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< anond:20251008114908 |anond:20251007204154 >

2025-10-08

発熱外来が屋外に設置されがちなのは感染防止という観点からすれば極めて合理的だと思う。感染症が流行する中で、発熱者と一般患者を分けるのは医療機関として当然のリスクマネジメントだ。だが、合理性と納得感は別問題だ。冬の寒風の中で体調が悪い状態で外に立たされるのは、どう考えても非人道的だと思う。合理性の名の下に人間身体苦痛を軽視している点に、現行運用限界を感じる。

発熱外来を屋外に設置するのは、医療従事者の安全院内感染リスク低減を目的とした「施設防衛措置」だが、患者側の視点に立てば「寒さの中で待たされる二次健康被害」もまた現実的リスクである特に高齢者や基礎疾患を持つ患者が、診察前に冷え込んで体調を悪化させる可能性は十分にある。感染拡大防止を優先するあまり、個々の患者健康尊厳犠牲にしている構図が透けて見える。

一方で、外来の待合室の問題も深刻だ。発熱患者を屋外に追い出しておきながら、室内の待合室には予防接種を受けに来た健康な人々が占拠しているという状況は、理屈としておかしい。予防接種を受けに来ている時点で彼らは健康体であり、体調不良者よりも環境に耐える余力がある。にもかかわらず、体調が悪くて立っていられない患者が席に座れず、健康な人が悠々と座ってスマホをいじっている構図は、どうにも納得がいかない。椅子が埋まるなら、元気な人間こそ立つべきだと思う。

問題本質は、医療現場動線設計優先順位の設定が「感染対策の表層」で止まっており、「患者体験」として設計されていない点にある。行政指針が感染制御一辺倒で、現場の快適性や患者目線運用に踏み込んでいない。結果として、具合の悪い人が冷たい外気の中で耐え、健康な人が温かい室内で待つという、逆転した光景が生まれている。

現実的改善策としては、屋外に設置する場合でも簡易暖房ビニールシェルターなどの「仮設空調構造」を義務化すること、また院内動線発熱・非発熱予防接種で分離し、優先的に座るべき人を案内できる運用を整えることが挙げられる。医療機関感染防止責任は重いが、同時に患者苦痛を軽減する配慮もまた医療の一部である

結局のところ、「合理的から仕方ない」で済ませる限り、医療人間的でなくなる。感染を防ぎながらも患者を冷たい外に立たせない工夫をすることこそ、本来意味での公衆衛生だと思う。合理性の追求と人間性の回復、その両立が今の医療現場には求められている。

Permalink |記事への反応(1) | 11:50

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