリストのロバート・パリー氏。AP通信やニューズウィーク誌に勤務し、George Polk AwardやI.F. Stone Medalを受賞。
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https://www.consortiumnews.com/archive/moon6.html
(略)
しかし、この連載が始まって以来、文氏の国際的な政治的つながりについて、さらに厄介な事実が明らかになってきた。文氏の浪費癖を考えると、最も気がかりなのは、アジアの組織犯罪やラテンアメリカの麻薬取引につながる極右主義者との長年にわたるつながりである。このような関係、そして南米で深化する文氏の事業活動は、米政府が文氏がどのようにして米政治帝国に資金を供給しているのかを正確に確認する必要性を強調している。
文氏の代理人は、遠く離れた場所でどのように事業を維持しているのか、その詳細を公にすることを拒否している。しかし、武器や麻薬の違法な密売で利益を得ているという度重なる疑惑には、怒り心頭で反論している。
アルゼンチン紙『クラリン』による銃乱射の質問に対する典型的な回答として、統一教会のリカルド・デセナ代表はこう答えた。私たちの運動は、民族、国家、宗教の調和に応え、家族が愛の学校であることを宣言しています」。[クラリン、1996年7月7日]
しかし、文氏と麻薬に汚染されたギャングや堕落した右翼政治家との関係は、アジアにおける統一教会の初期にまでさかのぼる。文氏の韓国を拠点とする教会(統一教会)は、かつてイタリアの独裁者ベニート・ムッソリーニを "完璧なファシスト "と称賛した日本のヤクザ犯罪組織のリーダーである笹川良一の支持を得た後、1960年代初頭に日本で最初の重要な進出を果たした。日本と韓国では、影のヤクザが麻薬の密輸、ギャンブル、売春で利益を上げていた。
笹川は日本の与党である自民党の裏指導者であったため、笹川とのつながりは文に改宗者と影響力の両方をもたらした。国際的な場面では、笹川はアジア人民反共同盟の設立に協力し、ヘロインに汚染された国民党中国の指導部と韓国、日本、その他アジアの右派を結束させた。[詳細については、デイヴィッド・E・カプランとアレック・デュブロの『ヤクザ』を参照されたい。]
1966年、アジア連盟は、より伝統的な保守派とともに、ヨーロッパの元ナチス、アメリカのあからさまな人種差別主義者、ラテンアメリカの「決死隊」工作員らを加えた世界反共連盟へと発展した。文鮮明の信奉者たちは両組織で重要な役割を果たし、CIAとも密接な関係を保っていた。
(略)
新政権を祝福するためにラパスに到着した最初の好意的な人々の中に、文鮮明の最高副官ボー・ハイ・パックがいた。文の組織(統一教会)は、ガルシア・メザ将軍と会談するパクの写真を掲載した。山深い首都を訪問した後、パクは「私は世界一高い都市に文鮮明の玉座を建てた」と宣言した。
後のボリビア政府や新聞の報道によると、文鮮明の代理人がクーデターの準備に約400万ドルを投資したという。ボリビアのWACL代表も重要な役割を果たし、文の反共組織の一つであるCAUSAは、ボリビアの主要なクーデター実行者のほとんど全員をメンバーとしてリストアップしていた。[CAIB、1986年冬号]
クーデター後、アルセ=ゴメスは、トラフィカンテのキューバ系アメリカ人密輸業者を含む大物麻薬密売組織と手を組んだ。クラウス・バービーと彼のネオ・ファシストは、ボリビアの主要なコカイン王を保護し、国境まで麻薬を運ぶという新しい任務を得た。[コカイン・ポリティクス]
「準軍事組織--バービーは新しいタイプの親衛隊として構想した--はコカイン男爵に自分たちを売り込んだ」とヘルマンは結論づけた。「ラテンアメリカにおける民族社会主義革命という考えよりも、コカイン取引で手っ取り早く稼げるという魅力の方が強かったのだ」。
レビンによれば、アルセ=ゴメスはある一流の密売人にこう自慢したという。クーデター勢力もそれを支持した。
「ボリビアはすぐに、当時まだ駆け出しだったコロンビアのカルテルへのコカイン・ベースの主要な供給国になり、彼ら自身がアメリカへのコカインの主要な供給国になった。「そしてそれは、DEAの暗黙の協力とCIAの積極的かつ秘密裏の協力なしには成し得なかった。
1980年12月16日、キューバ系アメリカ人の諜報員リカルド・モラレスはフロリダの検察官に、ボリビアの新しい軍事支配者からコカインを輸入する陰謀にフランク・カストロと他のピッグス湾の退役軍人が関与しているとするマイアミを拠点とする捜査「ティック・トークス作戦」の情報提供者になったと語った。[コカイン・ポリティクス]
数年後、メデジン・カルテルの資金洗浄者ラモン・ミリアン・ロドリゲスは、ジョン・ケリー上院議員(マサチューセッツ州選出)が議長を務める上院公聴会で証言した。ミリアンロドリゲスは、カルテルの初期には、"ボリビアは他の国よりもはるかに重要だった "と述べた。[1988年4月6日]。
麻薬王がボリビアで権力を強化するにつれて、文鮮明の組織もその存在感を拡大した。ヘルマンの報告によると、1981年の初めには、戦犯バービーと文鮮明の指導者トーマス・ウォードが一緒に祈る姿がしばしば目撃されていた。アルゼンチンの諜報部員ミンゴラは、ウォードをCIAの給与管理者であり、月給1,500ドルはウォードの代表のCAUSA事務所から支払われていると述べた。[CAIB、1986年冬号]
1981年5月31日、文鮮明はラパスのシェラトン・ホテルのホール・オブ・フリーダムでCAUSAのレセプションを主催した。ボー・ハイ・パックとガルシア・メザは、暗殺未遂事件からのレーガン大統領の回復のために祈りを捧げた。ボー・ハイ・パックはスピーチの中で、"神は共産主義を征服する者として、南米の中心に位置するボリビアの人々を選ばれた "と宣言した。後のボリビアの諜報機関の報告によると、月の組織はボリビア人の「武装教会」をリクルートしようとし、約7000人のボリビア人が準軍事訓練を受けたという。
しかし1981年後半になると、明らかにコカインに汚染されていたことが、アメリカとボリビアの関係を緊張させていた。「文鮮明の一派は、到着したときと同じように一夜にしてボリビアから密かに姿を消した」とハーマンは報告した。ボリビアの情報機関が民政移管を進める中、ウォードと他の2、3人だけがボリビアに残った。
ヘルマンの証言によると、ミンゴラは1982年3月、ラパスのホテル・プラザのカフェテリア「フォンタナ」でウォードに会った。ウォードはボリビアの作戦に落胆していた。「アルトマン(バービー)とのこと、ファシズムとナチズムのこと、あれは行き止まりだった」とウォードは愚痴をこぼした。「文鮮明とCAUSAがここにいるのは愚かなことだった。[CAIB』1986年冬号)この記事に関するウォードのコメントは得られなかった。
コカイン・クーデターの指導者たちは、すぐに逃亡することになった。アルセ=ゴメス内相は結局マイアミに送還され、麻薬密売で30年の刑に服している。ロベルト・スアレスは15年の実刑判決。ガルシア・メザ元大統領は、権力乱用、汚職、殺人の罪でボリビアで30年の刑に処せられ、逃亡中である。バービーは戦争犯罪で終身刑を受けるためフランスに戻された。彼は1992年に死亡した。
しかし、文鮮明の組織はコカイン・クーデターの代償をほとんど支払わなかった。米国の保守政治会議に資金を提供し、1982年には超保守的な『ワシントン・タイムズ』を創刊し、レーガン大統領をはじめとする共和党の有力者に取り入った。文はまた、南米に政治経済的基盤を築き続けた。
1984年、ニューヨーク・タイムズ紙は文鮮明の統一教会をウルグアイにおける「最大級の外国人投資家」と呼び、その前の3年間に約7000万ドルを投資した。投資先には、ウルグアイで3番目に大きな銀行であるバンコ・デ・クレディト、モンテビデオのホテル・ビクトリア・プラザ、新聞社ウルティマス・ノティシアスなどがあった。文鮮明のベンチャー事業は、ウルグアイの軍事政権による寛大な税制優遇措置に助けられた。「教会関係者によれば、ウルグアイは海外での利益の本国送還を容易にする自由な法律があるため、特に魅力的であったという。[NYT、2-16-84]
ニカラグアのコントラ反乱軍を支援する文鮮明の組織は、ニカラグアの国境沿いにコントラにベースキャンプを提供した強力なホンジュラス軍とも密接な関係を築いた。ここでもまた、文鮮明の代理人は、米国へのコカイン輸送を支援している疑いのある将校と接触していた。マイアミの麻薬ネットワークにつながる反カストロのキューバ人も、アルゼンチン軍の情報将校と同様に、反共の大義を推進するために登場した。
ホンジュラスとのつながり
ケリーの上院報告書は、ホンジュラスが北へ向かうコカイン輸送の重要な中継地点になったと結論づけた。「ホンジュラス軍の一部は1980年から麻薬密売人の保護に関与していた。「ホンジュラス軍の一部は1980年以降、麻薬密売人の保護に関与していた。米国は麻薬取締局のホンジュラス駐在を強化し、米国がホンジュラス人に提供していた対外援助をテコに麻薬密売の撲滅に断固とした態度で臨む代わりに、テグシガルパの麻薬取締局事務所を閉鎖し、この問題を無視したようである」。[麻薬、法執行、外交政策--ケリー・レポート--1988年12月]。
1980年代半ば、ジャーナリストや議会調査官が麻薬密売の証拠を探り始めたとき、彼らは文鮮明のワシントン・タイムズから厳しい攻撃を受けた。私がブライアン・バーガーと共同執筆したAP通信の記事は、タイムズ紙の一面で「政治的策略」と非難された。[1986年4月11日]
タイムズ紙は、まずケリーの調査官を金の無駄遣い[1986年8月13日]、次に司法妨害[1987年1月21日]で攻撃した。今、南米の麻薬に汚染された役人たちとの文の歴史的なつながりがより鮮明になり、これらの調査に対する嫌がらせは、自己防衛の可能性という別の様相を呈している。[詳しくは「文鮮明のダークサイド」シリーズを参照されたい。]
さらに最近、文師はウルグアイの豪邸に活動の拠点を移し、南米に保有する資産を拡大し続けている。彼はアルゼンチンのコリエンテス州に多額の投資をしている。コリエンテス州はパラグアイに近い国境地帯で、主要な密輸センターとして知られている。
《パラグアイ》旧統一教会敷地内の麻薬輸送滑走路を爆破=国際犯罪組織が利用、教会関与の疑い(ブラジル日報)
https://news.yahoo.co.jp/articles/64477ef04951e7916bd1426874a3e9a6064a903c
1996年1月2日、文鮮明は信者たちに対する説教の中で、南米の遠隔地に小さな滑走路を建設し、沿岸警備隊のパトロールから逃れるための潜水艦の基地を建設する計画を発表した。飛行場計画は観光のためのもので、「近い将来、世界中に多くの小さな空港ができるだろう」と付け加えた。潜水艦が必要なのは、"世界には国境による制約がたくさんあるからだ "と彼は言った。
その経歴と知名度から、文鮮明とその組織はアメリカ政府の監視の目にさらされるのは当然のことのように思える。しかし、文鮮明は多くの有力政治家を買収することで、立ち入った調査に対する保険をかけているのかもしれない。~
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