
はてなキーワード:かしわもちとは
以下はXで公表されたリストを元にしている(既に公開されたものはリストから外している)
| 字 | ミーム | 解説・備考 |
|---|---|---|
| あ | あまり強い言葉を遣うなよ…弱く見えるぞ | 『ネットミーム元ネタかるた2ndSeason』では使用 |
| あ | アライさんマンション | 「アライさん」もまだない |
| あ | 頭の悪い人 | 通称「バナナ」、「チー牛」とは似て非なるもの |
| あ | 愛と勇気とかしわもち | |
| あ | アイ・アム・ | 『アイ・アム・冒険少年』なのか『アイ・アム・レジェンド』なのか『アイ・アム・マジカミ』なのか「アイ・アム・エラー」なのか不明 |
| あ | 阿部利樹 | アクリフーズ農薬事件のコスプレイヤー? |
| あ | アイエエエエ!ニンジャ!? | 「ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」まで含めるか不明、既に別のShortで小ネタ的に紹介されている可能性有 |
| い | 逝ってよし | 『マヂキタ大草原』で実際に使用されている |
| い | イカれたメンバーを紹介するぜ | |
| い | いいえ、ケフィアです | |
| う | ウンチーコング | |
| う | うるさいですね…… | |
| う | 運だけの春日、実力の若林 | |
| う | うぃーあーさーさー | |
| う | 内川コピペ | |
| う | 宇宙猫 | 「Space Cat」や「Galaxy Cat」の方、既にかるたとなった「Nyan Cat」とは異なる |
| お | 俺だけ集合時間 | 「花見トレス」、「なぜか俺の集合時間だけ」とも |
| お | 美味しいヤミー感謝感謝 | |
| お | 俺のデータにない | |
| お | オラ!催眠! | ちんちん亭の同人誌の話? |
| お | 音の呼吸 | 『鬼滅』ネタなんだろうけど何の呼吸方法を用いるのか不明 |
| お | お薬増やしておきますね | 煽りAAネタと思われる |
| お | 小保方晴子 | 「STAP細胞はありまぁす」の人、かるたにならない? |
| お | 俺はパーを出したぞ | |
| か | 壁ドン | 少女漫画などのシーン、もしくは日本の集合住宅における騒音問題 |
| が | がんばれ♡がんばれ♡ | 元々は『ずりあや』、「がんばれがんばれ先輩」とは似て非なるもの(というより元ネタ) |
| か | 環境破壊は気持ちイイZOY! | |
| か | かーっ!卑しか女ばい! | 正確には「かーっ!見んね霧子!卑しか女ばい!」という「卑しカラス」のこと |
| か | 関西クレーマー | |
| き | 逆だったかもしれねェ… | 『マヂキタ大草原』で小ネタとして登場している |
| き | ギャラクティック | 別のShortで「ギャラクティックノヴァ」/「ギャラクティックナイト」あたりであることが判明 |
| く | グルメスパイザー | 『あたしンちグラグラゲーム』とは似て非なるもの |
| く | クッキー☆ | |
| け | けつあな確定 | |
| こ | 孔明の罠 | 『ネットミーム元ネタかるた2ndSeason』では正式な「待て あわてるな これは孔明の罠だ」で使用 |
| こ | これは山手線ですか? | ラーメンズの日本語学校ネタ |
| さ | サスケェ! | 既に「BalancingSasuke」で収録されているのでこれは使われない? |
| さ | 佐村河内守 | いわゆる「ゴーストライター問題」の人 |
| し | ジャガーマン | |
| し | 死ぬがよい | ご苦労だった……と言いたいところだが |
| し | シャベッタアアアア | |
| し | シル・ヴ・プレジデント | |
| し | 地震なんてないよ | |
| し | 自己防衛おじさん | 『ネットのおもちゃでカルタをやってみた【バキ童】』で採用 |
| し | 強いられているんだ! | |
| す | すり替えておいたのさ! | |
| せ | 絶対にチョコミントを食べるアオイチャン | 『何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン』があるので追加されない? |
| せ | セイバー坂 | |
| そ | それ以上いけない | |
| そ | そうか、そう | (以下の候補があるが、どれかは分からない) 「そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。」 「そうか、そうだったのか」 「そうか、そう来たか」 「そうか、そうだよな、諦めるくらいなら夢見ないよな。」 |
| そ | そんなに興奮しないで下さい | 発言者に関係する不謹慎ネタすぎるのでネタにできない? |
| た | 出汁にこだわ | 「出汁にこだわる梅のお茶漬け」?「出汁にこだわるラーメン屋」? |
| た | 大都会岡山 | |
| た | 卵様 | |
| ち | チャージマン | 『チャージマン研!』自体はシリーズ的にやっているのでリストから消えている? |
| ち | チー牛 | |
| て | 敵の潜水艦を発見 | 「駄目だ!」までカードになるかは不明 |
| て | でも魅魔様の搾乳ならちょっと見たいかも | |
| て | 伝説って? | |
| と | ドゥエリスト | |
| と | ドンクリック詐欺 | |
| な | なるほどsundayじゃねーの | |
| ね | ねこですよろしくおねがいします | |
| の | 脳が震える | 「脳がしびれるぜぇ……」とは似て非なるもの |
| は | パンジャンドラム | |
| ひ | ぴえん | 🥺 |
| ひ | ブロント語 | 何故かここで登録、シリーズとして展開中? |
| ひ | ブラックホールに消えたやつがいる | 何故かここで登録 |
| ふ | ブックオフなのに本ねぇじゃん | |
| ほ | ポケモンの鳴き声で叫ぶ合 | 合唱にしろ合同誌にしろ該当するものが見当たらない |
| ほ | ポーランドボール | |
| ほ | ホイホイチャーハン | 『マヂキタ大草原』でもコメントネタで使われた |
| ま | またしても何もしらない大泉 洋さん(23) | |
| ま | 全く気付かなかったぞ | 「神々の遊び」の一節である「私だ」「お前だったのか」「また騙されたな」「全く気付かなかったぞ」 「暇を持て余した」 「神々の」 「遊び」も収録される? |
| ま | マモレナカッタ | |
| み | みんな丸太はもったな!! | 『ネットミーム元ネタかるた3』で採用 |
| み | みんな死ぬしかないじゃない | |
| め | 迷列車で行こう | |
| も | モーレスターシリーズ | |
| も | モザンビークヒア | |
| や | やったか? | |
| や | 奴は四天王の中でも最弱 | |
| や | やばいクレーマーのSUSURUTV | |
| ゆ | ゆうさく注意喚起シリーズ | |
| よ | 妖怪縁結び | |
| ら | ランランルー | |
| わ | 私ってホントバカ | 正式には『あたしって、ほんとバカ』 |
| わ | わかるマン | |
| わ | ワザップジョルノ | |
| 1 | 10万ドル☆PON☆とくれたぜ | |
| A | AI拓也 | |
| B | Big Chungus | |
| D | Dodgethisyou bastard | |
| E | Evans | |
| E | EASports Meme | |
| H | HA☆NA☆SE | 「もうやめて とっくに○○のライフはゼロよ」が収録されているので追加されない? |
| K | ktkr | 「来た、これ」を意味するスラングの方 |
| L | Let'sgo!!!!!!!!!! | |
| M | TraumatizedMr. Incredible | |
| N | NHKをぶっ壊す | |
| P | PPAP | |
| S | syamuさん | 「Youtuber」、「syamu_game」で登録される? |
| T | toxic | |
| T | TDN表記 | |
| T | Tunka Tunka Tun | |
| V | VSダークライ | 海外の「&KNUCKLES」とは知り合い |
| W | Wat Grandma | |
| W | WAWAWA忘れ物~ | |
| X | XXハンター |
あ行
アボガドじいや
聞き馴染みはあるがおじさんおばさんだと外食でたまに食べる程度
おくらちゃん
思ったより馴染みがありすぎてあんにんちゃん達をスルーしたのを後悔しつつある
かびるんるん
食えないことはない
意外と食べない。15分とか30分とか待てない
カッパチーノ
カプチーノ。飲まないほう
かしわもちまん
行事系
ギョクロくん
クリ・キン・トン
行事系 かしわもちまん(3にん)がかぜまる、くもまる、きりまるなのに比べてこっちはシンプル
さくらもちねえさん
ささだんごちゃん
地方系かなぁ
しらたきひめ
食べるが存在感が薄い
しらたまさん
ジャスミンさん
すすきちゃん
月見団子枠
たまごどんまん
丼界有数の地味枠
ダテマキマン
チーズフォンデュさん
ドリアンおうじょ
茶を振舞うと信じて
ゴーヤ要素あるのか審議
ふきのとうくん
和の地味素材
今の子供も食べる?
味としては強いが一応
公式サイトだとそこまで無茶なキャラが居ない。まとめサイトあるんだっけ。
あ行
あかかぶさん
あずきういろう
イカめしまん
いそべえ
うずまきぱんた
おこわちゃん
かがみもちくん
カシューナッツくん
かまあげうどんさん
カマンベールくん
きりたんぽさん
ぎんなんぼうや
クレソンじいや
くろういろう
けんちん和尚
さんしょくん
きのう
10字くらいにおきた
帰りにツルハドラッグ うどんとかちゃんぽんがひと玉20円くらいだったけどかわない
コロッケ1個120円・・・おいしそうだったけど大きさ的にそこまで大きくもなかったし何より高いと感じてしまってガマンした
作り置きで冷えてそうだったし
うーんおいしいのかな・・・
気になるけどやっぱ値段がネック・・・
んでマックスバリュよる
デラウェア2房が半額で500円くらいだったけどさらにその半額くらいじゃないと買えないなと思った
かしわもちが2個で半額60円くらいだったけどそこまでおいしそうじゃなかったし小さかったから買わなかった
んでかえりにサニーとドラッグイレブンよるけどそこも半額とか割引でめぼしいものなかったからなにもかわなかった
ただサニーが、スパ王プレミアムシリーズの冷凍パスタがまた期間限定で税込み200円になってたから 買うかそこそこ迷った
でもこれおいしいけど量少ないんだよな・・・・て思ったのと、おなかそこまですいてないし買い置きのポテチあるしってとこからガマンしてなにも 買わずに帰った
ほんとは掃除とかしなきゃだったけど明日しごとだと思うとだるさのがほう勝ってた
んでよる21字とか22字とかにおきた
出社ておもうと日中掃除ほぼできなくてわかりやすく体いっきにだるくなってワロタ
不登校児かよ
なんもくわんのはよくないとおもってポテチ2袋くったけど
散歩したからじゃっかんカロリー不足ではあるけどまあ現状体重が身長に見合う推奨体重より重いからダイエットしなきゃだしまあいっかな
そんで昼寝して夜になってシャワー
ただシャワーをざーっとからだにかけてぼーっとするだけならまだいいんだけど
からだをあらうためにボディタオルでごしごしするために腕を動かすのがめちゃくちゃしんどかったの
きょうはそれほどじゃなかった
うーんひと眠りするかなー・・
あんま寝られない気がするけど
横になってるだけでも違うだろう
結局掃除おわんなかったなー
前回はこちら
https://anond.hatelabo.jp/20200904203318
ビジネス本を根拠として、娯楽を健全と不健全に分けるのは余計なお世話とか、「人間」と「作者という存在」を同一視するのは不健康とか、コンテンツを精神的に健康/不健康で断ずる行為はよくないなどの意見をいただいた。
特に、「私自身が敵意を持って何かを貶めたい意図を持っているので、記事そのものが精神的に不健康である」という意見には唸らされた。
一般に販売されているゲームで、自分がクリアしたことのあるものに該当はなかった。
やはり倫理基準があるので、人権侵害をメインに扱ったゲームは審査を通りにくいし、そもそも売れないのだろう。
それに、私がここに書かなくても、「グロ 残虐 ゲーム」などの単語でググってもらうと、有志がそういうコンテンツを紹介しているページに易々と辿り着くことができる。
なので、今回はフリーゲームを取り上げたい。フリゲは主に個人が制作するものなので、その人の心の健康がありありと現れる。考察にはうってつけだ。
以下に紹介する。できるだけネタバレはしない。
見た目はほんわかしているが、中身はエログロ(特にグロ)。見た目はMOTHER2のような暖かい印象を受ける。
プレイを初めて1時間以内に、このゲームの異常性に気が付くことだろう。気持ちが悪いタイプの異常性ではなくて、続きが気になるタイプの異常性だ。
ネーミングセンスが独特であり、作中の随所に現れる。
どこが精神的に不健康なのかといえば、ストーリーの救いのなさだ。特に2。1と3は、グロ展開を挟みつつも笑えて感動できる物語なのだが、2はとにかく救いようがない。
特にラストステージ。人によっては恐怖で進めなくなる。ニコニコ動画の実況プレイ動画にも、「怖すぎて〇〇さんの動画に来ましたwww」といったコメントが並んでいる。
私自身も当時は震えた。深夜1時頃にクリアしたのだが、翌日にあった英語の演習でミスを繰り返したのを覚えている。
あの時の私は、恐怖を感じていたんだろうか?
違うと思う。あのラストステージというのは、ぱりぱりうめというキャラクターの抱える苦痛や嫉妬や絶望や愛や夢が、画面を通じてプレイヤーを殴りつけるとしか言いようのない展開だったのだけど、その感情に心を揺さぶられたのだ。だから涙が止まらなかったのだと今では思う。
大学生4人(男2女2)が旅行に行く。そのうちの一人が入巣(いりす)京子。旅行先で楽しんでいる途中、事件が起こって1人ずつ行方不明になっていく。
パズルゲームでの得点によって物語が分岐する。バッドエンドだと、いりすが友人を したのを示唆するEDになる。高得点を取ると、行方不明は友人たちによる仕込みであったことがわかる。サプライズな誕生日パーティーをしたかっただけなのだ。
プレイを続けていると、ゲームフォルダ内のデータが少しずつ置き換わっていることに気が付く。テキストファイルや画像データが現れたり消えたりする。
最後までプレイすると、いりすのキャラクター性や、旅行について考えていたことや、男側の主人公であるうーじの抱える闇が明らかになっていく。
いったいどこが精神的に不健康なのかというと、〇〇と見せかけて、実は〇〇でした!みたいな展開の連続であり、特にその裏側に残虐性(しつこいようだがネタバレはしない)が潜んでいる。
以前の作品である「愛と勇気とかしわもち」でもそうなのだが、プレイヤーを悪い意味でビビらせることに全力を注いでいる。
プレイヤーの心臓に冷たい何かが突き刺さって、心臓が凍り付いて、血管が破裂するような恐怖を味わわせることに作者は快感を覚えているのでは?と邪推せざるを得ないほどに、このゲームはプレイヤーを驚かせてくれる。
数あるフリーゲームの中でも最大級の――精神的に不健康な作品だ。
ゲーム冒頭の説明にあるように、精神疾患の人や未成年は絶対にプレイしてはいけない。一般の人にもおすすめできない。やっていいのは恐怖を快感に変換できる人だけだ。
体調がおかしいと思ったら、プレイしている最中でも中止すべきだ。例えば、2周目に入ったあたりで、「ここで止めたら負けだ」とか、「モニカ、てめーは絶対○す」などの感想を抱くかもしれないが、それでも途中でやめるという選択はありだ。
作者、特に2周目の恐怖演出を担当した人間の悪意が突き刺さってくる。どのような理由でも説明できないほどに悪趣味な演出だった。
「このゲームを作った人たちは、学生時代に苛めや虐待などのひどい目に遭って、社会に恨みを持つようになったんじゃないか? だから、こんな残酷なゲームを作って社会に復讐しようとしたんじゃないか?」
私はそう推測した。
「違う。このゲームは高い評価じゃないか」という意見もあると思うが、典型的な確証バイアスだ。別の言葉で言えば、コミットメントと一貫性。
プレイヤーは、恐怖と戦いながら数時間~数日をかけてゲームをクリアする。敵だと思っていた存在は、自分のことを(以下略)。ハッピーエンドではなかったけど、恐怖に打ち勝ってこのゲームをクリアできた。俺はチキンじゃない!
終わり良ければ総て良しという言葉がある。悪趣味な演出にどれだけイライラしたとして、最後までクリアしてしまった後で、このゲームをプレイした時間が無駄だったと認めることはできない。
そんなことをすると自分は愚か者だったことになる。だからこそ、個性的なゲームだったね、just monicaだったねと高い評価を与えることで、自分の考え方と行動に一貫性をもたせようとする。それがこのゲームが高く評価される理由のひとつだ。
今までにないタイプのゲームだったのは間違いない。ホラーゲームが好きな人にとっては珠玉の一品だったと思う。私も、このドキドキ文学部!に評価を投じた。★4つだったと記憶している。
名前だけは聞いたことがあると思う。エログロかと言われればそのとおりだ。
この作品は、上下巻の約700ページ(しかも行間がほとんどない)に渡って以下のような展開が続く。
①ジュリエット(とその仲間たち)が乱痴気騒ぎを起こして一般人を強姦したり殺したりする
②騒ぎの最中かその前後のパートで、ジュリエット(とその仲間たち)による哲学論議が行われる
③ジュリエット(とその仲間たち)が不仲になって仲間を殺す。あるいは新しい仲間を作る
エログロ小説と世間では見られているが、実は哲学小説だ。作者であるマルキ・ド・サドは貴族出身でありながら、変態行為が露わになって逮捕→投獄というパターンで小説を書き始めたタイプの人だ。
この小説が有名になった理由のひとつは、サド自身が社会に対して抱いていた恨み(今でいう反社会性障害?)から生じるエログロ描写の反面、その知性や教養から精緻に描かれる人間社会に対する哲学的な理解の鮮やかさが奇妙なほどマッチしていることによる。
哲学的な描写の例として以下の例を挙げる。主人公であるジュリエットの序盤の師匠であるデルベーヌ夫人の科白だ。この小説のキャラクターは喋りの量が半端ない。ドストエフスキー並みだ。
※一部のみを抜き出した。この場面の文字数は引用箇所の軽く数倍はある。
「まあ!」とあたしはデルベーヌ夫人に申しました、「それではあなたは、御自分の評判などどうなったってかまわないほど、無頓着でいられるというのですか?」
「そのとおりよ、あなた。本当のことを言うとね、あたしは自分の評判がわるいという確信をもてば、ますます内心で愉快を覚えるの。そして評判がよいと知れば、まあそんなことはないでしょうけれど、きっとがっかりするでしょうね。いいこと、ジュリエット、このことをよく覚えといてちょうだい、評判なんてものは、何の役にも立たない財産なのよ。あたしたちが評判のために、どんな犠牲を払っても、けっして償われはしないのよ。名声を得ようと躍起になっている者も、評判のことなど気にかけない者も、苦労の多い点ではどちらも同じよ。前者はこの貴重な財産が失われはすまいかといつもびくびくしているし、後者は自分の無関心をいつも気に病んでいるの。そんなわけで、もしも美徳の道に生えている茨が、悪徳の道に生えている茨と同じほどの量だとしたなら、いったいなぜこの二つの道の選択にあたしたちは頭を悩ますのでしょう、あたしたちは自然のままを、思いつくままを、そのまま素直に信用していればよかりそうなものじゃありませんか? P.16
今時の心理学の本に載っていそうな感じではある。アドラーの『嫌われる勇気』に通じるものがある。
悪徳の栄えで論じられている思想はニーチェやハイデガーに通じるものがある。この世に存在し続けるものに重きを置いている。
私にとっては面白い小説ではなかった。万人にお勧めできるものではない。というのも、哲学的な論考はあるものの、残虐な場面や、人間的に醜い描写が多く登場するからだ。
今のコンテンツでいえば、『ダイナー』が一番近い。ダイナーを哲学的な内容にすると現代版の悪徳の栄えになる。
私が読むのをやめようと思いかけた場面のひとつを挙げる。ジュリエットが、師匠の一人であるノアルスイユという金持ちに気持ちを打ち明けるところだ。
※上を含めて、引用箇所を探して打ち込むのに2時間半もかかってしまった…いずれにしても引用が多すぎる。これで最後にする。
「おお、ジュリエット、おまえはまだ全部を知ってはいないからそう言うが……」
「なら全部すっかり話してください!」
「おまえの父御さんや母御さんのことだがな……」
「どうしたと言うんです?」
「生かしておいてはおれのために都合が悪かった……息の根を止めてしまう必要があったのだ。で、二人ともばたばたと死んでしまったのは、おれが彼らを自分の家に招いて、ある飲物を飲ませたからだ……」
ぞっとあたしの総身に冷たいものが走りました。だがすぐに、自然があたしの心の奥底に刻みつけた、極悪人にふさわしいあの無感動な冷静さで、あたしはノアルスイユを正面からじっと見据えながら、「人非人! 何度でもこの名を繰り返してやりたい」と叫んでおりました、「あなたは見るも怖ろしい男です、でもあたしは、そういうあなたをやっぱり愛しております」
「ああ、そんなことあたしに何の関係があるのでしょう? あたしはすべてを感動によって判断します。あなたの兇行の犠牲となったあたしの家族は、あたしに何の感動も生ぜしめてはくれませんでした。けれどあなたがあたしにしてくれたあの犯罪の告白は、あたしを熱狂させ、何とお伝えしていいか分らないほどな興奮の中へ、あたしを投げこんでくれました」 P.57~P.58
ノアルスイユはジュリエットの父母を殺している。そのせいで、裕福だったジュリエットは修道院に送られて貧しい生活を送り、やがては売春宿で働くことになった。
その原因を作った張本人であるノアルスイユに対してこのような言葉を出してくるところに、この悪徳の栄えの醜悪さを感じた。読者をダークサイドに送り込もうとしている。
物語の中で悪事を働く人間の基本になっている考え方のひとつに、「悪事をする人間は自然に有益である」というものがある。考え方自体はとんでもないのだが、文学者が翻訳を務めている関係でやたらと格調高い文章になっており、それが読者の心に響いてしまう。
年末年始を使って上下巻を読んだのを覚えている。今では読むべきではなかったと後悔している。
いわゆる鬱小説というやつだ。心が痛くなるコンテンツ。とにかく痛い。この本も読むんじゃなかった。アマゾンで高評価がついていたので出来心で買ってしまった。
この小説のいったいどこが精神的に不健康かといえば、「いたいけな少女をいたぶること」を主眼に置いているからだ。
アメリカの田舎町に暮らす主人公のデイヴィッド(12)。ある日、隣の家に住んでいるルースのところに、両親を亡くしたという快活な美少女メグ(13才以上)が妹のスーザンと一緒に引っ越してくる。デイヴィッドはメグに心を奪われる。ザリガニ釣りから始まって、次第に仲を深めて、お祭りの観覧車に一緒に乗る。花火が綺麗、みたいな描写だったのを覚えている。
という言葉が脳裏をよぎった。まだ未成年だった頃、某動画サイトにアップされていた『true tears』というアニメを見ていた。眞一郎と乃絵が仲睦まじくしている様子を見て、ほかのみんなが一斉にこのコメントを打ち込んでいたのを思い出した。
この小説は、読者に精神的な苦痛を与えることを目的として、メグに対してありとあらゆることをやってのける。
メグは何でもされる。肉体的な苦痛から精神的な苦痛まで、何でも揃っている。
巧妙なのは、このメグというのが優秀設定のキャラクターであることだ。
運動神経は抜群で頭がよく、そのうえ美少女ときている。いわゆる利発キャラ。例えば、虐待が始まってすぐの段階で地元の警察に相談に行っている。普通の子どもはこういう行動を取ることはできないだろう。
実際、一度はルースの家から脱出に成功しかけるのだが、障害持ちのスーザンを気に掛けるあまり失敗してしまう。
ルースやその子ども達からの虐待はさらに苛烈になるが、デイヴィッドはただ観ているだけだ。傍から虐待されるのを眺めるばかりで何もできない。親に相談しようとするも、恐ろしくてできない…
この小説を読んでいる間に心が相当削られた。品性下劣という感想を抱きながらも、最後まで読まないといけない気分になっていた。悔しいが作者の勝利だ。
今回の記事を書くにあたり、隣の家の少女について調べたところ、ネットフリックスに映画があるらしい。今度見てみることにする。
作者である上原善広の父を主人公に据えたノンフィクション小説。ということになっている。物語というよりは、作者が精神的に不健康な例だ。
あらすじとしては、牛の解体場で働く上原龍造が、自らの腕だけを頼りに食肉業界の経営者として成り上がっていくというもの。
昭和の時代の話なので、解放同盟や共産党や右翼にヤクザが出てくる。彼らと渡り合いながら、少年だった龍造は成長を遂げてゆく。
問題なのは、ノンフィクションと謳っておきながら創作であることだ。
作中では、実際に存在した人物の名前や経歴が書き換えられている(ex 作者の父の名前は龍造ではない)のみならず、解放同盟支部の結成年や支部名その他、多くの事実に誤りがある。
作者と新潮社は解放同盟から怒られた。出版元である新潮社はHPで謝罪文を出している。作者である上原氏もnoteで反省文を書いているが、はっきりいって反省していない。
巻末のところで実父に関連して、自分の来歴や、元嫁や兄について語っているのだが、なんというかもう、ツッコミどころが満載なのだ。本編を読む前にこれを読んでいたら、一生読むことはなかったと思う。
※個人情報その他の関係で、ここに詳細を書くことはできない。上のネット記事には詳細がある。