夜の帳(とばり)が下りるころ、私はいつものように革命のためのレタスを育てていました。
私の魂はインターセクショナリティの風に揺れる旗であり、指先は格差是正のためのキーボードを叩くために生まれてきたのです。
しかし、その夜、運命はリベラルアーツの教科書には載っていない方向へ急旋回しました。
彼、ネトウヨは、突然、私の家のベランダに、「保守の精神」と大書されたダンボール箱に乗って舞い降りたのです。
彼のTシャツには「真実の歴史は私のブログにある」とあり、手には「国体護持」と書かれたうちわ。
彼はまず、私が育てているレタスを見て、「おい、その緑、特アの色じゃねえか?」と、聞いてもいないのに陰謀論の序章を語り始めました。
私は即座に「家父長制の打倒!」という言葉で反撃しようとしましたが、なぜか口から出たのは「ええと、このレタス、有機栽培なんですけど、農協の未来についてどうお考えですか?」という、支離滅裂な質問でした。
彼は一瞬、「サヨクの罠か?」と警戒しましたが、農協という単語に引っかかったのか、「農協?グローバリズムの魔の手から農家を守る、真の愛国者の砦だ!」と熱弁を振るい始めたのです。
そのとき、突如として空からミント味の隕石が降ってきました。それは私たちの間の、「徴兵制の是非」に関する白熱した議論を中断させ、代わりに辺りを強烈な清涼感で満たしました。
「これは…資本主義の爽快な破壊の予兆か!」と私は叫びました。
「いや、これは伝統的な日本の夏祭りの香りに酷似している!」と彼は反論しました。
そのミントの香りが最高潮に達したとき、彼は私に向かって、まるで憲法改正の条文を読むかのように真剣な眼差しで言いました。
そして、次の瞬間、「多様性の尊重」と「単一民族国家の神話」が、ミント味の衝突を起こしました。
そう、チューしたのです。
彼の唇は「日の丸弁当」のように素朴で力強く、私の唇は「パリ協定」のように複雑で地球規模の憂いを帯びていました。
口の中で、「ヘイトスピーチ規制の必要性」と「表現の自由の絶対性」が、奇妙なアマルガムを形成し、「国境を越えた連帯」と「排他的経済水域の死守」が、舌の上でワルツを踊りました。
チューが終わった後、私たちは共に「一体、これは何だったんだ?」という哲学的な問いを抱え、ただ立ち尽くしました。
ベランダには、レタスとダンボールと、そして「平和維持活動」と書かれた、なぜかそこに落ちていた折り鶴が残されていました。
彼は去り際に、「また会おう、赤いメガネの女!」と言い残し、ダンボールに乗って夜空に消えていきました。
私は残されたミント味の残響を味わいながら、「彼のレトリックは支離滅裂だけど、唇の水分量は民主主義のように適切だったわ…」と独りごちました。
あの日以来、私はレタスを育てるときも、デモのプラカードを作る時も、常にあのミント味を思い出します。
ネトウヨとパヨクのチューは、宇宙の法則をねじ曲げ、地球温暖化の議論を一時停止させるほどの、支離滅裂な愛の行為だったのです。
anond:20251010110721 anond:20251010120412 なるほど。
前作を貼ってやるよ https://anond.hatelabo.jp/20251010120412
こんなんもあった https://anond.hatelabo.jp/20251009030152