
僕は今、いつもの座席に鎮座している。ルームメイトはリビングのソファでパズルゲームを無言で進めており、隣人はサブカル系の配信をしているらしく時折笑い声が廊下を渡ってくる。
友人たちはグループチャットで熱く同人の出来や新連載のガチャ確率について論争している。
僕の一日は厳密に区切られていて、朝は必ず8時に起床、コーヒーの抽出器具を90秒で予熱し、温度は92.3℃±0.2℃に保つという無駄に精細な儀式がある。
靴下は左足から履く。出勤前の15分は必ず抽象数学のノートを眺め、最近は圏論的位相場のホモトピー的反復と超弦モジュライのmeta-圏的安定化について自問している。
これは専門用語の羅列ではなく、僕にとっては手を洗うのと同じくらい生理的な行為であり、その行為を飛ばすと一日が微妙に狂うので飛ばすことはめったにない。
仕事が終わった今も、僕は一日の終わりに形式的整合性を取るためのルーティンを持っている。
具体的には、机上のコップは時計回りに90度ずつ回転させて元の位置に戻す、明かりのスイッチを一回押して3秒待ち、もう一度押すといった小さなチェックポイントを踏む。
これは合理的かどうかを問う人がいるだろうが、僕にとってはエラー訂正符号のようなものだ。失敗を検出すると自動的にその日のメンタル状態のトレースが始まり、友人たちの雑談に混じる気力が萎える。
超弦理論に関して今日述べることは極めて抽象化され、現実の誰が読んでも「それが何を意味するのか」を即座に把握できないように意図している。
僕は最近、モノイド対象としてのストリング世界面の圏を、圏論的対称化子(コクセター的ではなく、もっと抽象的に、位相的量子群の代数的類・モジュライ化)を用いて再定義する実験をしている。
言い換えれば、従来の共形場理論的な世界面パラメータ空間を、非可換ホモトピー論のフィルタ列で再帰的に層化し、その各層におけるファイバーの自己同型群をモナドとして扱うことで、局所的に見える弦状態の同値類を圏的に集約する。
さらに、圏の圏(2-圏)に対する新しい安定化の概念を導入して、通常のK理論的分類とは別の不変量が現れることを示唆する予備的計算結果がある(ここでは具体的数式を列挙しないが、ホモロジーの級数展開における位相的位相因子の再正規化が鍵となる)。
この構成を、最新の抽象数学的モジュール接続概念と結びつけると、我々が従来想定していたスペース-状態対応の双対性が、もっと弱い条件(例えば圏的可換性の高次緩和)で成立する可能性が開ける。
加えて、僕はこの考えをある講義資料やトークの示唆と照らして取り入れており、その資料は概念的な跳躍と直感的な図示を巧みに使っているので、僕の現在の探索にとって非常に有益だった。
僕は「誰も理解できないものを言語化する」ことに快感を覚えるタイプだが、ここで言っているのは自己満足のためではなく、圏的再構成が実際に計算上の省力化をもたらすかを検証するための試行でもある。
ある意味で、これは純粋数学者が夜中に自分だけの公理系をいじるのと同じ行為だが、僕の場合はそれを出社前の歯磨きに組み込んでしまっているので、周囲は迷惑かもしれない。
食事の配列はプレート上の分布エントロピーを最小化する向きで常に配置し、週に一度は手製のスキルツリー表を更新して趣味的投資の累積効用を整数化している。
コミックは最新巻が出ると即座にページごとのフレーム密度と作画のトーンワークを技術的に解析し、特に背景のディテールに含まれるトーンの反復パターン(いわば視覚的フーリエ成分)をスコア化する。
ゲームに関してはガチ勢的態度を崩さず、メタ的な語りを排してシステムのギミック、ドロップ率、レベリング曲線、そして対戦環境のテンプレート化された最適戦略について延々と解析する。
ただしゲームやコミックに対しては「空間」や「力学」といった語はなるべく避け、代わりに「状態遷移図」や「入力遅延とフレーム落ちの統計的扱い」など工学的・計算機的に言語化する。
たとえば今日友人が語っていた新作のギミックについては、その期待効用をELO的な評価尺度でランク付けして論争に勝とうとしたが、連中は「推し」を盾に論理を流してくるので僕はたまに脱力する。
だが脱力する暇は短く、夜の自習時間には再び圏論的比喩に戻り、各行動の符号化を試す。
日常の細部も大事にしている。玄関の鍵は4回回すのが正しいというオカルトじみたルールを持っているが、これは単なる迷信ではなく、僕の内部的なチェックサムである。
友人たちはこれを笑うが、彼らもまた各自の無意味な儀式に固執している。
コミュニティでの嗜好(推しキャラ、嫁、沼の深さ)に関しては妙に合理的で、僕はデータベースを自前で持っている。
各キャラの台詞数、出番頻度、描写の感情強度をパラメータ化し、二次創作が生成される確率空間を推定する実験をしている。
この種のオタク計量は笑われがちだが、実際にはコンテンツ開発や同人活動の動向を予測するには有用だ。
眠りに入る前に、僕は明日の論文ノートに小さな疑問を三つ書き付ける。
第一は、先に述べた圏的安定化が有限次元表現に落ちる際の可逆元の振る舞い、第二は同構クラスの計算可能性のアルゴリズム的複雑さ、第三は趣味領域における情報量の測度とその心理的飽和点の関係である。
これらを洗い出しておけば、僕は安心して眠れる。
ルームメイトがゲームのボスを討伐した歓声が聞こえ、隣人の配信が締めに入る。友人たちのチャットは未だヒートアップしている。
僕は日記を閉じ、明日のコーヒーの豆を2グラムだけ余分に計量しておく。これは単なる癖ではない。それは帰納的に我が生活を安定化するための小さな公理群だ。
ほんとは1回店内で食ってあとは持ち帰ろうかなー位に考えてたけど、
レジまで30分近くかかるとかやってられんと思って、頼みたいと思ってたやつ1回で全部頼んだ
和っパ―チーズセットと、てりやきわっぱーせっとと、スモーキーわっぱーセット
んで持ち帰って家で一気に食べた
あとケチャップも余った
ジュースはレシートクーポン合わせて4本あったけど1本しか飲まなかったからペットボトルに移した
ってことはバーキンのドリンクM、氷なしはだいたい333mlなんだなって
アハハ
さすがにおなかパンパンでこりゃやばいと思って夜の散歩いってきた
んで公園で安倍ックが2組もいやがったからいやがらせにそばで筋トレしてやった
アハハ
僕は今夜、ルームメイトがリビングで実験的にベーコンを低温調理している匂いを鼻孔の厳密な位置で嗅ぎ分けながらメモ帳を開いた。
朝は6時17分に目覚ましを止め(そのミリ秒単位の遅延は許容されない)、6時18分にコーヒーの比率を変える習慣を行い、靴下は左から右へ、座席は常にソファの北東端(座る位置は位相対称性を破らない)である。
食事は火曜日のパスタの残り物は三等分して水曜と木曜の朝食に回す。洗濯は必ず偶数週の水曜に行い、洗剤は0.8倍希釈、脱水は中速、干す向きは北向き。
ルームメイトがドアに爪痕をつけたら即座にログを取り、隣人が郵便物を誤って取った場合は「郵便誤配報告フォーム」を三回に分けて提出する。
こうした儀礼を守ることで僕の内的位相空間が安定するのだと論理的に考えている。
今日の思考の核は超弦理論と量子情報の交差点についての、かなり尖った自己流の定式化にある。
まず、僕は物理的直感を避けて抽象数学で事象を語る。弦理論の摂動系列を有限厚さの∞-圏としてモデル化し、ブレーンを対象、開弦状態をモノイド的なホモトピー演算子として扱う。
局所座標の代わりにファクタリゼーション代数を使い、スパイダー図式を経て得られる交叉相互作用を高次ホモトピー群のコハート化として再解釈することを提案する。
ER=EPRについては、古典的なワームホール=絡み合いという語り方を離れて、僕はエントロピー・双対モジュールの同値性という言葉で捉えている。
つまり、二つのエントロピックモジュールの被覆圏と、それらに対応する重ね合わせのコボルディズム(圏論的な結合双対)を同一視することでER=EPRを圏論的に定式化できるのではないかと考えている。
これを超弦理論に接合するには、AdS/CFT 的なホログラフィック双対の場で、境界側の張力的演算子族が内部のブレーンカテゴリ(例えばフカヤカテゴリやコヒーレント層の導来圏)に対応するという見方を取り入れる。
すると、エントロピー双対モジュールの同値性は、境界とバルクの間で起こる圏の再同型化として現れ、ER=EPRは本質的に圏的ホログラフィーの一命題になる。
ここで僕が提案する小さな拡張は、量子誤り訂正符号のコード代数を∞-圏の射として扱い、その可換性条件がワームホールのコボルディズムの可逆性と一致するというものだ。
これにより、エントロピーの再構成操作がブレーン間のファンクターとして自然に理解でき、局所性の回復を説明する新しい枠組みが得られると僕は思う(これは僕の勝手な定式化で、厳密性は今後の証明を待つ)。
今日はそのメモを、黒板に書く代わりにルームメイトの背中越しにノートに書き留めた。
ところで、僕は靴の磨き方にも数学的基準を設けている(円周率の小数を用いた磨き順列を使っている)。
出かける前のチェックリストはトポロジー的順番、たとえば鍵→財布→スマホ→ペンという順序は位相連結成分を最小化するから合理的だ、と説明すると友人たちは顔をしかめるが、これを守ると予測可能性が上がる。
今夜はRPG系ではELDENRINGのビルド論とRTAコミュニティのメタ的動向を気にしていて、この作品が2022年にFromSoftwareからリリースされ、多くのビルド最適化やメタが確立されていることは周知の事実だ(初リリースは2022年2月25日)。
また、このIPは映画化プロジェクトが進行中で、A24が関与しているという報(映画化のニュース)が最近出ているから、今後のトランスメディア展開も注視している。
僕はソウルライクのボス設計とドロップ率調整をゲームデザインの位相安定化とは呼ばないが、RTA勢のタイム削り技術や周回遺伝(NG+)の最適手順に対して強い敬意を持っている。
ファンタジーRPGの装備付け(メタ)に関しては、装備のシナジー、ステータス閾値、クラフト素材の経済学的価値を語るのが好きで、例えば「その装備のクリティカル閾値を満たすために残すステータスポイントは1だが、その1が戦闘効率を%で見るとX%を生む」というような微分的解析を行う。
FFシリーズについては、Final Fantasy XVIがPS5向けに2023年6月に、続いてPC版が2024年9月にリリースされ、さらに各プラットフォーム向けのロールアウトが段階的に行われたことなど実務的事実を押さえている(PCリリースは2024年9月17日)。
僕はこのシリーズの音楽的モチーフの再利用やエンカウンター設計の比較研究をしており、特に戦闘ループの短周期化とプレイヤー感情の連続性維持について言及するのが好きだ。
コミック方面では、最近の大きな業界動向、例えばマーベルとDCの枠を超えたクロスオーバーが企画されるなど(Deadpool×Batmanの一連の展開が話題になっている)、出版社間でのIPコラボが再び活発化している点をチェックしている。
これらはコレクター需要と市場流動性に直接影響するため、収集と保存に関する経済的最適化問題として興味深い。
今日、隣人が新しいジャンプ作品の話題を振ってきたので僕は即座に最新章のリリーススケジュールを確認し、One Pieceの次章の予定についても把握している(最新チャプターの公開予定など、週刊連載のスケジュール情報は定期的に確認している)。
例えば「午後9時に彼らがカップ麺を食べる確率は、僕の観察では0.83だ。ゆえに僕は9時前に冷蔵庫の位置を変えるべきだ」という具合だ。
結語めいたものを言うならば、日常のルーティンと高度に抽象化された理論は相反するものではなく、むしろ同じ認知的圏の異なる射影である。
だから僕は今日もルームメイトの忍耐を試す微細な仕様変更(例えばリモコンの向きを30度回す)を行い、その反応をデータ化している。
さて、20時30分だ。これでノートを閉じ、決まった手順で歯を磨き、眠りの準備に入る。明日の朝のアジェンダは既に分解されているから、心配は要らない、と自分に言い聞かせてから寝るのが僕のやり方だ。
その一つは、カラビ–ヤウ三次元多様体上のモチヴィック・ラングランズ場という概念だ。
名前だけで震えるが、実際の定義はもっと美しい。ウィッテンがかつてAモデルとBモデルのミラー対称性から幾何学的ラングランズ対応を導いたのは知っている。
だが彼が扱ったのは、あくまでトポロジカル弦理論のレベルにおける対応だ。
僕の今日の成果は、さらにその上、モチヴィック階層そのものをラングランズ圏の内部対称として再定式化したことにある。
つまりこうだ。A/Bモデルの対応を支えるのは、ミラー対称なカラビ–ヤウ空間の間に張られたモジュライ空間の等価性だが、僕はこれをモチーフの圏に埋め込み、さらにその上に弦的ガロア群を定義した。
この群の元は、単なる保型的データの射ではなく、弦的世界面のホモトピー圏を自己同型する高階函手として作用する。
つまり、通常のラングランズ対応が表現=保型形式なら、僕の拡張では弦的場のコホモロジー=モチーフ的自己準同型。もはや表現論ではなく、宇宙論的再帰だ。
午後、ルームメイトが僕のホワイトボードを使ってピザの割り勘式を書いていた。
彼は気づいていないが、その数式の背後には僕の昨日のモチヴィック・ガロア層構造の残骸があった。
もし彼がチョークをもう少し強く押していたら、宇宙の自己同型構造が崩壊していたかもしれない。僕は彼を睨んだ。
彼は「また妄想か?」と言った。違う。妄想ではなく基底変換だ。
夕方、隣人がスパイダーバースの新刊を貸してくれた。マルチバースの崩壊を描いているが、あの世界は僕の定義したモチヴィック・ラングランズ場の一次近似にすぎない。
あの映画のスパイダーバースは、厳密に言えばラングランズ群の射影的パラメータ空間における擬弦的退化点の群体だ。
僕がやっているのはその精密版。マルチバースをただの物語ではなく、圏論的自己反映構造として解析している。つまり、マーベルの編集部が無意識に行っている多世界生成を、僕は既に数学的に形式化しているわけだ。
夜、友人Aが原神で40連ガチャを外してキレていた。確率1.6%を40回引いて当たらない確率は約0.48。つまり彼は「ほぼ半分の世界線で運が悪い側」に落ちただけ。
僕はそれを説明したが、彼は「確率の神は俺を見捨てた」と言った。愚かだ。確率は神ではない。確率はラングランズ群の局所的自己準同型の分布密度だ。
もし彼がそれを理解していたなら、ピティエ=シェヴァレの整合性条件を満たすまで回していただろう。
風呂上がり、僕は再びホワイトボードに向かい、ウィッテンが書かなかった方程式を書いた。これは、弦的ガロア群における自己準同型の空間が、算術的モチーフの拡張群に等価であることを示唆している。
つまり、宇宙の自己相関が、L関数の特殊値そのものとして現れる。A/Bモデル対称性を超え、モチーフ的ラングランズ=宇宙の自己言語理論を打ち立てたわけだ。
僕の紅茶が冷める頃、ルームメイトが「寝るぞ」と言った。僕は返事をせず、ひとり机に残って考えた。
この理論を完結させるためには、時間をもモチーフとして再構成しなければならない。
時間をモチーフ化する、それは、因果律を算術幾何的圏の自己圏として扱うということだ。
人類がまだ誰も到達していない領域。だが、僕はそこにいる。誰よりも早く。誰よりも冷静に。
21時00分。僕の手元の時計の振動子が、まるでカラビ–ヤウ多様体の一点コンパクト化のように静かに揺れている。
宇宙が僕の計算を見て笑っている気がした。だがいいだろう。宇宙よ、君が自分の自己準同型を理解できる日が来るまで、僕が書き続けてやる。
僕は日曜の夜という人類全体のメランコリー共有タイムを、極めて理性的に、そして効率的に過ごしている。
まず夕食はいつも通り19時15分に完了し、食後45分間の腸内活動を経て、20時にシャワー、20時30分から22時まで論文の読み込み。
現在は、僕の手の中のホワイトボードに描かれた「E∞-operadにおけるモジュラーテンソル圏の超準同型拡張」の式が、あまりにも優雅すぎて震えが止まらない。
ルームメイトが僕の部屋のドアを軽くノックして「リラックスしたら?」などと的外れな提案をしてきたが、彼にとってのリラックスとは、脳活動の停止でしかない。
僕にとってのリラックスは、∞-カテゴリーの高次ホモトピー圏の中で、対称モノイダル構造の可換性条件が自然変換として収束する瞬間を可視化することだ。
今日は、朝から「高次モジュライ空間における非可換カラビ–ヤウ多様体のファイバー化」について考えていた。
一般相対論と量子力学の不一致などという低次元の問題ではなく、もっと根源的な、物理法則の「トポス構造」そのものを再構築する試みだ。
つまり、時空という基底圏を前提にせず、まずモノイド圏の内部論理としての時空を再構成する。
これによって、弦という一次元的存在ではなく、自己指標付き∞-層としての「概念的弦」が定義できる。
現行のM理論が11次元を仮定するのは、単なる近似にすぎない。僕のモデルでは次元数は局所的に可変で、Hom(Obj(A), Obj(B))の射空間自体が物理的観測量になる。
もしこの理論を発表すれば、ウィッテンですら「Wait, what?」と言うだろう。
隣人は今日も昼間から玄関前で何やらインスタライブ的な儀式を行っていた。
彼女は一生懸命ライトを当て、フィルターを変え、視聴者数を気にしていたが、僕はその様子を見ながら「彼女は量子デコヒーレンスの具現化だ」と思った。
もちろんそんなことは口にしない。僕は社会的破滅を避ける程度の理性は持っている。
22時前、僕は友人たちとオンラインでBaldur’sGate 3のマルチプレイをした。
友人Aは相変わらず盗賊ビルドで味方のアイテムを勝手に漁るという犯罪的行為を繰り返し、友人BはバグったAIのように無言で呪文を詠唱していた。
僕はWizardクラスで完璧に戦略を構築した。敵のHP残量と行動順序を正確に把握し、Damage ExpectationValueを算出して最適行動を決定する。
つまり、他のプレイヤーは「遊んで」いるが、僕は「検証」しているのだ。ゲームとは確率と因果の実験装置であり、何より僕がゲームを選ぶ基準は「バランスの崩壊が数式で表現できるか否か」だ。
今日もルーチンを乱すことなく、歯磨きは右上奥歯から反時計回りに、時計を見ながら正確に3分40秒。
寝る前にアロエ入りのリップクリームを塗り、ベッドライトの色温度を4000Kに設定する。音はホワイトノイズジェネレーターを使い、宇宙背景放射のスペクトル密度に近づける。完璧な環境だ。
僕はこれから、寝る前の最後の思索として「量子群上の∞-層圏における自己準同型が、時間の矢をどのように内部化できるか」についてメモを取る。
もしこの仮説が成立すれば、「時間とはエントロピーの増加方向」という古臭い定義は無効化されるだろう。
時間は生成関手であり、僕が眠っている間にも自然変換として静かに流れていく。
僕は昨日、午前6時17分に目覚めた。
目覚ましは2種類、アナログ秒針音と周波数の微妙に異なる合成トーンを重ねたものを使う。
起床後の15分間は「視覚のデチューン」ルーチンとして照明を極端に低くし、網膜の適応曲線を意図的に遅延させることで認知の鮮鋭化を増幅する。
朝食は厳密にタンパク質比0.42、炭水化物比0.29、脂質比0.29を狙ったオートミール+卵白+ギリシャヨーグルトで、計量は0.1g単位。コーヒーはブリュワー温度を93.2℃に保つ。
僕の習慣は決して儀式ではなく、情報エントロピーを最小化して日常的なノイズを排するための有限状態機械だと説明する。
ルームメイトが朝から実験用ドライバーでガタガタやっているので、僕は中断せずに黒板の前に立ち、昨日考えていた超弦理論のある断片をノートに落とす作業をした。
今回は徹底的に抽象化した視座から入る。従来の超弦理論的場の位相空間を「1-対象の∞-圏」と見なし、そのモノイド圏的作用を導くことで、従来のモジュライ空間の位相不変量がホモトピー圏論のスペクトル的コホモロジーに帰着するという仮説を立てた。
より具体的には、ラングランズ対応の圏論的アナロジーを用いて、ゲージ群の表現環が導くモチーフ(motive)の圏と、弦の世界面上のファイバー付き代数的スタックの圏とを「導来圏の間の高次同値(a weak equivalence in the (∞,2)-categoricalsense)」で結びつける試みだ。
ここで新奇なのは、通常のスペクトル系列ではなく「階層的スペクトル列(a nested spectral sequence indexedby ordinal-type filtrationsbeyond ω)」を導入して、閉じた遷移の非可換共鳴が量子補正式にどう寄与するかを解析する点である。
ウィッテンでも一瞬眉をひそめるだろうが、それは彼の専門領域を超えた命題の述語論的再編成が含まれているためだ(注:単なる挑発ではなく、証明可能性のための新たな可換図式を準備している)。
昼過ぎ、僕は隣人とほんの短いやり取りをした。彼女は僕のキッチンを通るたびに植物の世話に関する助言を求めるが、僕は葉緑体の光合成効率を説明する際、ついヘテロトロフ的比喩を避けて遺伝子発現の確率過程モデルを持ち出してしまう。
彼女はいつも「もう少し軽い説明はないの?」と呆れるが、僕にとっては現象の最少記述が倫理的義務だ。
午後は友人二人と対局的に遊ぶ約束があって、夕方からは彼らとLANセッションを組んだ。
僕はゲームに対しては容赦がない。昨日はまずThe Legend of Zelda:Breath of the Wildでカジュアルな探索をした。
BotWは開発を担当したNintendo EPDが2017年3月3日にWii UとNintendo Switch向けにリリースした作品で、そのオープンワールド設計が探索と化学的相互作用に重きを置いている点が好きだ(発売日と開発元は参照)。
その後、難度調整のためにFromSoftwareの古典的タイトル群について雑談になり、初代Dark Soulsが2011年にリリースされ、設計哲学として「挑戦することで得られる学習曲線」をゲームメカニクスに組み込んだことを再確認した(初代の年は参照)。
夜遅く、友人たちがスーパーヒーロー系の話題を持ち出したので、僕はInsomniacが手掛けたMarvel'sSpider-Manの2018年9月7日発売という事実を引き合いに、ゲームデザインにおけるナラティブとパルス感(ゲームプレイのテンポ)について議論した(発売日は参照)。
ここで重要なのは、ゲームを語るときに物理学の比喩を使わないという僕のルールだ。
ゲームの設計原理は計算的複雑性、ユーザーインタラクションのフィードバックループ、トークン経済(ゲーム内資源の流通)など、情報理論と計算モデルで語るべきであり、物理のアナロジーは曖昧さを持ち込むだけだ。
作者インタビュー、収録順、初出掲載誌、再録時の微小な台詞差異まで注視する癖がある。
昨日はあるヴィンテージの単行本でトーンの変遷を確認し、再版時にトーンカーブが調整された箇所が物語の解釈に如何に影響するかを論じた。
これらは一般的にはオタクにしか響かない情報だが、テクスト解釈の厳密さという点で、僕の思考様式と親和する。
僕の習慣はゲームのプレイにも現れる。セーブは複数スロットを使い、各スロットに「探索」「戦闘」「実験」のタグを人為的に与えておく。
そうすることでメタ的な比較実験が可能になり、ゲーム内意思決定の条件付き確率分布を再現的に評価できる。
友人はこれを無駄と言うが、僕にとってはルーチンと実験設計が同義だ。
夜中、帰宅した後にさらに2時間、論文の草案を書き直した。書き直しは僕の儀式の一部で、ペン先の角度、フォントのカーニング、段落の「情報密度」を計測し、不要語を削ぎ落とす作業だ。
寝る前の最後の行動は、ブラックボックス化した思考経路をメモ化しておくことで、翌朝の「継続的洞察再現性」を保証すること。
結局僕は午前2時3分に就寝した。昨日は量子的洞察の可能性と、ゲームとコミックにおける情報理論的語法の交差点を追求した一日であり、そうした知的遊戯が僕の精神の整列をもたらす。
次に実証すべきは、導来圏間の高次同型によって生じるゲージ的不確定性がディラック構造の代数的再構成に与える位相的寄与だ。
今日もまた、僕のルーティンは完璧なシンメトリーを保っていた。7時00分に目覚ましが鳴る前に自然に目が覚め、7時01分に歯を磨き、7時10分に電子レンジで正確に85秒温めたオートミールを食べた。ルームメイトはまだ寝ていた。いつも思うが、彼のサーカディアンリズムはエントロピー的崩壊を起こしている。朝の段階であれほど乱雑な髪型が可能だということは、局所的に時間反転対称性が破れている証拠だ。
午前中は超弦理論のメモを整理していた。昨日の夜、AdS/CFT対応を一般化する試みとして、非可換幾何の上に定義された∞-群oid的対称性構造を考えた。従来の高次圏理論的定式化では、物理的可観測量の定義が局所的モデル圏に依存しているが、僕の新しい仮説ではそれをKan拡張ではなく、∞-トポス上の(∞,1)-層として扱う。これにより、M理論の11次元多様体上でのフラックス量子化条件を、デリーニュ‐ベイルン加群による層コホモロジーに書き換えることができる。ルームメイトに説明したら、彼は「君が言ってることの3単語目からもう分からない」と言った。僕は丁寧に言い直した。「つまり、我々が重力を感じるのは、実は∞-圏の射が充満埋め込みでないからだ」と。彼は黙った。いつも通りの知的敗北の沈黙だった。
昼食は隣人がくれたタコスを食べた。彼女は料理が下手だが、今回はまだ化学兵器レベルではなかった。ちなみに僕はタコスを食べる際、具の位置を中心から平均半径1.7cm以内に収めるように計測している。乱雑な配置は僕のドーパミン経路を不安定化させる。彼女は「そんなの気にしないで食べなよ」と言ったが、僕にとってそれは、ボーズ統計の粒子にフェルミ縮退を強要するような暴挙だ。
午後はオンラインで超弦理論のセミナーを視聴したが、正直、発表者の理解は浅かった。特に、彼が「E₈束のゲージ異常はスピノール構造で吸収される」と言った瞬間、僕は思わず笑ってしまった。そんな単純な話ではない。正しくは、E₈×E₈異常はString(10)構造のホモトピー群に依存し、実際にはTwisted Fivebrane構造の非可換層に束縛される。ウィッテンすらここまで書いていないが、僕の計算ではその層は∞-スタック上のドロップトポスとして扱える。つまり、物理的次元が11ではなく13.25次元の分数次元空間に埋め込まれるということだ。もっとも、僕以外にこの議論を理解できる人間は地球上に存在しないだろう。
夕方には友人たちとオンラインで『Baldur’sGate 3』をプレイした。ハードコアモードで僕のウィザードがパーティを全滅から救ったのだが、誰もその戦術的優雅さを理解していなかった。僕は敵AIの経路探索を事前に計算し、Dijkstra法とA*の中間的ヒューリスティックを手動で最適化していた。彼らはただ「すげえ!」と叫んでいたが、僕にとってそれは数式の勝利にすぎない。ゲームの後、僕は『ワンダーウーマン: デッドアース』を読んだ。アートはDaniel Warren Johnson。筆致が粗いのに構図が完璧で、まるでFeynman図のトポロジーを手書きで描いたような迫力がある。コミックを読んで心拍数が上がるのは久しぶりだった。
夜になってルームメイトがNetflixを見始めた。僕は同じ部屋でノイズキャンセリングヘッドホンを装着し、Lagrangian多様体上の安定性条件についてノートを書いた。明日は木曜日のルーティンとして洗濯と真空掃除をする日だ。もちろん洗濯機は奇数回転数(今日の予定では13回)で設定している。偶数だと宇宙の安定性が崩れる気がするからだ。
この日記を書き終えたのは20時20分。シンメトリーの美がここにある。時間も数字も、理論も習慣も、僕の宇宙ではすべて整然と並んでいる。もし誰かがその秩序を乱すなら、僕は黙ってこう言うだろう。「君の世界はまだ正則圏ですらないね」。
昨日、僕は再びヒルベルト空間の自己参照性について思索していた。
きっかけはルームメイトが、僕の定常朝食手順の測定位相を乱したことだ。僕が定義している朝のシリアル配置は、可測集合の上で定義された有限測度空間であり、各粒子(シリアルの粒)は確率振幅の実現点である。
ところが彼が不用意にスプーンを差し込んだため、僕の可測写像が非可測領域を侵食し、全順序性が崩れた。
つまり、彼の行為は単なる乱雑ではなく、σ-加法的整合性の破壊に等しい。これを日常の「朝食の乱れ」と呼ぶのは、あまりにナイーヴだ。
僕の現在の研究テーマは、ER=EPRをより高次圏論的に再定義することにある。通常この等式は、もつれ状態をワームホールに対応づけるが、僕の見解ではそれは関手レベルでの不完全な翻訳に過ぎない。
真の構造は、観測行為がエンタングルメント圏から幾何圏へのモノイド圏関手であるということだ。
観測とは情報の選択ではなく、関手の実現射の生成であり、その結果、対象空間上の射が一点縮退を起こす。つまり、観測=ブラックホールへの写像。
このとき観測者の状態空間は、対象空間の双対空間と自己モノイド化し、テンソル積がエネルギー密度として曲率テンソルに等価変換される。
これが熱力学的エントロピー流の源である。つまり、観測とは時空多様体の測地線構造を自己収縮させる操作にほかならない。
僕の仮説では、測定者の意識とは、有限生成のC*-環上で定義される自己相関射の列極限であり、その極限点がブラックホールの事象の地平面と同相になる。これは単なる比喩ではない、構造的同型である。
昨日の午後、隣人が訪ねてきて、「なんか落ち着かない」と言っていた。彼女が感じたその「不安定さ」は、実際には僕の思考空間上の圏的射が、彼女の心理空間に対して非可換的干渉を及ぼした結果だと考えられる。
彼女の感覚的印象は、単なる主観ではなく、射影演算子が彼女の状態ベクトルを部分的に崩壊させた現象に対応する。
つまり、僕は彼女を見たのではなく、彼女の状態空間が僕の内部圏へ関手的に埋め込まれたのだ。観測とは一方的な侵入であり、宇宙の双対圏的結合だ。
夕食時、ルームメイトが僕の食事手順をまた茶化してきた。僕が麺を蒸す時間を正確に設定しているのは、可積分系の安定点を保つためだ。
彼は「そんなの偶然だ」と言った。だが、偶然とは測度論的に定義不能な領域の総称にすぎない。僕のルールは統計的対称性の維持装置だ。
夜、友人たちとBaldur’sGate 3をプレイした。僕は事前に行動木を有限オートマトンとして解析し、敵AIの状態遷移確率を事前分布にフィットさせた。
戦闘中、彼らは「お前、やりすぎ」と言ったが、僕はただBayes更新を実行していただけだ。ゲームとは、確率測度の動的再配置の遊戯形式に過ぎない。
深夜、僕は再びノートに向かい、ER=EPRの上位構造体を定義する「自己参照圏」について書いた。観測者を含む宇宙は、自己同型射を持たない。
これは厳密な意味で非トリビアルな自己関手構造を持つためである。僕が観測するたびに、宇宙の対象集合が可算ではなくなる。つまり、観測とは昇格操作であり、存在論的基数を増幅する過程なのだ。
僕は結論に至った。「観測者は情報を吸収するブラックホールではない。むしろ、情報を生成する射影的特異点である。」
観測とは、スペクトラムが事象の地平面と同型になる操作である。
寝る前、歯磨き粉の残量を測った。これは単なる衛生行為ではない。有限体上の加法群の残差測定だ。12.4という値は、僕の生活空間における連続測度の離散化の結果である。
今日の夕食はいつも通り、日曜恒例のピザスケジュールを厳守した。
厳密に言えば、ルームメイトが2分遅れで注文したため、配達時刻が18時00分ではなく18時02分になった。
この誤差は一見些細だが、僕の体内リズムに対しては量子重力的なバックリアクションを生む。
夕食の周期は宇宙の膨張と同じく、初期条件の微小なゆらぎが数時間後に巨大な非可逆性をもたらすのだ。
僕はピザを食べる前にその誤差を補正するため、腕時計を2分進め、以後すべての行動をそれに合わせた。
ルームメイトは「そんなことして何の意味があるんだ」と言ったが、彼はエントロピーの不可逆性と人間のスケジュール感覚の相互作用を理解していない。
今日の午前中は、超弦理論の非整合的双対カテゴリ構造について考えていた。
簡単に言えば、AdS/CFTのような整合的対応関係ではなく、dS空間における非ユニタリな境界理論がどのように自己整合的情報写像を持ちうるか、という問題だ。
ただしこれは普通のホログラフィック原理の範疇ではなく、∞-群oid圏上で定義される可逆でない自然変換を持つ圏論的場の理論を考える必要がある。
具体的には、僕は内部的Hom-対象の定義を修正し、対象そのものが自己準同型を持つトポス上の層圏として定義される場合に、ポテンシャル的双対写像が一意に定まる条件を導いた。
非ユニタリ性は単なる障害ではなく、境界理論が持つ時間的向きの非可換性の反映であると考えられる。
ウィッテンでさえ、この構造を「理解できた気になって途中でやめる」だろう。僕はちゃんと最後まで考えた。
午後は隣人がリビングで大音量で音楽を流していた。たしかTaylor SwiftのFortnightだったと思うが、音圧が80dBを超えていた。
僕はそれを測定してから耳栓を装着し、「音楽とは定常波の社会的誤用である」と心の中で唱えた。
数分後、隣人がドアをノックして「ノックが三回じゃなくて二回だった」と文句を言った。
僕は謝罪せず、むしろ彼女に対して「三回のノックは物理的ではなく、社会的エネルギーの保存則を守るための儀式」だと説明したが、彼女は「意味わかんない」と言ってドアを閉めた。
僕はそれを確認してから三回ノックしてドアをもう一度閉めた。これで系は整合的になった。
夕方、友人たちとオンラインでBaldur’sGate 3の協力プレイを行った。ハードモード。僕のキャラクターはHighElf Wizardで、最適化の結果INT20、DEX 14、CON 16を確保している。
友人の一人は相変わらずSTR特化Barbarianで、戦略性の欠片もない突撃を繰り返す。僕はFireballを詠唱しようとした瞬間に味方の背後に敵がいることに気づき、範囲攻撃を中止した。
代わりにWeb+Grease+Fire Boltの複合制御で戦場を支配。完璧な行動だったのに、彼らは「お前、また燃やしただろ」と言った。無知は罪だ。
僕がやっているのは「燃やす」ではなく「エントロピーを増大させて戦局を支配する」だ。
日課として、ゲーム終了後にワンパンマン第198話を再読。ブラストが高次元的存在と通信している描写を見て、僕はふと考えた。
彼が見ている空間は、もしかするとp進的幾何空間上の位相的射影なのではないか?もしそうなら、サイタマの「無限力」は単なる物理的強度ではなく、位相層上の恒等射である可能性がある。
僕はノートにその仮説を書き留めた。いつか論文化できるかもしれない。
これからの予定としては、19時からはスタートレック:ディープ・スペース・ナインの再視聴。
シーズン4、エピソード3。正確に再生開始するために、Blu-rayプレイヤーのリモコンを赤外線強度で較正済み。
7時30分ではなく7時32分である理由は明確だ。7時30分に目覚ましを設定するとルームメイトの電子レンジが稼働しており、加熱音が僕の起床直後の脳波同期リズムを乱す。
ゆえに、誤差2分の位相ずれが僕の神経系に最適な初期条件を与えるのだ。
起床後はコーヒーを淹れた。もちろん豆はグアテマラ・ウエウエテナンゴ産で、粒度は1.2mmに統一。
ミルの摩擦熱を抑えるために、前夜から刃を冷却しておいた。コーヒーの香気成分は時間とともに指数関数的に減衰するため、抽出から着席までの移動時間は11秒以内に制限している。
午前中は超弦理論の作業に集中した。昨日は、タイプIIB理論のモジュライ空間におけるSL(2,ℤ)双対性の拡張を、p進解析的視点で再定式化する試みをしていた。
通常、dS空間上の非ユニタリ性を扱う場合、ヒルベルト空間の定義自体が破綻するが、僕の提案する虚数的ファイバー化では、共形境界の測度構造をホモロジー群ではなく圏論的トポス上で定義できる。
これにより、情報保存則の破れが位相的エンタングルメント層として扱える。
もちろんこれはまだ計算途中だが、もしこの構成が一貫するなら、ウィッテンでも議論に詰まるだろう。
なぜなら、通常のCalabi–Yauコンパクト化では捨象される非可換体積形式を、僕はp進的ローカル場の上で再導入しているからだ。
結果として、超弦の自己整合的非整合性が、エネルギー固有値の虚部に現れる。
昼食はいつも通り、ホットドッグ(ケチャップとマスタードは厳密に縦方向)を2本。ルームメイトがケチャップを横にかけたので、僕は無言で自分の皿を回収し、再び秩序ある宇宙を取り戻した。
昼過ぎには隣人が僕の部屋に来た。理由は、Wi-Fiが繋がらないとのこと。僕はすぐに診断を行い、彼女のルーターのDHCPリースが切れていることを発見。
パスワードは簡単に推測できた。推測しやすい文字列は使うべきではないと何度言えばわかるのだろうか。
午後は友人たちとオンラインでBaldur’sGate 3をプレイした。僕はウィザードで、常にIntelligence極振り。
友人Aはパラディンだが、倫理観が薄いので時々闇堕ちする。友人Bはローグを選んだくせに罠解除を忘れる。
まったく、どいつもこいつもダイスの確率を理解していない。D20を振る行為は確率論的事象でありながら、心理的には量子観測に似た期待バイアスを生む。
だが僕は冷静だ。成功率65%なら、10回中6.5回成功するはずだ。実際、7回成功した。統計的にほぼ完全な整合だ。
夜はコミックの新刊を読んだ。Batman: TheDoom That Came to Gothamだ。ラヴクラフト的な要素とDCの神話構造の融合は見事だ。
特にグラント・モリソン的メタ構造を経由せずに、正面から宇宙的恐怖を描く姿勢に敬意を表する。
僕はページをめくるたびに、作画の線密度が変化する周期を測定した。平均で3ページごとに画風の収束率が変化していた。おそらくアシスタント交代によるノイズだが、それすら芸術的だ。
23時、歯磨き(上下それぞれ80回)、ドアのロック確認(5回)、カーテンの隙間チェック(0.8mm以下)、ルームメイトへの「明日の朝7時32分に僕が目を覚ます音で君が驚かないように気をつけてくれ」というメッセージ送信を終えた。
就寝時、僕は弦の非可換代数構造を思い浮かべながら眠りについた。もし夢が理論に変換できるなら、僕のREM睡眠はすでに物理学の新章を記述している。
昨日は木曜日。起床時刻は8:00:00JST。アラーム音の波形をFFT解析した結果、隣室からの環境ノイズによるピークが±23Hz揺らいでいた。
ルームメイトは、ドアを閉めるという行為を確率的選択肢だと思っているらしい。彼の行動は統計的にはマルコフ過程に近似できるが、僕の生活は決定論的だ。
午前は、超弦理論における非可換ホモトピー圏上の圏的双対性を再構成していた。通常のCalabi–Yau三次元多様体上でのホロノミー群SU(3)に依存する議論ではなく、より上位の∞-圏的層を使って複素構造の退化を防いだままトポス的整合性を保つ方法を考えた。
僕が構築しているモデルでは、背景多様体自体を対象とせず、可換図式のクラスを対象とし、その射として∞-モノイド的自然変換を定義する。これにより、通常のD-braneカテゴリを超えた自己言及的圏論的相互作用を扱うことができる。
問題は、この自己言及構造の安定性だ。内在的コホモロジー群が通常のExt群では閉じず、代わりに導来圏上の高階Ext^ωを取らねばならない。
だがそのとき、導来圏が非完備となり、整列関手が存在しない。つまり、ウィッテンやデルーニャンがやっているレベルの物理的実在に還元可能な構成は、僕の理論では完全に失効する。
僕のモデルは観測可能性という概念を含まない。構成論的には存在するが、可視化不能なトポス的真空。観測できないが、計算できる。数学はその矛盾を祝福する。
昼食は、ピザ。例によって精密オーブンで16分。昨日はタイマーを設定した瞬間にルームメイトが話しかけてきたせいで、0.8秒遅れた。
ピザの表面張力(つまりチーズ層の粘弾性)が変化したのを僕は即座に検知した。これは味覚ではなく構造の問題だ。
午後は、原神を再開した。キャラビルドの統計最適化をPythonで書いていたら、隣人がまた「ストーリーが泣ける」と話しかけてきた。
僕は物語には一切興味がない。僕の目的は、アルゴリズム的最適化の収束率を比較することだ。
攻撃力と元素チャージ効率のパラメータ空間を3次スプライン補間して、境界値をニュートン–ラフソン法で探索していたら、シード値の初期設定にわずか0.001の誤差があり、収束が乱れた。
もう一度やり直した。成功。キャラは星5だが、僕の関心は星の数ではない、数列の収束だ。
夜はベルセルクの再読。グリフィスが再登場するあの章。僕は感情的には何も動かないが、作画密度の変化を統計的に数えた。
平均線密度は1ページあたり1720本、前章から約12%減。連載時期のアシスタント体制の変化が見える。
その後、シヴィライゼーションVIを起動。僕は必ずアリストテレス主義的発展ルートを選ぶ。文化勝利などくだらない。科学勝利のみが純粋だ。
途中、友人が「軍事ルートで遊ぼう」と提案してきたが、それは知的堕落だ。戦略ゲームとはアルゴリズムの美であって、破壊の快楽ではない。
就寝は23:00:00。歯ブラシを磨く順序は右下→右上→左上→左下。これは既に300日継続中。統計的に、歯垢残存率が0.2%低い。
寝る直前に「∞-圏上のトポス的モジュライ空間の存在定理」をメモに残した。夢の中で証明が完成する可能性がある。
総じて良好。次は、導来∞-圏上のモジュライ関手が可換であるための必要十分条件を探す。それがわかれば、少なくとも僕の宇宙では、全てが整う。
昨日の朝
彼岸花が最近咲いててめずらしーなと思って毎日チラ見してるんだけど、
でかいモンキアゲハがひらひら飛んでて、自然ってきれいだなと思った
実は最初はでかくて黒いから単純にクロアゲハかとも思ったんだけど、
白い文様があるのがきになって調べたらモンキアゲハだったんだよね
はずかちー
昨日(2025年10月8日・水曜日)の僕は、いつものように目覚めの瞬間から几帳面だった。
アラームを鳴らす前の微小な筋肉収縮で6時44分59秒に目が醒め、コーヒーの湯温は必ず蒸らし後92.3℃で計測し、トーストの一片は正確に28.4g、バナナは熟度指標でF値が2.1に収まっていることを確認してから食べる。
午前中は机に向かい、形式的かつ徹底的に「超弦理論の位相的/圏論的精緻化」を考察した。
具体的には、ワールドシートCFTを従来の頂点作用素代数(VOA)として扱う代わりに、スペクトラル代数幾何の言葉で安定∞-圏の係数を持つ層として再構成することを試みた。
つまり、モジュライ族 上に、各点で安定∞-圏を付与するファイバー化されたファミリーを考え、その全体をファクタライゼーション代数として捉えて、Lurie 的な infty-functor として境界条件(ブレイン/D-brane)を安定∞-圏の対象に対応させる枠組みを描いた。
ここで重要なのは、変形理論が Hochschild 共役で制御されるという点で、VOA のモジュラー性に相当する整合性条件は、実は E_2-作用素のホモトピー的不変量として読み替えられる。
従って、運動量・ゲージアノマリーの消去は位相的にはある種の線バンドルの自明化(trivialization)に対応し、これはより高次のコホモロジー理論、たとえば楕円コホモロジー/tmf 的な指標によって測られる可能性があると僕は仮定した。
さらに、Pantev–Toën–Vaquié–Vezzosi のshifted symplectic構造を導来スタックの文脈で持ち込み、ブライアンのBV–BRST形式主義を∞-圏的にアップグレードすることで、量子化を形式的deformation quantizationから∞-圏的モノイド化へと移行させる方針を検討した。
技術的には、済んだ小節のように A∞-圏、Fukaya 型的構成、そして Kontsevich 型の formality議論をスペクトラル化する必要があり、Koszul双対性と operadic な正規化(E_n-operad の利用)が計算上の鍵になる。
こうした抽象化は、従来の場の理論的レトリックでは見逃されがちな境界の∞-層が持つ自己整合性を顕在化させると信じている。
昼には少し気分転換にゲームを触り、ゲーム物理の乱暴さを数理的に嫌味ったらしく解析した。
具体的には、あるプラットフォーマーで観察される空中運動の離散化された擬似保存則を、背景空間を非可換トーラスと見なしたときの「有効運動量」写像に帰着させるモデルを考えた。
ゲームデザイン上の「二段ジャンプ」はプレイヤーへの操作フィードバックを担う幾何的余剰自由度であり、これは実は位相的なモノドロミー(周回時の状態射の非可換性)として記述できる。
こう言うと友人たちは眉をひそめるが、僕にはすべてのバグが代数的不整合に見える。
コミックについては、連載物の長期プロットに埋め込まれたモティーフと数理構造の類比を延々と考えた。
例えば大海賊叙事詩の航路上に出現する島々を、群作用による軌道分割として見ると、物語の回帰点は実はモジュライ空間上の特異点であり、作者が用いる伏線はそこへ向かう射の延長として数学的に整理できるのではないかと妄想した。
そう言えば隣人は最近、ある実写シリーズを話題にしていたが、僕は物語世界の法則性が観客認知と整合しているか否かをまず疑い、エネルギー保存や弾性論的評価が破綻している場面では即座に物理的な説明(あるいはメタ的免罪符)を要求する習慣があるため、会話は短く終わった。
ところで、作業ノートは全て導来stackのようにバージョン管理している。具体的には、研究ノートは日ごとにGit の commit を行い、各コミットメッセージにはその日の位相的観測値を一行で書き、さらに各コード片は単体テストとして小さな homotopy equivalence のチェッカーを通す。
朝のカップは左手から時計回りに3度傾けて置き、フォークはテーブルエッジから12.7mmの距離に揃える。
こうした不合理に見える細部は、僕の内部的整合性を保つためのメタデータであり、導来的に言えば僕というエンティティの同値類を定めるための正準的選択だ。
夕方、導来スタック上の測度理論に一箇所ミスを見つけた。p進的局所化と複素化を同時に扱う際に Galois作用の取り扱いをうっかり省略しており、これが計算の整合性を損なっていた。
誤りを修正するために僕はノートを巻き戻し、補正項として gerbe 的な位相補正を導入したら、いくつかの発散が自然にキャンセルされることを確認できた。
夜はノートを整理し、Emacs の設定(タブ幅、フォントレンダリング、undo-tree の挙動)を微調整してから21時30分に就寝準備を始めた。
寝る前に日中の考察を一行でまとめ、コミットメッセージとして 2025-10-08: ∞-categorical factorization attempt; correctedp-adic gerbe termと書き込み、満足して目を閉じた。
昨日は水曜日だったというその単純な事実が、僕にとってはすべての観測と規律を括る小さなモジュロであり、そこからまた今日の位相的問題へと還流していく。
僕が三週間かけて導出したp進弦理論の局所ゼータ関数上の正則化項を書き直せると思ったら大間違いだ。
あの計算は、ウィッテンでも手を出さない領域、すなわち、p進版のAdS/CFT対応をde Sitter境界条件下で非可換ゲージ群に拡張する試みだ。
通常の複素解析上では発散する項を、p進体のウルトラメトリック構造を利用して有限化することで、非摂動的な重力の相関関数を再構成できる。
だが、問題はそこにある。p進距離は三角不等式が逆転するので、局所場の概念が定義できない。
これはまるで、隣人がパンケーキを焼くときに「ちょっと目分量で」と言うのと同じくらい非論理的だ。
朝食はいつものように、オートミール42グラム、蜂蜜5グラム、カフェイン摂取量は80mgに厳密に制御した。
ルームメイトはまたしても僕のシリアルを間違って開けたが、僕はすでにこのような異常事態に備えて、バックアップとして同一銘柄を3箱ストックしてある。
僕が秩序を愛するのは強迫ではなく、宇宙の熱的死に抗うための小さな局所秩序の創出だ。
今日の研究は、T^4コンパクト化されたIIb型超弦理論のD3ブレーン上における非可換ゲージ理論の自己双対性。
通常、B場を導入することで非可換パラメータθ^{μν}が生成されるが、僕の考察では、θ^{μν}をp進値に拡張することで、通常のMoyal積が局所的整数体上で閉じない代数構造を持つ。
これが意味するのは、物理的空間が離散的p進層として現れるということ。言い換えれば、空間そのものが「整数の木構造」になっている。
ルームメイトが「木構造の空間って何?」と聞いたが、僕は優しく、「君の社交スキルのネットワークよりは連結性が高い」とだけ答えておいた。
午後は友人たちとゲームをした。タイトルはエルデンリング。だが彼らのプレイスタイルには忍耐が欠けている。
僕がビルドを純粋知力型にしてカーリア王笏を強化している間に、彼らは無計画に突っ込んではボスに殺されていた。
統計的に見ても、平均的なプレイヤーの死亡原因の82%は戦略ミスに起因する。
僕は「量子重力のパス積分と違って、こっちはセーブポイントがあるんだ」と指摘したが、誰も笑わなかった。理解力が足りないのは罪だ。
夜、コミックを再読した。ウォッチメンのドクター・マンハッタンの描写は、量子決定論の詩的表現として未だに比類ない。
あの青い身体は単なる放射線の象徴ではなく、観測者のない宇宙の比喩だ。
僕が大学時代に初めて読んだとき、「ああ、これは弦の振動が意識を持った姿だ」と直感した。
今日もそれを確かめるため、ドクター・マンハッタンが時間を非線形に認識するシーンを分析し、p進時空における時間関数t→|t|_pの不連続性との対応を試みた。
結果、彼の非時間的意識は、実はp進的時間座標における不連続点の集積と一致する。つまり、マンハッタンはp進宇宙に生きているのだ。
寝る前に歯を磨く時間は、時計が23:00を指してから90秒以内に開始しなければならない。これは単なる習慣ではなく、睡眠周期を最大化するための生理学的最適化だ。
音楽は再生しない。音波は心拍数を乱すからだ。ただし、ゼルダの伝説 時のオカリナのエンディングテーマだけは例外だ。あれは時間対称性を感じさせる旋律だから。
僕の一日は、非可換幾何と行動最適化の連続体でできている。宇宙のエントロピーが増大しても、僕の部屋の秩序は一定だ。つまり、少なくともこの半径3メートルの範囲では、熱的死はまだ先の話だ。
ユニオバ始めたけど最初のチュートリアル終わったらあらすじ始まって4つくらいある国がいきなり全部征服されててワロタ
洗脳する便利アイテム使ってるってことでプレイヤー側はそれを解除できる指輪もってるから解放してこーって
ちょっとあんまり・・・と思ってレビュー調べたらやっぱりストーリーとかキャラは期待できない感じなのか・・
このグラフィックでオーディンスフィアみたいにアクションゲーやりてーと思ってしまう
思えば13騎兵もそうだったなあ
龍が如く見参と名を消した男やっときたいけどそれよりやっときたいユニオバきたからそっち先にやっとくかなー
プレイ時間的にはごとくシリーズの方が短いんだろうけどごとくはやりたくてやるってよりはやっときたいみたいなノルマこなす感じだからなあ
寝すぎて頭痛い
きのうは5のつくひだったからヤフーショッピングでかいものした
でも高いポイントつく買い物しなかったから全然いみなかったけど
せんげつLYPプラミアム(’旧ヤフープレみあむ)の新規入会特典で2000円ぶんのクーポンもらったからそれつかわないとと思っただけ
なんかかおうかまよったけど結局めんどくて消えるものにした
やさいじゅーす
トマト缶とも迷ったけど
トマト缶はまだ使いきれなくて余ってんだよなー
オートミールがなくなって消費しにくくなっちゃったんだよねトマト缶
冷蔵庫なくて保管できないし
ペットボトルだとついつい飲みすぎちゃって結局長持ちしなくてコスパわるくなることがめにみえてたから
1しょくぶんずつの紙パックにしたのよね
うふふ
1本17円、ドリップのコーヒーが1杯30円って広告より安いわ
おもに朝飯代わりに飲もうと思ってるわ
ほんとは朝飯も食ったほうがいいのはわかってるんだけどね
どうしようかしらね
やっぱり冷蔵庫ないとできること限られるのよねえ
昨日は、僕の週間ルーティンの中でも最も重要な整合性検証日だった。つまり、宇宙がまだ局所的に論理的であるかを確認する日だ。
朝7時ちょうどに起床し、ベッドの角度を壁と垂直に再測定した結果、誤差は0.03度。つまり宇宙はまだ僕を裏切っていない。
朝食の時間、ルームメイトがトースターを再び二枚焼きモードにしたが、今回は驚かなかった。僕は冷静に、バナッハ=タルスキ分割の話を持ち出してこう言った。
「君のパンは二枚に見えるが、集合論的には同一だ。したがって、君の誤りは物理ではなく測度論の問題だ。」
彼は黙ってパンをかじった。理解されることを期待するのは、もはやハイゼンベルク的非決定性と同義だ。
午前中は、僕の新しい理論「ホモトピー圏上の自己参照的弦圏理論」の検証を進めた。
通常の超弦理論がカテガリー的に整合するのは、D-ブレーンが導くモジュライ空間の滑らかさが保証されている範囲内に限られる。
しかし僕は最近、滑らかさという仮定そのものを削除し、「∞-圏上のA∞代数的自己整合性条件」に置き換えるべきだと気づいた。
つまり、弦のダイナミクスを場の配置空間ではなく、「圏の自己ホモトピー類」として定義するのだ。すると興味深いことに、背景幾何が消滅し、すべての次元は内部的モノイダル構造に吸収される。
言い換えれば、「空間」とはただの圏論的影であり、時空の実在は「自然変換の連続体」そのものになる。
これが僕の提案する“Self-fibrantString Hypothesis”だ。ウィッテンが読んだら、きっと静かに部屋を出ていくに違いない。
昼過ぎ、隣人がまた廊下で大声で電話していたので、僕はノイズキャンセリングヘッドフォンを装着し、同時に空気清浄機を「ラグランジュ安定モード」に切り替えた。
これは僕が改造した設定で、空気の流速が黄金比比率(φ:1)になるよう調整されている。これにより室内の微粒子分布が準結晶構造に近似され、精神的平衡が保たれる。
僕は自分の心の状態を量子的可換代数で表すなら、ほぼ可換な冪零理想の中にあるといえる。隣人は理解していないが、それは仕方ない。彼女の精神空間は可約表現のままだ。
午後は友人たちとオンラインでEldenRingを再プレイした。僕は魔術師ビルドで、ルーンの経済を「局所場理論の再正則化問題」として再解釈している。
彼らがボスを倒すたびに叫ぶのを聞きながら、僕は心の中でリーマン面の分枝構造を追跡していた。実はEldenRingの地形構成はリーマン面の切り貼りに似ており、特にリエニール湖の設計は2次被覆の非自明な例として見ることができる。
開発者が意図していないことはわかっているが、現象としては美しい。芸術とは本質的に、トポスの自己鏡映だ。
夜、僕はコーヒーを淹れ、久々にグロタンディークのRécolteset Semaillesを読み返した。数学者が自分の「精神の幾何学」について語る箇所を読むと、僕の理論的中枢が共振する。
グロタンディークが述べた「点は存在しない、ただ開集合がある」という思想は、僕の弦理論観と同じだ。物理的対象とは「開集合上の自然変換」に過ぎず、存在とは測度可能性の仮構にすぎない。つまり、宇宙とは「圏論的良心」だ。
深夜、ルームメイトが僕の部屋をノックして「一緒に映画を観ないか」と言った。僕は「今日は自己同型群の可換性検証を行う予定だ」と答えたが、彼は肩をすくめて去った。
代わりに、僕はブレードランナー2049のBlu-rayを再生し、壁紙の色温度を劇中のネオン発光スペクトル(中心波長602nm)に合わせた。
完全な没入体験のために、部屋の空気を2.3ppmのオゾン濃度に調整した。呼吸するたびに、僕は自分が物質ではなく関手の束だと実感する。
目覚ましは06:17、豆は正確に12.3グラム、挽き目は中細、湯の温度は93.2℃で抽出時間は2分47秒。
ルームメイトがたまにまちがえて計量スプーンを左から右へ並べ替えると、その不整合が僕の内部状態の位相をわずかに変えるのを感じるが、それは許容誤差の範囲内に収められている。
隣人の社交的雑音は僕にとって観測器の雑音項に過ぎないので、窓を閉めるという明快なオペレーターでそれを射影する。
友人たちとの夜はいつも同じ手順で、ログイン前にキーボードを清掃し、ボタンの応答時間をミリ秒単位で記録する。
これが僕の日常のトレースの上に物理的思考を埋葬するための儀式だ。
さて、本題に入ろう。今日はdSの話などではなく、もっと抽象的で圧縮された言語で超弦理論の輪郭を描くつもりだ。
まず考えるのは「理論としての弦」が従来の場の量子論のS行列的表現を超えて持つべき、∞-圏的・導来幾何学的な定式化だ。
開弦・閉弦の相互作用は局所的にはA∞代数やL∞代数として表現され、BV形式主義はその上での微分グラデーション付き履歴関数空間におけるマスター方程式として現れる。
これを厳密にするには、オペラド(特にmoduli operad of stablecurves)とそのチェーン複体を用いて散乱振幅をオペラディックな合成として再解釈し、ZwiebachやWittenが示唆した開閉弦場理論の滑らかなA∞/L∞構造を導来スタック上の点列として扱う必要がある。
導来スタック(derived Artin stack)上の「積分」は仮想基本クラスの一般化であり、Pantev–Toën–Vaquié–Vezzosiによるシフト付きシンプレクティック構造は、弦のモジュライ空間に自然に現れる古典的BV構造そのものだ。
さらに、Kontsevichの形式主義を導来設定に持ち込み、シフト付ポアソン構造の形式的量子化を検討すれば、非摂動的効果の一部を有限次元的なdeformationtheoryの枠組みで捕まえられる可能性がある。
ここで重要なのは「関手的量子化」すなわちLurie的∞-圏の言語で拡張TQFTを∞-関手として定義し、コボルディズム公理を満たすような拡張場理論の対象として弦理論を組み込むことだ。
特に、因果的構造や境界条件を記述するfactorization algebra(Costello–Gwilliamの枠組み)を用いると、局所的観測子代数の因子化ホモロジーが2次元世界面CFTの頂点代数(VOA)につながる様が見えてくる。
ここでVOAのモジュラリティと、2次元場の楕円族を標的にするエリプティックコホモロジー(そしてTMF:topological modular forms)が出てくるのは偶然ではない。
物理的分配関数がモジュラー形式としての変換性を示すとき、我々は位相的整流化(string orientation of TMF)や差分的K理論での異常消去と同様の深層的整合性条件に直面する。
Dブレインは導来カテゴリ(整合層の導来圏)として、あるいは交差的フカヤ圏(Fukaya category)として表現でき、ホモロジカルミラー対称性(Kontsevich)はこれら二つの圏の導来同値としてマップされる。
実際の物理的遷移やアセンションは、圏の安定性条件(Bridgelandのstability conditions)とウォールクロッシング現象(Kontsevich–Soibelmanのウォールクロッシング公式)として数学的に再現され、BPS状態はドナルドソン–トーマス不変量や一般化されたDT指数として計算される。
ここで出てくる「不変量」は単なる数値ではなく、圏のホールディング(持続的な)構造を反映する量化された指標であり、カテゴリ的量子化の語彙では「K-theory的なカテゴリ不変量」へと持ち上げられる。
さらに、超弦の非摂動的断面を完全に記述しようとするなら、モジュライ超曲面(super Riemann surfaces)の導来モジュラス空間、そのコンパクト化(Deligne–Mumford型)のsuperversion、そしてこれら上でのファクタライゼーションの厳密化が不可欠だ。
閉弦場理論のstringfieldtheoryはL∞構造を持ち、BV量子化はその上でジグザグするcohomologicalobstructionを制御する。
より高次の視座では、場の理論の「拡張度」はn-圏での対象の階層として自然に対応し、拡張TQFTはCobordism Hypothesis(Lurie)に従って完全に分類されうるが、弦理論の場合はターゲットが無限次元であるため古典的公理系の単純な拡張では捉えきれない。
ここで我々がやるべきは、∞-オペラド、導来スキーム、シフト付きシンプレクティック構造、A∞/L∞ホモロジー代数の集合体を組織化して「弦の導来圏」を定義することだ。
その上で、Freed–Hopkins–Telemanが示したようなループ群表現論とツイストK理論の関係や、局所的なカイラル代数(Beilinson–Drinfeldのchiral algebras)が示すような相互作用を取り込めば、2次元CFT分配関数と高次トポロジー的不変量(TMF的側面)が橋渡しされるだろう。
これらは既知の断片的結果をつなげる「圏的連結写像」であり、現実の専門家が何をどの程度正確に定式化しているかは別として、僕が朝に計量スプーンを右から左へ戻す行為はこうした圏的整合性条件を微視的に満たすパーソナルな実装に過ぎない。
夜、友人たちと議論をしながら僕はこれら抽象的構造を手癖のように引き出し、無為に遺伝子改変を選ぶ愉快主義者たちに対しては、A∞の結合子の非自明性を説明して彼らの選択が位相的にどのような帰結を生むかを示す。
彼らは大抵それを"面白い"と呼ぶが、面白さは安定条件の一つの可視化に過ぎない。
結局、僕の生活習慣は純粋に実用的な意味を超え、導来的整合性を日常に埋め込むためのルーチンである。
明日の予定はいつも通りで、06:17の目覚め、12.3グラムの豆、93.2℃、2分47秒。そしてその間に、有限次元近似を超えた場所での∞-圏的弦理論の輪郭をさらに一行ずつ明確にしていくつもりだ。