Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


はてラボはてな匿名ダイアリー
ようこそ ゲスト さんログインユーザー登録
< anond:20251019225805 |anond:20251019225232 >

2025-10-19

化けの皮の剥がし

好きな人ができた。

同じ大学とだけ知っていた。それ以外の共通項は特になかった。ただ、話が合うような気がしたから、思い切って食事に誘った。

画面の向こう側から来た彼女は、とても綺麗だった。

私はもう一度、祈る気持ちで誘った。今度はもう少し時間のかかる予定を考えた。

彼女をその誘いを受けてくれた。

そのようにして、知り合ってから何度か出かけた。

出かけるための口実を作り、そして、先の何ヶ月かにおいて、それぞれに約束を取り付けた。

嫌われてはいないと信じたい。

多くの男性がそうであるように、私も演技をしている。理想的男性と騙せるように、彼女の前では猫をかぶっている。

おれは気が利かない。だって、何をすれば女性が、おまえが喜ぶのか、逆に何をしたら怒るのか、おれには未だよく分からない。だから、気の利かせようがない。

おれは要領が良くない。おれは頭を棚にぶつける。小指も棚に打ちつける。料理をすれば、コンロ・シンク冷蔵庫三者間を反復横跳びのように忙しなく飛び回る。

おれは頭が良くない。第一、おまえが高校を出てすぐ入った大学に、おれは1年遅れてようやく入ったのだから

おれはハイソではない。おれは本を読まないし、映画も見ない。音楽だって詳しくない。おれの故郷と、通った高校のある隣町は、恐ろしいことに両方の名が"ナンバープレートカースト表"の一番下に並んでいる。地元バイパスでは今も、羽の生えたプリウス同士が大競走しているのだろう。おれはそれが別段特別なことに見えないし、思えない。

おれは甲斐性がない。わずかな貯金と、基礎と熱意を欠いた不安定学問知識と、同じくらい不安定な職の3点以外、何も持ち合わせていない。今までの無駄時間有意義自己研鑽と職探しに使っていれば、真っ当な職業人として巡り会えていたかもしれないと思うと、まこと慚愧の念に堪えない。

おれは飄々としていない。大学から帰るのが遅くなったとき、おまえはあの汚らしい駅の猥雑なロータリーで、耳を塞ぎたくなるような話を、眉を顰める大声で、夜空に向かって不明瞭に叫んでいた、不愉快学生集団を見たのではないか。だとしたら、その中にはおれがいたかもしれない。おれは調子にも乗りやすい。

いずれ綻びが顕になるのだろう。

あまねく人間に、私に、綻びがあることは当然で、そのことに対しては何も思わない。そもそも「綻びが(これだけ)ある」と悩む必要は、実はないのではないかとさえ思う。綻びの総量それ自体個人主観に左右されるものだろう。そして、人の内面を変更する術を、あるいはcharmを、少なくとも後者を私は持たない。

ただ、それとどのように綻びを知らせるのか(全て私の誤解で、意地でも隠し通すのが定石なのかもしれない。そうなんですか?)という問題は別のはずだ。失望は避けられないことで、かつ、その最大瞬間風速が相手の許容できる閾値を超えたとき一般論として人間同士の関係は崩れる。

私は減速剤を知らない。他者失望の速度を、どう制御すればいいのか分からない。今までは流れの向くまま、それで良かった。今度は違う。化けの皮のせめてその剥がれ様だけは、自分で決めたい。できることなら、なるべく遅く、なるべく波風立たず、悟られないように。

思うに、あまねく人間に綻びがあることは当然で、人にどう知らせるかという点に上手下手があるのだろう。

親にでも聞けばいいのだろうか。統計的には親こそ「上手」な人が多いはずで、化けの皮もいい加減ないようなもののはずだから

Permalink |記事への反応(1) | 22:59

このエントリーをはてなブックマークに追加ツイートシェア

記事への反応 -
  • これAIではないよね…?意味がよくわからないし、「おれ」と言ったり「私」と言ったりしてるし どうやって書いたの?人力?

記事への反応(ブックマークコメント)

全てのコメントを見る

人気エントリ

注目エントリ

ログインユーザー登録
ようこそ ゲスト さん
Copyright (C) 2001-2025 hatena. All Rights Reserved.

[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp