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2025-10-21

モニタ基準が全てゲームなのはまり納得がいってない

モニタを選ぼうとすると、ほぼ間違いなくゲーミング用途しか紹介されない

なんで?文章書いたり色々あるでしょ

そもそも多くの人がゲームに興じていたとして、高性能なモニタ必要ゲームばかりなわけがない

明るく広くててきちんと正確な色がでてそこそこの応答速度があったら、もう価格だけでいいんだがね

まあわかるよ

平凡で使いやすいだけだとインパクトが低いんだよね

いちょうみたいなことみんなができるわけがないし

けど世の中のモニタがゲーミング機能しか長所に上げないのはなんか納得いかない

ところで今ごく普通モニタを買うとしたら、俺なら31インチのWQHDを買いたいな

27インチ文字が小さすぎるので疲れやす

みんなもこういう平凡な感想いっていこうぜ

Permalink |記事への反応(2) | 23:10

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2025-10-10

陰キャは夜空を見上げない

三年前、渋谷桜丘町にある古いマンションの一室で月に一度だけ開かれていた読書会があった。

「Books &Beyond」とか「本と珈琲」みたいなカフェが並ぶあの界隈で、オーナー趣味でやってるようなサブカル風の空間。壁にはカフカポスターが貼られ、スピーカーからボサノヴァが流れていた。

六畳ほどの小さなスペースに八人くらいが座りそれぞれが持ち寄った本を紹介し合う。それが俺と彼女出会いだった。

俺がその日持っていったのは『呪術廻戦』の第八巻。ほかの人たちが『中動態の世界』とか『そして誰もいなくなった』とか『サピエンス全史』とかを並べる中で、俺だけがジャンプコミックスを机に置いた。

もちろん場の空気ちょっと変わった。

でも当時の俺はそれを承知の上で、ある種の逆張り勇気みたいなもので挑んでいた。会社では誰にも話しかけられず、Slackアイコンもずっと初期設定のまま。それでも自分を注目して欲しいという欲求はあった。

 「呪術廻戦のテーマは、“死の受け入れ”よりも“存在肯定”にあると思うんです」

俺はそう言った。

それに対して、口を開いたのが彼女だった。白いマスクを外して冷静な目で俺をまっすぐに見た。

「でもそれって、“他者媒介にしない存在”ってことですか?」

唐突にそんな言葉が出てきた。返す言葉に詰まった。彼女の声は低くて落ち着いていた。大学院哲学を専攻していると言った。

その瞬間、空気が変わった。

みんなが「へえ〜」と頷いて、俺は笑ってごまかした。その笑いが妙に引きつっていたのを今でも覚えている。

そのあと彼女が言った。

「でも、面白いですよね。呪いって、社会の圧みたいなものですし」

その一言に、俺は救われた気がした。

彼女は俺を笑わなかった。

それどころか俺の話を拾って補足し、言語化してくれた。その会の後、俺たちは駅まで一緒に歩いた。

外は冷えていてコンビニの前のホットコーヒーの湯気が白く漂っていた。

「また来月も行きます?」と彼女が言った。

「行く」と俺は答えた。

彼女名前はSといった。

新宿御苑の近くに住んでいて、大学お茶の水彼女の持ってくる本はいつも背表紙が硬かった。

『悪について』

他者起源

グレアム・グリーン短編集』。

対して俺の持っていくのは『チェンソーマン』や『ブルーピリオド』。

彼女はよく笑った。

笑うときに、指先を口元に添える癖があった。

その仕草上品で、俺はそれを見るたびに自分がどれほど下卑た生き物なのかを思い知らされた。

付き合うようになったのはその年の秋だった。

彼女修論で忙しくなってから俺の存在息抜きになったらしい。

あなたと話してると、時間を忘れちゃう」と言われた夜、俺は人生で初めてコンビニの帰り道が輝いて見えた。ファミリーマートの青い光がネオンのように見えた。俺の中でなにかが初めて肯定された気がした。

冬のデートの夜、代々木公園を歩いた。

イルミネーションが飾られてSNSでは「#冬の光2021」というタグ流行っていた。俺は寒くてポケットに手を突っ込んでいた。彼女は小さな紙袋を下げていて中には文房具店で買ったモレスキンノートが入っていた。

「これ、修論終わったら旅行記書こうと思って」

彼女はそう言って笑った。そして突然立ち止まって空を指さした。

「ねえ、見える?オリオン座

俺は空を見上げた。

そこには三つの星が斜めに並んでいた。

「……あれか?」

「そう。ベテルギウスリゲル。あと真ん中がミンタカ

彼女はそう言って、星の位置を指でなぞった。

俺は正直何もわからなかった。

星はただの光の点にしか見えなかった。

俺の住んでいた葛飾区の夜空では、星なんてほとんど見えなかった。中学の帰り道、空を見上げてもあるのは街灯と電線だけだった。だから星座名前なんて知る機会がなかった。

「小さいころ星座図鑑とか見なかった?」

彼女がそう言った。

「うん、まあ、プラネタリウムとかは……行ったかな」

本当は行ったこともなかった。そんな余裕のある家庭じゃなかった。週末は母親スーパーで特売の鶏むね肉を買って帰るのが恒例で、俺はその肉を味噌マヨで焼いて弁当に詰めてた。

星よりも肉の値段を見てた。だから空を見上げるという行為が俺には贅沢に思えた。

彼女は俺の顔を見て、少し笑った。

かわいいね。知らないことがあるって」

それがなぜかすごく悔しかった。笑われたわけじゃないのに馬鹿にされた気がした。

俺は「そうだね」とだけ言って視線を落とした。

地面に落ちた枯葉を踏みつけた。カサッという音が、やけに大きく聞こえた。俺はあの夜自分が一生星座名前を覚えないだろうと悟った。

通勤電車の窓に映る自分の顔は相変わらず冴えなかった。イヤホンからはYOASOBIの「群青」が流れていた。「夢を描くことが全ての始まりだ」なんて歌詞を聞きながら俺は窓の外を見た。

見たのは空じゃなく、線路だった。

陰キャは夜空を見上げない。

だってそこに映るのは、自分の見なかった人生からだ。

星の位置を覚えられる人間は、いつだって上を見て生きてきた人間だ。

図書館に通い、正しい敬語を使い、誰かに恥をかかされないように育てられた人間だ。

俺はそうじゃない。

俺の星座コンビニ防犯カメラの赤い点滅と、タワマン最上階で光る部屋の灯りでできている。

 

これは遺書だ。

俺はもう彼女と会っていない。

LINEトーク履歴はまだ残っている。

最後メッセージは「また話そうね」

日付は2025年2月14日

バレンタインだった。俺はその日会社義理チョコすらもらえなかった。彼女からチョコを待っていたわけじゃないけど期待してた。

「ねえ、今年はどんな本読んでるの?」

その一言が来るだけで救われたと思う。メッセージはもう既読にならない。

通話をかけたこともある。

仕事帰りの山手線品川から田端までの間イヤホン越しに呼び出し音が虚しく鳴った。ワンコール目、ふたつ、みっつ、……留守電に切り替わる。

録音された「この電話現在使われておりません」という機械音声。それがまるで彼女の声に聞こえた。その瞬間息が止まった。ほんの数秒で胸が焼けた。

どうして?

俺のスマホには彼女写真がまだある。表参道青山ブックセンターの前で撮ったものだ。彼女は黒いコートを着て、手に『ロラン・バルト恋愛ディスクール』を持っていた。俺は同じ日カバンの中に『チェンソーマン』の最新巻を入れていた。

その夜二人で神宮外苑いちょう並木を歩いた。イルミネーションの下で彼女が「あなたはどんな未来を望むの?」と訊いた。俺は「普通に働いて普通に暮らせたら」と答えた。

俺は夢を語る勇気がなかった。陰キャは、夢を語ると笑われると思ってる。

それでもあの頃の俺は必死だった。休日には「丸善丸の内本店」で彼女が好きそうな本を探した。

夜と霧

レヴィ=ストロース

哲学の慰め』

表紙をめくっても内容の半分も理解できなかった。けど読んでるフリをすることに救われた。カフェ・ベローチェでブレンドを飲みながらマーカーで引いた単語スマホで調べた。

「内在性」

「超越」

主体性」。

どれも俺には関係ない言葉だった。それでも彼女世界に近づける気がした。

夏になっても連絡はなかった。彼女Twitterアカウントは鍵がかかりInstagramは削除されていた。

唯一Facebookけが残っていた。プロフィール写真は変わっていなかったけど交際ステータスの欄が消えていた。俺は夜中の三時渋谷ファミマストロングゼロを買って歩きながらそのページを何度も更新した。酔いで画面が滲み青白い光が夜風に揺れて、まるでオリオン座みたいだった。

俺は空を見上げた。

でもそこにあったのは、看板LEDだけだった。

もしこれを読んで俺のことだと気づいたのなら、どうか連絡をして欲しい。俺はおまえが好きだ。おまえがいないと俺はもう駄目みたいなんだ。

たくさん本も読んだし勉強した。今なら話にだってついていけるし、楽しませることだって出来る。

から連絡のひとつでいいからしてほしい。、お願いだ。頼む。

これを俺の遺書にはさせないでくれ。

Permalink |記事への反応(0) | 13:28

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2025-10-01

自分月極駐車場に無断駐車されている場合対応について「盗難心配をしているふうに警察に連絡すると良い」という方法が賢いライフハックとして話題になる

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2609701

シンプルに〇おかし

その暇な知恵を練る時間中学英語でもやってれば今頃地球に貢献できてたのにな

追記

pico-banana-app 「盗難心配してるふり」ってのがミソか。警察無駄リソース割かれて大変だな、かわいそう

そのとおり。最近(ここ1年)ブクマカ理解度というか知性が上がってる気がする

社会学的に見ると?

とはいえローカル住民で70年とか同じ場所に住んでるおじいちゃんがやたら地域の変化や外来人間に神経質になる、というシーンは田舎東京もどちらでも見てきたケースではある

加齢とともに世界の半径が狭まっていき許容度が下がるというか、周辺のものが許せなくなるんだろうな

コンビニ店員に切れる高齢者への階段ともいえる

おばあちゃんはそうでもないんだよな なんでだろ?

追記

hateokami ここまで計算ずくにあれこれ考えなくても、遅刻してきた人に対して最初から寝坊だと決めてかかるより、何か相手の身に大事があったら心配だ、という精神と同じ。何が起きても猜疑心に苛まれないように生きたい。

こういうの見ても明らかにここ1年ブクマカレベル上がってるよね

「レベルアップですぜ あんたも せいちょう したもんだ」

Permalink |記事への反応(8) | 15:44

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2025-09-20

いちょうさんでもこんなことあるんだな。

10万円ぼったくられた】”夢の新型パソコン”かと思いきや「クラファン詐欺」。闇の実態お話します。 -YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=K0P1-kgmxeA

Permalink |記事への反応(1) | 08:09

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2025-09-10

体力をつける体力がないから体力をつけたいんだけどその体力をつける体力がないから体力をつけたいんだけどその体力がないから体力をつけたいんだけどその体力がないから体力をつけたいんだけどその体力がないから体力をつけたいんだけど無限とはこういうことなんでしょうねおそらく。宗一郎の息子って結局どーなんだったんでしょうね。ずっーっと昔になんかちょっとした不祥事があって引責したような記憶がありますけどあれ以来話は聞かなくなったような気がします。調べればすぐわかるのがインターネットのいいところですけど、でもねAIとかはもうこういう文章を人が打ち込んでる途中でそれはこうこうこういうことですよ、とか教えてくれるようになるし、なんだったらあなたが打ち込みたい文章はこういうことですよね、と予測変換みたいな調子で私が打ち込みたい文章をスラスラと先回りして書いてくれるようになる、といういか、まあちょっと違う文章、書きたいこととは違うんだけどなあ、と思いつつ、まあこれでいいか、みたいな感じで選択する感じになるんですよね。3パターンくらいをすぐに提示してくれて、じゃA案で、つぎはB案で、その次の展開はちょっと捻りが欲しいとか、対話型でどんどんと出来上がっていく、万事が万事そういうことになってくんだと思う。

あなたには、これですね、と型に嵌められてくことに違和感がなくなる。、、、あのAIのすごいところは人間感情を動かすことなんですよね。理屈とかは割とというかかなり弱いまあ、理屈は考えてないらしいから当たり前なんですけど、それよりも人の感情をグイッと動かすのがとてもお上手。文章でも画像でも動画でも。人間がとても努力しても身につけられないような、人を動かす何かを持っている。、それがAIのすごいところなんですよね。多分人が機械支配されるのって理屈じゃなくて感情をうまくコントロールされることでですよね。

AIが人を支配する世の中ってつまり現代人間SNSとかで無駄感情エネルギーを浪費してるのも同じような現象として人を支配さるんじゃないですかね。

あれ、あれですよ、指輪物語でローハンの王様に蛇の舌がぴったり張り付いて毒の言葉ばかり流し入れてたでしょ?ああいう感じの、言ってみれば人の噂話みたいなのを延々と人の頭の中に流し入れることで人の感情コントロールするんだと思いますけど言ってること伝わってますかね?

僕は新しいマトリックスを、つくるのだとしたら、そういうふうに人の感情を、、こころ機械支配してる状態からどーやって脱却するのか?みたいな構造にするべきだと思うんですよね。

あの本家マトリックスでも裏切る男とか、ちょっとそういう感じだったじゃないですか。おれは偽物でも本物としか思えないこの極厚ステーキを選ぶんだ!!みたいなの、ああいうのと、どうやって戦うのか?いや機械が嘘ばかり毒ばかりなのはわかってんだけど、やめらんない機械なしでは生きれないんだよ、みたいなのを描いて欲しいちょうど我らがSNSは毒だとわかっててもやめらんないみたいなのと同じような。たぶんトランプは怒るだろうけど

Permalink |記事への反応(0) | 02:12

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2025-08-16

いちょう声優なんか棒読みだな

Permalink |記事への反応(0) | 16:53

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2025-07-31

anond:20250731002248

見えないレベルで短小なんか

かわいちょう😢

Permalink |記事への反応(1) | 00:25

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2025-07-27

anond:20250727113108

かわいちょうに😢

ワイが女の子だったら付き合ってあげるのに🥺

Permalink |記事への反応(0) | 11:32

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2025-07-23

[日記]

昼過ぎバナナ1本

おやつどきにカップかき氷

夕方バナナ1本

帰ってから刺身2パック、恵死亡ゼロヨーグルト400g、コロッケ1個、カット野菜1袋

でおなかいっぱいちょうど満足

それ以外でもほんとはおにぎり1個、かつ丼1個、細巻き1パック、やきうどん4個も買ってたけどこの時間くったら絶対胸焼けするなって

Permalink |記事への反応(0) | 22:49

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2025-06-25

anond:20250625135628

いちょうとイチケンすこ

Permalink |記事への反応(0) | 14:03

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2025-06-24

anond:20250623203840

「おなえの理想の友人像」に俺を当てはめるのはやめてくれ、って言いたいのではないかね。

お互いちょうど良い距離感と頻度の友人関係を築いていくしかない。

Permalink |記事への反応(0) | 07:52

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2025-06-23

anond:20250623203855

 酒よりは、害にならぬと奥さんも言い、自分もそれを信じて、また一つには、酒の酔いもさすがに不潔に感ぜられて来た矢先でもあったし、久し振りにアルコールというサタンからのがれる事の出来る喜びもあり、何の躊躇ちゅうちょも無く、自分自分の腕に、そのモルヒネ注射しました。不安も、焦燥しょうそうも、はにかみも、綺麗きれいに除去せられ、自分は甚だ陽気な能弁家になるのでした。そうして、その注射をすると自分は、からだの衰弱も忘れて、漫画仕事に精が出て、自分で画きながら噴き出してしまうほど珍妙な趣向が生れるのでした。

 一日一本のつもりが、二本になり、四本になった頃には、自分はもうそれが無ければ、仕事が出来ないようになっていました。

「いけませんよ、中毒になったら、そりゃもう、たいへんです」

 薬屋の奥さんにそう言われると、自分はもう可成りの中毒患者になってしまったような気がして来て、(自分は、ひとの暗示に実にもろくひっかかるたちなのです。このお金は使っちゃいけないよ、と言っても、お前の事だものなあ、なんて言われると、何だか使わないと悪いような、期待にそむくような、へんな錯覚が起って、必ずすぐにそのお金を使ってしまうのでした)その中毒不安のため、かえって薬品をたくさん求めるようになったのでした。

「たのむ! もう一箱。勘定は月末にきっと払いますから

勘定なんて、いつでもかまいませんけど、警察のほうが、うるさいのでねえ」

 ああ、いつでも自分の周囲には、何やら、濁って暗く、うさん臭い日蔭者の気配がつきまとうのです。

「そこを何とか、ごまかして、たのむよ、奥さんキスしてあげよう」

 奥さんは、顔を赤らめます

 自分は、いよいよつけ込み、

「薬が無いと仕事がちっとも、はかどらないんだよ。僕には、あれは強精剤みたいなものなんだ」

「それじゃ、いっそ、ホルモン注射がいいでしょう」

「ばかにしちゃいけません。お酒か、そうでなければ、あの薬か、どっちかで無ければ仕事が出来ないんだ」

お酒は、いけません」

「そうでしょう? 僕はね、あの薬を使うようになってからお酒は一滴も飲まなかった。おかげで、からだの調子が、とてもいいんだ。僕だっていつまでも、下手くそ漫画などをかいているつもりは無い、これから、酒をやめて、からだを直して、勉強して、きっと偉い絵画きになって見せる。いまが大事なところなんだ。だからさ、ね、おねがいキスしてあげようか」

 奥さんは笑い出し、

「困るわねえ。中毒になっても知りませんよ」

 コトコトと松葉杖の音をさせて、その薬品を棚から取り出し、

「一箱は、あげられませんよ。すぐ使ってしまうのだもの。半分ね」

ケチだなあ、まあ、仕方が無いや」

 家へ帰って、すぐに一本、注射します。

「痛くないんですか?」

 ヨシ子は、おどおど自分にたずねます

「それあ痛いさ。でも、仕事の能率をあげるためには、いやでもこれをやらなければいけないんだ。僕はこの頃、とても元気だろう? さあ、仕事だ。仕事仕事

 とはしゃぐのです。

 深夜、薬屋の戸をたたいた事もありました。寝巻姿で、コトコト松葉杖をついて出て来た奥さんに、いきなり抱きついてキスして、泣く真似をしました。

 奥さんは、黙って自分に一箱、手渡しました。

 薬品もまた、焼酎同様、いや、それ以上に、いまわしく不潔なものだと、つくづく思い知った時には、既に自分は完全な中毒患者になっていました。真に、恥知らずの極きわみでした。自分はその薬品を得たいばかりに、またも春画のコピイをはじめ、そうして、あの薬屋の不具の奥さん文字どおりの醜関係をさえ結びました。

 死にたい、いっそ、死にたい、もう取返しがつかないんだ、どんな事をしても、何をしても、駄目になるだけなんだ、恥の上塗りをするだけなんだ、自転車で青葉の滝など、自分には望むべくも無いんだ、ただけがらわしい罪にあさましい罪が重なり、苦悩が増大し強烈になるだけなんだ、死にたい、死ななければならぬ、生きているのが罪の種なのだ、などと思いつめても、やっぱり、アパートと薬屋の間を半狂乱の姿で往復しているばかりなのでした。

 いくら仕事をしても、薬の使用量もしたがってふえているので、薬代の借りがおそろしいほどの額にのぼり、奥さんは、自分の顔を見ると涙を浮べ、自分も涙を流しました。

 地獄

 この地獄からのがれるための最後の手段、これが失敗したら、あとはもう首をくくるばかりだ、という神の存在を賭かけるほどの決意を以もって、自分は、故郷の父あてに長い手紙を書いて、自分の実情一さいを(女の事は、さすがに書けませんでしたが)告白する事にしました。

 しかし、結果は一そう悪く、待てど暮せど何の返事も無く、自分はその焦燥と不安のために、かえって薬の量をふやしてしまいました。

 今夜、十本、一気に注射し、そうして大川に飛び込もうと、ひそかに覚悟を極めたその日の午後、ヒラメが、悪魔の勘で嗅かぎつけたみたいに、堀木を連れてあらわれました。

「お前は、喀血したんだってな」

 堀木は、自分の前にあぐらをかいてそう言い、いままで見た事も無いくらいに優しく微笑ほほえみました。その優しい微笑が、ありがたくて、うれしくて、自分はつい顔をそむけて涙を流しました。そうして彼のその優しい微笑一つで、自分は完全に打ち破られ、葬り去られてしまったのです。

 自分自動車に乗せられました。とにかく入院しなければならぬ、あとは自分たちにまかせなさい、とヒラメも、しんみりした口調で、(それは慈悲深いとでも形容したいほど、もの静かな口調でした)自分にすすめ、自分意志判断も何も無い者の如く、ただメソメソ泣きながら唯々諾々と二人の言いつけに従うのでした。ヨシ子もいれて四人、自分たちは、ずいぶん永いこと自動車にゆられ、あたりが薄暗くなった頃、森の中の大きい病院の、玄関に到着しました。

 サナトリアムとばかり思っていました。

 自分若い医師のいやに物やわらかな、鄭重ていちょうな診察を受け、それから医師は、

「まあ、しばらくここで静養するんですね」

 と、まるで、はにかむように微笑して言い、ヒラメと堀木とヨシ子は、自分ひとりを置いて帰ることになりましたが、ヨシ子は着換の衣類をいれてある風呂敷包を自分に手渡し、それから黙って帯の間から注射器と使い残りのあの薬品差ししました。やはり、強精剤だとばかり思っていたのでしょうか。

「いや、もう要らない」

 実に、珍らしい事でした。すすめられて、それを拒否したのは、自分のそれまでの生涯に於いて、その時ただ一度、といっても過言でないくらいなのです。自分の不幸は、拒否能力の無い者の不幸でした。すすめられて拒否すると、相手の心にも自分の心にも、永遠に修繕し得ない白々しいひび割れが出来るような恐怖におびやかされているのでした。けれども、自分はその時、あれほど半狂乱になって求めていたモルヒネを、実に自然拒否しました。ヨシ子の謂わば「神の如き無智」に撃たれたのでしょうか。自分は、あの瞬間、すでに中毒でなくなっていたのではないでしょうか。

 けれども、自分それからすぐに、あのはにかむような微笑をする若い医師に案内せられ、或る病棟にいれられて、ガチャンと鍵かぎをおろされました。脳病院でした。

 女のいないところへ行くという、あのジアールを飲んだ時の自分の愚かなうわごとが、まことに奇妙に実現せられたわけでした。その病棟には、男の狂人ばかりで、看護人も男でしたし、女はひとりもいませんでした。

 いまはもう自分は、罪人どころではなく、狂人でした。いいえ、断じて自分は狂ってなどいなかったのです。一瞬間といえども、狂った事は無いんです。けれども、ああ、狂人は、たいてい自分の事をそう言うものだそうです。つまり、この病院にいれられた者は気違い、いれられなかった者は、ノーマルという事になるようです。

 神に問う。無抵抗は罪なりや?

 堀木のあの不思議な美しい微笑に自分は泣き、判断抵抗も忘れて自動車に乗り、そうしてここに連れて来られて、狂人という事になりました。いまに、ここから出ても、自分はやっぱり狂人、いや、癈人はいじんという刻印を額に打たれる事でしょう。

 人間、失格。

Permalink |記事への反応(1) | 20:41

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2025-06-17

発達が好きなYoutuber

いちょう

チケ

あとひとつは?

Permalink |記事への反応(1) | 16:06

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2025-06-16

普通の人「レベルアップですぜ あんたもせいちょうしたもんだ」

卑怯者の脳がクサマンレベルダウンですぜ あんたもせいちょうがないもんだ」

受け子の豚の人生はこうなる

Permalink |記事への反応(1) | 02:10

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2025-05-30

陰茎重複症(いんけいちょうふくしょう)の画像を見た

明らかに奇形でかわいそうなのもあれば、立派に2本あるのもあった

自叙伝を残した人では同時に2人を相手したこともあるようだ

Permalink |記事への反応(1) | 21:00

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2025-05-21

大学群 ちょうきゅうめいちょうすけ

長崎

九州大

立命館アジア太平洋

長崎立大

佐賀

Permalink |記事への反応(0) | 07:13

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2025-04-12

anond:20250411125922

平ら派にはREDMAGIC 10 Proオススメ

いちょうさんもベタ惚れしてたな

Permalink |記事への反応(0) | 02:49

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2025-03-16

anond:20250316213514

マジで理解できないんだけど、人が稼いだ金なのに給料いからとかその程度の理由で「自分に使われて然るべき」って考えに至るのなんなん?

やっぱり人の家に行ってトイレットペーパーいっぱいあったりしたら「いっぱいあるんだから1個くらいちょうだいよw」とかぬかしてるわけ?

Permalink |記事への反応(1) | 23:17

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2025-03-10

iPhone 16e自爆レビュー前評判が悪すぎる”格安機(10万円)”を1週間マジ実用。触って分かった「良い点」と「ダメな点」をぶっちゃける。https://www.youtube.com/watch?v=0QDrAmBeUa8  (byいちょう)

やっぱ全体的にビミョーじゃね?

レビュワーAndroidとの比較不毛っつってるから触れないけど

iPhone内でもこのビミョーさならもう2.5万円積んで無印買ったほうが絶対いいだろ

iPhone以外の選択肢を取れない物覚えの悪い老人向けって感じだな

軽くて電池持ちのいい最新iPhoneがいい、ほかは気にしないというか、小難しいことは分からんし気づかんから少しでも安くっていう鈍感な人なら勧められるが

あとちょっと上を見ればこれだけ快適になりますよと唆すための機種って感じがする

なんか初代SEをずっと使い続けてきたような人だったら乗り換えて満足してるようだけど

上を知らない、テクノロジーに対する欲のない人だからこそって感じだよな

Permalink |記事への反応(3) | 19:43

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2025-02-16

アマプラ】この動画再生できません

トリック色々ガバいけど面白いからヨシ!

・一部のラストは驚いたし主演2人の空気感休みの日にゆったり流すのにすごいちょうどよかった

・2期の若者2人回の前半の「こいつら色々大丈夫か」感から真相明かしてからの温もり感、すごい好き(「お前のこと心配なんだよ」の声かけの感じすごい好き)

Permalink |記事への反応(0) | 16:40

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2025-01-15

anond:20250115141354

じゃあお前は金で産まれ子どもなんですね

愛されてないんだ

かわいちょう😢

Permalink |記事への反応(0) | 14:15

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2024-12-28

anond:20241228234212

モテないの?

かわいちょうなちんさん…🥺

Permalink |記事への反応(0) | 23:45

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2024-12-23

anond:20241223193844

図星突かれて傷ついちゃったアンフェかわいちょう😢

学生時代からそんな感じだもんね、、、

Permalink |記事への反応(1) | 19:40

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2024-12-22

anond:20241221164655

砂糖 大さじ5杯、酢 大さじ3杯、塩 小さじ1杯。

これをこれを沸騰させないよう火で温めると、いわゆる 「すし酢」 ができるんだが、大根なます切り、もしくはいちょう切り、柚子1個を下ごしらえ(果汁は絞ってタネを取り出し、果皮は刻む)したものと合わせて丸々瓶に入れて大根を漬ける。

1日くらい漬けたら、大根は風味付けなので捨てて(食っても美味いけど)、使う前に醤油を足せば、特製ポン酢の出来上がり。

まろやかな酢と柚子香りが、水炊きを格別なものにしてくれるさ。


なお、大根柚子酢漬けを作った汁でポン酢作ってみたのが、レシピの由来。

その場合は先に大根を下ごしらえ(軽く塩振って揉みこみ、1時間くらい放置して水洗いし、水を切る)しとくと、薄くスライスしていれば 「大根柚子酢漬け」、いちょう切りしていたら 「ゆず大根甘酢漬け」、なます切りしていたら 「なます大根」 と呼ぶらしいよ。

ちなみに大根から水がでて漬け汁が薄まるので、追加で漬けることは不可。

Permalink |記事への反応(0) | 10:53

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2024-12-11

anond:20241211202112

いちょうにおことわりいたしま

Permalink |記事への反応(0) | 20:22

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