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「インフレ目標」を含む日記RSS

はてなキーワード:インフレ目標とは

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2025-11-03

anond:20251102162416

AIに作ってもらった。

■ 基礎概念

1. 「需要」と「供給」はそれぞれ何を意味しますか?

2.需要が増えると、価格は通常どのように変化しますか?

3. 「均衡価格」とはどのような価格ですか?

4. 「機会費用」とは何ですか?

5. 「限界費用」と「平均費用」の違いは何ですか?

マクロ経済

6.GDPとは何の略で、何を表しますか?

7. 実質GDP名目GDPの違いを説明してください。

8.インフレとは何がどのように上昇することですか?

9.景気後退とはどういう状態を指しますか?

10.財政政策と金政策の違いを説明してください。

ミクロ経済

11. 完全競争市場の特徴を2つ挙げてください。

12.独占企業価格をどのように決める傾向がありますか?

13. 「外部性」とは何ですか?

14. 「公共財」が市場供給されにくいのはなぜですか?

15. 「価格弾力性」が高いとはどういう意味ですか?

現実応用編

16.最低賃金を引き上げると、雇用にどのような影響があると考えられますか?(理論的に)

17.政府市場に介入する理由を一つ挙げてください。

18.貿易で「比較優位」とは何を意味しますか?

19.円高になると輸出企業と輸入企業のどちらに有利ですか?

20. 「インフレ目標2%」とはどのような政策目的ですか?

思考チェック編(理解の深さを測る)

21. 「GDPが増えた=国民が豊かになった」と言えますか?

22. 「失業率が低ければ良い」とは限らないのはなぜですか?

23. 「赤字国債=悪いこと」と単純に言えない理由は?

24. 「貨幣価値が下がる」とは、具体的に何が起きている状態ですか?

25. 「市場原理に任せれば最も効率的」とは限らない理由を挙げてください。

Permalink |記事への反応(0) | 16:12

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2025-10-04

anond:20251004205114

インフレ目標2%とか言って、総理安倍日銀黒田総裁というコンビ金融緩和しまくったときでもインフレは起きなかったが、岸田になってやっとインフレ2%、物価上昇の怒りは石破が被った。

東日本大震災東北ボロボロ原発メルトダウンってときに、円高に振れまくった。

コロナ禍で資本主義経済は急停止かと思ったら、各国の金融緩和で株も不動産も爆上げ。

全部後付けだよ。

思った通りには動かない。

Permalink |記事への反応(1) | 20:58

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2025-09-05

2012-08-09岩田規久男日本銀行デフレの番人

 日本銀行はこのマネタリベース操作することによって人々のインフレデフレ)予想をコントロール可能である。このことを岩田先生は本書の後半で丁寧に解説している。

 例えば、同様の作業を多くの論者がやっているが、最近では高橋洋一さんも『日本経済ウソ』(ちくま新書)の中で同様の作業をしている。高橋さんの推計だと、日銀10兆円バランスシートを拡大すると0.15%ほどインフレ予想率を変化させることができる(同書174頁)。

 岩田先生の推計では、2%の予想インフレ率を実現するには、マネタリーベースを約50兆円増やせばよくなる。高橋さんの推計のずれは、推計期間の差によるものである岩田先生の方がより少ないマネーで大きいインフレ予想率を実現できるのは、リーマンショック以後の方が経済の予想率がマネーの動きにより感応的になっているためである高橋さんの方は本の出版時期の関係からリーマンショック以前も含んでいる。ちなみみリーマンショック以前では、2%の予想インフレ率を実現するには、99兆円増やす必要がある。

 このおおよそ50兆から99兆の間でマネタリーベースを増やしていけば、2%の予想インフレ率は中期的に実現できる。そのためには日本銀行は長期国債を中心に買いオペをすすめるべきである、というのが岩田先生の主張である

 さら日本銀行法を改正するか、あるいは現状の日本銀行が自らインフレ目標を設定して2%(+1%)のインフレ目標にコミットすれば、さらにより少ないマネタリーベースで人びとの予想インフレ率は変化するだろう。ちなみに上記岩田高橋というのは既存日本銀行インフレ目標なしのデータからマネタリベース予想インフレ率との関係であることを十分理解しておいてほしい。

https://tanakahidetomi.hatenablog.com/entry/20120809/p2

Permalink |記事への反応(0) | 16:41

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2025-08-05

anond:20250804111542

一般的インフレ目標2~3%を下回る資産は単純に価値が減っている

インフレ目標を超える運用をおまえは出来ているのか?

かりに今出来ていたとしても換金タイミング暴落していたらとは考えないのか?

日本円暴落リスクを想定したリスクヘッジとしての資産運用を説くのはまだいいとして

投資をしないと負ける、投資をすると勝てると単純化して語るやつは投資に夢見すぎている

Permalink |記事への反応(0) | 17:58

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2025-08-04

anond:20250212223254

一般的インフレ目標2~3%を下回る資産は単純に価値が減っているということを理解するべきだよな。

日本は長らく給料も変わらず物価も対して変わらない時代が続いたからゆるやかなインフレ状態が正常ということすら忘れているけど、本来の正常な状態から見れば単純に毎年2%目減りしてるだけだという。

「儲ける」という言葉を使うから資産運用が胡散臭く感じるだろうけど「価値保全」という意識にしないと。

まあ投機目的で株やFXに手を出す連中が多いかギャンプルと思われるけど、投機と長期目線投資似て非なるもの

Permalink |記事への反応(2) | 11:15

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2025-07-22

国債政府発行のデジタル円で返済

インフレ目標達成までは財政拡大によるマネー増大と日銀による国債購入を継続、その国債政府発行デジタル円で返済することで新しい通貨基盤を構築し、国債お金に換える。これにより子孫に負担を残さず金利制御可能になることで経済政策財政制約から解放し、真の積極財政を実現。

参政財政政策です。

民意によって支持を得ています

はてなブックマークによると参政批判は「思い上がり」とのこと。

Permalink |記事への反応(0) | 20:40

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2025-07-15

anond:20250712001206

アベノミクス成功!」って必死で言ってるやつ、大体幻の”基調インフレ”に基づくインフレ目標政策という裁量金融政策も、高橋洋一先生統合政府アンバランスシートも否定してないんだよね。

 

実質賃金がどれだけ下がり続けても一時的って…どこの詭弁のガイドラインだよ。

 

そもそもリフレ派っていうのは日本経済的苦境はデフレという貨幣現象に由来するという一派であって構造問題では「ない」から構造改革派を蛇蝎のごとく嫌っていたし、リフレ政策採用しさえすれば1年間とか2年間とかですぐ」解決できると言ってたわけ。何が20年来の構造的病だよ。

 

そもそも需要が足りないか名目賃金が上がらないんであって、” 元増田実質賃金の話で失敗ですか?と聞いてるんだからなんだろう、論点クリームスキミングさせるのやめてもらっていいすか。

 

移民政策観光立国も、それ単体で議論すべきものであって、マクロ政策の成否とは関係ないけれど、”少子化もよく考えてみるとデフレのせい、日銀マネタリーベースを増やさなかったせい”と言い出したのはリフレ派の方ですよね。

デフレのせいだとは言ったけどインフレになれば解決するとは言ってない」とんち番長一休さんかよ。

 

アベノミクス批判さない派って、

金融政策本質的マクロ経済政策であり、分析に使えるデータ観測数が多くバリエーション豊富クロスセクションやパネルデータでなく時系列データにとどまっているため、因果推論などで用いられる手法が容易には適用できないこと。 非伝統金融政策実証研究を行ったりその結果を解釈したりする際には、分析限界理解することが重要であること(マクロ経済政策本質的経済情勢に応じて決まる内生変数から)。マクロ経済政策ではランダム化した社会実験ができないだけでなく、データから観測される自然実験は、研究者が真に必要とする問いに答えるセットアップとはなっていないという点で、外的妥当性(external validity)を持たないこと。このため、日本の 非伝統金融政策実証研究が、そのまま他の地域や他の時に成立する保証もないこと。

すら認められないカルト信者か。どっちにしても議論するだけ時間無駄

「失敗?」って尋ねてる元増田は、アベノミクス最初期(2013~14年)に株価雇用・税収が爆増したという事実現実であるともないとも言ってない。2024年、2025年の話をしてる。アベノミクス成功しました派はもはや現実じゃなくて自己正当化のための感情だけで動いてる。アベノミクス成功ってことにしないと、自分たち10年間支持してた「大規模な QQE にもかかわらず2%のインフレ目標が達成できなかったことの原因究明」をしていないことを認めざるを得ないからね。そりゃ意地でも認めたくないよね、わかるわかるw 

Permalink |記事への反応(0) | 21:03

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2025-07-11

https://sanseito.jp/2020/hashira03/

参政党の経済政策、これだけはまともかと思ってたがよく分かんねぇこともけっこう書いてるな。

名目成長率4%経済を実現 ← ①インフレ目標2% + ②実質成長率2%

①は積極財政による市中マネー増大+資産ストックフロー戦略で実現。

インフレ目標達成までは財政拡大によるマネー増大と日銀による国債購入を継続

これはいい


問題はこれらだ。

②は人口減少を上回る情報技術実装日本人特性や強さに適合するコミュニティ生産環境

社会的課題解決が生む成長フロンティア創造で実現。

単純に意味不

インフレ目標達成までは財政拡大によるマネー増大と日銀による国債購入を継続

その国債政府発行デジタル円で返済することで新しい通貨基盤を構築し、国債お金に換える

デジタル編発行で国債お金に替えるは意味分からん。まず発行した国債日銀が購入してる時点で国債現金化は完了している。その国債の返済をデジタル円という政府発行通貨政府負債で償還出来るようにしたとして何の意味があるのか分からない。現状でも日銀当預の金なんか単位が同じ円なだけで預金通貨現金みたいに別の通貨みたいなもんだし。

マネーの発行は日銀に任せればいいし、国債も60年償還ルールかい日本独自意味不制度廃止して日銀購入分は現状の国債を無利子の永久債化するとかすればいいだけ。

通貨概念を変え、ブロックチェーン革命世界に先駆けてトークンエコノミーを実現し、高い生産性と利便性の高い人間本位経済を構築。

ノリで書いたとしか思えん。ブロックチェーン使うと日本中の通貨やらの行き来を全て記録することになる羽目になるが普通に計算機資源無駄遣いでは?

新しい通貨社会保障負担を抑止

日本銀行券でええやろ・・・

Permalink |記事への反応(0) | 05:13

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2025-05-26

anond:20250525163747

ジャップ遺伝子レベル経済学が苦手

今後もノーベル経済学賞は取れないだろうね

ジャップは中期的な動学的発想で経済現象を捉えることができないので、

短期的な目先の変化(物価の高騰、インフレ目標など)への対応

もしくは硬直的な制度論、べき論しか話ができないんだよな

消費税減税が正しいのか?リフレ派の理論は間違いなのか?

こんなものは時と場合によるというのが正解

ところがジャップ経済学素養遺伝子レベルで欠損しているため、

経済状況を踏まえた議論ができず、すぐに何々派は過去も間違っていたしこれからも間違っているとかい神学論争をやり始めてしまうのでアホすぎる

Permalink |記事への反応(1) | 12:55

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2025-05-15

anond:20250515220229

インフレ目標達成のためにガソリン値上げ(違)

Permalink |記事への反応(0) | 23:39

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2025-05-10

リフレ派のせいでこの物価高が起きてるけど責任取ってくれるの?

おい、聞けや。今のこの物価高、誰のせいだと思ってんだ?企業が強欲だから戦争が起きたから?ちげぇよ。全部とは言わねぇが、根っこを辿りゃ一発でわかる。

リフレ派だ。あいつらだよ、笑顔国民経済実験モルモットにした連中。お前らが「デフレは悪だ」「インフレになりゃ万事うまくいく」っつって、金ばら撒いて、円安をあおって、その結果がこのザマだよ。

まず、連中がやらかし最初ミスデフレからの脱却を「物価数字」だけで測った。

経済健全性をGDP成長とか所得の分配状況とか、そういう多面的視点で見ずに、「2%インフレ目標」だの「期待インフレ率」だの、経済モデル教科書から引っ張った数式で現実をいじくり回した。

そんで出てきたのが異次元緩和日銀国債買いまくって、金ジャブジャブにして、「景気はよくなるはずです」って?

アホか、金ばら撒きゃ貨幣価値が下がるのは当然だ。しか生産能力は増えてねぇ。その歪みが、今の生活苦に繋がってんだ。

次に円安。これもリフレ派のせいだ。彼らの言い分?「輸出が増えて景気が良くなる」。バーカ。それって日本がまだ80年代の輸出大国だと勘違いしてる老人脳の理屈だよ。

今の日本企業海外工場利益も移してんだよ。円安になっても国内には雇用投資も戻らねぇの。戻ってきたのは何か?

輸入コストの爆上がりだよ。食料品ガソリン光熱費?毎月の支出見てみろ。笑えねぇ。リフレ政策ってのは、外貨で払うモノが多い国で通貨安を推奨したらどうなるか、っていう悪い教科書だよ。

こんなもん、高校家庭科でも教えられるレベルだ。

おまけに、日銀政府二人三脚でやってたのもタチが悪い。アベノミクスって名前人気取りパッケージ作って、「経済がよくなってる気がする」幻想を売った。

実際には、企業内部留保は膨らんだけど、労働者実質賃金は下がりっぱなし。

そりゃそうだろ。企業が得する仕組み作っといて、「トリクルダウン庶民にもそのうち行き渡ります」って言ってたけど、待てど暮らせど何も降ってこねぇ。せいぜい降ってきたのは消費税増税保険料アップくらいだ。

で、今どうなった?物価が上がっても、利上げもできねぇ。なぜなら、国の借金が膨らみすぎて、金利上げたら財政破綻するから

まりリフレ派は日本経済自爆装置をセットして逃げたってわけよ。政策責任?誰も取らねぇ。

リフレ知識人テレビ出て「外因も大きい」とか言って責任転嫁。国民けが代償払ってんの。ふざけんなよ。

から言うんだよ。今の物価高、完全にリフレ派のせいだってな。奴らの無責任マネタリズム信仰が、庶民生活を直撃してんだよ。

いい加減にしろ経済はな、実験じゃねぇんだ。リアルなんだよ。こっちは毎日レシートにらめっこしてんだ。

Permalink |記事への反応(3) | 15:40

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2025-05-02

橋本 vsAI

橋本氏の主張は、おおむね以下の構成です:

1.日銀券が負債計上されているのは金本位制の名残であり、実際には借金ではない。

2.金利が上がっても日銀券に利払いは生じないので、日銀バランスシート問題と結びつけるのは誤り。

3.当座預金金利をつけているのは金融機関への補助金のようなもので、なくせばいい。

4.通貨発行益(seigniorage)をもって銀行券発行を正当化すべきで、借金ではない。

それでは、経済学的に完全論破していきましょう。

【1】「日銀券は負債じゃない」論への反論

事実日銀券(中央銀行紙幣)は法的にも会計的にも「負債」として扱われる。

【2】「金利が上がっても紙幣に利払いは発生しない」論への反論

これはミスリーディング

【3】「当座預金の付利は補助金。なくせばいい」論への反論

経済学的にこれは極めて短絡的。

【4】「通貨発行益で日銀財政大丈夫」論への反論

結論経済学的な再整理

主張評価経済学反論
日銀券は負債じゃない会計上・信用供与上「負債」で正しい
金利上昇で紙幣に利払いはない ⭕/❌ それは正しいが、日銀コスト当座預金への利払いで発生する
当座預金の付利は補助金不要金融政策の実行に不可欠。市場金利誘導が困難に
通貨発行益で全部まかなえる一時的には可能だが、金利上昇時には赤字構造になる

要するに、「紙幣に利息がつかないか負債ではない」というのは概念的にも制度的にも誤解。金利上昇により日銀赤字化するリスク会計構造問題であり、単に付利を「なくせばいい」話ではないのです。

anond:20250502042937

Permalink |記事への反応(3) | 05:35

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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 野口旭『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』東洋経済新報社2006-03-09 |Weblog

 いままで曖昧陰湿批判が横行していたムラ社会であった日本経済論壇の中で、革命的ともいえる実名批判箇所を明示しての率直な議論姿勢を示した『経済学を知らないエコノミストたち』(日本評論社)や『経済論戦』(日本評論社)に続く、野口氏の00年代経済論戦の記録を生々しくとどめた最新論説集である題名の「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」というのは聞きなれない言葉である。本書によれば、「経済学は役に立たない」という世間一般の抜きがたい批判に答えることを目的にしているという。著者は、経済学は予測科学として十分に役立つが、世間で役立たないと思われているのは「歪んだ水晶玉」=間違った経済理論で預言を行う「エコノミスト」たちの活躍に原因のひとつがあるという。実際に野口氏が90年代後半から現在まで経済論壇で行ってきたことは、この「歪んだ水晶玉」で預言するエコノミスト評論家そしてメディアなどへの容赦ない批判だったといえる。

 

 本書の後半は、当「ノーガード経済論戦」を読まれている読者にはなじみ深いHotwired掲載された「野口旭 ケイザイを斬る!」をベースにした02年から04年までの当時の経済論戦の見取り図とその批判的な検証になっている。特に経済の動きは複雑でありマクロ経済学のような単純な論理では十分にとらえることができないと主張する論者の多くが、実は単純な自らの意見カムフラージュするために複雑系な話を利用していることが指摘されていることころなど改めて参考になる。

 

 前半は最近経済政策論争をベースにした最新版野口氏の経済見通しと政策への批判検証が収録されている。その要点は、1)小泉政権構造改革路線検証、2)03年から04年にかけて明瞭になった景気回復の原因、3)今日量的緩和解除論議をめぐる見通し のおおよそ3点に分けることができよう。

 

 1)の点であるが、これについては小泉政権構造改革路線が、日本経済の停滞が非効率部門存在という構造的な問題にあり、これを淘汰することで高い成長率を目指すという「清算主義」であったこと、そして構造的な要因が日本経済の停滞の原因ではなく循環的な要因である需要の不足にこそ真因を求めるべきことが明記されている。

 

 個人的な回想で申し訳ないが、小泉政権清算主義的な色彩の強かった01年当時の政策批判を行った野口氏と私の共著『構造改革論の誤解』(東洋経済新報社)は、私の事実上処女作の一つであり、そのときから野口氏は経済論戦を分析する上での私の教師でもあり抜きがたい目標でもあった。当時は「構造改革自体の満足のいく経済学的な定義さえも不分明であり、それを野口氏は同書でクリア説明し、もって構造改革マクロ経済政策は異なる政策目的に割り振られる政策であり、両者を適切な目的構造改革ならば構造問題マクロ経済政策景気循環問題)に割り当てるならば矛盾もしなければ競合もしないこと、さら適用する目的小泉政権のように誤まるとそれは経済社会の低迷をより深刻なものにすることを説いた。

 

 ところで本書によると小泉政権の当初の清算主義的な性格は、「国債発行枠30兆円以下」を公約にした財政再建路線に明白だったが、不況の深刻化からこの清算主義的な路線は早々に放棄されることになった。そして実態的には「循環的財政赤字」の発生を放置することで事実上受動的にではあれ)景気の落ち込みの下支えに貢献したことを指摘している。この点については、私も当ブログ裏声で語れ! 小泉構造改革」で説明したことがあるので参照されたい。

 

 また竹中平蔵経済財政担当相(当時)の金融就任とそれに伴って発足した「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」とそれが打ち出したいわゆる「竹中プラン」(金融再生プログラム)の評価は興味深い。当初、このチームにごりごりの清算主義者として名高い木村剛氏が加わったこともあって、いわゆる竹中木村ショックで日本株価は急降下した。政府不良債権の抜本的な対策銀行企業の統廃合に積極的にのりだすという懸念マーケット国民の間に広がった。しかし実際には清算主義路線放棄しつつあった小泉政権にあっては、その後のりそな銀行への公的な救済に端的に表されたように銀行を潰すようなハードランディング路線放棄された。竹中プランは骨抜きになったかみえた。しかし、本書ではマクロ経済的な清算主義放棄したものの、この竹中プラン金融庁が大手銀行を中心とした不良債権処理に不必要なほど過度の介入を行うことにお墨付きを与えてしまい、規制ハード化が資源誤配分を招来してしまたことを指摘している。この竹中プランへの評価妥当だろう。

 

 2)の点については、今日景気回復主動因についての分析である。それは簡単にいうと財務省円安介入と、それと連動した日銀当座預金残高の引き上げという量的緩和政策が重なったことが契機となっている。この事態を本書では「なし崩しのレジーム転換」という表現を使っている。これは私流に表現すれば、あくま財務省主導のデフレ対策としての円安介入であり、それを福井総裁意図せざる形でサポートした量的緩和政策のあり方を表現しているのだろう(本書では触れられていないが福井総裁は明確に財務省円安介入をサポートしたこと否定している)。野口はいわゆる中国特需表現されたり、アメリカから日本株式市場への投資が盛んになったことなど、外的要因が堅調であれば政策対応受動的でもかまわない、というスタンスである

 

 「以上から日本経済の二〇〇二~〇三年以降の契機回復様相については、ほぼ次のように整理することができる。まず、その最大の牽引車は、外需の拡大であり、それをもたらした世界的な景気拡大であった。しかしながら、国内マクロ経済政策リフレ的な方向へなし崩し的に転換されていたということも、同様に重要意味を持った。それは具体的には、二〇〇三年秋から〇四年初頭まで行われた、財務省の巨額為替介入日銀金融緩和の同時遂行という形でのマクロ政策協調である。つまり、今回の日本景気回復国内マクロ経済政策の両方に支えられて、かろうじて定着したのである」(本書20頁)。

 

 すなわち浩瀚喧伝されているような、「構造改革景気回復寄与した」のではなく、先の説明どおりに循環的要因=総需要不足の改善外需好転政策対応によってもたらされたというわけである

 

 3)については、現状の景気回復不安定であり、より一層のリフレ政策重要性が強調されている。そのため06年末頃まではデフレ脱却をめざすリフレ過程(少なくとも現状の財政金融政策スタンスの維持)であるさらに第二段階は金融政策正常化のための段階であり、量的緩和の解除、インフレ目標の導入、プラス政策金利への復帰などが目指される。これはほぼ2007年半ば頃であり、財政再建はその後の第三段階となる。野口氏は現時点での量的緩和解除はリスクありすぎて日銀採用しないだろうとみている。だが、この野口氏の楽観的な見通しだけが本書を通じて外れてしまいそうである。もちろんそれは野口氏の誤りではなく、通常では考えられないほどのリスクをあえて選択した日本銀行の誤りなのである

 

 本書は他にも、リフレ派の正しい定義、「声の出るゴキブリ」とリフレ派を批判した山崎元氏のその後、木村剛日本振興銀行の「実験」へのエール(?)など微苦笑を禁じえない記述も多く、あっという間に通読できてしまう。学ぶべきことが多い本書は野口氏の論戦の記録だけでなく、迷走する日本経済論壇の記録としても重要である

 

Permalink |記事への反応(0) | 19:21

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 バーナンキインフレターゲット論の復習 2005-12-05 |Weblog

 ベン・バーナンキFRB議長指名を受けての上院銀行委員会公聴会においてグリーンスパン路線継承約束した。バーナンキ90年代からグリーンスパン後の金融政策のあり方のひとつとして、インフレターゲット政策採用すべきだとする論陣を張っていた。この上院での証言では、まさに物価安定と経済成長の安定、そして市場とのコミュニケーションを円滑に行うためにインフレターゲット導入が必要であると、バーナンキは力強く述べた。このバーナンキ証言に対して、委員会メンバーからインフレターゲット採用することで物価安定が優先されてしま雇用の確保が保たれないのではないか、という質問がだされた。それに対してバーナンキインフレターゲット物価雇用の安定に共に貢献することができると言い切っている。

 

 インフレターゲットとは、改めて定義すると、インフレ率の一定範囲(例えば2~4%)におさえることを中央銀行公表し、その達成のために必要金融政策を行うことである。ただしバーナンキ自身がかっていったように何がなんでもインフレ率の達成にこだわるような、「インフレ狂のいかれぽんち」に陥ることはない。

 

 バーナンキ自身は、現実経済は非常に複雑であり、また不確実性を伴うものであるので、しばしばいわれる金融政策とその政策担当者を「自動車運転手」の関係に喩えるのは誤りであると述べている(講演「金融政策論理2004年12月2日)。なぜなら運転手自分走行中におこることがらをかなりの程度予測して運転しているが、金融政策担当者には四半期先の予想でさえも困難なことが多い。確かに金融政策を通じて中央銀行経済主体の予想に働きかけることができるが、それがどのように現実経済反作用するかを見極めることは実に難しい。しかしそれだからこそこの複雑で不確実な経済において経済主体の予想に働きかける政策の方が、それを考慮しない政策よりも重要になる。なぜなら主体がどのように政策に反応するかの理解を欠いた政策実行は予期しない失敗を引きおこすからである

 

 そして経済主体の予想形成とその経済への反作用をしっかりと政策当局が見極めるためには、予想をベースにした政策の実行とともに市場参加者中央銀行とのコミュニケーションがきわめて重要になる、とバーナンキは述べている。そして中央銀行市場に対してその政策目的予測を伝えることで、市場からリアクションに対して柔軟に対応するべきである、とも述べている。これらの政策に対する基本姿勢は、彼のインフレターゲット論の中にいかんなく反映されている。

 

 従来の経済学では金融政策をめぐっては、「ルール裁量か」という二元論でしばしば議論が行われている。金融政策が長期的には貨幣中立性が成立していて、実体経済には影響を及ぼさずに、ただ単に名目変数(例えば物価水準)を動かすだけである、という点では新古典派経済学マネタリスト、そして(ニュー)ケインジアンは一致している。しか短期的に実体経済に影響を及ぼすことができるのか、いいかえると経済の深刻な変動に対して金融政策有効手段になるのかどうかで、新古典派ケインジアンには特に深い対立が残っている。

 現時点で新古典派マネタリスト、そしてケインジアンは非常に深く混じってしまっており、例えばバーナンキの初期の金融モデル新古典派的な発想に立脚したRBCモデルを基本にしている。しかし、最近バーナンキ政策スタンス経済の変動(産出量ギャップの大きな変化)には積極的金融政策中心の政策対応をすすめるものであり、その基本はまぎれもなくケインジアンである。そして財政政策よりも金融政策を中心に景気対策を行う点では昔風?の区分ではマネタリストでもあるだろう。

 

 一般的新古典派マネタリスト中央銀行マネタリーベースを四半期ごとにX%にコントロールする「ルール」に準拠して金融政策を行うことで、中央銀行戦前大恐慌時のように大きな経済変動の原因になることを未然に防ぐことができるとし、安定的経済成長資することができると考えている。そしてルールを事前に公表することで中央銀行の行動に対して市場が信頼をもつことができることも経済不安定性を回避するとルール主義者は信じている。それに対して裁量を重視する旧来のケインジアンは産出量ギャップの拡大に対して機動的な政策対応を主張している。裁量主義者ルールのもたらす「信頼」と、大恐慌のような予期しない経済変動に迅速に対処する際の政策の「柔軟性」にはトレードオフ関係があると信じて疑っていない。もし柔軟性を認めれば、そのことがマネタリストの主張するようなマネタリーベースの成長率ルールへの信頼性を損ねるというわけである

 

 バーナンキインフレターゲット論は、この「ルール裁量か」でいえばまさに彼の経済学の総合性格を反映するかのように、彼自身言葉で「制約された裁量」というコンセプトに即したものであるバーナンキの「制約された裁量」としてのインフレターゲット論は、バーナンキらの論集『インフレターゲット国際的経験からの教訓』やFRB理事としての講演「インフレ目標展望」(2003年3月25日ベン・バーナンキリフレと金政策』(高橋洋一訳、日本経済新聞社)に収録)に表明されている。

 

 バーナンキインフレターゲット論の主要内容は、1)フレームワーク、2)コミュニケーション戦略 のふたつで構成されている。フレームワークとは、先ほどの制約された裁量と同じであり、金融政策いかに行うかについての「ベストプラクティス」(最善の実践であるという。

 

 「制約下の裁量のもとで、中央銀行は、経済構造政策効果について知識が不完全なことに注意を払いながら、短期的な混乱は無視してでも生産雇用の安定のために自主的に最善を尽くせます(これが制約下の裁量の「裁量」部分です)。しかし決定的に重要な条件は、安定化政策実施するにあたり、中央銀行インフレーーそして、それゆえ国民インフレ予想??をしっかりとコントロールするという強いコミットメントを維持する必要もあるということです(これが制約下の裁量の「制約下」部分です)」(邦訳39頁)。

 

 そしてこのようなインフレターゲット金融政策が通常、半年から1年半ほどの政策ラグを伴って効果があらわれるために、先行して経済主体の予想をリードしていくという性格を色濃くもった期待形成フレームワークでもある。

 

 例えば、今日アメリカ経済低インフレの好循環が成立している背景には、まさに低インフレ予想がキーであるといえる。その反対のケースが70年代石油ショックエピソードである産油国石油価格戦略的値上げによってコストプッシュ型の激しいインフレが起きたというのが定説であるしかバーナンキは実際には石油価格の高騰が各種財やサービスコストを引き上げたことによってインフレが多少は悪化したのは事実であるが、むしろそれよりも深刻だったのは家計企業FRB金融引き締めが不十分であることを予想し、それが高いインフレ予想を招き、そして賃金値上げや製品価格値上げに移行した、という見方を立てている。むしろFRB石油ショックに直面する以前の金融緩和姿勢もそのような経済主体の高インフレ期待を促したともバーナンキは指摘している。

 

 実は日本でも石油価格の高騰が70年代の「狂乱物価」を引き起こしたとする通説が根強い。しか小宮隆太郎は「昭和47,48年のインフレーションの原因」の中で日本銀行石油ショック前の行き過ぎた金融緩和政策とその後の引き締めの遅れがこの「狂乱物価」の犯人であり、日銀政策の遅れが(小宮バーナンキのように期待の経路は明示していないが)企業労働組合などに製品価格上昇や賃上げに走らせた、と述べている。そして70年代から80年にかけての第二次石油ショックの影響が軽微だったのは、日銀過去反省していち早く強い金融引き締めスタンス採用したことにあり、それに応じて(これも期待の経路は小宮では不明なのだが)労働組合企業賃上げなどのコストプッシュの要因をおさえるべく、労使協調路線採用することでこの事態を乗り切った、と書いている(小宮隆太郎現代日本経済東大出版会)。

 

 アメリカの方はボルカー元FRB議長1979年における断固たる“タカ派”的レジーム転換で、徹底的に高インフレと闘ったことで、その後の低インフレの好循環の基礎ができた、とバーナンキボルカーの業績を評価している。しかし、このボルカーのタカ派へのレジーム転換が社会的にきわめて重いコストを伴ったことを指摘することをバーナンキは忘れていない。

 

 ボルカーの行った「ディスインフレ」(高いインフレ率を抑えて低インフレにすること)政策が、積極的名目利子率と実質利子率の引き上げによって実行され、それが80年代に入ってインフレ率の劇的な低下を見る一方で、それと見返りに10%にせまる高い失業を生み出してしまった。バーナンキはこの70年代インフレ予想形成の失敗がいか社会的コスト失業)を生み出したのか、このような失敗を今後しないためにも経済主体の予想形成金融政策の欠かせない要素になると力説している。

 

 第二の要素のコミュニケーション戦略であるが、これはすでに自動車運転手比喩の話で触れたように、中央銀行国民市場参加者に対して政策目標フレームワーク経済予測を事前に公表することで、中央銀行政策に対する信頼を醸成し、さら政策責任明確化政策の決定過程とその帰結の透明性をはかろうというものである。このことが自動車運転手比喩でも問題となった経済の不確実性について、少なくとも政策当事者の行動とそれを予測する民間主体の不確実性を大幅に減少することは疑いがないであろう。

 

 ところでこの「ベストプラクティス」としてのインフレターゲットアメリカに導入される見込みはどうであろうか。従来、インフレターゲット導入への反対の論拠として、連邦準備制度目的規定連邦準備法2A条)とのダブルスタンダードになるという点をあげて反論するのが一般的であった。

 

 「連邦準備制度理事会及び連邦公開市場委員会は最大雇用物価の安定及び緩やかな長期金利という目標有効的に推進するために、生産を増加する経済の長期的潜在性と均衡する通貨及び信用総量の長期的成長を維持する」

 

 と連邦準備法にある。これはかってのハンフリー・ホーキンズ法の趣旨を反映した条文であるが、議会にもこの雇用物価の両方への重視が強いことはすでに述べた。このようなダブルスタンダード批判について、バーナンキはここでインフレターゲットの柔軟性を強調し、雇用物価双方にどんなウェイトづけを行っても首尾一貫したインフレターゲットの援用が可能である、と断言している。バーナンキ議長意思が強固なことが伺われる。

 

 今後、アメリカインフレターゲット導入の議論高まることは当然に予想される。この議論高まることによって日本においても同様の議論高まることが予想されよう。実際に政府の一部では強力にインフレターゲット導入を視野にいれた日銀改正論議まで行われようとしているようである。すでに私はこのバーナンキ経済学を通して、日本銀行がその政策説明責任、透明性、そして経済主体の予想形成、ほぼすべてにおいて稚拙な決定の連続であり、また今日においても外的な要因が重なっただけで金融政策レジーム転換なきまま景気回復がある現状も指摘した。簡単にいえば、丸山真男過去に指摘した官僚的な「無責任主義」がまだ日本銀行とその利益団体ともいえる日銀シンパエコノミストに根強い。この無責任主義を打破するためにもインフレターゲットの導入とそれによるリフレマインド形成日本社会にいま最も望まれているように思われる。

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 出口政策が熱い?!(その2) 2005-11-29 |Weblog

 

お待たせしました。続きです。(その1はこちら)

 

●出口政策理論的基礎―ニューケインジアンモデル

 

 出口政策理解するためにはやはりそれなりの理論的なフレームで考えなくてはいけないだろう。例えばバーナンキ次期FRB議長日本デフレ脱出に、エガートソンとウッドフォード経済学モデルを援用して、インフレ目標政策物価水準目標の合わせ技を提案した(ベン・バーナンキリフレと金政策日本経済新聞社)。以下ではこのエガートソンとウッドフォードモデルの枠組みをきわめて単純化して「出口政策」の理論的基礎とさら現在しばしば話題になる日銀預金残高の超過準備問題という技術的な側面についてコメントしてみたい。

 

 いわゆる「ルーカス批判」以降、政策による期待の変化という問題に耐えられる理論構造もつことがマクロ経済学に求められきた。そのひとつの解が、いわゆる「マクロ経済学ミクロ的基礎」である。「ルーカス批判」以後、マクロ経済学プログラムはこの「ミクロ的基礎付け」をRBC(実物景気循環論)モデルとニューケインジアンモデルの大まかふたつの方向で深化してきた。両者はいまでは見分けがつかないほど交じり合ってしまった。例えばバーナンキらの理論では長期においては市場自律的調整機能を信頼しているため、長期的スタンスをとれば例えば失業が深刻であっても市場の調整能力にまかせる、という選択最初から排除するものではない。しかしもちろんこのような態度は、バーナンキらの積極的に認めるところではなく、実際問題として不況が深刻であったり、極めて高いインフレが起きているとき政策介入を強くすすめることで社会的コストを避けるというのが、いわゆるニューケインジアン立場であろう。

 

消費者の行動(NewIS曲線

 

 バーナンキらはまずマクロ経済を考える上で、家計消費者)の行動、企業の行動、そして金融政策担当する中央銀行の行動を主要なプレイヤーとして考える。それぞれのミクロ的な行動が経済マクロ的動向に影響を与えていくと考えるわけである

 

 まず消費者自分効用(満足)を最大化するために行動する。その際に予算の制約をうけるわけであるが、その制約の変化に対してなるべく消費を平準化スムージング)して行うことが最適な対応である、とこの消費者は考えているとしよう。消費の平準化というのは、今期(現在)と来期(将来)の消費量をあまり変化させずに似たような量だけ消費し続けることを意味している。例えば今期、クリスマス家族恋人プレゼントをするために消費を増やせば、それに対応して将来の消費を減少させることで、期間を通じてみれば消費は一定水準にあるというわけである。例えば経済全体の景気がよく将来的に家計所得が通常の場合よりも増加すると期待されたとしよう。このような状況を期待産出量ギャップが拡大したと表現する(あるいは期待拡張ギャップ存在とも表現可能)。将来の所得が増えると期待されるので、この家計はそれを見込んで現在の消費を増やすことで平準化を行おうとするだろう(そうしないと予想通りに将来の所得が増えた場合、将来の消費の方が今期にくらべて過大になってしまうので)。

 

 この状況は先の例でいえば、会社の成績が良好で、ボーナスの増額が望めるために、クリスマスプレゼントはその将来のボーナスで返済することを見込んで、ローンまでして高めのプレゼントを購入することに似ている。すなわち将来の期待産出ギャップ(期待される将来のボーナスの増加)が現在の産出ギャップ(ローンをすることでの現在所得の増加)に反映されることになる。このように家計の消費行動は「来期の産出量ギャップの予想」に依存している。

 

 さら家計は今期の消費と来期の消費をバランスするために現在の実質利子率を参考にするだろう。現在の消費を我慢して貯蓄するには、その貯蓄が経済的に見合うものでなくてはいけない。その報酬として実質利子率が付されるとも考えられる。そしてこの実質利子率が増加すればそれだけ消費者現在の消費よりも貯蓄を選ぶだろうし、また反対に実質利子率が低下すれば将来の消費よりも現在の消費を選ぶであろう。また家計のローンの負担も実質利子率が低下することで軽減され、そのことがローン契約耐久消費財の購入を促すことが知られている。すなわち消費者の行動は「今期の実質短期利子率」に依存している。

 

 ニューケインジアン経済モデルではこのような消費者の行動をIS曲線(NewIS曲線)と表現して現在所得のあり方(産出高ギャップ)に、今期の実質短期利子率と将来の産出量ギャップが影響を与えると考えるわけである。ちなみに伝統的なIS曲線と同じように、今期の実質短期利子率と今期の産出量ギャップとの関係は右下がりの曲線に描くことができる。

 

企業の行動(ニューフィリップス曲線

 

 次に企業の行動をみてみよう。ニューケインズ経済学では企業価格設定行動も経済環境の変化に対して緩慢にしか変化することはせず、そのため価格粘着性という現象一般的であると主張している。この価格粘着性を説明するためにケインズ経済学企業代表的イメージとして「独占的競争モデル」を採用する場合が多い。経済学の想定する市場典型的な姿は、完全競争と独占である。完全競争市場では、多数の売り手と多数の買い手が、お互いに市場価格シグナルとして販売・購入活動を行っている。価格資源配分有効に行うと想定しているので、この完全競争市場では売り手と買い手はプライステイカーとして行動する。他方の独占市場では、売り手もしくは買い手ないし双方が市場価格コントロールする力を保有しており、独占市場では完全競争市場にくらべて、価格はより高く、取引される財・サービスの量は少ない。独占市場は完全競争市場に比べると資源の非効率的な配分が行われている。

 

 しかしこのような両極端な市場の姿よりも、次のような市場のあり方の方が一般的ではないだろうか。例えば近所の本屋にいけば、さまざまなビジネス雑誌販売されている。そしてそれぞれのビジネス雑誌は、特集する記事が異なったり、価格も各出版社独自色を打ち出してライバル雑誌に負けないとしているように思える。またどの出版社でも自由ビジネス雑誌を発刊することができ、自由にそれを辞めることができる点でも、完全競争市場の特徴を持っている。

 

 このようなケースは、なにもビジネス雑誌だけではないだろう。私たちは、完全競争と独占の両方の特徴を持った様々な財・サービス―例えば、書籍映画パソコンソフトレストランコンビニケーキ車など―を日常的に目にしている。経済学では、このような財・サービス市場を「独占的競争市場」と名づけている。独占的競争とは、同質ではないが類似した財・サービスを売る多くの企業存在する市場だということができるだろう。独占的競争市場では、たくさんの企業が同じ顧客相手競争を繰り広げている。その一方で、個々の企業が、他の企業と異なる製品供給している。これを製品差別化という。また同時に参入・退出が自由である

 

 完全競争市場では市場で決まった価格販売すればすべての財は売りつくされる。他方で独占的競争市場では、企業は「右下がりの需要曲線」に直面している。これは企業価格コントロールできるが、もし価格を上げれば需要は減り、下げれば需要が増加するという市場環境に直面していることを意味している。この結果、この独占的競争企業は若干の独占力を有しているために、限界費用を超える価格を自ら設定することができる。この限界費用というのは、財やサービスを追加的に一単位製造するときに要する費用のことである経済学ではこの「限界」的な単位消費者企業選択判断する。例えば、企業は売り上げ全体の動向と価格をみて供給を決定するのではなく、新たに一単位生産するときコストとその販売価格の大小関係で意思決定を行う。

 

 例えば『冬ソナ』のDVDを一冊追加的に生産するコスト(=限界費用)が1000円だとすると、この独占的競争企業は5000円で市場での販売可能になるということである限界費用価格との差額は、この企業にとっての「マークアップ」(超過利潤とイメージしてもいい)を得ることが可能であることを意味している。この超過利潤の獲得を目的にして、多くの企業がこの市場に参入する。もちろん独占的競争企業製品差別化によってこの熾烈な競争に打ち勝とうとするだろう。独占的競争市場では、このような熾烈な競争の結果、長期的には利潤がゼロになることがしられている。そしてこのような熾烈な競争に生き抜くために、企業製品差別化をはかり消費者需要喚起し、その有効手段とし広告ブランド戦略などを展開しているのである

 

 ところで独占的競争企業価格設定を自ら行うことができるが、市場の動向に合わせて絶えず価格を変更しているわけではない。価格の変更に伴うコストメニューコスト)が発生するために頻繁に需要の変化に応じて価格修正することはしない。そのためメニューコストを原因とする価格粘着性が広く観察される。また価格改訂する企業が増加するにしたがって、この価格粘着性は緩んでいくと考えられている。この価格の変更に企業は今期の産出高ギャップをまず参考にする。これはいままでの議論では需要供給よりも多いと考えられるならば企業価格を上昇させるように改訂するだろう。また他方で将来のインフレ率の予想も重要である。なぜなら上記マークアップ名目額よりも各企業はその実質値に注目すするからである。将来獲得したいと期する利益に将来のインフレ率の動向が大きくかかわるわけである。まとめると企業価格改定行動は、今期の産出高ギャップと、来期の期待インフレ率依存している。経済全体でみれば現在インフレ率は期待インフレ率と産出高ギャップに影響される。この関係表現したのがニューフイリップス曲線という。

 

中央銀行の行動(テイラールール

 

 さら中央銀行金融政策ルールテイラールールの形で導入するのが一般的であるジョン・テイラーグリーンスパン率いるFRB金融政策の行動を「テイラールール」という形で表現することに成功した。テイラーによるとFRBは産出量ギャップ(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)とインフレ率に反応して利子率を設定しているというものであるテイラールールもっと古典的形式は産出量ギャップインフレ率を均等に重きを置いて考慮する政策スタンスを採り入れたものとなっている。

 

名目利子率=0.01-0.5(潜在産出量-現実の産出量/潜在産出量)+0.5×目標インフレ

 

である。このテイラールールを用いると、産出量ギャップが0.01、目標インフレ率を0.02だとするとFRBは0.5%利子率を引き下げて、景気の後退を防ぐことがわかるだろう。このテイラールールグリーンスパン率いるFRBの動きをかなりうまく説明することができるといわれている。

 

 ところで中央銀行経済にふりかかるさまざまなショックから国民経済厚生を守るために行動するとみなされている。いま国民経済厚生を最大化するような中央銀行を考えて、この中央銀行が考えている経済厚生の損失の最小化が、そのまま国民経済厚生の損失の最小化になると考えるとしよう。中央銀行国民経済厚生の最大化(あるいは損失の最小化)をきちんとフォローできると考えるわけである

 

 このとき中央銀行経済厚生を最小化するための目的関数を「損失関数」といい、これは簡単にいうと今期のインフレ率と今期の産出高ギャップを足したものである。この「損失」を下の(a)(b)(c)のもとで最小化するのが、この経済にとってもっとも望まれる=最適と考える。

 

(a)NewIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存する 

(b) ニューフィリップス曲線では、今期のインフレ率が(1)今期の産出量ギャップと(2)来期の期待インフレ率依存する

(c)中央銀行目標名目短期利子率を決めるにあたって(1)今期の産出量ギャップ(2)目標インフレ率を参照する。

 

 ところで上の意味での最適な中央銀行金融政策を考える上で重要ものが「コミットメントである。これは中央銀行金融政策目標達成への力強い政策的態度をしめす言葉といえる。具体的な目標について責任を持って期間内に達成することを約束することであ。例えば未達成の場合には具体的な形で責任をとる(ペナルティをとる)と考えて同じで効果を発揮する。このコミットメントを行うことが経済活動するさまざまな主体家計企業市場関係者)の予想に影響を与える。

 

 例えば、先の(a)のIS曲線では、今期の産出量ギャップが(1)今期の実質短期金利と(2)来期の産出量ギャップの予想に依存していて、さらに来期の産出量ギャップは(1)'来期の実質短期金利と(2)'来来期の産出量ギャップの予想に依存していて以下同様に…となると、結局、今期の産出量ギャップは将来の実質短期金利依存することになる。ニューケインジアンは産出量ギャップの変動を経済変動で重視しているので、これは将来の金融政策のあり方(=将来の実質短期金利をどうするか)への予想が決定的に重要になるということになる。

 

 「産出量ギャップ」という表現が苦手な読者は、消費者でいえば(借り入れのケースを含む)所得企業でいえばマークアップと考えてみればいいだろう。いまのサラリーの額や企業利益中央銀行現在から将来に向けての政策態度に影響されるというのがニューケインジアンモデルもわかりやすい含意だ。

 

 このような将来が現在規定するという考え方をフォワード・ルッキングという。このようなフォワード・ルッキング経済構造では、経済主体の予想に影響を及ぼすコミットメントいか重要になるかが分かるであろう。

 

●出口条件を考える

 

 さて出口政策の条件を考えるには上の(a)(b)(c)のもとで損失関数が最小化するように計算をしなくてはいけない。しかしここでは直観的な説明を行う。渡辺努岩村充氏の『新しい物価理論』(岩波書店)で用いられた仮設例を利用したい。この仮設例の面白いところは上記までは顔を出していない長期利子率の動きをフォローすることができることである現在の出口政策にかかわる議論が長期利子率のオーバーシュート財政危機の拡大?)への懸念にあることを思えばその重要性がわかるであろう。ちなみに以下では金利の期間構造モデル採用して、長期利子率は将来の短期利子率の予想値に依存していると考える。すなわち単純化して足元の長期利子率は、足元の短期利子率と次の期の短期利子率の単純平均とする。また産出高ギャップは長期利子率に反応すると考える。あとでわかることだが、長期利子率は短期利子率の予想へのコミットメント誘導されて決定されるのでいままでの議論と同じである

 

 いま三期間(0,1,2期)を生きる経済を考えよう。第0期はデフレ流動性の罠に陥ってるとする。現代版の流動性の罠バーナンキらは名目短期利子率がゼロ(=利子率の非負制約)であると考えている。そして第1期と第2期では経済回復しているとする。このとき渡辺岩村の仮設

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goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 バーナンキFRB議長就任日本リフレ 2005-10-28 |Weblog

 すでに既報の通り、ブッシュ大統領グリーンスパン氏の後任としてベン・バーナンキ氏をFRB議長指名した。バーナンキ議長来年二月就任予定)はかねてから日本の長期停滞の処方箋を様々な角度から提案してきた。どんな提案だっただろうか、その主要点を彼の講演を訳した『リフレと金政策』(高橋洋一訳 日本経済新聞社)を利用してみておこう。

 

1 物価水準目標提言

 

 この提言は、日本デフレ一般物価継続的下落)をふせぐための政策である日本消費者物価指数でみてデフレが始まる1998年基準年にして、デフレではなく1ないし2%のインフレがその後、かりに毎年継続したとき物価水準経路を考える。例えば2%の物価水準経路と実際の物価水準経路のギャップが、デフレのもとでは当然存在していることになる。この両者のギャップを埋めていくことを目指した政策であるバーナンキと同じように物価水準目標採用した岩田規久男編著の『昭和恐慌研究』(東洋経済新報社)を利用すると、4%のインフレ経路(毎年、4%のインフレ率を実現していく)を目指すと、約7年後の2010年近傍目標達成することになる。つまりこの期間までがリフレ期間と考える。そして目標達成後には、今度はインフレ目標として1~3%を採用する。物価水準目標によるリフレ過程とその後の物価安定を目標としたインフレターゲットのあわせ技にコミットすることを中央銀行日本銀行)が明確に、市場に伝えることで公衆の期待に働きかける政策である

 

 つまりここではリフレ間内物価水準目標と、その後の長期的なインフレ目標の二段構えになっているわけである。これはインフレ期待を形成する上でも異なる情報短期と長期のインフレ率についての情報)を市場関係者に与えることになる。エガートソン&ウッドフォード論文(下記参照)では、もしこの物価水準目標が所定期間内に達成困難になるならば、中央銀行は翌期以降一層の努力義務づけられる。そしてこの「一層の努力」へのコミットが、国民デフレからインフレ期待への転換を促す、と彼らとバーナンキは考えるている。そうして(名目金利一定すなわちゼロ金利でも)実質金利を低下させ、総需要を刺激する、と考えるわけである

 

http://www.columbia.edu/~mw2230/BPEA.pdf

(エガートソン&ウッドフォード論文

 

 この「一層の努力」に中央銀行が拘束されることで、日本の長期停滞の原因である実質金利の高止まり(実質金利名目金利期待インフレ率 なので名目金利ゼロであってデフレ期待なので実質金利は高止まりする)を解消する政策バーナンキは推奨しているわけである。そして、「一層の努力」の中味として、ゼロ金利継続や長期国債オペの買い切り国債オペの買い切りを主張した。

 

2 財務省政府)と日銀政策協調アコード問題)の提言

 

 政府日銀バランスシート悪化を防止(そもそも日銀バランスシート悪化問題ではないが)、それとクロスする形で、日銀政府の減税と見合う形での長期国債の「買い切り」オペをすることである恒常所得仮説に従えば、民間主体の消費や投資は増加することが期待される。リフレ過程では財政赤字問題の解消にも一定寄与をはかることが可能であろう。この点についてのバーナンキ発言を前掲書から引用しておこう。いまや政策論争の大きな関心が財政危機問題に引き寄せられてしまっているだけに重要であり、バーナンキ提言リフレなき財政危機の解消の困難性とそして無益な点も明らかにしていると思うからである

 

 「たとえば、日本銀行による国債の買い入れ額の増加と明らかに一体となった家計企業に対する減税を考えてみてくださいーーしたがって減税は結果的通貨創造によってファイナンスされますさらに、日本銀行が、物価水準目標公表することによって、景気回復コミットしたと仮定します。そうすると、マネーの増加の大部分あるいはすべてが恒久的だとみなされます。 略 日銀が減税額に等しい額の国債を買い入れるためにーー将来の増税示唆するような現在あるいは将来の債務償還のための負担は発生しません。要するに金融政策財政政策が一体となって家計部門名目財産を増加させ、これが名目支出ひいては物価を増大させるのです。略 この政策は、債務GDP比率を減少させるという意味で、まず間違いなく安定をもたらすものなのです。名目支出の増加により名目GDPは上昇しますが、日銀による買い入れがあるので市中にある政府債務名目額は変わりません。日本財政の悩みを減らすためには、名目GDPひいては税収の健全な増加ほど効果的なものはありません」(邦訳137-8頁)。

 

 日本国民が心の底で抱いている最大の不安日本の返済不能であるマスコミ評論家エコノミスト政治家官僚たちにさんざん煽られたり、信じられている「宗教的信条」-を解決するハッピーニュースは、すでにバーナンキ議長によって日本国民に贈られていたのである! 

 

 バーナンキ議長、お体にお気をつけて。そしてご健闘を日本ネットの片隅でお祈りします。

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2025-04-23

anond:20250423081918

国民民主鳩山氏の以下のツイートに対して処分出したときに不信感を抱いたな。

別にMMT立場を取らないと宣言するのはいいが、少なくとも財源に対してはMMT的な立場を取らないと積極財政的なこと言ってるが結局やるのは緊縮派と変わらん、という結果になるとしか思えん。

というか自国通貨発行可能な国で財政制約はインフレ制約のみとか原理的に当然の話なので別にMMTを持ち出す必要すらない。

そもそもMMTは実物資源制約と言っていてインフレ制約とは似て非なるもので、MMTっぽいが実際はMMTでもないし。

財政の制約はインフレのみなので、インフレ動向次第で積極財政余地も決まる

◎直近の日銀によれば、2025年度のCPIインフレ率)は、コアもコアコアも、インフレ目標である2%を下回る見通しである

◎つまり、直近の日本には積極財政余地が十分にあるということであり、減税などの積極財政正当化される

◎なお、財政の制約はインフレのみである以上、本来的には、そもそも「財源」という言葉を使うことが不適当と言える

◎また、「財政の制約はインフレのみ」という考え方はMMT現代貨幣理論)に基づいているが、このMMTについては、以下に注意すべきである

●一部の専門家有識者は「MMTは実行不可能」と主張しているが、MMTは「政策」ではなく「理論」にすぎないので、「実行不可能」はおかし

●一部の政治家専門家有識者は、MMTを非合理的に使って「とにかく財政支出を増やせば社会は豊かになる」という暴走的な主張をしているが、このような「積極財政万能主義」の主張は、インフレによる制約を明らかに軽視しているという観点で、誤っている

https://x.com/Hatoyama_Kii/status/1852242277881778501?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1852242277881778501%7Ctwgr%5E852ba348187c7c611c5f7782c5f1dcf335d02f0b%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Fkakio_ja%2Fn%2Fn0b3eaf6093d3

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2025-03-19

2025/3/19日銀金融政策決定会合に関する記者会見の内容

ブルームバーグ記事出てるからこっち紹介するだけで良かった・・・

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-03-19/STAOK0T0G1KW00

まとめ読まなくていいから上の記事読んで



ざっくり

①利上げペース:海外経済の不確実性が増している一方、国内賃金物価の循環は順調に進んでいる状況を踏まえて今後の見通しをより的確に作成し、それに応じて政策を決定していく。現時点では、次回の会合での利上げを示唆するような見解は示されず、データ次第との姿勢を強調。

財政政策との関係:短期的な財政政策の動向へのコメントは控えたものの、中長期的な観点から政府国会には財政の持続可能性を確保する努力継続することを期待するとの考えを表明。

物価目標2%の妥当性:現在は2%の目標の持続的な達成を目指しており、それが中長期的な日本銀行の信認確保に重要であるとの認識。将来的な目標検討可能性は否定しないものの、潜在成長率の違いとインフレ目標関係は単純ではないと指摘。

地域金融機関の再編:地域金融機関合併統合は各銀行判断によるものであり、金融政策で影響を与えようという意図はないと説明


今回の利上げは当然なし。次がいつかを判断できる材料もなし

本日行われた日本銀行金融政策決定会合後の記者会見では、現在金融政策の維持が発表されました。

具体的には、短期金利操作目標である無担保コールレート・オーバーナイト物を0.5%程度で推移させる方針を全会一致で決定しました。

経済認識=緩やかに回復を続けている

会見で示された経済物価現状認識では、日本の景気は一部に弱めの動きが見られるものの、緩やかに回復しているとの判断が維持されました。

先行きについては、海外経済の緩やかな成長と緩和的な金融環境を背景に、所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まり、潜在成長率を上回る成長を続けると見込まれています

物価について=物価高はさらに続く

一方、物価については、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、

賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇や政府エネルギー負担緩和策の縮小により、足元で3%台前半となっています

先行きの消費者物価については、輸入物価上昇の影響は薄れるものの、

人手不足感や需給ギャップ改善賃金物価の好循環により、徐々に上昇していくと予想されています

展望レポートの見通し期間後半には、物価安定の目標である2%と整合的な水準で推移するとの見方が示されました。

リスク要因

各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外経済物価動向、資源価格の動向、企業賃金価格設定行動、金融為替市場の動向などが

引き続き高い不確実性を持つと指摘されました。

特に企業賃金価格設定行動が積極化していることで、為替変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があるとの認識も示されました。

今後の金融政策運営について

先の経済物価金融情勢次第としつつも、

現在の実質金利が広めに見て低い水準にあることを踏まえ、

経済物価の好循環が実現していけばそれに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく考えが改めて示されました。

日本銀行は、2%の物価安定の目標のもと、その持続的安定的な実現という観点から経済物価金融情勢に応じて適切に金融政策運営していく方針です。

会見では、直近で発表された春闘賃上げ率についても言及があり、

連合第一次集計では5%台の高い伸びとなり、相対的に規模が小さい企業でも高めの賃上げ率が実現しており、賃上げの動きが広がっていることが確認されました。

この結果は、1月介護時点での見通しに概ね沿うもの評価されましたが、

中小企業賃上げ交渉はこれから本格化する先も少なくないため、今後の賃金動向を丁寧に確認していく必要があるとされました。

金融政策においては、賃金動向に限らず幅広く経済物価金融情勢を点検し、見通しやリスクに及ぼす影響を見極めていくことが重要であるとの姿勢が強調されました.

現在インフレ想定の範囲内

足元の物価動向については、1月消費者物価指数2月企業物価指数が高い伸びを示していることが指摘されました。

これに対し、1月展望レポートで示した物価見通しや基調物価想定の範囲内の動きであるとの認識が示されました。

ただし、エネルギー負担緩和策の縮小に加え、米価格の上昇が消費者物価を押し上げている点には留意必要であるとされました。

米を含む食料品などの価格上昇は

家計マインドや予想物価上昇率の変化を通じて、

基調的な物価上昇率に二次的な影響を及ぼしうる可能性も認識しておく必要があるとされました。

その上で、現時点では、基調的な物価上昇率は徐々に高まっているものの、依然として2%を下回っているとの認識に変わりはないことが強調されました。

基調的な物価上昇率については、2%目標整合的な水準になるとの見通しが示されている一方で

具体的な数値を示すことは依然として難しいとの立場が改めて示されました。

現状のイメージとしては、1%以上2%を下回る水準であるとされました。

物価目標2%の妥当性については、現在目標である以上、その持続的達成が日本銀行の信頼確保に重要であり、

将来的な再検討もあり得るものの、議論は複雑であるとの見解が示されました.

海外情勢について

米国通商政策の動向が経済物価に与える不確実性が高まっているとの認識が示され、

今後の展開を注視し、日本経済への影響を見極めた上で政策を決定していくというスタンスが改めて示されました。

この1年間の評価

大規模金融緩和解除から1年が経過したことに対する評価として、

徐々に基調物価上昇率が2%に収束するという角度が高まる中で、

それに応じた適切な緩和度合いの調整を進めることができたとの認識が示されました。

国債買い入れ減額も予定通り進んでいるとのことです。

今後について

今後の金融政策正常化に向けては

国債買い入れ減額について6月中間評価を行い、

市場機能回復度合いなどを検証した上で、基本計画に沿って進める方針が示されました。

ETF処分については、引き続き適切な方法検討していくとのことです

トランプ大統領による円安誘導批判に対して

ノーコメントとし、経済物価見通しに基づいて政策を実行していくという姿勢が強調されました。

世界経済を巡る不確実性は増しているものの、国内賃金物価の循環は順調に進んでいるとの認識も示されました.

中立金利及び今後の追加利上げの条件について

中立金利については、依然として絞り切れていないもの

経済物価の動きを見ながら、その反応を見つつ、あるべき水準を探り、適切な政策につなげていきたいとの考えが示されました。

今後の追加利上げの条件としては、春闘賃上げが広がりを見せるか、賃金上昇が価格転嫁されるか、消費動向がどうなるかといった点が注視されるとされました。

市場不安定性と利上げの関係については、現在は特段の状況ではないとの認識が示されました。

長期金利の上昇について

足元のインフレ率、GDPデータ賃金動向、海外金利の動きに市場が反応しているとの見方が示されました。

通常の価格形成とは異なる急激な金利上昇のような例外的なケースでは、

市場安定的価格形成を促す観点から機動的なオペレーション検討するもの

現状はそのような状況ではないとの認識が示されました.

長期金利の上昇が金融政策に与える影響については、短期から中期ゾーン金利をより重視しており、イールドカーブ全体としては経済活動をサポートするレベルにあるとの認識が示されました.

国債買い入れの適切なボリュームについては、非常に難しい問題であり、海外中央銀行も苦労している状況を踏まえ、今後検討していく方針が示されました.

価格については特になにもしない(当たり前)

食料品価格の上昇、特に価格の上昇については一時的サプライショックと見るのが一般的としつつも、

インフレ期待や消費者マインドへの影響を通じて、基調的な物価に影響を与える可能性もゼロではないため、注視していく方針が示されました。

食料品価格の上昇に金融政策で直接対応することは困難であり、そのコストも大きいとの認識が示されました.

第一四半期のGDPについて

一部指標に弱さが見られるものの、特殊要因も考慮すると、現時点では悲観的には見ていないとの見解が示されました。

地域銀行の再編と金政策関係について

銀行判断によるものであり、金融政策で影響を与える意図はないことが強調されました.

会見全体を通して

日本銀行経済物価の緩やかな回復基調を維持しつつ、

物価安定目標の達成に向けて、データに基づき慎重に金融政策運営していく姿勢を強調しました。

海外経済の不確実性を注視しながらも

国内賃金物価動向を重視し、状況に応じて金融緩和の調整を進めていく方針が改めて示されました。

Permalink |記事への反応(0) | 18:09

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2025-02-26

anond:20250226153341

ではなぜ「インフレ目標」という言葉があるかご存知かな?

低能は黙ってるが吉

Permalink |記事への反応(0) | 15:35

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2025-01-22

anond:20250122215158

日銀は今や金利コントロールの力をほぼ失っている。「ほぼ」な。藁人形論法おつかれ。

コール金利の推移見ても最近になって金利の変動が大きくなってるようには見えんがな

団塊ジュニア世代は1歳あたり約210万人いる。対して、例えば2024年日本人の出生数は、約68万7000人。同じ出生率2でも生まれてくる数が圧倒的に異なる。

まれる数が多かろうが少なかろうがラストチャンスとは言えんだろ

日本より人口少なかったら全部ラストチャンスになるんか?

>長期的に見て、他国インフレは止まる可能性があっても、日本インフレが止まる可能性はほぼない。

欧米も2%前後インフレ目標なので短期的に止まることはあっても長期的にインフレは止まることなく続く

Permalink |記事への反応(0) | 22:01

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2024-12-14

anond:20241214094241

https://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__130408.html

私は、インフレ目標による金融緩和政策の結果、今後景気拡大することは間違いないと思っていましたが、唯一懸念材料は、きたる消費税率引き上げでした。このせいで景気が挫折する可能性は否定できないと思っていたのです。消費税引き上げのせいでインフレ目標値に至ったら、金融緩和テコ入れすることができなくなるかもしれないと思いましたから。

 今でも私は消費税引き上げはやめた方がいいと断固言い続けますけど、しかし、岩田さんのこの論文を読んで、現実問題として景気挫折可能性は消えたと思いました。

 

 断言しましょう。大変な好景気がやってきますバブルを知らない若い世代は、これを見てビビって目を回すでしょう。

 次の総選挙は、消費税引き上げ後の多少の混乱を乗り越えたあとの、絶好調好景気の中で迎えることになります。世の中の一層の右傾化を防ぎたいと願う者は、これを前提して対策を組み立てなければなりません。「ただのバブル」とか「ハイパーインフレ」とか「すぐ挫折する」とか、裏から期待が透けて見えることを言って、金融緩和に反対していたならば、一議席も残らず消滅する結果になっても不思議ではありません。

Permalink |記事への反応(0) | 09:53

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2024-12-12

anond:20241204004532

フィリッピンインフレ目標は4%

 

https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/10/7e309f356274438d.html ほか

(注1)フィリピン中央銀行(BSP)は、2024年インフレ率の目標2.0~4.0%の範囲内と定めている。

Permalink |記事への反応(0) | 20:02

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2024-12-04

anond:20241204005821

公式って言うのは安倍政権白川日銀が決めたインフレ目標のことやで

Permalink |記事への反応(1) | 01:07

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anond:20241203194256

マジレスすると1%以下だったからもう少し上がった方がいい(インフレ目標2%)というだけで上げれば上げるほどいいと言ってたわけではないのに

安倍憎しの人が党派性で極論を言ってたかのようにすり替えてるだけだよ

Permalink |記事への反応(1) | 00:37

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2024-11-15

anond:20241115134037

マイルドインフレはおそらく正しいよ

問題なのはインフレ目標が2%っていう日本の基礎体力をはるかに超えた値に設定されてること

Permalink |記事への反応(0) | 13:45

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